JP2020194653A - 透明電極シート及び発光デバイス - Google Patents

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正人 大澤
夏樹 橋本
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Abstract

【課題】高い導電性と高い可視光透過率を持つだけでなく、発光デバイスに適用した場合に発光デバイス全体を均一に且つ高輝度で発光させることができる透明電極シートを提供する。【解決手段】絶縁性の透明基材1と、透明基材表面に形成される金属配線2と、この金属配線が形成された透明基材表面を覆う導電性高分子膜3とを備える本発明の透明電極シートStは、導電性高分子膜の単体のシート抵抗が1×104〜1×107Ω/□の範囲である。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁性の透明基材と、透明基材表面に形成される金属配線と、この金属配線が形成された透明基材表面を覆う導電性高分子膜とを備える透明電極シート及びこの透明電極シートを適用した発光デバイスに関する。
上記種の透明電極シートは例えば特許文献1で知られている。このものは、プラスチックフィルム等の透明基材を有し、その表面には、例えば金属ナノインクを用いた印刷法により2μm〜10μmの範囲内の線幅を持つAg配線が格子状に形成されている。そして、この金属配線が形成された透明基材の表面が導電性高分子膜で覆われている。このような透明電極シートはフレキシブル性に優れているため、有機EL素子や分散型無機EL素子などの発光デバイス用の透明電極としての利用が進められている。
ここで、発光デバイス用の透明電極として利用するには、透明電極シートが高い導電性と高い可視光透過率を持つだけでなく、このような透明電極シートを適用した発光デバイス全体が均一に発光し、そのときに高い輝度も持つことも要求される。
特開2013−4335号公報
本発明は、以上の点に鑑み、高い導電性と高い可視光透過率を持つだけでなく、発光デバイスに適用した場合に発光デバイス全体を均一に且つ高輝度で発光させることができる透明電極シート及び発光デバイスを提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、絶縁性の透明基材と、透明基材表面に形成される金属配線と、この金属配線が形成された透明基材表面を覆う導電性高分子膜とを備える本発明の透明電極シートは、前記導電性高分子膜の単体のシート抵抗が1×10〜1×10Ω/□の範囲であることを特徴とする。
本発明においては、前記金属配線が、2μm〜10μmの範囲内の線幅を持つAg配線を格子状に形成してなることが好ましい。また、前記導電性高分子膜が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸を含有することが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の発光デバイスは、上記透明電極シートを備えることを特徴とする。本発明においては、当該発光デバイスが、前記透明電極シートの前記導電性高分子膜側の表面に蛍光体層、誘電体層及び背面電極を積層してなる分散型無機EL素子であることが好ましい。この分散型無機EL素子の前記導電性高分子膜と前記背面電極との間に交流電圧が印加され、前記透明電極シートの表面内の少なくとも一方向の前記透明電極シートの長さが2cm以上である場合に、本発明を特に好適に適用することができる。
本発明によれば、透明電極シートの導電性高分子膜単体のシート抵抗を1×10〜1×10Ω/□の範囲とすることで、透明電極シートが高い導電性と高い可視光透過率を持つだけでなく、この透明電極シートを適用した発光デバイス全体を均一に且つ高輝度で発光させることができる。導電性高分子膜単体のシート抵抗が1×10Ω/□より小さいと、導電性高分子膜が着色し、透明電極シートの可視光透過率が低下する。一方、導電性高分子膜単体のシート抵抗が1×10Ω/□より大きいと、透明電極シートの導電性が低くなり、発光デバイス全体を均一に且つ高輝度で発光させることができない。
本発明の実施形態の透明電極シートを適用した分散型無機EL素子示す模式的断面図。 本発明の実施例1で得た分散型無機EL素子の駆動周波数−輝度特性を示すグラフ。 本発明の実施例1で得た分散型無機EL素子の折り曲げ試験前後の電圧−輝度特性を示すグラフ。 (a)は、本発明の実施例3で得た分散型無機EL素子の発光状態を示す写真であり、(b)は、比較例5で得た分散型無機EL素子の発光状態を示す写真。 比較例4で得た分散型無機EL素子の一部のみが発光した状態を示す写真。
