JP2009252726A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光透過性と低抵抗の透光性導電性基板をカソード電極として用い、カソード電極側から光照射し、発電させることにより、大面積化しても効率低下しない色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】少なくとも導電体を含む基材1上に、少なくとも増感色素2を吸着させた半導体多孔質層3を有するアノード電極と、該アノード電極の半導体多孔質層側に対向する透光性導電性基板4からなるカソード電極、及び前記アノード電極と該カソード電極の2枚の電極間に電解質層を封止した構成を有する色素増感型太陽電池において、該透光性導電性基板4が、少なくとも透明基材上に、線幅が5μm〜20μm、且つ、開口率が84%〜98%である集電線42を有し、該集電線の表面が第1の導電性被覆層43によって被覆されていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
【選択図】図1

Description

本発明は色素増感型太陽電池に関する。
色素増感型太陽電池は構成が単純であり、印刷工程で製造できるといった特徴から、素材・プロセス両面で大幅なコスト低減が期待され、シリコン系、GaAs系、CIS系などに続く次世代の太陽電池として注目を集めている。
この色素増感型太陽電池は、半導体表面に吸着させた色素分子が太陽光を吸収し、色素のLUMO(最低空軌道)から半導体のCB(伝導帯)へ電子注入が起こることで所謂分光増感を行う。
色素分子は半導体表面に吸着基を介して結合させるため、一般的には単分子層であるとされる。即ち、太陽電池セルに入射した光を高い効率で電子に変換させるためには、色素の光吸収能を向上させる技術が必要である。
それに対し大きなブレイクスルーを果たしたのが、酸化チタンの超微粒子を適度な空孔を含む多孔質膜として形成させたことにある。
この多孔質膜中の粒子表面に色素分子を単分子吸着させることで、光吸収/電子注入サイトの比表面積を数千倍にまで高めることを可能にし、太陽電池セルに入射した太陽光を効率よく電子に変換することができる。
色素から注入された電子は、酸化チタン多孔質膜中を高効率に拡散し透明電極に到達する。一方で、電子を失った色素は電解質中のヨウ素イオンから電子を受け取る。さらには電子を渡したヨウ素イオンが対極のPt基板上で電子を受け取る。色素増感型太陽電池は、この一連の光吸収・酸化還元過程を経て外部回路を駆動する。
しかしながら、現状では前記の透明電極が数Ωオーダーの抵抗を有するため、色素増感型太陽電池のセルサイズを大きくしていくと、ジュール熱損失からフィルファクターが低下し、光電変換効率が著しく低下するといった挙動を示し、セルの大型化によるコストダウンを達成する上で大きなボトルネックとなっている。
それに対して、低抵抗な金属部材からなるバスバーや集電グリッドなどを透明導電性基板上に形成させ、透明導電膜の抵抗を補う構成が知られている。
集電グリッドの形成法としては、例えば、銀粒子ペーストをスクリーン印刷で基板上に塗布し焼成して集電グリッドとする方法が最も一般的ではあるが、もう少し精巧なグリッドを形成させる技術として、ハロゲン化銀を用いた写真法による銀細線層形成と、導電性を有する金属メッキ層を形成させることで集電グリッドとする技術が紹介されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また更に、生産プロセスでコストダウンを達成するためには、フレキシブル基盤(可撓性基盤ともいう)を用いた所謂ロール・トゥ・ロール法が必要になってくる。
しかしながら、高効率な色素増感型太陽電池を得るためには、半導体多孔質膜を形成させる際に400℃以上の高温焼結プロセスが不可欠であり、そこまでの温度に耐えられるフレキシブルな透明樹脂基板が存在せず、低温プロセスで高効率な色素増感型太陽電池を得ることができなかった。
それに対し、半導体多孔質膜層が塗布された電極基板をフレキシブルな金属箔とし、それとは反対のカソード極側を透明樹脂基板とする構成で、従来とは逆から光照射する態様のセルを設計し、このような課題を解決する提案がなされている(例えば、特許文献3、非特許文献1参照。)。
しかし、この構成においても大面積化した際には上記の課題と同様に変換効率が著しく低下する挙動がみられる。
また、カソード極にPt被覆した金属メッシュを固定化させることで、フレキシブルで大面積なセルを達成する技術が紹介されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、カソード極から光照射するタイプのセルでは、半導体多孔質膜層側から照射したセルに対して未だ変換効率が低いという問題点があった。
また、変換効率が低い要因としては、金属メッシュを用いることで光が透過する面積、所謂開口率が減少し、透過率が著しく下がるため性能が低下しやすい。
一方、開口率を高くしようと目の粗いメッシュを用いると、表面比抵抗が大きくなりジュール熱損失が増大するといったトレードオフが発生するため、上記の問題点を解決できていない。また、フレキシブル(可撓性)でありながら、且つ、大面積セルの変換効率を向上させる色素増感型太陽電池が望まれている。
特開2005−332705号公報 特開2007−95567号公報 特開平11−288745号公報 特開2006−286534号公報 Chem.Commun.,2006,4004−4006
本発明は光電変換特性の良好な色素増感型太陽電池を提供することである。また、フレキシブルでありながら、大面積セルを有し変換効率の高い色素増感型太陽電池を提供することである。
1.少なくとも導電体を含む基材上に、少なくとも増感色素を吸着させた半導体多孔質層を有するアノード電極と、該アノード電極の半導体多孔質層側に対向する透光性導電性基板からなるカソード電極、及び前記アノード電極と該カソード電極の2枚の電極間に電解質層を封止した構成を有する色素増感型太陽電池において、
該透光性導電性基板が、少なくとも透明基材上に、線幅が5μm〜20μm、且つ、開口率が84%〜98%である集電線を有し、該集電線の表面が第1の導電性被覆層によって被覆されていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
2.前記集電線が、銀細線に導電性金属が電解メッキされた2層構成を有し、前記集電線と該銀細線との線幅比が1.2〜2.0(線幅比=集電線の線幅/銀細線の線幅)であることを特徴とする前記1に記載の色素増感型太陽電池。
3.前記集電線の断面積が30μm〜200μmであることを特徴とする前記1または2に記載の色素増感型太陽電池。
4.前記導電性被覆層が、金属酸化物からなることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
5.前記導電性被覆層が、導電性高分子からなることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
6.前記集電線の表面が第1の導電性被覆層により被覆されており、且つ、透光性導電性基板の開口部が第2の導電性被覆層によって被覆されていることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
7.前記第1の導電性被覆層が、レドックス触媒能を有する材料からなることを特徴とする前記6に記載の色素増感型太陽電池。
8.前記第2の導電性被覆層が、金属酸化物からなることを特徴とする前記6または7に記載の色素増感型太陽電池。
9.前記第2の導電性被覆層が、導電性高分子からなることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
10.前記透明基材が、各々可撓性基材からなることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
本発明により、高い光透過性と低抵抗の透光性導電性基板をカソード電極として用い、カソード電極側から光照射し、発電させることにより、大面積化しても効率低下しない色素増感型太陽電池を提供することができた。
本発明の色素増感型太陽電池においては、請求項1〜10のいずれか1項に規定される構成により、光電変換特性の良好な色素増感型太陽電池を提供することである。また、フレキシブルでありながら、大面積セルを有し変換効率の高い色素増感型太陽電池を提供することができた。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について説明する。
本発明者等は、上記の問題点を種々検討した結果、請求項1に記載のように、アノード電極の対極であるカソード電極に用いる透明導電性基板を最適に設計することで前記課題の解決に至った。以下にその具体的構成について説明する。
まず、本発明の色素増感型太陽電池について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の色素増感型太陽電池の基本構造を示す概略断面図である。
本発明の色素増感型太陽電池は図1によって示される通り、導電体を含む基材1の上に増感色素分子2を吸着させた半導体多孔質層3を有するアノード電極と、該アノード電極に対向する透光性導電性基板(「カソード電極」と呼ぶこともある)4からなるカソード電極と、その間に電荷移動層(「電解質層」と呼ぶこともある)5を、封止材6によって封止した構成からなる。
本発明の色素増感型太陽電池の透光性導電性基板4は、透明基材41の上に、少なくとも線幅が5μm〜20μmであり、且つ、開口率が84%〜98%の範囲である集電線42が設けられ、更に、該集電線42の表面が導電性被覆層43によって被覆された構成から成る。
図1では、集電線42は、金属細線42b上に導電性金属メッキ層42bが設けられている一態様を示している。
本発明の色素増感型太陽電池の構成は、カソード極側から光が入射し、発電することが好ましい。尚、図1において、+は正極を表し、−は負極を表す。
本発明の色素増感型太陽電池を構成する際には、前記半導体多孔質膜層3、電荷移動層5及びカソード電極4を、封止剤6で、ケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体多孔質膜層3に吸着された増感色素2は照射された太陽光または電磁波を吸収して励起する。
励起によって発生した電子は半導体多孔質膜層3に移動し、次いで導電体を含む基材1を経由して外部回路を通る。そして、透光性導電層基板4、具体的には集電線42から導電性被覆層43を介して電荷移動層5中のレドックス種を還元する。
半導体多孔質膜層3に電子を移動させた増感色素2は酸化体となっているが、カソード電極4から電荷移動層5中のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷移動層5中のレドックス電解質は酸化されて、再びカソード電極4から供給される電子により還元されうる状態に戻る。このようにして電子が流れることで外部回路を駆動し、本発明の色素増感型太陽電池を構成することができる。
《透光性導電性基板(カソード電極ともいう)》
本発明に係る透光性導電性基板(カソード電極ともいう)について説明する。
《集電線》
本発明に係る透光性導電性基板は、透明基材上に、線幅が5μm〜20μmであり、且つ、開口率が84%〜98%の範囲である集電線(以下、「集電グリッド」と呼ぶこともある)を有し、少なくとも前記集電線の表面が第1の導電性被覆層によって被覆されていることが特徴である。
本発明に係る集電線は、高い開口率を得るために、線幅が5μm〜20μmであることが特徴であり、好ましくは6μm〜15μm、最も好ましくは7μm〜13μm程度である。
また、本発明に係る集電線は、開口率が84%〜98%であるが、好ましくは85%〜96%であり、最も好ましくは87%〜95%である。
ここで、『開口率』とは、透光性導電性基板の光が照射される全体の面積に対して、集電線が締める面積を差し引いた面積との比を意味し、
〔(開口率)={(全体の面積)−(集電線が締める面積)}/(全体の面積)×100〕(%)で表される。
線幅、開口率はマイクロスコープなどで撮影した画像を解析し、各部の面積を求めることで算出する。細線の線幅等から開口率を求めることもできるが、実際には金属細線の線幅から求めた開口率と、画像解析により求めた開口率とは若干の乖離がある。
これは、メッキ処理などによって集電線のエッジが荒れたり、更には線同士の交点できれいな角が形成されず、なめされた形状になったりすることに起因し、ほとんどの場合、画像解析により求めた開口率の値が小さい値になる。
本発明に係る集電線は、金属細線(例えば、銀細線等)の表面(周囲も含む)に電解メッキまたは無電解メッキによって導電性金属をメッキした構成(導電性金属メッキ層ともいう)であることが好ましく、更に好ましくは、金属細線(例えば、銀細線等)からなるパターンを形成後、電解メッキにより導電性金属をメッキした構成(導電性金属メッキ層ともいう)を有することが好ましい。
この構成により、微細で正確なパターンが形成しやすい金属細線(例えば、銀細線)上に、導電性の高い金属でメッキ被覆することで、集電線の低抵抗化と高開口率(高光透過性)を両立することができる。
本発明に係る金属細線としては、透光性導電性基板上に正確なパターニングを行う観点から、銀細線が特に好ましく用いられる。
また、本発明では、集電線と金属細線(例えば、銀細線)との線幅比が1.2〜2.0の範囲であること好ましい。
ここで線幅比とは、メッキ前の銀細線に対して、メッキ後の集電線の基板に対して垂直方向から観察した線幅比を表し、
〔(線幅比)=(集電線の線幅)/(銀細線の線幅)〕の関係である。
線幅比(線幅比率ともいう)が1.2以上の場合には、メッキ金属が十分に形成されるため十分な低抵抗膜を得ることができ、本発明の効果が特に高く好ましい。
また、線幅比が2以下の場合には、元の金属細線(例えば、銀細線)パターンを維持し、線の交点同士がきれいな角を作り高い開口率を維持できるため好ましい。中でも、線幅比率が1.3〜1.7、更には1.3〜1.6となる態様が前述の効果が高く特に好ましい。
本発明に係る集電線は、その断面積が30μm〜200μmであることが好ましい。30μm以上あれば十分な導電性を得ることができ、表面比抵抗が低減でき好ましい。また、200μm以下であればメッキによる線の乱れが小さく、高い開口率を維持しやすいため好ましい態様である。更に好ましい断面積は35μm〜150μmであり、最も好ましくは40μm〜100μmである。
本発明においては、低抵抗化と高い開口率を付与するために格子状、あるいはアンテナ形状の細線パターンを露光により描画し、次いで現像処理などを行うことで、導電性金属パターンを形成することが好ましい。
上記導電性金属パターンとしては、メッシュ状、アンテナ状、格子状などが好ましく、直交するメッシュパターンである態様が更に好ましい。また、金属細線同士の交点が露光から現像、メッキの工程で太りやすく開口率を下げるため、辺同士の交点において接合する手が少ないほうが好ましい。
例えば、4角形のメッシュでは4本の線が交わるのに対し、6角形同士が辺で接合した所謂ハニカム構造を有することで、3本の線が交わるパターンになるため更に好ましい。
金属細線(例えば、銀細線等)からなるパターンを形成する方法としては、本発明の好ましい態様を達成できる手段であれば特に限定されず、例えば、印刷法、銀塩法、エッチング法などを挙げることができるが、精巧なパターンを作成できる方法として、特に印刷法、銀塩法が好ましい。
金属細線(例えば、銀細線等)を印刷方式で形成する場合には、印刷用インクに含まれる金属成分の種類、量、サイズ、形状などを調整することにより、金属細線(例えば、銀細線等)部の形状や導電性を調整することが可能となる。
本発明において、金属細線(例えば、銀細線等)を印刷で行う場合、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などの印刷方式を用いることができる。中でも、グラビア印刷及びインクジェット印刷は、細かいパターンを連続的に形成しやすいという観点で特に好ましく用いることができる。
また、本発明に係る金属細線の中でも、特に好ましく用いられる銀細線を銀塩法によって形成する場合には、ハロゲン化銀乳剤を含んで成る感光材料に塗設されるハロゲン化銀、及びそれを保持するためのバインダの種類や量を調整したり、またはパターン露光に続く現像処理工程で、用いられる現像処理液の組成や、現像処理条件を適宜制御したりすることにより調整することができる。
本発明に係る透光性導電性基板を作製するための方法に特に制限はないが、パターンの形成が容易であり、しかも安価に大量に透光性導電性基板を作製できる特に有用な方法として、感光性ハロゲン化銀及びバインダからなる層を有する感光材料に露光後、現像処理を行い作製する所謂銀塩法を例に取り、詳細に説明する。
(銀塩法による集電線の形成方法)
本発明に係る集電線(以下、「集電グリッド」ともいう)の銀塩法による形成方法について詳細に説明する。
本発明の好ましい態様として、後述する感光性ハロゲン化銀及びバインダを含有するハロゲン化銀乳剤含有層が支持体上に設けられるが、ハロゲン化銀乳剤含有層はこの他に硬膜剤、硬調化剤、活性剤などを含有することができる。
本発明において、感光性ハロゲン化銀の含有量は銀換算で0.05g/m以上3g/m未満である態様が好ましく、特に好ましくは銀換算で0.15g/m以上1.5g/m未満、更に好ましくは0.3g/m以上1.0g/m未満である。
感光性ハロゲン化銀の含有量が0.05g/m以上であれば、集電グリッドによる低抵抗化を得ることができ好ましい。これは後述する物理現像または金属メッキ処理の触媒となる現像銀核が十分量供給されるため、有効な導電性グリッドパターンを形成しやすくなると推測される。
