JP2000289179A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2000289179A
JP2000289179A JP11105297A JP10529799A JP2000289179A JP 2000289179 A JP2000289179 A JP 2000289179A JP 11105297 A JP11105297 A JP 11105297A JP 10529799 A JP10529799 A JP 10529799A JP 2000289179 A JP2000289179 A JP 2000289179A
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JP11105297A
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Seiji Sano
誠治 佐野
Yuji Takahashi
勇司 高橋
Yukio Suzuki
幸雄 鈴木
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色彩絵柄の変化と調和した立体形状の変化を有
してなり、変化に富んだ複雑な立体的意匠感を有する化
粧材を提供する。 【解決手段】基材の表面を、互いに表面組織構造の異な
る複数種類からなる領域に、目地状凹部等にて区画し、
当該各領域には、その表面組織構造によって異なる絵柄
を、転写法等によって設けて、化粧材を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として建築物の
内外装用として使用される化粧材に関するものである。
なお、本発明の化粧材は、例えばバスユニットパネル、
キッチンバックパネル、外壁パネル等、建築壁面用の化
粧板として特に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記用途の化粧材としては、
木質系又は無機質系等の基材の表面に、例えばグラビア
オフセット印刷又はスクリーン印刷等によるダイレクト
印刷や、印刷紙又は印刷フィルムのラミネート、転写、
骨材散布、スパッタ塗装又はインクジェット塗装等の各
種の手法によって、適宜の所望の絵柄を設けてなる化粧
板類が、広く一般的に使用されている。
【0003】これらの化粧板は一般的には、表面が平滑
な又は微細凹凸を有する平板状の基材の表面全面に、木
目柄又は石目柄等の一様な絵柄を連続的に設けたものが
多かったので、意匠的に単調であるという問題点があっ
た。また、例えば目地を有する煉瓦積み調や石積み調、
タイル貼り調等の絵柄を設けたものもあったが、平面上
の色彩による絵柄表現では立体感に乏しいという問題点
もあった。
【0004】そこで、基材の表面に目地状の凹部を刻設
し、該凹部を除く凸部平面上にのみ煉瓦調等の絵柄を転
写形成することによって、本物の煉瓦積み壁面に近い立
体的な意匠効果を達成する手法も提案されている(特公
昭60−59876号公報参照)。しかし、この手法に
よれば、凸部平面上の絵柄は化粧材全体に亘って同一種
類の絵柄(例えば煉瓦の表面模様)であるから、異なる
種類の煉瓦や石材等を組み合わせて積み重ねた壁面の様
な変化に富んだ意匠効果を達成することができない。
【0005】一方、互いに異なる絵柄を有する複数種類
の転写シートを併用することによって、1枚の基板の表
面に場所によって異なる絵柄を転写形成する手法も提案
されている(特開昭61−68299号公報参照)。し
かし、この手法によっても、凸部平面上の表面形状(表
面組織構造)が同一であるために、場所によって色彩に
よる絵柄を異ならせても立体的な意匠感の変化が不十分
であり、単調感を完全に拭い去れるものではないという
問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上述した様な問題点を解決しようとしてなされ
たものであって、その目的とするところは、色彩絵柄の
変化と調和した立体形状の変化を有してなり、変化に富
んだ複雑な立体的意匠感を有する化粧材を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、基材
の表面が、互いに表面組織構造の異なる複数種類からな
