JP6202426B2 - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、色素増感太陽電池に関し、好適に意匠性が付加された色素増感太陽電池に関する。
色素増感太陽電池(DSC)は、従来の結晶系太陽電池と異なり、光電変換領域に意匠性(図形、模様、文字、記号およびそれらの組み合わせなど)を付加することができる太陽電池である。DSCの光電変換領域は、主に金属酸化物微粒子層、増感色素、電解質、対極により構成されている。
従来の光電変換領域への意匠性の付加方法としては、特許文献1〜15に示されているように、陽極あるいは陰極用基板への機械的凹凸加工、光電変換領域のパターニング、金属酸化物微粒子層の厚み変調、金属酸化物微粒子層を構成する微粒子の粒径変調、二種以上の微粒子を用いた金属酸化物微粒子層の形成、増感色素の種類変調、複数の増感色素の混合使用、電解質の色調変化などが提案されている。
特許第4574816号 特許第4844685号 特開2002−64214号公報 特開2004−221495号公報 特開2005−158709号公報 特開2006−24477号公報 特開2006−339074号公報 特開2006−179380号公報 特開2006−179488号公報 特開2009−170239号公報 特開2010−3468号公報 特開2011−124053号公報 特開2011−165423号公報 特開2012−94321号公報 特開2012−155909号公報 特開2012−28738号公報 特開2012−114300号公報
DSCセルへの意匠性の付加は、DSCセルの性能を実質的に変化させることがある。そのため、DSCセルの性能を実質的に変化させることなくその光電変換領域に意匠性を付加することが望まれている。
特に上記DSCセルの性能の変化は、光電変換効率の変化、特に殆どの場合は短絡電流値[mA]の変化を伴う。この短絡電流値の変化が特に問題となるのは、直列構造の作製である。直列構造を構成する個々のDSCセルが異なる意匠性を持ち、その発電性能がバラつくと、低性能DSCセルの電流値に律速される形でDSCパネル全体の発電性能が低下する。従来の提案である特許文献16、17では、性能の異なるDSCセルを個別の電気系統で取り扱うことで、この課題を解決しようと試みられている。しかしながら系統回路が冗長かつ複雑となり、洗練された解決案とはいえない。
また、光電変換効率の均一化と光電変換領域への意匠性の付加の両立を達成した先行技術は認められない。
そこで本発明は、光電変換効率を実質的に変化させることなく光電変換領域に意匠性を付加させた色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明の色素増感太陽電池セルは、第1金属酸化物層および第2金属酸化物層を含む色素増感太陽電池であって、
前記第1金属酸化物層が、第1平均粒径を有する第1粒子と、前記第1平均粒径より大きい第2平均粒径を有する第2粒子とから形成されており、
前記第2粒子が、前記第1粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されており、
前記第2金属酸化物層が、第3平均粒径を有する第3粒子と、前記第3平均粒径より大きい第4平均粒径を有する第4粒子とから形成されており、
前記第4粒子が、前記第3粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されており、
前記第1粒子および前記第3粒子が同一の化学組成を有し、
前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が同一であり、
前記第4平均粒径が前記第2平均粒径より大きく、
前記第1金属酸化物層および前記第2金属酸化物層が、前記色素増感太陽電池の表面の異なる領域に配置されていることを特徴とする。
ここで、前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径が50nm以上100nm未満であり、前記第4平均粒径が100nm以上400nm未満であることが好ましい。あるいは、前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径が50nm以上100nm未満であり、前記第4平均粒径が400nm以上1000nm以下であることが好ましい。あるいは、前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径が100nm以上400nm未満であり、前記第4平均粒径が400nm以上1000nm以下であることが好ましい。
