JP2005075894A - 硬化性組成物およびシーリング材組成物 - Google Patents

硬化性組成物およびシーリング材組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物は、添加された低分子量の可塑剤が硬化物の表面や上塗りした塗料へ可塑剤が移行して表面汚染を引き起こすか、これを回避する可塑剤を使用しても揺変性が劣るなどの問題点があり、これらを解決することが望まれていた。
【解決手段】 上述の問題をイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と添加剤を組み合わせることにより解決した。ポリエーテル化樹脂としては数平均分子量が1,000〜20,000であるものが望ましく、添加剤としては揺変性付与剤、耐候安定剤、汚染防止剤、充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤(脱水剤)および着色剤および意匠性付与剤の群より選ばれる1種または2種以上のものが使用される。このような構成により硬化物の表面が汚染されず、また揺変性の低下もみられない。

Description

本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む新規な硬化性組成物とシーリング材に関するものである。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物はゴム弾性や作業性などが良好なことより、建築用、土木用、自動車用などのシーリング材、接着剤、塗料など多方面に使用されている。シーリング材や塗料などに使用する場合は、性能維持と美感上の点から、高い耐候性と耐水性、更には塵埃付着による表面汚染がないことが要求され、接着剤などに使用する場合は性能維持のために、優れた接着性や耐水性などの性能が要求される。
硬化性組成物をこのような用途、中でもシーリング材として使用する場合、粘度を低下させ作業性を改善する目的と物性を調整する目的で、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量の可塑剤を添加することが一般的に行われているが、これらの可塑剤は耐候性や耐水性を低下させてしまうという欠点がある。さらに、これらの可塑剤は低分子量であるが故に硬化性組成物の硬化後の表面、あるいは硬化物の表面に塗料をさらに上塗りした場合は塗料の表面に移行(ブリード)し易く、表面が粘着を発生するため、大気中を浮遊する微小の砂ぼこりや自動車の排気ガス中に含まれる微小の炭化物などの塵埃が表面に付着し、硬化物あるいは硬化物に上塗りした塗料の表面を黒く汚染してしまうという欠点がある。
これらの欠点を改良するために、種々の高分子可塑剤を使用する方法が提案されている。たとえば、可塑剤としてZ−{(R1O)n2m(式中、mは1〜6の数、nは4〜150の数、Zはm価のアルコール類、フェノール類またはアミン類の残基、R1は炭素数1〜24のアルキレン基または置換アルキレン基、R2は1価の炭化水素基を表す。)で示されるポリエーテル化合物を含有させることによって可塑剤の硬化物からの溶出(ブリードアウト)が少なく、硬化物の耐汚染性、経時での物性低下が改良されたポリウレタン系硬化性組成物とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法によれば可塑剤のブリードによる汚染防止にはある程度効果があるものの、未だ不十分であり、さらに揺変性が劣る(スランプする)という欠点がある。
特開平11−279253号公報
本発明は、このような従来の欠点を解決して、大気中などの水分により硬化して、高い耐候性と耐水性を有するゴム状弾性体となり、かつ硬化物の表面あるいは硬化物に上塗りした塗料へ可塑剤が移行するのを防止し、塵埃付着による表面汚染を防止した、シーリング材、接着剤、塗料など応用範囲の広い有用な硬化組成物を提供することを目的とする。
上述した欠点を改善すべく研究を進めたところ、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と添加剤とを組み合わせることにより上記問題を改善できることができるという知見を得て、本願発明に至ったものである。
より詳細には、本願発明は、
(1)イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と、添加剤とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
(2)前記添加剤が揺変性付与剤、耐候安定剤、汚染防止剤、充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、および着色剤の群より選ばれる1種または2種以上である、上記(1)に記載の硬化性組成物。
(3)前記添加剤である揺変性付与剤が有機表面処理炭酸カルシウムである、上記(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(4)前記添加剤である汚染防止剤が酸素硬化性不飽和化合物である、上記(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(5)前記酸素硬化性不飽和化合物が乾性油である、上記(4)に記載の硬化性組成物。
(6)前記実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂が、数平均分子量1,000〜20,000のショ糖のポリエーテル化樹脂である、上記(1)に記載の硬化性組成物。
(7)前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、水酸基含有ポリオキシアルキレン系樹脂と有機イソシアネートとを、水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応して得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、上記(1)に記載の硬化性組成物。
