JP7281027B1 - プレキャスト壁体の製造方法およびプレキャスト壁体用型枠 - Google Patents

プレキャスト壁体の製造方法およびプレキャスト壁体用型枠 Download PDF

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Abstract

プレキャスト壁体の装飾部材の位置ずれを抑制して施工時における施工精度を向上させる。基礎型枠30の複数の表面成型用部材36の隙間Sに目地用型枠40を挿し込んだプレキャスト壁体用型枠20を設け、当該プレキャスト壁体用型枠20に装飾部材12の原料44を投入してプレキャスト壁体用型枠20の上方から加圧して装飾部材12を成型し、目地用型枠40を脱型した後に目地用型枠40が位置していた複数の装飾部材12の間に目地材46を流し込み、所定期間の養生後、基礎型枠30を脱型することによりプレキャスト壁体10を製造する。

Description

本発明は、プレキャスト壁体の製造方法およびプレキャスト壁体用型枠に関する。
建築物の外壁や内壁には、美観を向上させるレンガやタイルなどの装飾部材が貼り付けられていることがある。これらの装飾部材は、建設現場において、コンクリート壁の表面に接着剤やモルタルを用いて一つずつ貼り付けられていた。
しかし、工期の短縮やコスト削減のため、工場においてタイルやレンガなどの装飾部材を貼り付けて(埋め込んで)製造されたプレキャストコンクリート板を建設現場に運搬し、建築物の外壁などに用いることがある。
例えば、特許文献1には、タイルやレンガなどの装飾部材を貼りつけたプレキャストコンクリート板の製造方法が開示されている。
特許文献1のプレキャストコンクリート板を製造する場合、まずは木型にタイルなどの装飾部材を並べ、目地に発泡ポリエチレン等を基材とした目地材を敷く。次に、これらの表面に粘着テープを貼って粘着させた後に反転させ、プレキャストコンクリート板サイズの型枠に置き、その型枠内へコンクリートを流し込む。そして、コンクリート固化後、型枠ごと反転させ粘着テープを剥離する。
特開平7-137018号公報
しかしながら、特許文献1のようなプレキャストコンクリート板は、予め成型された装飾部材を木型に並べて製造するため、木型と装飾材との間に意図しない隙間が形成され均等な目地寸法を確保することができなかった。また、製造過程において複数回反転させるため、装飾部材が予め定めた所定位置からずれてしまうこともあり、施工精度に改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装飾部材の位置ずれを抑制して施工時における施工精度を向上させるプレキャスト壁体の製造方法およびプレキャスト壁体用型枠を提供することを目的とする。
上述した技術的課題の解決方法として、制限されるものではないが、以下のような発明のいくつかの実施形態が提案される。本発明の一実施形態は、所定の形状の複数の装飾部材が目地を介在させて並べられた表面と、前記表面と反対に位置する背面と、それら表面と背面とを接続する周面とを有するプレキャスト壁体の製造方法であって、前記プレキャスト壁体の前記表面に対応した大きさの矩形状の底板と、前記底板の外周部から起立し前記プレキャスト壁体の前記周面に対応した大きさの矩形枠状の周壁板と、前記底板の上面に前記目地に対応する形状の隙間をあけて取り付けられ前記装飾部材の表面を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材とを有する基礎型枠を用意する工程と、前記目地に対応する形状で形成され前記目地の配置スペースを確保する目地用型枠を前記隙間に挿し込んだプレキャスト壁体用型枠を用意する工程と、前記複数の表面成型用部品に、前記装飾部材の原料を投入する工程と、前記プレキャスト壁体用型枠の上方から加圧機により前記原料を加圧し加圧側が背面とされた前記装飾部材を成型する工程と、前記目地用型枠を脱型する工程と、前記目地用型枠が位置していた前記複数の装飾部材の間に目地材を流し込む工程と、前記目地材の所定期間の養生後、前記基礎型枠を脱型する工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明の別の一実施形態は、所定の形状の複数の装飾部材が目地を介在させて並べられ表面と、前記表面と反対に位置する背面と、それら表面と背面とを接続する周面とを有するプレキャスト壁体を製造するプレキャスト壁体用型枠であって、前記プレキャスト壁体の前記表面に対応した大きさの矩形状の底板と、前記底板の外周部から起立し前記プレキャスト壁体の前記周面に対応した大きさの矩形枠状の周壁板と、前記底板の上面に前記目地に対応する形状の隙間をあけて取り付けられ前記装飾部材の表面を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材とを有する基礎型枠と、前記隙間に挿し込んで前記基礎型枠に配置され、前記目地に対応する形状で形成され前記目地の配置スペースを確保する目地用型枠とを備えることを特徴とする。
本発明の一実施形態によれば、基礎型枠の複数の表面成型用部材の隙間に目地用型枠を挿し込んだプレキャスト壁体用型枠を設け、当該プレキャスト壁体用型枠に装飾部材の原料を投入してプレキャスト壁体用型枠の上方から加圧して装飾部材を成型し、目地用型枠を脱型した後に目地用型枠が位置していた複数の装飾部材の間に目地材を流し込み、所定期間の養生後、基礎型枠を脱型することによりプレキャスト壁体を製造するため、装飾部材の位置ずれを抑制して施工時における施工精度を向上させる上で有利となる。
また、目地材を流し込む工程において、複数の装飾部材の背面の上にも目地材を流し込む構成とすれば、目地の製造とともにプレキャスト壁体の背面を製造できるため、施工効率を向上させる上で有利となる。
また、目地用型枠を脱型した後に、成型された装飾部材を構成する複数の面のうち表面以外の少なくとも一つの面に凹凸面を形成する工程を含む構成とすれば、装飾部材の付着表面積を大きくでき、目地材の装飾部材への付着向上を図る上で有利となる。