また、感光性ハロゲン化銀の含有量が3g/m以下であれば、ハロゲン化銀の量に対してバインダ量が最適になるため十分な塗膜の強度が得られ、精巧なエッジや細線を形成しやすくなる。
本発明において、感光材料のバインダ量は10mg/m〜0.3g/m、更に好ましくは50mg/m〜0.2g/mの場合が、導電性と被膜物性の両立という観点から特に好ましい態様である。バインダ量が10mg/m以上であれば、ハロゲン化銀の量に対してバインダ量が最適になるため十分な塗膜の強度が得られ、精巧なエッジや細線を形成しやすくなる。
また、バインダ量が0.3g/m以下であれば、感光性ハロゲン化銀粒子の粒子間距離が十分小さくなるため現像銀ネットワークが形成されやすくなり、有効な導電性グリッドパターンを形成しやすくなるとともに、現像により生じた金属銀で形成されたパターン部にメッキ処理を施す場合のメッキ進行性が向上し好ましい態様である。
(ハロゲン化銀粒子)
本発明で用いられるハロゲン化銀粒子の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀など任意のハロゲン組成を有するものであってもよいが、階調を硬くし、露光安定性を向上させるためには塩臭化銀粒子が好ましく用いられる。臭素を含有させることによりハロゲン化銀粒子の保存安定性が向上するが、臭素含有率が高くなりすぎると現像性が低下しやすく、またハロゲン化銀塗布量が1.5g/m未満と少ない場合は特に軟調化しやすいことから、臭素含有率は2から30モル%、更に好ましくは5から20モル%である。
ハロゲン化銀粒子が現像され金属銀粒子になった後の表面比抵抗を下げるためには、現像銀粒子同士の接触面積ができるだけ大きくなる必要がある。そのためには、表面積比を高めるためにハロゲン化銀粒子サイズが小さい程よいが、小さすぎる粒子は凝集して大きな塊状になりやすく、その場合接触面積は逆に少なくなってしまうので最適な粒子径が存在する。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは球相当径で0.01μm〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.03μm〜0.3μmである。尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径を表す。
ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、ハロゲン化銀粒子の調製時の温度、pAg、pH、銀イオン溶液とハロゲン溶液の添加速度、粒子径コントロール剤(例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、テトラザインデン化合物類、核酸誘導体類、チオエーテル化合物類など)を適宜組み合わせて制御することができる。
本発明においては、塗布銀量(g/m)を粒径(μm)で除した値が6以上25以下となる態様が好ましい。比較的粒径の小さい感光性ハロゲン化銀を多量に用いた場合に、この値が25より大きくなりやすく、この場合フィルム断裁時のエッジ部分において、被膜からハロゲン化銀粒子の滑落などが生じやすくなる傾向にある。
また、比較的粒径の大きい感光性ハロゲン化銀を少量用いた場合にこの値が6より小さくなりやすく、この場合単位面積中の感光性ハロゲン化銀の粒子個数が少なくなるため、導電性が低下しやすい傾向となるためである。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、3角形平板状、4角形平板状など)、8面体状、14面体状など、様々な形状であることができる。感度を高くするために、アスペクト比が2以上や4以上、更に8〜16であるような平板粒子も好ましく使用することができる。
粒子サイズの分布には特に限定はないが、露光によるパターン形成時にパターンの輪郭をシャープに再現させ、高い導電性を維持しながら透明性を高めるという観点からは、狭い分布が好ましい。
本発明に係る感光材料に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで変動係数は粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。変動係数=S/R(式中、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、更に他の元素を含有していてもよい。例えば、写真乳剤において、硬調な乳剤を得るために用いられる金属イオンをドープすることも有用である。特に鉄イオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオンやイリジウムイオンなどの第8〜10族金属イオンは、金属銀パターン形成の際に露光部と未露光部の差が明確に生じやすくなるため好ましく用いられる。
これらの金属イオンは、塩や錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することができる。ロジウムイオン、イリジウムイオンに代表される遷移金属イオンは、各種の配位子を有する化合物であることもできる。そのような配位子としては、例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオンなどを挙げることができる。具体的な化合物の例としては、臭化ロジウム酸カリウムやイリジウム酸カリウムなどが挙げられる。
本発明において、ハロゲン化銀に含有される前記金属イオン化合物の含有率は、ハロゲン化銀1モル当たり10−10〜10−2モル/モルAgであることが好ましく、10−9〜10−3モル/モルAgであることが更に好ましい。
ハロゲン化銀粒子に上述の金属イオンを含有させるためには、該金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後など、物理熟成中の各工程における任意の場所で添加すればよい。また、添加においては、重金属化合物の溶液を粒子形成工程の全体、あるいは一部に亘って連続的に行うことができる。
本発明では、更に感度を向上させるため写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感としては、例えば、金、パラジウム、白金増感などの貴金属増感、無機イオウ、または有機イオウ化合物によるイオウ増感などのカルコゲン増感、塩化錫、ヒドラジンなど還元増感などを利用することができる。
また、ハロゲン化銀粒子には分光増感を施すことが好ましい。好ましい分光増感色素としては、シアニン、カルボシアニン、ジカルボシアニン、複合シアニン、ヘミシアニン、スチリル色素、メロシアニン、複合メロシアニン、ホロポーラー色素などを挙げることができ、当業界で用いられている分光増感色素を単用、あるいは併用して使用することができる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合メロシアニン色素である。これらの色素類には、その塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用される核のいずれをも通用できる。即ち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核及びこれらの核に脂環式炭化水素環が融合した核、及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ちインドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などである。これらの核は、炭素原子上で置換されてもよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素には、ケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5員〜6員の複素環核を適用することができる。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組み合わせを用いてもよい。増感色素の組み合わせは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。
これらの増感色素をハロゲン化銀乳剤中に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、あるいは水、メタノール、プロパノール、メチルセロソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどの溶媒の単独または混合溶媒に溶解して乳剤へ添加してもよい。
また、特公昭44−23389号公報、同44−27555号公報、同57−22089号公報の各公報等に記載のように酸または塩基を共存させて調製した水溶液や、米国特許第3,822,135号明細書、同4,006,025号明細書の各明細書などに記載のようにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤を共存させて、水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤へ添加してもよい。
また、フェノキシエタノールなどの実質上水と非混和性の溶媒に溶解した後、水または親水性コロイド分散したものを乳剤に添加してもよい。特開昭53−102733号公報、同58−105141号公報の各公報に記載のように親水性コロイド中に直接分散させ、その分散物を乳剤に添加してもよい。
(バインダ)
本発明に係るハロゲン化銀乳剤含有層において、ハロゲン化銀粒子を均一に分散させ、且つハロゲン化銀粒子を支持体上に担持し、ハロゲン化銀乳剤含有層と支持体の接着性を確保する目的でバインダを用いる。本発明に用いることができるバインダには特に制限がなく、非水溶性ポリマ及び水溶性ポリマのいずれも用いることができるが、現像性向上の観点からは水溶性ポリマを用いることが好ましい。
本発明に係る感光材料には、バインダとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマ、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体の如き合成親水性高分子物質などの親水性コロイドも用いることができる。
(硬調化剤)
本発明においては、エッジが明瞭な銀細線パターンを描くために感光材料は硬調である態様が好ましく、その方法として、塩化銀含有量を高くして粒径の分布を狭くする方法、あるいはヒドラジン化合物やテトラゾリウム化合物を硬調化剤として使用することが好ましい。ヒドラジン化合物は−NHNH−基を有する化合物であり、代表的なものを下記一般式(1)で示す。
一般式(1) T−NHNHCO−V、T−NHNHCOCO−V
式中、Tは各々置換されてもよいアリール基、ヘテロ環基を表す。Tで表されるアリール基はベンゼン環やナフタレン環を含むもので、この環は置換基を有してもよく、好ましい置換基として、直鎖、分岐のアルキル基(好ましくは炭素数1〜20のメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ドデシル基など)、アルコキシ基(好ましくは炭素数2〜21のメトキシ基、エトキシ基など)、脂肪族アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜21のアルキル基を持つ、アセチルアミノ基、ヘプチルアミノ基など)、芳香族アシルアミノ基などが挙げられ、これらの他に、例えば、上記のような置換または未置換の芳香族環が−CONH−、−O−、−SONH−、−NHCONH−、−CHCH=N−などの連結基で結合しているものも含む。
Vは水素原子、置換されてもよいアルキル基(メチル基、エチル基、ブチル、トリフロロメチル基など)、アリール基(フェニル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(ピリジル基、ピペリジル基、ピロリジル基、フラニル基、チオフェン基、ピロール基など)を表す。
上述のヒドラジン化合物は、米国特許第4,269,929号明細書の記載を参考にして合成することができる。ヒドラジン化合物はハロゲン化銀粒子含有層中、またはハロゲン化銀粒子含有層に隣接する親水性コロイド層中、更には他の親水性コロイド層中に含有せしめることができる。
特に好ましいヒドラジンの化合物を下記に挙げる。
(H−1):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{〔4−(3−n−ブチルウレイド)フェニル〕}ヒドラジン
(H−2):1−トリフロロメチルカルボニル−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−3):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル}ヒドラジン
(H−4):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニルスルホンアミド}ヒドラジン
(H−5):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−{4−〔3−(4−クロロフェニル−4−フェニル−3−チア)ブタンアミド〕ベンゼンスルホンアミド}ヒドラジン
(H−6):1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−4−アミノ−オキザリル)−2−(4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニルヒドラジン
(H−7):1−(1−メチレンカルボニルピリジニウム)−2−(4−(3−チア−6,9,12,15−テトラオキサトリコサンアミド)ベンゼンスルホンアミド)フェニルヒドラジンクロライド。
硬調化剤としてヒドラジンを使用するときに、ヒドラジンの還元作用を強化するためにアミン化合物またはピリジン化合物を好ましく用いることができる。ヒドラジン化合物の還元作用を促進するアミン化合物としては、分子中にピペリジン環またはピロリジン環が少なくとも1個、チオエーテル結合が少なくとも1個、エーテル結合が少なくとも2個あることが特に好ましい。
ヒドラジンの還元作用を促進する化合物として、上述のアミン化合物の他にピリジニウム化合物やホスホニウム化合物も好ましく用いることができる。オニウム化合物は正電荷を帯びているため、負電荷に帯電しているハロゲン化銀粒子に吸着して、現像時の現像主薬からの電子注入を促進することにより硬調化を促進するものと考えられている。
好ましいピリジニウム化合物は、特開平5−53231号、同6−242534号の各公報記載のビスピリジニウム化合物を参照することができる。特に好ましいピリジニウム化合物は、ピリジニウムの1位または4位で連結してビスピリジニウム体を形成しているものである。塩としては、ハロゲンアニオンとして塩素イオンや臭素イオンなどが好ましく、他に4フッ化ホウ素イオン、過塩素酸イオンなどが挙げられるが、塩素イオンまたは4フッ化ホウ素イオンが好ましい。
ヒドラジン化合物、アミン化合物、ピリジニウム化合物及びテトラゾリウム化合物は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10−6モル〜5×10−2モル含有するのが好ましく、特に1×10−4モル〜2×10−2モルが好ましい。これらの化合物の添加量を調節して硬調化度γを6以上にすることは容易である。
これらの化合物は、ハロゲン化粒子を含む層または他の親水性コロイド層に添加して使用する。水溶性の場合には水溶液にして、水不溶性の場合にはアルコール類、エステル類、ケトン類などの水に混和しうる有機溶媒の溶液として、ハロゲン化銀粒子溶液または親水性コロイド溶液に添加すればよい。また、これらの有機溶媒に溶けない時には、ボールミル、サンドミル、ジェットミルなどで0.01μm〜10μmの大きさの微粒子にして添加することができる。
微粒子分散の方法は、写真添加剤である染料の固体分散の技術を好ましく応用することができる。例えば、ボールミル、遊星回転ボールミル、振動ボールミル、ジェットミルなどの分散機を使用して所望の粒子径にすることができる。分散時に界面活性剤を使用すると、分散後の安定性を向上させることができる。
《透明基材》
本発明に係る透明基材は、光の透過率が50%以上であることを意味し、80%以上であることが好ましく、95%以上であることが特に好ましい。材質としてはガラス板や、酸化チタンやアルミナなどのセラミックの研磨板、更に公知の種々のプラスチックシートを使用することが可能である。
具体的なプラスチックシートの例としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状ポリオレフィン、フェノキシ樹脂、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。
後述する半導体多孔質膜層の焼成処理の温度によって、基材の軟化点が決まってくるが、プラスチックシートを用いる場合はプラズマ照射によって半導体焼成することが好ましく、高温下にさらされるため、より軟化点の高いプラスチックシートを用いることが好ましく、軟化点は好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上である。
上記の軟化点はJIS−K7206に規定されているビカット軟化点を測定することで評価することができる。
本発明に係る透明基材には、基材とハロゲン化銀乳剤層の接着性を向上させるために、ハロゲン化銀乳剤層の塗設に先立ち、予め下引層を塗設しておく態様が好ましい。
この下引層に好ましく用いられるバインダとしては、例えば、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマ、あるいは各種ラテックス類や水溶性ポリマなどを好ましく用いることができる。