(8)イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と、添加剤とを含有することを特徴とするシーリング材組成物。
に関するものである。
本願発明で使用する各成分について説明する。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、本願発明において硬化成分として使用するものであり、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるものである。
有機ポリイソシアネートとしては、具体的には例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフエニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフエニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフエニルメタンジイソシアネート等のジフエニルメタンジイソシアネート(MDI)類、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート(TDI)類、ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、およびこれらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げられ、これらは単独または2種以上を組合わせて用いることができる。これらのうち、硬化後の引張り接着性などが優れている点で、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、さらにTDI類が好ましく、特に2,4−トルエンジイソシアネート好ましい。
前記活性水素含有化合物としては、高分子ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。これらの化合物のうち、高分子のポリオールが好適である。
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール等、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの高分子ポリオールのうち、作業性、接着性、耐候性などが優れている点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
また、例えば、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε-カプロラクトン、γ一バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、これらを共重合したポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキサイドなどのエポキシドを開環重合させたポリオキシアルキレンモノオールなども使用できる。これらのうち、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールなどが挙げられる。
これらの高分子ポリオールの数平均分子量は500〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類等のうち分子量500未満のもの、またはこれらの2種以上の混合物が好適に例示される。
前記の活性水素含有化合物として挙げた化合物は1種または2種以上を組合わせて使用することができる。
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できるが、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオール、場合により更に鎖延長剤の活性水素(基)とのイソシアネート基/活性水素(基)の当量比は、1.1〜5.0/1.0が好ましく、更に1.3〜2.0/1.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.1〜15.0質量%が好ましく、特に0.3〜10.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.4〜5.0質量%である。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、炭酸ガスによる発泡を防止することが困難になるため好ましくない。
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成には、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)などの金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などの公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうち金属有機酸塩や有機金属と有機酸との塩が好ましい。また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
本発明において用いられる、実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂は、高分子量であるにもかかわらず低粘度であり、かつイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと相溶性に優れているため、これを配合することにより、得られる硬化性組成物の粘度を下げ作業性を優れたものとすることができるとともに、硬化物の表面あるいは硬化物の表面に上塗りした塗料の表面にブリードしないため表面に粘着性を発生させることがなく、塵埃の付着による表面汚染を発生させない効果を発揮するものであり、具体的には、出発物質としてショ糖を使用し、そのショ糖の水酸基に対してアルキレンオキサイドを付加重合させた後、末端の水酸基をアルキルエーテル化して封鎖することにより得られるものである。ショ糖の水酸基に対するアルキレンオキサイドの付加重合は通常の方法で行うことができ、触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒、酸性触媒)の存在下または不存在下に、常圧または加圧下に1段階または多段階で行われる。
