JP2005332705A - 透明電極基板とその製造方法及びこの基板を用いた色素増感型太陽電池 - Google Patents

透明電極基板とその製造方法及びこの基板を用いた色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高透明、低抵抗であって、大型化が可能であり、耐久性の向上した透明電極基板とその製造方法及びこの基板を用いた色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 透明基材2上に、開口部を有する金属膜10が設けられ、少なくともこの開口部に透明樹脂膜5が設けられ、この金属膜10及び透明樹脂膜5上に透明導電膜6が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池及びこの太陽電池に使用することができる透明電極基板とその製造方法に関するものである。
一般に“湿式太陽電池”とか“グレッツェル電池”等と呼ばれる太陽電池は、1991年にグレッツェルらが提案した色素増感型太陽電池を指し(Nature,353(1991)p.737)、シリコン半導体を使わずに、酸化チタンと有機色素とヨウ素溶液とからなる、電気化学的なセル構造を持つものである。
この色素増感太陽電池は、透明な導電性ガラス板に酸化チタン粉末を焼き付けてその上に有機色素を単分子吸着させた電極と、ヨウ素/ヨウ化物レドックス系を含む電解質と、白金をスパッタした導電性ガラス板の対極から構成されており、電解質溶液の酸化還元反応を伴うものである。
この酸化チタン粉末焼成物からなる酸化物半導体膜を有する透明な導電性基板としては、通常、ガラスあるいはプラスチックのシート上に錫をドープした酸化インジウム(ITO)を成膜したものが使用されている。
しかしながら、このようなITOの透明電極にあっては、太陽電池のような大面積を必要とする用途には、まだ充分に低い抵抗値とは言えず、発電効率と大型化の点で満足できるものではなかった。また、抵抗値としては、10Ω/□以下が望ましいが、これを達成しようとするとITOの膜厚が厚くなり、透明性が低下して発電効率が低下する問題があった。
そこで、このような問題を解決する方策として、エッチングにより網状に銅の金属膜を形成し、その上にITOを成膜した透明電極を用いた有機色素増感型金属酸化物半導体電極が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−123858号公報
しかしながら、特許文献1に係る有機色素増感型金属酸化物半導体電極にあっては、金属膜とITOとの接合部におけるクラックやピンホールに、電解質中のヨウ素の気体又は液体が浸入して金属膜を溶解するため、耐久性において問題があった。特に、プラスチック基板上にITOを200nm以上成膜すると、クラックの発生は避けられなかった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、高透明、低抵抗であって、大型化が可能であり、耐久性の向上した透明電極基板とその製造方法及びこの基板を用いた色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、透明基材上に、開口部を有する金属膜が設けられ、少なくともこの開口部に透明樹脂膜が設けられ、この金属膜及び/又は透明樹脂膜上に透明導電膜が設けられたことを特徴とする透明電極基板である。
請求項2にかかる発明は、前記透明樹脂膜が、前記開口部及び前記金属膜上に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の透明電極基板である。
請求項3にかかる発明は、前記透明樹脂膜が、導電性樹脂組成物、耐ヨウ素性樹脂組成物、及び感光性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂組成物からなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明電極基板である。
請求項4にかかる発明は、前記金属膜が、銀錯塩拡散転写現像法により物理現像された金属銀と、この金属銀を触媒核として、金属をめっきしためっき金属層とからなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明電極基板である。
請求項5にかかる発明は、前記金属膜の表面に、導電性を有する金属及び/又は金属酸化物よりなる耐ヨウ素膜が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明電極基板である。
請求項6にかかる発明は、前記金属膜が、格子状又はストライプ状に設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明電極基板である。
請求項7にかかる発明は、前記金属膜が、厚さ15μm以下、線幅60μm以下であって、前記透明電極基板の全光線透過率が70%以上、表面抵抗が1Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明電極基板である。
請求項8にかかる発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明電極基板を光入射側電極基板として構成した太陽電池である。