水溶性ポリマとしては、ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール系ポリマ類、水溶性ポリエステル類などを挙げることができ、ラテックス類としては、アクリル−スチレン系ポリマラテックス、スチレン−ジオレフィン系ポリマラテックス、塩化ビニリデン系ポリマラテックスまたはポリウレタン系ポリマラテックスなどを挙げることができ、中でも、エチレン性不飽和モノマーを重合したラテックスが接着性向上機能を高めやすいという観点から好ましい。
エチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン類、ジビニルベンゼン、アクリルニトリル、メタアクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、塩化ビニリデン、フェニルビニルケトンなどを挙げることができる。これらのモノマーは単独で用いても、2種以上用いてもよい。
また、エチレン性不飽和モノマーの少なくとも1種が、エポキシ基を有するモノマーまたは活性メチレン基を有するモノマーであることが好ましく、更に好ましくはエポキシ基を有するモノマー及び活性メチレン基を有するモノマーを併用することである。エポキシ基を有するモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどを挙げることができ、活性メチレン基を有するエチレン性不飽和モノマーは、例えば、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−アセトアセトキシエチルアクリレート、2−アセトアセトアミドエチルメタクリレートなどを用いることができる。
重合時に使用する水溶性ポリマとしては、分子構造中に水溶性のアニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基を有する水溶性天然ポリマや水溶性合成ポリマのほとんどのものが使用でき、アニオン性基としてはカルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩、リン酸またはその塩、カチオン性基としては第3級アミンまたはアンモニウム塩、ノニオン性基としては、水酸基、アミド基、メトキシ基、アルキレンオキシド基としてはオキシエチレン基、ヘテロ原子環としてピロリドン基などの基が好ましい。
水溶性合成ポリマの中では、アニオン性またはノニオン性のものが好ましく、アニオン性のポリマが特に好ましい。更に好ましくはスルホン酸塩を有するポリマが挙げられ、ポリスチレンスルホン酸共重合体、イソプレン−スチレン共重合体のスルホン化物、5−スルホイソフタル酸を共重合成分としたコポリエステルがより好ましい。また、水溶性ポリマを2種以上組み合わせて使用してもよい。
下引層に用いるラテックスは乳化重合法で製造することができ、例えば、水を分散媒とし、水に対して10質量%〜50質量%のモノマーとモノマーに対して0.05質量%〜5質量%の重合開始剤、0.1質量%〜20質量%の分散剤を用い、約30℃〜100℃、好ましくは60℃〜90℃で3時間〜8時間攪拌下重合させることによって製造することができる。モノマーの量、重合開始剤量、反応温度、反応時間などの条件は幅広く変更することができる。
重合開始剤としては、水溶性過酸化物(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、水溶性アゾ化合物(例えば、2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)ハイドロクロライドなど)またはこれらのFe2+塩や亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤などを用いることができる。
ラテックスの平均粒径は、0.02μm〜0.8μm程度と様々なものを用いることができるが、0.05μm〜2.0μmの範囲が好ましい。
また、下引層には金属酸化物を添加して屈折率を調整し、反射率低下機能を兼ねる態様が特に好ましい。金属酸化物の例としては、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO、Vなどあるいはこれらの複合酸化物が好ましく、特にバインダとの混和性、導電性、透明性などの点から、SnO(酸化スズ)が好ましい。
異元素を含む例としては、SnOに対してはSb、Nb、ハロゲン元素などを添加することができる。これらの異元素の添加量は0.01モル%〜25モル%の範囲が好ましいが、0.1モル%〜15モル%の範囲が特に好ましい。
本発明においては、特にコロイド状酸化スズゾルを用いる態様が透明性向上の観点から好ましい。本発明においては、10−7〜10−5cmの直径の粒子について、分散状態が安定であることからこの大きさをコロイド次元と言い、コロイド次元の大きさの粒子をコロイド粒子として用いる態様が好ましい。
酸化スズは非晶性ゾルまたは結晶性粒子の形態が好ましい。水系塗布の場合は非晶性ゾルが好ましく、溶剤系塗布の場合は結晶性粒子の形態が好ましい。特に環境上、作業の取り扱い性の点で水系塗布の非晶性ゾルの形態が好ましい。
本発明に好ましく用いることのできる非晶性SnOゾルの製造方法に関しては、SnO微粒子を適当な溶媒に分散して製造する方法、または溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における分解反応から製造する方法など、いずれの方法でもよい。溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における分解反応から製造する方法に関して以下に述べる。
溶媒に可溶なSn化合物とは、KSnO・3HOのようなオキソ陰イオンを含む化合物、SnClのような水溶性ハロゲン化物、R′SnR、RSnX、RSnXの構造を有する、例えば、(CHSnCl・(ピリジン)、(CSn(OCCなど有機金属化合物、Sn(SO・2HOなどのオキソ塩を挙げることができる。
これらの溶媒に可溶なSn化合物を溶媒に溶解後、加熱、加圧などの物理的方法、酸化、還元、加水分解などの化学的方法などにより、SnOゾルを製造するか、または中間体を経由後、SnOゾルを製造する方法などである。
これらの下引き層をガラスやプラスチックシート状に塗設する場合、予め基材自体を親水化処理することが好ましい。親水化処理の方法は特に限定されないが、例えばコロナ放電処理などを行うことが好ましい。
(露光)
本発明に係る感光材料においては、後述する現像、物理現像、メッキ処理により、導電性金属パターンを形成するために感光材料の露光を行う。露光に用いられる光源としては、例えば、可視光線、紫外線などの光、電子線、X線などの放射線などが挙げられるが、紫外線または近赤外線を用いることが好ましい。更に露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、波長分布の狭い光源を用いてもよい。
可視光線は必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種または2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は上記の赤色、緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、紫色あるいは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。また、紫外線ランプも好ましく、水銀ランプのg線、水銀ランプのi線なども利用される。
また、本発明では露光は種々のレーザビームを用いて行うことができる。例えば、ガスレーザ、発光ダイオード、半導体レーザ、半導体レーザ、または半導体レーザを励起光源に用いた固体レーザと非線形光学結晶を組み合わせた第二高調波発光光源(SHG)などの単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができ、更にKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、Fレーザなども用いることができる。
システムをコンパクトで迅速なものにするために、露光は半導体レーザ、半導体レーザあるいは固体レーザと非線形光学結晶を組み合わせた第二高調波発生光源(SHG)を用いて行うことが好ましい。
特にコンパクトで迅速、更に寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザを用いて行うことが好ましい。
レーザ光源としては、具体的には、紫外半導体、青色半導体レーザ、緑色半導体レーザ、赤色半導体レーザ、近赤外レーザなどが好ましく用いられる。
ハロゲン化銀乳剤含有層を画像状に露光する方法は、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザビームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた集光式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、面々接触露光、近接場露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。露光に用いられるレーザの出力は、ハロゲン化銀粒子の感度、露光スピード、装置の光学系により異なるが、概ね数10μW〜5W程度である態様が好ましい。
(現像処理)
本発明では、感光材料を露光した後、現像処理が行われる。現像処理は発色現像主薬を含有しない、いわゆる黒白現像処理であることが好ましい。
現像処理液としては、現像主薬としてハイドロキノン、ハイドロキノンスルホン酸ナトリウム、クロルハイドロキノンなどのハイドロキノン類の他に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドンなどのピラゾリドン類及びN−メチルパラアミノフェノール硫酸塩などの超加成性現像主薬と併用することができる。
また、ハイドロキノンを使用しないでアスコルビン酸や、イソアスコルビン酸などレダクトン類化合物を上記超加成性現像主薬と併用することが好ましい。
また、現像処理液には、保恒剤として亜硫酸ナトリウム塩や亜硫酸カリウム塩、緩衝剤として炭酸ナトリウム塩や炭酸カリウム塩、現像促進剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノプロパンジオールなどを適宜使用できる。
現像処理で用いられる現像処理液は、画質を向上させる目的で画質向上剤を含有することができる。画質向上剤としては、例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、5−メチルベンゾトリアゾールなどの含窒素ヘテロ環化合物を挙げることができる。
本発明においては、露光後に行われる現像処理が定着前物理現像を含んでいることが好ましい。ここで言う定着前物理現像とは、後述の定着処理を行う前に露光により潜像を有するハロゲン化銀粒子の内部以外から銀イオンを供給し、現像銀を補強するプロセスのことを示す。
現像処理液から銀イオンを供給するための具体的な方法としては、例えば、予め現像処理液中に硝酸銀などを溶解しておき、銀イオンを溶かしておく方法、あるいは現像液中に、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのようなハロゲン化銀溶剤を溶解しておき、現像時に未露光部のハロゲン化銀を溶解させ、潜像を有するハロゲン化銀粒子の現像を補力する方法などが挙げられる。
本発明においては、現像液中に予めハロゲン化銀溶剤を溶解しておく処方を用いた方が、未露光部でのカブリ発生によるフィルムの透過率低下を抑制できるため好ましい。
本発明における現像処理においては、露光されたハロゲン化銀粒子の現像終了後に、未露光部分のハロゲン化銀粒子を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を行う。本発明における定着処理は、ハロゲン化銀粒子を用いた写真フィルムや印画紙などで用いられる定着液処方を用いることができる。
定着処理で使用する定着液は、定着剤としてチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウムなどを使用することができる。定着時の硬膜剤として硫酸アルミウム、硫酸クロミウムなどを使用することができる。定着剤の保恒剤としては、現像処理液で述べた亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸などを使用することができ、その他にクエン酸、蓚酸などを使用することができる。
本発明に使用する水洗水には、防黴剤としてN−メチル−イソチアゾール−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−5−クロロ−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−4,5−ジクロロ−3−オン、2−ニトロ−2−ブロム−3−ヒドロキシプロパノール,2−メチル−4−クロロフェノール、過酸化水素などを使用することができる。
(物理現像処理)
本発明では、後に説明する電解メッキ処理を効率よく行うため、物理現像処理によって現像銀同士の接触を促し、導電性を高めることが好ましい。物理現像処理とは現像処理中、あるいは処理後に予め感光材料中に含有されていない銀源を外部から供給し、導電性を高める処理のことを指す。物理現像は、潜像を有するハロゲン化銀乳剤を含有する感光材料を銀イオンあるいは銀錯イオンと還元剤を含有する処理液に浸漬することで、これを施すことができる。
本発明においては、物理現像の現像開始点が潜像核だけでなく、現像銀が物理現像開始点となった場合についても物理現像と定義し、これを好ましく用いることができる。
本発明において物理現像を行う場合には、物理現像液のpHを2〜6の範囲で用いることが、本発明の効果を安定に引き出しやすく好ましい。また、物理現像液には緩衝能を持たせることが、本発明の効果を安定に引き出しやすく、本発明の好ましい態様である。
なお、物理現像処理は現像中、現像後定着前、定着処理後のいずれのタイミングにおいても実施可能であるが、透明性を高く維持するという観点から、定着処理後に実施することが好ましい。
(導電性金属メッキ処理(単に、メッキ処理ともいう))
本発明に係る集電線においては、メッキ処理により導電性金属パターンを形成してなることが好ましいが、このメッキ処理には従来公知の種々のメッキ方法を用いることができ、例えば、電解メッキ及び無電解メッキを単独、あるいは組み合わせて実施することができる。
中でも、メッキ効率が高く、不要な部分へのメッキ付着による透過率の低下が発生しにくい電解メッキを好ましく用いることができる。
電解メッキに用いることができる金属としては、例えば、銅、ニッケル、コバルト、錫、銀、金、白金、その他各種合金を用いることができるが、メッキ処理が比較的容易であり、且つ高い導電性を得やすいという観点から、電解銅メッキを用いることが特に好ましい。
尚、メッキ処理は現像中、現像後定着前、定着処理後のいずれのタイミングにおいても実施可能であるが、透明性を高く維持するという観点から、定着処理後に実施することが好ましい。
本発明においては、電解メッキにおける初期電流密度が平均電流密度の1.2〜3.0倍である態様が好ましい。ここで言う電流密度とは、電解メッキにおいて電極の単位面積当たりの電流の大きさを指し、初期電流密度とは電解メッキ全工程所要時間に対して最初の10%相当時間における電流密度の平均値を指し、平均電流密度とは電解メッキ全工程における電流密度の平均値を指す。
初期電流密度が平均電流密度の1.2倍以上の場合、面内でのメッキ均一性が特に向上しやすくなる傾向にあり、また初期電流密度が平均電流密度の3.0倍以下の場合、メッキ金属の密着性が特に向上しやすくなる傾向にある。
本発明において、物理現像または金属メッキにより付与された金属量が感光材料を露光、現像処理することにより得られた現像銀に対して、質量換算で10倍〜100倍である態様が好ましい。
この値は、物理現像または金属メッキを施す前後において、感光材料中に含有される金属を、例えば、蛍光X線分析などで定量することによって求めることができる。
尚、本発明においては、物理現像または金属メッキという記載は、物理現像またはメッキ処理の少なくとも一方の処理を施すことを意味し、物理現像及び金属メッキの両方を含んでもよいことを意味し、本発明においては、物理現像及び金属メッキの両方の処理を施すことが好ましい。
(酸化処理)
本発明においては、現像処理あるいは物理現像またはメッキ処理後に酸化処理を行うことが好ましい。酸化処理により、不要な金属成分をイオン化して溶解除去することが可能となり、透過率をより高めることが可能となる。
酸化処理に用いる処理液としては、例えば、Fe(III)イオンを含む水溶液を用いて処理する方法、あるいは過酸化水素、過硫酸塩、過硼酸塩、過リン酸塩、過炭酸塩、過ハロゲン酸塩、次亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩、有機過酸化物などの過酸化物を含む水溶液を用いて処理する方法など、従来公知の酸化剤を含有する処理液を用いることができる。
酸化処理は現像処理終了後から、メッキ処理前の間に行われる態様が短時間処理で効率的に透過率向上を行うことができるため好ましい態様であり、特に好ましくは物理現像終了後に行う態様である。
《導電性被覆層(第1の導電性被覆層、第2の導電性被覆層)》
本発明に係る導電性被覆層(第1の導電性被覆層、第2の導電性被覆層)について説明する。
