JP5578406B2 - 外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物、及びこれを用いて外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法 - Google Patents

外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物、及びこれを用いて外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、大気中などの水分により硬化してゴム状弾性体となり、保存安定性、上塗り塗膜の耐汚染性に優れ、外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物、及びこれを用いて外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法に関する。
建築構造物や土木構造物の外壁目地などには、防水、意匠等の目的で多くのシーリング材が使用されている。これらのシーリング材は、モルタル板、コンクリート板、ALC板、金属材等の外壁などを構成する部材間の接合部から構造体内部への雨水の侵入を防ぎ、また地震、日射による温度差、風圧などによって生じる外壁材の歪を緩和して外壁材の破壊を防ぎ、更には外壁の美観を損ねないことなどが求められる。このため、シーリング材は、作業性、各種の外壁材に対する接着性に優れ、気候に応じた温度差等で生じる部材の膨張や収縮、あるいは風圧や地震等で発生する種々の目地変位を吸収しなければならないことから、硬化後のゴム物性が低モジュラスで伸びの大きな柔らかなものとなるように設計されている。
また、建築構造物や土木構造物の外壁部は、優れた耐久性を有する塗料を外壁材に上塗り塗装することが多く行なわれている。この上塗り塗装は、形成される塗膜によって第一に雨水の侵入を防ぎ、日射による熱劣化、紫外線劣化などから外壁材を保護する本来の機能を有し、さらに外壁の美観を保つという建築構造物や土木構造物の良否を左右する意匠上の重要な役目を負っている。そして、この上塗り塗装に用いられる塗料は、美観を良くし、より自然に見せるため、塗料に無機系、有機系のいろいろな形の粒子やバルーン等を配合し、様々な塗装パターンを駆使することが行われており、表面の形状や性状が複雑なものとなっている。
しかし、近年は、シーリング材に相溶性の悪い液状物が多く含まれていると、シーリング材硬化後、この液状成分がシーリング材から上塗りした塗膜へ移行(ブリード)して上塗り塗膜が粘着性を呈するようになり、空気中を浮遊する砂埃や煤等の塵埃が付着して塗膜表面に汚染が生じ、その結果、外壁面の一部塗膜に目地状(縦、横の帯状ライン)に汚染が生じるという美観(意匠上)を損ねる問題が発生し、その対策が検討されている。さらには、雨水が外壁面を流れ落ちる際にできるいわゆる水道や前記外壁目地部の上塗り塗膜に藻やカビ等が発生して、美観(意匠上)を損ねる問題が発生し、その対策も検討されている(特許文献1、2、3)。
先に、本出願人らは、特許文献1;「上塗り塗装仕様向けに適したシーリング材組成物、およびこれを用いるシーリング材の施工方法」において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと特定量の低分子量可塑剤と高分子量可塑剤とを含有するシーリング材組成物が、ゴム弾性物性に優れ、上塗りした塗膜に亀裂、割れが生じがたく、ブリード汚染されないことを見出し提案しているが、長期の暴露においては外壁目地部の塗膜にカビが発生することが観察され、カビの発生防止が求められている。
特開平6−41516号公報 特開平10−176163号公報 特開2003−86443号公報 特開2006−143760号公報
本発明は、上塗り塗装を行なう建築構造物等の外壁塗装仕様において、保存安定性および耐目地汚染性に優れ、長期に亘って外壁目地部上塗り塗膜の細菌やカビの発生を抑えることのできる一液型湿気硬化性シーリング材組成物、及びこれを用いてその保存安定性かつ外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題について鋭意検討した結果、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマー(A)と、抗菌・防カビ剤(B)と、高分子量希釈用樹脂(C)とを含有する一液型湿気硬化性シーリング材組成物を、上塗り塗装仕様の外壁目地に充填使用すること、かつ、前記抗菌・防カビ剤(B)を特定の抗菌・防カビ剤とし、特定の使用方法とすることによって、当該一液型湿気硬化性シーリング材組成物は作業性、保存安定性に優れ、硬化物は良好なゴム弾性物性を有し、かつ、当該一液型湿気硬化性シーリング材組成物を外壁目地に使用することで上塗り塗膜の汚染を防止し、長期に亘って外壁目地部上塗り塗膜に細菌やカビが発生することを抑え、意匠上優れたものとすることができることを見出した。
上記構成により外壁目地部上塗り塗膜の耐汚染性および抗菌性、防カビ性が向上する理由は定かではないが、上記一液型湿気硬化性シーリング材組成物に含有される、(常温で液状の平均分子量500以下の成分を特定量としたこと、及び)高分子量希釈用樹脂(C)の使用がブリード汚染の発生を防いでいると考えられ、また、層状珪酸塩に抗菌・防カビ性化合物を担持させた複合物である特定の抗菌・防カビ剤(B)を高分子量希釈用樹脂(C)に分散させた分散体として添加するという特定の方法を用いることで、長期に亘っての抗菌性、防カビ性を付与していると考えられる。本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物は、好適には、酸エステル類、ジオクチルフタレートなどの低分子量可塑剤を含まないが、溶剤、桐油などの平均分子量500以下である常温で液状の成分が少しずつ拡散することで、常温で液状のウレタン系樹脂が少しずつ拡散し、上塗り塗膜に優れた耐汚染性と長期に亘っての抗菌性、防カビ性を付与していると考えられる。
すなわち、本発明は次の(1)〜(1)である。
(1) イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマー(A)と、抗菌・防カビ剤(B)を高分子量希釈用樹脂(C)に分散させた分散体とを含有する、外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物であって、
前記抗菌・防カビ剤(B)が、層状珪酸塩に抗菌・防カビ性化合物を担持させた複合物であること、を特徴とする前記の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(2) 一液型湿気硬化性シーリング材組成物中における、平均分子量500以下の常温で液状の成分の含有量が12質量%以下である、前記(1)の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(3) 前記高分子量希釈用樹脂(C)が、数平均分子量1,000以上の常温で液状の樹脂である、前記(1)または(2)の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(4) 前記樹脂がウレタン系樹脂である、前記(3)の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(5) 前記ウレタン系樹脂が、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとの反応生成物である、前記(4)の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(6) さらに、酸素硬化性不飽和化合物(D)を含有する、前記(1)〜(5)のいずれかの外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(7) 前記酸素硬化性不飽和化合物(D)が、乾性油及びその変性物からなる群から選ばれる1種または2種以上である、前記(6)の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(8) さらに、添加剤を含有する、前記(1)〜(7)のいずれかの外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(9) 前記添加剤が、充填剤、高分子量可塑剤、耐候安定剤、搖変性付与剤、接着性付与剤、硬化促進触媒、保存安定性改良剤、着色剤及び溶剤からなる群から選ばれる1種または2種以上である、前記(8)の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
(10) 前記(1)〜(9)のいずれかの外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物を建築構造体の外壁目地部に充填し、次いで該外壁目地部を含む建築構造体の表面に塗料を塗装し、硬化させること、を特徴とする外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法。
(11) 前記の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物を建築構造体の外壁目地部に充填する前に、該外壁目地部にプライマーを塗布する、前記(10)の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法。