る領域に区画されており、当該各領域には、その表面組
織構造によって異なる絵柄を有することを特徴とするも
のである。
【0008】また本発明の化粧材は、前記各領域が、目
地状の凹部によってブロック状に区画されていることを
特徴とするものである。
【0009】また本発明の化粧材は、前記絵柄が、転写
法、スパッタ塗装法、インクジェット塗装法、ロール塗
装法及び骨材散布法から選ばれる一種又は二種以上の手
法の組合せにより設けられてなることを特徴とするもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の化粧材の一例を示
す斜視図である。この様に、本発明の化粧材において
は、支持体である基材1の表面は、例えば表面組織構造
Aを有する領域A1、A2、A3及びA4と、表面組織構造
Bを有する領域B1及びB2という様に、互いに表面組織
構造の異なる複数種類A、Bからなる領域A1〜A4及び
1〜B2に区画されており、当該各領域には、例えば表
面組織構造Aを有する領域A1〜A4には絵柄a、表面組
織構造Bを有する領域B1〜B2には絵柄bという様に、
それぞれその表面組織構造によって異なる絵柄が施され
て構成されるものである。
【0011】なお、本発明において表面組織構造とは、
表面の立体的形状の特徴とでもいう様な意味であって、
その意味では肌理、テクスチャー(texture)等と同義語
であると言える。そして、ある二つの領域の表面組織構
造が異なるとは、表面の立体的形状の高低差、空間周波
数、方向性、規則性、対称性等の種々の特徴の内の少な
くとも一つ以上が、それぞれの一つの領域の内部におけ
るばらつきの範囲を越えて、二つの領域の間で著しく異
なっていることを意味する。
【0012】本発明において、各領域の表面組織構造
A、Bの種類や、絵柄a、bの種類に関しては、一切制
限はなく、それぞれ目的の化粧材の用途や消費者の嗜好
等に応じて、所望の表面組織構造や絵柄を適宜組み合わ
せて採用することができる。例えば、表面組織構造Aを
フラット状、表面組織構造Bを煉瓦の表面凹凸形状と
し、絵柄aを御影石等の石材の研磨面の色彩模様、絵柄
bを煉瓦の表面の色彩模様とする等の応用が考えられ
る。なお、表面組織構造や絵柄の種類はそれぞれ2種類
に限定されるものではなく、3種類以上であっても良い
ことは言うまでもない。
【0013】また、本発明の化粧材は、同一の表面組織
構造を有する領域には全てに同一の絵柄が施されること
を必須要件とするものでは必ずしもなく、例えば上記の
例において、表面組織構造Aを有する領域A1〜A4
内、領域A1及びA4には絵柄a 1、領域A2及びA3には
絵柄a2という様に、同一の表面組織構造を有する領域
を更に幾つかの群に細分化し、各群毎にそれぞれ異なる
絵柄を施すことも可能である。
【0014】上記各領域A1〜A4及びB1〜B2は、それ
ぞれ互いに密接に隣接して設けられていても良いが、例
えば前述した煉瓦積み調や石積み調、タイル貼り調等の
化粧材にあっては、各領域の境界部分に目地状の凹部1
1を設けることによって、それぞれの本物に近い立体的
外観を得ることもできる。
【0015】本発明の化粧材において、基材1の材質に
は特に制限はなく、例えば木材単板、合板、集成材、パ
ーティクルボード又は中密度繊維板等の木質系基材や、
アクリル板、ポリカーボネート板、ABS樹脂板、スチ
ロール樹脂板、ポリ塩化ビニル樹脂板又はFRP板(繊
維強化プラスチック板)等の合成樹脂板、鋼板、真鍮
板、アルミニウム板又はステンレス板等の金属板、石膏
板、スレート板、珪酸カルシウム板、石綿セメント板、
木毛セメント板又は軽量気泡コンクリート板等の無機質
板等の中から、目的の用途に応じ適宜選択して採用する
ことができる。
【0016】基材1の表面に前述の様な表面組織構造や
目地状の凹部11等の立体的形状を付与する方法には特
に制限はなく、例えば型プレス法、ロールエンボス法又
は注型成形法等の型押し法や、ルーター加工法又はサン
ドブラスト法等の切削法、レーザー加工法、化学エッチ
ング法、感光性樹脂法等、従来公知の任意の表面加工技
術の中から基材1の材質に適した方法を適宜選択して採
用することができる。
【0017】絵柄a、bの形成方法にも特に制限はな
く、例えばグラビアオフセット印刷又はスクリーン印刷
等によるダイレクト印刷法や、印刷紙又は印刷フィルム