請求項9にかかる発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明電極基板上に、分光増感色素担持金属酸化物半導体膜が設けられた色素増感型金属酸化物半導体電極と、この電極に対向して設けられた対電極と、両電極間に設けた電解質とからなる色素増感型太陽電池である。
請求項10にかかる発明は、透明基材上に予め設けられた物理現像核層に、未露光のハロゲン化銀を物理現像処理により供給し、前記物理現像核層上に任意の細線パターンで金属銀を析出させた後、前記物理現像された金属銀を触媒核として金属をめっきし、前記金属銀上にめっき金属層を形成して、開口部を有する金属膜を作製し、次いで少なくともこの開口部に透明樹脂膜を形成した後、この金属膜及び/又は透明樹脂膜上に透明導電膜を形成することを特徴とする透明電極基板の製造方法である。
請求項11にかかる発明は、透明基材上に、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順序で有する感光材料を露光し、物理現像処理により前記物理現像核層上に任意の細線パターンで金属銀を析出させ、次いで前記物理現像核層上に設けられた層を除去した後、前記物理現像された金属銀を触媒核として金属をめっきし、前記金属銀上にめっき金属層を形成して、前記開口部を有する金属膜を形成することを特徴とする請求項10に記載の透明電極基板の製造方法である。
請求項12にかかる発明は、前記透明樹脂膜を、前記開口部及び前記金属膜上に形成することを特徴とする請求項10又は11に記載の透明電極基板の製造方法である。
請求項13にかかる発明は、前記透明樹脂膜が、感光性樹脂組成物からなり、前記透明基材側より前記透明樹脂膜を露光した後、未露光の透明樹脂膜を除去することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の透明電極基板の製造方法である。
請求項14にかかる発明は、透明基材上に、前記金属膜をストライプ状に設けた後、このストライプに沿って透明樹脂をコーティングすることにより、透明樹脂膜を形成することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の透明電極基板の製造方法である。
本発明によれば、高透明、低抵抗であって、大型化が可能であり、耐久性の向上した透明電極基板とこの基板を用いた色素増感型太陽電池を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る透明電極基板と色素増感型太陽電池の例を図面に示し、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る透明電極基板1の断面図である。この例の透明電極基板1は、透明基材2と、透明基材2上に設けられた開口部を有する金属膜10と、この開口部に設けられた透明樹脂膜5と、この金属膜10と透明樹脂膜5の上に設けられた透明導電膜6とから基本的に構成される。
この透明基材2としては、可視領域で透明であり、またフレキシブル性を有し、好ましくはプラスチック樹脂フィルムが挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さが25〜500μmの単層又は複合フィルムが挙げられる。
また、ソーダガラス、耐熱ガラス、石英ガラス等のガラスを用いてもよい。
この透明基材2の上には、開口部を有する金属膜10が設けられている。図2は、この開口部11を有する金属膜10の平面図である。この金属膜10は、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等の金属やこれら1種以上の合金からなるものである。そのなかでも、金属膜10としては、銀錯塩拡散転写現像法(DTR現像法)により物理現像された金属銀3と、この金属銀3を触媒核としてその上に銅、ニッケル、銀、鉄等の1種以上の金属をめっきしためっき金属層4とからなるのが、導電性を向上させたり、折り曲げに対する強度を向上させる観点から好ましい。
この金属膜10は、厚さが15μm以下、好ましくは7μm以下であって、線幅が60μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは25μm以下である。この厚さが15μmを超えると、透明電極基板に対して斜めに入射する光が遮られるため好ましくない。また、線幅が60μmを超えると、開口率が低くなったり、金属線が見え易くなり好ましくない。
金属膜の線幅を細線化することで、光の回折、散乱等により、線幅が大きい場合に比して電極基板の全光線透過率が向上し、太陽電池の発電効率を向上させることができる。
透明基材2上の開口部11は、四角形、六角形等の多角形、円、楕円等の円状、菱形、平行四辺形等、どのような形状であってもよい。また開口部11は、各々同じ形状で形成されるのが一般的であるが、形状が個々に異なったり、面積が異なっていてもよい。そのなかでも、金属膜10を格子状又はストライプ状に形成するのが、全光線透過率を向上させる観点から好ましい。さらに、開口部11の端部は、金属膜10が連続していても、不連続であってもよい。
この開口部11の寸法は、50μm〜2.5mmであるのが好ましい。
本実施形態では、この開口部11に金属膜10とほぼ同じ厚さになるように、透明樹脂膜5が設けられている。この透明樹脂膜5を開口部11に設けることにより、透明電極基板1の機械的強度を向上させ、電極基板1にクラックが発生するのを抑制し、耐久性を向上させることができる。
