JP2979860B2 - 絵柄を有する窯業系外壁板およびその製造方法 - Google Patents
絵柄を有する窯業系外壁板およびその製造方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、絵柄を有する窯業系外
壁板およびその製造方法に関し、また表面のエンボス形
状と調和した絵柄を有する意匠性の高い窯業系外壁板を
効率よく製造する方法に関する。
壁板およびその製造方法に関し、また表面のエンボス形
状と調和した絵柄を有する意匠性の高い窯業系外壁板を
効率よく製造する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、住宅の外壁を施工する際にはモル
タル等を用いる湿式工法が主体であった。しかしなが
ら、近年の人手不足、働き手のいわゆる３Ｋ職場の回避
などから、工場内で生産した様々な外壁を現場で施工す
る乾式工法に移行しつつある。外壁の種類としては、そ
の材料として、金属や窯業系のものが用いられることが
多い。なかでも、窯業系外壁板はその物性が非常に優秀
であることから、その需要が急増している。その材質
は、具体的にはセメント系、珪酸カルシウム系、スラグ
系、炭酸マグネシウム系等があり、様々なタイプのもの
が市場にでている。そして、高級化、高意匠化の傾向と
共に、表面にエンボスを設けた製品が好まれるようにな
ってきた。
タル等を用いる湿式工法が主体であった。しかしなが
ら、近年の人手不足、働き手のいわゆる３Ｋ職場の回避
などから、工場内で生産した様々な外壁を現場で施工す
る乾式工法に移行しつつある。外壁の種類としては、そ
の材料として、金属や窯業系のものが用いられることが
多い。なかでも、窯業系外壁板はその物性が非常に優秀
であることから、その需要が急増している。その材質
は、具体的にはセメント系、珪酸カルシウム系、スラグ
系、炭酸マグネシウム系等があり、様々なタイプのもの
が市場にでている。そして、高級化、高意匠化の傾向と
共に、表面にエンボスを設けた製品が好まれるようにな
ってきた。
【０００３】しかしながら、窯業系外壁板はその性能を
最優先にして市場を拡大してきたため、そのカラーデザ
インや意匠性は立ち遅れているのが現状であり、色調と
しては従来からあるモルタルの吹き付け塗装と大差はな
く、単色の物がほとんどであり、タイルや天然石等と比
較すると格段に見劣りしてしまう。従来の窯業系外壁板
の塗装方法としては、工場内で塗装を行うことを最大の
特徴とする他は従来の湿色工法の表面仕上げ法と大きな
違いはない。
最優先にして市場を拡大してきたため、そのカラーデザ
インや意匠性は立ち遅れているのが現状であり、色調と
しては従来からあるモルタルの吹き付け塗装と大差はな
く、単色の物がほとんどであり、タイルや天然石等と比
較すると格段に見劣りしてしまう。従来の窯業系外壁板
の塗装方法としては、工場内で塗装を行うことを最大の
特徴とする他は従来の湿色工法の表面仕上げ法と大きな
違いはない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とする
ところは、表面のエンボス形状と調和した絵柄を有する
窯業系外壁板を、効率的に生産することを可能にする方
法を提供するものである。
来の問題に鑑みてなされたものであり、その課題とする
ところは、表面のエンボス形状と調和した絵柄を有する
窯業系外壁板を、効率的に生産することを可能にする方
法を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、表面に煉瓦調のエンボス形状を有する窯
業系外壁板の上に、表面に絵柄を印刷して裏面に接着剤
を塗布した熱可塑性樹脂シートを設置し、この表面から
２０゜〜４０゜の硬度を有する軟質ゴムロールにて前記
熱可塑性樹脂シートを熱圧着してなることを特徴とす
る、絵柄を有する窯業系外壁板およびその製造方法を提
供するものである。
決するために、表面に煉瓦調のエンボス形状を有する窯
業系外壁板の上に、表面に絵柄を印刷して裏面に接着剤
を塗布した熱可塑性樹脂シートを設置し、この表面から
２０゜〜４０゜の硬度を有する軟質ゴムロールにて前記
熱可塑性樹脂シートを熱圧着してなることを特徴とす
る、絵柄を有する窯業系外壁板およびその製造方法を提
供するものである。
【０００６】以下、本発明を図面に基づき詳細に説明す
る。図１に本発明に係る熱可塑性樹脂シートの断面の構
造をしめす。
る。図１に本発明に係る熱可塑性樹脂シートの断面の構
造をしめす。
【０００７】本発明に係る熱可塑性樹脂シートに用いる
熱可塑性樹脂フィルム２としては、軟質ゴムロールによ
るラミネートを行う際の熱と圧力によって窯業系外壁板
の表面のエンボス形状に追従することが可能なものを用
いる。具体的には塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ナイロン、ポリエステル等が使用可能である。
これらは窯業系外壁板の表面の凹凸の程度、温度との兼
ね合いから樹脂の種類、厚みなどを適宜選択すればよい
が、本発明者らの実験によれば、１５０〜１８０℃のラ
ミネート温度では、厚み１００μｍ以下の塩化ビニル樹