本発明により初めて、上塗り塗装を行なう建築構造物等の外壁塗装仕様において、保存安定性および耐目地汚染性に優れ、長期に亘って外壁目地部上塗り塗膜の細菌やカビの発生を抑えることのできる一液型湿気硬化性シーリング材組成物、及びこれを用いてその保存安定性かつ外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法を提供することが可能となった。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、イソシアネート基が大気中の水分(湿気)と反応し、尿素結合を形成して架橋、硬化するもので、本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物に硬化成分として含有させるものであり、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるものである。
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)類、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート(TDI)類、ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、また、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられ、これらは単独または2種以上を組合わせて用いることができる。
これらのうち、硬化後の引張り接着性や耐水性などが優れている点で、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、よりさらにMDI類が好ましく、特に4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−オクタデシルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート等の有機モノイソシアネートも使用できる。
活性水素含有化合物としては、高分子ポリオールや高分子ポリアミンの他、場合により使用する鎖延長剤、或いはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として用いる高分子や低分子のモノオールなどが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、炭化水素系ポリオール、ポリアクリレート系ポリオール、ポリメタクリレート系ポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール、またはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。高分子ポリオールの数平均分子量は、500以上、さらに1,000〜100,000、よりさらに1,000〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。数平均分子量が500未満では、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の硬化後の伸びなどのゴム弾性物性が悪化し、100,000を超えると、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎ、作業性が悪くなるため好ましくない。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。また、例えば、低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε-カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子ポリオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類、ポリカルボン酸の他、ソルビトール、マンニトール、ショ糖(スクロース)、グルコース等の糖類系低分子多価アルコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類の一種以上を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の1種以上を開環付加重合あるいは共重合(以下、「重合あるいは共重合」を「(共)重合」という。)させた、ポリオキシエチレン系ポリオール、ポリオキシプロピレン系ポリオール、ポリオキシブチレン系ポリオール、ポリオキシテトラメチレン系ポリオール、ポリ−(オキシエチレン)−(オキシプロピレン)−ランダムあるいはブロック(共)重合系ポリオール、さらに、前述のポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートエーテルポリオールなどが挙げられる。また、これらの各種ポリオールと有機イソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたポリオールも挙げられる。ポリオキシアルキレン系ポリオールの1分子当たり平均アルコール性水酸基の数は2個以上、さらに2〜4個、特に2〜3個が好ましい。
さらに、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、その製造時に、水素化セシウム、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド等のセシウムアルコキシド、水酸化セシウムなどのセシウム系化合物、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、ホスファゼニウム化合物、複合金属シアン化錯体など、なかでも亜鉛ヘキサシアノコバルテートのグライム錯体やジグライム錯体等の複合金属シアン化錯体を触媒として使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、さらに0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが、得られるイソシアネネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度を低下でき、かつ得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の硬化後のゴム弾性物性が良好となる点で好ましい。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低分子モノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキシド等の環状エーテル化合物を開環付加重合させたポリオキシプロピレン系モノオール等のポリオキシアルキレン系モノオールなどを場合により使用することもできる。
なお、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールあるいはポリオキシアルキレン系モノオールなどの「系」とは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、さらに80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るものが最も好ましい。
炭化水素系ポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール、塩素化ポリプロピレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール等のハロゲン化ポリアルキレンポリオールなどが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレート系ポリオール(以下、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する(メタ)アクリレート単量体類と他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(以下、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を意味する。)とを、ラジカル重合開始剤の存在下あるいは不存在下に共重合したものなどが挙げられる。
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールなどが挙げられる。
高分子ポリアミンとしては、ポリプロピレングリコールの末端ジアミノ化物などの、数平均分子量500以上でポリオキシアルキレン系ポリオールの末端がアミノ基となったポリオキシアルキレンポリアミン等が挙げられる。
鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子のポリオール類、ポリアミン類、アミノアルコール類の他、前述のポリオキシアルキレンポリオールで、数平均分子量が500未満の低分子量のものが例示される。
前記の活性水素含有化合物として挙げた化合物はいずれもそれぞれ1種または2種以上を組み合わせて使用することができるが、これらのうち、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物のゴム弾性物性や接着性が良好な点で、高分子ポリオールが好ましく、さらにポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレン系ポリオールが最も好ましい。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できるが、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオールや高分子ポリアミン、場合により更に鎖延長剤等の活性水素含有化合物の活性水素(基)とのイソシアネート基/活性水素(基)の当量比は、1.1〜5.0/1.0が好ましく、更に1.3〜2.0/1.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基含有量は0.1〜15.0質量%が好ましく、特に0.3〜10.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.4〜5.0質量%である。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、イソシアネート基が水分と反応して生成する炭酸ガスによる発泡を防止することが困難になるため好ましくない。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成には、後述の硬化促進触媒として挙げた化合物と同様の、公知の触媒をウレタン化触媒として用いることができる。これらのうち金属有機酸塩や有機金属と有機酸との塩が好ましく、特にジブチル錫ジラウレートが好ましい。また、さらに公知の有機溶媒を用いることができる。