本発明は、少なくとも集電線の表面が第1の導電性被覆層で被覆されていることが特徴である。この導電性被覆層に使用する導電性材料としては、公知種々の金属や金属酸化物等からなる無機系導電性材料、ポリマ系導電性材料、無機有機複合型の導電性材料、カーボン系材料、またはこれらを任意に混合した導電性材料など、あらゆるものを使用することができる。
本発明に係る導電性被覆層は、集電線からの電子を電荷輸送層に供給する機能だけでなく、電荷輸送層に含まれるヨウ素レドックスによる集電グリッドの腐食を防止する保護層の効果も併せ持つことが好ましい。
無機系導電性材料として具体的には、白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、導電性カーボン、更にスズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブドープ酸化チタン(Nb−TiO)等の金属酸化物を挙げることができる。
これら無機系の導電性材料の中でも、色素増感型太陽電池の構成上、電解質層にヨウ素を用いるため、耐腐食性といった観点から白金、チタン、アルミニウム類、カーボン類、金属酸化物類の被覆が好ましい。
ポリマ系導電性材料として具体的には、各種置換されていてもされていなくても良いチオフェン、ピロール、フラン、アニリンなどを重合させてなる導電性ポリマやポリアセチレン等を挙げることができるが、導電性が高い観点からポリチオフェンが好ましく、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT/PSS)が好ましい。
本発明に係る第1の導電性被覆層は、本発明に係る集電線の表面を被覆することが特徴であるが、好ましくは、集電線の表面及び透光性導電性基板の開口部全体を導電性被覆層で被覆した構造であることが、低抵抗化と高開口率の両立から好ましい。
また、本発明の好ましい態様としては、集電線の表面が第1の導電性被覆層により被覆されており、且つ、透光性導電性基板の開口部が第2の導電性被覆層によって被覆されていることがより好ましい。
ここで第1の導電性被覆層は、上述したいかなる組成からなる構成でも良いが、好ましくは電荷移動層のレドックス還元反応を促進する触媒能を有する材料からなることが好ましい。
具体的には、白金、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン類、導電性高分子、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、PEDOT/PSS等が挙げられる。
尚、本発明に係る第1の導電性被覆層は、光透過性でも、また、光透過性がなくてもよい。
また、第2の導電性被覆層は主に開口部を被覆する構成からなり、光透過性があれば上述するいかなる組成からなっても良いが、光透過性と低抵抗を両立できる組成としては、金属酸化物類、ポリマ系導電性材料などを用いることが好ましい。
光透過性の高い(透光性が高いともいう)導電性被覆層は、開口部を被覆した際に、透過率が50%以上であることが好ましく、80%以上であることが好ましく、95%以上であることが特に好ましい。
上記の光透過率は当業者周知の透過率測定手段により測定可能である。
上述の導電性被覆層を形成する方法としては、導電性材料に応じた公知の適切な方法を用いることが可能で、例えば、ITOなどの金属酸化物からなる導電層を形成する場合、スパッタ法、CVD法、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。また、ポリマ系導電性材料からなる導電層を形成する場合は、公知の様々な塗布法により形成することが好ましい。
また、本発明においては、第1の導電性被覆層と第2の導電性被覆層を形成する材料が同一の材料でもよく、異なる材料でもよいが、少なくとも第2の導電性被覆層は、本発明の色素増感型太陽電池の発電機能を十分に機能させる観点から、光透過性であることが必須である。
導電層の膜厚は0.01μm〜5μm程度が好ましく、0.05μm〜2.0μm程度が更に好ましい。
本発明の実施により、透光性導電性基板は低抵抗化され、より詳しくは表面抵抗値を低くすることができる。本発明に係る透光性導電性基板における表面抵抗値としては、10Ω/□以下であることが好ましく、1Ω/□以下であることがより好ましく、0.5Ω/□以下であることが特に好ましい。
表面抵抗率は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、などに準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
《導電体を含む基材》
本発明に係る導電体を含む基材としては、公知種々の金属や金属酸化物等からなる無機系導電性材料、無機有機複合型の導電性材料、カーボン系材料、またはこれらを任意に混合した導電性材料など、あらゆるものを使用することができる。
中でも、後述する半導体多孔質膜形成プロセスにおいて、高温の焼成温度に実質上耐えられる組成として、無機系の導電性耐熱性基材を用いることが好ましい。
無機系導電性材料として具体的には、白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、導電性カーボン、更にスズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブドープ酸化チタン(Nb−TiO)等の金属酸化物を挙げることができる。
これら無機系の導電性材料の中でも、高い導電性と電解質に対する耐腐食性といった観点から白金、チタン、アルミニウム、ロジウム、インジウム、導電性カーボン等が好ましい。
フレキシブルな色素増感型太陽電池を作製する際は、上述する導電性耐熱性基材がロール上に巻き取り可能な、フィルム形態であることが好ましい。導電性耐熱性基材フィルム上に半導体多孔質膜を高温焼成により形成し、半導体多孔質膜層側とは反対面に、色素増感型太陽電池の強度や耐久性を向上させるために、各種樹脂からなるフィルム状支持体を張り合わせる構成とすることが更に好ましい。
色素増感型太陽電池においては、前記の導電性耐熱性基材と電解質との短絡による開放電圧の低下を抑制するため、前記の導電性耐熱性基材上に、更に特定の金属酸化物などを数nm〜数十nm程度、薄層形成させておくことが好ましい。
具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム等を上げることが出来、これらを単体または混合した膜を、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、ディップコート法などを用いて形成することが好ましい。
《半導体多孔質膜層》
本発明に係る半導体多孔質膜層を形成する多孔質体は、金属酸化物に代表されるセラミック半導体微粒子から成ることが好ましい。半導体微粒子の組成は価電子帯(VB)と伝導帯(CB)のバンドギャップが3eV程度あれば特に限定しないが、ナノポーラス膜の形成し易さから金属酸化物であることが好ましい。
代表的な金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどを挙げられるが、中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチウムが伝導帯のエネルギーレベルや色素の吸着性を考慮すると好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、酸化チタンが最も好ましい。
また、本発明においては、色素増感型太陽電池の性能向上を目的に、前記半導体微粒子を混合して成る構成でもよく、更には、半導体Aの表面に半導体Bを被覆して成るコアシェル微粒子ないしコンポジット微粒子を用いてもよい。
本発明の効果を得るために、金属酸化物半導体に金属元素をドープすることが好ましい。金属元素種としては、1価〜5価の金属イオンドーパントを選択でき、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を上げることが出来る。金属イオンドーパントのドープ量は、金属酸化物半導体の金属原子数に対し0.01モル%〜10モル%が好ましく、0.1モル%〜5.0モル%が更に好ましく、0.1モル%〜1.0モル%が最も好ましい。
十分な効果を得るためには0.01%以上のドープ量が好ましく、また、半導体微粒子に固溶化するドープ量として10モル%以下が好ましい。
本発明に係る半導体微粒子の製法としては、一般公知の技術を用いて行うことができる。微粒子形成方法は大きく分けて気相法と液相法に分類される。気相法とは気体状の原料物質から結晶形成させる手法であり、連続的なプロセスを構築しやすく低コストで高純度な粒子を大量生産する観点から好ましい。
一方で液相法は原料物質1種、あるいは2種以上を溶液中で混合し、原料物質と生成物の溶解度変化を利用して粒子形成する方法であり、シングルジェット法、ダブルジェット法、ゾル−ゲル法などが挙げられ、極端な大量生産には不向きなものの粒子形状の揃った高品質な微粒子を合成できる手法として広く用いられている。
また、液相法の1種であるが、原料物質を溶融し冷却時の溶解度変化を利用して粒子形成させるメルト法や、メルト法と同様にして高温溶融したフラックス塩中で形成させる手法などが挙げられる。
本発明の光吸収層に用いられる半導体微粒子は、粒子サイズが制御して形成できる方法であれば、上記いかなる手法にて粒子形成されてもよいが、半導体組成をコントロールしやすく、また粒子径が揃った高品質な微粒子を合成できるなどの理由からゾル−ゲル法を用いることが好ましい。ゾル−ゲル法を用いた粒子形成法は、有機金属化合物を酸などを触媒に加水分解し、連続的な縮合反応によって液相中で核形成〜粒子成長させることで所望の金属酸化物微粒子を得る手法である。
有機金属化合物とは金属と有機物が共有結合、配位結合またはイオン結合した化合物であり、例えば、金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレート、有機金属塩、ハロゲン金属化合物などを挙げることができ、本発明においては反応性、安定性の観点から金属アルコキシド類を用いることが好ましい。
本発明に有用な有機金属化合物は、下記の一般式で表される化合物が好ましいが、これらに限定されるものではない。
(一般式)
M(R(R(R
上記一般式において、Mは金属(例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等)を表し、Rはアルキル基、Rはアルコキシ基、Rはβ−ジケトン配位基、β−ケトカルボン酸エステル配位基、β−ケトカルボン酸配位基及びケトオキシ基(ケトオキシ配位基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、またはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、何れも0または正の整数である。
で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。Rで表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることができる。
またアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。Rで表されるβ−ジケトン配位基、β−ケトカルボン酸エステル配位基、β−ケトカルボン酸配位基及びケトオキシ基(ケトオキシ配位基)から選ばれる基としては、β−ジケトン配位基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンあるいはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル配位基として、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸配位基として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシ配位基として、例えば、アセトオキシ基(または、アセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。
これらの基の炭素原子数は、上記の有機金属示化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
本発明においては、取り扱いの観点から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。このようなものとしてR2のアルコキシ基を少なくとも一つを含有する有機金属化合物、またはRのβ−ジケトン配位基、β−ケトカルボン酸エステル配位基、β−ケトカルボン酸配位基及びケトオキシ基(ケトオキシ配位基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する金属化合物が好ましい。
具体的な有機金属化合物について以下に示す。
有機チタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、トリエチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジ(2,4−ペンタンジオナート)、エチルチタントリ(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(アセトメチルアセタート)、トリアセトキシチタン、ジプロポキシプロピオニルオキシチタン等、ジブチリロキシチタン、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いることができる。またこれらを2種以上同時に混合して使用することもできる。
錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、例えば、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げることができる。
有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジ(2,4−ペンタンジオナート)、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来、何れも本発明において好ましく用いることができる。
有機ジルコニウム化合物の例としては、ジルコニウムエトキサイド、ジルコニウムイソプロポキサイド、ジルコニウムn−プロポキサイド、ジルコニウムn−ブトキサイド、ジルコニウムt−ブトキサイド、ジルコニウム2−エチルヘキシルオキサイド、ジルコニウム2−メチル−2−ブトキサイド、テトラキス(トリメチルシロキシ)ジルコニウム、ジルコニウムジn−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジイソプロポキサイドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキサイド、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリn−プロポキサイド、ジルコニウム2,4−ペンタンジオネート、ジルコニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムトリフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
また、アルミニウムアルコキシドの例としては、アルミニウム(III)n−ブトキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイド、アルミニウム(III)t−ブトキサイド、アルミニウム(III)エトキサイド、アルミニウム(III)イソプロポキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプポキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキサイド、アルミニウムヘキサフルオロペンタジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキサイド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム(III)フェノキサイド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートを挙げることができる。
また、その他の有機金属化合物としては、例えば、ニオブイソプロポキシド、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、バリウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、ベリリウムアセチルアセトナート、ビスマスヘキサフルオロペンタンジオネート、ジメチルカドミウム、カルシウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、クロムトリフルオロペンタンジオネート、コバルトアセチルアセトナート、銅ヘキサフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート−ジメチルエーテル錯体、ガリウムエトキシド、テトラエトキシゲルマン、テトラメトキシゲルマン、ハフニウムt−ブドキシド、ハフニウムエトキシド、インジウムアセチルアセトナート、インジウム2,6−ジメチルアミノヘプタンジオネート、フェロセン、ランタンイソプロポキシド、酢酸鉛、テトラエチル鉛、ネオジウムアセチルアセトナート、白金ヘキサフルオロペンタンジオネート、トリメチルシクロペンタジエニル白金、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、ストロンチウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、タンタルメトキシド、タンタルトリフルオロエトキシド、テルルエトキシド、タングステンエトキシド、バナジウムトリイソプロポキシドオキシド、マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、ジエチル亜鉛、などが挙げられる。
