JP2009140750A - 透明導電フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】大面積においても電極での導電性のロスが小さく、かつ、高い透明性が得られ、平面の平滑性も改良されており、さらに、経時での電極での導電性低下が抑えられたフレキシブルな透明電極に好適な導電フィルムを提供する。
【解決手段】透明フィルム基材上に導電性金属パターンを有する透明導電フィルムにおいて、該導電性金属パターンが存在しない透光部は透明樹脂で埋められており、かつ、該導電性金属パターンの上部は該透明樹脂には覆われておらず、さらに該導電性金属パターンと該透明樹脂との上部に隣接して透明導電膜層が設置されており、かつ、該透明導電層が導電性高分子化合物からなることを特徴とする透明導電フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電フィルムに関し、さらに詳しくは、電極用透明導電フィルムに関する。
透明導電フィルムは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパーなどの透明電極、ならびに電磁波シールド材などに用いられている。広く応用されている透明導電フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明フィルムの表面の少なくとも一方に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)を真空蒸着法やスパッタリング法等のドライプロセスにて製膜する方法(例えば、特許文献1参照)である。しかしながら、ITO膜は曲げに弱くクラックが入り導電性が損なわれるトラブルを生じたり、導電性が十分ではないため、面積が大きなデバイスではロスが大きくなり支障をきたすことがある。特に高い導電性を得るためには加熱処理が必要であるが、透明フィルム基材を用いた場合は、高い温度がかけられないために高い導電性を得ることは難しい。
また、導電性高分子化合物を透明フィルムに製膜した透明導電フィルムが提案されている。導電性高分子により形成される透明導電性層は、膜自体に柔軟性があるため、クラックなどの問題を生じにくいメリットはあるが、導電性はITOよりも劣るものであった。
導電性を改善するために、導電膜層とグリッド電極を併用することは知られ開示されて(例えば、特許文献2、3参照)いる。また、エレクトロルミネッセンス用の電極として導電膜層とグリッド電極を併用し、その透光部に電気絶縁層やカラーフィルター層を設ける例が開示されて(例えば、特許文献4参照)いる。
しかしながら、これら開示技術においては、透明導電膜はITOなどの酸化物半導体を真空環境下で製膜する方法が利用されており、これでは、前述の通り曲げの耐性が十分ではなく、また、生産性も悪いものとなる。
さらに、導電性金属パターンにITOなどの酸化物半導体の透明導電膜を用いた場合、経時で導電性が劣化してくることが分かってきた。
また、写真技術を応用した銀塩法で導電性金属パターンを作製し、透明導電膜を併用してエレクトロルミネッセンスの電極として利用する例が(例えば、特許文献5参照)あり、電界を利用した液滴吐出手段を用いて導電性金属パターンを作製し、透明導電膜を併用して電子ペーパーに応用する例が開示されて(例えば、特許文献6参照)いる。これらにおいては、透明導電膜として導電性高分子化合物を利用することも書かれているが、窓部に樹脂をうめる等はなされていない。この開示技術だけでは、メッシュ部と透光性窓部に数μm程度の段差が存在するために、電極として利用する場合、用途によっては、段差の角部に電流や電界が集中し、均一性の低下や、リークによる素子破壊の原因となる。また、経時での導電性低下も見られた。
また、マイクロモーゼ効果を利用した半導体開口部の形成方法として、(例えば、非特許文献1参照)や(例えば、特許文献7参照)に開示されている。しかしながら、これらの文献にはこの技術を、透明フィルム基材上に導電性金属パターンを有し、該金属パターンが存在しない透光部は透明樹脂で埋められており、かつ、導電性金属パターンの上部は該透明樹脂には覆われておらず、さらに該導電性金属パターン上部と該透明樹脂上部とに隣接して透明導電膜層が設置されている透明導電フィルムであって、該透明導電層が導電性高分子化合物からなる透明導電フィルムに応用することや、それによって、大面積においても電極での導電性のロスが小さく、かつ、高い透明性が得られ、平面の平滑性も改良されており、さらに、経時での電極での導電性低下が抑えられたフレキシブルな透明電極に好適な導電フィルムを提供できることについては何ら示唆されていない。
特開2003−115220号公報 特開平6−140646号公報 特開2005−302508号公報 特開平10−162961号公報 特開2006−352073号公報 特開2005−338230号公報 特開2005−317930号公報 第一回日本磁気科学会年次大会プログラム・要旨集P.69−70
本発明の目的は、大面積においても電極での導電性のロスが小さく、かつ、高い透明性が得られ、平面の平滑性も改良されており、さらに、経時での電極での導電性低下が抑えられたフレキシブルな透明電極に好適な導電フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.透明フィルム基材上に導電性金属パターンを有する透明導電フィルムにおいて、該導電性金属パターンが存在しない透光部は透明樹脂で埋められており、かつ、該導電性金属パターンの上部は該透明樹脂には覆われておらず、さらに該導電性金属パターンと該透明樹脂との上部に隣接して透明導電膜層が設置されており、かつ、該透明導電層が導電性高分子化合物からなることを特徴とする透明導電フィルム。
2.透明フィルム基材上にハロゲン化銀粒子を含有する層を設け、所望するパターンで露光、現像処理することにより、所望するパターンの金属銀部を形成し、さらに物理現像処理およびメッキ処理の少なくとも何れかを施すことにより導電性金属パターンが形成されていることを特徴とする前記1記載の透明導電フィルム。
3.透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いてメッキ触媒インキを所望パターンで塗布した後、無電解メッキにより導電性金属パターンが形成されていることを特徴とする前記1記載の透明導電フィルム。
4.透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて金属微粒子含有インキあるいは金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキを所望パターンで塗布する、あるいは金属イオンまたは金属錯体イオン含有インキと還元剤含有インキとを異なるノズルから所望パターンで塗布することにより導電性金属パターンが形成されていることを特徴とする前記1記載の透明導電フィルム。
5.導電性金属パターンを形成後、液滴吐出手段を介して透光部にのみに樹脂を塗布したことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
6.導電性金属パターンを形成後、全面に紫外線硬化樹脂を塗布、さらに裏面から紫外線を照射して透光部のみ紫外線硬化樹脂を硬化させた後に、導電性金属パターン上の未架橋の紫外線硬化樹脂を除去することにより透光部にのみ樹脂を設けたことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
7.導電性金属パターンを形成後、全面に樹脂成分を含有する流動可能な塗料を塗布し、さらに該透明導電フィルムに強磁場を印加した後に、該塗料を固化させることにより透光部にのみ樹脂を設けたことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
8.少なくとも透明導電膜設置前に加圧または加熱加圧処理されていることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
本発明によれば、大面積においても電極での導電性のロスが小さく、かつ、高い透明性が得られ、平面の平滑性も改良されており、さらに、経時での電極での導電性低下が抑えられたフレキシブルな透明電極に好適な導電フィルムを提供することができる。
本発明の上記課題解決は、上記構成により達成されるが、経時での電極での導電性低下については、透明導電層がITOなどの酸化物ではなくて導電性高分子化合物であり、かつ、窓部に樹脂が埋められていることではじめて解決出来たと考えている。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、透明フィルム基材上に導電性金属パターンを有し、該金属パターンが存在しない透光部は透明樹脂で埋められており、かつ、導電性金属パターンの上部は該透明樹脂には覆われておらず、さらに該導電性金属パターン上部と該透明樹脂上部とに隣接して導電性ポリマー樹脂からなる透明導電膜層が設置されていることよって、大面積においても導電性のロスが小さく、かつ、高い透明性を有し、また、表面の平滑性が改良されたフレキシブルな透明電極に好適な導電フィルムを提供できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明の透明導電フィルムは本発明のクレームを満たすものであれば、特に制限されないが、例えば、透明フィルム基材上に導電性金属パターンを形成した後、該金属パターンが存在しない透光部のみに透明樹脂を設けた後に導電性高分子化合物を含有する塗布液を塗布することにより作製することができる。さらに高い平滑性が求められる場合やメッシュ部の導電性向上の目的で加圧または加圧加熱処理を施すことも好ましく用いられ、少なくとも透明導電膜設置前に実施するのが好ましい。以下、本発明の好ましい形態について説明する。
[透明フィルム基材]
本発明に用いられる透明フィルム基材としては、プラスチックフィルムを用いることができる。
プラスチックフィルムの原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが最も好ましい。
透明フィルム基材は塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理や易接着層を設けることが好ましい。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できるが、透明フィルム基材が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率が1.57〜1.63とすることで、フィルム基材と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾルなどの比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで作製できる。易接着層は単層でも良いが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしても良い。
(透光部穴埋め処理)
本発明の透光部を埋めるために使用される樹脂は透明であれば特に制限はないが、例えば、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、オレフィン系樹脂、セルロース樹脂、ブチラール系樹脂等を利用できる。
透光部のみに樹脂を設ける方法としては、特に限定されないが、例えば、導電性金属パターンを形成後、液滴吐出手段を介して透光部にのみに樹脂を塗布する方法(以下、インクジェット法とも記す)、導電性金属パターンを形成後、全面に紫外線硬化樹脂を塗布、さらに裏面から紫外線を照射して透光部のみ紫外線硬化樹脂を硬化させた後に、導電性金属パターン上の未架橋の紫外線硬化樹脂を除去する方法(以下、裏露光法とも記す)、あるいは、導電性金属パターンを形成後、全面に樹脂成分を含有する流動可能な塗料を塗布し、さらに該フィルムに強磁場を印加した後に、該塗料を固化させる方法(以下、マイクロモーゼ効果利用法とも記す)などを好ましく用いることができる。
インクジェット法又は静電インクジェット法
液滴吐出手段を介して透光部にのみに樹脂を塗布する方法としてはいわゆるインクジェット法や静電インクジェット法を用いることができる。
インクジェット法や静電インクジェット法への適用のしやすさの点で、インキの溶媒としては水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、更に好ましい分散媒としては水、炭化水素系化合物を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。
インクジェット法あるいは静電インクジェット法の場合は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂の水分散樹脂を好ましく用いることができる。
また、UV硬化樹脂を用いる場合などは、溶媒フリーで、紫外線硬化モノマー液に各種添加剤を添加した塗布液を用いることもできる。紫外線硬化モノマーとしては例えば、裏露光法に記載のものを使用できる。
裏露光法
次に、導電性金属パターンを形成後、全面に紫外線硬化樹脂を塗布、さらに裏面から紫外線を照射して透光部のみ紫外線硬化樹脂を硬化させた後に、導電性金属パターン上の未架橋の紫外線硬化樹脂を除去する方法について説明する。
紫外線硬化樹脂とは紫外線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂で、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられる。例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等が挙げられる。本発明では、バインダーとしてアクリル系、アクリルウレタン系の紫外線硬化樹脂を主成分とすることが好ましい。
アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。例えば、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
これらの中で、バインダーの主成分として、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレートから選択されるアクリル系の活性線硬化樹脂が好ましい。
これら紫外線硬化性樹脂の光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤として使用できる。また、エポキシアクリレート系の光反応開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。紫外線硬化樹脂組成物に用いられる光反応開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
紫外線線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、導電性金属パターンを設けた面とは逆の面から紫外線を照射することで導電性金属パターンがマスクとなり透光部のみ硬化させることができる。硬化後、溶剤等により洗浄することで導電性金属パターン上の未反応の樹脂成分は除去することができる。
マイクロモーゼ効果利用法
磁化率の高い金属部分を選択的に開口して絶縁膜を設ける方法が、マイクロモーゼ効果を利用した半導体開口部の形成方法として、文献、第一回日本磁気科学会年次大会プログラム・要旨集P.69−70や特許文献特開2005−317930号公報に開示されている。本発明においても該手法を好ましく利用できる。特に、本手法はインクジェット法のような位置あわせが不要であり、また、裏露光法のようなパターン上の残渣を取り除く工程も不要で、最も好ましい方法である。
前述の文献に記載のように、ガラスや紙、水のような弱磁性体は自発磁化が無く、磁場によって誘起される磁気相互作用も非常に小さいため、物質移動に利用できるほどの力は発生しない。従って、弱磁性体を磁場によって物質移動させて利用する技術は、ほとんど用いられていない。しかし、強磁場を用いると、磁場中で誘起された磁気相互作用が大きくなるため、流動性のある物質に強磁場を印加する場合には、弱磁性体であっても自身の形状を変える駆動力になる。
例えば、塗料が反磁性(磁化率χ<0)を示し、磁場を概略垂直方向に印加するケースについて説明すると、磁化率の異なる2以上の物質を含む基板に強磁場を印加すると、磁化率の最も高い物質、本発明では導電性金属パターン部に磁力線が集中した磁束密度分布を有する磁場が形成される。ここに、樹脂成分を含有する流動可能な塗料を塗布すると磁力線が集中した部分から遠ざかるように力を受けて、導電性金属パターン部上の樹脂がはじかれる。なお、塗料が常磁性(χ>0)を示す場合は磁場を概略平行方向に印可すれば良い。
本発明で使用する磁場強度としては、磁束密度は2T(テスラ)以上であることが好ましく、更に好ましくは10T以上である。その効果は、磁場の強さの2乗に比例するため、より強力な磁場を用いることによって強磁性体以外の物質に対する本発明の適応範囲が広がる。
また、導電性金属パターン部にニッケル金属などの磁化率の高い材料を含有させると、より磁束密度が集中し強い力を発生させることが可能となり、好ましく用いることができる。その場合は使用する磁場強度としては、0.1T程度から利用可能となる。導電性金属パターン部に用いる磁化率の高い材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウムをあげることができる。この中でもニッケルは酸化耐性も高く、メッキ等で容易に被膜作製できることから好ましく利用できる。導電性金属パターン部にニッケル金属を含有させる方法としては、あらかじめ作製した導電性のある導電性金属パターン部にニッケル電界メッキをかける方法が好ましい。ニッケルメッキとしては無電解ニッケルメッキも知られているが、無電解ニッケルメッキで作製されるニッケル被膜は高温の熱処理をしなければ強磁性体とならないため、透明フィルム基材を用いる本発明においては基材の劣化から適用することが難しい。もちろん、比較的低強度の磁場を適用することを目的とせず、例えば黒化処理などの、別な目的で加熱処理をせずに利用できる無電解ニッケルメッキを本発明に使用することは問題ない。
本方法において樹脂成分を含有する流動可能な塗料を固化する方法は特に限定されないが、溶剤成分を揮発させて固化する方法や紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂を紫外線や熱で硬化させる方法などを使用できる。こうした樹脂としては例えば、前述のインクジェット法や裏露光法で記載した樹脂を利用できる。
(導電性高分子化合物)
本発明においては、導電性金属パターン上と透光性窓部に埋められた樹脂層上とに隣接して、導電性高分子化合物からなる透明導電膜を設ける。
これによって、大面積にしてもロスの少ない面電極にすることが可能で、かつ、ITOなどの無機系導電膜に比べて屈曲に強い導電性フィルムとすることができる。さらに、ITOなどの酸化物半導体膜に比べて、経時での電極の抵抗劣化を防ぐことができる。詳しくは分かっていないが、金属と酸化物半導体の界面で金属や酸素の移動がおこり、界面での接触抵抗が大きくなってくるのではと考えている。また、透光性窓部を樹脂で埋めずに導電性高分子を設ける場合よりも経時での電極の抵抗劣化を防ぐことができる。これは、窓部が埋められていないと導電性金属パターンの側面部では、導電性高分子の膜厚が薄くなり、この部分から導電性金属パターンの酸化劣化等が生じるためと考えている。
次に本発明における導電性高分子について説明する。
導電性高分子としては、特に限定されず、ポリピロール、ポリインドール、ポリカルバゾール、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)系、ポリアニリン系、ポリアセチレン系、ポリフラン系、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリアズレン系、ポリパラフェニレン系、ポリパラフェニレンサルファイド系、ポリイソチアナフテン系、ポリチアジル等の鎖状導電性ポリマーや、ポリアセン系導電性ポリマーも利用することができる。中でも、導電性、透明性等の観点からポリエチレンジオキシチオフェン系やポリアニリン系が好ましい。
また、本発明においては、上記導電性高分子の導電性をより高めるために、ドーピング処理を施すことが好ましい。導電性高分子に対するドーパントとしては、例えば、炭素数が6〜30の炭化水素基を有するスルホン酸(以下「長鎖スルホン酸」ともいう。)あるいはその重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO4(M=Li+、Na+)、R4+(R=CH3、C49、C511)、またはR4+(R=CH3、C49、C511)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なかでも、上記長鎖スルホン酸が好ましい。
長鎖スルホン酸としては、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。ハロゲンとしては、Cl2、Br2、I2、ICl3、IBr、IF5等が挙げられる。ルイス酸としては、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BCl3、BBr3、SO3、GaCl3等が挙げられる。プロトン酸としては、HF、HCl、HNO3、H2SO4、HBF4、HClO4、FSO3H、ClSO3H、CF3SO3H等が挙げられる。遷移金属ハロゲン化物としては、NbF5、TaF5、MoF5、WF5、RuF5、BiF5、TiCl4、ZrCl4、MoCl5、MoCl3、WCl5、FeCl3、TeCl4、SnCl4、SeCl4、FeBr3、SnI5等が挙げられる。遷移金属化合物としては、AgClO4、AgBF4、La(NO33、Sm(NO33等が挙げられる。アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、Be、Mg、Ca、Sc、Ba等が挙げられる。
また、導電性高分子に対するドーパントは、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどのフラーレン類に導入されていてもよい。本発明の透明導電材料及び透明導電素子において、上記ドーパントは、導電性高分子100質量部に対して、0.001質量部以上含まれていることが好ましい。さらには、0.5質量部以上含まれていることがより好ましい。尚、本実施形態の透明導電性フィルムは、長鎖スルホン酸、長鎖スルホン酸の重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO4、R4+、およびR4+からなる群から選ばれる少なくとも1種のドーパントと、フラーレン類との双方を含んでいてもよい。
本発明の透明導電材料及び透明導電素子は、2nd.ドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物などが挙げられる。前記水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
本発明の透明導電材料及び透明導電素子において、導電性高分子100質量部に対する上記2nd.ドーパントの含有量は0.001質量部以上が好ましく、0.01〜50質量がより好ましく、0.01〜10質量部が特に好ましい。
(導電性金属パターン)
本発明の導電性金属パターンにおいては、パターン形状としては特に制限はないが、例えば、三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、(正)六角形、(正)八角形等を組み合わせた幾何学図形からなるメッシュ状のパターンを上げることができる。
導電性パターンは導電性高分子化合物からなる透明導電膜を併用しない、単独のフィルムで50Ω/□以下の導電性を有することが好ましく、10Ω/□以下であることが最も好ましい。50Ω/□を超える導電性パターンでは導電性高分子化合物からなる透明導電膜単独に対する導電性改善効果が小さい。
こうした導電性金属パターンを形成する方法としては、特に制限されるわけではないが、透明フィルム基材上にハロゲン化銀粒子を含有する層を設け、所望するパターンで露光、現像処理することにより、所望するパターンの金属銀部を形成し、さらに物理現像処理および/またはメッキ処理することにより形成する方法や、透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いてメッキ触媒インキを所望パターンで塗布した後、無電解メッキにより形成する方法、さらには、透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて金属微粒子含有インキあるいは金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキを所望パターンで塗布する、あるいは金属イオンまたは金属錯体イオン含有インキと還元剤含有インキとを異なるノズルから所望パターンで塗布する方法は、エッチング法で見られるような交点太りがなく、また、10μm前後の細線を作製することも可能であり、高い透明性を達成する上で好ましく用いることができる。詳しくは、高い透過率達成のためには透明導電膜の膜厚を薄く抑える必要があり、その場合は導電膜の抵抗値が高くなる。そのために、透光部の導電性を確保するためには導電性金属パターン間隔を狭くする必要がある。その場合は光を通さない導電性金属パターン部の面積が増加することから、高い透光率達成のためには導電性金属部の細線化が必須となる。さらにエッチング法などで見られる交点太りは例えばパターンがメッシュ状の場合、その間隔を狭くすると交点の数が増加し、透過率が大きくダウンする。そのため、導電性金属パターンの交点太りがなく、また、細線化が可能な前述の方法は本発明において特に好ましい実施形態である。
(導電性金属パターンの形成)
(静電インクジェットによる導電性パターンの形成)
インクジェット方式の中でも、静電インクジェットは高粘度の液体を高精度に連続的に印字することが可能であり、本発明の導電性金属パターンの形成に好ましく用いられる。本発明の導電性金属パターン形成においては、帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて形成されることが好ましい実施形態のひとつである。この方法によれば導電性金属パターンの交点太りがなく、また、細線化が可能である。
さらに前記ノズル内の溶液が当該ノズル先端部から凸状に盛り上がった状態を形成する凸状メニスカス形成手段を設けた吐出装置を用いて形成されることが好ましい。
また、前記凸状メニスカス形成手段を駆動する駆動電圧の印加及び吐出電圧印加手段による吐出電圧の印加を制御する動作制御手段を備え、この動作制御手段は、前記吐出電圧印加手段による吐出電圧の印加を行わせつつ液滴の吐出に際して前記凸状メニスカス形成手段の駆動電圧の印加を行わせる第一の吐出制御部を有する液体吐出装置を用いることも好ましい。
また、前記凸状メニスカス形成手段の駆動及び吐出電圧印加手段による電圧印加を制御する動作制御手段を備え、この動作制御手段は、前記凸状メニスカス形成手段による溶液の盛り上げ動作と前記吐出電圧の印加とを同期させて行う第二の吐出制御部を有することを特徴とする液体吐出装置を用いること、前記動作制御手段は、前記溶液の盛り上げ動作及び吐出電圧の印加の後に前記ノズル先端部の液面を内側に引き込ませる動作制御を行う液面安定化制御部を有する液体吐出装置を用いることも好ましい形態である。
この様な静電インクジェットを用いて導電性金属パターンを作製する具体的な方法としては、例えば、メッキ触媒インキを所望パターンで塗布した後、無電解メッキにより導電性金属パターンが形成する方法や金属微粒子含有インキあるいは金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキを所望パターンで塗布する、あるいは金属イオンまたは金属錯体イオン含有インキと還元剤含有インキとを異なるノズルから所望パターンで塗布する方法を挙げることができる。特に、金属微粒子含有インキあるいは金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキを所望パターンで塗布する、あるいは金属イオンまたは金属錯体イオン含有インキと還元剤含有インキとを異なるノズルから所望パターンで塗布する方法はメッキ処理などの追加の工程が不要でありより好ましい。さらに、金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキを用いる、あるいは金属イオンまたは金属錯体イオン含有インキと還元剤含有インキとを異なるノズルから所望パターンで塗布する方法であれば、金属微粒子含有インキを用いるよりも導電性金属パターン表面に凹凸が生じにくいことから平滑性を求められる用途などでは最も好ましく用いることができる。
この様な静電インクジェット法で用いられるインキの粘度は、好ましくは30mPa・s以上であり、更に好ましくは100mPa・s以上である。
(触媒インキ)
触媒インキについては、バインダー樹脂と無電解メッキ触媒を含む触媒インキを用いる。無電解メッキ触媒としては、無電解メッキで金属を成長させることが出来るものであれば特に制限はないが、貴金属コロイド粒子を用いるのが好ましい。貴金属コロイド粒子としては、無電解メッキに用いる公知の触媒粒子、例えば、パラジウム、金、銀、白金等の貴金属のコロイド状の微粒子を用いることができる。なかでも、貴金属としてはパラジウムが代表的である。なお、貴金属コロイド粒子を用いる場合は、該粒子と反対の表面電荷を有する粒子として微細アルミナゲル、シリカゲル等の触媒担持体に、貴金属コロイド粒子を担持させて用いることが望ましい。触媒担持体の利用により、貴金属コロイド粒子は、触媒インキパターンの表面に露出し易くなる上、これら触媒担持体は、触媒インキにチキソトロピー性を与える事が出来、画線部の輪郭におけるインキの切れをシャープにし、滲みや太りを起こし難くする。
なお、触媒インキのバインダー樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂等を一種又は二種以上の混合樹脂として用いる。また、触媒インキは、この様なバインダー樹脂と、前記貴金属からなる無電解メッキ触媒、及び適宜な溶剤等からなるが、この他、印刷適性を調整する等の為に、必要に応じ更に、体質顔料、界面活性剤、着色剤等の添加剤を含有させても良い。体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等の粉末を用いる。なお、着色剤を含有させることで、無電解メッキ前の段階で、パターン状に印刷形成された触媒インキパターンの出来具合の品質確認を行い易く出来る。着色剤には、カーボンブラック等の公知の着色剤を用いれば良い。また、触媒インキは、有機溶剤系、水系、エマルション系等いずれでも良い。なお、メッキ処理は後述する。
(金属微粒子含有インキ)
ここで用いられる導電性微粒子は、銀、金、銅、パラジウム、白金、アルミニウム及びニッケルのうちのいずれかを含有する金属微粒子、または、この金属を含む合金の微粒子が用いられる。
これらの金属微粒子には、分散性を向上させるために表面に有機物などの被膜(コーティング材)がコーティングされている。
導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、前記液滴吐出ヘッドのノズルに目詰まりが生じるおそれがある。また、1nmより小さいと、金属微粒子の分散性が悪くなる、金属微粒子に対するコーティング材の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる、などの問題が生じる。分散媒としては、前記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されないが、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を挙げることができる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、またインクジェット法への適用のしやすさの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、更に好ましい分散媒としては水、炭化水素系化合物を挙げることができる。これらの分散媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。
前記導電性微粒子を分散媒に分散する場合の分散質濃度は1質量%以上80質量%以下であり、所望の導電膜の膜厚に応じて調整することができる。80質量%を超えると凝集をおこしやすくなり、均一な膜が得にくい。
(金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキ)
金属イオンまたは金属錯体イオンと、還元剤とを含む導電材料としては、金属微粒子含有インキであげた金属の硝酸塩、有機酸塩、アンミン錯体等の金属イオンまたは金属錯体イオンと、還元末端を有する有機化合物とからなるものとすることが良い。還元剤としてこのような材料を使用するのは、一液状態での安定性を確保するためであり、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースが好適なものとして例示される。この場合、導電材料の吐出、描画後に、100〜200℃程度の温度で加熱処理することで、銀イオンまたは銀錯体が還元され、金属銀を生じ、電磁波シールドパターンを得ることができる。また、銀錯体を含む溶液と、還元剤を含む溶液からなり、これらの溶液がそれぞれ異なるノズルより吐出され、前記透明基板の表面上で混合され、還元された金属銀が析出される方法も好ましく利用できる。
導電材料として、金属錯体を含む溶液と、還元剤を含む溶液の2液とする場合は上記のように液の安定性にとらわれる必要は無く、金属錯体としては、アンミン錯体を好適なものとして例示でき、還元剤としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖等の各種糖類、アスコルビン酸、ビタミンE等が例示される。この場合、還元反応は常温領域で進行し、導電性金属パターンが得られるメリットもある。必要に応じて水洗等の処理を行うことは任意である。
(ハロゲン化銀感光材料(以後、単に感光材料ともいう)を利用する方法)
〔ハロゲン化銀粒子含有層〕
本発明に係るハロゲン化銀粒子を含有する層(以後ハロゲン化銀粒子含有層ともいう)において、ハロゲン化銀粒子を均一に分散させ、かつハロゲン化銀粒子を支持体上に担持し、ハロゲン化銀粒子乳剤含有層と支持体の接着性を確保する目的でバインダーを用いる。本発明に用いることができるバインダーには、特に制限がなく、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれも用いることができるが、現像性向上の観点からは、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
本発明に係る感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じてゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
本発明においては、後述するハロゲン化銀粒子及びバインダーを含有するハロゲン化銀粒子含有層が透明フィルム基材上に設けられるが、ハロゲン化銀粒子乳剤含有層は、この他に、硬膜剤、硬調化剤、活性剤等を含有することができる。
本発明において、露光前のハロゲン化銀粒子含有層のハロゲン化銀粒子の銀/バインダー体積比は0.3以上0.8以下であることが好ましく、0.4以上0.7以下であることが最も好ましい。0.3よりも小さいと物理現像を施しても十分な導電性を得ることが難しくなり、また0.8より大きいと、バインダーがハロゲン化銀粒子を十分に保持することが出来なくなり、塗布液においてはハロゲン化銀粒子の凝集が発生したり、パターン形成後はパターン保持性が劣りパターンの剥がれを生じたりするため好ましくない。
本発明において、ハロゲン化銀粒子含有層の付き量としては、バインダー量が、0.05g/m2以上0.25g/m2以下であることが好ましい。0.05g/m2より小さいと十分な導電性を得ることが難しくなり、0.25g/m2より大きいとパターン部の基材に近い側に導電性に寄与しない現像銀粒子が多数存在するようになって(基材に近い側では露光の光が減衰していたり、物理現像がかかりにくくなるためと推察)同じ導電性のフィルムで比較した場合にヘイズが上昇したり、また、湿度によりバインダー膜が収縮/伸張してカールを生じやすくなる為好ましくない。
〔ハロゲン化銀粒子〕
本発明で用いられるハロゲン化銀粒子の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものであってもよいが、本発明の効果を得るには、ハロゲン化銀粒子の組成が塩臭化銀であり、塩化銀含有率が55モル%以上であって、かつ、臭化銀含有率が5から45モル%であることが好ましく、塩化銀含有率が70モル%以上であって、かつ、臭化銀含有率が10から30モル%であることが更に好ましい。塩化銀が55モル%未満では感度、硬調化の点で、物理現像に適した銀濃度を得ることが難しく、臭化銀が5モル%未満では現像銀のフィラメント構造が広がらないために、現像銀粒子間の距離が遠くなり、物理現像がうまくかからないために、望ましい導電性が得にくくなる。
ハロゲン化銀粒子が現像され金属銀粒子になった後の表面比抵抗を下げるためには、現像銀粒子同士の接触面積ができるだけ大きくなる必要がある。そのためには表面積比を高めるためにハロゲン化銀粒子サイズが小さい程よいが、小さすぎる粒子は凝集して大きな塊状になりやすく、その場合接触面積は逆に少なくなってしまうので最適な粒子径が存在する。本発明において、ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、立方体換算径で0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.03〜0.3μmである。なお、ハロゲン化銀粒子の立方体換算径とは、個々の粒子の体積と等しい体積を立方体に換算したときの一辺の長さを表す。ハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズは、ハロゲン化銀粒子の調製時の温度、pAg、pH、銀イオン溶液とハロゲン溶液の添加速度、粒子径コントロール剤(例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、テトラザインデン化合物類、核酸誘導体類、チオエーテル化合物類等)を適宜組み合わせて制御することができる。
本発明においては、ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、3角形平板状、4角形平板状等)、8面体状、14面体状等、さまざまな形状であることができる。粒子サイズの分布には特に限定はないが、露光によるパターン形成時に、パターンの輪郭をシャープに再現させ、高い導電性を維持しながら透明性を高めるという観点からは、狭い分布が好ましい。本発明に係る感光材料に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、さらに好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子である。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
(式中、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
本発明で用いられるハロゲン化銀粒子は、さらに他の元素を含有していてもよい。例えば、写真乳剤において、硬調な乳剤を得るために用いられる金属イオンをドープすることも有用である。特に鉄イオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオンやイリジウムイオン等の第8〜10族金属イオンは、金属銀像の生成の際に露光部と未露光部の差が明確に生じやすくなるため好ましく用いられる。
これらの金属イオンは、塩や錯塩の形でハロゲン化銀粒子乳剤に添加することができる。ロジウムイオン、イリジウムイオンに代表される遷移金属イオンは、各種の配位子を有する化合物であることもできる。そのような配位子としては、例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオン等を挙げることができる。具体的な化合物の例としては、臭化ロジウム酸カリウムやイリジウム酸カリウム等が挙げられる。
本発明において、ハロゲン化銀粒子に含有される前記金属イオン化合物の含有率は、ハロゲン化銀1モル当たり、10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
ハロゲン化銀粒子に上述の金属イオンを含有させるためには、該金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後等、物理熟成中の各工程における任意の場所で添加すればよい。また、添加においては、重金属化合物の溶液を粒子形成工程の全体あるいは一部にわたって連続的に行うことができる。
本発明では、感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すことが好ましい。化学増感としては、例えば、金、パラジウム、白金増感等の貴金属増感、無機イオウ、または有機イオウ化合物によるイオウ増感等のカルコゲン増感、塩化錫、ヒドラジン等還元増感等を利用することができる。
また、ハロゲン化銀粒子には分光増感を施すことが好ましい。好ましい分光増感色素としては、シアニン、カルボシアニン、ジカルボシアニン、複合シアニン、ヘミシアニン、スチリル色素、メロシアニン、複合メロシアニン、ホロポーラー色素等を挙げることができ、当業界で用いられている分光増感色素を単用あるいは併用して使用することができる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合メロシアニン色素である。これらの色素類には、その塩基性異節環核として、シアニン色素類に通常利用される核の何れをも通用できる。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核及びこれらの核に脂環式炭化水素環が融合した核、及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核等である。これらの核は、炭素原子上で置換されてもよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素には、ケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核等の5から6員異節環核を適用することができる。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組み合わせを用いてもよい。増感色素の組み合わせは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。
これらの増感色素をハロゲン化銀粒子乳剤中に含有せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、あるいは水、メタノール、プロパノール、メチルセロソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解して乳剤へ添加してもよい。また、特公昭44−23389号、同44−27555号、同57−22089号公報等に記載のように、酸または塩基を共存させて水溶液としたり、米国特許第3,822,135号、同第4,006,025号明細書等に記載のようにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤へ添加してもよい。また、フェノキシエタノール等の実質上水と非混和性の溶媒に溶解した後、水または親水性コロイド分散したものを乳剤に添加してもよい。特開昭53−102733号、同58−105141号公報に記載のように親水性コロイド中に直接分散させ、その分散物を乳剤に添加してもよい。
〔露光〕
本発明では、支持体上に設けられた銀塩含有層に、所望の導電性金属パターンが得られるよう露光を行う。
露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
上記光源としては、例えば、陰極線(CRT)を用いた走査露光を挙げることができる。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種または2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤色、緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、紫色あるいは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。また、紫外線ランプも好ましく、水銀ランプのg線、水銀ランプのi線等も利用される。
また、本発明では、露光は種々のレーザービームを用いて行うことができる。例えば、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーまたは半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができ、さらにKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2レーザー等も用いることができる。システムをコンパクトで、安価なものにするために、露光は、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を用いて行うことが好ましい。特にコンパクトで、安価、さらに寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザーを用いて行うことが好ましい。
レーザー光源としては、具体的には、波長430〜460nmの青色半導体レーザー(2001年3月の第48回応用物理学関係連合講演会で日亜化学発表)、半導体レーザー(発振波長約1060nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約530nmの緑色レーザー、波長約685nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6738MG)、波長約650nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6501MG)等が好ましく用いられる。
銀塩含有層をパターン状に露光する方法は、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光等の露光方式を用いることができる。
〔化学現像処理〕
本発明では、感光材料を露光した後、化学現像処理(単に「化学現像」ともいう。)が行われる。化学現像処理は、発色現像主薬を含有しない、いわゆる黒白現像処理であることが好ましい。
化学現像処理液としては、現像主薬としてハイドロキノン、ハイドロキノンスルホン酸ナトリウム、クロルハイドロキノン等のハイドロキノン類の他に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン等のピラゾリドン類及びN−メチルパラアミノフェノール硫酸塩等の超加成性現像主薬と併用することができる。また、ハイドロキノンを使用しないでアスコルビン酸やイソアスコルビン酸等レダクトン類化合物を上記超加成性現像主薬と併用することが好ましい。
また、化学現像処理液には保恒剤として亜硫酸ナトリウム塩や亜硫酸カリウム塩、緩衝剤として炭酸ナトリウム塩や炭酸カリウム塩、現像促進剤としてジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノプロパンジオール等を適宜使用できる。
化学現像処理で用いられる現像処理液は、画質を向上させる目的で、画質向上剤を含有することができる。画質向上剤としては、例えば、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、5−メチルベンゾトリアゾール等の含窒素へテロ環化合物を挙げることができる。
本発明における化学現像処理においては、化学現像後に、未露光部分のハロゲン化銀粒子を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を行う。本発明における定着処理は、ハロゲン化銀粒子を用いた写真フィルムや印画紙等で用いられる定着液処方を用いることができる。定着処理で使用する定着液は、定着剤としてチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等を使用することができる。定着時の硬膜剤として硫酸アルミウム、硫酸クロミウム等を使用することができる。定着剤の保恒剤としては、化学現像処理液で述べた亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸等を使用することができ、その他にクエン酸、蓚酸等を使用することができる。
更に、定着処理後、水洗処理を行うことが好ましい。本発明に使用する水洗水には、防黴剤としてN−メチル−イソチアゾール−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−5−クロロ−3−オン、N−メチル−イソチアゾール−4,5−ジクロロ−3−オン、2−ニトロ−2−ブロム−3−ヒドロキシプロパノール,2−メチル−4−クロロフェノール、過酸化水素等を使用することができる。
〔物理現像処理〕
本発明においては、主たる成分が銀からなる導電性パターンに好ましい導電性を付与するために、化学現像処理後、物理現像処理(単に「物理現像」ともいう)を行う。本発明でいう「物理現像処理」とは、化学現像処理により感光性材料中のハロゲン化銀粒子から生成された現像銀以外に、新たに外部から銀イオンを供給し、化学現像処理で生される現像銀を補強するプロセスのことを示す。物理現像処理液から銀イオンを供給するための具体的な方法としては、例えば予め物理現像処理液中に硝酸銀等を溶解しておき銀イオンを溶かしておく方法、あるいは物理現像処理液中に、チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム等のようなハロゲン化銀溶剤を溶解しておき、現像時に未露光部のハロゲン化銀粒子を溶解させ、潜像を有するハロゲン化銀粒子の現像を補力する方法等が挙げられるが、本発明においては、前者であることが好ましい。
〔酸化処理〕
本発明においては、化学現像処理後、または/及び物理現像処理後に酸化処理を行ってもよい。酸化処理により、不要な金属成分をイオン化して溶解除去することが可能となり、フィルムの透過率をより高めることが可能となる。
酸化処理に用いる処理液としては、例えばFe(III)イオンを含む水溶液を用いて処理する方法、あるいは過酸化水素、過硫酸塩、過硼酸塩、過燐酸塩、過炭酸塩、過ハロゲン酸塩、次亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩、有機過酸化物等の過酸化物を含む水溶液を用いて処理する方法など、従来公知の酸化剤を含有する処理液を用いることができる。酸化処理は、化学現像処理終了後から、物理現像処理終了後までのどのタイミングで実施しても良いが、好ましくは、物理現像処理終了後に行う。
〔めっき処理〕
本発明においては、化学現像処理後、あるいは物理現像処理後に、更に導電性を高めるためにめっき処理を行っても良い。また、前述のメッキ触媒を静電インクジェット法で塗布する場合は無電解メッキ施す、あるいは無電解メッキに続けて電界メッキ処理を施す。
本発明において、めっき処理には従来公知の種々のめっき方法を用いることができ、例えば電解めっき及び無電解めっきを単独、あるいは組み合わせて実施することができ、めっきに用いることができる金属としては、例えば銅、ニッケル、コバルト、すず、銀、金、白金、その他各種合金を用いることができるが、本発明のメッシュ形状、及び効果を達成するためには、電解硫酸銅めっき処理が好ましく、更にめっき浴の硫酸銅濃度が60〜120g/lであることが好ましい。なお、鉄、銅、銀等の錆び易いものに関しては、酸化膜を設ける等の公知の防錆処理を、メッキ後に更に施しても良い。
(加圧または加圧加熱処理)
本発明においては、さらに高い平滑性が求められる場合やメッシュ部の導電性向上の目的で加圧または加圧加熱処理を施すことも好ましく用いられ、少なくとも透明導電膜設置前に実施するのが好ましい。この処理により、導電性金属パターン上部や透光窓部の樹脂表面を平滑化することが可能であり、また、導電性金属パターンと透光窓部の樹脂との段差をさらに低減することが可能となる。さらに、導電性金属パターン部の金属粒子密度が高くなり、粒子界面密着も向上することから導電性も向上さえることができる。
加圧に際しては、プレート上でプレートで加圧する面/面加圧やロールとロールの間に基材フィルムを通過させながら加圧させるニップロール加圧や、プレート上をロールで加圧する組み合わせた加圧を採用することができる。加圧の大きさは1kPから100MPaの範囲で任意に可能であるが、好ましくは10kPa〜10Mpaの範囲、より好ましくは、50kPa〜5MPaである。加圧が1kPより少ないと粒子同士の接触の効果が得られないし、100MPa以上では、面を平滑に保つことができにくくヘイズが上昇するので好ましくない。また、加圧に際して加熱すると効果的になるので、40℃〜300℃の範囲で加熱することが好ましい。特に透光窓部の樹脂表面平滑および金属パターンとの段差低減には樹脂のTg以上に加熱することが好ましい。加熱の時間は温度との関係で調節されて、高い温度では、短く、低温では長くというようにすることができる。加熱の方法は、ニップロールの場合には、ロールを予め所定の温度に加熱しておく方法やオートクレーブ室のような加熱室内で過熱する方法がある。所定の大きさの試料を複数枚枚葉積層して一度に加熱する方法は、生産性が高いので好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
(下引き済みPETフィルム支持体)
100μmの二軸延伸PET支持体の両面に12W・min/m2のコロナ放電処理を施し、それぞれの面に下引き塗布液B−1を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、さらに、それぞれの面のB−1乾燥膜上に12W・min/m2のコロナ放電処理を施し、下引き塗布液B−2を乾燥膜厚0.06μmになるように塗布した。その後、120℃で1.5分の熱処理を実施し、下引き済みPETフィルム支持体を得た。
〈下引き塗布液B−1〉
スチレン20質量部、グリシジルメタクリレート40質量部、ブチルアクリレート40質量部の共重合体ラテックス液(固形分質量30%) 50g
SnO2ゾル(A) 440g
化合物(UL−1) 0.2g
水で仕上げる 1000ml
〈下引き塗布液B−2〉
ゼラチン 10g
化合物(UL−1) 0.2g
化合物(UL−2) 0.2g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
硬膜剤(UL−3) 1g
水で仕上げる 1000ml
Figure 2009140750
SnO2ゾル(A)
(SnO2ゾル(A)の合成例)
SnCl4・5H2O 65gを蒸留水2000mlに溶解して均一溶液とし、次いでこれを煮沸し沈澱物を得た。生成した沈澱物をデカンテーションにより取り出し、蒸留水にて何度も水洗する。沈澱を水洗した蒸留水中に硝酸銀を滴下し、塩素イオンの反応がないことを確認後、洗浄した沈澱物に蒸留水を添加し全量を2000mlとする。これに30%アンモニア水40mlを加え加温することにより、均一なゾルを得た。更に、アンモニア水を添加しながらSnO2の固型分濃度が8.3質量%になるまで加熱濃縮し、SnO2ゾル(A)を得た。
〔ハロゲン化銀微粒子乳剤1の調製〕
反応容器内で下記溶液Aを34℃に保ち、特開昭62−160128号公報記載の混合撹拌装置を用いて高速に撹拌しながら、硝酸(濃度6%)を用いてpHを2.95に調整した。引き続き、ダブルジェット法を用いて下記溶液Bと下記溶液Cを一定の流量で8分6秒間かけて添加した。添加終了後に、炭酸ナトリウム(濃度5%)を用いてpHを5.90に調整し、続いて下記溶液Dと溶液Eを添加した。
(溶液A)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 18.7g
塩化ナトリウム 0.31g
溶液I(下記) 1.59ml
純水 1246ml
(溶液B)
硝酸銀 169.9g
硝酸(濃度6%) 5.89ml
純水にて317.1mlに仕上げる
(溶液C)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 5.66g
塩化ナトリウム 58.8g
臭化カリウム 13.3g
溶液I(下記) 0.85ml
溶液II(下記) 2.72ml
純水にて317.1mlに仕上げる
(溶液D)
2−メチル−4ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデン 0.56g
純水 112.1ml
(溶液E)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.96g
溶液I(下記) 0.40ml
純水 128.5ml
(溶液I)
界面活性剤:ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸エステルナトリウム塩の10質量%メタノール溶液
(溶液II)
六塩化ロジウム錯体の10質量%水溶液
上記操作終了後に、常法に従い40℃にてフロキュレーション法を用いて脱塩及び水洗処理を施し、溶液Fと防バイ剤を加えて60℃でよく分散し、40℃にてpHを5.90に調整して、最終的に臭化銀を10モル%含む平均粒子径0.09μm、変動係数10%の塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。
(溶液F)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 16.5g
純水 139.8ml
上記ハロゲン化銀乳剤に対し、チオ硫酸ナトリウムをハロゲン化銀1モル当たり20mg用い、40℃にて80分間化学増感を行い、化学増感終了後に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)をハロゲン化銀1モル当たり500mg、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールをハロゲン化銀1モル当たり150mg添加して、ハロゲン化銀乳剤EM−1を得た。このハロゲン化銀乳剤EM−1のハロゲン化銀粒子とゼラチンの体積比(ハロゲン化銀粒子/ゼラチン)は0.625であった。さらに硬膜剤(H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン)をゼラチン1g当たり200mgの比率となるようにして添加し、また塗布助剤として、界面活性剤(SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム)を添加し、表面張力を調整した。こうして得られた塗布液を、ゼラチンの付き量150mg/m2になるように上記易接着ポリエステルフィルム支持体の片方の面上に塗布した後、50℃、24時間のキュア処理を実施し、ハロゲン化銀粒子を含有する層を有するハロゲン化銀感光材料を得た。
(透明導電フィルム101の作製)
上述のようにして作製したハロゲン化銀感光材料に対して、ライン幅が6μm、ライン同士の間隔が244μmの格子状のフォトマスクを介して、紫外線ランプを用いて露光を行い、下記現像液(DEV−1)を用いて25℃で60秒間現像処理を行った後、下記定着液(FIX−1)を用いて25℃で120秒間の定着処理を行った。さらに、下記物理現像液(PDEV−1)を用いて25℃で10分間物理現像を行った後、水洗、乾燥処理を行った。導電性金属パターンはライン幅が7μm、平均的な高さが0.8μmだった。
(DEV−1)
純水 500ml
メトール 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
ハイドロキノン 4g
ホウ砂 4g
チオ硫酸ナトリウム 10g
臭化カリウム 0.5g
水を加えて全量を1リットルとする
(FIX−1)
純水 750ml
チオ硫酸ナトリウム 250g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
氷酢酸 15ml
カリミョウバン 15g
水を加えて全量を1リットルとする
(PDEV−1)
下記A液、B液を処理の直前に混合する
(A液)
純水 400ml
クエン酸 10g
リン酸水素2ナトリウム 1g
アンモニア水(28%水溶液) 1.2ml
ハイドロキノン 3g
(B液)
純水 10ml
硝酸銀 0.4g
(水洗処理及び乾燥処理)
水洗処理は、水道水で10分間洗い流した。また乾燥処理は、乾燥風(50℃)を用いてドライ状態になるまで乾燥した。
引き続いて、下記〈紫外線硬化樹脂層塗布組成物1〉を導電性金属パターンを形成したフィルムにコートし、80℃で1分間乾燥した後、金属パターンを設けた面とは逆の面から120mJ/cm2の紫外線を高圧水銀灯で照射して硬化後の膜厚が0.8μmになるように紫外線硬化樹脂層を設けた。さらにメチルエチルケトンで導電性金属パターン上部の未硬化の樹脂を洗い流して乾燥した。引き続いて、110℃に加熱したニップロール間に1Mpaの圧力をかけ、ロール間にフィルムを通すことにより、加圧加熱処理をした。
〈紫外線硬化樹脂層塗布組成物1〉
ペンタエリスリトールトリアクリレート 100質量部
ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部
メチルエチルケトン 75質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部
導電性高分子化合物として、スルホン酸系ドーパントを含有する導電性ポリアニリンの分散液ORMECON D1033(ドイツ オルメコン社製)を用いて、乾燥膜厚が130nmとなるように作製したフィルム上に塗布、乾燥し、本発明の透明導電フィルム101を作製した。
(透明導電フィルム102の作製)
透光部を埋める樹脂を、下記(IJ塗布液1)をピエゾ方式の口径50μmのヘッドを搭載したインクジェット装置にて、透光部に乾燥膜厚で0.8μmで塗布した後、120mJ/cm2の紫外線を高圧水銀灯で照射して硬化させた以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム102を作製した。
(IJ塗布液1)
SP−1 3質量部
EP−1 20質量部
東亞合成社製OXT221 40.4質量部
東亞合成社製OXT212 25質量部
東亞合成社製OXT101 3質量部
プロピレンカーボネート 3質量部
トリイソプロパノールアミン 0.1質量部
信越シリコーン社製 X−22−4272 0.5質量部
東亞合成社製ARUFON UP1021 5質量部
Figure 2009140750
(透明導電フィルム103の作製)
導電性金属パターンの形成を以下の方法にした以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム103を作製した。
導電性金属パターンの形成を以下の方法にした以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム103を作製した。
公知のノズル先端部内径10μmの静電インクジェットプリンターを用いて以下のPd微粒子分散液を純水/プロピレングリコールモノメチルアセテート混合溶媒で希釈して触媒インキを塗布し、幅10μmで、間隔を240μmのメッシュ状パターンを作製し、引き続いて下記無電解メッキ液(PL−2)を用いて45℃で無電解銅めっき処理を行って導電性金属パターンを形成した。
可溶性パラジウム塩(Pd2+濃度1.0g/l) 20質量%
イソプロピルアルコール 12質量%
グリセリン 20質量%
2−メチル−2,4−ペンタンジオール 5質量%
1,3−ブタンジオール 3質量%
イオン交換水 40質量%
(PL−2)
硫酸銅 0.04モル
ホルムアルデヒド(37%) 0.08モル
水酸化ナトリウム 0.10モル
トリエタノールアミン 0.05モル
ポリエチレングリコール 100ppm
水を加えて全量を1リットルとする
(透明導電フィルム104の作製)
導電性金属パターンの形成を以下の方法にした以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム104を作製した。
公知のノズル先端部内径10μmの静電インクジェットプリンターを用いてAg含有率20質量%のAg微粒子インク(Agの平均粒系10nm、保護コロイド樹脂5質量%含有のイソプロピルアルコール分散体)をプロピレングリコールモノメチルアセテートに溶解した液を塗布し、幅10μmで、間隔を240μmの導電性金属パターンを形成した。
(透明導電フィルム105の作製)
導電性金属パターンの形成を以下の方法にした以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム105を作製した。
公知のノズル先端部内径10μmの静電インクジェットプリンターを用いてAg含有率20質量%のAu粒子インク(Au粒子平均系100nm、Au粒子含有率30質量%護コロイド含有率10質量%の水分散体)をプロピレングリコールモノメチルアセテートに溶解した液を塗布し、幅10μmで、間隔を240μmの導電性金属パターンを形成した。
(透明導電フィルム106の作製)
導電性金属パターンの形成を以下の方法にした以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム106を作製した。
導電材料として硝酸銀の50%水溶液100gに濃アンモニア水を、一旦白色沈殿を生じ、これが再溶解するまで加えて銀アンミン錯体溶液とアスコルビン酸の20%水溶液とを別々のノズルを用い、公知のノズル先端部内径10μmの静電インクジェットプリンターを用いて塗布し、幅10μmで、間隔を240μmの導電性金属パターンを形成した。
(透明導電フィルム107の作製)
加圧加熱処理を実施しなかった以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム107を作製した。
(透明導電フィルム108の作製)
導電性高分子化合物としてPEDOT:PSS=1:2.5の分散液であるBaytron PH510(H.C.Starck社製)にジメチルスルホキシドを5質量%添加した液に変更した以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム108を作製した。
(透明導電フィルム109の作製)
さらに、導電性高分子化合物として導電性ポリアニリンの分散液ORMECON NXC001X(ドイツ オルメコン社製)を用いた以外は透明導電フィルム101と同様にして本発明の透明導電フィルム109を作製した。
(透明導電フィルム110の作製)
試料101で導電性金属パターンを銅薄膜をフォトリソグラフィー技術およびウェトエッチングによって幅10μmで、間隔を240μmのパターンとした以外は同様にして本発明の透明導電フィルム110を作製した。
(透明導電フィルム111の作製)
試料101において、物理現像後にニッケル電界メッキによって導電性金属パターン部にニッケル被膜を設けた。その後、〈紫外線硬化樹脂層塗布組成物1〉を導電性金属パターン上にダイコートし、5Tの磁場を垂直方向に10分印加した後に80℃で1分間乾燥し、120mmJ/cm2の紫外線を高圧水銀灯で照射して硬化後の膜厚が0.8μmになるように紫外線硬化樹脂層を設け、メチルエチルケトンで残渣を洗浄する工程を省いた。これら以外は同様にして、本発明の試料111を作製した。
(比較試料)
比較試料として以下の試料を準備した。
試料201;試料101で透光部の樹脂を設けなかった試料
試料202;試料101のORMECON D1033(ドイツ オルメコン社製)の代わりにITO膜を蒸着した試料
試料203;試料110のORMECON D1033(ドイツ オルメコン社製)の代わりにITO膜を蒸着した試料
各試料について以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(表面比抵抗の測定)
抵抗率計(ロレスタGP(MCP−T610型):(株)ダイヤインスツルメンツ社製)を用いて表面比抵抗を測定した。なお、本発明の試料については導電性高分子化合物を塗布する前の物理現像後の試料についても表面比抵抗を測定した。
× 100Ω/□以上
△× 50Ω/□以上100Ω/□未満
△ 30Ω/□以上50Ω/□未満
○△ 10Ω/□以上30Ω/□未満
○ 10Ω/□未満
◎ 5Ω/□未満。
(透過率の測定)
分光光度計(日立分光光度計U−3210:(株)日立製作所製)を用いて透過率を測定した。
○ 80%以上
○△ 75%以上80%未満
△ 70%以上75%未満
△× 65%以上70%未満
× 65%未満。
(屈曲耐性)
10cm×10cmに切り出した試料を直径3cmの円筒状に丸め、指で断面が∞のような形状になるように10回押し込みを繰り返して、ひび割れが発生するかを確認した。
○ 発生なし
× ひび割れ発生
(経時変化)
70℃、90%RHの環境下で10日間保存した試料の表面比抵抗を保存前後で比較した。
保存後の表面比抵抗値が保存前に対して
× 10倍以上に上昇
△× 5倍以上10倍未満
△ 3倍以上5倍未満
○△ 2倍以上3倍未満
○ 2倍未満とした。
なお、試料107は電顕観察すると導電性金属パターン部が他の試料よりも凹凸が激しいものであった。
Figure 2009140750
表1の通り、本発明によれば、高い導電性を有し、かつ、高い透明性を有し、さらに、経時での導電性低下が抑えられ、屈曲にも強い導電フィルムが得られることが分かる。特に、透明フィルム基材上にハロゲン化銀粒子を含有する層を設け、所望するパターンで露光、現像処理することにより、所望するパターンの金属銀部を形成し、さらに物理現像処理およびメッキ処理の少なくとも何れかを施すことにより導電性金属パターンが形成されている場合、あるいは、透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いてメッキ触媒インキを所望パターンで塗布した後、無電解メッキにより導電性金属パターンが形成されている場合、あるいは、透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて金属微粒子含有インキあるいは金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキを所望パターンで塗布する、あるいは金属イオンまたは金属錯体イオン含有インキと還元剤含有インキとを異なるノズルから所望パターンで塗布することにより導電性金属パターンが形成されている場合は、特に高い透明性が達成できていることが分かる。さらに、加圧加熱処理を施すことにより、より高い導電性が得られることが分かる。
一方、窓部に樹脂を設けない場合や、透明導電層が導電性高分子化合物でない場合は、経時で導電性が低下していることが分かる。

Claims (8)

  1. 透明フィルム基材上に導電性金属パターンを有する透明導電フィルムにおいて、該導電性金属パターンが存在しない透光部は透明樹脂で埋められており、かつ、該導電性金属パターンの上部は該透明樹脂には覆われておらず、さらに該導電性金属パターンと該透明樹脂との上部に隣接して透明導電膜層が設置されており、かつ、該透明導電層が導電性高分子化合物からなることを特徴とする透明導電フィルム。
  2. 透明フィルム基材上にハロゲン化銀粒子を含有する層を設け、所望するパターンで露光、現像処理することにより、所望するパターンの金属銀部を形成し、さらに物理現像処理およびメッキ処理の少なくとも何れかを施すことにより導電性金属パターンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の透明導電フィルム。
  3. 透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いてメッキ触媒インキを所望パターンで塗布した後、無電解メッキにより導電性金属パターンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の透明導電フィルム。
  4. 透明フィルム基材上に帯電した液体を吐出する内部直径が0.5〜30μmのノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記ノズル内に溶液を供給する供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備えた液体吐出装置を用いて金属微粒子含有インキあるいは金属イオンまたは金属錯体イオンと還元剤とを含有するインキを所望パターンで塗布する、あるいは金属イオンまたは金属錯体イオン含有インキと還元剤含有インキとを異なるノズルから所望パターンで塗布することにより導電性金属パターンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の透明導電フィルム。
  5. 導電性金属パターンを形成後、液滴吐出手段を介して透光部にのみに樹脂を塗布したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
  6. 導電性金属パターンを形成後、全面に紫外線硬化樹脂を塗布、さらに裏面から紫外線を照射して透光部のみ紫外線硬化樹脂を硬化させた後に、導電性金属パターン上の未架橋の紫外線硬化樹脂を除去することにより透光部にのみ樹脂を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
  7. 導電性金属パターンを形成後、全面に樹脂成分を含有する流動可能な塗料を塗布し、さらに該透明導電フィルムに強磁場を印加した後に、該塗料を固化させることにより透光部にのみ樹脂を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
  8. 少なくとも透明導電膜設置前に加圧または加熱加圧処理されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の透明導電フィルム。
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