JP2009249555A - 外装タイル張り用接着剤組成物及びこれを用いた外装タイルの接着方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、バルーン(C)と、硬化促進剤(D)とを含有する外装タイル張り用接着剤組成物、及びこれを用いた外装タイルの接着方法である。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、数平均分子量が6,000〜20,000で総不飽和度が0.05meq/g以下であるポリオキシアルキレン系トリオールと、エチレン性不飽和基及び水酸基をそれぞれ分子内に少なくとも1つづつ有する化合物と、有機ポリイソシアネートとを反応させて得られる。
【選択図】なし
Description
また近年は、住宅の外壁として窯業系などのサイディングが広く使用されてきており、サイディング表面に塗装や吹き付けをしたり、サイディング表面をレンガ調、タイル調、石積調などに装飾しているものや、サイディング表面にモルタルなどでタイルを張り付けて、意匠の高級化が試みられている。さらには、タイルの張り付けにおいては一般的にタイルとタイルの間に目地材を充填することが行われているが、目地材をあえて充填しないで空間を設け、タイルの厚みによる陰影をもたせる方法も行なわれている。このような方法においては、使用する接着剤が耐候劣化を生じ、変色や亀裂を生じて意匠性を低下させることがある。従って、このような用途に使用される外装タイル張り用接着剤には、耐候性が必要となってくる。このサイディング表面にモルタルなどでタイルを張り付ける際には、前記反応性ケイ素基を有するシリコーン化合物を含有する弾性接着剤やイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する接着剤などが使用されている(特許文献2)。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)に示されるものである。
(2) 前記の湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ネオペンチルグリコールと一価アルコールのケイ酸エステルとの脱アルコール反応により得られる化合物である、前記(1)の外装タイル張り用接着剤組成物。
(3) 前記バルーン(C)が、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン、ガラスバルーン、アルミナバルーン及びジルコニアバルーンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である、前記(1)又は(2)の外装タイル張り用接着剤組成物。
(4) 前記硬化促進剤(D)が、少なくとも1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン及びテトラ−n−ブトキシチタンを含有する、前記(1)〜(3)のいずれかの外装タイル張り用接着剤組成物。
(5) 更に添加剤を含有する、前記(1)〜(4)のいずれかの外装タイル張り用接着剤組成物。
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかの外装タイル張り用接着剤組成物を用いて、外壁材に外装タイル及び/又は外装モザイクタイルを接着すること、を特徴とする外装タイルの接着方法。
本発明において用いられるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、数平均分子量が6,000〜20,000で総不飽和度が0.05meq/g以下であるポリオキシアルキレン系トリオールと、エチレン性不飽和基及び水酸基をそれぞれ分子内に少なくとも1つづつ有する化合物と、有機ポリイソシアネートとをイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものである。
具体的には、前記ポリオキシアルキレン系トリオールとエチレン性不飽和基及び水酸基をそれぞれ分子内に少なくとも1つづつ有する化合物と有機ポリイソシアネートとを、原料合計のイソシアネート基/全水酸基の当量比が1.2〜6.0、更には2.0〜5.0、特に3.0〜4.5となる範囲で同時或いは逐次に反応させて、好適に製造することができる。当量比が1.2を下回ると、得られるウレタンプレポリマーの架橋点が少なくなりすぎ、外装タイル張り用接着剤組成物の硬化後の伸びや引張強度などが低下し、ゴム弾性物性や接着性が乏しいものとなり、当量比が6.0を超えると、湿気と反応したとき炭酸ガスの発生量が多くなり発泡の原因となるため好ましくない。
開始剤としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の低分子多価アルコール類、ソルビトール、シュークロース、グルコース、ラクトース、ソルビタン等の糖類系低分子多価アルコール類、ペンタン−1,2,5−トリアミン等の低分子ポリアミン類、これらの少なくとも1種にアルキレンオキシドを反応させて得られる低分子量のポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。これらのうち、開始剤は活性水素を3個含有するものが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて開環付加重合させることができる。
すなわち、ポリオキシアルキレン系トリオールは、具体的には、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリテトラメチレンエーテルトリオール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−ランダム或いはブロック共重合トリオール、ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシブチレン)−ランダム或いはブロック共重合トリオールなどを挙げることができる。
前記ポリオキシアルキレン系トリオールは、良好な作業性などの理由で、数平均分子量が6,000〜20,000であることが必要であり、10,000〜18,000のものが好ましい。
更に、前記ポリオキシアルキレン系トリオールは、複合金属シアン化錯体などの触媒を使用して得られる、総不飽和度が0.05meq/g以下であることが必要であり、特に0.03meq/g以下のものが好ましく、また、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが好ましい。