また、目地材を流し込んだ後に、基礎型枠を振動させる工程を含む構成とすれば、目地材を複数の装飾部材の間に充填させ易くする上で有利となる。
また、基礎型枠を振動させた後に、背面の上に流し込んだ目地材の上面を均す工程を含む構成とすれば、プレキャスト壁体の厚さを均一にする上で有利となる。
また、装飾部材を無焼成レンガまたはセメントブロックとすれば、施工時における施工精度を向上させるとともに美観を向上させる上で有利となる。
また、本発明の一実施形態によれば、プレキャスト壁体用型枠が、プレキャスト壁体に対応した大きさの矩形状の底板と、底板の外周部から起立しプレキャスト壁体の周壁部に対応した大きさの矩形枠状の周壁板と、底板の上面に所定間隔の隙間をあけて取り付けられ装飾部材の表面を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材とを有する基礎型枠と、基礎型枠の隙間に挿し込んで基礎型枠に配置され、目地に対応する形状で形成され目地の配置スペースを確保する格子状の目地用型枠とによって構成されているため、容易にプレキャスト壁体を製造できるとともに、装飾部材の位置ずれを抑制して施工時における施工精度を向上させる上で有利となる。
また、装飾部材が直方体状であり、表面と背面とそれら表面と背面の長辺間を接続する2つの側面と短辺間を接続する2つの端面とを有している場合、周壁板を底板の4辺から起立する4つの側壁板で構成し、表面成型用部材が底板に取り付けられ装飾部材の表面を成型するための表面成型用底板と、装飾部材の表面寄りの2つの側面と2つの端面を成型するための側面成型用側板とを備え、目地用型枠が細長の複数の板材が格子状に組み付けた構成とすれば、直方体状の装飾部材を成型してプレキャスト壁体を製造する場合、所望サイズのプレキャスト壁体に合わせたプレキャスト壁体用型枠を容易に作製するとともに、施工時における施工精度を向上させる上で有利となる。
また、目地用型枠が隙間に挿し込まれ基礎型枠に配置された状態で、複数の板材の下端が基礎型枠の底板上に載置され、複数の板材の上端が成型される装飾部材の背面よりも上方に突出している構成とすれば、装飾部材および目地を容易に成型でき、施工精度を向上させる上で有利となる。
また、目地用型枠を構成する複数の板材の両面のうち少なくとも一方に凹凸部を形成すれば、凹凸面を有する装飾部材を容易に成型できるとともに、目地材の装飾部材への付着向上を図る上で有利となる。
(A)は実施の形態にかかるプレキャスト壁体用型枠で製造したプレキャスト壁体の正面図であり、(B)はプレキャスト壁体の斜視図であり、(C)は装飾部材の斜視図である。 実施の形態にかかるプレキャスト壁体用型枠の斜視図である。 (A)は実施の形態にかかるプレキャスト壁体用型枠の基礎型枠の斜視図であり、(B)は表面成型用部材の斜視図である。 (A)は実施の形態にかかる基礎型枠の平面図であり、(B)は(A)に示す基礎型枠のA-A断面図であり、(B)は(A)に示す基礎型枠のB-B断面図である。 実施の形態にかかる目地用型枠の斜視図である。 (A)は実施の形態にかかる目地用型枠の平面図であり、(B)は(A)に示す目地用型枠のC-C断面図であり、(C)は(A)に示す目地用型枠のD-D断面図であり、(D)は目地用型枠を構成する板材の下部の拡大図である。 実施の形態にかかるプレキャスト壁体用型枠を用いたプレキャスト壁体の製造方法の流れを示す図である。 (A)は装飾部材を成型している途中の説明図であり、(B)は(A)に示す装飾部材の目地を拡大した説明図である。 底板の上面に複数の表面成型用部材が取り付けられた状態の底板の外周部の拡大断面図である。 図9の状態の複数の表面成型用部材の隙間に目地用型枠が挿し込まれて配置されプレキャスト壁体用型枠が完成した状態の拡大断面図である。 完成したプレキャスト壁体用型枠に装飾部材の原料を投入し、上方から投入した原料を加圧機により加圧し複数の装飾部材を成型した底板の外周部の拡大断面図である。 複数の装飾部材の成型後、プレキャスト壁体用型枠から目地用型枠を脱型した底板の外周部の拡大断面図である。 目地用型枠が位置していた複数の装飾部材の間に目地材を流し込み、さらに、複数の装飾部材の背面の上にも目地材を流し込んだ状態の底板の外周部の拡大断面図である。 目地材の養生後、基礎型枠を脱型して得られた完成したプレキャスト壁体の外周部の拡大断面図である。 プレキャスト壁体の変形例の説明図である。 プレキャスト壁体用型枠の変形例の説明図で、底板の上面に複数の表面成型用部材が取り付けられた状態の底板の外周部の拡大断面図である。 プレキャスト壁体用型枠の変形例の説明図で、図15の状態の複数の表面成型用部材の隙間に目地用型枠が挿し込まれて配置されプレキャスト壁体用型枠が完成した状態の拡大断面図である。 プレキャスト壁体用型枠の変形例の説明図で、完成したプレキャスト壁体用型枠に装飾部材の原料を投入し、上方から投入した原料を加圧機により加圧し複数の装飾部材を成型した底板の外周部の拡大断面図である。 プレキャスト壁体用型枠の変形例の説明図で、目地用型枠が位置していた複数の装飾部材の間に目地材を流し込み、さらに、複数の装飾部材の背面の上にも目地材を流し込んだ状態の底板の外周部の拡大断面図である。 目地材の養生後、基礎型枠を脱型して得られた完成した変形例のプレキャスト壁体の外周部の拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態では、プレキャスト壁体用型枠、および当該プレキャスト壁体用型枠を用いたプレキャスト壁体の製造方法について説明する。
本明細書において、プレキャスト壁体とは、無焼成レンガやセメントブロックなどの装飾部材(成型物)を並べてパネル状に仕上げた壁であって、工場で製造してから建設現場に運搬し施工される壁である。
本実施の形態では、まずはプレキャスト壁体用型枠によって複数の装飾部材を成型し、さらに、成型した複数の装飾部材を用いてプレキャスト壁体を製造する。
図1(A)、(B)は実施の形態のプレキャスト壁体10を示しており、実施の形態では、プレキャスト壁体10に用いる装飾部材12は、図1(C)に示すように、直方体状の無焼成レンガであって、表面1202と背面1204とそれら表面と背面の長辺間を接続する2つの側面1206、1208と短辺間を接続する2つの端面1210、1212とを有して構成されている。