あるいは、前記第1金属酸化物層および前記第2金属酸化物層が、単一の電気系統で直列接続されていることが好ましい。
また、前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径および前記第4平均粒径が、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、および1000nmのいずれか2つの間の範囲にあるとすることもできる。
この場合、前記第1金属酸化物層および前記第2金属酸化物層の膜厚の差が、±1.0μmの範囲内にあることが好ましく、±0.5μmの範囲内にあることが更に好ましい。
本発明によれば、性能を実質的に変化させること無くDSCセルの光電変換領域に意匠性を付加することができる。
異なる領域に配置された金属酸化物層の例を示す概略上面図である。 金属酸化物層として用いられるペーストBを塗布したDSCセル(図中左側)と、ペーストDを塗布したDSCセル(図中右側)の外観を示す。 第1金属酸化物層としてペーストBを用い、第2金属酸化物層としてペーストDを用い、これらをそれぞれ上下に0.5cmずつ付して単純な意匠性を付加した色素増感太陽電池を示す。
本発明の色素増感太陽電池セルは、第1金属酸化物層および第2金属酸化物層を含む色素増感太陽電池であって、前記第1金属酸化物層が、第1平均粒径を有する第1粒子と、前記第1平均粒径より大きい第2平均粒径を有する第2粒子とから形成されており、前記第2粒子が、前記第1粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されており、前記第2金属酸化物層が、第3平均粒径を有する第3粒子と、前記第3平均粒径より大きい第4平均粒径を有する第4粒子とから形成されており、前記第4粒子が、前記第3粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されており、前記第1粒子が、前記第3粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されており、前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が同一であり、前記第4平均粒径が前記第2平均粒径より大きく、前記第1金属酸化物層および前記第2金属酸化物層が、前記色素増感太陽電池の表面の異なる領域に配置されていることを特徴とする。
「第1金属酸化物層」および「第2金属酸化物層」(以下、単に金属酸化物層ということもある)は、典型的にはいずれも分光増感色素を担持したものである。金属酸化物層としては、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の公知の多孔質材料を用いることができる。金属酸化物層は、スピンコート法、スプレー法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、インクジェット法等により基板上に形成できるが、操作の簡便さの観点からはスピンコート法、スプレー法、ディッピング法が、量産化の観点からはスクリーン印刷法によるのが好ましい。分光増感色素としては、可視領域および/または赤外光領域に吸収をもつ種々の金属錯体や有機色素を用いることができる。分光増感色素は、任意の公知の方法、たとえば、二酸化チタン等の金属酸化物層を色素溶液に所定の温度で浸漬する方法(ディップ法、ローラ法、エヤーナイフ法など)や、色素溶液を金属酸化物層表面に塗布する方法(ワイヤーバー法、アプリケーション法、スピン法、スプレー法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等により金属酸化物層に吸着させることができる。
「第1粒子」、「第2粒子」、「第3粒子」、および「第4粒子」(以下、単に粒子ということもある)としては、いずれも、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムからなる群から選択される1種の化合物または2種以上の混合物が例示できるが、その中でも光電変換効率の観点から、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズからなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、特に酸化チタンが好ましい。たとえば、第1粒子と第2粒子は、いずれも酸化チタンから形成されていることが好ましい。粒子は、クラック発生抑止の観点から、単結晶の方が好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で他の結晶系が少量混在した多結晶体や、非晶質体が少量混入したものでもよい。また、粒子が酸化チタンの場合、ルチル、アナタース、ブルッカイトの3種類の結晶系が知られているが、このうちアナタースまたはブルッカイト、特にアナタースが好ましい。