この透明樹脂膜5には、透明ないかなる樹脂も用いられる。そのなかでも、導電性樹脂組成物、耐ヨウ素性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂組成物を用いることが好ましい。
このような導電性樹脂組成物としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等の導電性樹脂やポリエステル樹脂等に金、白金、ルテニウム、ITO等の導電性粒子を添加したものが挙げられる。
この導電性樹脂組成物には、導電性の点から、CuI、CuS、FeO等の無機半導体、ポリスチレンスルホン酸(塩)、p−トルエンスルホン酸(塩)、カンファースルホン酸(塩)、ポリスチレン−マレイン酸(塩)共重合体等が含まれていてもよい。
また、耐ヨウ素性樹脂組成物としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
さらに、感光性樹脂組成物としては、アクリレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂等を主成分とする、可視光や紫外光で露光した部分が感光し、硬化あるいは溶解度変化する材料が挙げられる。
この金属膜10と透明樹脂膜5の上には、透明導電膜6が設けられている。この透明導電膜6としては、酸化インジウム、錫をドープした酸化インジウム(ITO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)、酸化錫、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)等が好ましいが、膜の導電性、透明性、エッチングによるパターニングが容易なことからITOが特に好ましい。
透明導電膜の厚さは、200nm以下、好ましくは100nm以下である。この厚さが200nmを超えると、金属膜10と透明導電膜6との接合部にクラックを発生し、透明電極基板1の機械的強度を劣化させるからである。
この透明電極基板1は、全光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上であって、表面抵抗が1Ω/□以下、好ましくは0.1Ω/□以下である。全光線透過率が70%未満であると、透明性が低下するため、太陽電池を作製した際に、発電効率が低下するからである。また、表面抵抗が1Ω/□を超えると、抵抗値が高くなり、発電効率が低下するからである。
本発明の透明電極基板1の製造方法は、以下の通りである。まず透明基材2上に、金属膜10を形成させる。
金属膜は、例えばエッチング法、スクリーン印刷、インクジェット法、銀錯塩拡散転写法(DTR)等の現像法により形成することができる。また、必要に応じて、無電解鍍金法、電解鍍金法を併用することもできる。
ここで、本発明では上述したように、線幅が狭くかつ導電性の高い金属膜を形成する必要がある。金属膜を、物理現像された金属銀を触媒核として金属を鍍金する方法によって形成すると、低コストにて容易かつ確実に、高い導電性を有する金属膜を形成することができるため、好ましい。以下、上記方法による金属膜の形成方法について詳細に説明する。この方法は、特公昭42−23745号公報に記載された銀錯塩拡散転写現像法(DTR現像法)を応用したものである。
透明基材2上には、予め物理現像核層が設けられていることが好ましい。この物理現像核層とは、金属銀を析出させるため、還元反応の出発点となるものである。物理現像核としては、重金属又はその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数10nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。
また、物理現像核層には、親水性バインダーを含有することが好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。物理現像核層には、親水性バインダーの架橋剤を含有することもできる。
この物理現像核層の形成には、物理現像核と親水性バインダー等からなる組成物を、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等で塗布する方法が用いられる。
この物理現像核層に、金属銀を析出させるためのハロゲン化銀錯塩の供給は、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に一体的に透明基材2上に設ける方法、あるいは別の紙やプラスチック樹脂フィルム等の基材上に設けられたハロゲン化銀乳剤層から可溶性銀錯塩を拡散転写により供給する方法がある。コスト及び生産効率の面からは前者の物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順に一体的に透明基材2上に設ける方法が好ましい。
ここで、ハロゲン化銀乳剤層とは、ハロゲン化銀乳剤を含有するものであり、ハロゲン化銀写真感光材料の一般的なハロゲン化銀乳剤の製造方法に従って製造することができるものである。
次いで、本発明の製造方法では、各種の光源に対して感光性を有している前記ハロゲン化銀乳剤層を露光し、物理現像処理により物理現像核層上に任意の細線パターンで金属銀を析出させた後、この物理現像核層上に設けられた層を除去する。