装飾部材12は、例えば、W1=200mm、H1=60mm、D1=100mmで構成されている。
なお、本実施の形態では、装飾部材12を無焼成レンガとして説明しているが、セメントブロックやその他公知の装飾部材を用いて製造してもよい。また、装飾部材12の寸法、形状は一例であって、用途に合わせて任意の寸法、形状に成型可能である。プレキャスト壁体10が建築物に施工されたときに装飾部材12の建築物の外部に面する表面は美的目的あるいは機能的目的のために表面の形状を所望の装飾意匠に成形される。
本実施の形態で製造されるプレキャスト壁体10は、図1(A)(B)に示すように、成型した複数の装飾部材12が目地14を介在させて並べられており、表面1002と背面1004と周壁部1006を有している。
言い換えると、プレキャスト壁体10は、複数の装飾部材12と、それら装飾部材12を保持する保持体13とを含んで構成され、全体として矩形の板状に成型されている。
複数の装飾部材12は、目地14を介在させて並べられ、保持体13は目地14を含んで構成され、保持体13と目地14とは一体化されている。
プレキャスト壁体10は、複数の装飾部材12と目地14からなる表面1002と、保持体13からなり表面1002と反対に位置する背面1004と、プレキャスト壁体10の4辺に位置する複数の装飾部材12と保持体13からなり表面1002の周囲と背面1004の周囲を接続する周面1006とを有している。
本実施の形態では、プレキャスト壁体10が建築物に用いられた場合の高さ方向(鉛直方向)をX方向、幅方向(水平方向)をY方向、奥行方向(厚さ方向)をZ方向とする。したがって、表面1002と背面1004はXY平面で構成され、周壁部1006、すなわち周面1006はXZ平面およびYZ平面で構成されている。
本実施の形態のプレキャスト壁体10は、X方向に15個の装飾部材12が均等な寸法の目地14を介在させて並べられ、Y方向に5個の装飾部材12が均等な寸法の目地14を介在させて並べられており、合計75個の装飾部材12が並べられている。
本実施の形態では、目地14の寸法を10mmで構成しているため、上述のように75個の装飾部材12を並べて製造したプレキャスト壁体10は、H2(高さ)=60mm×15+10mm×14=1040mm、W2(幅)=200mm×5+10mm×4=1040mmとなる。また、プレキャスト壁体10は、複数の装飾部材12の表面1202と目地14とによってプレキャスト壁体10の表面1002を構成している。
なお、装飾部材12の配置数やプレキャスト壁体10の寸法は一例であって、用途に合わせて任意の寸法に製造可能である。
次に、図2~6を参照して、プレキャスト壁体用型枠20について説明する。
図2に示すように、プレキャスト壁体用型枠20は、鋼材製の基礎型枠30と鋼材製の目地用型枠40とを備えて構成されており、目地用型枠40(図5、6)が基礎型枠30(図3、4)の内部に挿脱可能に挿し込まれている。
本実施の形態のプレキャスト壁体用型枠20は、75個の装飾部材12を成型し、成型した75個の装飾部材12を用いてプレキャスト壁体10を製造する型枠となっている。
なお、プレキャスト壁体用型枠20は、プレキャスト壁体10の形状や大きさ、装飾部材12の形状や大きさ、配置個数に合わせて作製可能である。
基礎型枠30は、図3、図4に示すように、底板32と、周壁板34と、複数の表面成型用部材36とを備えて構成されている。
底板32は、プレキャスト壁体10に対応した大きさの矩形状の板部材であって、主にプレキャスト壁体10の表面1002を成型する。
言い換えると、底板32は、プレキャスト壁体10の表面1002に対応した大きさの矩形状の板部材であり、図1(A)のプレキャスト壁体10の高さH2と幅W2に対応しており、主にプレキャスト壁体10の表面1002を成型する。
周壁板34は、底板32の外周部から起立しプレキャスト壁体10の周壁部1006、すなわち周面1006に対応した大きさの矩形枠状に延在しており、プレキャスト壁体10の周壁部1006、すなわち周面1006を成型する。周壁板34は、底板32の4辺から起立する細長の矩形状の4つの側壁板3402、3404、3406、3408で構成されている。
また、周壁板34のZ方向の寸法は、プレキャスト壁体10の厚さより大きい寸法で構成されている。
複数の表面成型用部材36は、装飾部材12の表面1202を所望の装飾意匠に成型するとともに、プレキャスト壁体10における装飾部材12の位置決めを行う部材であって、図3(B)に示すように上方に開放状に形成されている。
具体的には、表面成型用部材36は、底板32の上面に取り付けられ装飾部材12の表面1202を成型するための表面成型用底板3602と、装飾部材12の表面1202寄りの2つの側面1206、1208と2つの端面1210、1212を成型するための側面成型用側板3604とを備えている。
すなわち、表面成型用部材36は、成型する装飾部材12の表面1202に対応した大きさの矩形状の表面成型用底板3602と、表面成型用底板3602の外周部から起立した矩形状枠状の側面成型用側板3604とにより構成されている。
ここで、表面成型用部材36は、基本的には、側面成型用側板3604が表面成型用底板3602の4辺から起立する細長の矩形状の4つの側板3604A、3604B、3604C、3604Dで構成されているが、製造するプレキャスト壁体10の外周部または角部に配置される装飾部材12を成型する場合は、周壁板34とにより装飾部材12を成型するため、側面成型用側板3604が3つまたは2つの側板3604A~Dで構成されている。
つまり、図4(A)に示すように、例えば、X方向の外周部に沿った位置P1に配置される装飾部材12を成型する表面成型用部材36は、表面成型用底板3602と3つの側板3604A、B、Dからなる側面成型用側板3604で構成されており、側壁板3406とともに装飾部材12を成型する。