なお、前記実質的に反応性官能基を有しないとは、ショ糖の水酸基に対してアルキレンオキサイドを付加重合させたのち、末端の水酸基をアルキルエーテル化して封鎖した後も極めて少量の水酸基などのイソシアネート基に対して反応性を有する官能基が残存する場合があるが、この残存官能基とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基との反応は、硬化性組成物の製造時においても貯蔵中においても無視することができ、本願発明の目的を達成する上で影響がないことを意味する。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどが挙げられ、これらは単独で、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、得られる実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂の粘度が低く、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとの相溶性に優れるため、これを含有する硬化性組成物の粘度低下に効果があり作業性を良好なものとさせ、かつ硬化物からブリードしないで、硬化物の表面を汚染させない点で、プロピレンオキサイド単独或いはプロビレンオキサイドとエチレンオキサイドとの併用が好ましく、特にプロピレンオキサイド単独が好ましい。なお、2種以上のアルキレンオキサイドを併用する場合、ランダム付加共重合でもよいし、ブロック付加共重合でもよい。
前記アルキルエーテル化のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、ラウリル、イソプロピルなど1価の脂肪族炭化水素基が挙げられ、これらは単独で、或いは2種以上が併用されていてもよい。これらのうちメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルなどの炭素数1〜4の1価のアルキルが好ましい。
前記実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂の数平均分子量は、1,000〜20,000の高分子量のものが好ましく、更に5,000〜10,000が好ましく、1,000を下回ると硬化物の表面にブリードし塵埃付着による表面汚染が発生し、20,000を超えると得られる硬化性組成物の粘度が上がり作業性が悪化し好ましくない。
本発明において実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂の使用量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100重量部に対して、1〜300重量部が好ましく、更に30〜100重量部が好ましい。1重量部を下回るとの硬化性組成物の粘度低下効果が無くなり作業性が悪化し、300重量部を超えると硬化性組成物の硬化後のゴム弾性物性が低下し好ましくない。
なお、実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂の市販品としては、三洋化成工業社製のサンフレックスSPX−80が挙げられる。
つぎに、本願発明の硬化性組成物において用いられる添加剤について説明する。
本願発明における添加剤としては、耐候安定剤、揺変性付与剤、汚染防止剤、充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
耐候安定剤としては、硬化物の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものである。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物を挙げることができる。
酸化防止剤としてはヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤が挙げられ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87等の分子量1,000未満の低分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくアデカスタブシリーズのLA−63P、LA−68D、あるいはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LD等の分子量1,000以上の高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリト−ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基などの光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレートなどのポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオ−ルのアクリレートやメタクリレートなどのポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、あるいはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有するものが好ましい。
これらの耐候安定剤は単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100重量部に対して、0.01〜30重量部、特に0.1〜10重量部配合するのが好ましい。
