JP2005120174A - 硬化性組成物及びシーリング材組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 常温硬化性樹脂と光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有する、硬化性組成物及びシーリング材組成物である。
【選択図】 なし
Description
このような用途に使用する場合、粘度や物性を調整するために、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量の可塑剤を添加することが一般的に行われているが、一方では耐候性が低下してしまうという欠点がある。さらに、この可塑剤には、硬化物の表面に移行したり、或いは硬化物表面に塗料をさらに上塗りした場合は塗料の表面に可塑剤が移行するため、表面が粘着性となり、塵埃が付着して汚染が発生するという欠点がある。
しかし、上記の方法には、耐候性を低下させ、また、表面汚染防止の効果が十分ではないという問題がある。
すなわち本発明は、次の(1)〜(9)である。
本発明における樹脂成分としての常温硬化性樹脂は、常温において、空気中の水分との反応により、ラジカル発生剤などの混合によるラジカル重合や酸化重合により、或いは主剤と硬化剤との架橋反応などにより、架橋・高分子化して硬化するものである。
常温硬化性樹脂としては、具体的には、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマー、架橋性シリル基含有樹脂、ポリサルファイド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂などと場合により更に硬化触媒とからなる一液型、又はこれらや、エポキシ樹脂、活性水素含有ウレタン系樹脂、活性水素含有フッ素樹脂などと硬化剤や硬化触媒などとからなる二液型を例示することができる。これらのうち、作業性が優れていることにより一液湿気硬化型の(場合により硬化触媒を含む)イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマー又は架橋性シリル基含有樹脂が好ましい。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
これらの有機ポリイソシアネートは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、粘度の低いイソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーが得られる点で、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、更にキシリレンジイソシアネートが好ましく、特にm−キシリレンジイソシアネートが好ましい。
また例えば、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
これらのうち、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
具体的には、主成分として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと架橋成分として架橋性シリル基含有低分子化合物とを含有する一液型シリコーン樹脂と、主剤として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと硬化剤としてアミノキシアルキルシランとを含有する二液型シリコーン樹脂が代表例として挙げられる。架橋性シリル基含有低分子化合物としては、アシルオキシアルキルシラン、アミノキシアルキルシラン、アルコキシアルキルシランなどが挙げられる。
変成シリコーン樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着性、モジュラス等の物性の点から、ポリオキシアルキレン系重合体及び/又はビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体が好ましく、ポリオキシプロピレン系重合体及び/又は(メタ)アクリル変性ポリオキシプロピレン系重合体が更に好ましい。ここにおいて、変性とは共重合や反応で変性するだけでなく、ブレンドも含まれる。
更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい次の一般式(1)で示されるものが好ましい。
(1)末端に水酸基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物(例えばアリルイソシアネート)を反応させ、次いで、得られる反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)末端に水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
この反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物としては、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、ビニル型不飽和結合含有シラン類、塩素原子含有シラン類、イソシアネート基含有シラン類、ハイドロシラン類などが挙げられる。
(3)重合性不飽和結合と架橋性シリル基を有する化合物(例えばCH2=CHSi(OCH3 )3 )と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを共重合させる。
(4)重合性不飽和結合と官能基を有する化合物(例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)を(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に添加して共重合させ、次いで生成する共重合体を前記の反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH3)3基を有する化合物)と反応させる。
変成シリコーン樹脂は、架橋性シリル基が大気中の湿気(水分)と常温で反応、硬化することにより、一液硬化型として使用できるし、また硬化剤として別途オクチル酸第2錫などの硬化触媒と可塑剤等を配合しておいたものを、主剤の変成シリコーン樹脂と混合することにより硬化させる二液硬化型としても使用できる。
メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂としては、一般式: HS−(R′−Sx)y−R″−SHで示される構造のものが好ましい。この一般式中のxは1〜4の整数であり、その平均値は1.5 〜2.5である。yは1〜120であり、好ましくは6〜50である。また、この一般式中のR′及びR″は2価の脂肪族炭化水素基であり、具体的には−C2H4 −、−C3 H6 −、−C4 H8 −等が挙げられるが、特にエーテル結合を有するものが好ましく、具体的には例えば以下のものが挙げられる。
−C2 H4 −O−C2 H4 −
−C3 H6 −O−C3 H6 −
−C4 H8−O−C4H8 −
−C2 H4 −O−CH2 −O−C2 H4−
−C3 H6−O−CH2 −O−C3 H6 −
−C4 H8−O−CH2 −O−C4 H8 −
上記メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂の数平均分子量は、200〜20,000、特に1,000〜8,000の範囲が好ましい。
ポリサルファイド樹脂は、過酸化カルシウムなどの金属酸化物を配合したものを大気中に暴露することにより、湿気により過酸化水素が生成し、樹脂を常温で酸化、硬化させる一液硬化型として使用できるし、また、ポリサルファイド樹脂を主剤とし、二酸化鉛やポリイソシアネートなどを硬化剤とし、これらを使用の際に混合することにより硬化させる二液硬化型としても使用できる。
