JP5689351B2 - 光電変換素子及び光電気化学電池 - Google Patents

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Description

本発明は、変換効率が高く、耐久性に優れた光電変換素子及び光電気化学電池に関する。
光電変換素子は各種の光センサー、複写機、光電気化学電池(例えば太陽電池)等に用いられている。この光電変換素子には金属を用いたもの、半導体を用いたもの、有機顔料や色素を用いたもの、あるいはこれらを組み合わせたものなどの様々な方式が実用化されている。中でも、非枯渇性の太陽エネルギーを利用した太陽電池は、燃料が不要であり、無尽蔵なクリーンエネルギーを利用したものとして、その本格的な実用化が大いに期待されている。この中でも、シリコン系太陽電池は古くから研究開発が進められてきた。各国の政策的な配慮もあって普及が進んでいる。しかし、シリコンは無機材料であり、スループット及び分子修飾には自ずと限界がある。
そこで色素増感型太陽電池の研究が精力的に行われている。特に、スイスのローザンヌ工科大学のGraetzel等がポーラス酸化チタン薄膜の表面にルテニウム錯体からなる色素を固定した色素増感型太陽電池を開発し、アモルファスシリコン並の変換効率を実現した。これにより、色素増感型太陽電池が注目を集めるようになった。
特許文献1には、この技術を応用し、ルテニウム錯体色素によって増感された半導体微粒子を用いた色素増感光電変換素子が記載されている。また、廉価な有機色素を増感剤として用いた光電変換素子が報告されている。しかし、変換効率の高い光電変換素子を得るという点については十分といえない。
一方、有機溶媒を電解液として用いると十分な耐久性が得られず問題となっており、液体の正孔輸送層の使用を回避することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、液体の電解液を使用した時と比較して、固体の正孔輸送層を使用すると、変換効率が大幅に低下し、電解液の回避と高変換効率維持の両立には至っていない。
米国特許第5463057号明細書 特開2000−106223号公報
本発明の課題は、上述の問題点を克服し、変換効率が高く、さらに耐久性に優れた光電変換素子及び光電気化学電池を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定の構造の色素を用いた時に固体の正孔輸送層を用いた場合でも、変換効率が高く、耐久性に優れる光電変換素子及び光電気化学電池を提供することができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
<1>導電性支持体、色素を含む多孔質半導体層で構成された感光体層、正孔輸送層、及び対極を少なくとも備える光電変換素子であって、
該多孔質半導体層が下記一般式(1)で表される少なくとも1つの色素を含有し、かつ該正孔輸送層がアリーレン基、チオフェン環構造を有する2価の芳香族へテロ環基から選択される基が2個以上共役結合した共役化合物、トリフェニルアミン構造を有するスピロ環化合物、または縮合多環芳香族化合物を含み、かつ固体であることを特徴とする光電変換素子。
Mz(LLm1(LLm2(X)m3・CI ・・・一般式(1)
[一般式(1)において、MzはRuを表し、LLは下記一般式(4−3)で表される2座の配位子を表し、LLは下記一般式(3)で表される、カルボキシ基を有していてもよい2座の配位子を表す
m1はを表す。m2はを表す。m3はを表す。
Xは配位子を表し、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する1座の配位子を表す。
CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
Figure 0005689351
[一般式(4−3)において、R101およびR102はそれぞれ独立に、カルボキシ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基またはホスホニル基を表す。R103およびR104はそれぞれ独立に置換基を表し、R127およびR128はそれぞれ独立に、アルキニル基、アリール基または、環構成ヘテロ原子が、酸素原子、硫黄原子または窒素原子である5もしくは6員環のヘテロ環基を表す。
a1およびa2は0を表し、b1およびb2は0を表す。d3は1を表す。]
Figure 0005689351
[一般式(3)において、Za、ZbおよびZcはそれぞれ独立に、ピリジン環を形成しうる非金属原子群を表し、cは0を表す。]
<2>前記正孔輸送層に含有する化合物が、下記T−1、T7、U−1、U−4、U−10、U−15またはU−16であることを特徴とする<1>に記載の光電変換素子。
Figure 0005689351
<3>前記一般式(1)で表される化合物が、下記A−4またはA−5であることを特徴とする<1>または<2>に記載の光電変換素子。
Figure 0005689351
>前記感光体層に半導体微粒子を含有し、該半導体微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする<1>〜<>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
>前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該感光体層の各層を形成する半導体微粒子が互いに異なる平均粒径であることを特徴とする<1>〜<>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
>前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該多層構造のうち受光面側に最も近い多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の平均粒径が、これ以外の多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする<1>〜<>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
>前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該多層構造のうち受光面側に最も近い多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の粒度分布の変動係数が10以下であることを特徴とする<1>〜<>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
>前記<1>〜<>のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。
本発明により、変換効率が高く、耐久性に優れた光電変換素子及び光電気化学電池を提供することができる。
本発明によって製造される光電変換素子の一実施態様について模式的に示した断面図である。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有する色素を用いることで固体の正孔輸送層を用いた場合でも、変換効率が高く、耐久性に優れた光電変換素子及び光電気化学電池とすることができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
本発明の光電変換素子の一実施態様を、図1の模式的断面図を参照して説明する。
図1に示すように、光電変換素子10は、導電性支持体1、導電性支持体1上にその順序で配された、感光体層2、正孔輸送層(電荷移動体層)3、及び対極4からなる。上記導電性支持体1と感光体層2とにより受光電極5を構成している。その感光体層2は半導体微粒子22と増感色素(以下、単に、色素ともいう。)21を有する多孔質半導体層で構成され、図示していないが、2層以上の多層構造であっても構わない。増感色素21はその少なくとも一部において半導体微粒子22に吸着している。ここで、半導体微粒子22に吸着している増感色素21は吸着平衡状態になっており、この色素の一部が正孔輸送層3に存在していてもよい。正孔輸送層3は、正孔(ホール)を輸送する機能を有する。感光体層2が形成された導電性支持体1は、光電変換素子10において作用電極として機能する。この光電変換素子10を外部回路6で仕事をさせるようにして、光電気化学電池100として作動させることができる。
上記受光電極5は、導電性支持体1及び導電性支持体1上に塗設される増感色素21の吸着した半導体微粒子22からなる多孔質半導体層(半導体膜)で構成された感光体層2よりなる電極である。感光体層2に入射した光は増感色素を励起する。励起された増感色素はエネルギーの高い電子を有している。そこでこの励起状態の電子が増感色素21から半導体微粒子22の伝導帯に渡され、さらに拡散によって導電性支持体1に到達する。このとき増感色素21の分子は酸化体となっている。電極上の電子が外部回路6で仕事をしながら酸化体に戻ることにより、光電気化学電池100として作用する。この際、受光電極5はこの電池の負極として働く。
上記感光体層2は、後述の色素が吸着された半導体微粒子22の層からなる多孔質半導体層で構成されている。この色素は一部電解質中に解離したもの等があってもよい。感光体層2は目的に応じて設計され、2層以上の多層構造であってもよい。
上述したように感光体層2には、特定の色素が吸着した半導体微粒子22を含むことから、受光感度が高く、光電気化学電池100として使用する場合に、高い光電変換効率を得ることができ、さらに高い耐久性を有する。
(A)色素(増感色素)
以下に本発明の一般式(1)で表される色素を詳細に説明するが、本発明において、酸性基、又は、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基又はホスホニル基等の具体的な基は、いずれもこれらが塩となった基をも包含する。
ここで、酸性基とは、基を構成する最も酸性の水素原子のpKaが13以下の基である。酸性基の例として、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、フェノール性水酸基、アルキルスルフォニルカルバモイル基、リン酸基が挙げられ、好ましくはカルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、フェノール性水酸基、さらに好ましくは、カルボン酸基、スルホン酸基、特に好ましくはカルボン酸基である。
また、これらの塩は、有機又は無機の塩のいずれでもよく、有機の塩の場合、アミン塩(例えば、アンモニウム、アルキル、アリールもしくはヘテロ環のアミンのアミン塩、テトラアルキルアンモニウムのような第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩)、アルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)が挙げられる。また、複数の酸性基が存在する場合、その一部が塩の基となってもよい。
上記感光体層2では、多孔質半導体層が下記一般式(1)で表される少なくとも1つの色素21で増感されている。