また、例えば、Y方向の外周部に沿った位置P2に配置される装飾部材12を成型する表面成型用部材36は、表面成型用底板3602と3つの側板3604B、C、Dからなる側面成型用側板3604で構成されており、側壁板3402とともに装飾部材12を成型する。
また、例えば、角部の位置P3に配置される装飾部材12を成型する表面成型用部材36は、表面成型用底板3602と2つの側板3604A、Cからなる側面成型用側板3604で構成されており、側壁板3404、3408とともに装飾部材12を成型する。
また、複数の表面成型用部材36は、図4、図9に示すように、底板32の上面に所定間隔の隙間Sをあけて取り付けられている。言い換えると、底板32の上面に、図1に示すプレキャスト壁体10の目地14に対応する形状の隙間Sをあけて取り付けられている。
本実施の形態の複数の表面成型用部材36は、8mmの隙間Sをあけてそれぞれ取り付けられている。これは、上述したように本実施の形態のプレキャスト壁体10の目地14の寸法は10mmであるが、表面成型用部材36の厚み1mmを考慮したためである。
また、側面成型用側板3604の高さは、例えば5mm程度で形成されているため、表面成型用部材36により、装飾部材12の表面1202が成型されると共に、表面1202寄りの2つの側面1206、1208と2つの端面1210、1212が5mm程度の高さで成型される。そして、成型された複数の装飾部材12は、表面成型用部材36それぞれの内部に収容された状態となるため、その後の工程において、すなわちステップS14(図7)の後からの工程において、装飾部材12の位置ずれを抑制できる。
目地用型枠40は、図5、図6に示すように、製造するプレキャスト壁体10の目地14に対応する形状で形成され、目地14の配置スペースを確保するための格子状の型枠である。
目地用型枠40は、細長の複数の板材42が格子状に組み付けられて構成されている。本実施の形態では、X方向に14枚、Y方向に4枚で、合計18枚の板材42が組み付けられて構成されている。
そして、目地用型枠40は、図2、図10に示すように、基礎型枠30に取り付けられた複数の表面成型用部材36の隙間Sに挿脱可能に挿し込んで配置されることで、プレキャスト壁体用型枠20を構成する。
図10、図11に示すように、目地用型枠40は、隙間Sに挿し込まれ基礎型枠30に配置された状態で、複数の板材42の下端4202は、基礎型枠30の底板32上に載置され、複数の板材42の上端4204は、成型される装飾部材12の背面1204よりも上方に突出している。つまり、板材42のZ方向の寸法は、成型される装飾部材12の奥行方向の長さ(D1)より大きい寸法で形成されており、本実施の形態では、100mmより大きい寸法で形成されている。このため、目地用型枠40の複数の板材42により、装飾部材12の2つの側面1206、1208と2つの端面12010、1212とが成型される。
複数の板材42は、目地14の幅である10mmの厚さで形成され、図6(D)、図10に示すように、板材42の下端4202が基礎型枠30の底板32上に載置された状態で、X方向およびY方向において隣り合う表面成型用部材36に差し込まれる箇所は、表面成型用部材36の側板3604A、3604B、3604C、3604Dの2枚分の厚さである2mmを引いた8mmの厚さの細幅部4210として形成されている。
この細幅部4210を設けることで、板材4と表面成型用部材36の側板3604A、3604B、3604C、3604Dとにより単一平面からなる型枠面が形成され、装飾部材12の2つの側面1206、1208と2つの端面12010、1212とがそれぞれ単一の平面で形成される。
なお、基礎型枠30の周壁板34に沿った箇所に配置される装飾部材12の2つの側面1206、1208と2つの端面12010、1212とは、周壁部34によっても単一の平面で形成される。
次に、図7の製造工程のフローチャートと図9~図14を参照して、プレキャスト壁体用型枠20によるプレキャスト壁体10の製造方法について説明する。
本実施の形態では、まずはプレキャスト壁体用型枠20によって複数の装飾部材12を成型し、さらに成型した複数の装飾部材12を用いてプレキャスト壁体10を製造する。
まず、複数の表面成型用部材36を取り付けた基礎型枠30の隙間Sに目地用型枠40を挿し込んでプレキャスト壁体用型枠20を準備する(ステップS10)。
言い換えると、図9、図10に示すように、複数の表面成型用部材36を取り付けた基礎型枠30の隙間Sに目地用型枠40を挿し込んでプレキャスト壁体用型枠20を設ける(ステップS10)。
次に、図11に示すように、ミキサーにより混練した装飾部材12の原料を、ホッパーを介してプレキャスト壁体用型枠20に投入する(ステップS12)。具体的には、装飾部材12の原料44を、基礎型枠30に取り付けられた表面成型用部材36と目地用型枠40とに囲まれた複数の立方体形状の空間にそれぞれ投入する。
装飾部材12の原料44の投入が完了すると、プレキャスト壁体用型枠20の上方から投入した原料44を図示しない加圧機により加圧し、装飾部材12を成型する(ステップS14)。加圧機により加圧された加圧側が装飾部材12の背面1204(図12参照)とされる。これにより複数の装飾部材12が成型される。
このとき、図8に示すように、基礎型枠30に取り付けられた表面成型用部材36により装飾部材12の表面1202(図1(C)参照)と、表面寄りの2つの側面1206、1208と2つの端面1210、1212が成型され、目地用型枠40により装飾部材12の2つの側面1206、1208と2つの端面1210、1212とが成型される。また、目地用型枠40の複数の板材42により、装飾部材12の2つの側面1206、1208と2つの端面12010、1212とが成型される。
装飾部材12が成型されたら、図12に示すように、プレキャスト壁体用型枠20から目地用型枠40を脱型する(ステップS16)。そうすると、基礎型枠30の内部において、装飾部材12の表面1202が表面成型用底板3602に収容されるとともに、複数の装飾部材12が目地14の配置スペースを確保して配置されている状態となる。