露光に際しては、格子状やストライプ状の細線パターンが描かれた透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して紫外光で露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。
前者の紫外光を用いた密着露光は、ハロゲン化銀の感光性が比較的低くても可能であるが、レーザー光を用いた走査露光の場合は比較的高い感光性が要求される。したがって、後者の露光方法を用いる場合は、ハロゲン化銀の感光性を高めるために、ハロゲン化銀は化学増感あるいは増感色素による分光増感を施してもよい。化学増感としては、金化合物や銀化合物を用いた金属増感、硫黄化合物を用いた硫黄増感、あるいはこれらの併用が挙げられる。好ましくは、金化合物と硫黄化合物を併用した金−硫黄増感である。
上記したレーザー光で露光する方法においては、450nm以下の発振波長を持つレーザー光、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオード)を用いることによって、明室下(明るいイエロー蛍光灯下)でも取り扱いが可能となる。
また、物理現像核層が設けられる透明基材フィルムには、任意の位置にハレーションないしイラジエーション防止用の染料もしくは顔料を含有させてもよい。
物理現像核層の上に直接にあるいは中間層を介してハロゲン化銀乳剤層が塗設された感光材料を用いる場合は、網目状パターンのような任意の細線パターンの透過原稿と上記感光材料を密着して露光、あるいは、任意の細線パターンのデジタル画像を各種レーザー光の出力機で上記感光材料に走査露光した後、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下でアルカリ液中で処理することにより銀錯塩拡散転写現像(DTR現像)が起こり、未露光部のハロゲン化銀が溶解されて銀錯塩となり、物理現像核上で還元されて金属銀が析出して細線パターンの物理現像銀薄膜を得ることができる。露光された部分はハロゲン化銀乳剤層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、ハロゲン化銀乳剤層及び中間層、あるいは必要に応じて設けられた保護層は水洗除去されて、細線パターンの物理現像銀薄膜が表面に露出する。
DTR現像後、物理現像核層の上に設けられたハロゲン化銀乳剤層等の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。
一方、物理現像核層が塗布された透明基材とは別の基材上に設けたハロゲン化銀乳剤層から可溶性銀錯塩を供給する場合、前述と同様にハロゲン化銀乳剤層に露光を与えた後、物理現像核層が塗布された透明基材と、ハロゲン化銀乳剤層が塗布された別の感光材料とを、可溶性銀錯塩形成剤と還元剤の存在下でアルカリ液中で重ね合わせて密着し、アルカリ液中から取り出した後、数十秒〜数分間経過した後に、両者を剥がすことによって、物理現像核上に析出した細線パターンの物理現像銀薄膜が得られる。
この可溶性銀錯塩形成剤とは、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物である。このような可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、アルカノールアミン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩等が挙げられる。
また、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物である。還元剤としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4−ジメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類等が挙げられる。
次いで、この物理現像された金属銀3を触媒核として金属をめっきし、金属銀3上にめっき金属層4を形成して開口部11を有する金属膜10を作製する。
この金属めっき方法は、公知の方法で行うことができるが、例えば、無電解めっき法、電解めっき法又は両者を組み合わせためっき法のいずれでも可能である。電解メッキ法としては、銅、ニッケル、銀、金、半田、若しくは銅及び/又はニッケルの多層あるいは複合系などの従来公知の方法を使用できる。
めっきを施した金属膜10は、金属光沢を有しており、そのままでは光を反射して反対側が見えにくいため、黒化処理を行ってもよい。黒化処理とは、真黒だけでなく、例えば黒っぽい茶色や黒っぽい緑色等に処理することも含み、光を反射しにくい色とすることをいう。黒化処理としては、ニッケル等の表面が黒色を呈する金属によるめっき処理や黒色インクの塗布、薬品に浸漬することによる化成処理等を用いることができる。このうち化成処理では、金属膜の表面に金属酸化物の薄膜が形成されることにより、黒色を呈するようになる。この黒化処理を行うことにより、金属膜表面が光を吸収、あるいは乱反射し、細線が目立たなくなり、反対側が見え易くなるため、シースルータイプの電極として使用することができる。
また、化成処理により、その上に積層される層との密着性を向上することができる。
その後、この開口部11に透明樹脂膜5を形成した後、この金属膜10及び透明樹脂膜5上に透明導電膜6を形成させる。
