JP2005120174A - 硬化性組成物及びシーリング材組成物 - Google Patents

硬化性組成物及びシーリング材組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 大気中などの水分により硬化して、優れた作業性と硬化後の物性を維持したままで耐候性に特に優れたゴム状弾性体となり、かつ常温時はもちろん夏場の高温時においても硬化物の表面に上塗りした塗料へ可塑剤が移行するのを防止して塵埃付着による表面汚染を防止した、シーリング材、接着剤、塗料など応用範囲の広い有用な硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 常温硬化性樹脂と光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有する、硬化性組成物及びシーリング材組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面汚染を生じない耐候性に特に優れた硬化性組成物及びシーリング材組成物に関する。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーや架橋性シリル基含有樹脂などの常温硬化性樹脂はゴム弾性や作業性などが良好であるため、建築用、土木用、自動車用などのシーリング材、接着剤、塗料など多方面に使用されている。シーリング材や塗料などに使用する場合は、性能維持と美感上の点から、高い耐候性と、塵埃付着による表面汚染がないことが特に要求される。
このような用途に使用する場合、粘度や物性を調整するために、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量の可塑剤を添加することが一般的に行われているが、一方では耐候性が低下してしまうという欠点がある。さらに、この可塑剤には、硬化物の表面に移行したり、或いは硬化物表面に塗料をさらに上塗りした場合は塗料の表面に可塑剤が移行するため、表面が粘着性となり、塵埃が付着して汚染が発生するという欠点がある。
これらの欠点を改良するため、種々の高分子可塑剤を使用する方法が提案されている。例えば、可塑剤として分子量が100〜8,000のポリアルキレンエーテルポリオールや分子量が500〜5,000のポリオキシアルキレンモノエーテルを使用することにより、硬化物表面や硬化物に上塗りした塗料へ可塑剤が移行するのを防止し、塵埃付着による表面汚染を防止する方法が提案されている(特許文献1、2参照。)。
しかし、上記の方法には、耐候性を低下させ、また、表面汚染防止の効果が十分ではないという問題がある。
特開昭63−108058号公報 特開平02−142850号公報
本発明は、このような従来公知技術の問題点を解決して、大気中などの水分により硬化して、優れた作業性と硬化後の物性を維持したままで耐候性に特に優れたゴム状弾性体となり、かつ常温時はもちろん夏場の高温時においても硬化物の表面に上塗りした塗料へ可塑剤が移行するのを防止して塵埃付着による表面汚染を防止した、シーリング材、接着剤、塗料など応用範囲の広い有用な硬化性組成物を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、得られる硬化性組成物の粘度低下と耐候性付与のため特定の重合体を使用することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、次の(1)〜(9)である。
(1) 常温硬化性樹脂と、光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
(2) 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、重合性不飽和基含有アクリル及び/又はメタクリル系重合体である、前記(1)の硬化性組成物。
(3) 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、アクリル及び/又はメタクリル系単量体を主成分とするエチレン性不飽和化合物を50℃〜300℃でラジカル重合反応して得られる、数平均分子量が500〜50,000、Tgが0℃以下、25℃における粘度が100,000mPa・s以下で、かつ分子中に重合性不飽和基を含有しているアクリル及び/又はメタクリル系重合体である、前記(1)の硬化性組成物。
(4) 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体のWijs法による定量方法により測定した総不飽和度が、0.01meq/g以上である、前記(2)又は(3)の硬化性組成物。
(5) 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、メタルウェザーメーターを用いて光を照射したとき、増粘或いは硬化する重合体である、前記(1)〜(4)のいずれかの硬化性組成物。
(6) 前記常温硬化性樹脂が、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーである、前記(1)の硬化性組成物。
(7) 前記常温硬化性樹脂が、架橋性シリル基含有樹脂である、前記(1)の硬化性組成物。
(8) 更に添加剤を含有する、前記(1)〜(7)のいずれかの硬化性組成物。
(9) 常温硬化性樹脂と、光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有すること、を特徴とするシーリング材組成物。
本発明の硬化性組成物及びシーリング材組成物は、製造し易く、良好な作業性を有し大気中などの水分により硬化して優れた物性を維持したままで耐候性に特に優れたゴム状弾性体となり、かつ硬化物の表面に上塗りした塗料へ可塑剤が移行するのを防止して塵埃付着による表面汚染を防止することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における樹脂成分としての常温硬化性樹脂は、常温において、空気中の水分との反応により、ラジカル発生剤などの混合によるラジカル重合や酸化重合により、或いは主剤と硬化剤との架橋反応などにより、架橋・高分子化して硬化するものである。
