JP2016041904A - 目地状模様を有したセメント組成体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
但し、後者のパネルのタイルは、経年劣化などにより剥離・剥落の危険がある。そのため、この問題を回避すべく、最近では、予めプレキャストパネルの表面に格子状の溝部を設け、その溝部を目地部に見立てて着色してタイルに似せて仕上げることが行われている。すなわち、プレキャストパネルの表面における溝部を目地相当部分とし、溝部以外の部分をタイル相当部分として、互いに色違いで塗装することにより、タイルを模擬している。
表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有し、当該表面が略平坦なセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、を有する目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記セメント組成体は、プレキャスト部材であり、
前記溝部は、前記プレキャスト部材の表面を目地切りカッターで削ることにより形成され、
前記塗装工程では、前記所定範囲のうちの前記溝部以外の残部を、単一の塗料で塗装し、
前記単一の塗料は、前記溝部の縁部にも塗装されることを特徴とする。
図1Aは、第1実施形態に係る目地状模様を有したプレキャストパネル1の平面図である。また、図1Bは、図1A中のB−B矢視図である。
プレキャストパネル1はコンクリート製の板状部材を本体1s(セメント組成体に相当)とする。そして、この本体1sの略平坦な表面1aには、所定範囲に亘ってタイルの目地部を模した溝部3,3…が形成されている。図示例では、上記所定範囲は表面1aの全面であり、つまり目地状模様が表面1aの全面に亘って形成されている。但し、上記所定範囲は全面でなくても良く、表面1aの一部でも良い。以下では、溝部3のことを目地相当部分3とも言い、表面1aにおける溝部3,3…以外の残部(島状に残った部分)のことを、タイル相当部分5,5…とも言う。
先ず、図2Aのように、成形すべきプレキャストパネル1の外形形状に対応させて型枠21を組む。図示例では、型枠21は、底板21aと、底板21aの四辺にそれぞれ対応して配された四つの側板21b,21b…と、を有している。また、プレキャストパネル1の表面1aを形成すべき底板21aには、形成すべき溝部3,3…に対応する各位置に、予め目地棒23,23…が平面視で格子状に配置されている。
図4A乃至図4D、及び、図5A乃至図5Cは、それぞれ第2実施形態のセメント組成体の製造方法の説明図である。図4A乃至図4Dは、セメント組成体が床部の場合であり、図5A乃至図5Cは壁部の場合である。何れも斜視図である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
以上説明した内容から、少なくとも、次の発明が理解される。
表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有したセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、
前記溝部に目地材を充填する充填工程と、を有することを特徴とする。
上記第1に示す発明によれば、セメント組成体における目地相当部分たる溝部に、目地材を充填するので、本物のタイル張りの質感を醸し出すことが可能となる。
前記セメント組成体は、プレキャスト部材であることを特徴とする。
前記成形工程では、前記セメント組成体の原料となるセメント流動物を、現場打ちすることにより、前記セメント組成体を成形することを特徴とする。
上記第3に示す発明によれば、本物のタイル張りの質感を有した壁部や床部等の構造物を、施工現場に構築することができる。
前記目地材は、セメントを主材とすることを特徴とする。
上記第4に示す発明によれば、セメントを主材とする目地材を用いるので、より一層タイルの質感を醸し出すことができる。
前記充填工程では、前記溝部の縁部を、前記目地材で覆わないことを特徴とする。
上記第5に示す発明によれば、溝部の縁部が目地材で覆われない。よって、目地材が、セメント組成体の表面と面一にはならずに、つまり、同表面よりもへこむように充填される。よって、目地材の充填後の溝部にあっても適度な陰影が付与されて、これにより、より一層タイル張りの質感を醸し出すようになる。
前記塗装工程では、前記溝部にも塗装し、
前記充填工程では、前記塗装の上から前記溝部に目地材を充填することを特徴とする。
上記第6に示す発明によれば、塗装工程及び充填工程においては、通常塗装時に行うマスキング処理を一切せずに済み、これにより、セメント組成体の製造効率を高めることができる。
前記セメント組成体における表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有し、前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域は塗装され、前記溝部に目地材が充填されていることを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体である。
上記第7に示す発明によれば、第1と同様の作用効果を奏することができる。
表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有したセメント組成体の表面仕上げ方法であって、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、
前記溝部に目地材を充填する充填工程と、を有することを特徴とする。
上記第8に示す発明によれば、第1と同様の作用効果を奏することができる。
表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有したセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、を有する目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記セメント組成体は、プレキャスト部材であり、
前記溝部は、前記プレキャスト部材の表面を目地切りカッターで削ることにより形成されることを特徴とする。