具体的には、第1粒子および第3粒子としては、平均粒径2nm以上50nm未満の市販の酸化物半導体粒子を用いることができる。例えば、酸化チタン原料として、堺化学(株)製のSSP−Mを用いることができる。基板へのペーストの塗布方法として、スピンコート法、スクリーンプリント法、ディスペンス法、ロールコート法、インクジェット法、スプレー法などが挙げられる。特にスクリーンプリント法が好ましい。スクリーンプリント法を用いて印刷する場合、チタニアがスラリー形態での市販品(溶媒がアルコールなどの低沸点溶剤)は、分留することで高沸点溶剤(テルピネオール、ブチルカルビトールなど)に溶媒を置換し、スクリーン印刷用樹脂(エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂など)を溶解しペースト化した後に、スクリーンプリント法で印刷することができる。酸化チタンが粉末の形態での市販品は、スクリーン印刷用樹脂溶液(樹脂は、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂など。溶媒はテルピネオール、ブチルカルビトールなど)中に酸化チタンをビーズミルで分散させた後、スクリーンプリント法で印刷することができる。ビーズミル分散機としては、例えばペイントシェーカー((株)東洋精機製作所製)、遊星型ボールミル(フリッチュ・ジャパン(株)製)などを用いることができる。焼成方法としては、マッフル炉やコンベア炉などの焼成炉、フラッシュランプを用いた瞬間アニール炉などが挙げられる。
第2粒子は、第1粒子の第1平均粒径より大きい第2平均粒径を有し、第1粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されている粒子である。
第4粒子は、第3粒子の第3平均粒径より大きい第4平均粒径を有し、第3粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されている粒子である。
「第1平均粒径」、「第2平均粒径」、「第3平均粒径」、および「第4平均粒径」(以下、単に平均粒径ということもある)は、本願明細書においては個数平均径をいい、例えば電子顕微鏡、FE−SEM等で測定できる平均粒径をいう。例えば第1平均粒径より大きい第2平均粒径というときは、典型的には第2平均粒径の範囲が第1平均粒径の範囲と重複せずに第1平均粒径の範囲より大きいことをいうが、第2平均粒径の範囲の中央値または中間値が第1平均粒径の中央値または中間値より大きいことをいうこともある。同様に、第3平均粒径より大きい第4平均粒径というときは、典型的には第4平均粒径の範囲が第3平均粒径の範囲と重複せずに第3平均粒径の範囲より大きいことをいうが、第4平均粒径の範囲の中央値または中間値が第3平均粒径の中央値または中間値より大きいことをいうこともある。また、第4平均粒径が第2平均粒径より大きいというときは、典型的には第4平均粒径の範囲が第2平均粒径の範囲と重複せずに第2平均粒径の範囲より大きいことをいうが、第4平均粒径の範囲の中央値または中間値が第2平均粒径の中央値または中間値より大きいことをいうこともある。平均粒径の測定装置は、第1粒子から第4粒子まで「レーザー回折/散乱式」の測定装置と「動的光散乱式」の測定装置のどちらでも測定することができる。ナノサイズ(100nm以下)は、「動的光散乱式」の測定装置が、それを超えるものについては「レーザー回折/散乱式」の測定装置での測定が望ましい。レーザー回折/散乱式粒度測定装置としては、例えばPartica LA−950V2((株)堀場製作所製)、SALD−3100((株)島津製作所製)、MT−3200II(日機装(株)製)等を用いることができる。動的光散乱式粒度測定装置としては、例えばNanotrac UPA−EX150(日機装(株)製)、Nano partica sz−100−s((株)堀場製作所製)を用いることができる。
第2粒子が第1粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されているというときは、典型的には第2粒子が、第1粒子(一次粒子)が凝集した粒子(二次粒子)から形成されていることを意味するが、第2粒子の構成要素が第1粒子の構成要素と同一であることを意味することもある。同様に、第4粒子が第3粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されているというときは、典型的には第4粒子が、第3粒子(一次粒子)が凝集した粒子(二次粒子)から形成されていることを意味するが、第4粒子の構成要素が第3粒子の構成要素と同一であることを意味することもある。