揺変性付与剤は、本願発明の硬化性組成物に揺変性を付与して、組成物を建築外壁などの垂直面に充填や塗布したときにタレ(スランプ)を起こさないようにするために使用するものであり、さらにこれは硬化性組成物をシーリング材として使用したときにきわめて重要な要件となるものであるが、たとえば、コロイダルシリカ、石綿粉、有機表面処理炭酸カルシウム(脂肪酸処理炭酸カルシウム)等の無機系揺変性付与剤、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド等の有機系揺変性付与剤が挙げられ、これらのものの中から1種あるいは2種以上を適宜選択して添加することができる。これらのうちコロイダルシリカは少量の配合で揺変性を付与できるのであるが、硬化性組成物の硬化速度を高めるため後述する硬化促進触媒を使用すると揺変性付与構造が破壊され、垂直面に充填や塗布したときにタレを起こすため使用が制限されてしまうことがあるが、これに対し有機表面処理炭酸カルシウムにはこのような欠点がなく、硬化組成物に安定した揺変性を付与することができるため特に好ましい。
本願発明において、前記揺変性付与剤の使用量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100重量部に対して1〜200重量部、さらに5〜150重量部が好ましい。1重量部を下回ると揺変性付与効果がなくなり、200重量部を超えると得られる硬化性組成物の粘度が上がり作業性が悪化するため好ましくない。
前記有機表面処理炭酸カルシウムは、公知の方法で製造することができる。まず微粉末状の炭酸カルシウムは、たとえば石灰石を焼成炉で焼成し、炭酸ガスと生石灰に分解した後、生石灰は水を加えて水化精製し、石灰乳とし、炭酸ガスを吹き込んで反応させるか、または炭酸ガス気流中に石灰乳を噴務し向流または並流のかたちで接触させて反応させて製造することができ(一般に軽質炭酸カルシウムと称される)、次いでこの微粉末状炭酸カルシウムに揺変性付与能力を与える目的と二次凝集を防ぐ目的で脂肪酸金属塩や、ロジン酸等の樹脂酸の金属塩などで微粉末状炭酸カルシウムの表面を処理して脂肪酸表面処理炭酸カルシウムや樹脂酸表面処理炭酸カルシウムなどの有機表面処理炭酸カルシウムが得られる。ここで脂肪酸金属塩としては、好ましくは炭素数10〜25の脂肪酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウムの塩である。これらの市販品としては、例えば白艶華CC、白艶華CCR、白艶華R06、VIGOT−10、VIGOT−15、STAVIGOT−15A(全て白石工業社製)、NCC#3010、NCC#1010(日東粉化工業社製)等が挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち揺変性付与効果が高い点で脂肪酸表面処理炭酸カルシウムが特に好ましい。
なお、重質炭酸カルシウムと呼ばれる天然の炭酸カルシウムを粉砕して微粉体状にしたものを脂肪酸金属塩や樹脂酸金属塩で処理したものも使用できる。
この有機表面処理炭酸カルシウムの平均粒径は、0.01〜0.5μm、さらに0.03〜0.15μmが好ましく、BET比表面積は5〜200m/g、さらに10〜60m/gが好ましい。
平均粒径が、0.01μmを下回るか、あるいはBET比表面積が200m/gを超えると得られる硬化性組成物の粘度が上がり作業性は悪化し、平均粒径が0.5μmを上回るか、あるいはBET比表面積が5m/gを下回ると揺変性付与効果がなくなるため好ましくない。
汚染防止剤としては、硬化性組成物の硬化後の表面に移行して硬化被膜を形成することにより硬化物表面の粘着をなくし、長期に渡る表面汚染の防止効果を奏するもので、酸素硬化性不飽和化合物が挙げられ、特に前期の実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と組み合わせて使用したときに、汚染防止の効果が顕著なものとなる。
酸素硬化性不飽和化合物は、空気中などの酸素により反応して硬化する不飽和基を分子内に有する化合物であり、硬化組成物及びシーリング材組成物に配合することにより、硬化後の表面に移行して硬化被膜を形成することにより硬化物表面の粘着をなくすため、長期に渡る表面汚染防止効果を発揮するものである。
酸素硬化性不飽和化合物としては、具体的には、乾性油、乾性油の各種変性物、ジエン系化合物の重合体や共重合体(以下、「重合体や共重合体」を(共)重合体という。)、該(共)重合体の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)などが挙げられる。
乾性油(広義に半乾性油も含む。)としては、桐油、大豆油、アマニ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、ヒマシ油などが挙げられ、乾性油の変性物としては、前記乾性油を変性して得られる各種アルキッド樹脂、乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
ジエン系化合物の(共)重合体としては、1,2−ブタジエン、1,4−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、クロロプレン等のC〜Cジエン系化合物の重合体やこれら2種以上の共重合体、或いはこれらとスチレン、アクリロニトリル等の他の単量体との共重合体(SBR、NBRなど)などが挙げられ、ジエン系化合物の(共)重合体の変性物としては、前記ジエン系化合物の(共)重合体のマレイン化物、ボイル化物、エポキシ化物などが挙げられ、これらのうち常温で液状の(共)重合体が好ましい。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができることができる。
これらのうち、汚染防止の効果が大きな点で、乾性油、ジエン系化合物の液状(共)重合体が好ましく、更に乾性油、液状1,2−ポリブタジエン、液状1,4−ポリブタジエンが好ましく、特に桐油が好ましい.
