JP2008111321A - 太陽電池付き建築板 - Google Patents

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誠史 岡山
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正樹 小林
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Abstract

【課題】建物の各所に使用することができて建物一つあたりの発電量を増加することができ、しかも、建物の意匠性を損なわないようにすることができ、さらに、色素増感型太陽電池の発電量を増加することができる太陽電池付き建築板を提供する。
【解決手段】建築板3の表面の明度を50以上とし、その表面側に色素増感型太陽電池4を設ける。建物の各所に外装材や内装材として使用することができ、建物の窓ガラスのみに色素増感型太陽電池4を用いる場合に比べて、建物一つあたりの色素増感型太陽電池4の使用量を増加することができる。色素増感型太陽電池4を透して建築板3の表面を視認することができる。建築板3の表面で光を反射しやすくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の外装材や内装材として用いる太陽電池付き建築板に関するものである。
従来より、建物の屋根に太陽電池を設けて太陽光発電が行われている。また、最近では、透明性を有する色素増感型太陽電池が開発されており、これを建物の窓ガラスに応用して太陽電池の使用量を増加して発電量を増やすことも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、窓ガラスは建物に占める割合が少なく、これに色素増感型太陽電池を適用しても発電量の大きな増加を期待することができなかった。また、色素増感型太陽電池自体のさらなる発電量の増加が望まれていた。
特開2001−320068号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、建物の各所に使用することができて建物一つあたりの発電量を増加することができ、しかも、建物の意匠性を損なわないようにすることができ、さらに、色素増感型太陽電池の発電量を増加することができる太陽電池付き建築板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る太陽電池付き建築板Aは、建築板3の表面の明度を50以上とし、その表面側に色素増感型太陽電池4を設けて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る太陽電池付き建築板Aは、請求項1において、基材1の表面に塗膜10を設けて建築板3を形成して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る太陽電池付き建築板Aは、請求項1又は2において、建築板3がセメントを主成分とする無機質硬化体からなり、少なくとも表面に着色材が配合された着色層3aを有して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る太陽電池付き建築板Aは、請求項2又は3において、塗膜10あるいは着色層3aに光輝材を含有して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る太陽電池付き建築板Aは、請求項1乃至4のいずれかにおいて、基材1の表面に凹凸柄5を設けて建築板3を形成して成ることを特徴とするものである。
請求項1に係る太陽電池付き建築板Aは、建物の各所に外装材や内装材として使用することができ、建物の窓ガラスのみに色素増感型太陽電池4を用いる場合に比べて、建物一つあたりの色素増感型太陽電池4の使用量を増加することができて発電量を増加することができるものである。しかも、色素増感型太陽電池4を透して建築板3の表面を視認することができ、建物の意匠性を損なわないようにすることができるものである。また、建築板3の表面が明度50以上であるために、建築板3の表面で光を反射しやすくすることができ、建築板3の表面で反射した光を色素増感型太陽電池4にその裏面から照射することができて色素増感型太陽電池4の発電量を増加することができるものである。
請求項2に係る太陽電池付き建築板Aは、表面の明度が50以上の建築板3を基材1の表面に設けた塗膜10で容易に形成することができ、建築板3の意匠性を高める塗膜10を利用して色素増感型太陽電池4の発電量を増加することができるものである。
請求項3に係る太陽電池付き建築板Aは、表面の明度が50以上の建築板3を着色材が配合された着色層3aで容易に形成することができ、建築板3の意匠性を高める着色層3aを利用して色素増感型太陽電池4の発電量を増加することができるものである。
請求項4に係る太陽電池付き建築板Aは、塗膜10あるいは着色層3aに含有した光輝材により建築板3の表面での光の反射効率を向上させることができ、色素増感型太陽電池4の発電量を増加することができるものである。
請求項5に係る太陽電池付き建築板Aは、凹凸柄5により建築板3の表面の面積を増加させることができ、建築板3の表面での光の反射効率を向上させることができて色素増感型太陽電池4の発電量を増加することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