本発明における抗菌・防カビ剤(B)は、層状珪酸塩に抗菌・防カビ性化合物を担持させた複合物であり、この抗菌・防カビ性化合物としては、抗菌性、防カビ性を示す無機系化合物、有機系化合物であれば特に制限はなく使用することができる。
抗菌性、防カビ性を有する無機系化合物としては、例えば、銀、銅、亜鉛の抗菌性、防カビ性を示す金属イオンの塩あるいは酸化物を各種の担体に、例えば、活性炭、活性アルミナ、アパタイト、ゼオライト、シリカゲル、燐酸ジルコニウム、燐酸チタン等に担持させたものなどを挙げることができる。
これらの金属イオンを無機化合物に担持させる方法には特に制限はなく、今までに知られた担持方法はいずれも採用でき、例えば、物理吸着又は化学吸着により担持させる方法、イオン交換反応により担持させる方法、結合剤により担持させる方法、蒸着、溶解析出反応、スパッタ等の薄膜形成法により無機化合物の表面に薄層を形成させて担持させる方法等が挙げられる。
抗菌性、防カビ性を有する有機系化合物としては、チアゾール系化合物、イミダゾール系化合物などを挙げることができる。
チアゾール系化合物としては、具体的には、4,5−ベンゾイソチアゾール−3−オン、4−(n−オクチル)イソチアゾリン−3−オン、4−メチル−5−クロロイソチアゾリン−3−オン、4−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−4−シクロヘキシルイソチアゾリン−3−オン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛等を挙げることができる。
イミダゾール系化合物としては、ベンゾイミダゾールカルバミン酸化合物、イオウ原子含有ベンゾイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾールの環式化合物誘導体等を挙げることができる。ベンズイミダゾールカルバミン酸化合物を例示すると、1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、1−ブチルカルバモイル−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、6−ベンゾイル−1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル、6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンツイミダゾールカルバミン酸メチル等が挙げられる。イオウ原子含有ベンゾイミダゾール化合物について例示すると、2,4−ビス(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(TBZ)等が挙げられる。
前記の抗菌性、防カビ性の無機系化合物、有機系化合物は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
抗菌・防カビ剤(B)としては、層状珪酸塩の層間に前記無機系化合物と有機系化合物のそれぞれ1種または2種以上を担持させた無機系化合物と有機系化合物の複合物が徐放性の点で好ましく、さらには抗菌性、防カビ性の有機系化合物としてイミダゾール系抗菌・防カビ剤、イソチアゾリン系の抗菌・防カビ剤が有害性が比較的低い点で好ましく、抗菌性、防カビ性の無機系化合物としては亜鉛イオンが同様の点から好ましい。
前記層状珪酸塩は、従来から公知のものであり、結晶層単位が互いに積み重なって層状構造をなしている珪酸塩であれば、特に制限されることなく使用することができ、天然物であっても合成物であってもよい。層状珪酸塩の粒径、含水量、イオン交換容量、色等は特に制限されない。本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物への配合には、平均粒径10μm以下の粉末が好ましく、平均粒径0.1〜7μmの粉末がより好ましく、粒度分布が狭く均一な粒径であることが更により好ましい。
前記の層状珪酸塩(の層間)に前記無機系化合物や有機系化合物、特に前記無機系化合物と有機系化合物のそれぞれ1種または2種以上を担持させた無機系化合物と有機系化合物の複合物は市販のものを好適に使用することができる。
また、本発明における抗菌・防カビ剤(B)は、一液型湿気硬化性シーリング材組成物の保存安定性を良好なものとし外壁目地部上塗り塗膜の防カビ性を長期に亘って発揮する点で、後述する高分子量希釈用樹脂(C)に分散させて使用する。すなわち、事前に、層状珪酸塩(の層間)に前記無機系化合物や有機系化合物、特に前記無機系化合物と有機系化合物のそれぞれ1種または2種以上を担持させた無機系化合物と有機系化合物の複合物である抗菌・防カビ剤(B)を高分子量希釈用樹脂(C)に分散させ、一定濃度の抗菌・防カビ剤(B)分散液を形成しておき、一液型湿気硬化性シーリング材組成物の調製にこの抗菌・防カビ剤(B)分散液の適量をイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)に添加する。抗菌・防カビ剤(B)の高分子量希釈用樹脂(C)分散液における抗菌・防カビ剤(B)濃度は任意に設定することができ、操作性の点から、後述する実施例においては50質量%を使用している。低質量%の抗菌・防カビ剤(B)の分散液を必要とする場合などの、高分子量希釈用樹脂(C)中で不均一(例えば沈降、分離)になることを防止するために、コロイダルシリカ等の後述する搖変性付与剤を使用することもできる。分散液は、高分子量希釈用樹脂(C)中に抗菌・防カビ剤(B)を添加しディスパー等の分散機を使用して分散させることにより調製することができるが、高回転による層状珪酸塩の破壊に注意する必要がある。層状珪酸塩の破壊は、長期に亘って外壁目地部上塗り塗膜の細菌やカビの発生を抑えることに悪影響を与える。
抗菌・防カビ剤(B)の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.01〜10質量部、特に0.1〜5質量部であることが好ましい。抗菌・防カビ剤(B)の配合量が0.01質量部未満であると抗菌・防カビ効果が不十分となりやすく、10質量部を超えての配合は、経済的に好ましくない。
本発明における高分子量希釈用樹脂(C)は、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を希釈して粘性を下げて作業性を向上させるとともに、一液型湿気硬化性シーリング材組成物の硬化後のモジュラス、伸び率等のゴム弾性物性を調整する為に使用するものであり、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)との相溶性に優れ、耐ブリード汚染に対しても優れており、分子内に極性基を有するあるいは有しない、数平均分子量が1,000以上の常温で液状の樹脂を好適に挙げることができる。極性基としてはエステル基、エーテル基(オキシアルキレン基)、ウレタン基などが挙げられ、これらの基の種類と個数は、それぞれ分子中に単独で有していてもよいし、複数有していてもよい。さらに、高分子量希釈用樹脂(C)は、分子中にイソシアネート基と反応性を有する活性水素基又はイソシアネート基を実質的に有しない化合物であることが好ましい。
具体的に、極性基を有する樹脂としては、ジカルボン酸類とグルコール類とからのポリエステル系樹脂、ポリオキシエチレングリコールやポリオキシプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールのアルキルエーテル化誘導体やアルキルエステル化誘導体、糖類系多価アルコールのポリエーテル化樹脂、液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂等のポリオキシアルキレン系樹脂、低粘度の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル系(共)重合体樹脂などが挙げられる。極性基を有しない樹脂としては、ポリブタジエンやポリイソプレン等のポリオレフィン樹脂、水素添加ポリブタジエンや水素添加ポリイソプレン等のポリアルキレン樹脂などの炭化水素系樹脂が挙げられる。
これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、粘度が低く、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)との相溶性が良好で、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性が良好な点で、糖類系多価アルコールのポリエーテル化樹脂、液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂、低粘度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系(共)重合体樹脂が好ましく、更に液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂、低粘度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系(共)重合体樹脂が好ましく、特に液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂が好ましい。