以下、図面を参照して、本発明の透明電極シートを分散型無機EL素子に適用する場合を例に、本発明の透明電極シート及び発光デバイスの実施形態について説明する。
図1を参照して、Ldは、本実施形態の透明電極シートStを適用した分散型無機EL素子である。透明電極シートStは、絶縁性を有する透明基材1と、透明基材1表面に形成される金属配線2と、この金属配線2が形成された透明基材1表面を覆う導電性高分子膜3とを備える。以下において、透明基材1から金属配線2に向かう方向を上として説明する。
透明基材1としては、可撓性を有するシート状のものが好ましく、例えば、プラスチックシートを用いることができる。プラスチックシートの材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー及びポリイミドから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
金属配線2は、2μm〜10μmの範囲内の線幅2wを持ち、格子状に形成されるAg配線である。この場合、金属配線2の配線間隔2sは例えば50〜200μmの範囲内に、厚み2dは例えば0.1〜1.0μmの範囲内に設定することができる。このような金属配線2は、例えばAgナノインクを用いたグラビアオフセット印刷法により形成することができる。Agナノインクとしては、例えば、平均粒子径が1nm〜100nmの範囲内であるAgナノ粒子と、Agナノ粒子の表面を覆う炭素数6〜18の脂肪酸及び炭素数6〜12の脂肪族アミンの少なくとも一方で構成される分散剤(界面活性剤)と、分散剤で表面が覆われたAgナノ粒子を分散させる低極性溶媒とを含むものが好適に用いられる。このようなAgナノインクの市販の製品の商品名としては、例えば、Agナノメタルインク(株式会社アルバック製)を挙げることができる。
導電性高分子膜3は、金属配線2が形成されていない領域に補助的に導電性を持たせるものであり、導電性高分子膜3としては、例えば、主成分としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)を含有するものを用いることができる。ここで、金属配線2自体は可視光を透過しないものの、金属配線2間に存する導電性高分子膜3や透明基材1を可視光が透過することで、透明電極シートStが所望の可視光透過率を得られるようにしている。
本実施形態では、後述の如く分散型無機EL素子Ld全体を均一に且つ高輝度で発光させるために、導電性高分子膜3単体のシート抵抗が1×10〜1×10Ω/□の範囲に設定される。導電性高分子膜3単体のシート抵抗が1×10Ω/□より小さいと、導電性高分子膜3が着色し、透明電極シートStの可視光透過率が低下する。一方、導電性高分子膜3単体のシート抵抗が1×10Ω/□より大きいと、透明電極シートStの導電性が低くなり、分散型無機EL素子Ld全体を均一に且つ高輝度で発光させることができない。
分散型無機EL素子Ldは、上記透明電極シートStの導電性高分子膜3上に積層される、蛍光体層4、誘電体層5及び背面電極6を備える。導電性高分子膜3上及び背面電極6上には引出電極7a,7bが夫々形成され、これら引出電極7a,7bに交流電源8からの出力が接続されている。交流電源8から導電性高分子膜3と背面電極6との間に所定周波数の交流電圧が印加されることで、分散型無機EL素子Ldが発光する。以下、上記透明電極シートSt及び上記分散型無機EL素子Ldの製造方法について説明する。
先ず、透明基材1の表面にグラビアオフセット印刷法により金属配線2を形成する。金属配線2としてAg配線を形成する場合、Agナノインクを用いて格子状のAg配線パターンを印刷し、印刷されたAgナノインクを所定温度で焼成することにより、Agナノ粒子から分散剤が脱離し、Agナノ粒子同士が焼結してAg配線が格子状に形成される。この場合、焼成温度は、例えば120〜250℃の範囲で設定することができる。
次に、導電性高分子膜3形成用の塗工液を調製し、調製した塗工液を金属配線2が形成された透明基材1の表面に塗布し、所定温度(例えば100〜150℃)で硬化処理を行うことにより、導電性高分子膜3が形成される。ここで、塗工液は、主剤としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸を含有するほか、硬化剤や添加剤を含有する。これらの硬化剤や添加剤としては、市販の樹脂系のものを用いることができる。この場合、溶媒としては、例えば、水とIPAとの混合溶媒を用いることができる。そして、主剤、硬化剤及び添加剤の配合比率を調整することで、所定膜厚で形成された導電性高分子膜3単体のシート抵抗を上記範囲(1×10〜1×10Ω/□)に調整することができる。