次に、成型された装飾部材12を構成する複数の面のうち表面1202以外の少なくとも一つの面に凹凸面を形成する(ステップS18)。すなわち、複数の装飾部材12の2つの側面1206、1208、2つの端面1210、1212、背面1204のうち少なくとも一つの面を図示しないグラインダーにより荒らすことで、装飾部材12に凹凸面を形成する。本実施の形態では、例えば、装飾部材12の背面1204をグラインダーにより荒らして凹凸面を形成する。
装飾部材12の表面1202以外の面に凹凸面を形成したら、目地用型枠40が位置していた複数の装飾部材12の間に、ミキサーにより混練した目地材46を流し込む(ステップS20)。
目地材46には、モルタルなどの従来公知の様々な材料が使用可能である。
その後、さらに、複数の装飾部材12の背面1204の上にも目地材を流し込むことで、プレキャスト壁体10の背面1004側を製造する。本実施の形態では現場での手練を行わず、工場でミキサーによる目地材の混練をするため、手練の品質変動および天候の影響による品質変動を抑制し、プレキャスト壁体20の品質を向上させる上で有利となる。
複数の装飾部材12の間に目地材を流し込んだら、基礎型枠30を振動させ(ステップS22)、目地材を複数の装飾部材12の間に隙間なく充填させる。
基礎型枠30を振動させて目地材を複数の装飾部材12の間に行き渡らせたら、図13に示すように、複数の装飾部材12の背面1204の上にも目地材46を流し込み、複数の装飾部材12の背面1204の上に流し込んだ目地材の上面を均す(ステップS24)。これによりプレキャスト壁体10の背面1004を成型する。
そして所定期間の養生後(ステップS26)、基礎型枠30を脱型する(ステップS28)。さらに、所定期間の養生を経て(ステップS30)、プレキャスト壁体10が完成する。
言い換えると、図1に示すように、目地14を介して並べられた複数の装飾部材12と、それら装飾部材12を保持する保持体13とを含むプレキャスト壁体10が完成する。保持体13は、装飾部材12の背面に流し込んだ目地材により形成される。
なお、必要に応じて図15に示すように、目地14を介して並べられた複数の装飾部材12のみからなるプレキャスト壁体10を製造してもよいことは無論のことである。
この場合、複数の装飾部材12同士は目地14により連結されることになり、保持体13は有さない。また、この場合、複数の装飾部材12の背面1204と目地14の端部とを同一面で形成すると、取り扱いを簡単にする上で有利となる。
このように、本実施の形態は、複数の装飾部材12が目地を介在させて並べられ表面1202と背面1204とを有するプレキャスト壁体10の製造方法であって、プレキャスト壁体10に対応した大きさの矩形状の底板32と、底板32の外周部から起立しプレキャスト壁体10の周壁部1006に対応した大きさの矩形枠状の周壁板34と、底板32の上面に所定間隔の隙間をあけて取り付けられ装飾部材12の表面1202を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材36とを有する基礎型枠30を設け、目地に対応する形状で形成され目地の配置スペースを確保する格子状の目地用型枠40を隙間に挿し込んだプレキャスト壁体用型枠20を設け、プレキャスト壁体用型枠20に、装飾部材12の原料を投入する工程と、プレキャスト壁体用型枠20の上方から加圧機により原料を加圧し加圧側が背面1204とされた装飾部材12を成型する工程と、目地用型枠40を脱型する工程と、目地用型枠40が位置していた複数の装飾部材12の間に目地材46を流し込む工程と、所定期間の養生後、基礎型枠30を脱型する工程とを含むようにした。
また、本実施の形態は、目地材46を流し込む工程において、複数の装飾部材12の背面1204にも目地材46を流し込むようにした。
また、本実施の形態は、目地用型枠40を脱型する工程の後に、成型された装飾部材12を構成する複数の面のうち表面1202以外の少なくとも一つの面に凹凸面を形成する工程をさらに含むようにした。
また、本実施の形態は、目地材46を流し込む工程の後に、基礎型枠30を振動させる工程をさらに含むようにした。
また、本実施の形態は、基礎型枠30を振動させる工程の後に、複数の装飾部材12の背面1204の上に流し込んだ目地材46の上面を均す工程をさらに含むようにした。
また、本実施の形態は、装飾部材12は、無焼成レンガまたはセメントブロックである。
また、本実施の形態は、複数の装飾部材12が目地を介在させて並べられ表面1202と背面1204とを有するプレキャスト壁体10を製造するプレキャスト壁体用型枠20であって、プレキャスト壁体10に対応した大きさの矩形状の底板32と、底板32の外周部から起立しプレキャスト壁体10の周壁部1006に対応した大きさの矩形枠状の周壁板34と、底板32の上面に所定間隔の隙間をあけて取り付けられ装飾部材12の表面1202を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材36とを有する基礎型枠30と、隙間に挿し込んで基礎型枠30に配置され、目地に対応する形状で形成され目地の配置スペースを確保する格子状の目地用型枠40とを備えるようにした。
また、本実施の形態は、装飾部材12は直方体状であり、表面1202と背面1204とそれら表面1202と背面1204の長辺間を接続する2つの側面と短辺間を接続する2つの端面とを有し、周壁板34は底板32の4辺から起立する4つの側壁板で構成され、表面成型用部材36は、底板32に取り付けられ装飾部材12の表面1202を成型するための表面1202成型用底板32と、装飾部材12の表面1202寄りの2つの側面と2つの端面を成型するための側面成型用側板とを備え、目地用型枠40は、細長の複数の板材42が格子状に組み付けられて構成されているようにした。
また、本実施の形態は、目地用型枠40が隙間に挿し込まれ基礎型枠30に配置された状態で、複数の板材42の下端は、基礎型枠30の底板32上に載置され、複数の板材42の上端は、成型される装飾部材12の背面1204よりも上方に突出しているようにした。