常温硬化性樹脂としては、具体的には、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマー、架橋性シリル基含有樹脂、ポリサルファイド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂などと場合により更に硬化触媒とからなる一液型、又はこれらや、エポキシ樹脂、活性水素含有ウレタン系樹脂、活性水素含有フッ素樹脂などと硬化剤や硬化触媒などとからなる二液型を例示することができる。これらのうち、作業性が優れていることにより一液湿気硬化型の(場合により硬化触媒を含む)イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマー又は架橋性シリル基含有樹脂が好ましい。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合して使用することができる。
前記イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーは、イソシアネート基が湿気(水分)と反応し、尿素結合を形成して架橋、硬化するものであり、有機ポリイソシアネートと、高分子ポリオールと、場合により更に鎖延長剤とを、活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものが好適である。
有機ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等の脂肪族ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどの有機ジイソシアネート類が挙げられる。また、これら有機ジイソシアネートのアダクト変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体等のいわゆる変性イソシアネートも使用できる。更に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンポリイソシアネート等のような、いわゆるポリメリック体といわれるポリイソシアネートも使用できる。
これらの有機ポリイソシアネートは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、粘度の低いイソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーが得られる点で、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートが好ましく、更にキシリレンジイソシアネートが好ましく、特にm−キシリレンジイソシアネートが好ましい。
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール等、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの高分子ポリオールのうち、作業性、接着性、耐水性、耐候性などが優れている点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、又は酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド或いはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
また例えば、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、或いは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させたポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、これらを共重合したポリエーテルポリオール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。また、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類(開始剤)に前記プロピレンオキサイドなどを開環重合させたポリオキシアルキレンモノオールなども使用できる。
これらのうち、特にポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基を含有したアクリル酸系化合物のモノマー及び/又は水酸基を含有したメタクリル酸系化合物のモノマーと、これら以外のエチレン性不飽和化合物の1種以上とを、ラジカル重合開始剤の存在下又は不存在下に、そして溶剤の存在下又は不存在下にバッチ式重合又は連続重合等の公知のラジカル重合の方法により反応させて得られるものが挙げられる。
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールが挙げられる。
また、活性水素基を有するものであれば、例えば、ダイマー酸系ジオール、水素添加ダイマー酸系ジオールの他に、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ポリビニルアルコール等の樹脂類も高分子ポリオールとして使用できる。
これらの高分子ポリオールの数平均分子量は500〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。
鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類のうち分子量500未満のもの等、又はこれらの2種以上の混合物が好適に例示される。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーの合成には、オクテン酸亜鉛などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などの公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらのうちジブチル錫ジラウレートが好ましい。また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーは、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できるが、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオール、場合により更に鎖延長剤の活性水素基とのイソシアネート基/活性水素基の当量比は1.1〜5.0が好ましく、更に1.3〜2.