高分子量希釈用樹脂(C)の数平均分子量は、1,000〜200,000、さらに1,000〜100,000、よりさらに2,000〜50,000、特に2,000〜20,000が好ましく、2,000〜10,000が最も好ましい。数平均分子量が1,000未満では、硬化物表面に移行(ブリード)し易くなり、上塗りした塗膜の付着性を低下させ、さらには塗膜表面に移行して塗膜表面を粘着させ、塵埃等の付着による汚染を発生させるため好ましくない。数平均分子量が100,000を超えると、高分子量希釈用樹脂(C)の粘度が高くなり、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性を悪化させるため好ましくない。
糖類系多価アルコールのポリエーテル化(ポリオキシアルキレン化)樹脂としては、スクロース(ショ糖)、グルコース、マンニトール、ソルビトール等の糖類系多価アルコールの水酸基に対して、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加(共)重合し、更にアルキルエーテル化或いはアルキルエステル化して末端をアルキル基で封鎖した、分子中に実質的に水酸基を有しない樹脂などが挙げられ、ショ糖系多価アルコールのポリエーテル化樹脂の一般市販品として、三洋化成工業社製のSPX−80などが挙げられる。
液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂としては、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、分子中にポリオキシアルキレン基とウレタン基を含有し、実質的に水酸基又はイソシアネート基を有しない高分子量の樹脂が好適である。更に液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の分子最分布(Mw/Mn)を1.6以下、特に好ましくは1.0〜1.3と狭いものにすることにより、波状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂が高分子量であっても粘度を低く抑えることができ、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性を良好なものとすることができる。
具体的には、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネート(好ましくは、ポリオキシアルキレン系モノオールと有機ポリイソシアネート、または、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機モノイソシアネート)とを、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1/1.0となる範囲で、最も好ましくは1/1で反応させて好適に製造することができる。当量比が0.9/1.0を下回ると水酸基の含有量が多くなるため、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基と反応し増粘して作業性を悪化させ、また1.1/1.0を上回るとイソシアネート基の含有量が多くなり、硬化物のゴム弾性物性に対する影響が無視できなくなる点で好ましくない。
なお、前記の「分子中に実質的に水酸基またはイソシアネート基を含有しない」とは、糖類系多価アルコールのポリエーテル化樹脂や液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂を合成する際、原料のモル比により、分子中に水酸基或いはイソシアネート基が少量残存する場合があるが、本発明の日的を達成する上で、水酸基又はイソシアネート基を含有しないとみなしても不都合を生じないことを意味する。
ポリオキシアルキレン系アルコールとしては、具体的には、ポリオキシアルキレン系モノオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、これらの混合物が挙げられる。
ポリオキシアルキレン系モノオールとしては、開始剤に環状エーテル化合物を開環付加(共)重合させたものが挙げられる。ポリオキシアルキレン系モノオールの数平均分子量は500〜50,000、さらには1,000〜30,000、特に1,000〜10,000であることが好ましい。数平均分子量が500未満では得られる液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂がブリードし易くなるため、数平均分子量が50,000を超えると液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の粘度が高くなり、一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性が悪化するため、好ましくない。
この開始剤としては、具体的に例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール等の低分子アルキルモノアルコール類、フエノール、クレゾール等のフェノール類、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、メタノール、エタノール等の、炭素数5以下の低分子アルキルモノアルコール類が好ましい。
環状エーテル化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちプロピレンオキシドが好ましい。
さらに、ポリオキシアルキレン系モノオールは、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成に使用されるポリオキシアルキレン系ポリオールの製造時に使用する触媒として挙げたものと同様の触媒を使用して製造される、総不飽和度が0.1meq/g以下、さらに0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが、得られる液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の粘度を低下でき、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性が良好となる点で好ましい。
なお、前記ポリオキシアルキレン系モノオールの「系」とは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、さらに80質最%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るものが最も好ましい。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際に使用されるものと同様の化合物が挙げられる。
これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、得られる液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の粘度を低下でき、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性が良好となる点で、ポリオキシアルキレン系モノオールが好ましく、特にポリオキシプロピレン系モノオールが好ましい。
有機イソシアネートとしては、具体的には、有機モノイソシアネート、有機ポリイソシアネート、これらの混合物が挙げられ、さらには、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成に使用されるものと同様の化合物が挙げられる。
これらは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、比較的安価で得られる液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の粘度を低下でき、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性が良好となる点で、有機ポリイソシアネートが好ましく、さらに脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、さらに芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、よりさらにキシリレンジイソシアネート類が好ましく、m−キシリレンジイソシアネートが最も好ましい。
液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の合成の際にも、後述の硬化促進触媒と同様の化合物を反応触媒として用いることができる。さらに公知の有機溶媒を用いることもできる。
低粘度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系(共)重合体樹脂としては、具体的に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体と、必要に応じてこれ以外のエチレン性不飽和化合物とを、重合開始剤の存在下または不存在下に、そして有機溶剤の存在下または不存在下において、50〜350℃で、バッチ式または連続重合等の公知のラジカル重合反応により得られる(共)重合体樹脂、好ましくは100〜300℃の高温連続重合反応して得られる、分子量分布が狭く低粘度の(共)重合体樹脂で、実質的に水酸基またはイソシアネート基を有しないものが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系(共)重合体樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量が1,000〜50,000、さらに1,000〜10,000、特に1,000〜5,000、Tgが0℃以下、さらに−100〜−20℃、25℃における粘度が50,000mPa・s以下、さらに100〜10,000mPa・s、特に200〜5,000mPa・sのものが好ましい。数平均分子量が1,000未満であると、硬化物の表面にブリードし易くなり、上塗り塗料の付着性を悪化させるため好ましくなく、また、数平均分子量が50,000を、Tgが0℃を、粘度が50,000mPa・sをそれぞれ超えると、一液型湿気硬化性シーリング材組成物の作業性を悪化させるため好ましくない。