透明樹脂膜5の形成は、導電性樹脂組成物、耐ヨウ素性樹脂組成物、感光性樹脂組成物等の未硬化の樹脂組成物を、ディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアナイフコーティング、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング等で塗布する方法や、透明熱可塑性樹脂組成物からなるホットメルト剤を溶融して付着、塗布する方法が用いられる。
金属膜10をストライプ状に設けた場合は、これら樹脂組成物を、このストライプに沿って塗布することが、開口部11に容易に透明樹脂膜を形成できる点、連続的な塗布が可能である点から、好ましい。この時、透明基板2を塗布装置へと送り出す流れ方向(MD)に沿って平行にストライプが設けられることになる。このストライプのずれの許容される範囲は、流れ方向(MD)に対して22.5度以内であるのが好ましい。
塗布形成の場合は、塗布後、この透明樹脂組成物を熱硬化や光硬化させる。
本実施形態では、そのなかでも、光硬化させるのが好ましい。光硬化により形成する方法は、まず開口部11及び金属膜10上に光硬化性樹脂組成物を塗布し、次いで金属膜10が設けられた透明基材2の透明基材2側よりこの光硬化性樹脂組成物を露光した後、未露光の光硬化性樹脂組成物を除去する。除去には水洗等の公知の除去方法を用いることができる。未露光の光硬化性樹脂組成物を除去することにより、金属膜10の表面に塗布した余分な光硬化性樹脂膜を取り除くことができる。
透明導電膜6の形成は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法、ゾル−ゲル法、ウェットコーティング法等の薄膜形成手段によって行う。
本実施形態にあっては、透明基板2と、金属膜10及び透明樹脂膜5との間に、塩化ビニリデンやポリウレタン等のポリマーラテックスからなる接着層7を設けてもよい。透明基板2上に接着層7を設けることにより、金属膜10及び透明樹脂膜5の密着性を向上することができる。この接着層7の厚さは50nm〜15μm、好ましくは0.2〜12μmである。この接着層7の形成には、ディップコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング等の塗布方法が用いられる。
また、本実施形態では、金属膜10の表面に、導電性を有する白金、ルテニウム、ルテニウム酸化物、酸化銅等の耐ヨウ素膜8を設けるのが好ましい。金属膜10の表面を耐ヨウ素膜8で被覆することにより、導電性を確保しつつ、後述する太陽電池における電解質中のヨウ素の侵食による金属膜10の劣化を防止することができる。
この耐ヨウ素膜8の厚さは10nm〜3μm、好ましくは0.1〜1μmである。この厚さが10nm未満であると、耐ヨウ素性が低下する。また、耐ヨウ素膜として金属酸化物を用いた場合、耐ヨウ素膜の厚さが3μmを超えると導電性が低下し、好ましくない。
この耐ヨウ素膜8は、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、金属めっき法等の薄膜形成手段によって形成することができる。この耐ヨウ素膜8を設ける処理は、透明樹脂膜5を形成する前に行うのがよい。
[第2の実施形態]
図3は、第2の実施形態に係る透明電極基板1の断面図である。本実施形態の透明電極基板1は、透明基材2と、透明基材2上に設けられた開口部を有する金属膜10と、この開口部及び金属膜10上に設けられた透明樹脂膜5と、この透明樹脂膜5の上に設けられた透明導電膜6とから構成される。以下に、第1の実施形態と異なる部分を説明し、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
本実施形態にあっては、透明樹脂膜5は、導電性を有する樹脂組成物よりなり、開口部及び金属膜10上を被覆して設けられている。本実施形態では、金属膜10が直接透明導電膜6と接することはないため、透明樹脂膜5が耐ヨウ素性樹脂組成物を含有するものであれば、第1の実施形態に示したような耐ヨウ素層8を設ける必要はない。また、透明導電膜5と金属膜10とは、導電性樹脂組成物よりなる透明樹脂膜5を介して導電性が確保されている。
この透明樹脂膜5が、金属膜10の表面を被覆する厚さは0.1〜10μm、好ましくは2〜6μmである。この厚さが10μmを超えると、金属膜10と透明導電膜6との導電性が低下し、またこの厚さが0.1μm未満であると、耐ヨウ素性能を発揮できないからである。
また、本実施形態では、透明樹脂膜5に導電性を付与するため、導電性粒子12を添加したものを用いてもよい。
[第3の実施形態]
図4は、第3の実施形態に係る色素増感型太陽電池100の断面図である。本発明の色素増感型太陽電池100は、色素増感型金属酸化物半導体電極30と、この電極に対向して設けられた対電極31と、両電極間に設けた電解質32とから構成される。
この色素増感型金属酸化物半導体電極30は、第1又は第2の実施形態に示した透明電極基板1上に、分光増感色素21を担持した金属酸化物半導体膜20が設けられている。透明電極基板1については、第1又は第2の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