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーのイソシアネート基含有量は0.1〜15.0質量%が好ましく、特に0.3〜10.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.4〜5.0質量%である。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、樹脂中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、樹脂の分子量が小さすぎて、ゴム弾性が悪化し、また炭酸ガス発生による発泡の原因となる。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーは、大気中の湿気と常温で反応硬化することにより一液硬化型として使用できるし、また、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーを主剤とし、ポリアミンやポリオールなどの活性水素化合物を硬化剤とした二液硬化型としても使用できる。
前記架橋性シリル基含有樹脂としては、一般にシリコーン樹脂と変成シリコーン樹脂と呼ばれているものを挙げることができ、湿気(水)と反応して或いは硬化剤と(縮)重合してシロキサン結合を形成することにより架橋してゴム状硬化物を形成する、分子内に架橋性シリル基を0.5個以上含有する樹脂である。このうち、分子内に架橋性シリル基を0.5個以上含有する変成シリコーン樹脂が好ましい。
シリコーン樹脂は主鎖がオルガノポリシロキサンであり、分子内に0.5個以上の架橋性シリル基を含有する。
具体的には、主成分として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと架橋成分として架橋性シリル基含有低分子化合物とを含有する一液型シリコーン樹脂と、主剤として末端にシラノール基を持つオルガノポリシロキサンと硬化剤としてアミノキシアルキルシランとを含有する二液型シリコーン樹脂が代表例として挙げられる。架橋性シリル基含有低分子化合物としては、アシルオキシアルキルシラン、アミノキシアルキルシラン、アルコキシアルキルシランなどが挙げられる。
変成シリコーン樹脂としては、例えば、特開昭52−73998号公報、特開昭55−9669号公報、特開昭59−122541号公報、特開昭60−6747号公報、特開昭61−233043号公報、特開昭63−112642号公報、特開平3−79627号公報、特開平4−283259号公報、特開平5−70531号公報、特開平5−287186号公報、特開平11−80571号公報、特開平11−116763号公報、特開平11−130931号公報中に開示されているものを挙げることができる。具体的には、分子内に0.5個以上の架橋性シリル基を含有する、主鎖がポリオキシアルキレン系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル系重合体、ポリイソプレンやポリブタンジエン等のジエン系重合体、ポリエステル系重合体、アクリル及び/又はメタクリル(以下、(メタ)アクリルという。)酸エステル系重合体、ポリサルファイド重合体、これらの共重合体、混合物等が挙げられる。
変成シリコーン樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着性、モジュラス等の物性の点から、ポリオキシアルキレン系重合体及び/又はビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体が好ましく、ポリオキシプロピレン系重合体及び/又は(メタ)アクリル変性ポリオキシプロピレン系重合体が更に好ましい。ここにおいて、変性とは共重合や反応で変性するだけでなく、ブレンドも含まれる。
架橋性シリル基は、組成物の硬化性や硬化後の物性等の点から、分子内に0.5〜5個含まれるのが好ましい。
更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造しやすい次の一般式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 2005120174
(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が最も好ましい。aは0、1又は2の整数であり、0又は1が最も好ましい。)
架橋性シリル基の主鎖への導入は、例えば、以下の公知の方法で行うことができる。
(1)末端に水酸基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物(例えばアリルイソシアネート)を反応させ、次いで、得られる反応生成物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
(2)末端に水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性シリル基を有する化合物を反応させる。
この反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物としては、アミノ基含有シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有シラン類、ビニル型不飽和結合含有シラン類、塩素原子含有シラン類、イソシアネート基含有シラン類、ハイドロシラン類などが挙げられる。
(3)重合性不飽和結合と架橋性シリル基を有する化合物(例えばCH=CHSi(OCH33 )と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを共重合させる。
(4)重合性不飽和結合と官能基を有する化合物(例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)を(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に添加して共重合させ、次いで生成する共重合体を前記の反応性官能基及び架橋性シリル基を有する化合物(例えば、イソシアネート基と−Si(OCH33基を有する化合物)と反応させる。
シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂の数平均分子量は1,000以上、特に6,000〜30,000で分子量分布の狭いものが、硬化前の粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モジュラス等の物性が優れているので好適である。
変成シリコーン樹脂は、架橋性シリル基が大気中の湿気(水分)と常温で反応、硬化することにより、一液硬化型として使用できるし、また硬化剤として別途オクチル酸第2錫などの硬化触媒と可塑剤等を配合しておいたものを、主剤の変成シリコーン樹脂と混合することにより硬化させる二液硬化型としても使用できる。
前記ポリサルファイド樹脂は、ポリサルファイド骨格と末端にメルカプト基を有する重合体である。
メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂としては、一般式: HS−(R′−Sx)y−R″−SHで示される構造のものが好ましい。この一般式中のxは1〜4の整数であり、その平均値は1.5 〜2.5である。yは1〜120であり、好ましくは6〜50である。また、この一般式中のR′及びR″は2価の脂肪族炭化水素基であり、具体的には−C24 −、−C36 −、−C4 8 −等が挙げられるが、特にエーテル結合を有するものが好ましく、具体的には例えば以下のものが挙げられる。
−C2 4 −O−C2 4
−C3 6 −O−C3 6
−C48−O−C48
−C2 4 −O−CH2 −O−C24
−C36−O−CH2 −O−C36
−C48−O−CH2 −O−C4 8
上記メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂の数平均分子量は、200〜20,000、特に1,000〜8,000の範囲が好ましい。
ポリサルファイド樹脂は、過酸化カルシウムなどの金属酸化物を配合したものを大気中に暴露することにより、湿気により過酸化水素が生成し、樹脂を常温で酸化、硬化させる一液硬化型として使用できるし、また、ポリサルファイド樹脂を主剤とし、二酸化鉛やポリイソシアネートなどを硬化剤とし、これらを使用の際に混合することにより硬化させる二液硬化型としても使用できる。
前記不飽和ポリエステル樹脂としては、無水マレイン酸やフマル酸などの不飽和二塩基酸とプロピレングリコールなどのグリコール類をエステル化した不飽和ポリエステル樹脂を、反応性希釈剤のスチレンモノマーなどの重合性モノマーに溶解したものなどが挙げられる。
硬化触媒として有機過酸化物を主としたものとコバルトなどの金属塩を混合することにより、常温でラジカル重合、硬化させる二液硬化型としても使用できる。
前記アルキッド樹脂としては、無水フタル酸などの多塩基酸とグリセリンなどの多価アルコールとのエステル化物を骨格とし、これを大豆油などの乾性油で変性した純アルキッド樹脂や、これを更にロジンなどで変性した変性アルキッド樹脂などが挙げられる。硬化剤としてナフテン酸コバルトなどの乾燥用硬化触媒を混合することにより常温で酸化、硬化させる二液硬化型としても使用できる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂や、これらを水素添加したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタンプレポリマーの末端をエポキシ化したウレタン変性エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリブタジエン或いはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、ポリアミノアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、エポキシ変性アミン、マンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミン、酸無水物、アルコール類、フェノール類などが挙げられる。
更に、有機ポリイソシアネートに対し、ポリオールなどの活性水素化合物をイソシアネート基に対し活性水素(基)過剰の条件で反応して得られる活性水素(基)含有ウレタン系プレポリマーを主剤とし、有機ポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型樹脂も挙げられる。
その他、水酸基などの活性水素(基)を有する含フッ素樹脂を主剤とし、ポリイソシアネートを硬化剤として常温で硬化させる二液硬化型樹脂も挙げられる。
本発明における樹脂成分としての光反応性(メタ)アクリル系重合体は、光の作用によって分子構造が化学変化を起こして硬化や増粘などの物性的変化を生じさせるものであり(該重合体にBASF社製、Lucirin TPO等の光重合開始剤を添加或いは未添加でスレート板に塗布し、ダイプラ・ウィンテス社製等のメタルウエザーメーターで100時間光を照射したとき、硬化或いは増粘するものも含む)、高分子量であるにもかかわらず低粘度であるため、常温硬化性樹脂と組み合わせることにより、硬化性組成物の粘度を低下させて作業性を向上させる希釈用樹脂としての効果とともに、硬化後の耐候性を著しく向上させる効果を奏するものである。更に、高分子量であるため夏場の高温時においても硬化物の表面に上塗りした塗料に移行することがないため、塗料の表面を粘着させず塵埃付着による表面汚染を防止する効果をも有するものである。
光反応性(メタ)アクリル系重合体としては、具体的には、(メタ)アクリル系単量体を主成分とするエチレン性不飽和化合物をラジカル重合又は共重合して得られる、高分子量の重合体で光反応性を有するものが挙げられる。より具体的には、前記単量体をラジカル重合開始剤の存在下又は不存在下に、50〜300℃、更に100〜280℃でラジカル重合反応或いは高温連続ラジカル重合反応して得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量が500〜50,000、更に1,000〜30,000、特に1,000〜10,000、Tgが0℃以下、更に−80〜−20℃、25℃における粘度が100,000mPa・s以下、特に50,000mPa・s以下で、かつ分子中に重合性不飽和基を含有している(メタ)アクリル系重合体が好ましく、(メタ)アクリル系重合体の総不飽和度が後述のWijs法(ウィイス法)による定量方法により測定した値が0.01meq/g以上、特に0.01〜2meq/gのものが最も好ましい。数平均分子量が50,000、Tgが0℃、粘度が100,000mPa・sをそれぞれ超えると、得られる硬化性組成物の粘度が上がり作業性が悪くなり、総不飽和度が0.01meq/gを下回ると耐候性付与効果が低減し、また数平均分子量が500を下回ると硬化物の表面にブリードするため好ましくない。この光反応性(メタ)アクリル系重合体には水酸基やカルボキシル基等の活性水素基を有していてもよいし、また有していなくてもよいが、イソシアネート基や架橋性シリル基は含有していない。なお、この光反応性(メタ)アクリル系重合体の光反応性の性質は、ラジカル重合により重合体を製造した後も分子内に少量の重合性不飽和基(エチレン性不飽和基)を含有しているためと推察される。