(メタ)、アクリル酸アルキルエステル系(共)重合体樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を単独で重合したものであってもよく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体の2種以上を共重合したものであってもよく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体とこれ以外のエチレン性不飽和化合物とを共重合したものであってもよい。これらのうち、得られる樹脂が低粘度であるため(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化パラクミルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー卜等のポリ(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、低粘度の高分子量希釈用樹脂(C)が得られる点で、分子量500未満、さらに分子量300未満の低分子量のモノ(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが更に好ましい。
必要に応じて使用することができる、(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、クロルスチレン、2−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−ピロリドンなどが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち前記と同様の点でスチレンが好ましい。
高分子量希釈用樹脂(C)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、1〜200質量部、特に10〜100質量部配合するのが好ましい。1質量部未満では、一液型湿気硬化性シーリング材組成物に対する粘性低下効果がなくなり、200質量部を超えると、硬化物の耐熱性や耐水性等の耐久性が低下するため好ましくない。
本発明における酸素硬化性不飽和化合物(D)は、空気中などの酸素により反応して硬化する不飽和基を分子内に有する化合物であり、一液型湿気硬化性シーリング材組成物に配合することにより、硬化後の表面に移行し硬化被膜を形成して硬化物表面の粘着をなくすため、長期に渡る表面汚染防止効果を発揮する。また、硬化後の表面に上塗り塗料を塗布したとき、塗料の付着性を著しく向上させる効果をも発揮する。この効果も同じく酸素硬化性不飽和化合物(D)が硬化物の表面に移行して薄い硬化皮膜を形成し、この皮膜と上塗りした塗料の塗膜とが強く接着するためと推察される。
酸素硬化性不飽和化合物(D)としては、具体的には、乾性油、乾性油の各種変性物、ジエン系化合物の(共)重合体のマレイン酸変性物、ボイル油変性物などの分子内に酸素硬化性の不飽和基とエステル基等の極性基とを含有する化合物、ジエン系化合物の(共)重合体などの分子内に酸素硬化性の不飽和基は有するが極性基は有しない化合物などが挙げられる。
乾性油(広義に半乾性油も含む。)としては、桐油、大豆油、アマニ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、ヒマシ油などが挙げられ、乾性油の変性物としては、乾性油を変性して得られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性された(メタ)アクリル系(共)重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
ジエン系化合物の(共)重合体としては、1,2−ブタジエン、1,4−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレン等のC〜Cジエン系化合物の重合体やこれら2種以上の共重合体、あるいはこれらとスチレン、アクリロニトリル等の他の単量体との共重合体(SBR、NBRなど)などが挙げられ、ジエン系化合物の(共)重合体の変性物としては、前記ジエン系化合物の(共)重合体のマレイン酸変性物、ボイル油変性物、エポキシ変性物などが挙げられ、これらのうち常温で液状の(共)重合体が好ましい。
これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、一液型湿気硬化性シーリング材組成物に配合したとき、上塗り塗料の付着性を向上させる効果が大きな点で、分子内に酸素硬化性の不飽和基とエステル基等の極性基とを含有する化合物が好ましく、さらに乾性油および乾性油の変性物の群より選ばれる1種または2種以上が好ましく、よりさらに乾性油が好ましく、桐油が最も好ましい。
酸素硬化性不飽和化合物(D)には、酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用することができる。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属と有機酸との塩や、アミン化合物などが挙げられる。
酸素硬化性不飽和化合物(D)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して0.01〜50質量部、さらに0.1〜20質量部、特に1〜20質量部使用するのが好ましい。0.01質量部未満では上塗り塗料の付着性の改善が充分でなく、50質量部を超えると硬化物の引張り特性などが損なわれる傾向がある。
本発明における添加剤としては、充填剤、高分子量可塑剤、耐候安定剤、揺変性付与剤、接着性付与剤、硬化促進触媒、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤、溶剤などが挙げられる。それぞれ補強や増量、耐候性、揺変性や接着性の向上、硬化速度の調節、貯蔵安定性向上、着色、粘度調節などのために使用することができる。
充填剤としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の無機粉末状充填剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤などの無機系充填剤、或いはこれらの表面を脂肪酸等の有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、さらに、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂の粉末などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填剤なども挙げられる。また、中空の物質であるバルーンも挙げられ、その形状は球状だけでなく、立方状、直方状、金平糖状、バルーンを少し破壊したものも挙げられる。具体的に例えば、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン、フェノール樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、ポリスチレンバルーン、ポリエチレンバルーン、サランバルーン等の有機系バルーン、或いは無機系化合物と有機系化合物を混合したり積層したりした複合化バルーンなどが挙げられる。また、これらのバルーンをコーティングしたり表面処理したりしたものも使用でき、例えば、無機系バルーンを後述のシランカップリング剤などで表面処理したもの、有機系バルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどでコーティングしたものなども挙げられる。
充填剤の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0〜500質量部、特に50〜300質量部が好ましい。
高分子量可塑剤としては、数平均分子量500以上の、ポリブタジエン、ブタジエンーアクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレンあるいはこれらの水素添加物等の炭化水素系重合体などが挙げられる。
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の硬化後の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用する。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物などを挙げることができる。