を使用したラミネート法、転写シートを使用した転写
法、骨材散布法、スパッタ塗装又はインクジェット塗装
等の各種塗装法等、従来公知の各種の手法の中から一種
又は二種以上を適宜選択して実施することができる。
【0018】但し、上記した各種の手法の内、ダイレク
ト印刷法やラミネート法によると、基材の表面を区画し
た各領域に正確に同調させてそれぞれの領域に対応する
絵柄を施すことは、一般的にはやや困難が多い。従っ
て、基材の表面の各領域に絵柄を形成する方法として
は、転写シートを使用した転写法を採用することが最も
好ましい。
【0019】本発明において上記転写法は、具体的には
以下の様にして実施することができる。すなわち、まず
基材1の表面の表面組織構造Aを有する領域A1〜A4
施すべき絵柄aを転写層32a中に有する転写シート3
aと、表面組織構造Bを有する領域B1〜B2に施すべき
絵柄bを転写層32b中に有する転写シート3bとを、
それぞれ別途用意しておく。
【0020】次に、転写シート3bから、絵付すべき各
領域B1、B2に相当する形状に裁断した切片3b1、3
2を切り出し、該切片3b1、3b2をそれぞれが相当
する基材1上の領域B1、B2の上に載置する(図2
(a))。なお、もう一方の転写シート3aについて
は、これも絵付すべき各領域A1〜A4に相当する形状に
裁断しても良いのであるが、裁断しない大面積のまま、
既に基材1上に載置された前記転写シート3bの切片3
1、3b2の上から基材1の全面を覆う様に載置しても
良い(図2(b))。
【0021】しかる後、転写シート3a、3bを基材1
上の各領域の表面組織構造A、Bの有する立体的形状に
沿って密着させる(図2(c))。この時の密着の方法
としては、例えば弾性体ロール等の弾性体を介して押圧
する方法(特公昭60−59876号公報参照)や、流
体の圧力差を利用する方法(真空成形法又は圧空成形
法)(特開昭61−68299号公報参照)、固体粒子
の衝突による圧力を利用する方法(特許第284452
4号公報参照)等、従来公知の種々の方法の中から適宜
選択すれば良い。
【0022】なお、表面組織構造A、Bの凹凸が大きい
場合には、転写シート3a、3bの支持体シート31
a、31bとして、凹凸に十分追従して変形することの
できる弾性体製のシートか、若しくは熱により可塑化し
て凹凸に追従変形可能な熱可塑性樹脂製のシートを使用
することによって、表面組織構造A、Bの表面立体形状
に沿って絵柄a、bを転写形成することができる。ま
た、目地状の凹部11の内部に絵柄a、bを転写形成す
るか否かは所望により自由であるが、これは転写シート
3a、3bの支持体シート31a、31bの変形性と賦
課される圧力との兼ね合いによって制御することができ
る。
【0023】また、複数種類の表面組織構造A、Bの
内、一部の表面組織構造、例えばB、の凹凸は大きい
が、他の表面組織構造、例えばA、は殆ど平滑である場
合には、凹凸に追従して変形可能な転写シートは、少な
くとも凹凸の大きい表面組織構造Bを有する領域B1
2への転写用の転写シート3bの支持体シート31b
を、凹凸に追従して変形可能なシート材料から構成すれ
ば十分であり、他の転写シート3aの支持体シート31
aは、それより変形性に劣る安価なシート材料を使用す
ることによって、目的の化粧材の製造原価の低減を図る
こともできる。
【0024】この様にして転写シート3a、3bの転写
層32a、32bを基材1の表面に密着させた後、各転
写シート3a、3bの支持体シート31a、32aを剥
離除去すると、基材1上の表面組織構造Bを有する領域
1、B2上に重ねられた部分における絵柄aを有する転
写シート3aの転写層32aは、その下にあった絵柄b
を有する転写シート3bの支持体シート31bと共に剥
離除去される結果、基材1の表面の表面組織構造Aを有
する領域A1〜A4上には絵柄aを有する転写層32a
が、一方表面組織構造Bを有する領域B1、B2上には絵
柄bを有する転写層32bが、それぞれ選択的に積層形
成される(図2(d))。
【0025】この様にして、基材1の表面が、複数種類
の互いに異なる表面組織構造A、Bを有する領域A1
4、B1〜B2に区画されており、当該各領域A1
4、B1〜B2には、その表面組織構造A、Bによって
異なる絵柄a、bを有する化粧材が完成する訳である。