第1粒子および第3粒子が同一の化学組成を有するというときは、典型的には第1粒子および第3粒子として同一の組成の粒子を用いていることを意味する。また、第1平均粒径および第3平均粒径が同一であるというときは、典型的には第1粒子および第3粒子として全体として同一の範囲の粒径の粒子を用いていることを意味するが、一部同一の(一部重複する)範囲の粒径の粒子を用いていることを意味することもある。
第1金属酸化物層および第2金属酸化物層が、色素増感太陽電池の表面の異なる領域に配置されているというときは、典型的には色素増感太陽電池の1の基板の表面の異なる領域に配置されていることを意味するが、色素増感太陽電池の異なる基板の表面の異なる領域に配置されていることを意味することもある。本発明においては、高透過性の第1金属酸化物層と低透過性の第2金属酸化物層は、同等の発電性能を有することが可能である。例えば図1に示すように、高透過性の第1金属酸化物層と低透過性の第2金属酸化物層が、「1の基板の表面の異なる領域に配置」されても(図1a)、「異なる基板の表面の異なる領域に配置」されても(図1b)、同等の発電性能を有することとなり、結果として好適に意匠性を付加することが可能となる。なお、前者の高透過性の第1金属酸化物層と低透過性の第2金属酸化物層が「1の基板の表面の異なる領域に配置」されている場合は、典型的には第1および第2金属酸化物は1の基板に隣り合って配置されることになる。また、図1aおよびbに示された基板は全て同等性能とすることができ、この場合直列接続しても性能低下は生じない(図1c)。
第1平均粒径および第3平均粒径は、2nm以上50nm未満であることが好ましい。第1平均粒径および第3平均粒径が2nm以上50nm未満であると、良好な発電性能と透過性の高い金属酸化物層が得られる。また、第2平均粒径は、50nm以上100nm未満あるいは100nm以上400nm未満であることが好ましい。また、第4平均粒径は、100nm以上400nm未満あるいは400nm以上1000nm以下であることが好ましい。第4平均粒径が400nm以上1000nm以下であると透過性の低い金属酸化物層が得られる。
あるいは、第1平均粒径および第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、第2平均粒径および第4平均粒径が、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、および1000nmのいずれか2つの間の範囲にあるとすることもできる。この場合、粒径域に少しでも差異があれば濃淡が生じることになる。もちろん、本願発明は二次粒径域の種類が2以上の場合の色素増感太陽電池にも適用されるものである。例えば、透過性あるいはヘイズ率の異なる二種以上のペーストを、単位面積当たりの塗布域割合を段階的に変調させることで、グラデーション様に意匠を付加させることができる。このように、本願発明は、金属酸化物粒子の一次粒径が同一で、二次粒径のみが異なる分散ペーストを2種以上(例えば3種あるいは4種等)用意し、塗布することも想定している。
なお、第1金属酸化物層および第2金属酸化物層の膜厚の差が、±1.0μmの範囲内にあることが好ましく、更に±0.5μmの範囲内にあることが好ましい。こうして、ほぼ均一な膜厚で色素増感太陽電池を形成することができる。
好ましくは、第1金属酸化物層および第2金属酸化物層が、単一の電気系統で直列接続されている。
図2は、金属酸化物層として用いられるペーストBを塗布したDSCセル(図中左側)と、ペーストDを塗布したDSCセル(図中右側)の外観を示す。図3は、第1金属酸化物層としてペーストBを用い、第2金属酸化物層としてペーストDを用い、これらをそれぞれ上下に0.5cmずつ付して単純な意匠性を付加した色素増感太陽電池の一例を示す。図2および図3において、ペーストはいずれも基板上に塗布し焼成されている。
その他、色素増感太陽電池を構成する基板、電解質、対極等については、従来公知の組成および製法を採用できる。
本発明においては、例えばDSCの光電変換領域の構成要素である金属酸化物微粒子層が、金属酸化物微粒子が分散されたペーストを基板に塗布し、焼成することにより形成される。ここで、ペースト中に分散された金属酸化物微粒子の分散度合い(二次粒子径)を変えることで、焼成後の金属酸化物層の透過率およびヘイズ率を変調させることができる。本発明者は、基本構成要素である一次粒子が同一であると、ペースト中の分散度合い(二次粒径)が異なり焼成後の透過率およびヘイズ率に差異が生じても、発電性能に大きな変化はないことを見出した。すなわち本発明者は、透過率およびヘイズ率に差異のあるペーストを異なる領域に塗布することで、大きな発電性能の変化なく意匠を施すことができることを見出したのである。例えば、「発電層のパターニング」「発電層の膜厚変調」「複数色素の使用」などの従来手法でなく、光電変換領域の透過率/ヘイズ率の差異により、DSCセルの光電変換領域に意匠性を付加することができることを見出した。また、異なる色調を持つセルでも単一の電気系統で直列接続し、電力取出しを行うことができることを見出した。