第11に記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記プレキャスト部材は、型枠にセメント流動物を打設して成形された部材であることを特徴とする。
表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有したセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、を有する目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記セメント組成体は、プレキャスト部材であり、
前記溝部は、当該溝部に対応する位置に配置された目地棒を備えた型枠に、セメント流動物を打設することにより形成されることを特徴とする。
表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有したセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、を有する目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記成形工程では、前記セメント組成体の原料となるセメント流動物を現場打ちすることにより、前記セメント組成体が成形され、
前記溝部は、前記セメント流動物が現場打ちされた後に形成されることを特徴とする。
第11乃至第14の何れかに記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記目地材は、セメントを主材とすることを特徴とする。
第11乃至15の何れかに記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記充填工程では、前記溝部の縁部を、前記目地材で覆わないことを特徴とする。
第11乃至16の何れかに記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記塗装工程では、前記溝部をマスキングしつつ塗装することを特徴とする。
1a 表面、1s 本体(セメント組成体)、1u 上面、1w 壁面、
3 溝部(目地相当部分)、3e 縁部、
5 タイル相当部分、
7 塗料、
9 目地材(充填材)、
21 型枠、21a 底板、21b 側板、23 目地棒、
25 型枠、25a 底板、25b 側板、
27 型枠、27b 側板、
31 スプレー、33 鏝、37 供給管、39 スタンプ部材、39a 板材
Claims (7)
- 表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有し、当該表面が略平坦なセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、を有する目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記セメント組成体は、プレキャスト部材であり、
前記溝部は、前記プレキャスト部材の表面を目地切りカッターで削ることにより形成され、
前記塗装工程では、前記所定範囲のうちの前記溝部以外の残部を、単一の塗料で塗装し、
前記単一の塗料は、前記溝部の縁部にも塗装されることを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体の製造方法。 - 請求項1に記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記プレキャスト部材は、型枠にセメント流動物を打設して成形された部材であることを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体の製造方法。 - 表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有し、当該表面が略平坦なセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、を有する目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記セメント組成体は、プレキャスト部材であり、
前記溝部は、当該溝部に対応する位置に配置された目地棒を備えた型枠に、セメント流動物を打設することにより形成され、
前記塗装工程では、前記所定範囲のうちの前記溝部以外の残部を、単一の塗料で塗装し、
前記単一の塗料は、前記溝部の縁部にも塗装されることを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体の製造方法。 - 表面の所定範囲に目地状模様の溝部を有し、当該表面が略平坦なセメント組成体を成形する成形工程と、
前記所定範囲の少なくとも前記溝部以外の領域を塗装する塗装工程と、を有する目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記成形工程では、前記セメント組成体の原料となるセメント流動物を現場打ちすることにより、前記セメント組成体が成形され、
前記溝部は、前記セメント流動物が現場打ちされた後に形成され、
前記塗装工程では、前記所定範囲のうちの前記溝部以外の残部を、単一の塗料で塗装し、
前記単一の塗料は、前記溝部の縁部にも塗装されることを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体の製造方法。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記溝部に充填される目地材は、セメントを主材とすることを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体の製造方法。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記溝部に目地材を充填する充填工程では、前記溝部の縁部を、前記目地材で覆わないことを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体の製造方法。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の目地状模様を有したセメント組成体の製造方法であって、
前記塗装工程では、前記溝部をマスキングしつつ塗装することを特徴とする目地状模様を有したセメント組成体の製造方法。
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