Mz(LLm1(LLm2(X)m3・CI ・・・一般式(1)
(A1)金属原子Mz
Mzは金属原子を表す。Mzは好ましくは4配位又は6配位が可能な金属であり、より好ましくはRu、Fe、Os、Cu、W、Cr、Mo、Ni、Pd、Pt、Co、Ir、Rh、Re、Mn又はZnである。特に好ましくは、Ru、Os、Zn又はCuであり、最も好ましくはRuであり、本発明ではRuである
(A2)配位子LL
配位子LLは、下記一般式(2)により表される2座又は3座の配位子であり、好ましくは2座配位子である。配位子LLの数を表すm1は0〜3の整数であり、1〜3であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。m1が2以上のとき、配位子LLは同じでも異なっていてもよい。ただし、m1と、後述の配位子LLの数を表すm2のうち少なくとも一方は1以上の整数である。したがって金属原子に、配位子LL及び配位子LLのどちらか一方又は両方が配位している。
Figure 0005689351
一般式(2)中のR101及びR102はそれぞれ独立に酸性基を表し、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20のヒドロキサム酸基、例えば、−CONHOH、−CONCHOH等)、ホスホリル基(例えば−OP(O)(OH)等)及びホスホニル基(例えば−P(O)(OH)等)が挙げられ、好ましくはカルボキシル基、ホスホニル基であり、より好ましくはカルボキシル基である。R101及びR102は2つのピリジン環上のどの炭素原子に置換してもよい。
一般式(2)中、R103、R104はそれぞれ独立に置換基を表し、好ましくはアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基で、好ましくは縮環してもよい5又は6員環で、環構成へテロ原子として酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子若しくはテルル原子のいずれかを含み、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基である。
配位子LLがアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。また配位子LLがアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。これらの置換基としては、R101及びR102で挙げた基、上記R103及びR104で挙げた基が挙げられる。
一般式(2)中、R105及びR106はそれぞれ独立に、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30のアリール基、例えば、フェニル、置換フェニル、ナフチル、置換ナフチル等)、又はヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30のヘテロ環基で、好ましくは縮環してもよい5又は6員環で、環構成へテロ原子として酸素原子、硫黄原子、窒素原子、セレン原子若しくはテルル原子のいずれかを含み、例えば、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、1−イミダゾリル、4−ピリジル、3−インドリルであり、好ましくは1〜3個の電子供与基を有するヘテロ環基であり、より好ましくはチエニル基である。該電子供与基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基(以上好ましい例はR101及びR102の場合と同様)又はヒドロキシル基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基又はヒドロキシル基がより好ましく、アルキル基が特に好ましい。)を表す。これらのアルキル基、アリール基、ヘテロ環基はさらに置換されていてもよく、このような置換基としては、R101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。
103とR104は同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。
105とR106は、LやLの共役鎖の置換可能な部分に結合するものであるが、共役鎖の末端の炭素原子に結合するのが好ましい。
ここでL及びLはそれぞれ独立に、エテニレン基及びエチニレン基のうちの一つ以上からなる共役鎖を表す。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。L及びLはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。LとLは同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はE体であってもZ体であってもよく、これらの混合物であってもよい。
d3は0又は1を表し、a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。a1が2以上のときR101は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR102は同じでも異なっていてもよい。a1は0又は1であるのが好ましく、a2は0〜2の整数であるのが好ましい。特に、d3が0のときa2は1又は2であるのが好ましく、d3が1のときa2は0又は1であるのが好ましい。a1とa2の和は0〜2の整数であるのが好ましい。
b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、0〜2の整数であるのが好ましい。b1が2以上のとき、R103は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。b2が2以上のとき、R104は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。またb1及びb2がともに1以上のとき、R103とR104が互いに連結して環を形成していてもよい。形成する環の好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、ピロール環、シクロヘキサン環、シクロペンタン環等が挙げられる。
a1とa2の和が1以上であって、配位子LLが酸性基を少なくとも1個有するときは、一般式(2)中のm1は2又は3であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。
一般式(2)における配位子LLは、下記一般式(4−1)、(4−2)又は(4−3)のいずれかで表されるものが好ましい。
Figure 0005689351
上記一般式(4−1)〜(4−3)中、R101〜R104、a1、a2、b1、b2及びd3は前記一般式(2)におけるものと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(4−2)中、R107は酸性基を表し、好ましくはカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基及びホスホニル基であり、より好ましくはカルボキシル基又はホスホリル基であり、特に好ましくはカルボキシル基である。
一般式(4−2)中、R108は置換基を表し、該置換基としては、R101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又はアシルアミノ基(これらの好ましい基及びその例示は、R103及びR104における対応する基と同じである)であり、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アミノ基又はアシルアミノ基である。
一般式(4−1)及び(4−2)中、R121〜R124はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。R121〜R124の各基の好ましい基及びその例示は、上記R103及びR104における対応する基と同じである。R121〜R124はより好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくはアルキル基である。R121〜R124におけるアルキル基、アルケニル基、アリール基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。特にR121〜R124が置換基を有するアルキル基である場合は、該置換基としてはアルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基又はカルボンアミド基が好ましく、アルコキシ基が特に好ましい。R121とR122ならびにR123とR124はそれぞれ互いに連結して環を形成していてもよい。形成する環としては5又は6員環の含窒素飽和環が好ましく、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、又はモルホリン環がより好ましい。
一般式(4−1)〜(4−3)中、R125、R126、R127及びR128はそれぞれ独立に置換基を表し、該置換基としては、R101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基(これらの好ましい基及びその例示は、R103及びR104における対応する基と同じである。)又はヒドロキシル基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基又はアシルアミノ基であり、特に好ましくはアルキル基、アルキニル基である。
一般式(4−2)中、a3は0〜3の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。d3が0のときa3は1又は2であるのが好ましく、d3が1のときa3は0又は1であるのが好ましい。a3が2以上のときR107は同じでも異なっていてもよい。
一般式(4−1)及び(4−2)中、d1及びd2はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。d1が1以上のときR125は、R121及びR122のどちらか一方又は両方と連結して環を形成していてもよい。形成される環はピペリジン環又はピロリジン環であるのが好ましい。d1が2以上のときR125は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。d2が1以上のときR126は、R123及びR124のどちらか一方又は両方と連結して環を形成していてもよい
形成される環はピペリジン環又はピロリジン環であるのが好ましい。d2が2以上のときR126は同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(4−1)〜(4−3)で表される配位子のうち、一般式(4−3)で表される配位子が好ましい。
ただし、本発明においては、配位子LLは、前記一般式(4−3)で表される化合物であって、R101およびR102はそれぞれ独立に、カルボキシ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基またはホスホニル基であり、R103およびR104はそれぞれ独立に置換基であり、R127およびR128はそれぞれ独立に、アルキニル基、アリール基または、環構成ヘテロ原子が、酸素原子、硫黄原子または窒素原子である5もしくは6員環のヘテロ環基である。さらに、a1およびa2は0であり、b1およびb2は0であり、d3は1である。
(A3)配位子LL
一般式(1)中、配位子LLは下記一般式(3)で表される2座又は3座の配位子を表す。配位子LLの数を表すm2は0〜2の整数であり、0又は1であるのが好ましい。m2が2のとき配位子LLは同じでも異なっていてもよい。ただし、m2と、前述の配位子LLの数を表すm1のうち少なくとも一方は1以上の整数である。
Figure 0005689351
一般式(3)中、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5員環又は6員環を形成しうる非金属原子群を表す。形成される5員環又は6員環は置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、R101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。
Za、Zb及びZcで形成される環は、環構成原子として炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はリン原子を有する5員環又は6員環であることが好ましい。Za、Zb又はZcで形成される環は芳香族環であることが好ましい。5員環の場合はイミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環又はトリアゾール環を形成するのが好ましく、6員環の場合はピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はピラジン環を形成するのが好ましい。なかでもイミダゾール環又はピリジン環がより好ましい。これらの環は、置換基を有するものが好ましく、酸性基を有するものがより好ましい。
一般式(3)中、cは0又は1を表す。cは0であるのが好ましく、また配位子LLは2座配位子であるのが好ましい。
配位子LLは、下記一般式(5−1)〜(5−8)のいずれかにより表されるのが好ましく、一般式(5−1)、(5−2)、(5−4)又は(5−6)により表されるのがより好ましく、一般式(5−1)又は(5−2)により表されるのが特に好ましく、一般式(5−1)により表されるのが最も好ましい。
Figure 0005689351
一般式(5−1)〜(5−8)中、R151〜R158はそれぞれ独立に酸性基を表す。R151〜R158は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20のヒドロキサム酸基、例えば−CONHOH、−CONCHOH等)、ホスホリル基(例えば−OP(O)(OH)等)又はホスホニル基(例えば−P(O)(OH)等)を表す。R151〜R158は、好ましくはカルボキシル基、ホスホリル基又はホスホニル基等、さらに好ましくはカルボキシル基又はホスホニル基であり、より好ましくはカルボキシル基である。
一般式(5−1)〜(5−8)中、R159〜R166はそれぞれ独立に置換基を表し、該置換基としては、R101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子(これらの好ましい基及びその例示は、R103及びR104における対応する基と同じである。)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基又はアシルアミノ基である。
一般式(5−1)〜(5−8)中、R167〜R171はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基、芳香族基、炭素原子で結合するヘテロ環基を表し。好ましくは、脂肪族基、芳香族基であり。より好ましくはカルボキシル基を有する脂肪族基である。特に、配位子LLがアルキル基、アルケニル基等を含むとき、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。また、配位子LLがアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。これらの置換基としては、R101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。
一般式(5−1)〜(5−8)中、R151〜R166は構造式中に存在する複数の環のいずれの環に置換していてもよいことを意味するものである。またe1〜e6はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、好ましくは1〜2の整数を表す。e7及びe8はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、好ましくは1〜3の整数を表す。e9〜e12及びe15はそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、e13、e14及びe16はそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。e9〜e16はそれぞれ独立に0〜3の整数であるのが好ましい。
e1〜e8が2以上のとき、R151〜R158はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、e9〜e16が2以上のとき、R159〜R166はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに連結して環を形成していてもよい。
なお、本発明においては、配位子LL は、前記一般式(3)で表される化合物であり、Za、ZbおよびZcはそれぞれ独立に、ピリジン環を形成しうる非金属原子群を表し、cは0である。
(A4)配位子X
一般式(1)中、配位子Xは1座又は2座の配位子を表す。配位子Xの数を表すm3は0〜2の整数を表し、m3は好ましくは1又は2である。配位子Xが1座の配位子のとき、m3は2であるのが好ましく、配位子Xが2座配位子のとき、m3は1であるのが好ましい。m3が2のとき、配位子Xは同じでも異なっていてもよく、配位子X同士が連結していてもよい。
配位子Xは、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、サリチル酸、グリシルオキシ、N,N−ジメチルグリシルオキシ、オキザリレン(−OC(O)C(O)O−)等)、アシルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルチオ基、例えば、アセチルチオ、ベンゾイルチオ等)、チオアシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のチオアシルオキシ基、例えば、チオアセチルオキシ基(CHC(S)O−)等))、チオアシルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のチオアシルチオ基、例えば、チオアセチルチオ(CHC(S)S−)、チオベンゾイルチオ(PhC(S)S−)等))、アシルアミノオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノオキシ基、例えば、N−メチルベンゾイルアミノオキシ(PhC(O)N(CH)O−)、アセチルアミノオキシ(CHC(O)NHO−)等))、チオカルバメート基(好ましくは炭素原子数1〜20のチオカルバメート基、例えば、N,N−ジエチルチオカルバメート等)、ジチオカルバメート基(好ましくは炭素原子数1〜20のジチオカルバメート基、例えば、N−フェニルジチオカルバメート、N,N−ジメチルジチオカルバメート、N,N−ジエチルジチオカルバメート、N,N−ジベンジルジチオカルバメート等)、チオカルボネート基(好ましくは炭素原子数1〜20のチオカルボネート基、例えば、エチルチオカルボネート等)、ジチオカルボネート(好ましくは炭素原子数1〜20のジチオカルボネート、例えば、エチルジチオカルボネート(COC(S)S−)等)、トリチオカルボネート基(好ましくは炭素原子数1〜20のトリチオカルボネート基、例えば、エチルトリチオカルボネート(CSC(S)S−)等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、ベンゾイル等)、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、例えばメタンチオ、エチレンジチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20のアリールチオ基、例えば、ベンゼンチオ、1,2−フェニレンジチオ等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えばメトキシ等)及びアリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、例えばフェノキシ、キノリン−8−ヒドロキシル等)からなる群から選ばれた基で配位された1座又は2座の配位子、もしくはハロゲン原子(好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、カルボニル(…CO)、ジアルキルケトン(好ましくは炭素原子数3〜20のジアルキルケトン、例えばアセトン((CHCO…)等)、1,3−ジケトン(好ましくは炭素原子数3〜20の1,3−ジケトン、例えば、アセチルアセトン(CHC(O…)CH=C(O−)CH)、トリフルオロアセチルアセトン(CFC(O…)CH=C(O−)CH)、ジピバロイルメタン(tCC(O…)CH=C(O−)t−C)、ジベンゾイルメタン(PhC(O…)CH=C(O−)Ph)、3−クロロアセチルアセトン(CHC(O…)CCl=C(O−)CH)等)、カルボンアミド(好ましくは炭素原子数1〜20のカルボンアミド、例えば、CHN=C(CH)O−、−OC(=NH)−C(=NH)O−等)、チオカルボンアミド(好ましくは炭素原子数1〜20のチオカルボンアミド、例えば、CHN=C(CH)S−等)、又はチオ尿素(好ましくは炭素原子数1〜20のチオ尿素、例えば、NH(…)=C(S−)NH、CHN(…)=C(S−)NHCH、(CHN−C(S…)N(CH等)からなる配位子を表す。なお、「…」は金属原子Mzとの配位結合を示す。
配位子Xは、好ましくはアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、1,3−ジケトン又はチオ尿素からなる配位子であり、より好ましくはアシルオキシ基、アシルアミノオキシ基、ジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基又はアリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、1,3−ジケトン又はチオ尿素からなる配位子であり、特に好ましくはジチオカルバメート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基及びイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子又は1,3−ジケトンからなる配位子であり、最も好ましくは、ジチオカルバメート基、チオシアネート基及びイソチオシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトンからなる配位子である。なお配位子Xがアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレン基等を含む場合、それらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。またアリール基、ヘテロ環基、シクロアルキル基等を含む場合、それらは置換されていても無置換でもよく、単環でも縮環していてもよい。これらの置換基としては、R101及びR102で挙げた基やR103及びR104で挙げた基が挙げられる。
配位子Xが2座配位子のとき、配位子Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいは1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド、又はチオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。
配位子Xが1座配位子のとき、配位子Xはチオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基からなる群から選ばれた基で配位する配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、チオ尿素からなる配位子であるのが好ましい。
ただし、本発明では、Xは、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する1座の配位子である。
(A5)対イオンCI
一般式(2)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子及び置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、一般式(2)で表される色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、一般式(2)で表される色素全体の電荷は対イオンCIにより電気的に中性とされる。
対イオンCIが正の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機又は有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオン又はプロトンである。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
(A6)結合基
一般式(1)で表される色素は、半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)を少なくとも1つ以上有するのが好ましい。この結合基を色素中に1〜6個有するのがより好ましく、1〜4個有するのが特に好ましい。カルボキシ基、スルホン酸基、ヒドロキシ基、ヒドロキサム酸基(例えば−CONHOH等)、ホスホリル基(例えば−OP(O)(OH)等)、ホスホニル基(例えば−P(O)(OH)等)等の酸性基(解離性のプロトンを有する置換基)を色素中に有することが好ましく、本発明では、カルボキシ基を色素中に有する
一般式(1)で表される色素は、溶液中における極大吸収波長が、500〜700nmの範囲であり、より好ましくは500〜650nmの範囲である。
本発明の一般式(1)で表される色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記具体例における色素がプロトン解離性基を有する配位子を含む場合、該配位子は必要に応じて解離しプロトンを放出してもよい。
なお、例示色素A−1〜A−3は参考例である。
Figure 0005689351
ここで、Buはn−ブチル基を表す。
一般式(1)で表される色素は、特開2001−291534号公報等に記載の方法又はこれに準じた方法で容易に合成又は調製することができる。
(B)正孔輸送層
以下に正孔輸送層を説明する。正孔輸送層3には正孔輸送化合物を含む。
(B1)正孔輸送化合物
本発明では、固体の正孔輸送層を使用する。ここで、固体の正孔輸送層とは、太陽電池を使用する温度と圧力条件下に於いて固体状態で正孔を伝達できる物質であることを意味する。
正孔輸送化合物は、固体の正孔輸送層を形成できるものであれば、いずれの正孔輸送化合物でも構わないが、トリフェニルアミン構造を有する化合物、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、エテニレン基及びエチニレン基から選択される基が2個以上共役結合した共役化合物、縮合多環芳香族化合物又はフタロシアニン化合物が好ましい。正孔輸送化合物はモノマー、オリゴマー、プレポリマー又はポリマーのいずれであっても構わない。
正孔輸送化合物として好ましい化合物は、トリフェニルアミン構造を有する化合物、又は、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、エテニレン基及びエチニレン基から選択される基が2個以上共役結合した共役化合物であり、トリフェニルアミン構造を有する化合物は、スピロ環構造を有するものが好ましく、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、エテニレン基及びエチニレン基から選択される基が2個以上共役結合した共役化合物としては、チオフェン環構造を有するものが好ましく、本発明では、アリーレン基、チオフェン環構造を有する2価の芳香族へテロ環基から選択される基が2個以上共役結合した共役化合物、トリフェニルアミン構造を有するスピロ環化合物、または縮合多環芳香族化合物である
以下に本発明の好ましい正孔輸送化合物を例示するが、これによって本発明が限定されるものではない。
ここで、例示化合物のU−17およびU−18は参考例である。
Figure 0005689351
Figure 0005689351
Figure 0005689351
Figure 0005689351
Figure 0005689351
Figure 0005689351
Figure 0005689351
Figure 0005689351
これらの正孔輸送化合物は特開2000−106223号公報、Adv. Mater.,22,1(2010)及び特許第4121148号公報に記載の方法もしくはこれに準じた方法で容易に合成することができる。
以下に代表的な化合物の合成例を示す。
(合成例1)チオフェン化合物(T−31;3,4−エチレンジオキシチオフェンダイマー)の合成
撹拌装置、温度計、還流冷却管を装着した1000mlのガラス製三口フラスコに、無水テトラヒドロフラン750ml、3,4−エチレンジオキシチオフェン25g(0.15mol)をそれぞれ添加し、窒素気流下で撹拌しながらアセトン/ドライアイス浴で内温が−70℃となるまで冷却する。この後1.6mol/l n−ブチルリチウムヘキサン溶液113ml(0.18mol)をシリンジで5分間かけて反応系に滴下した。25分後、無水塩化銅23.5g(0.17mol)を添加してそのまま3時間程度撹拌を継続して反応を行った。反応液を水10Lに添加し、生成物を濾過した後、乾燥し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;塩化メチレン)により精製し、黄白色結晶の3,4−エチレンジオキシチオフェンダイマーを17.9g(収率約72%)を得た。
(合成例2)化合物U−10の合成
Y.Liang,Adv. Mater.,22,1(2010)に記載の方法などを参考にして合成した。
(合成例3)化合物U−16の合成
特許第4121148号公報に記載の方法などを参考にして合成した。
(B2)正孔輸送層
正孔輸送層3には、上記の正孔輸送化合物に加えて、必要に応じて、例えば、N(PhBr)SbCl、Li[(CFSON]等の各種添加剤を含有してもよく、これにより正孔輸送層3は、より効率よく正孔を伝達(輸送)することができる。
正孔輸送層には上記の正孔輸送化合物とともに、必要に応じて、有機バインダー等の添加物を添加してもよい。この有機バインダー(高分子バインダー)としては、正孔の輸送を極度に阻害しないものを用いるのが好ましく、例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等を用いることができる。
正孔輸送層3を設ける際、正孔輸送材料を溶媒で溶解して設けることが好ましく、溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、アセトン、各種アルコールのような極性溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのような非プロトン性溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
正孔輸送層は、正孔輸送化合物を含む正孔輸送材料(電荷移動体)を、色素を含む多孔質半導体層で構成された感光体層2上に塗布法、真空蒸着法、電解重合法、キャスト法、浸漬法等で導入することができる。このうち塗布法、真空蒸着法、電解重合法が好ましく、塗布法がより好ましい。
塗布法としては、例えば、ディッピング、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター等が挙げられる。このような塗布法では、正孔輸送層3の塗設が容易であり、また色素を含む多孔質半導体層の孔内に、正孔輸送材料をより確実に浸透するようにして形成することができる。また、必要に応じて、かかる塗膜には、例えば、減圧下、不活性雰囲気下等で、熱処理を施すようにしてもよい。これにより、塗膜中の溶媒(液体)を除去することができ、より迅速に正孔輸送層3を形成することができ、光電変換素子、太陽電池等の光電気化学電池の製造時間の短縮に有利である。
この熱処理の加熱温度としては、好ましくは、50〜150℃が好ましい。また、このような塗布、熱処理(乾燥)の操作を、繰り返し行って積層するようにしてもよい。
なお、正孔輸送化合物として、比較的低分子のものを用いる場合は、正孔輸送層は、例えば、蒸着法等を用いることにより成形することもできる。この蒸着法によれば、正孔輸送層3を、より精度よく均質な膜として、形成することができるという利点がある。また、以上のような操作は、複数回繰り返して行うようにしてもよい。
より具体的には、80℃程度に加熱したホットプレート上に、基板、第1の電極、および色素を含む多孔質半導体層で構成された感光体層2の積層体を設置し、正孔輸送材料を、色素を含む多孔質半導体層で構成された感光体層2の上面に滴下して、乾燥する。この操作を複数回行って、前述したような平均厚さの正孔輸送層3を形成する。この場合、正孔輸送材料に用いる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、アセトニトリル、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の有機溶剤、あるいは、各種水等の1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)導電性支持体
図1に示すように、本発明の光電変換素子には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に色素(増感色素)21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
導電性支持体1としては、金属のように支持体そのものに導電性があるものか、又は表面に導電膜層を有するガラスや高分子材料を使用することができる。導電性支持体1は実質的に透明であることが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上が特に好ましい。導電性支持体1としては、ガラスや高分子材料に導電性の金属酸化物を塗設したものを使用することができる。このときの導電性の金属酸化物の塗布量は、ガラスや高分子材料の支持体1m2当たり、0.1〜100gが好ましい。透明導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。好ましく使用される高分子材料の一例として、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。導電性支持体1上には、表面に光マネージメント機能を施してもよく、例えば、特開2003−123859号公報に記載の高屈折膜及び低屈性率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜、特開2002−260746号公報に記載のライトガイド機能が挙げられる。
この他にも、金属支持体も好ましく使用することができる。その一例としては、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、銅を挙げることができる。これらの金属は合金であってもよい。さらに好ましくは、チタン、アルミニウム、銅が好ましく、特に好ましくは、チタンやアルミニウムである。
導電性支持体1上には、紫外光を遮断する機能を持たせることが好ましい。例えば、紫外光を可視光に変えることが出来る蛍光材料を透明支持体中又は、透明支持体表面に存在させる方法や紫外線吸収剤を用いる方法も挙げられる。
導電性支持体1上には、さらに特開平11−250944号公報等に記載の機能を付与してもよい。
好ましい導電膜としては金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等)、炭素、もしくは導電性の金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの等)が挙げられる。
導電膜の厚さは0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることが更に好ましく、特に好ましくは0.05〜20μmである。
導電性支持体1は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/cm2以下であり、さらに好ましくは10Ω/cm2以下である。この下限に特に制限はないが、通常0.1Ω/cm2程度である。
導電膜の抵抗値はセル面積が大きくなると大きくなる為、集電電極を配置してもよい。導電性支持体1と透明導電膜の間にガスバリア膜及びイオン拡散防止膜のどちらか一方又は両方を配置しても良い。ガスバリア層としては、樹脂膜や無機膜を使用することができる。
また、透明電極と多孔質半導体電極光触媒含有層を設けてもよい。透明導電膜は積層構造でも良く、好ましい方法としてたとえば、ITO上にFTOを積層することができる。
(D)半導体微粒子
図1に示すように、本発明の光電変換素子10には、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に色素(増感色素)21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子22の分散液を前記導電性支持体1に塗布・乾燥後、上述の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
半導体微粒子22としては、好ましくは金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)又はペロブスカイトの微粒子が用いられる。金属のカルコゲニドとしては、好ましくはチタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、もしくはタンタルの酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。ペロブスカイトとしては、好ましくはチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が挙げられる。これらのうち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステンが特に好ましい。
半導体には伝導に関わるキャリアーが電子であるn型とキャリアーが正孔であるp型が存在するが、本発明の素子ではn型を用いることが変換効率の点で好ましい。n型半導体には、不純物準位をもたず伝導帯電子と価電子帯正孔によるキャリアーの濃度が等しい固有半導体(例えば真性半導体)の他に、不純物に由来する構造欠陥により電子キャリアー濃度の高いn型半導体が存在する。本発明で好ましく用いられるn型の無機半導体は、TiO、TiSrO、ZnO、Nb、SnO、WO、Si、CdS、CdSe、V、ZnS、ZnSe、SnSe、KTaO、FeS、PbS、InP、GaAs、CuInS、CuInSeなどである。これらのうち最も好ましいn型半導体はTiO、ZnO、SnO、WO、ならびにNbである。また、これらの半導体の複数を複合させた半導体材料も好ましく用いられる。
半導体微粒子22の粒径は、半導体微粒子分散液の粘度を高く保つ目的で、一次粒子の平均粒径が2nm以上50nm以下であることが好ましく、また一次粒子の平均粒径が2nm以上30nm以下の超微粒子であることがより好ましい。粒径分布の異なる2種類以上の微粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子の平均サイズは5nm以下であるのが好ましい。また、入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、上記の超微粒子に対して平均粒径が50nmを越える大きな粒子を、低含率で添加、又は別層塗布することもできる。この場合、大粒子の含率は、平均粒径が50nm以下の粒子の質量の50%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。上記の目的で添加混合する大粒子の平均粒径は、100nm以上が好ましく、250nm以上がより好ましい。上記のように平均粒径を制御することでヘイズ率を60%以上とすることができる。
本発明ではヘイズ率60%以上の半導体膜に本発明の一般式(1)で表される色素を用いることで、驚くべきことに変換効率と耐久性が向上することがわかった。
感光体層2は、多孔質光電変換層が2層以上の多層構造からなる場合が好ましい。感光体層2の多孔質半導体層を形成する半導体微粒子22は、各層で異なる平均粒径を有していることが好ましい。さらに多層構造の感光体層2の多孔質半導体層が、平均粒径の小さい半導体微粒子22によって形成された層から平均粒径の大きい半導体微粒子22によって形成された層の順で受光面側から配置されていることが好ましい。
多層構造の感光体層は以下(a)〜(d)の工程を含む方法で作成することが好ましい。
(a)平均粒径が5〜50nmの半導体微粒子を含む分散液A(コロイド液の場合も含む)を作成する工程
(b)平均粒径が100nm〜500nmの半導体微粒子を含む分散液B(コロイド液の場合も含む)を作成する工程
(c)前記分散液Aにより第1層目の感光体層を形成する工程、
(d)及び前記分散液Bにより第2層目の感光体層を形成する工程
(b)の工程では、作成される分散液Bは平均粒径が100nm〜500nmの半導体微粒子の他、平均粒径が5〜50nmの半導体微粒子を5%〜90%含んでも良い。分散液B中の平均粒径が5〜50nmの半導体微粒子の好ましい含有量は半導体微粒子全含有量のうちの5%〜50%である。
半導体微粒子の大きさは、散乱の大きさに影響し、粒子サイズが大きいと光の回折角が大きく、多孔質光電変換層を透過する光の量が減少し、利用される光が多くなる。これまで使用されてきた色素に比べ、前記一般式(1)で表される色素は散乱されやすい長波長側で吸光係数が大きいことから散乱された光の利用効率が高くなったと考えられる。
すなわち、本発明においては、前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該多層構造のうち受光面側に最も近い多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の平均粒径(好ましい変動係数は10以下)が、これ以外の多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の平均粒径(好ましい変動係数は100)よりも小さいこと好ましく、該多層構造のうち受光面側に最も近い多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の粒度分布の変動係数が10以下であるが好ましい。
本発明において、半導体微粒子の平均粒径は、島津製作所株式会社製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−3100を用いて測定された値をいう。また、粒度分布の変動係数は、得られた平均値と標準偏差のデータを用いて以下の式より求めた。
変動係数=(標準偏差)÷(平均値)
光散乱用の平均粒径の大きな粒子を用いることで、ヘイズ率60%以上となることが好ましい。ヘイズ率とは(拡散透過率)÷(全光透過率)で表される。なお、ヘイズ率を制御するには、半導体微粒子の分散時間を変化させる方法や、多孔質半導体層と同一もしくは異種材料で大きな粒径を持つ粒子を混在させる方法などが挙げられる。
また、前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該多層構造のうちの複数の多孔質半導体層が、吸収スペクトルにおける最大感度波長領域を短波長側に有する層から吸収スペクトルにおける最大感度波長領域を長波長側に有する層の順に、受光面側から配置されていることが好ましい。
半導体微粒子22の作製法としては、作花済夫の「ゾル・ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)等に記載のゲル・ゾル法が好ましい。またDegussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。半導体微粒子22が酸化チタンの場合、上記ゾル・ゲル法、ゲル・ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学の「酸化チタン 物性と応用技術」技報堂出版(1997年)に記載の硫酸法及び塩素法を用いることもできる。さらにゾル・ゲル法として、バルべ等のジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、バーンサイドらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