なお、本発明において、前記ポリオキシアルキレン系トリオールとは、分子1モルの水酸基を除いた部分の50質量%以上、更に80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエーテル、ウレタン、エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、本発明においては、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンからなるトリオールが最も好ましい。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンからなるトリオールが好ましく、ポリオキシプロピレントリオールが最も好ましい。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度が低い点、外装タイル張り用接着剤組成物の硬化後の伸びや強度が良い点、耐候性が良い点で、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、キシリレンジイソシアネートが更に好ましい。
このとき、トルエン、キシレン等のイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を用いることができるが、使用しないか又は極力使用量を少なくすることが好ましい。
ケイ酸のハロゲン化合物としては、テトラクロロシラン、アルキルトリクロロシラン、ジアルキルジクロロシラン、トリアルキルモノクロロシランなどを挙げることができる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンジオールなどを挙げることができる。これらのうち、1級水酸基を有する多官能アルコール類が好ましい。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、ネオペンチルグリコールが、生成するケイ酸エステルが粘度が低いため、特に好ましい。
上記ジ、トリ、又はテトラアルコキシシランとポリオールとのエステル交換によるケイ酸エステルの合成時には、原料アルコキシシランの一部を残存させることも可能である。しかし、この場合には、加水分解により発生する一価アルコールが、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと反応して架橋高分子化を妨害する。この副反応を抑制するためには、残存アルコキシシランに2級又は3級の一価アルコールを添加してアルコリシスを行い、メタノール又はエタノール等の1級アルコールを系外に留出させることにより、ポリオールと2級又は3級の一価アルコールとよりなるケイ酸エステルが得られる。このケイ酸エステルは加水分解によりポリオールと2級又は3級の一価アルコールを発生するが、2級又は3級の一価アルコールはイソシアネート基との反応が遅いので、エチレングリコール等の1級ポリオールとイソシアネート基との反応が優先してイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは高分子化し、2級又は3級の一価アルコールは未反応のまま系外に蒸発する。
2級又は3級の一価アルコールとしては、イソプロパノール、sec−ブタノール、2−オクタノール、tert−ブタノール、tert−オクタノールや2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノブチレートなどの一価アルコールが挙げられる。
本発明における湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と空気中の水分との反応並びにイソシアネート基と1級水酸基との反応は、イソシアネート基と水分との反応よりも大巾に速い。それ故、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとケイ酸エステルとの共存下において、前記混合物が水分と接触するとケイ酸エステルの加水分解〔下記の式(3)〕が、水分とイソシアネート基との反応〔下記の式(5)〕に優先し、次に再生したポリオールとイソシアネート基とのウレタン化反応〔下記の式(4)〕が起こってポリウレタン樹脂が得られる。
具体的には、無機系のバルーンとしては、火山灰を原料とするものを総称したシラスバルーン、シリカバルーン、火力発電所から出る燃えカスの灰を原料とするセラミックバルーン(太平洋セメント社のE−SPHERESなど)、ガラスを原料とするガラスバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーンなどが挙げられる。本発明においては、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン、ガラスバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーンの1種又は2種以上の混合物が好ましい。
本発明の外装タイル張り用接着剤において、タイル保持性、粘度及び高温、多湿の厳しい条件下でもタイルを張り付けることができる(転写性)点から、バルーン(C)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.5〜50質量部、更に1〜30質量部、特に2〜20質量部配合するのが好ましい。
また、バルーンの配合の際に使用する分散機は、せん断を与えながら混練分散する装置ならどのようなものでも使用できるが、具体的に例えば、ハイスピードディスパーザ(ディルゾバ)などの一軸混練分散機、二軸プラネタリーミキサーやハイスピードディスパーザと二軸プラネタリーミキサーを組み合わせた分散機などの多軸混練分散機、ニーダーなどが挙げられ、このうち分散性の良さから多軸混練分散機が好ましい。二軸混練分散機を使用する場合、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)にバルーン(C)を加えて、0.5〜10時間、特に1〜6時間混練りするのが好ましい。0.5時間未満ではタイルの保持性が劣り、10時間を超えても保持性に変化がなく、破壊されもはや中空体ではないバルーンが多くなって粘度が上昇し、作業時間が長くなり、コストアップの原因となる。