この金属酸化物半導体膜20としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム等の公知の1種以上の半導体を用いることができる。そのなかでも、安定性、安全性の点から、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸等の各種の酸化チタン又は水酸化チタン、含水酸化チタンが好ましい。
この金属酸化物半導体膜20の膜厚としては、10nm以上であることが一般的であり、100nm〜1μmが好ましい。
分光増感色素21とは、金属酸化物半導体膜20の表面に、単分子膜として吸着されるものである。この分光増感色素21は、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つものであり、種々の金属錯体や有機色素を1種以上用いることができる。例えば、分光増感色素21の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基の官能基を有するものが、金属酸化物半導体膜20への吸着が速いため、好ましい。また、分光増感の効果や耐久性に優れている観点から、金属錯体が好ましい。この金属錯体としては、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の金属フタロシアニン、クロロフィル、ヘミンや、公知のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛等の錯体を用いることができる。
また、有機色素としては、メタルフリーフタロシアニン、シアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素を用いることができる。
対電極31としては、導電性を有するものであればよく、透明性導電膜(ITO)をコートしたガラス板、プラスチックシート、フィルムや白金をスパッタした導電性ガラス板、プラスチックシート、フィルム等を用いることができる。そのなかでも、I イオン等の酸化型のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものが好ましい。例えば、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、金属ロジウム、金属ルテニウム、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
また、両電極間に封入する電解質(レドックス電解質)32としては、としては、I/I 系や、Br/Br 系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このような電解質32は、従来公知の方法によって得ることができる。また、電解質32は、液体電解質又はこれを高分子物質中に含有させた固体高分子電解質であってもよい。
この色素増感型太陽電池100の製造方法について、以下に説明する。まず、金属酸化物半導体膜20の形成には、気相成膜法(真空成膜法)、物理蒸着法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、マグネトロンスパッタリング法、CVD法等の公知の薄膜形成法を用いることができる。
次いで、透明電極基板1上の金属酸化物半導体膜20の表面に、分光増感色素21を単分子膜として吸着させる。この単分子膜を形成するには、分光増感色素21を有機溶媒に溶解した溶液中に、常温又は加熱下で金属酸化物半導体膜20を透明電極基板1と共に浸漬させればよい。
このようにして製造した色素増感型金属酸化物半導体電極30を用いて、色素増感型太陽電池100を作製する。色素増感型金属酸化物半導体電極30と対電極31とを封止剤により接合させ、両電極間に電解質32を封入して色素増感型太陽電池100とする。
色素増感型金属酸化物半導体電極30に、太陽光又は太陽光と同等な可視光を照射すると、分光増感色素21は可視領域の光を吸収して励起する。この励起によって発生する電子は金属酸化物半導体膜20に移動し、次いで、透明電極基板1を通って対電極31に移動する。対電極31に移動した電子は、電解質32中の酸化還元系を還元する。一方、金属酸化物半導体膜20に電子を移動させた分光増感色素21は、酸化体の状態になっているが、この酸化体は電解質32中の酸化還元系によって還元され、元の状態に戻る。このようにして、電子が流れ、色素増感型金属酸化物半導体電極30とその対電極31との間に電位差が生じ、両極間に電流が流れるようになる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
[実施例1]
〈透明電極基板の作製〉
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、厚さ12μmの銅箔をポリエステル−ポリウレタン接着剤で貼合した。次いで、この銅箔をエッチングし、線幅20μm、線間隔250μmの格子状メッシュを作製した。
このメッシュの表面を化成処理し、表層を酸化銅とした。その後、ポリエステル樹脂をメイヤーバーで塗布し、さらに表面に溝のないバーでスキージし、メッシュの開口部にのみ樹脂が残るよう余分の樹脂を除去し、150℃で2分間熱硬化させて、格子状メッシュの開口部にポリエステル樹脂を埋め込んだ。
次いで、スパッタリング装置により、ITO(インジウム−スズ酸化物)セラミックターゲットを用い、不活性ガス雰囲気中で、スパッタリングを行い、ITO膜を100nm成膜した。
〈太陽電池の作製〉