以上のようにして得られた透明電極シートStの導電性高分子膜3上に、蛍光体粒子を含有する蛍光体ペーストを所定厚さ(例えば20〜80μm)で塗工し、所定温度(例えば110〜150℃)で硬化処理を行うことで、蛍光体層4を形成する。蛍光体ペーストとしては、硫化亜鉛(ZnS)からなる蛍光体粒子(蛍光体粉末)を、高誘電率の樹脂中に分散させたものを用いることができる。蛍光体粒子としては、硫化亜鉛(Cu,Ag,Mn,Clが添加されたものを含む)に限らず、バリウムチオアルミネート(BaAl)、ストロンチウムチオガレイト(SrGa)や硫化カルシウム(CaS)からなるものを用いることができる。
次に、蛍光体層4上に、誘電体粒子を含有する誘電体ペーストを所定厚さ(例えば20〜80μm)で塗工し、所定温度(例えば110〜150℃)で硬化処理を行うことで、誘電体層5を形成する。誘電体ペーストとしては、チタン酸バリウム(BaTiO)からなる誘電体粒子(誘電体粉末)を、高誘電率の樹脂中に分散させたものを用いることができる。誘電体粒子としては、チタン酸バリウムに限定されず、酸化チタン(TiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)や酸化イットリウム(Y)からなるものを用いることができる。
次に、誘電体層5上に、金属粒子や炭素粒子を含有する導電ペーストを所定厚さ(例えば0.2〜50μm)で塗工し、所定温度(例えば110〜150℃)で硬化処理を行うことで、背面電極6を形成する。導電ペーストとしては、Ag粒子や炭素粒子を樹脂中に分散させたものを用いることができる。以上の工程を経ることにより、分散型無機EL素子Ldが得られる。尚、蛍光体層4、誘電体層5及び背面電極6形成用の各種ペーストとしては公知のものを用いることができるため、その製造方法や各層の形成方法を含めてこれ以上の詳細な説明は省略する。そして、導電性高分子膜3上と背面電極6上とに引出電極7a,7bを夫々形成し、両引出電極7a,7bに交流電源8の出力が夫々接続される。
次に、上記実施形態をより具体化した実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例1では、透明基材1を45mm×80mm、厚み50μmのポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムとし、この透明基材1の表面に、前述のAgナノメタルインク(株式会社アルバック製)を用いたグラビアオフセット印刷法により、線幅2wが5μm、配線間隔2sが150μm、厚み2dが0.6μmであるAg配線パターンを印刷し、180℃、60分間の焼成処理を行うことにより、金属配線としてのAg配線2を格子状に形成した。次に、PEDOT:PSSを含有する主剤(荒川化学工業製、商品名「アラコートAS601D」)10重量部と、硬化剤(荒川化学工業製、商品名「アラコートCL910」)1重量部とを混合して塗工液を調製した(後述の添加剤は0重量部)。この塗工液をAg配線2が形成された透明基材1表面にアプリケータにより塗布し、100℃で3分間加熱する硬化処理を行うことで導電性高分子膜3を膜厚0.4μmで形成し、これにより透明電極シートStを得た。上記配合比率で調整された塗工液を用いることで、導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1.9×10Ω/□に調整した。また、透明電極シートSt全体でのシート抵抗は4.2×10Ω/□であり、透明基材1を除く透明電極シートStの可視光透過率は90.3%であった。このようにして得た透明電極シートStの導電性高分子膜3上に、蛍光体ペースト(イメージテック製、商品名「IZTA01」)をアプリケータにより50μmの厚みで塗工し、120℃で15分間加熱する硬化処理を行うことで蛍光体層4を形成した。次に、蛍光体層4上に、誘電体ペースト(イメージテック製、商品名「IBTA01」)をアプリケータにより100μmの厚みで塗工し、120℃で15分間加熱する硬化処理を行うことで誘電体層5を形成した。次に、誘電体層5の上に、導電ペースト(東洋紡製、商品名「DX−116L−1」)をアプリケータにより50μmの厚みで塗工し、120℃で15分間加熱する硬化処理を行うことで、背面電極6を形成して、蛍光体により発光する領域が35mm×55mmとなる分散型無機EL素子Ldを得た。最後に、導電性高分子膜3上及び背面電極6上に引出電極7a,7bとしての導電性テープ(Cuテープ)を夫々貼り付け、両引出電極7a,7b間にインバータの出力を接続し、駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200V(ゼロ・ピーク値,V0−p)で分散型無機EL素子Ldを発光させ、夫々の輝度を測定したところ、292,427cd/mと高輝度であることが確認された(表1参照)。