脂フィルムで最も良好な結果が得られている。
熱可塑性樹脂フィルム２としては、軟質ゴムロールによ
るラミネートを行う際の熱と圧力によって窯業系外壁板
の表面のエンボス形状に追従することが可能なものを用
いる。具体的には塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ナイロン、ポリエステル等が使用可能である。
これらは窯業系外壁板の表面の凹凸の程度、温度との兼
ね合いから樹脂の種類、厚みなどを適宜選択すればよい
が、本発明者らの実験によれば、１５０〜１８０℃のラ
ミネート温度では、厚み１００μｍ以下の塩化ビニル樹
脂フィルムで最も良好な結果が得られている。
【０００８】前記熱可塑性樹脂フィルム２の表面に絵柄
１を印刷する方法としては、グラビア印刷、スクリーン
印刷、オフセット印刷等を使用すれば良い。絵柄は窯業
系外壁板の表面の煉瓦調のエンボス形状に調和したもの
とする。印刷インキの色材として顔料系統のものを用い
るなどして耐候性のあるものを使用する。印刷インキに
用いる合成樹脂バインダーとしては、加熱時の伸びの大
きいこと、最終製品の耐久性を考慮して決定される。例
示すれば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキッド樹
脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、また
はこれらの組合わせによる混合物を、あるいは共重合物
が用いられる。
１を印刷する方法としては、グラビア印刷、スクリーン
印刷、オフセット印刷等を使用すれば良い。絵柄は窯業
系外壁板の表面の煉瓦調のエンボス形状に調和したもの
とする。印刷インキの色材として顔料系統のものを用い
るなどして耐候性のあるものを使用する。印刷インキに
用いる合成樹脂バインダーとしては、加熱時の伸びの大
きいこと、最終製品の耐久性を考慮して決定される。例
示すれば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキッド樹
脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、また
はこれらの組合わせによる混合物を、あるいは共重合物
が用いられる。
【０００９】前記熱可塑性樹脂の裏面に接着剤３を塗布
する方法としては、スプレー塗工、刷毛塗りや、ナイフ
コーターなどを使用すれば良い。接着剤の種類として
は、窯業系外壁材とラミネートフィルムの密着良好なこ
と、加熱時の伸びが大きいことなどを考慮して決定され
る。例示すれば、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコー
ル、アクリル、ヒドロキシメチルセルロースやエチレン
−酢酸ビニル共重合エマルジョン等が使用できる。
する方法としては、スプレー塗工、刷毛塗りや、ナイフ
コーターなどを使用すれば良い。接着剤の種類として
は、窯業系外壁材とラミネートフィルムの密着良好なこ
と、加熱時の伸びが大きいことなどを考慮して決定され
る。例示すれば、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコー
ル、アクリル、ヒドロキシメチルセルロースやエチレン
−酢酸ビニル共重合エマルジョン等が使用できる。
【００１０】以下、本発明の製造方法を図２に基づき説
明する。窯業系外壁板２１の煉瓦調のエンボス形状を有
する表面に、図１で示した熱可塑性樹脂シート２２を設
置して、この上から２０〜４０゜の硬度を有する軟質ゴ
ムロール２３で熱圧着してラミネートする。この際用い
る軟質ゴムロールは、窯業系外壁板２１の煉瓦調のエン
ボス形状に追従するような軟質なものを使用する。エン
ボスのサイズにもよるが、本発明者らが行った実験によ
れば、ゴム硬度は３０゜、肉厚は２０ｍｍ以上のシリコ
ンゴムを用いた場合に最も良好な結果が得られた。
明する。窯業系外壁板２１の煉瓦調のエンボス形状を有
する表面に、図１で示した熱可塑性樹脂シート２２を設
置して、この上から２０〜４０゜の硬度を有する軟質ゴ
ムロール２３で熱圧着してラミネートする。この際用い
る軟質ゴムロールは、窯業系外壁板２１の煉瓦調のエン
ボス形状に追従するような軟質なものを使用する。エン
ボスのサイズにもよるが、本発明者らが行った実験によ
れば、ゴム硬度は３０゜、肉厚は２０ｍｍ以上のシリコ
ンゴムを用いた場合に最も良好な結果が得られた。
【００１１】
【作用】以上に示したように、本発明によれば、表面に
煉瓦調のエンボス形状を有する窯業系外壁板に絵柄を有
する熱可塑性樹脂シートを、軟質ゴムロールにより熱圧
着する際、２０゜〜４０゜の硬度を有する軟質ゴムロー
ルが窯業系外壁板の表面の煉瓦調のエンボス形状に追従
してゆくので、表面の煉瓦調のエンボス形状と調和した
絵柄を有する窯業系外壁板を、効率的に生産することを
可能にしている。
煉瓦調のエンボス形状を有する窯業系外壁板に絵柄を有
する熱可塑性樹脂シートを、軟質ゴムロールにより熱圧
着する際、２０゜〜４０゜の硬度を有する軟質ゴムロー
ルが窯業系外壁板の表面の煉瓦調のエンボス形状に追従