硬化促進剤(D)の使用量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.005〜10質量部、更に0.1〜2質量部であることが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシラン系カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
本発明の外装タイルの接着方法は、前記の外装タイル張り用接着剤組成物を用いて、外壁材に外装タイル及び/又は外装モザイクタイルを接着する方法である。
前記外装材は、住宅や構造物等を雨、風、光、熱等の自然環境から保護するために、住宅や構造物等の屋外側に使用される建築材料であり、外壁材は外装材のうち外壁として使用される建築材料である。
タイルは粘度類の焼成製品であり、最も耐久性に優れた建築仕上げ材料の一つで内外装や床材に広く使用されている。建築に使用されるタイルには、素材別にみると磁器質、せっ器質、陶器質の3種類とれんがタイルと呼ばれるタイルがあり、用途別にみると外装用、内装用、床用の3種類とモザイクタイルと呼ばれるタイルがある。平物の表面の面積が50cm2以下のものをモザイクタイルというが、ここで取り扱うタイルは、建築仕上げ材料の一つで主に外装材として使用されるJIS A5209−1994 陶磁器質タイル(Ceramic tiles)に規定されるタイルをいう。
合成例1(ネオペンチルグリコールのケイ酸エステル)
攪拌機、温度計、窒素シール管、還流冷却器及び加熱、冷却装置付き反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製、A−187)475.1g及び反応触媒としてテトラブチルチタネート0.001gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し、2時間還流した。液温は138℃から100℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら200℃になるまで加熱を続け、IRで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色のケイ酸エステルの液体595.6gを得た。メタノールの留出量は192gであった。
この液体はガスクロマトグラフィー〔FID、ガスクロパック55−カラム(ガスクロ工業社製)、オーブン温度200℃〕にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークがほぼ定量的に検出され、再生していることが確認できた。
攪拌機、温度計、窒素シール管及び加温・冷却装置の付いた反応容器に、ポリオキシプロピレントリオール(旭硝子社製PML−S3011、数平均分子量10,000、総不飽和度0.02meq/g)1000.0g(OH当量:0.3000)と、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成社製アリニックスM−305)25.0g(OH当量:0.08389)を仕込み、攪拌しながらキシリレンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン社製XDI、分子量188)115.3g(NCO当量:1.227)とネオスタンU−600(日東化成社製)0.12gを加えた後、加温して70〜80℃で4時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(3.11質量%)以下となった時点で反応を終了し、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1を製造した。
このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1は、滴定による実測イソシアネート基含有量2.98質量%、粘度18,600mPa・s/25℃、常温で液体であった。
加熱、冷却装置付き及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下で、合成例2で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1 100.0g、石油系溶剤(エクソンモービル社製、エクソールD40)30.0g、ジイソノニルフタレート30.0g、予め90〜100℃の乾燥器中で乾燥し含有水分0.05質量%以下にした重質炭酸カルシウム275.0g、同様に予め乾燥器中で乾燥した酸化チタン27.5g、更に予め乾燥器中で乾燥した表面処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製、カルファイン200M)85.0gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合した。次に、予め90〜100℃の乾燥器中で乾燥したガラスバルーン(東海工業社製、セルスターZ−27)10.0g、有機ポリイソシアネート(住化バイエルウレタン社製、スミジュールN−3300)15.0g、合成例1で得たネオペンチルグリコールのケイ酸エステル11.3g、p−トルエンスルホニルイソシアネート5.0gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合した。次いで、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(和光純薬工業社製、DBU)0.12g、テトラ−n−ブトキシチタン(日本曹達社製、TBT)0.12gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合し、減圧脱泡し、容器に充填密封して、外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
実施例1において、ガラスバルーン(東海工業社製、セルスターZ−27)を15.0g使用した以外は同様にして、外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
実施例1において、DBUを0.06g使用した以外は同様にして外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