この他に、半導体微粒子の製造方法として、例えば、チタニアナノ粒子の製造方法として好ましくは、四塩化チタンの火炎加水分解による方法、四塩化チタンの燃焼法、安定なカルコゲナイド錯体の加水分解、オルトチタン酸の加水分解、可溶部と不溶部から半導体微粒子を形成後に可溶部を溶解除去する方法、過酸化物水溶液の水熱合成、又はゾル・ゲル法によるコア/シェル構造の酸化チタン微粒子の製造方法が挙げられる。
チタニアの結晶構造としては、アナターゼ型、ブルッカイト型、又は、ルチル型が挙げられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。
チタニアナノチューブ・ナノワイヤー・ナノロッドをチタニア微粒子に混合してもよい。
チタニアは、非金属元素などによりドーピングされていても良い。チタニアへの添加剤としてドーパント以外に、ネッキングを改善する為のバインダーや逆電子移動防止の為に表面へ添加剤を用いても良い。好ましい添加剤の例としては、ITO、SnO粒子、ウイスカー、繊維状グラファイト・カーボンナノチューブ、酸化亜鉛ネッキング結合子、セルロース等の繊維状物質、金属、有機シリコン、ドデシルベンゼンスルホン酸、シラン化合物等の電荷移動結合分子、及び電位傾斜型デンドリマーなどが挙げられる。
チタニア上の表面欠陥を除去するなどの目的で、色素吸着前にチタニアを酸塩基又は酸化還元処理しても良い。エッチング、酸化処理、過酸化水素処理、脱水素処理、UV−オゾン、酸素プラズマなどで処理してもよい。
(E)半導体微粒子分散液
本発明においては、半導体微粒子以外の固形分の含量が、半導体微粒子分散液全体の10質量%以下よりなる半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層を得ることができる。
半導体微粒子分散液を作製する方法としては、前述のゾル・ゲル法の他に、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法、微粒子に超音波などを照射して超微粒子に粉砕する方法、又はミルや乳鉢などを使って機械的に粉砕しすり潰す方法、等が挙げられる。分散溶媒としては、水及び各種の有機溶媒のうちの一つ以上を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,シトロネロール,ターピネオールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
分散の際、必要に応じて例えばポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、又はキレート剤等を分散助剤として少量用いてもよい。しかし、これらの分散助剤は、導電性支持体上へ製膜する工程の前に、ろ過法や分離膜を用いる方法、あるいは遠心分離法などによって大部分を除去しておくことが好ましい。半導体微粒子分散液は、半導体微粒子以外の固形分の含量が分散液全体の10質量%以下とすることができる。この濃度は好ましくは5%以下であり、さらに好ましくは3%以下であり、特に好ましくは1%以下である。さらに好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.2%である。すなわち、半導体微粒子分散液中に、溶媒と半導体微粒子以外の固形分を半導体微分散液全体の10質量%以下とすることができる。実質的に半導体微粒子と分散溶媒のみからなることが好ましい。
半導体微粒子分散液の粘度が高すぎると分散液が凝集してしまい製膜することができず、逆に半導体微粒子分散液の粘度が低すぎると液が流れてしまい製膜することができないことがある。したがって分散液の粘度は、25℃で10〜300N・s/mが好ましい。さらに好ましくは、25℃で50〜200N・s/mである。
半導体微粒子分散液の塗布方法としては、アプリケーション系の方法としてローラ法、ディップ法等を使用することができる。またメータリング系の方法としてエアーナイフ法、ブレード法等を使用することができる。またアプリケーション系の方法とメータリング系の方法を同一部分にできるものとして、特公昭58−4589号公報に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294号明細書等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機を使用してスピン法やスプレー法で塗布するのも好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセット及びグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。また本発明の半導体微粒子分散液は粘度が高く、粘稠性を有するため、凝集力が強いことがあり、塗布時に支持体とうまく馴染まない場合がある。このような場合に、UVオゾン処理で表面のクリーニングと親水化を行うことにより、塗布した半導体微粒子分散液と導電性支持体1表面の結着力が増し、半導体微粒子分散液の塗布が行い易くなる。
半導体微粒子層全体の好ましい厚さは0.1μm〜100μmである。半導体微粒子層の厚さはさらに1μm〜30μmが好ましく、2μm〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m当りの担持量は0.5g〜400gが好ましく、5g〜100gがより好ましい。
塗布した半導体微粒子の層に対し、半導体微粒子同士の電子的接触の強化と、支持体との密着性の向上のため、また塗布した半導体微粒子分散液を乾燥させるために、加熱処理が施される。この加熱処理により多孔質半導体微粒子層を形成することができる。
また、加熱処理に加えて光のエネルギーを用いることもできる。例えば、半導体微粒子22として酸化チタンを用いた場合に、紫外光のような半導体微粒子22が吸収する光を与えることで表面を活性化してもよいし、レーザー光などで半導体微粒子22表面のみを活性化することができる。半導体微粒子22に対して該微粒子が吸収する光を照射することで、粒子表面に吸着した不純物が粒子表面の活性化によって分解され、上記の目的のために好ましい状態とすることができる。加熱処理と紫外光を組み合わせる場合は、半導体微粒子22に対して該微粒子が吸収する光を照射しながら、加熱が100℃以上250℃以下あるいは好ましくは100℃以上150℃以下で行われることが好ましい。このように、半導体微粒子22を光励起することによって、微粒子層内に混入した不純物を光分解により洗浄するとともに、微粒子の間の物理的接合を強めることができる。
また、半導体微粒子分散液を前記導電性支持体1に塗布し、加熱や光を照射する以外に他の処理を行ってもよい。好ましい方法として例えば、通電、化学的処理などが挙げられる。
塗布後に圧力をかけても良く、圧力をかける方法としては、特表2003−500857号公報等が挙げられる。光照射の例としては、特開2001−357896号公報等が挙げられる。プラズマ・マイクロ波・通電の例としては、特開2002−353453号公報等が挙げられる。化学的処理としては、例えば特開2001−357896号公報が挙げられる。
上述の半導体微粒子22を導電性支持体1上に塗設する方法は、上述の半導体微粒子分散液を導電性支持体1上に塗布する方法のほか、特許第2664194号公報に記載の半導体微粒子22の前駆体を導電性支持体1上に塗布し空気中の水分によって加水分解して半導体微粒子膜を得る方法などの方法を使用することができる。
前駆体として例えば、(NHTiF、過酸化チタン、金属アルコキシド・金属錯体・金属有機酸塩等が挙げられる。
また、金属有機酸化物(アルコキシドなど)を共存させたスラリーを塗布し加熱処理、光処理などで半導体膜を形成する方法、無機系前駆体を共存させたスラリー、スラリーのpHと分散させたチタニア粒子の性状を特定した方法が挙げられる。これらスラリーには、少量であればバインダーを添加しても良く、バインダーとしては、セルロース、フッ素ポリマー、架橋ゴム、ポリブチルチタネート、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
半導体微粒子22又はその前駆体層の形成に関する技術としては、コロナ放電、プラズマ、UVなどの物理的な方法で親水化する方法、アルカリやポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸などによる化学処理、ポリアニリンなどの接合用中間膜の形成などが挙げられる。
半導体微粒子22を導電性支持体1上に塗設する方法として、上述の(1)湿式法とともに、(2)乾式法、(3)その他の方法を併用しても良い。(2)乾式法として好ましくは、特開2000−231943号公報等が挙げられる。(3)その他の方法として、好ましくは、特開2002−134435号公報等が挙げられる。
乾式法としては、蒸着やスパッタリング、エアロゾルデポジション法などが挙げられる。また、電気泳動法・電析法を用いても良い。
また、耐熱基板上でいったん塗膜を作製した後、プラスチック等のフィルムに転写する方法を用いても良い。好ましくは、特開2002−184475号公報に記載のEVAを介して転写する方法、特開2003−98977号公報に記載の紫外線、水系溶媒で除去可能な無機塩を含む犠牲基板上に半導体層・導電層を形成後、有機基板に転写後、犠牲基板を除去する方法などが挙げられる。
半導体微粒子22は多くの増感色素21を吸着することができるように表面積の大きいものが好ましい。例えば半導体微粒子22を導電性支持体1上に塗設した状態で、その表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。好ましい半導体微粒子22の構造としては、特開2001−93591号公報等が挙げられる。
一般に、半導体微粒子層の厚みが大きいほど単位面積当たりに担持できる増感色素21の量が増えるため光の吸収効率が高くなるが、発生した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。半導体微粒子層の好ましい厚みは素子の用途によって異なるが、典型的には0.1μm〜100μmである。光電気化学電池として用いる場合は1μm〜50μmであることが好ましく、3μm〜30μmであることがより好ましい。半導体微粒子は、支持体に塗布した後に粒子同士を密着させるために、100℃〜800℃の温度で10分〜10時間加熱してもよい。支持体としてガラスを用いる場合、製膜温度は400℃〜600℃が好ましい。
支持体として高分子材料を用いる場合、250℃以下で製膜後に加熱することが好ましい。その場合の製膜方法としては、(1)湿式法、(2)乾式法、(3)電気泳動法(電析法を含む)の何れでも良く、好ましくは、(1)湿式法、又は(2)乾式であり、更に好ましくは、(1)湿式法である。
なお、半導体微粒子22の支持体1m当たりの塗布量は0.5g〜500g、さらには5g〜100gが好ましい。