次に、ゾル−ゲル反応に用いられる溶媒について述べる。溶媒はゾル液中の各成分を均一に混合させ、本発明の組成物の固形分調製をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性及び保存安定性を向上させるものである。これらの溶媒は上記目的の果たせるものであれば特に限定されない。これらの溶媒の好ましい例として、例えば水、及び水と混和性の高い有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、蟻酸、酢酸、酢酸メチル、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、tert−ブチルアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
ゾル−ゲル反応時には、水、及び有機溶媒中で前記金属アルコキシドを加水分解、及び縮重合させるが、この時、反応を促進させるために触媒を用いることが好ましい。
加水分解の触媒としては、一般に酸が用いられる。酸は、無機酸又は有機酸が用いられる。無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、燐酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸・ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タングステン酸など)などを挙げることができる。
本発明の半導体多孔質膜層は光透過性基材側から順に、光吸収層と光反射層とを積層した構成が好ましく、該光反射層はアスペクト比(以下、ARと略すこともある)が3以上の形状異方性微粒子であることが更に好ましい。
形状異方性微粒子は、平板状、燐片状、板状、針状、柱状、繊維状、ラグビーボール状、紡錘状、など形状異方性を有する粒子を挙げることができ、好ましくは平板状、燐片状、板状であり、光反射能から平板状が最も好ましい。
好ましいアスペクト比は3以上〜200以下であり、更に好ましくは10以上〜100以下である。本発明の光吸収層は、実質的に太陽光を散乱しない5nm〜100nmの平均粒径が好ましく、より好ましくは、8nm〜80nmであり、比表面積と空隙サイズから10nm〜30nmが最も好ましい。
また、反射層は太陽光を反射する100nm〜10μmの平均粒径が好ましく、さらに好ましくは200nm〜3μm程度であり、最も好ましくは250nm〜2μm程度が、反射効率と変換効率の観点から好ましい。
ここで、平均粒径とは、透過型電子顕微鏡(例えば日本電子製JEM−2010F型)で観察した粒子の投影面積を真円に換算した時の円相当径を計算し、観測粒子数500個以上での平均円相当径を示す。
また、アスペクト比とは、前記平均粒径を、500個以上の粒子を横方向から観察した平均厚みで除した値を示す。
ここで実質的に太陽光を散乱しないとは、太陽光に含まれる可視光線(主には400nm〜780nm域の光)と、UVAと呼ばれる紫外線(315nm〜400nm域の光)、近赤外線〜遠赤外線(780nm以上の光)を含むスペクトル光を散乱しないことを言う。この波長領域はミー散乱で分類することができ、光の波長、粒子径、粒子の屈折率により散乱特性が影響される。
無機微粒子の場合、一般的には波長と同程度の粒径が存在すると散乱が発生すると言われている。実験的には温帯地域で観測される太陽光の平均輻射エネルギーを模して、エアマス1.5(AM1.5)と呼ばれるスペクトル光で、半導体多孔質膜のヘイズ値を評価することで確認できる。
本発明に係る半導体多孔質膜層に関し、変換効率向上の観点からは、光吸収層の膜厚は5μm〜20μmであることが好ましく、より好ましくは8μm〜18μmであり、特に好ましくは11μm〜15μmである。
また、光反射層は0.5μm以上〜10μm程度で設計することができ、好ましくは1μm以上〜5μm以下、更に好ましくは1μm以上〜3μm以下である。光反射層の膜厚が薄すぎると十分な光反射能が得られず、逆に厚すぎると半導体多孔質膜層自体の膜厚が厚くなり電解質の拡散を阻害してしまうだけでなく、半導体に注入された電子と色素ホールとの再結合チャンスが増えVocの低下を招く恐れがある。
更に、上記の光吸収層と光反射層をトータルした半導体多孔質膜層の膜厚は、10μm〜20μmが好ましく、より好ましくは13μm〜17μmであり、特に好ましくは14μm〜16μmである。
次に、本発明に係る半導体多孔質膜の作製方法について説明する。
半導体多孔質膜を作製する方法としては公知の方法を適用することが可能であり、
(1)半導体微粒子を含有する懸濁液を導電性基材上に塗布し、乾燥及び焼成を行って半導体層を形成する方法、
(2)コロイド溶液中に導電性基材を浸漬して電気泳動により半導体微粒子を導電性基材上に付着させる泳動電着法、
(3)コロイド溶液や分散液に発泡剤を混合して塗布した後、焼結して多孔質化する方法、
(4)ポリママイクロビーズを混合して塗布した後、このポリママイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを適用することができる。
上記の作製方法の中で、特に塗布方法としては公知の方法を適用することが可能で、スクリーン印刷法、インクジェット法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー塗布法などを挙げることができる。
特に上記(1)の方法の場合、懸濁液中の半導体微粒子の粒子径は微細である方が好ましく、1次粒子として存在していることが好ましい。
半導体微粒子を含有する懸濁液は、半導体微粒子を溶媒中に分散させることによって調製することができる。
溶媒としては、半導体微粒子を分散し得るものであれば特に制限は無く、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。
有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。懸濁液中には、必要に応じて界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)、分散剤等を加えることができる。溶媒中の半導体微粒子の濃度の範囲は、0.1質量%〜70質量%が好ましく、0.1質量%〜30質量%が更に好ましい。
上記のペーストは公知の分散機を用いて十分に1次粒子化させることが好ましい。本発明で用いることができる分散機としては、超音波分散機、ビーズミル分散機、ロールミル分散機などを挙げることができ、分散工程やペーストの粘度によって適宜選択することができる。
上記のようにして得られた半導体微粒子を含有する懸濁液を導電性基材上に塗布し、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性基材上に金属酸化物半導体層が形成される。
導電性基材上に懸濁液を塗布、乾燥して得られる半導体多孔質膜層は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒子径は使用した半導体微粒子の1次粒子径に依存するものである。導電性基材上に形成された半導体多孔質膜層は、導電性基材との結合力や、微粒子間の結合力が弱く、機械的に脆い膜であるため、この半導体微粒子集合体膜を焼成処理して機械的強度を高め、基板に強く固着した焼成物膜とすることが好ましい。
同時に焼成処理をすることで、粒子間が溶融密着による所謂ネッキングを形成し、半導体多孔質膜中の電子伝導性が向上する効果が得られる。
本発明においては、この焼成物膜はどのような構造を有していても良いが、多孔質構造(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、半導体多孔質膜層の空隙率は、10体積%以下が好ましく、更に好ましくは、8体積%以下であり、特に好ましくは、0.01体積%〜5体積%以下である。
尚、半導体多孔質膜層の空隙率は、誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(例えば、島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することが出来る。
焼成温度は300℃〜1000℃程度で行われるが、酸化チタンの場合は焼成温度によって得られる結晶相が異なるため注意が必要である。
酸化チタンを本発明に用いる場合、900℃以上の焼成温度では、光触媒不活性なルチル晶を形成するため、一般的には600℃以下の温度で形成されるアナターゼ晶を用いることが好ましい。
本発明の半導体多孔質膜層は、前記焼成処理後、半導体微粒子の表面積を増大させる目的、また半導体微粒子と基材電極間、また半導体微粒子間の電子伝導性を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
《色素》
本発明において、前述した半導体多孔質膜層2の表面に吸着させる色素3としては、種々の可視光領域及び/または赤外光領域に吸収を有し、金属酸化物半導体の伝導帯より高い最低空準位を有する色素が好ましく、公知の様々な色素を使用することができる。例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、シアニジン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ローダミン系色素、ローダニン系色素などが挙げられる。なお、金属錯体色素も好ましく使用され、その場合においては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの種々の金属を用いることができる。
上記の中で、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素は好ましい態様の1つであり、具体的には特開平11−35836号公報、特開平11−67285号公報、特開平11−86916号公報、特開平11−97725号公報、特開平11−158395号公報、特開平11−163378号公報、特開平11−214730号公報、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2004−207224号公報、特開2004−319202号公報、欧州特許892411号明細書及び同911841号明細書などの各明細書に記載の色素を挙げることができる。
更に金属錯体色素も好ましい態様の1つであり、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許第4927721号明細書、同4684537号明細書、同5084365号明細書、同5350644号明細書、同5463057号明細書、同5525440号明細書、特開平7−249790号公報、特表平10−504512号公報、国際公開第98/50393号パンフレット、特開2000−26487号公報、特開2001−223037号公報、特開2001−226607号公報、特許第3430254号公報、などの各明細書に記載の錯体色素を挙げることができる。
これらの色素は、吸光係数が大きくかつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ましい。また、上記色素は金属酸化物半導体上に化学的に吸着することが好ましく、カルボキシ基、スルホン酸基(スルホ基)、リン酸基、アミド基、アミノ基、カルボニル基、ホスフィン基などの官能基を有することが好ましい。
本発明では、金属酸化物の表面に吸着する色素として、ローダニン系色素を使用することが特に好ましい。ローダニン系色素であればどのような構造であっても好ましく用いることが可能であるが、下記一般式(1)または一般式(2)で表される少なくとも1種の色素を用いることが特に好ましい。
Figure 2009252726
一般式(1)または一般式(2)において、X11〜X14及びX21〜X26は、各々独立に酸素原子、硫黄原子またはセレン原子を表し、X11、X12、X14、及びX21、X22、X24、X26が各々硫黄原子またはセレン原子であり、更に好ましくは硫黄原子である。X13、及びX23、X25は酸素原子であることが好ましい。
一般式(1)または一般式(2)において、R12、R13、及びR22、R23は、各々独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(1)または一般式(2)において、R14は、カルボキシ基(−COOH基)またはホスホノ基(−PO基)を表し、R24、R26は水素原子、カルボキシ基(−COOH基)またはホスホノ基(−PO基)を表し、少なくとも1つは、カルボキシ基(−COOH基)またはホスホノ基(−PO基)を表す。
一般式(1)または一般式(2)において、L11、及びL21、L22は、各々独立に2価の連結基を表す。2価の連結基の例としてはメチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、トリメチレン基(−CHCHCH−)などが挙げられるが、特に好ましくは、メチレン基、エチレン基である。
一般式(1)または一般式(2)において、R15、R25は、各々アルキル基を表すが、炭素数1〜8の直鎖及び分岐のアルキル基が好ましく、炭素数2〜4の直鎖及び分岐のアルキル基(例えば、エチル基、i−プロピル基、n−ブチル基など)が更に好ましい。
また、R15、R25で各々表されるアルキル基は、後述する置換基を更に有していてもよい。
一般式(1)または一般式(2)において、R12、R13、及びR22、R23等の置換基の例としてはアルキル基(例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−ドデシル基及び1−ヘキシルノニル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基及びアダマンチル基等)及びアルケニル基(例えば2−プロピレン基、オレイル基等)、アリール基(例えばフェニル基、オルト−トリル基、オルト−アニシル基、1−ナフチル基、9−アントラニル基等)、複素環基(例えば2−テトラヒドロフリル基、2−チオフェニル基、4−イミダゾリル基及び2−ピリジル基等)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、カルボニル基(例えばアセチル基、トリフルオロアセチル基、ピバロイル基等のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイル基等のアリールカルボニル基等)、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基及び2−ピリジルオキシカルボニル基、1−フェニルピラゾリル−5−オキシカルボニル基などの複素環オキシカルボニル基等)、カルバモイル基(例えばジメチルカルバモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノカルボニル基等のアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、1−ナフチルカルバモイル基等のアリールカルバモイル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、2−エトキシエトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ基等)、複素環オキシ基(例えば4−ピリジルオキシ基、2−ヘキサヒドロピラニルオキシ基等)、カルボニルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基等のアルキルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等のアリールオキシ基等)、ウレタン基(例えばN,N−ジメチルウレタン基等のアルキルウレタン基、N−フェニルウレタン基、N−(p−シアノフェニル)ウレタン基等のアリールウレタン基)、スルホキシル基、スルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、n−ドデカンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基)、アミノ基(例えばジメチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基等のアルキルアミノ基、アニリノ基、p−t−オクチルアニリノ基等のアリールアミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ヘプタフルオロプロパンスルホニルアミノ基、n−ヘキサデシルスルホニルアミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基、ペンタフルオロベンゼンスルホニルアミノ等のアリールスルホニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(例えばN,N−ジメチルスルファモイルアミノ基等のアルキルスルファモイルアミノ基、N−フェニルスルファモイルアミノ基等のアリールスルファモイルアミノ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリールカルボニルアミノ基)、ウレイド基(例えばN,N−ジメチルアミノウレイド基等のアルキルウレイド基、N−フェニルウレイド基、N−(p−シアノフェニル)ウレイド基等のアリールウレイド基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等のアルキルスルホニル基及びp−トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基)、スルファモイル基(例えばジメチルスルファモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノスルホニル基等のアルキルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等のアリールスルファモイル基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、t−オクチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)及び複素環チオ基(例えば1−フェニルテトラゾール−5−チオ基、5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−チオ基等)等が挙げられる。これらの置換基は上記に示した置換基によって更に置換されていてもよい。