この透明電極基板上に、スパッタリング装置により、金属チタンターゲットを用い、酸素ガスを導入して、スパッタリングを行い、酸化チタン膜を300nm成膜した。
次いで、分光増感色素として(シス−ジ(チオシアナト)−N,N−ビス(2,2’−ビピリジル−4−カルボキシレート−4’−テトラアンモニウムカルボキシレート)ルテニウム(II)を用い、これをエタノールに溶解した溶液(1×10−4モル/L)に、上記透明電極基板を室温で24時間浸漬し、色素増感型金属酸化物半導体電極を作製した。この時、分光増感色素の吸着量は、酸化チタン膜の比表面積1cmあたり10μgであった。
この色素増感型金属酸化物半導体電極を一方の電極として備え、対電極として、フッ素をドープした酸化スズをコートし、さらにその上に白金を担持した透明導電性ガラス板を用いた。2つの電極の間に電解質を入れ、この側面を樹脂で封入した後、リード線を取付けて、本発明の色素増感型太陽電池を作製した。
上記電解質には、アセトニトリルの溶媒に、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、ヨウ素及びt−ブチルピリジンを、各々の濃度が0.1モル/L、0.3モル/L、0.05モル/L、0.5モル/Lとなるように溶解したものを用いた。
〈評価方法〉
得られた透明電極基板の全光線透過率および表面抵抗値を測定した。全光線透過率(%)は、JIS K 7361の測定法に従って測定した。また、表面抵抗値(Ω/□)は、JIS K 7194の測定法に従って測定した。さらに、得られた透明電極基板を直径100mmφの丸棒に巻き付け、通電テストを行って、耐屈曲性を評価した。丸棒に巻き付けていない状態と同様の通電が得られた場合を良好(○)とし、同様の通電が得られない場合を不良(×)とした。
また、得られた太陽電池に、ソーラーシュミレーターで100W/mの強度の光を照射した。100時間経過後の変化を10倍ルーペで目視観察し、耐久性の評価を行った。電極部に溶解を生じなかった場合を良好(○)とし、生じた場合を不良(×)と評価した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2005332705
[実施例2]
実施例1と同様に、厚さ100μmのPETフィルム上に線幅20μm、線間隔250μmの銅よりなる格子状メッシュを作製し、このメッシュの表面を化成処理し、表層を酸化銅とした。その後、アクリレート系樹脂よりなる感光性樹脂組成物をメイヤーバーで塗布し、格子状メッシュの開口部が感光性樹脂組成物で埋まるよう積層した。
次にPETフィルム側より、格子状メッシュの開口部を介して感光性樹脂組成物に波長365nm,400mJの紫外線照射を行い、露光部の感光性樹脂組成物を硬化した。
格子状メッシュにより紫外線が遮られ未露光となった余分の感光性樹脂組成物を、アルカリ水溶液により除去し、格子状メッシュの開口部にのみ感光性樹脂組成物を埋め込んだ。
以下、実施例1と同様にITO膜の成膜、太陽電池の作製、透明電極基板及び太陽電池の評価を行った。
結果を表1に示す。
[実施例3]
厚さ100μmのPETフィルムに、固形分で1mg/mの硫化パラジウムのヒドロゾル液を塗布し、乾燥して物理現像核層を設けた。続いて、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造したハロゲン化銀乳剤層(塩化銀90モル%と臭化銀10モル%で、平均粒径が0.23μmになるように調製)を上記物理現像核層の上に塗布した。ハロゲン化銀乳剤層の銀(硝酸銀)/ゼラチンの質量比は1.5で、ハロゲン化銀量(硝酸銀に換算)が2g/mになるように塗布して感光層を作製した。
この感光層を水銀灯を光源とする明室用密着プリンターで格子状メッシュのパターンの透過原稿を介して露光し、続いて市販の銀錯塩拡散転写用現像液で、25℃で40秒間浸漬現像した後、ハロゲン化銀乳剤層を水洗除去して、線幅20μm、線間隔250μmの格子状メッシュの物理現像銀を形成した。
次いで、電解銅メッキ用処理液(硫酸銅75g/L、硫酸190g/L、塩素イオン50ppm)を用い、25℃で電流値3A/cmの条件で、この物理現像銀上に膜厚4μmの銅メッキを施した。
銅メッキの表面を化成処理し、表層を酸化銅とした。その上に、電解めっき法により、ルテニウムめっき膜を2μm施した。
次いで、ITOの微粒子(平均粒径20μm)を樹脂全体に対して80質量%添加したポリエステル樹脂を用いて、これを実施例1と同様に格子状メッシュの開口部に塗布し、次いで、この上に実施例1と同様にしてITO膜を100nm成膜した。
太陽電池の作製と、透明電極基板及び太陽電池の評価は、実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様にして、銅箔をエッチングし、PETフィルム上に銅の格子状メッシュを作製した。その後、黒化処理とポリエステル樹脂の塗布を行わずに、直接ITO膜を100nm成膜した。ITOの成膜方法は実施例1と同様に行った。
太陽電池の作製と、透明電極基板及び太陽電池の評価は、実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
実施例1〜3と比較例1とを比べると、透明電極基板の表面抵抗値は、いずれも0.1Ω/□以下であり、また、全光線透過率についても、いずれも70%以上であった。これらはいずれも太陽電池用の電極としては、充分低い抵抗値と高い透過率であった。