半導体微粒子22に増感色素21を吸着させるには、溶液と本発明にかかる色素よりなる色素吸着用色素溶液の中に、よく乾燥した半導体微粒子22を長時間浸漬するのが好ましい。色素吸着用色素溶液に使用される溶液は、本発明にかかる増感色素21が溶解できる溶液なら特に制限なく使用することができる。例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、トルエン、t-ブタノール、アセトニトリル、アセトン、n−ブタノールなどを使用することができる。その中でも、エタノール、トルエンを好ましく使用することができる。
溶液と本発明の色素よりなる色素吸着用色素溶液は必要に応じて50℃ないし100℃に加熱してもよい。増感色素21の吸着は半導体微粒子22の塗布前に行っても塗布後に行ってもよい。また、半導体微粒子22と増感色素21を同時に塗布して吸着させてもよい。未吸着の増感色素21は洗浄によって除去する。塗布膜の焼成を行う場合は増感色素21の吸着は焼成後に行うことが好ましい。焼成後、塗布膜表面に水が吸着する前にすばやく増感色素21を吸着させるのが特に好ましい。吸着する増感色素21は上記一般式(1)で表される色素を1種類でもよいし、さらにほかの色素を混合してもよい。光電変換の波長域をできるだけ広くするように、混合する色素が選ばれる。色素を混合する場合は、すべての色素が溶解するようにして、色素吸着用色素溶液とすることが好ましい。
増感色素21の使用量は、全体で、支持体1m当たり0.01ミリモル〜100ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1ミリモル〜50ミリモル、特に好ましくは0.1ミリモル〜10ミリモルである。この場合、本発明にかかる増感色素21の使用量は5モル%以上とすることが好ましい。
また、増感色素21の半導体微粒子22に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001ミリモル〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。
このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
また、会合など色素同士の相互作用を低減する目的で無色の化合物を共吸着させてもよい。共吸着させる疎水性化合物としてはカルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばコール酸、ピバロイル酸)等が挙げられる。
増感色素21を吸着した後に、アミン類を用いて半導体微粒子22の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては4−tert−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。これらは液体の場合はそのまま用いてもよいし有機溶媒に溶解して用いてもよい。
対極4は、光電気化学電池の正極として働くものである。対極4は、通常前述の導電性支持体1と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では対極の支持体は必ずしも必要でない。ただし、支持体を有する方が密閉性の点で有利である。対極4の材料としては、白金、カーボン、導電性ポリマー、などが挙げられる。好ましい例としては、白金、カーボン、導電性ポリマーが挙げられる。
対極4の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。好ましい例としては、特開平10−505192号公報などが挙げられる。
受光電極5は酸化チタンと酸化スズ(TiO/SnO)などの複合電極を用いても良く、チタニアの混合電極として例えば、特開2000−113913号公報等が挙げられる。チタニア以外の混合電極として例えば、特開2001−185243号公報、特開2003−282164号公報等が挙げられる。
また、光電変換素子の構成としては、第1電極層、第1光電変換層、導電層(正孔輸送層)、第2光電変換層、第2電極層を順次積層した構造を有していても良い。この場合、第1光電変換層と第2光電変換層に用いる色素は同一又は異なっていてもよく、異なっている場合には、吸収スペクトルが異なっていることが好ましいい。
受光電極5は、入射光の利用率を高めるなどのためにタンデム型にしても良い。好ましいタンデム型の構成例としては、特開2000−90989号公報、特開2002−90989号公報等に記載の例が挙げられる。
受光電極5の層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
導電性支持体1と多孔質半導体微粒子層の間には、電解液と電極が直接接触することによる逆電流を防止する為、短絡防止層を形成することが好ましい。好ましい例としては、特開平06−507999号公報等が挙げられる。
受光電極5と対極4の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。好ましい例としては、特開2001−283941号公報が挙げられる。
セル、モジュールの封止法としては、ポリイソブチレン系熱硬化樹脂、ノボラック樹脂、光硬化性(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ガラスフリット、アルミナにアルミニウムアルコキシドを用いる方法、低融点ガラスペーストをレーザー溶融する方法などが好ましい。ガラスフリットを用いる場合、粉末ガラスをバインダーとなるアクリル樹脂に混合したものでもよい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(色素の調製)
前記具体例に示した一般式(1)の色素A−1〜A−5を、特開2001−291534号公報に記載の方法により調製した。
(色素の極大吸収波長の測定)
色素A−1〜A−5の極大吸収波長を測定した。その結果を表1に示す。測定は、分光光度計(U−4100(商品名)、日立ハイテク社製)によって行い、溶液はTHF:エタノール=1:1を用い、濃度が2μMになるように調整した。
Figure 0005689351
1.二酸化チタン分散液の調製
内側をテフロン(登録商標)コーティングした内容積200mlのステンレス製ベッセルに二酸化チタン(日本アエロジル社 Degussa P−25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社製、Triton X−100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmにて2時間分散した。分散物からジルコニアビーズをろ過して除いた。
2.色素を吸着したTiO電極基板1(感光層)の作製
フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性ガラス(日本板硝子製TCO;表面抵抗10Ω/□,30cm×30cm×1.1mm)を20mm×20mmの大きさに切断加工したもの)の導電面側にガラス棒を用いて上記の分散液を塗布した。この際導電面側の一部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着テープが両端に来るようにガラスを並べて一度に8枚づつ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風乾した。次に、このガラスを電気炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃にて30分間焼成し、電極基板1を作成した。電極基板1を取り出し6分間冷却した後、表2に示す本発明の色素または参考例の色素のエタノール溶液(3×10−4モル/リットル)に室温で12時間浸漬した。色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。
3.正孔輸送層を含有する光電変換素子の作製
以下の3種類の方法のいずれかの方法を用いて、下記表2に記載の正孔輸送化合物から正孔輸送層、対向電極を形成し、光電変換素子を作製した。
(塗布法)
下記表2に記載の正孔輸送化合物溶液(濃度5質量%)を調整し、色素を吸着したTiO電極(感光層)上にスピンコートした(1000rpm、30sec)。この後、金もしくは白金を蒸著し、対向電極層を形成し、光電変換素子を得た。
(蒸着法)
色素を吸着したTiO電極(感光層)(2cm×2cm)を真窒蒸着装置〔日本真空技術(株)製〕の基板ホルダーに固定し、モリブデン製の抵抗加熱ボートに下記表2に記載の正孔輸送化合物600mgを入れた。真空チャンバー内を1×10−4Paまで減圧したのち、該正孔輸送化合物入りのボートを加熱して0.1〜0.3nm/秒の速度で堆積させ、膜厚100nmの正孔輸送層を製膜した。この後、金もしくは白金を蒸着し、対向電極層を形成し、光電変換素子を得た。
(電解重合法)
色素を吸着したTiO電極(感光層)(2cm×2cm)、白金線対向電極およびAg/AgCl参照電極を下記表2に記載の正孔輸送化合物を50mM、過塩素酸リチウム0.1Mのプロピレンカーボネート溶液20mlの入った電気化学セルに浸積した。感光層、対向電極、参照電極をPOTENTIOSTAT/GALVANOSATAT HA−505(HOKUTO DENKO Ltd.製)に接続し、重合量が75mC/cmとなるまでガルバノスタチックに電解重合(電流密度を1mA/cm)を行った。この後、金もしくは白金を蒸着し、対向電極層を形成し、光電変換素子を得た。
図1に示したとおり、導電性支持体1(ガラス上に導電層が設層されたもの)、感光層2、正孔輸送層3、対向電極層4が順に積層された光電変換素子が作製された。
Figure 0005689351
5.光電変換効率の測定
500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光をAM1.5フィルター(Orie1社製)およびシャープカットフィルター(Kenko L−42)を通す事により紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は86mW/cmであった。本発明の光電変換素子の導電性ガラスと対向電極層にそれぞれ、導線を接続し、模擬太陽光を照射し、発生した電流を電流電圧測定装置(ケースレーSMU 238型)にて測定した。これにより求められた開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、形状因子(ff)、および変換効率(PCE)と、85℃かつ相対湿度100%雰囲気の中に120時間放置後の短絡電流密度(Wetサーモ後Jsc)および短絡電流密度の低下率を一括して下記表3に記載した。
比較用光電変換素子A
前述の本発明の色素を比較色素1に変更した以外は同様にして作製した、色増感されたTiO電極基板(感光層;2cm×2cm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ねあわせた(図1参照)。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電解液(アセトニトリルと3−メチル−2−オキサゾリジノンの体積比90対10の混合物を溶媒とした沃素0.05モル/リットル、ヨウ化リチウム0.5モル/リットルの溶液)を染み込ませて比較用光電変換素子Aを作製した。なお、比較色素1は以下の構造の色素である。
Figure 0005689351