酸化防止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、三共社製の商品名サノールLS−292などの他、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87などの分子量1,000未満の低分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくLA−63P、LA−68LD或いはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1,000以上の高分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤なども挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基等の光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させたウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のエステル(メタ)アクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールの(メタ)アクリレート等のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリオールの(メタ)アクリレート等のポリエーテル(メタ)アクリレート、或いはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特に(メタ)アクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有する物が好ましい。
揺変性付与剤は、本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物に揺変性を付与して、組成物を建築外壁などの垂直面に充填や塗布したときにタレ(スランプ)を起こさないようにするために使用するものであり、たとえば、微粉状シリカ、有機表面処理炭酸カルシウム等の無機系揺変性付与剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機系揺変性付与剤などが挙げられる。これらのうち、微粉状シリカは少量の配合で揺変性を付与できるため好ましいのであるが、一液型湿気硬化性シーリング材組成物の硬化速度を高めるため後述する硬化促進触媒を使用すると揺変性付与構造が破壊されることがあり、垂直面に充填や塗布したときにタレを起こすため使用には注意を要する。これに対し、有機表面処理炭酸カルシウムにはこのような欠点がなく、安定した揺変性を付与することができる。
微紛状シリカとしては、例えば、石英、ケイ砂、珪藻土等を粉砕して微粉状にした天然シリカ、また、沈降法シリカ等の湿式法シリカ、フュームドシリカ等の乾式法シリカなどの合成シリカなどが挙げられる。また、これらシリカ粒子表面の性質としては、有機物で処理しない親水性のものと、粒子表面をジメチルジクロロシラン等の有機シラン化合物で処理した疎水性のものが挙げられる。
有機表面処理炭酸カルシウムとしては、例えば、沈降炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムと称される微粉状の合成炭酸カルシウム、あるいは天然の炭酸カルシウムを粉砕して微粉状にした重質炭酸カルシウムの表面を、揺変性付与能力を与える目的と二次凝集を防ぐ目的で、脂肪酸類、脂肪酸アルキルエステル類、脂肪酸金属塩類、ロジン酸等の樹脂酸の金属塩、有機ポリイソシアネートとステアリルアルコールとの反応生成物、後述のシラン系カップリング剤と同様のカップリング剤類などの有機物系の化合物で処理した炭酸カルシウムが挙げられる。ここで、脂肪酸金属塩としては、好ましくは、ステアリン酸等の炭素数10〜25の脂肪酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウムの塩である。これらの市販品としては、例えば、白艶華CC、白艶華CCR、白艶華R06、VIGOT−10、VIGOT−15、STAVIGOT−15A(以上白石工業社製)、NCC#3010、NCC#1010(以上日東粉化工業社製)等が挙げられる。これらのうち、揺変性付与効果が高い点で、脂肪酸表面処理炭酸カルシウムが特に好ましい。
有機表面処理炭酸カルシウムの平均粒径は0.01〜0.5μm、さらに0.03〜0.15μmが好ましく、BET比表面積は5〜200m/g、さらに10〜60m/gが好ましい。平均粒径が0.01μmを下回るか、あるいはBET比表面積が200m/gを超えると、得られる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の粘度が上がって作業性が悪化し、平均粒径が0.5μmを上回るか、あるいはBET比表面積が5m/gを下回ると、揺変性付与効果がなくなるため好ましくない。
接着性付与剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物、有機ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
硬化促進触媒は、具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられ、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物の旭硝子社製EXCESTAR C−501、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物、オクチル酸鉛等の有機酸鉛塩、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、オクチル酸ビスマス、ビスマスバーサテイト等の有機ビスマス化合物、ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類、カオリンクレー、塩酸等の無機系酸性化合物、エチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート等の有機燐酸系酸性化合物、或いはこれらとアミンとの塩類などが挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から、有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、更に錫系キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ジラウレートが最も好ましい。
保存安定性改良剤(脱水剤)としては、一液型湿気硬化性シーリング材組成物中に存在する水分と反応する、ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
溶剤としては、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤、あるいはこれらの混合物である石油系溶剤など従来公知の有機溶剤が挙げられ、これらは一液型湿気硬化性シーリング材組成物の各成分に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。
高分子量可塑剤、耐候安定剤、揺変性付与剤、接着性付与剤、硬化促進触媒、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤及び溶剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0〜500質量部、特に10〜100質量部が好ましい。
本発明において、前記各添加剤成分はそれぞれ単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
一液型湿気硬化性シーリング材組成物中における平均分子量500以下の常温で液状の成分の含有量は12質量%以下であることが好ましい。
本発明外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物の製造方法としては、特に限定はされないが、例えば、前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの各構成成分と、場合により、酸素硬化性不飽和化合物と、さらに添加剤とを、ステンレス製や鉄製などで湿気を遮断できる撹拌、混合装置に仕込み、常圧下、減圧下、加圧下、窒素気流下などの各種の条件で、バッチ式あるいは連続式に撹拌、混合して製造することができる。前記撹拌、混合装置としては、例えばプラネタリーミキサー、ニーダー、アジター、ナウタミキサー、ラインミキサーなど各種挙げられる。
製造した一液型湿気硬化性シーリング材組成物は、湿気により増粘、硬化するものであるため、内容物の貯蔵安定性を保つため湿気を遮断できる容器に詰め、密封して貯蔵するのが好ましい。前記容器としては湿気を遮断できる容器であれば何でもよいが、例えば、ドラム缶、金属製や合成樹脂製のペール缶や袋状容器、紙製や合成樹脂製のカートリッジ状容器など各種の容器が挙げられる。
次に、本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物を用いて外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法について述べる。
本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物は、基本的にどのような外壁仕様における目地部に充填使用しても抗菌性、防カビ性を発揮することができるが、外壁目地部に上塗り塗装がされる使用において好ましく用いられる。すなわち、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を建築構造体の外壁目地部に充填し、次いで該外壁目地部を含む建築構造体の外壁表面に塗料を塗装し、硬化させて、外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させることが好ましい。具体的には、防水性、耐候性、耐久性および意匠性等のために上塗り塗装仕様が一般的である、ALC板、窯業系サイディング(無塗装板)やコンクリート等で構成された外壁仕様において効果的で好ましく、ALC板で構成された外壁仕様において特に好ましい。ALC(Autoclaved Light-weight aerated Concrete)は、高温高圧多湿養生を意味するオートクレープ状態で製造管理された軽量気泡コンクリートを指し、ALC板は建築物の外壁の部品(パネル)としてJIS A5416「軽量気泡コンクリートパネル」に製造及び管理方法が規定されている工業化製品である。ALC板の主原料は珪石、セメント、生石灰、及び発泡剤のアルミニウム粉末と水を加えて混合液とし、補強材として特殊防錆処理を施した鉄筋マットを組み込んだモールド(型枠)に流し込み化学反応により発泡させる。半硬化の状態で所定のサイズに切断しオートクレーブ養生し完全に硬化させ、その後側面加工・表面加工を施して製品となる。無機質材料を主原料としていることから法定不燃材料として認定され、加えてパネル内部に気泡を有することでコンクリートに比べ約1/4程度の重量と軽量であり、断熱性能に優れ結露の防止など居住性の向上に貢献しまた遮音性にも優れている。このような性質を有するALC板の用途は、住宅や小規模ビルでは主要構造は鉄構造を用い外壁にALCという組み合わせが多く、外壁や屋根若しくは床板として用いられている。外壁として仕様される場合は防水のために塗装を施す必要がある。外壁表面の塗装は下塗り(下吹き)、中塗り(主材)、上塗り(上吹き)等の複層仕上げをとることが多く、無機系塗装、アクリル系塗装、アクリルウレタン系塗装、アクリルシリコーン系塗装、フッ素塗装等の水系塗装等を挙げることができる。