一般式(1)または一般式(2)において、R12、R13、R22、R23は、各々互いに結合して環構造を形成してもよく、形成される環構造としては脂肪族環、芳香族環のいずれでもよく、炭化水素環であっても複素環であってもよい。これら結合して形成された環も、上記に示した置換基によって置換されていてもよいし、更に別の環構造と縮合していてもよく、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物そのものと更に縮合していてもよい。
一般式(1)または一般式(2)において、R12、R13、R22、R23の置換基の例としては上記のものが挙げられるが、好ましいものはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基であり、更に好ましくは水素原子、置換または無置換アルキル基である。
一般式(1)または一般式(2)において、R11、R21は、各々置換基を表し、上述したR12、R13、及びR22、R23と同様の置換基とすることが可能であるが、少なくとも1つ以上は電子吸引性の置換基であることが好ましく、その場合、nは1〜4の整数を表す。電子吸引性の置換基である場合、ハメットの置換基定数σpの値が0.1以上、0.8以下の置換基であることが好ましく、更には、置換基のσp値の総和が0.2以上、2.0以下であることが好ましく、0.25以上、1.5以下であることが最も好ましい。
ここで、ハメットの置換基定数σpの値としては、Hansch,C.Leoらの報告(例えば、J.Med.Chem.16、1207(1973);ibid.20、304(1977))に記載の値を用いるのが好ましい。
例えば、σpの値が0.10以上の置換基または原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン置換アルキル基(例えばトリクロロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチルチオメチル、トリフルオロメタンスルホニルメチル、パーフルオロブチル)、脂肪族・芳香族または複素環アシル基(例えばホルミル、アセチル、ベンゾイル)、脂肪族・芳香族または複素環スルホニル基(例えばトリフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニルカルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ジフェニルメチルカルボニル)、置換芳香族基(例えばペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、2,4−ジメタンスルホニルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル)、複素環残基(例えば2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンズチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、1−テトラゾリル)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)、ジトリフルオロメチルアミノ基、トリフルオロメトキシ基、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、アシロキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アリールスルホニルオキシ基(例えばベンゼンスルホニルオキシ)、ホスホリル基(例えばジメトキシホスホニル、ジフェニルホスホリル)、スルファモイル基(例えばN−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル)等が挙げられる。
σpの値が0.35以上の置換基としては、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、弗素置換アルキル基(例えばトリフルオロメチル、パーフルオロブチル)、脂肪族・芳香族または複素環アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル)、脂肪族・芳香族または複素環スルホニル基(例えばトリフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニルカルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ジフェニルメチルカルボニル)、弗素またはスルホニル基置換芳香族基(例えばペンタフルオロフェニル、2,4−ジメタンスルホニルフェニル)、複素環残基(例えば1−テトラゾリル)、アゾ基(例えばフェニルアゾ)、アルキルスルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ)、ホスホリル基(例えばジメトキシホスホリル、ジフェニルホスホリル)、スルファモイル基等が挙げられる。
σpの値が0.60以上の置換基としては、シアノ基、ニトロ基、脂肪族・芳香族または複素環スルホニル基(例えばトリフルオロメタンスルホニル、ジフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)などが挙げられる。
11、及びR21として好ましいのは、ハロゲン原子、ハロゲン置換アルキル基(トリフルオロメチル基等)、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基である。
一般式(1)または一般式(2)の化合物には、該一般式で表される化合物そのものの他に、該化合物から誘導されるイオン及び塩を含む。
例えば分子構造中にスルホン酸基を有している場合には、該化合物の他にスルホン酸基が解離して生じる陰イオン、及び該陰イオンと対陽イオンとで形成される塩を含む。
このような塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属イオンと形成した塩であっても良いし、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、アニリン、ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基と形成した塩であっても良い。分子内に塩基性基を有する化合物の場合も同様に該化合物がプロトン化されて生成する陽イオン、及び塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、メチルスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの、酸と形成した塩である場合も含まれる。
以下に、本発明における一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2009252726
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上記一般式(1)または(2)で表される化合物の例示化合物は、例えば、エフ・エム・ハーマ著「シアニン・ダイズ・アンド・リレーテッド・コンパウンズ」(1964,インター・サイエンス・パブリッシャーズ発刊)、米国特許第2,454,629号明細書、同2,493,748号明細書、特開平6−301136号公報、同2003−203684号公報等に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができる。
これらの化合物(色素ともいう)は、吸光係数が大きくかつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ましい。また、上記化合物は、金属酸化物半導体上に化学的に吸着することが好ましく、カルボキシ基、スルホン酸基(スルホ基)、リン酸基、アミド基、アミノ基(置換アミノ基も含む)、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ホスホノ基などの官能基を有することが好ましい。
本発明において、半導体多孔質膜層に色素を吸着させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、色素を有機溶剤に溶解して色素溶液を調製し、得られた色素溶液に透明導電膜上の半導体層を浸漬する方法、または得られた色素溶液を半導体層表面に塗布する方法などが挙げられる。
前者においてはデイプ法、ローラ法、エヤーナイフ法などが適用でき、後者においてはワイヤーバー法、アプリケーション法、スピン法、スプレー法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などが適用できる。
尚、色素の吸着に先立って、半導体層の表面を予め減圧処理や加熱処理など処理を施し、表面を活性化し膜中の水分を除去する工程を有しても良い。
半導体層への増感効果を好ましく得る観点から、半導体膜を色素の溶液に浸漬する時間は、3時間〜48時間が好ましく、更に好ましくは、4時間〜24時間である。
また、浸漬にあたり色素溶液は、色素が分解しない限りでは、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は10℃〜50℃、特に好ましくは15℃〜35℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
また、沸騰する上限で吸着させる場合は、還流装置などを用いて溶媒が枯渇しない条件で吸着処理を行うことが好ましい。
また、半導体膜を浸漬した色素溶液に超音波照射を行うこともできる。超音波照射は市販の装置を用いることができ、また、照射時間としては、好ましくは30分〜4時間であり、更に好ましくは1時間〜3時間である。
色素溶液に用いる溶媒は、色素を溶解するものであればよく、従来公知の溶媒を用いることができる。また、該溶媒は、常法に従って精製された溶媒、また溶媒の使用に先立って、必要に応じて蒸留及び/または乾燥を行い、より純度の高い溶媒であることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、1種またはそれ以上の疎水性溶媒、非プロトン性溶媒、疎水性かつ非プロトン性の溶媒またはそれらの混合物が挙げられる。
ここで、疎水性溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等のエステル類等、並びにそれらの組合せた混合溶媒等が挙げられる。
非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素化合物類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類;ヘキサメチルホスホルアミド等のリン化合物類、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
好ましく用いられる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、窒素化合物類であるアセトニトリルであり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリルである。
色素溶液中の色素の濃度は、使用する色素、溶媒の種類、色素吸着工程により適宜調整することができ、例えば、1×10−5モル/リットル以上、好ましくは5×10−5〜1×10−2モル/リットル程度が挙げられる。
尚、色素の吸着量が少ないと増感効果が不十分になり、逆に吸着量が多いと酸化物半導体に吸着していない色素が浮遊して、これが増感効果を減じ、光電変換効率の低下をもたらす原因となるので好ましくない。
上記のことから、未吸着の色素を洗浄により速やかに除去するのが好ましい。洗浄溶剤としては、色素の溶解性が比較的低く、かつ乾燥しやすい溶剤が好ましい。また、洗浄は加熱状態で行うのが好ましい。
また、洗浄により余分な色素を除去した後、色素の吸着状態をより安定にするために、酸化物半導体微粒子の表面を有機塩基性化合物で処理して、未反応色素の除去を促進させてもよい。
有機塩基性化合物としては、ピリジン、キノリンなどの誘導体が挙げられる。これら化合物が液体の場合にはそのまま用いてもよいが、固体の場合には溶剤、好ましくは色素溶液と同一の溶剤に溶解して用いてもよい。
上記一般式(1)または(2)で表される化合物(色素)を2種以上用いる場合は、混合する色素の比率は特に限定は無く、それぞれの色素より最適化し選択されるが、一般的に等モルずつの混合から、1つの色素につき10%モル程度以上使用するのが好ましい。
色素を2種以上併用する場合の具体的方法としては、混合溶解して吸着させても、色素を半導体層に順次吸着させても良い。また、予め色素を吸着させた半導体を後工程で積層する構成でも良い。
併用する色素を混合し溶解した溶液を用いて酸化物半導体層に色素を吸着する場合、溶液中の色素合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同様でよい。
色素を混合して使用する場合の溶媒としては前記したような溶媒が使用可能である。併用する色素それぞれについて溶液を調製し半導体層に吸着させる場合も、溶媒としては前記したような溶媒が使用可能であり、使用する各色素用の溶媒は同一でも異なっていてもよい。
各色素について別々の溶液を調製し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、第1の色素を浸漬吸着させた半導体層をその色素の良溶媒で表層を軽く洗浄し、続く工程で第2の色素を浸漬吸着させることで多層吸着とすることができる。
または、精度良く半導体多孔質膜層の上層にのみ第1の色素液に浸漬し、吸着したところで全体を第2の色素液に浸漬することで多層吸着とすることもできる。
酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持する際、色素同士の会合を防ぐために包摂化合物の共存下、色素を担持することが効果的である。ここで包摂化合物としてはコール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、好ましいものとしてはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等のコール酸類、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
また、色素を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物で半導体層表面を処理しても良い。処理の方法は例えばアミンのエタノール溶液に色素を担持した半導体微粒子薄膜の設けられた基板を浸す方法等が適用できる。
《電荷移動層》
電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、酸化還元対イオンが溶解した溶剤や酸化還元対イオンを含有する常温溶融塩などの電解液、酸化還元対イオンの溶液をポリママトリクスや低分子ゲル化剤等に含浸したゲル状の擬固体化電解質、更には高分子固体電解質等が挙げられる。また、イオンが関わる電荷輸送材料の他に、固体中のキャリア移動が電気伝導に関わる材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料を挙げることもでき、これらは併用してすることも可能である。
電荷移動層に電解液を使用する場合、含有する酸化還元対イオンとしては、一般に公知の太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。
具体的には、I/I3−系、Br2−/Br3−系等の酸化還元対イオンを含有させたもの、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオン、コバルト錯体などの金属錯体等の金属酸化還元系、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ハイドロキノン/キノン等の有機酸化還元系、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール/アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物などを挙げることができる。