また、この光反応性(メタ)アクリル系重合体の極めて優れた耐候性付与効果は、(メタ)アクリル系重合体部分が元来耐候性の良いことに加えて、含有される重合性不飽和基が太陽光により光反応(重合架橋)して、硬化物表面に膜を形成することにより更に耐候性を向上させることによるものと推察される。
なお、本発明における光反応性(メタ)アクリル系重合体は、下記の各種単量体を単独で使用して得られる単独重合体よりも、2種以上使用して得られる共重合体の方が、粘度が低くなる点で好ましい。
(メタ)アクリル系単量体を主成分とするエチレン性不飽和化合物としては、具体的には水酸基含有(メタ)アクリル系単量体及び/又は水酸基を含有しない(メタ)アクリル系単量体と、必要に応じて使用することができるこれら以外のエチレン性不飽和単量体が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル系単量体としては、アルコール性水酸基含有(メタ)アクリル系単量体が好ましく、具体的には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルメタクリレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセリンモノアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどの多価アルコールのモノアクリレート類又は水酸基残存ポリアクリレート類などの水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が挙げられ、これら以外にペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートなどの多価アルコールのモノ又は水酸基残存ポリメタクリレート類などの水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が挙げられ、これら以外にシクロヘキセンオキシドとアクリル酸との付加物などのエポキシドとアクリル酸との付加物、シクロヘキセンオキシドとメタクリル酸との付加物などのエポキシドとメタクリル酸との付加物などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち得られる重合体の粘度が低く耐候性付与効果が高い点で、分子量500未満の低分子量で分子中に(メタ)アクリロイル基が1個のアルコール性水酸基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が好ましく、更にヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートが好ましい。
水酸基を含有しない(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸セチル、アクリル酸べヘニル、アクリル酸ベンジル、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸べヘニル、メタクリル酸ベンジル、グリシジルメタクリレート、エトキシ化フェノールアクリレート、エトキシ化パラクミルフェノールアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、プロポキシ化ノニルフェノールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート等のモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、カプロラクトンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ジンクメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸エステル系単量体などが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち前記と同様の点で分子量500未満の水酸基を含有しない低分子量のモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルが更に好ましい。
前記必要に応じて使用することができる水酸基含有(メタ)アクリル系単量体及び/又は水酸基を含有しない(メタ)アクリル系単量体以外のエチレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、クロルスチレン、2−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸ダイマーなどが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち前記と同様の点でアクリル酸、メタクリル酸、スチレンが好ましい。
光反応性(メタ)アクリル系重合体は、常温硬化性樹脂100重量部に対して、0.01〜200重量部、特に1〜50重量部使用するのが好ましい。0.01重量部を下回ると耐候性を向上させる効果と粘度を低下させる効果が少なくなり、200重量部を超えると物性を低下させてしまう。
本発明における添加剤としては、硬化触媒、耐候安定剤、充填剤、カップリング剤、接着性付与剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