酸素硬化性不飽和化合物には、酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用することができる。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属と有機酸との塩や、アミン化合物などが挙げられる。
酸素硬化性不飽和化合物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100重量部に対して0.01〜50重量部、特に1〜20重量部使用するのが好ましい。0.01重量部未満では硬化物表面の汚染性の改善が充分でなく、50重量部を超えると硬化物の引張り特性などが損なわれる傾向がある。
充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤は、それぞれ増量や補強、接着性向上、保存安定性(貯蔵安定性)の向上、着色などのために、本願発明の硬化性組成物に配合して使用することができる。
充填剤としては、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ等の無機粉末状充填剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン等の無機系バルーン状充填剤などの無機系充填剤、あるいはこれらの表面を脂肪酸やシランカップリング剤等の有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン等の粉末や中空体、サランマイクロバルーン等の有機系バルーン状充填剤などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤および/またはその部分加水分解縮合物を挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤および/またはその部分加水分解物が接着性に優れているので好ましい。
このシラン系カップリング剤としては、具体的には、メチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物および/またはこれらシラン系カップリング剤の1種または2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物を挙げることができる。これらは単独であるいは2種以上を組合せて使用できる。
保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応するビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。
充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤、および着色剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100重量部に対して0〜500重量部、特に5〜300重量部であることが好ましい。
本願発明の硬化性組成物において、前記各添加剤成分はそれぞれ1種類または2種以上を混合して使用することができる。
本願発明においては硬化性組成物にさらに硬化促進触媒を添加することができる。
使用することができる硬化促進触媒としては、たとえば、テトラ−n−ブチルチタネート等の金属のアルコキシド、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)等の金属キレート化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組合わせて使用できる。これらのうち硬化を促進する効果が高い点で有機金属と有機酸との塩が好ましく、さらにジブチル錫ジラウレートが好ましい。
本願発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、n−ヘキサン等の脂肪族系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤でイソシアネート基に反応しないものであればどのようなものでも使用することができるが、有機溶剤は直接的には作業者が暴露されることにより健康を害する恐れがあり、間接的には硬化途中に環境に放出され環境汚染を発生させ、ひいては人の健康を害する恐れがあり好ましいものではないため、できるだけ使用量を押さえることが近年益々要求されてきている。この理由により有機溶剤の使用量は、硬化性組成物中に5質量%未満、さらに1質量%未満となるように使用するのが好ましい。
なお、本願発明の硬化性組成物は作業性の点から1液湿気硬化型として使用するのが好ましいが、本願発明の硬化性組成物を主剤とし、水などの硬化剤を混合して硬化させる2液硬化型としても使用できる。
本願発明の硬化性組成物は、硬化後の表面の塵埃付着汚染がなく、かつ耐候性、接着性、耐水性に優れているため建築、土木、電気、自動車などの分野における塗料や接着剤など各種用途に使用できるが、さらに硬化促進触媒を使用し硬化速度を高めたものでも揺変性に優れている(スランプしない)ため、特に防水を目的として建築物外壁や土木構築物などの目地に充填して使用する建築用あるいは土木用のシーリング材として好適に用いられる。
本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と、添加剤とを含有した硬化性組成物であることから、大気中などの水分により硬化して、高い耐候性、接着性、耐水性を有するゴム状弾性体となり、かつ硬化物の表面あるいは硬化物に上塗りした塗料へ可塑剤が移行するのを防止し、塵埃付着による表面汚染が防止され、かつ硬化速度を高めても揺変性が悪化しないという優れた効果を奏するものであり、シーリング材、接着剤、塗料など応用範囲の広いものとなる。
以下に本願発明の実施例を示すが、本願発明がこれに限定されるものではない。
〔合成例1〕
攪拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながらポリオキシプロピレングリコール(三井化学社製、Diol−3000、数平均分子量3,000)332gと、ポリオキシプロピレントリオール(三井化学社製、MN−4000、数平均分子量4,000)66gと、トルエンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、T−100)44gとを攪拌しながら仕込み、次いでジブチル錫ジラウレート0.4gを加え、80℃で4時間攪拌して反応させた後、冷却してイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを合成した。
得られたウレタンプレポリマーは、滴定によるイソシアネート基含有量2.2質量%、
25℃における粘度13,000mPa・sの常温で粘稠な液体であった。
〔実施例1〕