【0026】本発明の化粧材の製造に使用する転写シー
ト3a、3bの具体的構成は、基本的に従来より各種の
化粧材の製造に使用されているものと同様であり、特に
制限はない。支持体シート31a、31bとしては、例
えばポリ塩化ビニル樹脂シート、アクリル系樹脂シー
ト、スチレン系樹脂シート、ポリエチレン又はポリプロ
ピレン等のオレフィン系樹脂シート、ナイロン等のポリ
アミド系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル系樹脂シート等の熱可塑性樹脂シートやそ
の2種以上の積層シート、又はこれらの熱可塑性樹脂シ
ートと紙又は金属箔等との複合シート等が用いられる。
また、その転写層32a、32b側の面には、必要に応
じてオレフィン系樹脂やフッ素化合物、シリコーン化合
物等による離型処理が施されていても良い。
【0027】転写層32a、32bは、通常は適宜の印
刷法又はコーティング法によって上記支持体シート31
a、31bの片面に剥離可能に設けられる層であり、基
材1の表面に施すべき絵柄a、bを少なくとも含んで構
成される。絵柄a、bの材質には特に制限はなく、従来
公知の任意の印刷インキやコーティング剤等から適宜選
択して使用することができるが、用途の性格上、耐候性
に優れたバインダー樹脂や顔料を選択する必要がある。
また、絵柄a、bが支持体シート31a、31bの表面
上に直接に設けられる場合には、支持体シート31a、
31bとの剥離性も考慮する必要がある。
【0028】また、転写層32a、32bには絵柄a、
bの他、必要に応じて他の層を併せて設けることもでき
る。例えば、支持体シート31a、31bからの剥離性
を確保する為の剥離層や、転写後の表面に耐磨耗性や耐
溶剤性等の物性を付与する為の熱硬化性樹脂又は電離放
射線硬化性樹脂等からなる表面保護層等を、絵柄a、b
よりも支持体シート31a、31b側に設けたり、基材
1への接着性を確保するための接着剤層を、絵柄a、b
の支持体シート31a、31bとは反対側に設ける等し
て、多層構成の転写層32a、32bとすることもでき
る。
【0029】また、接着剤層は、転写シート3a、3b
の転写層32a、32bの一部として設けておく替わり
に、転写工程に先立って基材1の表面に設けておくこと
もできる。勿論、両者を併用することも可能である。接
着剤の種類には特に制限はなく、例えばアクリル系接着
剤、1液又は2液ウレタン系接着剤、エポキシ系接着
剤、酢酸ビニル系接着剤、反応型又は非反応型ホットメ
ルト接着剤等の従来公知の各種の接着剤の中から適宜選
択すれば良い。
【0030】また、上記表面保護層は、転写層32a、
32bの一部として絵柄a、bと同時に基材1上に転写
する替わりに、絵柄a、bの転写後に該転写層32a、
32bを含む基材1上の全面に又は部分的に塗装又は転
写等の任意の手法により積層形成することもできる。係
る表面保護層としては、例えばアクリル系樹脂、アクリ
ル−ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹
脂、シリコーン系樹脂、アクリル−シリコーン系樹脂、
イソシアネート硬化型フッ素系樹脂等の熱硬化性樹脂
や、(メタ)アクリレート系樹脂等の電離放射線硬化型
樹脂、金属アルコキシド系等の無機系塗料等を好適に使
用することができる。
【0031】上記した転写法によると、転写シート3
a、3bの絵柄a、bは主として印刷法によって形成さ
れる関係上、絵柄a、bは本質的に繰り返し(エンドレ
ス)模様であるので、特に建築物の外装壁面等の様に大
面積の化粧材にあっては、意匠上の単調感を拭い切れな
い場合もある。この様な場合には、基材1上の絵柄a、
bをスパッタ塗装法、インクジェット塗装法、ロール塗
装法又は骨材散布法によって設けると非常に効果的であ
る。
【0032】すなわち、スパッタ塗装法やインクジェッ
ト塗装法にあっては、基材1の表面に塗料を直接、機械
的又は電気的な制御によって吐出する塗装法であるか
ら、塗料の吐出のタイミングに乱数的な要素を加えた
り、通常の印刷機の有効面積を遥かに越える大面積の単
位の絵柄を設定したりすることによって、前述した様な
絵柄の単調感を容易に解消することができる。
【0033】また、ロール塗装法は、柔軟なゴム等から
なる円筒状のロールの表面に塗料を付着させ、これを基