また、駆動電圧を150Vに固定し、駆動周波数を500〜2000Hzで変化させたときの駆動周波数−輝度特性を求めた結果を図2に示す。これによれば、500〜2000Hzの駆動周波数帯で高輝度を発現することが確認された。本実施例1によれば、導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1×10〜1×10Ω/□の範囲とすることで、分散型無機EL素子Ld全体が均一に且つ高輝度で発光することが判った。また、分散型無機EL素子Ldを透明基材1が外側となるように折り曲げ半径1.5mmにて2万回の繰り返し折り曲げ試験を行った。折り曲げ試験前後の電圧−輝度特性を求めた結果を図3に示す。これによれば、折り曲げ試験前後で特性に変化は見られず、優れた折り曲げ耐久性を有することが判った。
(実施例2)
本実施例2では、Ag配線2の配線間隔2sを200μmとした点以外は上記実施例1と同様の方法で透明電極シートStを得た。透明電極シートSt全体でのシート抵抗は、4.9×10Ω/□と上記実施例1よりも大きい値となった。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子Ldを作製した。作製した分散型無機EL素子Ldを駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させ、夫々の輝度を測定したところ、297,431cd/mと高輝度であることが確認された(表1参照)。
(実施例3)
本実施例3では、Ag配線2の配線間隔2sを300μmとした点以外は上記実施例1と同様の方法で透明電極シートStを得た。透明電極シートSt全体でのシート抵抗は、8.9×10Ω/□と上記実施例2よりも更に大きい値となった。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子Ldを作製した。作製した分散型無機EL素子Ldを駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させ、夫々の輝度を測定したところ、291,424cd/mと高輝度であることが確認された(表1参照)。また、図4(a)に示すように、分散型無機EL素子Ld全体が均一に発光することが確認された。本実施例3及び上記実施例2によれば、Ag配線2の配線間隔2sを上記実施例1の1.3倍、2倍に広げることで透明電極シートSt全体でのシート抵抗は大きくなるものの、導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1×10〜1×10Ω/□の範囲とすることで、分散型無機EL素子Ld全体が均一に且つ高輝度で発光することが判った。
(実施例4)
本実施例4では、導電性高分子膜3形成用の塗工液として、主剤10重量部と、硬化剤1.5重量部と、添加剤(荒川化学工業製、商品名「アラコートAB210」)1.5重量部とを混合したものを用い、これにより導電性高分子膜3単体のシート抵抗を5.7×10Ω/□とした点以外は上記実施例3と同様の方法で透明電極シートStを得た。透明電極シートSt全体のシート抵抗は9.4×10Ω/□であり、透明基材1を除く透明電極シートStの可視光透過率は93.8%であった。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子Ldを作製し、分散型無機EL素子Ldを駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させ、夫々の輝度を測定したところ、294,430cd/mと高輝度であることが確認された(表1参照)。本実施例4によれば、導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1×10〜1×10Ω/□の範囲とすることで、分散型無機EL素子Ld全体が均一に且つ高輝度で発光することが判った。
(実施例5)
本実施例5では、導電性高分子膜形成用の塗工液の配合割合を、主剤10重量部:硬化剤4重量部とし、これにより導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1.3×10Ω/□とした点以外は上記実施例3と同様の方法で透明電極シートStを得た。透明電極シートSt全体でのシート抵抗は9.6×10Ω/□であり、透明基材1を除く透明電極シートStの可視光透過率は94.2%であった。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子を作製し、分散型無機EL素子を駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させ、夫々の輝度を測定したところ、292,426cd/mと高輝度であることが確認された(表1参照)。本実施例5によれば、導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1×10〜1×10Ω/□の範囲とすることで、分散型無機EL素子Ld全体が均一に且つ高輝度で発光することが判った。