本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物を建築構造体の外壁目地部に充填する前には、該外壁目地部に比較的表面強度の低いALC板に塗布し表面強度を向上させ、また、表面が多孔質であるALC板に塗布し発泡しないよう設計された、本発明の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物に専用の、湿気硬化性ウレタン系樹脂の有機溶剤溶液などのプライマーを塗布するのが好ましい。
合成例1(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成)
攪拌機、温度計、窒素シール管及び加温・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレングリコール(旭硝子社製、エクセノール3021、数平均分子量3,200、分子量分布(Mw/Mn)1.1〜1.2)を340g、ポリオキシプロピレントリオール(三井化学社製、MN−4000、数平均分子量4,000、分子量分布(Mw/Mn)1.1〜1.2)を100g、石油系溶剤(日本鉱業社製、カクタスソルベント)を90g仕込み、攪拌しながら4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、ミリオネートMT、分子量250)を54g仕込み、さらに反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.05gを加え、70〜80℃で2時間攪拌しながら反応させ、滴定によるイソシアネート基含有量が理論値(1.04質量%)以下になった時点で反応を終了し、冷却して、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPを合成した。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPは、滴定によるイソシアネート基含有量1.00質量%、25℃における粘度32,000mPa・sの常温で粘稠な透明液体であった
合成例2(液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂の合成)
攪拌機、温度計、窒素シール管及び加温・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、ポリオキシプロピレンモノオール(旭硝子社製、XS−M3000、数平均分子量3,243、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1)300g(OH当量:0.0925)を仕込み、攪拌しながらジブチル錫ジラウレート0.1gとm−キシリレンジイソシアネート(武田薬品社製、タケネート500、分子量188)9.1g(NCO当量:0.0968)(R値(NCO当量/OH当量=1.05)を加えたのち、加温して70〜80℃で4時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(0.06質量%)以下となった時点で反応を終了し、液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂Uを製造した。
この液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂Uは、滴定による実測イソシアネート基含有量0.04質量%、粘度3,300mPa・s/25℃、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1、常温で透明の液体であった。
実施例1
冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素ガスを流しながら、合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーP100.0g、抗菌・防カビ剤a(東亞合成社製、イソチアゾリン系/イミダゾール系/層状珪酸塩/酸化亜鉛の抗菌・防カビ剤粉末;カビノン940、層状珪酸塩担持)と合成例2で得た液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂Uを質量比1:1でプライミクス社製T.K.ロボミックスにて2000rpm、30分間撹拌して得た白濁色の均一な分散液(50質量%分散液)0.8g、合成例2で得た液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U59.6g、石油系溶剤(日本鉱業社製、カクタスソルベント)26.0g、酸化チタン13.0g、桐油4.0g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM403)1.0g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)4.0gを順次仕込み、60℃以下で内容物が均一になるまで攪拌、混練りした。次いで、予め80〜100℃の乾燥器中で1日乾燥した脂肪酸処理炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華CCR)137.0gとジブチル錫ジラウレート0.02gを順次仕込み、均一になるまで更に混練した。次いで、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填、密封して、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
実施例2
実施例1において、抗菌・防カビ剤aの液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U分散液2.4g、液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U58.8gを使用した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
実施例3
実施例1において、抗菌・防カビ剤aの液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U分散液3.8g、液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U58.1gを使用した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
実施例4
実施例1において、抗菌・防カビ剤aの液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U分散液7.6g、液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U56.2gを使用した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
比較例1
実施例3において、抗菌・防カビ剤aの液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U分散液を使用せずに、抗菌・防カビ剤a1.9gと合成例2で得た液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U60.0gをそれぞれ別々に添加した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
比較例2
実施例1において、抗菌・防カビ剤aを使用しない以外は同様にして、ペ−スト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
比較例3
比較例2において、液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U60.0gの代わりに、液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U30.0gとジイソノニルフタレート(新日本理化社製、DINP、分子量419)30.0gを使用した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
比較例4
実施例2において、抗菌・防カビ剤aの液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U分散液の代わりに、抗菌・防カビ剤b(ゲンリ科研社製、リン酸ジルコニウム−銀/チアゾール系/ハロアルキルチオ系/イミダゾール系/尿素の抗菌・防カビ剤粉末;ハローコートGK、層状珪酸塩担持無)の液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U分散液(50質量%分散液)2.4gを使用した以外は同様にして、ペースト状の一液型湿気硬化性シーリング材組成物を調製した。