材1上で転動させることによって基材1の表面に塗料を
付着させる方法であって、ロールの硬度や押圧力を適宜
設定することによって、基材1の表面凹凸の所望の高さ
以上の部分に塗料を付着させ、表面組織構造によって異
なる単調感のない装飾効果を容易に得ることができる。
勿論、凹凸の深さやロールの硬度、押圧力等の条件によ
っては全面塗装も可能であるし、模様状の凸部を有する
ロールを使用して所望の模様状に塗装を施すことも可能
である。
【0034】また、骨材散布法は、平均粒径が数十μm
乃至数mm程度の細粒状の合成樹脂粒子又は無機質粒子
等からなる骨材を基材1の表面に散布する方法であっ
て、本質的にランダム的な装飾方法であるから、単調感
のない装飾効果を容易に得ることができる。また、基材
1の表面上に骨材による凹凸が加味され、更に優れた立
体的な意匠効果が得られるという利点もある。
【0035】これらの方法によって基材1の表面の各領
域に選択的に絵柄を形成する方法としては、スパッタ塗
装法やインクジェット塗装法にあっては機械的又は電気
的な塗料の吐出制御によっても良いし、予め基材1の表
面の塗装したくない領域に適宜のシート状の材料からな
る遮蔽材を設置して塗装を行う方法によることもでき
る。骨材散布法にあっては、基材1の表面の骨材を散布
したい領域にのみ予め接着剤を塗布してから骨材を散布
するか、又は前述の様な遮蔽材を設置する方法によるの
が一般的である。
【0036】なお、スパッタ塗装法やインクジェット塗
装法、ロール塗装法、骨材散布法等による絵柄は、立体
感や変化に富む点では優れるが、色彩の鮮明性や緻密性
等の観点では通常の印刷に必ずしも及ばない。そこで、
これらから選ばれる一種以上を、前述した転写法と併用
すると、色彩豊かで変化に富み、しかも立体感溢れる優
れた意匠効果を有する化粧材を容易に実現することがで
きる。
【0037】
【実施例】以下に本発明の化粧材の具体的な実施例を示
し、本発明をより詳細に説明する。
【0038】<実施例1>まず、厚さ100μmのポリ
塩化ビニル樹脂フィルムを支持体シートとしてその片面
に、酢酸ビニル樹脂系のグラビア印刷インキを使用し
て、グラビア印刷法により煉瓦調の絵柄模様を印刷し
て、第1の転写シートを作製した。一方、厚さ150μ
mのポリエチレンラミネート紙を支持体シートとしてそ
のポリエチレンラミネート面に、上記と同じ酢酸ビニル
樹脂系のグラビア印刷インキを使用して、グラビア印刷
法により御影石調の絵柄模様を印刷して、第2の転写シ
ートを作製した。
【0039】梨地調エンボスが施された領域と表面平滑
な領域とが目地状の凹部を介して平面上に多数配列され
た構成の表面形状を有するFRP製基材の表面を脱脂処
理後、エポキシ樹脂系プライマーを乾燥後の塗布量20
g/m2に塗布、乾燥した。次いで、該基材の梨地調エ
ンボスが施された領域に、予め当該領域の形状に裁断し
た上記第1の転写シートを、その印刷面を基材側に向け
て載置し、更に、基材の表面全面に被さる様に、上記第
2の転写シートを、その印刷面を基材側に向けて載置し
た。
【0040】そして、硬度60度のシリコーンゴム製弾
性体ロールを使用して、ロール表面温度200℃、線圧
15kgf/cm、速度5m/minの条件で熱ロール
プレスを行った後、各転写シートの支持体シートを剥離
除去したところ、梨地調エンボスが施された領域には煉
瓦調の絵柄模様が、一方表面平滑な領域には御影石調の
絵柄模様が、それぞれ転写形成された。
【0041】最後に、全面に透明なアクリル−ウレタン
系樹脂塗料をエアレススプレー法にて乾燥後の塗布量1
00g/m2に塗布、乾燥硬化して表面保護層を設け、
本発明の化粧材を完成した。
【0042】<実施例2>上記実施例1において、各転
写シートの支持体シートを剥離除去した後、基材全体を
覆う面積の合成樹脂シートの、基材の梨地調エンボスが
施された領域に相当する部分をくり抜いた遮蔽用シート
を、基材の表面に見当を合わせて載置し、基材の梨地調
エンボスが施された領域に接着剤をスプレー塗布後、平
均粒径300μmの不定形着色アクリル樹脂粒を散布し
て接着させ、遮蔽用シートを除去後、実施例1と同一の
要領にて表面保護層を形成して、本発明の化粧材を完成
した。
【0043】<実施例3>上記実施例1において、各転
写シートの支持体シートを剥離除去した後、基材の梨地