次に、上記実施例に対する比較例について説明する。
(比較例1)
本比較例1では、導電性高分子膜3形成用の塗工液の配合割合を、主剤10重量部:硬化剤2.5重量部:添加剤2.5重量部とし、これにより導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1.7×10Ω/□とした点以外は上記実施例3と同様の方法で透明電極シートStを得た。透明電極シートSt全体でのシート抵抗は5.1×10Ω/□と上記実施例1〜5よりも2桁大きく導電性が低いものの、透明基材1を除く透明電極シートStの可視光透過率は94.5%と高かった。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子Ldを作製し、分散型無機EL素子Ldを駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させようとしたが、素子全体が均一に発光しないことが確認された(表1参照)。本比較例1によれば、導電性高分子膜3単体のシート抵抗が1.0×10Ω/□よりも大きいと、分散型無機EL素子Ld全体が均一に且つ高輝度で発光しないことが判った。
(比較例2)
本比較例2では、導電性高分子膜形成用の塗工液として、市販のスクリーン印刷用のPEDOT:PSSペースト(シグマアルドリッチ製)を用い、これにより、導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1.0×10Ω/□とした点以外は上記実施例3と同様の方法で透明電極シートStを得た。透明電極シートSt全体でのシート抵抗は8.1×10Ω/□であり、高い導電性が得られるものの、透明基材1を除く透明電極シートSt全体での可視光透過率は78.1%と低いことが確認された。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子Ldを作製し、分散型無機EL素子Ldを駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させ、夫々の輝度を測定したところ、239,371cd/mと上記実施例1〜5と比べて低いことが確認された(表1参照)。本比較例2によれば、導電性高分子膜3単体のシート抵抗が4.0×10Ω/□よりも小さいと、分散型無機EL素子Ld全体が均一に且つ高輝度で発光しないことが判った。
(比較例3)
本比較例3では、透明基材1をポリエチレンナフタレート(PET)フィルムとし、透明基材1表面にAg配線を形成せずに導電性高分子膜3を直接形成した点以外は、上記比較例2と同様の方法で透明電極シートStを得た。導電性高分子膜3単体のシート抵抗は、上記比較例2と同様の1.0×10Ω/□とした。また、透明電極シートSt全体でのシート抵抗は3.0×10Ω/□であり、高い導電性が得られず、透明基材1を除く透明電極シートStの可視光透過率も84.7%と低いことが確認された。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子を作製し、作製した分散型無機EL素子を駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させ、夫々の輝度を測定したところ、265,407cd/mと比較例2よりは高いものの実施例1〜5と比べて低いことが確認された(表1参照)。また、図2に併せて示すように、500〜2000Hzの駆動周波数帯で上記実施例1よりも輝度が低いことが確認された。本比較例3によれば、Ag配線を形成せず、しかも導電性高分子膜3単体のシート抵抗が4.0×10Ω/□よりも小さいと、分散型無機EL素子全体が均一に且つ高輝度で発光しないことが判った。
(比較例4)
本比較例4では、透明基材1表面にAg配線を形成せずに導電性高分子膜3を直接形成した点以外は、上記実施例1と同様の方法で透明電極シートStを得た。導電性高分子膜3単体のシート抵抗は、上記実施例1と同様の1.9×10Ω/□とした。また、透明電極シートSt全体でのシート抵抗は1.9×10Ω/□であり、高い導電性が得られないものの、透明基材1を除く透明電極シートStの可視光透過率は98.1%と高いことが確認された。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子Ldを作製し、作製した分散型無機EL素子Ldを駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させようと試みたが、図5に示すように、引出電極7aの周辺のみ(図中、一転鎖線で囲う左側のみ)が発光するだけであり、素子全体が均一に発光しないことが確認された。本比較例4によれば、Ag配線を形成しなければ、分散型無機EL素子全体が均一に且つ高輝度で発光しないことが判った。