してゆくので、表面の煉瓦調のエンボス形状と調和した
絵柄を有する窯業系外壁板を、効率的に生産することを
可能にしている。
【００１２】
＜実施例１＞熱可塑性樹脂フィルムして、厚さ８０μｍ
の塩化ビニルフィルム（バンドー化学（株）製：「ＢＨ
Ｓ」）を用い、この表面にグラビア印刷を用いて煉瓦柄
を形成した。このフィルムの裏面にのエチレン−酢酸ビ
ニル共重合エマルジョン接着剤（ヘキスト合成（株）
製：「モビニール１８１Ｅ」）をバーコート＃２４で塗
布し、熱可塑性樹脂シートとした。
の塩化ビニルフィルム（バンドー化学（株）製：「ＢＨ
Ｓ」）を用い、この表面にグラビア印刷を用いて煉瓦柄
を形成した。このフィルムの裏面にのエチレン−酢酸ビ
ニル共重合エマルジョン接着剤（ヘキスト合成（株）
製：「モビニール１８１Ｅ」）をバーコート＃２４で塗
布し、熱可塑性樹脂シートとした。
【００１３】この熱可塑性樹脂シートを、予め煉瓦調の
エンボス加工して凹凸模様を施した繊維強化セメント板
の上に設置し、表面から表面温度１７５℃、ゴム硬度３
０゜の軟質ゴムロールにて押圧した。なお、圧力は１０
ｋｇ／ｃｍ、速度は５ｍ／分とした。
エンボス加工して凹凸模様を施した繊維強化セメント板
の上に設置し、表面から表面温度１７５℃、ゴム硬度３
０゜の軟質ゴムロールにて押圧した。なお、圧力は１０
ｋｇ／ｃｍ、速度は５ｍ／分とした。
【００１４】こうして得られた繊維強化セメント板は、
表面の型押しによる凹凸と、積層した熱可塑性樹脂フィ
ルム上の絵柄とが調和した、極めて意匠性の高いもので
あった。
表面の型押しによる凹凸と、積層した熱可塑性樹脂フィ
ルム上の絵柄とが調和した、極めて意匠性の高いもので
あった。
【００１５】本発明によって、表面に煉瓦調のエンボス
形状を有する窯業系外壁板の表面に、該エンボス形状に
同調した絵柄を簡便な方法で設けることができる。ま
た、絵柄は表面の形状に制限を受けず、色調も自由に選
択できるので、その効果はきわめて大きいものである。
形状を有する窯業系外壁板の表面に、該エンボス形状に
同調した絵柄を簡便な方法で設けることができる。ま
た、絵柄は表面の形状に制限を受けず、色調も自由に選
択できるので、その効果はきわめて大きいものである。
【００１６】
【図１】本発明に係る熱可塑性樹脂シートの断面を示す
説明図である。
説明図である。
【図２】本発明の絵柄を有する窯業系外壁板の製造方法
の概略を示す説明図である。
の概略を示す説明図である。
１…絵柄 ２…熱可塑性樹脂フィルム ３…接着剤 ２１…窯業系外壁板 ２２…熱可塑性樹脂シート ２３…軟質ゴムロール
Claims (2)
- 【請求項１】表面に煉瓦調のエンボス形状を有する窯業
系外壁板に、表面に絵柄を印刷して裏面に接着剤を塗布
した熱可塑性樹脂シートを積層してなることを特徴とす
る、絵柄を有する窯業系外壁板。 - 【請求項２】表面に煉瓦調のエンボス形状を有する窯業
系外壁板の上に、表面に絵柄を印刷して裏面に接着剤を
塗布した熱可塑性樹脂シートを設置し、この表面から２
０゜〜４０゜の硬度を有する軟質ゴムロールにて前記熱
可塑性樹脂シートを熱圧着することを特徴とする、絵柄
を有する窯業系外壁板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4244613A JP2979860B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 絵柄を有する窯業系外壁板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4244613A JP2979860B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 絵柄を有する窯業系外壁板およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0692755A JPH0692755A (ja) | 1994-04-05 |
| JP2979860B2 true JP2979860B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=17121346
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4244613A Expired - Fee Related JP2979860B2 (ja) | 1992-09-14 | 1992-09-14 | 絵柄を有する窯業系外壁板およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2979860B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-14 JP JP4244613A patent/JP2979860B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0692755A (ja) | 1994-04-05 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |