JP2011065799A - 有機電子デバイスとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に、対向する第1及び第2電極を有し、当該電極間に少なくとも一層の有機機能層を有する有機電子デバイスであって、少なくとも一方の電極が導電性ポリマー含有層を有し、当該導電性ポリマー含有層が、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーと、特定の(繰り返し)単位構造を有するポリマーとを含有することを特徴とする有機電子デバイス。
【選択図】なし
Description
本発明に係る導電性ポリマーは、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーである。こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリアニオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
本発明に用いるπ共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェンであることが最も好ましい。
前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
ポリアニオンは、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、アニオン性基を有する構成単位とアニオン性基を有さない構成単位とからなるものである。
本願において、「水系溶媒」とは、50質量%以上が水である溶媒をいう。もちろん、他の溶媒を含有しない純水であっても良い。水系溶媒の水以外の成分は、水に相溶する溶剤であれば特に制限はないが、アルコール系の溶媒を好ましく用いることができ、中でも、沸点が比較的水に近いイソプロピルアルコールを用いることが形成する膜の平滑性などには有利である。
水系溶媒に可溶とは、前述の水系溶媒に1質量%以上溶解することを表す。それ以下の溶解性では、膜を形成する際に失透したり、平滑性が劣化したりする。
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
なお、分子量1000以下の含有量は、GPCにより得られた分布において、分子量1000以下の面積を積算し、分布全体の面積で割ることで割合を換算した。
導電性ポリマー含有層は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーと主たる共重合成分が前記1−3で表されるモノマーである水系溶媒に可溶なポリマー(A)と水系溶媒とを少なくとも含んでなる塗布液を塗布、乾燥することで形成することが好ましい。導電性ポリマーとポリマー(A)の比率は、導電性ポリマーを100質量部とした時、ポリマー(A)が30〜900質量部であることが好ましく、リーク防止、ポリマー(A)の導電性アシスト効果、透明性の視点からは、ポリマー(A)が100質量部以上であることがより好ましい。
本発明の有機電子デバイスの基本的構成の態様例を図1((a)〜(d))に示す。当該図1に示されているように、本発明の有機電子デバイスは、基本的構成要素として、基板(10)上に対向する第1電極(11)と第2電極(12)を有し、第1電極(11)と第2電極(12)電極間に少なくとも1層の有機機能層(13)を有する。
大面積化に対応するためには、導電性ポリマー含有層を有する電極が、さらに、光不透過の導電部と透光性窓部とからなる補助電極を有することが好ましい。
ランダムな網目構造としては、例えば、特表2005−530005号公報に記載のような、金属微粒子を含有する液を塗布乾燥することにより、自発的に導電性微粒子の無秩序な網目構造を形成する方法を利用できる。
本発明に係る電極に用いられる透明基材としては、高い光透過性を有していればそれ以外に特に制限はない。例えば、基材としての硬度に優れ、またその表面への導電層の形成のし易さ等の点で、ガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルムなどが好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
以下、本発明の有機電子デバイスが、有機EL素子である場合のその構成要素について説明する。
本発明において有機発光層を有する有機電子デバイスは、有機発光層に加えて、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層、ホールブロック層、電子ブロック層などの有機発光層と併用して発光を制御する層を有しても良い。本発明に係る導電性ポリマー含有層はホール注入層として働くことも可能であるので、ホール注入層を兼ねることも可能だが、独立にホール注入層を設けても良い。
(i)(第1電極部)/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(ii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(iii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/(第2電極部)
(iv)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
(v)(第1電極部)/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
ここで、発光層は、発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある単色発光層であってもよく、また、これらの少なくとも三層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよく、さらに、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明に係る有機EL素子としては、白色発光層であることが好ましい。
本発明に係る第2電極は、有機EL素子においては陰極となる。本発明に係る第2電極部は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。第2電極部の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
有機光電変換素子は、第1電極部、バルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層及びn型半導体層)を有する光電変換層(以下「バルクヘテロジャンクション層」とも呼ぶ。)、第2電極部が積層された構造を有する。
光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を構成している。
<ATRP(Atom Transfer Radical Polymerization )法を用いたリビングラジカル重合>
「開始剤の合成」
合成例1(メトキシキャップされたオリゴエチレングリコールメタクリレート1の合成)
50ml三口フラスコに2−ブロモイソブチリルブロミド(7.3g、35mmol)とトリエチルアミン(2.48g、35mmol)及びTHF(20ml)を加え、アイスバスにより内温を0℃に保持した。この溶液内にオリゴエチレングリコール(10g、23mmol、エチレングリコールユニット7〜8、Laporte Specialties社製)の33%THF溶液30mlを滴下した。30分攪拌後、溶液を室温にし、更に4時間攪拌した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧除去後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、分駅ロートに移した。水を加えエーテル層を3回洗浄後、エーテル層をMgSO4により乾燥させた。エーテルをロータリーエバポレーターにより減圧留去し、開始剤1を8.2g(収率73%)得た。
合成例2 (ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合成)
開始剤1(500mg、1.02mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.64g、40mmol、東京化成社製)、50:50 v/v% メタノール/水混合溶媒を5mlをシュレンク管に投入し、減圧下液体窒素に10分間シュレンク管を浸した。シュレンク管を液体窒素から出し、5分後に窒素置換を行なった。この操作を3回行なった後、窒素下で、ビピリジン(400mg、2.56mmol)、CuBr(147mg、1.02mmol)を加え、20℃で攪拌した。30分後、ろ紙とシリカを敷いた4cm桐山ロート上に反応溶液を滴下し、減圧で反応溶液を回収した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量13100、分子量分布1.17、分子量1000以下の分子(同族体)の含量0%、の水溶性バインダー樹脂1を2.60g (収率84%)得た。
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
同様にしてポリヒドロキシブチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(数平均分子量約2万、分子量1000以下の分子(同族体)の含量0%)を得た。
200ml三ツ口フラスコにTHF100mlを加え10分間加熱還流させた後、窒素下で室温に冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート(5.0g、43mmol)、AIBN(1.4g、8.5mmol)を加え、5時間加熱還流した。室温に冷却した後、3000mlのMEK中に反応溶液を滴下し、1時間攪拌した。MEKをデカンテーション後、100mlのMEKで3回洗浄後、THFでポリマーを溶解し、100mlフラスコへ移した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量22100、分子量分布1.42、分子量1000以下の分子(同族体)の含量12%、の水溶性バインダー樹脂を4.50g(収率90%)得た。
導電性ポリマー含有層単独での評価
下記の導電性ポリマー含有層塗布液を調整し、相溶性を目視により確認した。相溶性OKの塗布液について、片面易接着加工を施された二軸延伸PETフィルムA4100(東洋紡社製)の易接着加工を施されていない面に、12W・min/m2のコロナ放電処理を施し、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が表1及び表2記載の厚さになるように回転数を調整して塗布した。さらに、ホットプレートで120℃−20分の熱処理を施し、導電性ポリマー含有層評価用試料を作製した。
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製)単独
導電性ポリマー含有層塗布液103(本発明用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリヒドロキシエチルアクリレート(合成例2、固形分20%水溶液) 0.35g
導電性ポリマー含有層塗布液104(本発明用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリヒドロキシブチルアクリレート(分子量2万、水/IPA=7/3 20%液)
0.35g
導電性ポリマー含有層塗布液105(本発明用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリヒドロキシエチルビニルエーテル(分子量2万、固形分20%水溶液)
0.35g
導電性ポリマー含有層塗布液106(本発明用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(分子量2万、固形分20%水溶液)
0.35g
導電性ポリマー含有層塗布液107(本発明用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリヒドロキシエチルアクリレート(合成例2、固形分20%水溶液) 0.35g
ジメチルスルホキシド 0.10g
導電性ポリマー含有層塗布液108(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 60SH−50(信越化学工業製)固形分2%水溶液 3.50g
導電性ポリマー含有層塗布液109(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
メチルセルロース SM−100(信越化学工業製)固形分2% 水溶液3.50g
導電性ポリマー含有層塗布液110(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
水系ポリエステル バイロナールMD1400(固形分15%)(東洋紡製)
0.47g
導電性ポリマー含有層塗布液111(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
水系ポリエステル バイロナールMD1400(固形分15%)(東洋紡製)
0.47g
ジメチルスルホキシド 0.10g
導電性ポリマー含有層塗布液112(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
アクリル系エマルジョン ボンコートAC−501(固形分60%)(DIC製)
0.12g
導電性ポリマー含有層塗布液113(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
アイオノマー系水系ポリウレタン ハイドランHW−161(固形分35%)(DIC製) 0.20g
導電性ポリマー含有層塗布液114(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
アイオノマー系水系ポリウレタン ハイドランAP−40N(固形分35%)(DIC製) 0.20g
導電性ポリマー含有層塗布液115(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
カチオン系水系ポリウレタン ハイドランCP−7060(固形分20%)(DIC製) 0.35g
導電性ポリマー含有層塗布液116(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ノニオン系水系ポリウレタン ボンディック2250(固形分35%)(DIC製)
0.20g
導電性ポリマー含有層塗布液117(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリビニルアルコール PVA−235(クレハ製)固形分2% 水溶液
3.50g
導電性ポリマー含有層塗布液118(比較用塗布液)
PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%)(H.C.Starck社製) 1.59g
ポリアクリル酸 AC−10P(東亞合成製)水/IPA=5/5 固形分2%
3.50g
導電性ポリマー含有層評価用試料の透過率、表面抵抗、表面粗さ、洗浄耐性を下記により評価した。
東京電色社製 HAZE METER NDH5000により評価した。
抵抗率計(ロレスタGP(MCP−T610型):(株)ダイヤインスツルメンツ社製)を用いて表面抵抗を測定した。レンジオーバーで測定不可の試料については、3cm×3cmの試料を作製して、導電性ポリマー含有層上の対向する2辺に端から約2mmの幅で銀ペーストを塗布し、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、1Vの直流電圧を印加し、その時の電流値から1v/電流値を面抵抗値とした。
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)は、セイコーインスツルメンツ社製SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニットを使用し、約1cm角の大きさに切り取った試料を、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位で捉える。ピエゾスキャナーは、XY20μm、Z2μmが走査可能なものを使用する。カンチレバーは、セイコーインスツルメンツ社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/mのものを用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定する。測定領域10μm角を、走査周波数1Hzで測定する。JIS B601(1994)に準じて求めた算術平均粗さRaで平滑性を評価した。導電性ポリマー含有層単独としては、3nm以下であることが好ましい。
各試料の表面抵抗率を上記方法で測定した。引き続き、洗浄処理として、セミコクリーン56(フルイチ化学社製)にフィルムを浸漬し、超音波洗浄器ブランソニック3510J−MT(日本エマソン社製)により10分間の超音波洗浄処理を施した。乾燥後に再び表面低効率を測定し、洗浄前の表面抵抗値/洗浄後の表面抵抗値の値からで洗浄耐性を評価した。0.5以上であることが好ましい。
(有機EL素子201の作製)
30mm×30mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を150nm成膜した基板にフォトリソ法により図3(A−1)のパターニングを行った後、イソプロピルアウコールに基板を浸漬し、超音波洗浄器ブランソニック3510J−MT(日本エマソン社製)により10分間の超音波洗浄処理を施した。
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物1の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で第1電極上の図3(A−2)の領域に蒸着し、30nmの正孔輸送層を設けた。
次に、以下の手順で各発光層を設けた。
さらに、形成した発光層上、図3(A−2)の領域に、化合物6を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成した。
引き続き、形成した正孔阻止層上、図3(A−2)の領域に、CsFを膜厚比で10%になるように化合物6と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
第2電極
形成した電子輸送層の上に、Alを5×10−4Paの真空下にて図3(A−3)の領域に蒸着し、厚さ100nmのカソード電極を形成した。