以下、本発明の実施例を説明する。
[粒子を含むペーストの調製]
異なる一次粒径(第1平均粒径および第3平均粒径の具体例)を有する一次粒子(第1粒子および第3粒子の具体例)と、異なる二次粒径(第2平均粒径および第4平均粒径の具体例)を有する異なる二次粒子(第2粒子および第4粒子の具体例)を含む4種のチタニア粒子分散ペーストA〜Dを用意した。
ペーストAは、市販の二酸化チタンペースト(日揮触媒化成社製、品番PST-21NR)を用いた。ペーストB〜Dは、酸化チタン原料としてSSP−M(堺化学(株)製)を用いた。ペースト作成手順は、次の通りである。
手順1:下記配合にて、ペイントシェーカーで分散しエタノール分散体を作製した。酸化チタン粒径は、分散時間を変えることで調整した。
(配合)酸化チタンSSP−M/アセチルアセトン/1N硝酸エタノール溶液/エタノール
分散時間:600分(SD−E2475−C;ペーストB)
80分(SD−E2475−D;ペーストC)
30分(SD−E2475−G;ペーストD)
手順2:界面活性剤/ターピネオール/エチルセルロース溶液をディゾルバー攪拌にて作製した。
手順3:手順1、2で作製した溶液を混合し、三ッ口セパラブルフラスコに入れた。フラスコ内は密閉し、攪拌機で攪拌を行った。
手順4:フラスコをオイルバスで45℃加温しながら、アスピレーターで減圧し(約0.1MPa)、水とエタノールを除去した。エタノールと水が全て除去された状態を終点とし、フラスコ内からペーストを取り出した。第1表中の一次粒径は電子顕微鏡で測定し、二次粒径は日機装(株)製Nanotrac UPA−EX150(動的光散乱式粒度測定装置)で測定したものである。
[金属酸化物層の形成]
陰極用基板としてFTO膜付きのガラス板(FTO基板、市販品)を用意した。FTO基板に、スクリーン印刷機(マイクロテック社製MT−320TV)を用いて前記チタニア粒子分散ペーストを塗布し、焼成炉(Advantec社製FUW252PA)により500℃で焼成して多孔質チタニア膜をFTO基板上に形成した。
表面粗さ計により焼成後の多孔質チタニア膜の膜厚測定を行った。焼成後の膜厚は全て約6μmであった。
UV−Vis分光光度計(日本分光社製、型番ARMN−735)により焼成後(色素担持前)の多孔質チタニア膜の透過率およびヘイズ率測定を行った。また同じくUV−Vis分光光度計により色素坦持後のチタニア膜の透過率およびヘイズ率測定を行った。表3中、Tt(%)は全光線透過率を意味し、Td(%)は拡散透過率を意味し、Haze(%)はヘイズ率を意味する。
ペーストB〜ペーストDにおいて二次粒径に相関した傾向を得た。異なる一次粒子を用いたペーストAとペーストCにて同様の透過率/ヘイズ率を得た。
[各金属酸化物層の性能測定]
次に、多孔質チタニア膜が形成されたFTO基板を用いてDSCセルを作製しソーラシミュレータにより光電変換効率測定を行った。
前述の多孔質チタニア膜付きFTO基板を増感色素(SK−1、神戸天然物化学社製)の0.3mM溶液(溶媒:アセトニトリルとtert−ブタノールとの1:1(体積比)混合溶媒)中に、40℃、2時間、暗所の条件で浸すことにより、多孔質チタニア膜に色素を担持させ、陰極とした。
陽極用基板としてFTO膜付きのガラス板(FTO基板、市販品)を用意し、イオンスパッター装置(HITACHI社製、型番E1030形)を用い、膜厚10nmの白金膜を形成し、陽極とした。
前記陽極及び陰極の外周に、スクリーン印刷機を用いて紫外線硬化樹脂を印刷し、両極を対向させるように貼り合わせた。前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して、両電極を固着させた。
液晶真空注入装置(アユミ工業社製)を用いて、両電極間の間隙に電解質を注入した。
このようにして得られたそれぞれの色素増感型太陽電池につき、以下の条件で光電変換効率を測定した。具体的には、ソーラーシュミレーター(山下電装社製)により、AM(エアマス、大気質量)1.5、100mW/cmの擬似太陽光を照射し、短絡電流値、開放電圧、曲線因子(FF)を測定し、光電変換効率を下記の計算式(式1)に基づいて算出した。