また、本実施の形態は、目地用型枠40を構成する複数の板材42の両面のうち少なくとも一方に凹凸部が形成されているようにした。
このように、本実施の形態によれば、基礎型枠30の複数の表面成型用部材36の隙間Sに目地用型枠40を挿し込んだプレキャスト壁体用型枠20を設け、当該プレキャスト壁体用型枠20に装飾部材12の原料44を投入してプレキャスト壁体用型枠20の上方から加圧して装飾部材12を成型し、目地用型枠40を脱型した後に目地用型枠40が位置していた複数の装飾部材12の間に目地材46を流し込み、所定期間の養生後、基礎型枠30を脱型することによりプレキャスト壁体10を製造するため、装飾部材12の位置ずれを抑制して施工時における施工精度を向上させる上で有利となる。
また、目地材46を流し込む工程において、複数の装飾部材12の背面1204の上にも目地材46を流し込むことにより、目地の製造とともにプレキャスト壁体10の背面1004(図1の保持体13)を製造できるため、目地14と保持体13の製造と共にプレキャスト壁体10を製造できるため、施工効率を向上させる上で有利となる。
また、目地用型枠40を脱型した後で目地材46を流し込む工程の前に、成型された装飾部材12を構成する複数の面のうち表面1202以外の少なくとも一つの面に凹凸面を形成するため、装飾部材12の付着表面積を大きくでき、目地材46の装飾部材12への付着向上を図る上で有利となる。
また、目地材46を流し込んだ後に、基礎型枠30を振動させるため、目地材46を複数の装飾部材12の間に充填させ易くする上で有利となる。
また、基礎型枠30を振動させた後に、装飾部材12の背面1204の上に流し込んだ目地材46の上面を均すため、プレキャスト壁体10の厚さを均一にする上で有利となる。
また、装飾部材12を無焼成レンガまたはセメントブロックとするため、施工時における施工精度を向上させるとともに美観を向上させる上で有利となる。
また、プレキャスト壁体用型枠20が、プレキャスト壁体10の表面1002に対応した大きさの矩形状の底板32と、底板32の外周部から起立しプレキャスト壁体10の周壁部1006、すなわち周面1006に対応した大きさの矩形枠状の周壁板34と、底板32の上面に所定間隔の隙間Sをあけて取り付けられ装飾部材12の表面1202を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材36とを有する基礎型枠30と、基礎型枠30の隙間Sに挿し込んで基礎型枠30に配置され、目地14に対応する形状で形成され目地14の配置スペースを確保する格子状の目地用型枠40とによって構成されているため、容易にプレキャスト壁体10を製造できるとともに、装飾部材12の位置ずれを抑制して複数または多数のプレキャスト壁体10を用いた壁施工時における施工精度を向上させる上で有利となる。
また、装飾部材12が直方体状であり、長方形の表面1202と背面1204とそれら表面と背面の長方形の長辺間を接続する2つの側面1206、1208と長方形の短辺間を接続する2つの端面1210、1212とを有しており、周壁板34を矩形の底板32の4辺から起立する4つの側壁板3402、3404、3406、3408で構成し、表面成型用部材36が底板32に取り付けられ装飾部材12の表面1202を成型するための表面成型用底板3602と、装飾部材12の表面1202寄りの2つの側面1206、1208と2つの端面1210、1212を成型するための側面成型用側板3604とを備え、目地用型枠40が細長の複数の板材42が格子状に組み付けられた構成としたため、直方体状の装飾部材12を成型してプレキャスト壁体10を製造する場合、所望サイズのプレキャスト壁体10に合わせたプレキャスト壁体用型枠20を容易に作製するとともに、製造されるプレキャスト壁体10の精度を向上させる上で有利となり、施工時における施工精度を向上させる上で有利となる。
また、目地用型枠40が基礎型枠30の隙間Sに挿し込まれ基礎型枠30に配置された状態で、複数の板材42の下端4202が基礎型枠30の底板32上に載置され、複数の板材42の上端4204が成型される装飾部材12の背面1204よりも上方に突出している構成としたため、装飾部材12および目地14を容易に成型でき、施工精度を向上させる上で有利となる。言い換えると、装飾部材12および目地14を含む保持体13を容易に成型でき、製造されるプレキャスト壁体10の精度を向上させる上で有利となり、複数または多数のプレキャスト壁体10を用いた壁施工時における施工精度を向上させる上で有利となる。
次に、実施の形態の変形例について説明する。
上記の実施の形態では、目地材46を流し込む工程の前に、成型された装飾部材12の2つの側面1206、1208、2つの端面1210、1212、背面1204のうち少なくとも一つの面をグラインダーにより荒らすことで、装飾部材12に凹凸面を形成していたが、目地用型枠40を構成する細長の複数の板材42の両面のうち少なくとも一方に凹凸部を形成することで、成型する装飾部材12の面を凹凸面に形成してもよい。
これによって、グラインダー等の道具を用いなくとも、凹凸面を有する装飾部材12を容易に成型できるとともに、目地材46の装飾部材12への付着向上を図る上で有利となる。
次に、プレキャスト壁体用型枠20の変形例と、この変形例のプレキャスト壁体用型枠20Aにより製造される変形例のプレキャスト壁体10Aについて図16~図20を参照して説明する。
図10に示すように、実施の形態では、プレキャスト壁体用型枠20では、隣り合う表面成型用部材36の隙間に目地用型枠40の細幅部4210が差し込まれた状態で、細幅部4210の先端面は基礎型枠30の底板32上に載置される。
そのため、実施の形態のプレキャスト壁体10では、図14に示すように、細幅部4210が位置していた複数の装飾部材12の間に目地材46が流し込まれることで成型された目地14の先端面1402は、装飾部材12の表面1202よりも、表面成型用部材36の表面成型用底板3602の厚さ(1mm)分だけ突出している。