加熱・冷却装置および窒素シール管付き混練容器に、窒素ガスを流しながら合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100gを仕込み、攪拌しながら(実質的に反応性官能基を有しない)ショ糖のポリエーテル化樹脂(三洋化成工業社製、サンフレックスSPX−80、数平均分子量8,000)70g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)2g、炭酸カルシウム50g、酸化チタン10gおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM403)0.5gを順次仕込み均一になるまで攪拌、混合した。次いで脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華CCR)90gとp−トルエンスルフォニルイソシアネート1.5gとジブチル錫ジラウレート0.2gとトルエン13g を仕込みさらに均−になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し、容器に充填、密封してシーリング材組成物を調製した。
〔実施例2〕
実施例1と同様の混練容器に、窒素ガスを流しながら合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100gを仕込み、攪拌しながら実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂(三洋化成工業社製、サンフレックスSPX−80、数平均分子量8,000)70g、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、IGRANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)2g、桐油3g、炭酸カルシウム50g、酸化チタン10gおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM403)0.5gを順次仕込み均一になるまで攪拌、混合した。次いで脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華CCR)90gとp−トルエンスルフォニルイソシアネート1.5gとジブチル錫ジラウレート0.2gとトルエン3gを仕込みさらに均一になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し、容器に充填、密封してシーリング材組成物を調製した。
〔比較例1〕
実施例1において、(実質的に反応性官能基を有しない)ショ糖のポリエーテル化樹脂70gを使用しないで、代わりにジオクチルフタレート70gを使用し、さらに脂肪酸表面処理炭酸カルシウム90gを使用しないで、代わりにコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200)10gとトルエン10gを使用した以外は同様にしてシーリング材組成物を調製した。
〔比較例2〕
実施例2において、(実質的に反応性官能基を有しない)ショ糖のポリエーテル化樹脂70gを使用しないで、代わりにジオクチルフタレート70gを使用し、さらに脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華CCR)90gを使用しないで、代わりにコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL200)10gとトルエン2gを使用した以外は同様にしてシーリング材組成物を調製した。
以上の結果を表1に示す
Figure 2005075894
試験方法
(1)押出し性
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.14試験用カートリッジによる押出し試験」に準拠して測定した(測定温度23℃)。押出し時間が5秒以下のものを○と評価した。
(2)スランプ
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
(3)タックフリー
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.19タックフリー試験」に準拠して測定した。タックフリー時間が5時間以内のものを○と評価した。
(4)汚染性
厚さ5mmのスレート板を使用し、深さ5mm、幅25mm、長さ150mmの目地を作製し、その目地にシーリング材組成物を打設し、余分のシーリング材をヘラでかきとり、表面を平らにしたものを、23℃、50%相対湿度で14日間養生し試験体を作製した。
養生後の試験体の表面に黒色珪砂(粒径70〜110μm)をふりかけ、ただちに試験体を裏返し、底面を手で軽く叩き余分の黒色珪砂を落とした。表面に付着した残った黒色珪砂(汚れ)の状態を目視により観察し、以下の判定基準により養生後の汚染性を判定した。

◎:表面に黒色珪砂の付着がなくきれいな状態。
○:表面に黒色珪砂の付着が少し認められるが、ほとんど汚染していない状態。
×:表面に黒色珪砂の付着が多く認められ、黒く汚れている状態。

Claims (8)

  1. イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と、添加剤とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記添加剤が揺変性付与剤、耐候安定剤、汚染防止剤、充填剤、カップリング剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、および着色剤の群より選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記添加剤である揺変性付与剤が有機表面処理炭酸カルシウムである、請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記添加剤である汚染防止剤が酸素硬化性不飽和化合物である、請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物。
  5. 前記酸素硬化性不飽和化合物が乾性油である、請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. 前記実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂の数平均分子量が、1,000〜20,000である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  7. 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが、水酸基含有ポリオキシアルキレン系樹脂と有機イソシアネートとを、水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応して得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである、請求項1に記載の硬化性組成物。
  8. イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、実質的に反応性官能基を有しないショ糖のポリエーテル化樹脂と、添加剤とを含有することを特徴とするシーリング材組成物。
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