ヨウ素系として更に具体的には、ヨウ素とLiI、NaI、KI、CsI、CaIなどの金属ヨウ化物との組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなどの4級アンモニウム化合物や4級イミダゾリウム化合物のヨウ素塩などとの組み合わせなどが挙げられる。
臭素系として更に具体的には、臭素とLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBrなどの金属臭化物との組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩などとの組み合わせなどが挙げられる。
溶剤としては電気化学的に不活性で、粘度が低くイオン易動度を向上したり、または誘電率が高く有効キャリア濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、更にテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などを用いることができる。
好ましい電解質濃度は0.1M/L以上15M/L以下であり、更に好ましくは0.2M/L以上10M/L以下である。また、ヨウ素系を使用する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01M/L以上0.5M/L以下である。
溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観点から好ましい。溶融塩電解質としては、例えば、国際公開第95/18456号パンフレット、特開平8−259543号公報、特開2001−357896号公報、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を含む電解質を挙げることができる。これらの溶融塩電解質は常温で溶融状態であるものが好ましく、溶媒を用いない方が好ましい。
オリゴマ及びポリマ等のマトリックスに電解質あるいは電解質溶液を含有させたものや、ポリマ添加、低分子ゲル化剤やオイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマの架橋反応等の手法によりゲル化(擬固体化)させて使用することもできる。
ポリマ添加によりゲル化させる場合は、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することができる。
オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合は、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。また、ポリマの架橋反応により電解質をゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマ及び架橋剤を併用することが望ましい。
この場合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネートなど)である。
電解質の濃度は通常0.01質量%〜99質量%で好ましくは0.1質量%〜90質量%程度である。
また、ゲル状電解質としては、電解質と、金属酸化物粒子及び/または導電性粒子とを含む電解質組成物を用いることもできる。金属酸化物粒子としては、TiO、SnO、WO、ZnO、ITO、BaTiO、Nb、In、ZrO、Ta、La、SrTiO、Y、Ho、Bi、CeO、Alからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらは不純物がドープされたものや複合酸化物などであってもよい。導電性粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられる。
次に、高分子電解質としては、酸化還元種を溶解あるいは酸化還元種を構成する少なくとも1つの物質と結合することができる固体状の物質であり、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンサクシネート、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンスルフィドなどの高分子化合物またはそれらの架橋体、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキサイドなどの高分子官能基に、ポリエーテルセグメントまたはオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として付加したものまたはそれらの共重合体などが挙げられ、その中でも特にオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として有するものやポリエーテルセグメントを側鎖として有するものが好ましい。
前記の固体中に酸化還元種を含有させるには、例えば、高分子化合物となるモノマーと酸化還元種との共存下で重合する方法、高分子化合物などの固体を必要に応じて溶媒に溶解し、次いで、前記の酸化還元種を加える方法等を用いることができる。酸化還元種の含有量は、必要とするイオン伝導性能に応じて、適宜選定することができる。
本発明では、溶融塩などのイオン伝導性電解質の代わりに、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。
有機正孔輸送材料としては、芳香族アミン類やトリフェニレン誘導体類、更にポリアセチレン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリトルイジン及びその誘導体等の導電性高分子を好ましく用いることができる。
正孔(ホール)輸送材料にはドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加する、または、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CFSON]のような塩を添加しても構わない。
無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用いることができる。この目的のp型無機化合物半導体は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。
また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であることが好ましい。
好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半導体であり、CuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。
p型無機化合物半導体を含有する電荷移動層の好ましいホール移動度は10−4cm/V・sec以上10cm/V・sec以下であり、更に好ましくは10−3cm/V・sec以上10cm/V・sec以下である。また、電荷輸送層の好ましい導電率は10−8S/cm以上10S/cm以下であり、更に好ましくは10−6S/cm以上10S/cm以下である。
本発明において、電荷移動層4を半導体電極とカソード電極5との間に形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、半導体電極とカソード電極とを対向配置してから両電極間に前述した電解液や各種電解質を充填して電荷移動層4とする方法、半導体電極またはカソード電極の上に電解質や各種電解質を滴下あるいは塗布等することにより電荷移動層4を形成したのち電荷移動層4の上に他方の電極を重ね合わせる方法、電荷移動層以外を封止したセルの電極に電解質注入用の穴を設け、そこから電解質を注入して電荷移動層4を形成させる方法等を用いることができる。
また、半導体電極とカソード電極との間から電解質が漏れ出さないようにするため、必要に応じて半導体電極とカソード電極との隙間にフィルムや樹脂を用いて封止したり、半導体電極と電荷移動層4とカソード電極5を適当なケースに収納したりすることも好ましい。
前者の形成方法の場合、電荷移動層の充填方法として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
後者の形成方法の場合、塗布方法としてはマイクログラビアコーティング、ディップコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等を用いることができる。湿式の電荷移動層においては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施すことになる。
またゲル電解質の場合には湿式で塗布して重合等の方法により固体化する方法があり、その場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもできる。
固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後カソード電極を付与することもできる。具体的には、真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法により電極内部に導入することができ、必要に応じて基材を任意の温度に加熱して溶媒を蒸発させるなどにより形成する。
電荷移動層の厚さは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に1μm以下であることが好ましい。また電荷移動層の導電率は1×10−10S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることが更に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
尚、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
また、実施例で用いる化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2009252726
Figure 2009252726
実施例1
《透光性導電性基材の作製》
〔下引層形成〕
2mm厚のガラス基板片面に12W・min/mのコロナ放電処理を施し、下引塗布液B−1を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、その上に12W・分/mのコロナ放電処理を施し、下引塗布液B−2を乾燥膜厚0.06μmになるように塗布した。
その後、120℃で1.5分の熱処理を実施し、下引済みガラス基板(Base1)を得た。
〈下引塗布液B−1〉
スチレン20質量部、グリシジルメタクリレート40質量部、ブチルアクリレート40質量部の共重合体ラテックス液(固形分質量30%) 50g
SnOゾル(A) 440g
化合物(UL−1) 0.2g
水で仕上げる 1000ml
〈下引塗布液B−2〉
ゼラチン 10g
化合物(UL−1) 0.2g
化合物(UL−2) 0.2g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
硬膜剤(UL−3) 1g
水で仕上げる 1000ml
(SnOゾル(A)の調製)
65gのSnCl・5HOを蒸留水2000mlに溶解して均一溶液とし、次いでこれを煮沸し、沈澱物を得た。生成した沈澱物をデカンテーションにより取り出し、蒸留水にて何度も水洗する。
沈澱を水洗した蒸留水中に硝酸銀を滴下し、塩素イオンの反応がないことを確認後、洗浄した沈澱物に蒸留水を添加し全量を2000mlとする。これに30%アンモニア水40mlを加え加温することにより、均一なゾルを得た。
更にアンモニア水を添加しながら、SnOの固形分濃度が8.3質量%になるまで加熱濃縮し、SnOゾル(A)を得た。
〔ハロゲン化銀微粒子乳剤EMP−1の調製〕
反応容器内で、下記の溶液−Aを34℃に保ち、特開昭62−160128号公報記載の混合撹拌装置を用いて高速に撹拌しながら、硝酸(濃度6%)を用いてpHを2.95に調整した。
引き続き、ダブルジェット法を用いて下記の溶液−Bと溶液−Cを一定の流量で8分6秒間かけて添加した。添加終了後に、炭酸ナトリウム(濃度5%)を用いてpHを5.90に調整し、続いて、下記の溶液−Dと溶液−Eを添加した。
(溶液−A)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 18.7g
塩化ナトリウム 0.31g
下記(溶液−I) 1.59ml
純水 1246ml。
(溶液−B)
硝酸銀 169.9g
硝酸(濃度6%) 5.89ml
純水にて317.1mlに仕上げる。
(溶液−C)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 5.66g
塩化ナトリウム 58.8g
臭化カリウム 13.3g
(溶液−I) 0.85ml
(溶液−II) 2.72ml
純水にて317.1mlに仕上げる。
(溶液−D)
2−メチル−4ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデン 0.56g
純水 112.1ml。
(溶液−E)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.96g
下記(溶液−I) 0.40ml
純水 128.5ml。
(溶液−I)
界面活性剤:ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸エステルナトリウム塩の10質量%メタノール溶液
(溶液−II)
6塩化ロジウム錯体の10質量%水溶液。
上記操作終了後に、常法に従い40℃にてフロキュレーション法を用いて脱塩及び水洗処理を施し、溶液−Fと防バイ剤を加えて60℃で良く分散し、40℃にてpHを5.90に調整して、最終的に臭化銀を10モル%含む平均粒子径0.09μm、変動係数10%の塩臭化銀立方体粒子乳剤(EMP−1)を得た。
(溶液−F)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 16.5g
純水 139.8ml。
(感光材料101の作製)
上記で作製した、下引き済みガラス基板(Base1)上に、前述のハロゲン化銀微粒子乳剤EMP−1を、塗布銀量が銀換算で0.8g/mとなるように塗布を行った後、乾燥して、感光材料101を作製した。
尚、感光材料101の作製においては、硬膜剤(テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン)をゼラチン1g当たり50mgの比率となるようにして添加した。また、塗布助剤として界面活性剤(スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム)を添加し、表面張力を調整した。
また、銀とゼラチンの体積比が0.5となるようにゼラチン量を調整した。ここで言う銀とゼラチンの体積比とは、塗工されているハロゲン化銀微粒子の体積を塗工されているゼラチンの体積で除した値を指す。
《透光性導電性基板S101の作製》
上記で作製した感光材料101に対して、ライン幅(銀細線の線幅ともいう)が8μm、ライン同士の間隔が250μmの格子状のフォトマスクを介して、紫外線ランプを用いて露光を行った。
次いで、下記現像液(DEV−1)を用いて35℃で30秒間現像処理を行った後、下記定着液(FIX−1)を用いて35℃で60秒間の定着処理を行い、それに続けて水洗処理を行った。更に下記物理現像液(PD−1)を用いて、30℃5分間の物理現像を行い、次いで水洗処理を行った。
その後、感光材料101を300mm×300mmサイズにカットし、メッキ液(EPL−1)に浸漬し、25℃で電解銅メッキ処理を行った。
電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、集電線の線幅が13.5μmになるまで処理し、水洗及び乾燥を行いメッキ被覆された集電線基板を得た。
スズドープ酸化インジウム(ITO)材をターゲットに、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、集電線(集電グリッド)の表面上及び開口部に膜厚が150nmになるように導電性被覆層を形成させ(ここで、集電線の表面に設けられた導電性被覆層が、第1の導電性被覆層になる。)、更に同様にして、白金板をターゲットに膜厚が2nmになるようにPtを形成させ、透光性導電性基板S101を作製した。
(DEV−1:現像液)
純水 500ml
メトール 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
ハイドロキノン 4g
ホウ砂 4g
チオ硫酸ナトリウム 10g
臭化カリウム 0.5g
水を加えて全量を1Lとする。
(FIX−1:定着液)
純水 750ml
チオ硫酸ナトリウム 250g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
氷酢酸 15ml
カリミョウバン 15g
水を加えて全量を1Lとする。
(PD−1:物理現像液)
純水 800ml
クエン酸 31g
ハイドロキノン 7.8g
リン酸水素二ナトリウム 1.1g
アンモニア水(28%) 2.2ml
硝酸銀 1.5g
水を加えて全量を1Lとする。
(EPL−1:電解メッキ液)
硫酸銅(五水和物) 200g
硫酸 50g
塩化ナトリウム 0.1g
水を加えて全量を1Lとする。