硬化触媒として有機過酸化物を主としたものとコバルトなどの金属塩を混合することにより、常温でラジカル重合、硬化させる二液硬化型としても使用できる。
また、この光反応性(メタ)アクリル系重合体の極めて優れた耐候性付与効果は、(メタ)アクリル系重合体部分が元来耐候性の良いことに加えて、含有される重合性不飽和基が太陽光により光反応(重合架橋)して、硬化物表面に膜を形成することにより更に耐候性を向上させることによるものと推察される。
なお、本発明における光反応性(メタ)アクリル系重合体は、下記の各種単量体を単独で使用して得られる単独重合体よりも、2種以上使用して得られる共重合体の方が、粘度が低くなる点で好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、アルコール性水酸基含有(メタ)アクリル系単量体が好ましく、具体的には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルメタクリレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどの多価アルコールのモノアクリレート類又は水酸基残存ポリアクリレート類などの水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が挙げられ、これら以外にペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートなどの多価アルコールのモノ又は水酸基残存ポリメタクリレート類などの水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が挙げられ、これら以外にシクロヘキセンオキシドとアクリル酸との付加物などのエポキシドとアクリル酸との付加物、シクロヘキセンオキシドとメタクリル酸との付加物などのエポキシドとメタクリル酸との付加物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち得られる重合体の粘度が低く耐候性付与効果が高い点で、分子量500未満の低分子量で分子中に(メタ)アクリロイル基が1個のアルコール性水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が好ましく、更にヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
水酸基を含有しない(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸セチル、アクリル酸べヘニル、アクリル酸ベンジル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸べヘニル、メタクリル酸ベンジル、グリシジルメタクリレート、エトキシ化フェノールアクリレート、エトキシ化パラクミルフェノールアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、プロポキシ化ノニルフェノールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート等のモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、カプロラクトンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ジンクメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち前記と同様の点で分子量500未満の水酸基を含有しない低分子量のモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが更に好ましい。
前記必要に応じて使用することができる水酸基含有(メタ)アクリル系単量体及び/又は水酸基を含有しない(メタ)アクリル系単量体以外のエチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、クロルスチレン、2−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸ダイマーなどが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち前記と同様の点でアクリル酸、メタクリル酸、スチレンが好ましい。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーや架橋性シリル基含有樹脂の硬化を促進させるための硬化触媒としては、具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられ、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物の旭硝子社製EXCESTAR C−501、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物、オクチル酸鉛やオクチル酸ジルコニウム等のマンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、鉛等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との金属有機酸塩、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、オクチル酸ビスマス、ビスマスバーサテイト等の有機ビスマス化合物、ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類、カオリンクレー、塩酸等の無機系酸性化合物、エチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート等の有機燐酸系酸性化合物、或いはこれらとアミンとの塩類などが挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の低い液体である点から、有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、更に錫系キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)が最も好ましい。
ポリサルファイド樹脂や不飽和ポリエステル樹脂の硬化を促進させるための(ラジカル重合)硬化触媒としては、二酸化鉛、二酸化マンガン、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、過ホウ酸ソーダ、パラキノンジオキシム、ジニトロベンゼン、メチルエチルケトンパーオキサイド−コバルト石鹸等が挙げられる。
アルキッド樹脂の硬化を促進させるための乾燥用硬化触媒としては、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
硬化触媒は、硬化速度、硬化物の物性などの点から、常温硬化性樹脂100重量部に対して、0〜10重量部、特に0.05〜2重量部配合するのが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
ここにおいて、硬化性組成物の例としてシーリング材組成物を示したが、これに限定されるものではない。
合成例1