光電変換効率=(短絡電流値×開放電圧×曲線因子)/(照射太陽光エネルギー) (式1)
その結果、以下の第4表のような光電変換効率の結果が得られた。表中、Eff[%]は光電変換効率を意味し、Isc[mA]は短絡電流値を意味する。光電変換効率および短絡電流値の2段の数値は、n=2で実施したもの(同一の条件で作製した2つの試料を測定した際の各値)を記載したものである。
ペーストB〜ペーストDにおいて同等の光電変換効率および短絡電流値を得た。一次粒子の異なるペーストAとペーストCには光電変換効率/短絡電流値に差異が生じた。
[実施例]
異なる一次粒粒子あるいは異なる二次粒径のチタニア粒子分散ペーストから二種を選択し、FTO基板に塗布面積0.5cm2ずつ塗布し、焼成することで計1cm2の塗布面積を得た。FTO基板上に焼成したチタニア膜を用いてDSCセルを作製しソーラシミュレータにより光電変換効率測定を行った。
同じ一次粒子であるペーストB〜ペーストDを選択した系で同等の光電変換効率/短絡電流値を得た。上記の結果より、光電変換効率を変化させることなく、DSCセルの光電変換領域に意匠性を付加させることが可能であることが示唆された。
上記以外の方法でも、高性能チタニアペーストを薄く塗布、低性能チタニアペーストを厚く塗布する手法で、性能の均一化と意匠性の付加の両立が可能と考えられる。

Claims (8)

  1. 第1金属酸化物層および第2金属酸化物層を含む色素増感太陽電池であって、
    前記第1金属酸化物層が、第1平均粒径を有する第1粒子と、前記第1平均粒径より大きい第2平均粒径を有する第2粒子とから形成されており、
    前記第2粒子が、前記第1粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されており、
    前記第2金属酸化物層が、第3平均粒径を有する第3粒子と、前記第3平均粒径より大きい第4平均粒径を有する第4粒子とから形成されており、
    前記第4粒子が、前記第3粒子の化学組成と同一の化学組成から形成されており、
    前記第1粒子および前記第3粒子が同一の化学組成を有し、
    前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が同一であり、
    前記第4平均粒径が前記第2平均粒径より大きく、
    前記第1金属酸化物層および前記第2金属酸化物層が、前記色素増感太陽電池の光電変換領域の異なる領域に配置されており、
    前記第1粒子、前記第2粒子、前記第3粒子、および前記第4粒子が、それぞれ互いに同一の一次粒子を基本構成要素として有することを特徴とする、色素増感太陽電池。
  2. 前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径が50nm以上100nm未満であり、前記第4平均粒径が100nm以上400nm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径が50nm以上100nm未満であり、前記第4平均粒径が400nm以上1000nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径が100nm以上400nm未満であり、前記第4平均粒径が400nm以上1000nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記第1粒子、前記第2粒子、前記第3粒子、および前記第4粒子が、いずれも、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムからなる群から選択された1種から形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記第1平均粒径および前記第3平均粒径が2nm以上50nm未満であり、前記第2平均粒径および前記第4平均粒径が、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、および1000nmのいずれか2つの間の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記第1金属酸化物層および前記第2金属酸化物層の膜厚の差が、±1.0μmの範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記第1金属酸化物層および前記第2金属酸化物層の膜厚の差が、±0.5μmの範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
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