調エンボスが施された領域に、2液ウレタン樹脂系塗料
を使用して、直径が平均0.1mmとなる様にランダム
なスパッタ塗装を施し、しかる後、実施例1と同一の要
領にて表面保護層を形成して、本発明の化粧材を完成し
た。
【0044】<実施例4>梨地調エンボスが施された領
域と表面平滑な領域とが目地状の凹部を介して平面上に
多数配列された構成の表面形状を有するスラグセメント
板を基材とし、湿気硬化型ウレタン系シーラー剤にて下
地処理後、梨地調エンボスが施された領域には砂岩調の
絵柄模様を、一方表面平滑な領域には大理石調の絵柄模
様を、それぞれインクジェット塗装法にて施し、更に全
面に透明な金属アルコキシド系無機塗料を塗装、硬化さ
せて表面保護層を形成し、本発明の化粧材を完成した。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
材は、基材の表面が互いに表面組織構造の異なる複数種
類からなる領域に区画されており、当該各領域には、そ
の表面組織構造によって異なる絵柄を有することによ
り、基材の表面に領域によって色彩模様と表面組織構造
(立体形状)とが共に異なる箇所が存在するので、色彩
的にも立体的にも、恰も相異なる材質を組み合わせて構
成したかの様な、変化に富み興趣感溢れる複雑な立体的
意匠感を得ることができるという優れた効果を奏するも
のである。
【0046】特に、前記各領域を目地状の凹部によって
ブロック状に区画した構成とすると、本物の煉瓦積みや
石積み、タイル貼り等を彷彿とさせる実物感溢れる立体
的な意匠効果を得ることができる。また特に、前記絵柄
を転写法、スパッタ塗装法、インクジェット塗装法、ロ
ール塗装法及び骨材散布法から選ばれる一種又は二種以
上の組合せによって形成することにより、色彩的にも立
体的にも実物と見紛う優れた意匠感を具備する化粧材を
容易に得ることができるという優れた効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態の一例を示す斜視
図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の化粧材の製造方法
の一例を工程順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 基材 11 目地状の凹部 A1〜A4 表面組織構造Aを有する領域 B1、B2 表面組織構造Bを有する領域 a、b 絵柄 3a、3b 転写シート 3b1、3b2 転写シート3bの切片 31a、31b 支持体シート 32a、32b 転写層
フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AB04 AB22 AB23 AB42 AB43 BA03 BA05 BA12 BB02 BB33 GA13X GA24X GA42X GB02X GB03X GB06X GB07X GB16X GB23X GB43X GB44X GB46X GB48X GB62X 4F100 AK04 AK15 AK22 AK25 AK25J AK51 AK51J AL01 AR00B AT00A BA02 BA03 CA24B CC00 DD05B DG10 EH46B EH71B EH76B GB08 HB00B HB11 HB31 JL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面が、互いに表面組織構造の異な
    る複数種類からなる領域に区画されており、当該各領域
    には、その表面組織構造によって異なる絵柄を有するこ
    とを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記各領域が、目地状の凹部によってブロ
    ック状に区画されていることを特徴とする請求項1に記
    載の化粧材。
  3. 【請求項3】前記絵柄が、転写法、スパッタ塗装法、イ
    ンクジェット塗装法、ロール塗装法及び骨材散布法から
    選ばれる一種又は二種以上の手法の組合せにより設けら
    れてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧
    材。
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