実施例1において、TBTを0.06g使用した以外は同様にして、外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
実施例1において、ネオペンチルグリコールのケイ酸エステルを12.7g使用した以外は同様にして、外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
実施例1において、ガラスバルーンを使用しない以外は同様にして外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
実施例1において、ネオペンチルグリコールのケイ酸エステルを使用しない以外は同様にして外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
実施例1において、硬化促進剤DBU、TBTを使用しない以外は同様にして外装タイル張り用接着剤組成物を調製した。
〔粘度〕
B8U型回転粘度計を用い、No7ローターで毎分10回転と続いて毎分100回転のときの25℃における粘度を測定した。
〔発泡性〕
幅70mm×長さ150mm×厚さ10mmのモルタル板表面に外装タイル張り用接着剤組成物を厚さ2mmの平面状に塗布し、40℃、30%相対湿度で1日間養生硬化させた試験体を目視により観察した。
発泡による著しいフクレが認められないか、または極めて少ないものを○、フクレが多数認められるものを×と評価した。
〔ずれ抵抗性〕
JIS A5557;(2006)「外装タイル張り用有機系接着剤」6.3.6ずれ抵抗性試験方法に準拠して評価した。下地材として窯業系サイディングを使用し、くし目ゴテを用いて外装タイル張り用接着剤組成物を1.5kg/m2 の量で塗布した。次いで、この上に重さ約500gのタイル(イナックス社製、大きさ:縦60mm×横230mm×厚さ15mm)を張り付け、24時間経過後、基準線からのずれの長さを測定した。
ズレが1mm未満のものを○、ズレが1mm以上のものを×と評価した。
〔付着性〕
ほぼ水平に置かれたモルタル平板の表面に外装タイル張り用接着剤組成物を厚さ1.5mmの平面状に塗布後直ちに、40℃、30%相対湿度の恒温恒湿槽中に30分静置した。次に、外装タイル張り用接着剤組成物が塗布されたモルタル板を取り出し、タイル裏足部にスペーサーとしてφ1.0mmの鉄球を取り付けたモザイクタイル(縦45mm×横45mm×厚さ7mm)を、前記スペーサーがモルタル表面にあたるまで手で押圧した。続いて、モザイクタイルをモルタル板から取り除き、モザイクタイル裏面足部に付着した外装タイル張り用接着剤組成物を目視により観察した。
タイル裏面足部の面積の70%以上に外装タイル張り用接着剤組成物の付着が認められる場合を○、同30%以上70%未満に接着剤の付着が認められる場合を△、同30%未満に接着剤の付着が認められる場合を×と評価した。
〔貯蔵安定性〕
JIS A5557;(2006)「外装タイル張り用有機系接着剤」6.3.1貯蔵安定性試験方法により評価した。
質量の変化が5%以内で、且つ均質で異物が認められないものを○、質量の変化が5%を超えるか又は均質でなく異物が認められるものを×とした。
〔接着強さ〕
JIS A5557;(2006)「外装タイル張り用有機系接着剤」6.3.3接着強さ試験方法により行ない、標準養生後の接着強さとアルカリ温水浸漬後の接着強さを評価した。
標準養生後の接着強さについては、破壊するまでの最大荷重が60N/cm2以上で、且つ凝集破壊率が75%以上を○、破壊するまでの最大荷重が60N/cm2未満又は凝集破壊率が75%未満であるものを×とした。
アルカリ温水浸漬後の接着強さについては、破壊するまでの最大荷重が40N/cm2以上で、且つ凝集破壊率が50%以上であるものを○、破壊するまでの最大荷重が40N/cm2未満又は凝集破壊率が50%未満であるものを×とした。
原料組成と試験結果をまとめて次の表1及び2に示す。
Claims (6)
- イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、バルーン(C)と、硬化促進剤(D)とを含有する外装タイル張り用接着剤組成物であって、
前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、数平均分子量が6,000〜20,000で総不飽和度が0.05meq/g以下であるポリオキシアルキレン系トリオールと、エチレン性不飽和基及び水酸基をそれぞれ分子内に少なくとも1つづつ有する化合物と、有機ポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであること、を特徴とする前記外装タイル張り用接着剤組成物。 - 前記の湿気により加水分解してポリオールを再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、ネオペンチルグリコールと一価アルコールのケイ酸エステルとの脱アルコール反応により得られる化合物である、請求項1に記載の外装タイル張り用接着剤組成物。
- 前記バルーン(C)が、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン、ガラスバルーン、アルミナバルーン及びジルコニアバルーンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物である、請求項1又は2に記載の外装タイル張り用接着剤組成物。
- 前記硬化促進剤(D)が、少なくとも1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン及びテトラ−n−ブトキシチタンを含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の外装タイル張り用接着剤組成物。
- 更に添加剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の外装タイル張り用接着剤組成物。
- 前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の外装タイル張り用接着剤組成物を用いて、外壁材に外装タイル及び/又は外装モザイクタイルを接着すること、を特徴とする外装タイルの接着方法。
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