攪拌機、温度計及び窒素シール管の付いた加温、冷却装置付き反応容器に、窒素気流下にポリオキシプロピレンジオール(数平均分子量3,200、旭硝子社製エクセノール3021)340gとポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量4,000、三井武田ケミカル社製MN−4000)100gとトルエン65gを仕込み、攪拌しながらキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製XDI)40.6g(R値(NCO当量/OH当量)=1.5)とジブチル錫ジラウレート0.05gを加えたのち、加温して70〜80℃で4時間攪拌を行い、イソシアネート基濃度が理論値(1.06質量%)以下になった時点で、常温まで冷却して反応を終了させた(実測イソシアネート基濃度1.00質量%)。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、常温で透明の粘度30,000mPa・s/25℃の粘稠な液体であった。
合成例2
加熱、冷却装置を備えた容量6Lの加圧式攪拌槽型反応器の温度を200℃に維持した。これとは別に、原料タンク内に、アクリル酸ブチルを39.0gとアクリル酸2−エチルヘキシルを57.0gとヒドロキシエチルアクリレートを4.0gとラジカル重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイドを0.1gの配合割合からなる単量体混合物を調製した。
この単量体混合物を一定の供給速度(22g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器内に連続供給を開始し、反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体混合物の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、冷却又は加熱で温度制御することにより、反応温度を200〜205℃に保持した。
単量体混合物の連続供給を開始し、温度が安定した時点から40分後を反応液採取開始点とし、これから60分間反応を継続した結果、1320gの単量体混合液を供給し、1310gの反応液を回収した。その後、反応器を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離した。ガスクロマトグラフィーによる測定結果より、濃縮液中には未反応モノマーは存在していなかった。
得られた光反応性アクリル系共重合体A−1は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量が5,000、粘度が12,000mPa・s/25℃、水酸基価が21(mgKOH/g)、Wijs法(ウィイス法)による総不飽和度が0.216meq/gの粘稠な液体であった。
このものをスレート板上に塗布し、ダイプラ・ウィンテス社製のメタルウエザーメーターを用い100時間光を照射したところゲル化し固化したことにより、光反応性を有することを確認した。
加熱、冷却装置を備えた容量6Lの加圧式攪拌槽型反応器の温度を230℃に維持した。これとは別に、原料タンク内に、アクリル酸ブチルを39.0gとアクリル酸2−エチルヘキシルを57.0gとラジカル重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイドを0.1gの配合割合からなる単量体混合物を調製した。
この単量体混合物を一定の供給速度(22g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器内に連続供給を開始し、反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体混合物の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、冷却又は加熱で温度制御することにより、反応温度を230〜235℃に保持した。
単量体混合物の連続供給を開始し、温度が安定した時点から40分後を反応液採取開始点とし、これから60分間反応を継続した結果、1320gの単量体混合液を供給し、1310gの反応液を回収した。その後、反応器を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離した。ガスクロマトグラフィーによる測定結果より、濃縮液中には未反応モノマーは存在していなかった。
得られた光反応性アクリル系共重合体A−2は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリポリスチレン換算の数平均分子量が1,500、粘度が1,000mPa・s/25℃、Wijs法(ウィイス法)による総不飽和度が0.394meq/gの液体であった。このものをスレート板上に塗布し、ダイプラ・ウィンテス社製のメタルウエザーメーターを用い100時間光を照射したところゲル化し固化したことにより、光反応性を有することを確認した。
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下に合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを150.0gと合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0gとヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)を1.0gとヒンダードアミン系酸化防止剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共社製サノールLS−770)を2.5gと脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製N−2)を200.0g仕込み、混合した。その後、100〜110℃で2時間減圧(20〜70hPa)脱水を行い、冷却後、脂肪酸アマイド(花王社製脂肪酸アマイドS)を4.5g仕込み、攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し容器に充填、密封して、シーリング材組成物を調製した。
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下に架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系重合体MSS303を150.0gと合成例2で得た光反応性アクリル系共重合体A−1を40.0gとヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)を1.0gとヒンダードアミン系酸化防止剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共社製サノールLS−770)を2.5gとベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TINUVIN327)を2.5gと脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製N−2)を200.0g仕込み、混合した。その後、100〜110℃で2時間減圧(20〜70hPa)脱水を行い、冷却後、脂肪酸アマイド(花王社製脂肪酸アマイドS)を4.5gとビニルトリメトキシシラン(チッソ社製サイラエースS210)を6.0gとジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製ネオスタンU−220)を0.2gとN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(チッソ社製サイラエースS310)を2.0g仕込み、攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し容器に充填、密封して、シーリング材組成物を調製した。
実施例2において、合成例2で得た光反応性アクリル系共重合体A−1を40.0g使用する代りに合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