なお、目地14と隣り合う装飾部材12とに形成される隙間S1は、脱型時に表面成型用部材36の側面成型用側板3604が取り除かれることで形成される隙間であり、この隙間S1の幅は、表面成型用部材36の側面成型用側板3604の厚さである1mmである。
変形例のプレキャスト壁体10Aでは、図20に示すように、目地14の先端面1402が、装飾部材12の表面1202よりも窪んだ位置に位置している。
次に、この変形例のプレキャスト壁体10Aを製造するための変形例のプレキャスト壁体用型枠20Aについて説明する。
図16に示すように、基礎型枠30の底板32上に複数の表面成型用部材36が並べられた状態で、周壁板34が位置する箇所を除いた隣り合う表面部材36の側面成型用側板3604の下部に、側面成型用側板3604の下面から表面成型用底板3602の厚さである1mmよりも大きく、側面成型用側板3604の高さである5mmよりも小さい高さH3で寸法T突出する下部突出部3608が設けられている。寸法Tは4mmである。
なお、下部突出部3608の下面は、表面部材36の表面成型用底板3602の下面と同一面上に位置している。
したがって、隣り合う表面成型用部材36の側面成型用側板3604の上部間には、厚さが8mmの細幅部4210が差し込まれる隙間Sが確保され、図17に示すように、この差し込まれた細幅部4210の先端面は、側面成型用側板3604の下部突出部3608の上面に載置される。
そして、図18に示すように、ミキサーにより混練した装飾部材12の原料44を、ホッパーを介してプレキャスト壁体用型枠20Aに投入し、プレキャスト壁体用型枠20Aの上方から投入した原料44を加圧機により加圧し、複数の装飾部材12を成型する。
装飾部材12が成型されたらプレキャスト壁体用型枠20Aから目地用型枠40を脱型し、成型された装飾部材12を構成する複数の面のうち表面1202以外の少なくとも一つの面に凹凸面を形成し、図19に示すように、目地用型枠40が位置していた複数の装飾部材12の間に、ミキサーにより混練した目地材46を流し込み、基礎型枠30を振動させで目地材46を複数の装飾部材12の間に充填させ、その後、さらに、複数の装飾部材12の背面1204の上にも目地材46を流し込み、複数の装飾部材12の背面1204の上に流し込んだ目地材46の上面を均し、プレキャスト壁体10Aの背面1004を成型する。
そして所定期間の養生後、基礎型枠30を脱型し、図20に示すように、プレキャスト壁体10Aが完成する。
完成したプレキャスト壁体10Aでは、目地14の先端面1402が、装飾部材12の表面1202よりも窪んだ位置に位置している。
上記の実施の形態では、装飾部材12の符号1202の面を表面とし、符号1204の面を裏面とし、符号1206、1208の面を側面とし、符号1210、1212の面を端面として成型してプレキャスト壁体10を製造していたが、いずれの面を表面として成型しプレキャスト壁体10を製造してもよい。すなわち、符号1206の面や、符号1212の面が表面になる装飾部材12を成型するようにプレキャスト壁体用型枠20を形成してプレキャスト壁体10を製造してもよい。
また、上記の実施の形態では、プレキャスト壁体10の目地14が通し目地となるように装飾部材12を並べていたが、装飾部材12の並べ方は任意に定めることができる。すなわち、例えば装飾部材12を幅方向(Y方向)にずらしながら並べて目地が馬踏み目地となるように装飾部材12を並べてもよい。
また、本発明の実施の形態では、複数の装飾部材12の形状はレンガのような直方体に限定されるものではない。建物の外壁にプレキャスト壁体10を用いる場合には、その表面の意匠形状は美的な観点あるいは汚れにくさなどの機能的観点から、例えば装飾部材12の表面の形状が長方形、正方形、多角形、曲線を含む形状及び自然石材に類似した形状など多種多様な形状のうちの一つあるいはそれ以上の組合わせから選択されてもよい。その場合、表面成型用部材36は装飾部材12の所望の表面形状に適合するように構成され、目地用型枠40は、選択された装飾部材12の輪郭形状に適合するように構成される。
また、実施の形態、変形例では、完成したプレキャスト壁体10の目地14の先端面1402が装飾部材12の表面1202よりも突出した場合、および、完成したプレキャスト壁体10Aの目地14の先端面1402が装飾部材12の表面1202よりも窪んだ位置に位置している場合について説明したが、完成したプレキャスト壁体の目地14の先端面1402が、装飾部材12の表面1202と同一面上に位置していてもよいことは無論である。この場合には、下部突出部3608の高さH3を、表面成型用底板3602の厚さである1mmにすればよい。
また、実施の形態および変形例では、基礎型枠30の底板32と、複数の表面成型用部材36とが別部材である場合について説明したが、底板32と、周壁板34と、複数の表面成型用部材36とが一体化された基礎型枠30を用いるなど任意である。
10、10A プレキャスト壁体
1002 表面
1004 背面
1006 周壁部(周面)
12 装飾部材
1202 表面
1204 背面
1206、1208 側面
1210、1212 端面
13 保持体
14 目地
20、20A プレキャスト壁体用型枠
30 基礎型枠
32 底板
34 周壁板
3402、3404、3406、3408 側壁板
36 表面成型用部材
3602 表面成型用底板
3604 側面成型用側板
3604A~D 側板
3608 下部突出部
40 目地用型枠
42 板材
4210 細幅部
44 原料
46 目地材

Claims (14)

  1. 所定の形状の複数の装飾部材が目地を介在させて並べられた表面と、前記表面と反対に位置する背面と、それら表面と背面とを接続する周面とを有するプレキャスト壁体の製造方法であって、
    前記プレキャスト壁体の前記表面に対応した大きさの矩形状の底板と、前記底板の外周部から起立し前記プレキャスト壁体の前記周面に対応した大きさの矩形枠状の周壁板と、前記底板の上面に前記目地に対応する形状の隙間をあけて取り付けられ前記装飾部材の表面を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材とを有する基礎型枠を用意する工程と、