《透光性導電性基板S102の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が8μm、ライン同士の間隔が500μmの格子状のフォトマスクを用いて露光を行った以外は同様にして透光性導電性基板S102を作製した。
《透光性導電性基板S103の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が8μm、ライン同士の間隔が150μmの格子状のフォトマスクを用いて露光を行った以外は同様にして透光性導電性基板S103を作製した。
《透光性導電性基板S104の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が8μm、ライン同士の間隔が100μmの格子状のフォトマスクを用いて露光を行った以外は同様にして透光性導電性基板S104を作製した。
《透光性導電性基板S105の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が5μm、ライン同士の間隔が150μmの格子状のフォトマスクを介して露光を行い、更に、電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、集電線の線幅が8.5μmになるまで処理した以外は同様にして透光性導電性基板S105を作製した。
《透光性導電性基板S106の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が12μm、ライン同士の間隔が400μmの格子状のフォトマスクを介して露光を行い、更に、電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、集電線の線幅が20μmになるまで処理した以外は同様にして透光性導電性基板S106を作製した。
《透光性導電性基板S107の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が8μm、ライン同士の間隔が300μmの格子状のフォトマスクを介して露光を行い、更に、電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、集電線の線幅が20μmになるまで処理した以外は同様にして透光性導電性基板S107を作製した。
《透光性導電性基板S108の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が12μm、ライン同士の間隔が500μmの格子状のフォトマスクを介して露光を行い、更に、電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、集電線の線幅が25μmになるまで処理した以外は同様にして透光性導電性基板S108を作製した。
《透光性導電性基板S109の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、感光材料101に対して、ライン幅が12μm、ライン同士の間隔が1000μmの格子状のフォトマスクを介して露光を行い、更に、電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、集電線の線幅が30μmになるまで処理した以外は同様にして透光性導電性基板S109を作製した。
《透光性導電性基板S110の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、集電グリッド上及び開口部にスズドープ酸化インジウム(ITO)の層及び白金層を形成しない以外は前記S101と同様にして透光性導電性基板S110を作製した。
《透光性導電性基板S111の作製》
前記2mm厚のガラス基板に、スズドープ酸化インジウム(ITO)材をターゲットに、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、膜厚が150nmになるように導電性被覆層を形成させ、更に同様にして、白金板をターゲットに膜厚が2nmになるようにPtを形成させ、透光性導電性基板S111を作製した。
《透光性導電性基板S112の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、スズドープ酸化インジウム(ITO)材に換えて、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)材をターゲットに、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、膜厚が150nmになるように導電性被覆層を形成させた以外は同様にして透光性導電性基板S112を作製した。
《透光性導電性基板S113の作製》
透光性導電性基板S101の作製において、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いて形成させた導電性被覆層に換えて、H.C.スタルク社製バイトロンPH510(BAYTRON−PH510にDMSOを5%添加した水溶液を使用)を乾燥膜厚が100nmになるように形成させた以外は同様にして透光性導電性基板S113を作製した。
得られた透光性導電性基板S101〜S113の各々については、下記のようにして、メッキ前後の線幅比と表面抵抗を各々測定した。測定結果は表1に示す。
尚、透光性導電性基板S101〜S113は、本発明の色素増感型太陽電池のカソード電極として用いる。
《メッキ前後の線幅比測定》
透光性導電性基板S101〜S113において、電解銅メッキ処理前、及び処理後において、格子パターンを形成しているラインの線幅をマイクロスコープMS−804(モリテックス製)を用いて測定した。
《表面抵抗測定》
透光性導電性基板S101〜S113において、電解銅メッキ処理後、表面を導電性被覆層で被覆した透光性導電性基板における表面抵抗値を、抵抗率計(ロレスタGP(MCP−T610型):(株)ダイヤインスツルメンツ製)を用いて測定した。測定は基板の中心部で行った。
尚、S110(導電性被覆層がない基板)についても同様に、基板の中心部の表面抵抗値を測定した。
《色素増感型太陽電池SC−101の作製》
チタン板上に、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、短絡防止層として酸化チタン板をターゲット材に10nm厚の半導体膜を形成させた。その上に、光吸収層用の酸化チタンペースト(SOLARONIX社製Ti−Nanoxide−D/SP)をスクリーン印刷機により印刷した。
ここで、酸化チタンペーストからなる層の膜厚は約12μmの膜厚となるように、スクリーン印刷法で重ね印刷することで調製した。自然乾燥させた後、120℃の乾燥を10分行い、形成した半導体多孔質膜を50mm×50mm(有効面積25cm)になるように周囲を削りとり、更に30分かけて500℃まで昇温し、そこから500℃定温で15分焼成することで、チタン板上に酸化チタンからなる半導体多孔質膜層を形成した。
焼成処理後、100℃程度まで冷却したところで、色素増感型太陽電池用のルテニウム錯体色素化合物A(N719)の5.0×10−4mol/L、アセトニトリル:t−ブタノール=1:1(vol)の溶液に24時間浸漬し、色素吸着後、前記のアセトニトリル:t−ブタノール溶液で過剰な色素を十分に洗い落とし、真空乾燥して色素を吸着させた半導体多孔質膜層を有するアノード極A101を作製した。
カソード電極として用いる透光性導電性基板のS101において、電解質を注入するための穴を設け、前記S101とA101とを25μm厚のシート状スペーサー兼封止材(SOLARONIX社製SX−1170−25)を用いて張り合わせ、透光性導電性基板S101に設けた電解液注入穴から、体積比が1:4であるアセトニトリル:炭酸エチレンの混合溶媒に、ヨウ化リチウム0.10モル/リットル、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド0.60モル/リットル、ヨウ素0.05モル/リットル、4−t−ブチルピリジン0.50モル/リットルを溶解したレドックス電解液を入れた電荷移動層を注入し、ホットボンドで穴を塞ぎ、上から前記封止剤を用いてカバーガラスを貼り付け封止した。
前期透光性導電性基板S101の受光面側に反射防止フィルム(コニカミノルタオプト社製ハードコート/反射防止タイプセルロース系フィルム)を張り合わせ、色素増感型太陽電池封止セルSC−101を作製した。
《色素増感型太陽電池SC−102〜SC−113の作製》
色素増感型太陽電池SC−101の作製において、透光性導電性基板S101に代えて、透光性導電性基板S102〜S113を用いた以外は同様にして、色素増感型太陽電池SC−102〜SC−113を各々作製した。
《色素増感型太陽電池SC−102〜SC−113の光電変換特性評価》
上記で作製した色素増感型太陽電池(太陽電池セルともいう)について、ソーラーシミュレーター(英弘精機社製SS−100XIL)により、AM1.5フィルタ、100mW/mの強度の光を照射した時の特性として、短絡電流Jsc(mA/cm)及び開放電圧値Voc(V)を、同じ構成及び作製方法で各々3つ評価し平均値で表した。
また、各色素太陽電池のJsc、VocとFF(フィルファクター)から光電変換効率η(%)を求めた。
得られた各色素太陽電池の物理的特性(半導体多孔質膜の面積、銀細線、集電線の線幅、線幅比、ピッチ、開口率、透過率、表面抵抗)を表1に示し、色素太陽電池の光電変換特性を表2に示す。
Figure 2009252726
Figure 2009252726
表1、表2から、比較に比べて、本発明の色素増感型太陽電池(太陽電池セル)は、短絡電流Jsc(mA/cm)、開放電圧値Voc(V)、とFF(フィルファクター)、及び光電変換効率η(%)の全てにわたり、良好な特性を示していることが判る。
実施例2
《透光性導電性基材の作製》
実施例1と同様に、下引層を施したBase1上に、前述のように調製したハロゲン化銀微粒子乳剤EMP−1を、塗布銀量が銀換算で0.4g/mとなるように塗布を行った以外は実施例1と同様にして感光材料201を作製した。
《透光性導電性基板S201の作製》
上述のようにして作製した感光材料201に対して、ライン幅(銀細線の線幅ともいう)が12μm、ライン同士の間隔が250μmの格子状のフォトマスクを介して、紫外線ランプを用いて露光を行った。
次いで、実施例1に記載の現像液(DEV−1)を用いて35℃で30秒間現像処理を行った後、下記定着液(FIX−1)を用いて35℃で60秒間の定着処理を行い、それに続けて水洗処理を行った。
更に実施例1に記載の物理現像液(PD−1)を用いて、30℃、5分間の物理現像を行い、次いで水洗処理を行った。
その後、ガラス試料を300mm×300mmサイズにカットし、メッキ液(EPL−1)に浸漬し、25℃で電解銅メッキ処理を行った。電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、集電線の線幅が13.5μmになるまで処理し、水洗及び乾燥を行いメッキ被覆された集電線基板を得た。
スズドープ酸化インジウム(ITO)材をターゲットに、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、前記集電線(集電グリッドともいう)の上部(周囲も含む)及び開口部に膜厚が150nmになるように導電性被覆層を形成させ、更に、同様にして、白金板をターゲットに膜厚が2nmになるようにPtを形成させ、透光性導電性基板S201を作製した。
《透光性導電性基板S202の作製》
透光性導電性基板S201の作製において、感光材料201に対して、ライン幅が8μm、ライン同士の間隔が250μmの格子状のフォトマスクを介して露光を行い、更に、電界銅メッキは印加電流及び処理時間を調整し、線幅が12.5μmになるまで処理した以外は同様にして、透光性導電性基板S202を作製した。
得られた透光性導電性基板S201、S202については、下記のようにして、メッキ前後のせん
《メッキ前後の線幅比、集電線の断面積測定》
実施例1の透光性導電性基板S101及び、上記で得られた透光性導電性基板S201〜S202において、電解銅メッキ処理前、及び処理後において、格子パターンを形成しているラインの線幅をマイクロスコープMS−804(モリテックス製)を用いて測定し、その比率を求め表2に示した。
また、電解銅メッキ処理した集電線の高さを、触針式表面形状測定器DEKTAK−6M(アルバック社製)を用いて測定し、集電線の断面積を求め表3に示した。
《表面抵抗測定》
透光性導電性基板S101及びS201〜S202において、電解銅メッキ処理後、表面を導電性被覆層で被覆した透光性導電性基板における表面抵抗値を、抵抗率計(ロレスタGP(MCP−T610型):(株)ダイヤインスツルメンツ製)を用いて測定した。測定は基板の中心部で行い、その結果を表3に示した。
《色素増感型太陽電池SC−201、SC−202の作製》
色素増感型太陽電池SC−101の作製において、透光性導電性基板S101に換えて、S201、S202を各々用いた以外は同様にして色素増感型太陽電池SC−201、SC−202を各々作製した。
《太陽電池の光電変換特性評価》
上記で作製した色素増感型太陽電池(太陽電池セルともいう)SC−201、202について、ソーラーシミュレーター(英弘精機社製SS−100XIL)により、AM1.5フィルタ、100mW/mの強度の光を照射した時の特性を測定し、短絡電流Jsc(mA/cm)及び開放電圧値Voc(V)を、同じ構成及び作製方法で3つ評価し平均値を求めた。また、Jsc、VocとFF(フィルファクター)から光電変換効率η(%)を求めた。
得られた結果を表4に示す。
Figure 2009252726
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表3、表4から、線幅比が1.13である、色素増感型太陽電池SC−201に比べて、線幅比が1.69の色素増感型太陽電池SC−101、線幅比が1.56の色素増感型太陽電池SC−202は、更に、光電変換効率が優れていることが明らかである。
実施例3
《フレキシブル色素増感型太陽電池の作製》
実施例1において、透光性導電性基板SC−101の作製に用いた2mm厚のガラス基板に替えてポリエチレンテレフタレート(PEN)基板を用い、アノード極に用いたチタン板に替えてチタン箔膜フィルムを用い、更に、光吸収層用の酸化チタンペーストをSOLARONIX社製Ti−Nanoxide−D/SPに替えて同社製Ti−Nanoxide−DLをスクリーン印刷機により印刷し120℃で焼結させた以外は同様にして、フレキシブルな色素増感型太陽電池を作製した。
得られたフレキシブル色素増感型太陽電池を実施例1、実施例2に記載の評価方法を用いて評価したところ、基板及び素材を変更しても、実施例1、実施例2に記載の本発明の色素増感型太陽電池と同様に、短絡電流Jsc(mA/cm)、開放電圧値Voc(V)、とFF(フィルファクター)、及び光電変換効率η(%)の全てにわたり、良好な特性を示すことが明らかである。
本発明の色素増感型太陽電池の基本構造を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基材
2 増感色素分子
3 半導体多孔質層
4 透光性導電性基板(カソード電極)
5 電荷移動層
6 封止材
41 透明基材
42 集電線
42a 導電性メッキ層
42b 金属細線
43 導電性被覆層

Claims (10)

  1. 少なくとも導電体を含む基材上に、少なくとも増感色素を吸着させた半導体多孔質層を有するアノード電極と、該アノード電極の半導体多孔質層側に対向する透光性導電性基板からなるカソード電極、及び前記アノード電極と該カソード電極の2枚の電極間に電解質層を封止した構成を有する色素増感型太陽電池において、
    該透光性導電性基板が、少なくとも透明基材上に、線幅が5μm〜20μm、且つ、開口率が84%〜98%である集電線を有し、該集電線の表面が第1の導電性被覆層によって被覆されていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 前記集電線が、銀細線に導電性金属が電解メッキされた2層構成を有し、前記集電線と該銀細線との線幅比が1.2〜2.0(線幅比=集電線の線幅/銀細線の線幅)であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 前記集電線の断面積が30μm〜200μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記導電性被覆層が、金属酸化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 前記導電性被覆層が、導電性高分子からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 前記集電線の表面が第1の導電性被覆層により被覆されており、且つ、透光性導電性基板の開口部が第2の導電性被覆層によって被覆されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 前記第1の導電性被覆層が、レドックス触媒能を有する材料からなることを特徴とする請求項6に記載の色素増感型太陽電池。
  8. 前記第2の導電性被覆層が、金属酸化物からなることを特徴とする請求項6または7に記載の色素増感型太陽電池。
  9. 前記第2の導電性被覆層が、導電性高分子からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  10. 前記透明基材が、各々可撓性基材からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
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