形成した電子輸送層の上に、ポリエチレンテレフタレートを基材とし、Al2O3を厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を使用した。接着剤を塗り、可撓性封止部材を図3(A−4)の領域に貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させて封止した。封止部材の外に出たITOをアノード電極及びカソード電極の外部取り出し端子とし、有機EL素子201を作製した(比較素子)。
1000mlのイオン交換水に145g(1mol)のアリルスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14g(0.005mol)の過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、さらに12時間攪拌を継続した。
取り出し電極としてITOのパターンを図3(A−5)とし、銀ナノワイヤからなる補助電極を図3(A−6)のパターンで下記の方法により形成し、その上から導電性ポリマー含有層を形成した以外は有機EL素子201と同様にして有機EL素子226を作製した(比較素子)。
エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム 60g
エチレンジアミン4酢酸 2.0g
メタ重亜硫酸ナトリウム 15g
チオ硫酸アンモニウム 70g
マレイン酸 5.0g
純水で1Lに仕上げ、硫酸又はアンモニア水でpHを5.5に調整し金属ナノワイヤ除去剤BF−1を作製した。
得られた各有機EL素子について、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を印加して1000cd/m2で発光させた。
印加電圧のプラスマイナスを反転させる。(反転時の電流の絶対値)/(発光時の電流の絶対値)を整流比とした。異物や突起の影響があるとこの比率が大きくなる。この比率が1だと完全にリーク状態、100以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。以下の指標で評価した。大面積化に対応するためには、3以上のレベルであることが必須で、4以上が好ましい。
5: 8個以上が1000以上、100未満なし
4: 5個以上が1000以上、100未満なし
3: 発光しない素子はないが、100未満が1個
2: 100未満、あるいは発光しない素子が1−4個
1: 100未満、あるいは発光しない素子が5個以上
(駆動電圧)
発光した素子の平均値を各素子の駆動電圧とし、素子201の駆動電圧に対する比率を求め、以下の指標で評価した。3以上が好ましく、4以上であることがより好ましい。
5: 105%未満
4: 110%未満
3: 120%未満
2: 130%未満
1: 130%以上
(寿命)
任意に素子を選び、初期の輝度を5000cd/m2で連続発光させて、輝度が半減するまでの時間を求めた。素子201の駆動電圧に対する比率を求め、以下の指標で評価した。3以上が好ましく、4以上であることがより好ましい。
5: 90%以上
4: 70%以上
3: 50%以上
2: 10%以上
1: 10%未満
(保存性)
任意に素子を選び、80℃のサーモ器で保存。12時間毎にサーモ器から取り出し、初期の1000cd/m2発光時の電圧を印加し、その時の輝度を測定。輝度が半減した時間を評価した。素子201の駆動電圧に対する比率を求め、以下の指標で評価した。3以上が好ましく、4以上であることがより好ましい。
5: 90%以上
4: 70%以上
3: 50%以上
2: 10%以上
1: 10%未満
有機EL素子の内容と上記各種性能の評価結果をまとめて表3及び表4に示す。
11 第1電極
12 第2電極
13 有機機能層
14 他の導電性層
21 導電性ポリマー含有層
22 補助電極(金属ワイヤ)
23 補助電極(金属グリッド)
A−1 ITO電極
A−2 導電性ポリマー含有層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層
A−3 カソード電極
A−4 封止部材
A−5 ITO取りだし電極
A−6 補助電極
Claims (8)
- 前記ポリアニオンが、アニオン性基として、スルホ基を有することを特徴とする請求項1に記載の有機電子デバイス。
- 前記ポリマー(A)の数平均分子量が5000〜100000の範囲内であり、かつ分子量が1000以下である同族体(分子)の含有率が0〜5質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機電子デバイス。
- 前記ポリマー(A)において、前記構成率mが、70≦m≦100の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機電子デバイス。
- 前記ポリマー(A)が、水系溶媒に可溶であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機電子デバイス。
- 前記導電性ポリマー含有層を有する電極が、さらに光不透過性の導電部と透光性窓部とから成る補助電極を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機電子デバイス。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の有機電子デバイスを製造する有機電子デバイスの製造方法であって、前記π共役系導電性高分子とポリアニオンとを含んで成る導電性ポリマーと、前記ポリマー(A)と水系溶媒とを含んでなる塗布液を、基板上に塗布し、乾燥することによって形成することを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
- 前記塗布液を前記基板上に塗布し、乾燥することによって形成された有機電子デバイスを、100〜200℃の範囲内の温度で5分以上加熱処理を施すことを特徴とする請求項7に記載の有機電子デバイスの製造方法。
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JP2009214148A JP5402447B2 (ja) | 2009-09-16 | 2009-09-16 | 有機電子デバイスの製造方法 |
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