(比較例5)
本比較例5では、Ag配線2が形成された透明基材1表面に導電性高分子膜3を形成しない点以外は、上記実施例3と同様の方法で透明電極シートStを得た。透明電極シートSt全体でのシート抵抗は9.0×10Ω/□であり、高い導電性が得られ、透明基材1を除く透明電極シートStの可視光透過率も96.2%と高いことが確認された。得られた透明電極シートStを用いて上記実施例1と同様の方法で分散型無機EL素子Ldを作製し、作製した分散型無機EL素子Ldを駆動周波数2kHz、駆動電圧150V,200Vで発光させ、夫々の輝度を測定したところ、47,88cd/mと著しく低いことが確認された(表1参照)。これは、図4(b)に示すように、Ag配線2に沿った領域しか発光しないためである。
以上によれば、透明電極シートStの導電性高分子膜3単体のシート抵抗を1×10〜1×10Ω/□の範囲とすることで、透明電極シートStが高い導電性と高い可視光透過率を持つだけでなく、透明電極シートStを分散型無機EL素子Ldに適用して交流電圧を印加した場合、分散型無機EL素子Ldをその全面に亘って均一に且つ高輝度で発光させることができる。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上記実施形態のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、透明電極シートStを適用した発光デバイスとして分散型無機EL素子Ldを例に説明したが、有機EL素子などの他の発光デバイスにも本発明の透明電極シートStを適用することができる。
上記実施例では、導電性高分子膜3形成用の塗工液に含まれる主剤と硬化剤と添加剤の配合比率を調整することで、導電性高分子膜3単体のシート抵抗を調整しているが、これに限定されず、例えば塗工液に添加される他の添加剤の配合比率を調整してもよい。
上記実施形態では、金属配線2としてAg配線を例に説明したが、配線用の金属材料はAgに限定されず、Au、Cu、Ni、Pd、In、Sn、Rh、Ru、Pt、In及びSnから選択された少なくとも1種の金属又はこれらの金属の少なくとも2種からなる合金を選択して用いることができる。また、金属配線2は、必ずしも格子状に形成されていなくてもよい。
上記実施形態では、金属配線2の印刷方法としてグラビアオフセット印刷法を用いる場合を例に説明したが、金属配線2を所望の線幅2w及び配線間隔2sで印刷できるものであれば、他の印刷方法を用いることができる。
Ld…分散型無機EL素子(発光デバイス)、St…透明電極シート、1…透明基材、2…金属配線(Ag配線)、2w…金属配線2の線幅、3…導電性高分子膜、4…蛍光体層、5…誘電体層、6…背面電極。

Claims (6)

  1. 絶縁性の透明基材と、透明基材表面に形成される金属配線と、この金属配線が形成された透明基材表面を覆う導電性高分子膜とを備える透明電極シートにおいて、
    前記導電性高分子膜の単体のシート抵抗が1×10〜1×10Ω/□の範囲であることを特徴とする透明電極シート。
  2. 前記金属配線は、2μm〜10μmの範囲内の線幅を持つAg配線を格子状に形成してなることを特徴とする請求項1記載の透明電極シート。
  3. 前記導電性高分子膜は、主成分としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリスチレンスルホン酸を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の透明電極シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の透明電極シートを備えることを特徴とする発光デバイス。
  5. 前記発光デバイスが、前記導電性高分子膜の表面に蛍光体層、誘電体層及び背面電極を積層してなる分散型無機EL素子であることを特徴とする請求項4記載の発光デバイス。
  6. 請求項5記載の発光デバイスであって、前記導電性高分子膜と前記背面電極との間に交流電圧が印加されるものにおいて、前記透明電極シートの表面内の少なくとも一方向の長さが2cm以上であることを特徴とする発光デバイス。
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