    前記目地に対応する形状で形成され前記目地の配置スペースを確保する目地用型枠を前記隙間に挿し込んだプレキャスト壁体用型枠を用意する工程と、
    前記プレキャスト壁体用型枠に、前記装飾部材の原料を投入する工程と、
    前記プレキャスト壁体用型枠の上方から加圧機により前記原料を加圧し加圧側が背面とされた前記装飾部材を成型する工程と、
    前記目地用型枠を脱型する工程と、
    前記目地用型枠が位置していた前記複数の装飾部材の間に目地材を流し込む工程と、
    前記目地材の所定期間の養生後、前記基礎型枠を脱型する工程と、
    を含むことを特徴とするプレキャスト壁体の製造方法。
  2. 前記目地材を流し込む工程において、前記複数の装飾部材の前記背面の上にも目地材を流し込む、
    ことを特徴とする請求項1記載のプレキャスト壁体の製造方法。
  3. 前記目地用型枠を脱型する工程の後で前記目地材を流し込む工程の前に、成型された前記装飾部材を構成する複数の面のうち前記表面以外の少なくとも一つの面に凹凸面を形成する工程をさらに含む、
    ことを特徴とする請求項2記載のプレキャスト壁体の製造方法。
  4. 前記目地材を流し込む工程の後に、前記基礎型枠を振動させる工程をさらに含む、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のプレキャスト壁体の製造方法。
  5. 前記基礎型枠を振動させる工程の後に、前記複数の装飾部材の前記背面の上に流し込んだ前記目地材の上面を均す工程をさらに含む、
    ことを特徴とする請求項4記載のプレキャスト壁体の製造方法。
  6. 前記装飾部材は、無焼成レンガまたはセメントブロックである、
    ことを特徴とする請求項1記載のプレキャスト壁体の製造方法。
  7. 所定の形状の複数の装飾部材が目地を介在させて並べられ表面と、前記表面と反対に位置する背面と、それら表面と背面とを接続する周面とを有するプレキャスト壁体を製造するためのプレキャスト壁体用型枠であって、
    前記プレキャスト壁体の前記表面に対応した大きさの矩形状の底板と、前記底板の外周部から起立し前記プレキャスト壁体の前記周面に対応した大きさの矩形枠状の周壁板と、前記底板の上面に前記目地に対応する形状の隙間をあけて取り付けられ前記装飾部材の表面を成型する上方に開放状の複数の表面成型用部材とを有する基礎型枠と、
    前記隙間に挿し込んで前記基礎型枠に配置され、前記目地に対応する形状で形成され前記目地の配置スペースを確保する目地用型枠と、
    を備えることを特徴とするプレキャスト壁体用型枠。
  8. 前記装飾部材の前記所定の形状は直方体状であり、前記プレキャスト壁体の前記表面を構成する長方形の表面と、この表面の反対に位置する長方形の背面と、それら表面と背面の前記長方形の長辺間を接続する2つの側面と、それら表面と背面の前記長方形の短辺間を接続する2つの端面とを有し、
    前記周壁板は前記底板の4辺から起立し前記プレキャスト壁体の前記周面を成型する4つの側壁板で構成され、
    前記表面成型用部材は、前記底板に取り付けられ前記装飾部材の前記表面を成型するための表面成型用底板と、前記表面成型用底板の周囲から起立し前記装飾部材の前記表面寄りの前記2つの側面と前記2つの端面を成型するための側面成型用側板とを備え、
    前記隙間は、前記底板の上面に複数の前記複数の表面成型用部材が取り付けられた状態で、隣り合う前記表面成型用部材の互いに対向する前記側面成型用側板間に設けられ、
    前記プレキャスト壁体の外周部に配置され前記プレキャスト壁体の周面を形成する前記表面成型用部材の箇所では前記側面成型用側板が省略され、
    前記目地用型枠は、細長の複数の板材が格子状に組み付けられて構成されている、
    ことを特徴とする請求項7記載のプレキャスト壁体用型枠。
  9. 前記目地用型枠が前記隙間に挿し込まれ前記基礎型枠に配置された状態で、前記複数の板材の上端は、成型される前記装飾部材の前記背面よりも上方に突出している、
    ことを特徴とする請求項8記載のプレキャスト壁体用型枠。
  10. 前記目地用型枠が前記隙間に挿し込まれ前記基礎型枠に配置された状態で、前記複数の板材の下端は、前記基礎型枠の前記底板上に載置される、
    ことを特徴とする請求項9記載のプレキャスト壁体用型枠。
  11. 前記表面成型用部材が前記底板に取り付けられた状態で隣り合う前記表面成型用部材の前記側面成型用側板には、前記前記側面成型用側板の下面から前記表面成型用底板の厚さと等しい高さであるいはこの厚さよりも大きい寸法の高さで互いに近づく方向に突出してそれらの先端が当接する下部突出部が設けられ、
    前記目地用型枠が前記隙間に挿し込まれ前記基礎型枠に配置された状態で、前記複数の板材の下端は、前記基礎型枠の前記底板上に載置される、
    ことを特徴とする請求項9記載のプレキャスト壁体用型枠。
  12. 前記目地用型枠を構成する前記複数の板材の両面のうち少なくとも一方に凹凸部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項8記載のプレキャスト壁体用型枠。
  13. 前記直方体状の前記複数の装飾部材は、前記直方体の短辺方向に隣り合う前記装飾部材の配列が前記基礎型枠の幅方向にずらされており、前記目地が馬踏み目地となるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項8記載のプレキャスト壁体用型枠。
  14. 前記複数の装飾部材の前記表面の形状が長方形、正方形、曲線を含む形状及び自然石材に類似した形状のうちの一つあるいはそれ以上の組合わせから選択されており、前記表面成型用部材と前記目地用型枠は、前記装飾部材の輪郭に適合するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項7記載のプレキャスト壁体用型枠。
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