性能試験
(1)押出し性
JIS A1439:(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.14試験用カートリッジによる押出し試験」により評価した。
押出し時間5秒以下を○、5秒を超える場合を×と評価した。
(2)スランプ
JIS A1439:(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、23℃、50%RHにおけるスランプ(縦)を測定した。
(3)タックフリー時間
JIS A1439:(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.19タックフリー試験」に準拠して、23℃、50%RHにおけるタックフリー時間を測定した。
(4)保存安定性
コーンプレートE型回転粘度計(30倍コーン、10rpm、25℃)による粘度比を評価した。加熱処理前の粘度と50℃恒温槽中に5日間静置後の粘度を測定し、(50℃5日後粘度値)/(加熱処理前粘度値)が1.3以下を○とし、1.3を超え1.5未満を△とし、1.5以上を×とした。
(5)抗菌性、防カビ性
試験体の作製を次のように行なった。
無塗装(仕様);
厚さ5mmのスレート板を使用し、幅25mm×深さ15mm×長さ150mmの目地を作製した。その目地に一液型湿気硬化性シーリング材組成物を充填し、余分な組成物をヘラでかきとり、表面を平らに仕上げた。次に、標準状態(23℃50%相対湿度)で14日間養生し、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を硬化させて試験体とした。この試験体の目地を形成した面を北に向け、試験体の長さ方向を地表に対して垂直に設置した(北面90°屋外暴露)。また、別にこの試験体を南に向け、試験体の長さ方向を地表に対して30°の傾斜をつけて設置した(南面30°屋外暴露)。
塗装(仕様);
厚さ5mmのスレート板を使用し、幅25mm×深さ15mm×長さ150mmの目地を作製した。その目地に一液型湿気硬化性シーリング材組成物を充填し、余分な組成物をヘラでかきとり、表面を平らに仕上げた。次に、標準状態(23℃50%相対湿度)で14日間養生しシーリング材組成物を硬化させ、表面に水性アクリルシリコーン塗料(藤倉化成社製、セラミトーンフレック、塗布量:上塗り・中塗を各300〜500g/m)を刷毛により塗布し、さらに標準状態(23℃50%相対湿度)で14日間養生して試験体とした。この試験体の目地を形成した面を北に向け、試験体の長さ方向を地表に対して垂直に設置した(北面90°屋外暴露)。また、別にこの試験体を南に向け、試験体の長さ方向を地表に対して30°の傾斜をつけて設置した(南面30°屋外暴露)。
評価について、上記試験体をオート化学工業株式会社の敷地内に設置された屋外暴露台に平成19年5月から平成21年5月の間の2年間暴露した試験体について評価した。無塗装(仕様)の場合は一液型湿気硬化性シーリング材組成物の硬化表面を目視観察し、細菌、カビによる黒灰色のシミ、汚染が見られないとき○、一部に細菌、カビによる黒灰色のシミ、汚染が見られるとき△、全体に細菌、カビによる黒灰色のシミ、汚染が見られるとき×とした。塗装(仕様)の場合は目地部上塗り塗膜の表面を目視観察し、細菌、カビによる黒灰色のシミ、汚染が見られないとき○、一部に細菌、カビによる黒灰色のシミ、汚染が見られるとき△、全体に細菌、カビによる黒灰色のシミ、汚染が見られるとき×とした。
(6)汚染性
試験体の作製:
厚さ5mmのスレート板を使用し、幅25mm×深さ15mm×長さ150mmの目地を作製した。その目地に一液型湿気硬化性シーリング材組成物を充填し、余分な組成物をヘラでかきとり、表面を平らに仕上げた。次に、標準状態(23℃50%相対湿度)で14日間養生して一液型湿気硬化性シーリング材組成物を硬化させ、表面に水性アクリルシリコーン塗料(藤倉化成社製、セラミトーンフレック、塗布量:上塗り・中塗を各300〜500g/m)を刷毛により塗布し、さらに標準状態(23℃50%相対湿度)で14日間養生して試験体とした。
次に、試験体を80℃の恒温槽中で30日間熱処理した後、恒温槽より取り出し、試験体の表面に黒色ケイ砂(粒径70〜110μm)をふりかけた。直ちに試験体を裏返し、表面を手で軽く叩いて余分な黒色ケイ砂をおとした。表面に付着して残った黒色ケイ砂(汚れ)の状態を目視により観察して汚染性を評価した。
判定基準;
○:目地上の水性アクリルシリコーン塗料表面に黒色ケイ砂の付着がなくきれいな状態。
×:目地上の水性アクリルシリコーン塗料表面に黒色ケイ砂が付着して汚れた状態。
(7)塗料付着性
約150mm×100mmの大きさで厚さ5mmのフレキシル板を使用し、その表面に一液型湿気硬化性シーリング材組成物を約3mmの厚さで塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間硬化養生したものを作製した。次いで、硬化させた一液型湿気硬化性シーリング材組成物の表面に、水性アクリルシリコーン塗料(藤倉化成社製、セラミトーンフレック、塗布量:上塗り・中塗を各300〜500g/m)を刷毛により塗布し、23℃、50%相対湿度で14日間塗料を養生硬化させたものを試験体とした。
次に、JIS K 5600−5−6(1999)「塗料一般試験方法、第5部:塗膜の機械的性質、第6節:付着性(クロスカット法)」に準拠し、切れ刃の間隔2mmの多重刃切込み工具を用いて試験をし、塗膜の付着性を以下の基準で評価した。
評価基準(分子の数値は塗膜が付着している格子の数である);
○:20〜25/25
×:19以下/25
(8)引張り接着性
JIS A1439:(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.21引張接着性試験」に規定する試験体を使用し、一液型湿気硬化性シーリング材組成物を打設し、50℃、80%相対湿度で3日間養生後、23℃、50%相対湿度に1日静置した後同条件で測定した。なお、被着体にスレート、プライマーにOP−15A(イソシアネート基含有ウレタン系樹脂含有一液のプライマー、オート化学工業社製)、オープンタイム20分とした。
Figure 0005578406
Figure 0005578406

Claims (11)

  1. イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマー(A)と、抗菌・防カビ剤(B)を高分子量希釈用樹脂(C)に分散させた分散体とを含有する、外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物であって、
    前記抗菌・防カビ剤(B)が、層状珪酸塩に抗菌・防カビ性化合物を担持させた複合物であること、を特徴とする前記の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  2. 一液型湿気硬化性シーリング材組成物中における、平均分子量500以下の常温で液状の成分の含有量が12質量%以下である、請求項1に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  3. 前記高分子量希釈用樹脂(C)が、数平均分子量1,000以上の常温で液状の樹脂である、請求項1または2に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  4. 前記樹脂がウレタン系樹脂である、請求項3に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  5. 前記ウレタン系樹脂が、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとの反応生成物である、請求項4に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  6. さらに、酸素硬化性不飽和化合物(D)を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  7. 前記酸素硬化性不飽和化合物(D)が、乾性油及びその変性物からなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項6に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  8. さらに、添加剤を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  9. 前記添加剤が、充填剤、高分子量可塑剤、耐候安定剤、搖変性付与剤、接着性付与剤、硬化促進触媒、保存安定性改良剤、着色剤及び溶剤からなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項8に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物を建築構造体の外壁目地部に充填し、次いで該外壁目地部を含む建築構造体の外壁表面に塗料を塗装し、硬化させること、を特徴とする外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法。
  11. 前記の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる一液型湿気硬化性シーリング材組成物を建築構造体の外壁目地部に充填する前に、該外壁目地部にプライマーを塗布する、請求項10に記載の外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法。
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