建築板3は従来において外壁材(外壁パネル)などの外装材や内壁材(内壁パネル)などの内装材として用いられているものであって、表面に化粧2を施した板状の基材1を用いることができる。基材1としては、セメントを主成分とする窯業系基材(無機質硬化体)や樹脂を主成分とする樹脂系基材、木製基材などの各種材料で形成されたものを使用することができる。また、基材1の表面に凸部5aと凹部5bとからなる凹凸柄5を形成したり、基材1の表面にインクジェット塗装などにより多色あるいは単色の塗膜10(厚み0.1〜100μm程度)を形成したり、あるいは基材1自体に顔料等を配合して着色したりすることにより、基材1の表面に多様な化粧2を施すことができる。
本発明において、建築板3の表面の明度(L値)は色彩測定装置(例えば、コニカミノルタ製のCR−400)の測定で50以上とする。尚、この「L値」は「L*a*b*表色系」での値である。これよりも明度の値が小さいと、建築板3の表面での光の反射が少なくて色素増感型太陽電池4の発電量を増加しにくくなるものである。建築板3の表面の明度を50以上とするためには、例えば、化粧2が光を反射しやすい色であったり光を反射しやすい物質であったりすると、化粧2で反射された光が色素増感型太陽電池4に裏面から入力することになり、発電効率を高めることができる。従って、基材1や塗膜10を顔料の添加などにより白色系にすることにより建築板3の表面の明度を50以上として、基材1や塗膜10で色素増感型太陽電池4側へ光を反射しやすくすることができる。また、基材1や塗膜10にマイカなどの光輝材(反射材)を添加することにより、基材1や塗膜10で色素増感型太陽電池4側へ光を反射しやすくするのが好ましい。さらに、基材1の表面に凹凸柄5を形成することにより、光の反射面積が増大するために、色素増感型太陽電池4側へ光を反射しやすくなって好ましい。建築板3の表面の明度の上限は特に制限はないが、光の反射が大きいほど好ましいので、100である。また、基材1の下端には実部11が突設されていると共に基材1の上端には実受け部12が突設されている。
本発明の色素増感型太陽電池4は光電変換素子であって、図2に示すように、スペーサ29を介在させて対向配置された一対の透明基板20、21と、各透明基板20、21の対向面に配置される透明電極22、23と、透明電極22、23の間に充填される電解質層24と、一方の透明電極22(23)と電解質層24との間に配置される粒子膜26とを備えて形成することができる。
透明基板20、21としてはガラス板やプラスチック板、プラスチックフィルムなどを使用することができる。このプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等が挙げられる。透明電極22、23としては、フッ素をドープした酸化スズ膜(FTO)や酸化インジウムスズ膜(ITO)、金、銀、アルミニウム、インジウム、酸化スズなどを透明基板20、21に蒸着等することにより形成することができる。また、一方の透明電極22(又は23)の表面に白金や金などの金属層28を設けることができる。
電解質層24で使用される電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば、特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体及び還元体の形で存在する一対の物質である。このような酸化還元系構成物質自体は当業者に公知である。該酸化還元系構成物質は、例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられる。言うまでもなく、その他の酸化還元系構成物質も使用できる。中でも、ヨウ素化合物−ヨウ素が好ましく、ヨウ素化合物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅、ヨウ化銀ルビジウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム等のヨウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。また、電解質を溶解するために使用される溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解しイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒の何れも使用できるが、酸化還元系構成物質をより安定するため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ガンマーブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチルーテトラヒドラフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド等の非プロトン性極性化合物、水などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物が特に好ましい。電解質層24としては、液体、固体、もしくはゲル状電解質のいずれも使用することができる。電解質層24を形成する電解質溶液としては、エチレンカーボネートとアセトニトリルの混合溶液にヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素を溶解させたものなどを用いることができる。