比較用光電変換素子B
上記比較色素1を用いた以外は前述と同様にして作製した、色増感されたTiO電極基板(感光層;2cm×2cm)上に、ヘキサエチレングリコールメタクリル酸エステル(日本油脂化学社製ブレンマーPE350)1gと、エチレングリコール1gと、重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(日本チバガイギー社製グロキュア1173)20mgを含有した混合溶液に、ヨウ化リチウム500mgを溶解し10分間真空脱気して、塗布した。次に、前記の混合溶液を塗布した多孔性物質を減圧下に置くことで、多孔性物質中の気泡を除きモノマーの浸透を促した後、紫外光照射により重合して高分子化合物の均一なゲルを多孔性物質の細孔内に存在させた。このようにして得られた物質をヨウ素雰囲気下に、30分間曝して高分子化合物中にヨウ素を拡散させた後、白金蒸着ガラスと重ねあわせて比較用光電変換素子Bを得た。
比較用光電変換素子C
上記比較色素1を用いた以外は前述と同様にして作製した、色増感されたTiO電極基板(感光層;2cm×2cm)上に、N,N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを0.5μm蒸着して正孔輸送層を形成した。この後、上述の本発明の光電変換素子と同様に金を蒸着し、比較用光電変換素子Cを得た。
これらの比較用電池についても、上記本発明の光電変換素子と同様の測定を行い短絡電流密度の低下率等を求めた。その結果を下記表3に示した。
Figure 0005689351
比較用光電変換素子A、B、Cと比べ本発明の光電変換素子(番号1〜、16〜19)は高温高湿下における光電変換特性の劣化が少ないことが明らかである。
実施例2
(1)受光面側の半導体微粒子層(第1の半導体微粒子層)の形成
チタンイソプロポキシド125mlを0.1M−硝酸水溶液(キシダ化学株式会社製)750mlに滴下し、80℃で8時間加熱して、加水分解反応をさせることにより、ゾル液を調製した。得られたゾル液をチタン製オートクレーブにて250℃で15時間保持し、粒子成長させ、その後、超音波分散を30分間行うことにより、平均一次粒径20nmの酸化チタン粒子を含むコロイド溶液を得た。この酸化チタン一次粒子径の変動係数は、8であった。
得られた酸化チタン粒子を含むコロイド溶液を、エバポレーターにて、酸化チタンが10質量%の濃度になるまでゆっくりと濃縮した後、ポリエチレングリコール(キシダ化学株式会社製、質量平均分子量:200000)を酸化チタンに対する質量比で40%添加し、攪拌することにより、酸化チタン粒子が分散した懸濁液を得た。
透明導電膜としてSnO膜を形成したガラス基板(導電性支持体1)の透明導電膜側に、調製した酸化チタン懸濁液をドクターブレード法で塗布し、面積10mm×10mm程度の塗膜を得た。この塗膜を120℃で30分間予備乾燥し、さらに酸素雰囲気下、500℃で30分間焼成し、膜厚が10μm程度の受光面側の半導体微粒子層を形成した。
(2)第2の半導体微粒子層の形成
次に、市販の酸化チタン微粒子(テイカ社製、製品名:TITANIX JA−1、粒径約180nm)4.0gと酸化マグネシウム粉末(キシダ化学株式会社製)0.4gを蒸留水20mlに入れ、塩酸でpH=1に調整した。さらに、ジルコニアビーズを加え、この混合溶液をペイントシェイカーで8時間分散処理した。その後、ポリエチレングリコール(キシダ化学株式会社製、質量平均分子量:200000)を酸化チタンに対する質量比で40%添加し、攪拌することにより、酸化チタン粒子が分散した懸濁液を得た。
(1)で作製したガラス基板に形成された受光面側の半導体微粒子層上に、前記の酸化チタン懸濁液をドクターブレード法で塗布し、塗膜を得た。この塗膜を80℃で20分間予備乾燥し、さらに酸素雰囲気下、約500℃で60分間焼成し、膜厚が22μm程度の第2の半導体微粒子層を形成し、電極基板2とした。第1の半導体微粒子層上に第2の半導体微粒子層が形成された層(T1とする。)を持つ電極基板2のへイズ率を測定したところ、84%であった。ヘイズ率は、株式会社村上色彩技術研究所製ヘーズ・透過率・反射率計HR−100を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。ヘイズ率の測定は、ほかの試料の場合も同様の方法で測定した。電極基板2を取り出し6分間冷却した後、表4に示す本発明の色素のエタノール溶液(3×10−4モル/リットル)に室温で12時間浸漬した。色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。
(3)正孔輸送層を含有する光電変換素子の作製
実施例1と同様にして(塗布法)、(蒸着法)、及び(電解重合法)の3種類の方法のいずれかの方法を用いて、下記表4に記載の正孔輸送化合物から正孔輸送層、対向電極を形成し、光電変換素子を作製した。
Figure 0005689351
(4)光電変換効率の測定
実施例1と同様に模擬太陽光を照射し、発生した電流を電流電圧測定装置にて測定した。これにより求められた開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、形状因子(ff)、および変換効率(PCE)と、85℃かつ相対湿度100%雰囲気の中に120時間放置後の短絡電流密度(Wetサーモ後Jsc)および短絡電流密度の低下率を一括して下記表5に記載した。
比較用光電変換素子A’
比較色素1を用いた以外は、全く同様に電極基板2を用いて比較用光電変換素子A’を作製した。
Figure 0005689351
比較用光電変換素子B’
上記比較色素1を用いた以外は前述と同様にして作製された、色増感されたTiO電極基板2(感光層;2cm×2cm)上に、ヘキサエチレングリコールメタクリル酸エステル(日本油脂化学社製ブレンマーPE350)1gと、エチレングリコール1gと、重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(日本チバガイギー社製グロキュア1173)20mgを含有した混合溶液に、ヨウ化リチウム500mgを溶解し10分間真空脱気して、塗布した。次に、前記の混合溶液を塗布した多孔性物質を減圧下に置くことで、多孔性物質中の気泡を除きモノマーの浸透を促した後、紫外光照射により重合して高分子化合物の均一なゲルを多孔性物質の細孔内に存在させた。このようにして得られた物質をヨウ素雰囲気下に、30分間曝して高分子化合物中にヨウ素を拡散させた後、白金蒸着ガラスと重ねあわせて比較用光電変換素子B’を得た。
比較用光電変換素子C’
上記比較色素1を用いた以外は前述と同様にして作製された、色増感されたTiO電極基板2(感光層;2cm×2cm)上に、N,N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミンを0.5μm蒸着して正孔輸送層を形成した。この後、本発明の光電変換素子と同様に金を蒸着し、比較用光電変換素子C’を得た。
これらの比較用電池についても、本発明の光電変換素子と同様の測定を行い短絡電流密度の低下率等を求めた。その結果を下記表5に示した。
Figure 0005689351
比較用光電変換素子A’、B’、C’と比べ本発明の光電変換素子は高温高湿下における光電変換特性の劣化が少ないことが明らかである。
1 導電性支持体
2 感光体層
21 増感色素
22 半導体微粒子
3 正孔輸送層
4 対極
5 受光電極
6 外部回路
10 光電変換素子
100 光電気化学電池

Claims (8)

  1. 導電性支持体、色素を含む多孔質半導体層で構成された感光体層、正孔輸送層、及び対極を少なくとも備える光電変換素子であって、
    該多孔質半導体層が下記一般式(1)で表される少なくとも1つの色素を含有し、かつ該正孔輸送層がアリーレン基、チオフェン環構造を有する2価の芳香族へテロ環基から選択される基が2個以上共役結合した共役化合物、トリフェニルアミン構造を有するスピロ環化合物、または縮合多環芳香族化合物を含み、かつ固体であることを特徴とする光電変換素子。
    Mz(LLm1(LLm2(X)m3・CI ・・・一般式(1)
    [一般式(1)において、MzはRuを表し、LLは下記一般式(4−3)で表される2座の配位子を表し、LLは下記一般式(3)で表される、カルボキシ基を有していてもよい2座の配位子を表す。
    m1は1を表す。m2は1を表す。m3は2を表す。
    Xは配位子を表し、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基およびイソシアネート基からなる群から選ばれた基で配位する1座の配位子を表す。
    CIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
    Figure 0005689351
    [一般式(4−3)において、R101およびR102はそれぞれ独立に、カルボキシ基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基またはホスホニル基を表す。R103およびR104はそれぞれ独立に置換基を表し、R127およびR128はそれぞれ独立に、アルキニル基、アリール基または、環構成ヘテロ原子が、酸素原子、硫黄原子または窒素原子である5もしくは6員環のヘテロ環基を表す。
    a1およびa2は0を表し、b1およびb2は0を表す。d3は1を表す。]
    Figure 0005689351
    [一般式(3)において、Za、ZbおよびZcはそれぞれ独立に、ピリジン環を形成しうる非金属原子群を表し、cは0を表す。]
  2. 前記正孔輸送層に含有する化合物が、下記T−1、T7、U−1、U−4、U−10、U−15またはU−16であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 0005689351
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記A−4またはA−5であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
    Figure 0005689351
  4. 前記感光体層に半導体微粒子を含有し、該半導体微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該感光体層の各層を形成する半導体微粒子が互いに異なる平均粒径であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該多層構造のうち受光面側に最も近い多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の平均粒径が、これ以外の多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 前記感光体層が2層以上の多層構造であって、該多層構造のうち受光面側に最も近い多孔質半導体層に含有する半導体微粒子の粒度分布の変動係数が10以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池
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