実施例3において、架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系重合体MSS303を150.0g使用する代わりに架橋性シリル基含有(メタ)アクリル変性ポリオキシプロピレン系重合体MSS943を150.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
実施例1において、合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0g使用する代りにフタル酸ジオクチルを40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
実施例2において、合成例2で得た光反応性アクリル系共重合体A−1を40.0g使用する代りにフタル酸ジオクチルを40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
実施例4において、合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0g使用する代りにフタル酸ジオクチルを40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
JIS K 0070(1992)、「6.ヨウ素価」に準じて、以下の方法により試料の総不飽和度を定量した。
1)試薬の調製
イ)一塩化ヨウ素溶液(ウィイス溶液)
三塩化ヨウ素7.9gとヨウ素8.9gを別々のフラスコに取り、それぞれに氷酢酸を加えて溶解した後、両液を混合して、氷酢酸で全量を1リットル(l)とした。
ロ)チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/l)
JIS K 8001、4.5(21.2)により、チオ硫酸ナトリウム溶液(0
.1mol/l)を調製した。
ハ)でんぷん溶液(10g/l)
でんぷん1gを少量の水に混合し、沸騰水100mlに加え、数分間煮沸して透明にした後冷却した。
2)操作
(a)500ml三角フラスコに試料を2g採り、有効数値3けたまで秤量した。
(b)クロロホルムを40ml加え、試料を溶解した。
(c)一塩化ヨウ液素液をホールピペットで正確に20mlとり、三角フラスコに加え、振り混ぜた。
(d)密栓をして室温で1時間以上暗所に放置した。時々振り混ぜた。
(e)ヨウ化カリウム2gを100mlの脱イオン蒸留水に溶解し、三角フラスコに加えた。ガラス栓のスリに付着したハロゲンも容器内に流し落とした。
(f)チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/l)で滴定し、溶液が薄い黄色になったとき、でんぷん溶液数滴を加え、青が消えるまで滴定した。
(g)空試験は、試料を入れないで(b)〜(f)を行った。
3)計算
不飽和度は、次式により算出した。
不飽和度=(A−B)×f/20×S
ここで、A:空試験のチオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/mol)の滴定量(m
l)
B:試料のチオ硫酸ナトリウム(0.1mol/l)の滴定量(ml)
S:試料の質量(g)
f:チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/l)のファクター
前記実施例1〜4と比較例1〜3で調製したシーリング材組成物を用いて、以下の試験を行った。
(1)耐候性
シーリング材組成物をシート状にし、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させて、厚み5mmのシートを作製し、JIS K6266:1996に準じてサンシャインウエザオメーターを用いて、照射500時間後、照射1000時間後、照射1500時間後、照射2000時間後、照射3000時間後、照射4000時間後の試験片表面の状態を目視により観察した。
判定基準
○:試験片表面にヘアクラックがないか又は少ない
×:試験片表面にヘアクラックが多数あり
(2)押出し性
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.14試験用カートリッジによる押出し試験」に準拠して測定した(測定温度23℃)。
(3)スランプ
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
(4)塗料汚染性
厚さ5mmのスレート板を使用し、深さ5mm、幅25mm、長さ150mmの目地を作製し、その目地にシーリング材組成物を打設し、余分のシーリング材をヘラでかきとり、表面を平らにしたものを、23℃、50%相対湿度で7日間養生硬化した後、その表面に水性アクリル塗料(日本ペイント社製タイルラック 水性トップスーパーホワイト)を塗布し、23℃、50%相対湿度で更に7日間養生して試験体を作製した。
これとは別に、養生後の試験体を50℃の恒温器中に入れ、7日間加熱処理した後恒温器より取り出した。
養生後の試験体と50℃、7日間加熱処理した試験体それぞれについて、試験体の表面に黒色珪砂(粒径70〜110μm)をふりかけ、直ちに試験体を裏返し、底面を手で軽く叩いて余分の黒色珪砂を落とした。表面に付着して残った黒色珪砂(汚れ)の状態を目視により観察し、汚染性を判定した。
判定基準
○:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂の付着がなくきれいな状態
×:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂が多量に付着し黒く汚れた状態
これらの結果とシーリング材組成物の組成をまとめて表1及び2に示す。
Claims (9)
- 常温硬化性樹脂と、光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
- 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、重合性不飽和基含有アクリル及び/又はメタクリル系重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、アクリル及び/又はメタクリル系単量体を主成分とするエチレン性不飽和化合物を50℃〜300℃でラジカル重合反応して得られる、数平均分子量が500〜50,000、Tgが0℃以下、25℃における粘度が100,000mPa・s以下で、かつ分子中に重合性不飽和基を含有しているアクリル及び/又はメタクリル系重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体のWijs法による定量方法により測定した総不飽和度が、0.01meq/g以上である、請求項2又は3に記載の硬化性組成物。
- 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、メタルウェザーメーターを用いて光を照射したとき、増粘或いは硬化する重合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記常温硬化性樹脂が、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーである、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記常温硬化性樹脂が、架橋性シリル基含有樹脂である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 更に添加剤を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 常温硬化性樹脂と、光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有すること、を特徴とするシーリング材組成物。
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