しかしながら、透明電極基板の耐屈曲性については、比較例1では、通電テストにおいて、電極の通電に変化があったのに対し、実施例1〜3では通電に変化は見られなかった。また、太陽電池としての耐久性については、比較例1では、24時間以内に電極部の溶解が観察されたのに対し、実施例1〜3では100時間経過後も電極部に変化は見られなかった。
以上の結果から、本発明の透明電極基板は、高透明、低抵抗であり、また、この基板を用いた色素増感型太陽電池は、耐久性が向上することが確認された。
第1の実施形態に係る透明電極基板の断面図である。 第1の実施形態に係る開口部を有する金属膜の平面図である。 第2の実施形態に係る透明電極基板の断面図である。 第3の実施形態に係る色素増感型太陽電池の断面図である。
符号の説明
1 透明電極基板
2 透明基材
3 金属銀
4 めっき金属層
5 透明樹脂膜
6 透明導電膜
10 金属膜
11 開口部
20 金属酸化物半導体膜
21 分光増感色素
30 色素増感型金属酸化物半導体電極
31 対電極
32 電解質
100 色素増感型太陽電池

Claims (14)

  1. 透明基材上に、開口部を有する金属膜が設けられ、少なくともこの開口部に透明樹脂膜が設けられ、この金属膜及び/又は透明樹脂膜上に透明導電膜が設けられたことを特徴とする透明電極基板。
  2. 前記透明樹脂膜が、前記開口部及び前記金属膜上に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の透明電極基板。
  3. 前記透明樹脂膜が、導電性樹脂組成物、耐ヨウ素性樹脂組成物、及び感光性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂組成物からなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明電極基板。
  4. 前記金属膜が、銀錯塩拡散転写現像法により物理現像された金属銀と、この金属銀を触媒核として、金属をめっきしためっき金属層とからなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明電極基板。
  5. 前記金属膜の表面に、導電性を有する金属及び/又は金属酸化物よりなる耐ヨウ素膜が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明電極基板。
  6. 前記金属膜が、格子状又はストライプ状に設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明電極基板。
  7. 前記金属膜が、厚さ15μm以下、線幅60μm以下であって、前記透明電極基板の全光線透過率が70%以上、表面抵抗が1Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明電極基板。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明電極基板を光入射側電極基板として構成した太陽電池。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明電極基板上に、分光増感色素担持金属酸化物半導体膜が設けられた色素増感型金属酸化物半導体電極と、この電極に対向して設けられた対電極と、両電極間に設けた電解質とからなる色素増感型太陽電池。
  10. 透明基材上に予め設けられた物理現像核層に、未露光のハロゲン化銀を物理現像処理により供給し、前記物理現像核層上に任意の細線パターンで金属銀を析出させた後、前記物理現像された金属銀を触媒核として金属をめっきし、前記金属銀上にめっき金属層を形成して、開口部を有する金属膜を作製し、次いで少なくともこの開口部に透明樹脂膜を形成した後、この金属膜及び/又は透明樹脂膜上に透明導電膜を形成することを特徴とする透明電極基板の製造方法。
  11. 透明基材上に、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層をこの順序で有する感光材料を露光し、物理現像処理により前記物理現像核層上に任意の細線パターンで金属銀を析出させ、次いで前記物理現像核層上に設けられた層を除去した後、前記物理現像された金属銀を触媒核として金属をめっきし、前記金属銀上にめっき金属層を形成して、前記開口部を有する金属膜を形成することを特徴とする請求項10に記載の透明電極基板の製造方法。
  12. 前記透明樹脂膜を、前記開口部及び前記金属膜上に形成することを特徴とする請求項10又は11に記載の透明電極基板の製造方法。
  13. 前記透明樹脂膜が、感光性樹脂組成物からなり、前記透明基材側より前記透明樹脂膜を露光した後、未露光の透明樹脂膜を除去することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の透明電極基板の製造方法。
  14. 透明基材上に、前記金属膜をストライプ状に設けた後、このストライプに沿って透明樹脂をコーティングすることにより、透明樹脂膜を形成することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の透明電極基板の製造方法。

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