粒子膜26はルテニウム錯体などの色素25を吸着させた酸化チタンなどの半導体微粒子27を充填することにより形成することができる。色素25としては上記の他に、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素である。その中でも、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素のような金属錯体色素は、高い量子収率を有し、光に対する耐久性がよいため、光電変換材料には適している。該金属錯体色素としては、銅、ニッケル、鉄、コバルト、バナジウム、スズ、けい素、チタン、ゲルマニウム、コバルト、亜鉛、ルテニウム、マグネシウム、アルミニウム、鉛、マンガン、インジウム、モリブデン、ジルコニウム、アンチモン、タングステン、白金、ビスマス、セレン、銀、カドミウム、白金などの金属が用いられる。この中でも、銅、チタン、亜鉛、アルミニウム、鉄、バナジウム、けい素等の金属錯体色素は高い量子効率を有する。半導体微粒子27としては上記の他に、例えば、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化カドミニウム、酸化インジウム、酸化鉛、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化銅、酸化水銀、酸化銀、酸化マンガン、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化ガリウム、酸化けい素、酸化クロムなどの如き金属酸化物類、SrTiO、CaTiOのようなペロブスカイト類、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化インジウム、硫化鉛、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化アンチモン、硫化ビスマス、硫化カドミニウム亜鉛、硫化銅などの如き金属硫化物類、CdSe、InSe、WSe、HgS、PbSe、CdTeの金属カルコゲナイド類、その他GaAs、Si、Se、Cd、Zn、InP、AgBr、PbI、HgI、BiIが挙げられる。また、前記半導体から選ばれる少なくとも一種以上を含む複合体も使用することができる。これらの中でも特に安価で性能に優れたアナターゼ型酸化チタン微粒子が好ましい。酸化チタンの商品名としては、例えば、AMT−600(テイカ株式会社製、商品名、アナターゼ型、平均粒子径30nm)、AMT−100(テイカ株式会社製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径6nm)、ST−01(石原テクノ製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径7nm)、ST−21(石原テクノ製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径20nm)、P−25(日本エアロジル株式会社製、商品名、ルチル・アナタース型結晶、1次平均粒径約30nm)などが挙げられる。半導体微粒子27の1次平均粒子径としては、例えば、1nm〜1000nm、15nm〜100nmの範囲である。半導体微粒子27の粒子径が1nmより小さいと、粒子膜26の空孔径が小さくなり、電解質溶液中の酸化還元物質の移動が困難になって、光変換後の電流値が低くなるので好ましくない。また、半導体微粒子27の1次平均粒子径が1000nmより大きくなると、粒子膜26の表面積が大きくないため、充分な増感色素の担持量を得ることができないので、光変換後の電流値が高くならないため好ましくない。半導体微粒子27への色素25の担持量としては、10−8〜10−6mol/cm、特に0.1〜9.0×10−7mol/cmが好ましい。また、粒子膜26の膜厚は0.01μm〜100μm、好ましくは1μm〜50μmの範囲である。
色素増感型太陽電池4は透明性を有し、その可視光透過率が20%以上であることが好ましい。色素増感型太陽電池4の可視光透過率が20%未満であれば、色素増感型太陽電池4を透して基材1の化粧2を視認することができず、本発明の太陽電池付き建築板Aを施工した場合に建物の外観などの意匠性が損なわれる。また、色素増感型太陽電池4の可視光透過率は基材1の化粧2を視認するためには高い方が好ましいが、あまりに高すぎると発電効率が低下するため、色素増感型太陽電池4の可視光透過率は80%を上限とするのが好ましい。ここで、色素増感型太陽電池4の可視光透過率が20%以上50%以下である場合は、色素増感型太陽電池4がすりガラスのような作用をするため、基材1の化粧2が滲んでぼけた(不鮮明な)状態に視認されるものであり、この化粧2のぼかし効果により、本発明の太陽電池付き建築板Aを施工した場合に建物の意匠性の向上を図ることができる。また、色素増感型太陽電池4の可視光透過率が50%よりも大きい場合は、色素増感型太陽電池4を透しても基材1の化粧2をはっきりと鮮明に視認することができ、これにより、化粧2に深み感を得ることができて、本発明の太陽電池付き建築板Aを施工した場合に建物の意匠性の向上を図ることができるものである。尚、本発明において可視光透過率は、UV−VIS分光光度計などを用いて測定することができる。
そして、上記の建築板3の表面側(明度が50以上の表面側)に色素増感型太陽電池4を配設することによって、図1に示すような本発明の太陽電池付き建築板Aを形成することができる。建築板3の表面側に色素増感型太陽電池4を配設するにあたっては、各種の方法を採用することができ、例えば、建築板3の表面に色素増感型太陽電池4を接着剤により接着したり、建築板3に色素増感型太陽電池4をビスやネジなどで固定したり、建築板3の表面に枠材や係止金具を設けてこの枠材や係止金具に色素増感型太陽電池4を保持させたりすることができる。ここで、基材1の表面に塗膜10が形成されている場合は、塗膜10の表面に色素増感型太陽電池4を密着させて設けることができ、基材1の表面に塗膜10が形成されていない場合は、基材1の表面に色素増感型太陽電池4を密着させて設けることができる。尚、色素増感型太陽電池4は塗膜10や基材1の表面に密着させる場合だけでなく、若干の隙間を設けても良い。
本発明の太陽電池付き建築板Aは、例えば、実受け部12の表面側に実部11を配置して、複数枚の太陽電池付き建築板A、A…を縦横に並べて施工することによって、建物の外壁や内壁などの壁を形成することができる。そして、この壁の表面には色素増感型太陽電池4が設けられているために、色素増感型太陽電池4に太陽光や照明の光などが照射されることにより発電することができる。従って、従来の建物のように屋根のみに太陽電池を配置した場合や窓ガラスに色素増感型太陽電池を配置した場合よりも、建物一つあたりの色素増感型太陽電池4の使用量を増加することができて発電量を増加することができる。また、色素増感型太陽電池4を透して基材1の表面の化粧2が浮き出て視認することができ、建物の意匠性を損なわないようにすることができるものであり、外壁材として用いても違和感がないものである。
そして、本発明の太陽電池付き建築板Aでは、建築板3の表面の明度が50以上であるために、基材1や化粧2(塗膜10や凹凸柄5)で反射された光を色素増感型太陽電池4に裏面から照射しやすくなって、色素増感型太陽電池4の発電量を増加することができるものである。
図3に他の実施の形態を示す。この太陽電池付き建築板Aの建築板3は上記と同様のセメントを主成分とする無機質硬化体からなる窯業系の基材1であって、着色材が配合された着色層3aを化粧2として基層3bの表面に有して形成されている。着色層3aは建築板3の表面を形成するものであり、この表面の明度を50以上としている。基層3bにはセメントの他に、パルプなどの補強繊維や珪石などの骨材が含有されている。着色層3aにはセメントの他に、顔料等の着色材と、パルプなどの補強繊維や珪石などの骨材が含有されている。そして、着色層3aの表面側に上記と同様にして色素増感型太陽電池4を配設することによって、本発明の太陽電池付き建築板Aを形成することができる。この太陽電池付き建築板Aにあっても、上記図1に示すものと同様の効果を有するものである。尚、着色層3aの表面に上記と同様の塗膜10を形成しても良い。また、着色層3aにマイカ等の光輝材を含有させても良い。
本発明において、色素増感型太陽電池4で発電された電力は、例えば、外灯、街灯、防犯灯、装飾用ランプあるいは屋根換気システムの補助電源として使用することができる。また、本発明の太陽電池付き建築板Aは、外壁材として用いるだけでなく、屋根材や床材あるいは幕板、雨樋などの建築部材として用いることができる。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
建築板3としては、クボタ松下電工外装(株)製の製品名「キャストストライプ」を用いた。この建築板3は従来から外壁材として使用されているものであって、セメントを主成分とする窯業系の基材1の表面に凹凸柄5と塗膜10とからなる化粧2を形成したものである。この建築板3の表面の色の明度(L値)は、色彩測定装置(コニカミノルタ製のCR−400)での測定で50であった。
色素増感型太陽電池4は以下のようにして作成した。透明電極22、23を有する透明基板20、21としては導電性ガラス板(日本板硝子製のFTOガラス、10Ω、サイズ100×100mm)を用いた。酸化チタンペーストとしては、Soralonix SA Ti-Nanoxide T (ソーラロニクス社製)を用いた。色素溶液としては、ルテニウム錯体[RuL2(NCS)2,L=4,4'-dicarboxy-2,2'bipyridine]のアセトニトリル/t−ブタノール50/50vol%溶液を用いた。電解質層24を形成する電解質溶液としては、溶質がLiI(0.1M)とI(0.05M)と4-tertiary-butylpyridine(0.5M)とDMPII(0.6M)であり(括弧内はモル数)、溶媒が3−メトキシプロピオンニトリルであるものを用いた。そして、まず、酸化チタンペーストを導電性ガラス板の表面にスクリーン印刷法又はスキージ法にて塗布する(酸化チタンの膜厚5〜10μm)。次に、酸化チタンペーストを塗布した導電性ガラス板を電気炉にて500℃×1.5時間焼成する。次に、この焼成した導電性ガラス板を室温まで冷却する。次に、この冷却した導電性ガラス板をルテニウム色素溶液に24時間浸漬し、導電性ガラス板の酸化チタン膜(粒子膜26)上に色素(ルテニウム錯体)25を吸着させた(ガラス板1という)。次に、上記とは異なる他の導電性ガラス板の表面に白金を蒸着させると共にこれに予め電解質溶液を注入するための孔を形成し、これを対極として準備した(ガラス板2という)。次に、ガラス板1とガラス板2とを接着し、この接着後、上記孔から電解質溶液を注入し、この後、孔を接着剤で封止した。この色素増感型太陽電池4の光透過率は60%であった。そして、上記建築板3の塗膜10の表面に上記の色素増感型太陽電池4の透明基板21の表面を接着剤により接着することにより本発明の太陽電池付き建築板Aを形成した。
(実施例2)
塗膜10の白顔料(TiO)の配合比率を増やすことにより、建築板3の表面の色の明度(L値)を70とした以外は実施例1と同様にして太陽電池付き建築板Aを形成した。
(実施例3)
塗膜10の白顔料(TiO)の配合比率を増やすことにより、建築板3の表面の色の明度(L値)を80とした以外は実施例1と同様にして太陽電池付き建築板Aを形成した。
(実施例4)
塗膜10の白顔料(TiO)の配合比率を増やすことにより、建築板3の表面の色の明度(L値)を90とした以外は実施例1と同様にして太陽電池付き建築板Aを形成した。
(実施例5)
建築板3の表面の塗膜10として、光輝材のマイカを塗膜10の全量に対して10重量%含有している点を除いて実施例1と同様にして太陽電池付き建築板Aを形成した。この建築板3の表面の色の明度(L値)は70であった。
(実施例6)
建築板3として、基層3bとその表面に設けた着色層3aとからなる無機質硬化体(窯業系基材)を用いた。基層3bはセメント40重量部、パルプ20重量部、珪石粉40重量部を含有するセメント組成物を硬化させたものである。着色層3aはセメント36重量部、パルプ18重量部、珪石粉36重量部、白色の顔料(着色材)5重量部、マイカ(光輝材)5重量部を含有するセメント組成物を硬化させたものである。この建築板3の着色層3aの表面の明度は60であった。そして、建築板3の着色層3aの表面に実施例1と同様にして色素増感型太陽電池4を接着剤により接着することにより本発明の太陽電池付き建築板Aを形成した。
(実施例7)
建築板3として、凹凸柄5を形成せずに平坦な表面を有するものを用いた以外は実施例1と同様にして本発明の太陽電池付き建築板Aを形成した。
(比較例1)
塗膜10の白顔料(TiO)の配合比率を減らすことにより、建築板3の表面の色の明度(L値)を40とした以外は実施例1と同様にして太陽電池付き建築板Aを形成した。
上記の実施例1〜7及び比較例1において、色素増感型太陽電池を透して建築板3の化粧2を見たときの外観の意匠性を評価した。意匠性の評価の基準は、建築板3の化粧2の柄や色が鮮明に視認できるものを○と、建築板3の化粧2の柄や色が鮮明に視認できないものを×と評価した。また、実施例1〜7及び比較例1において、照射光量100mW/cmの光を色素増感型太陽電池4に照射したときの発電量(W)を測定した。また、実施例1〜7及び比較例1において、光電交換効率のアップを評価した。光電交換効率は、100W/mの照射光(A.M.(エア.マス)1.5)を照射したときのエネルギー変換率を評価した。ソーラーシミュレーターはキセノン分光器用光源(山下電装製)を使用した。そして、色素増感型太陽電池4のみでの光電交換効率に比較して10%以上効率がアップしたものを○と、10%未満で効率がアップしたものを×と評価した。さらに、実施例1〜7及び比較例1において、建築板3の表面の可視光反射率を紫外可視分光光度計により測定した(UV−VIS測定)。結果を表1に示す。尚、比較のため、実施例1において、色素増感型太陽電池4を用いなかったもの(すなわち建築板3のみ)と、建築板3を用いなかったもの(すなわち色素増感型太陽電池4のみ)とを比較例2、3として併せて評価した。結果を表1に示す。
Figure 2008111321
本発明の太陽電池付き建築板の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池付き建築板の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
符号の説明
A 太陽電池付き建築板
1 基材
3 建築板
3a 着色層
4 色素増感型太陽電池
5 凹凸柄
10 塗膜

Claims (5)

  1. 建築板の表面の明度を50以上とし、その表面側に色素増感型太陽電池を設けて成ることを特徴とする太陽電池付き建築板。
  2. 基材の表面に塗膜を設けて建築板を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池付き建築板。
  3. 建築板がセメントを主成分とする無機質硬化体からなり、少なくとも表面に着色材が配合された着色層を有して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池付き建築板。
  4. 塗膜あるいは着色層に光輝材を含有して成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の太陽電池付き建築板。
  5. 基材の表面に凹凸柄を設けて建築板を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の太陽電池付き建築板。
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