硬化触媒は、常温硬化性樹脂の硬化を促進させるための触媒であり、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーや架橋性シリル基含有樹脂の硬化を促進させるための硬化触媒、ポリサルファイド樹脂や不飽和ポリエステル樹脂の硬化を促進させるための(ラジカル重合)硬化触媒、アルキッド樹脂の硬化を促進させるための乾燥用硬化触媒などが挙げられる。
イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーや架橋性シリル基含有樹脂の硬化を促進させるための硬化触媒としては、具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられ、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物の旭硝子社製EXCESTAR C−501、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物、オクチル酸鉛やオクチル酸ジルコニウム等のマンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、鉛等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との金属有機酸塩、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、オクチル酸ビスマス、ビスマスバーサテイト等の有機ビスマス化合物、ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類、カオリンクレー、塩酸等の無機系酸性化合物、エチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート等の有機燐酸系酸性化合物、或いはこれらとアミンとの塩類などが挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の低い液体である点から、有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、更に錫系キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)が最も好ましい。
ポリサルファイド樹脂や不飽和ポリエステル樹脂の硬化を促進させるための(ラジカル重合)硬化触媒としては、二酸化鉛、二酸化マンガン、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、過ホウ酸ソーダ、パラキノンジオキシム、ジニトロベンゼン、メチルエチルケトンパーオキサイド−コバルト石鹸等が挙げられる。
アルキッド樹脂の硬化を促進させるための乾燥用硬化触媒としては、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
硬化触媒は、硬化速度、硬化物の物性などの点から、常温硬化性樹脂100重量部に対して、0〜10重量部、特に0.05〜2重量部配合するのが好ましい。
耐候安定剤は、常温硬化性樹脂の硬化後の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用する。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを挙げることができる。
酸化防止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共社製の商品名サノールLS−770)、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87などの分子量1,000未満の低分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくLA−63P、LA−68LD或いはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1,000以上の高分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤なども挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のTINUVIN327)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
耐候安定剤は、常温硬化性樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部、特に0.1〜10重量部配合するのが好ましい。
充填剤、カップリング剤、接着性付与剤、揺変性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)及び着色剤は、それぞれ補強や増量、接着性向上、揺変性向上、貯蔵安定性向上、着色などのために使用することができる。
充填剤としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカ等の合成シリカ、シラス等の天然シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アスベスト、ガラスなどの無機系充填剤、或いはこれらの表面を脂肪酸等の有機物で処理した充填剤、炭素、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、さらにポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂の粉末などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填剤なども挙げられ、これらの形状としては特に限定されないが、例えば球状、立方体状、角柱状、円柱状、繊維状、針状、金平糖状、多孔質状、鱗片状、バルーン状など各種挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシラン系カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
接着性付与剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、アルキルチタネート類、有機ポリイソシアネート等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、コロイダルシリカ、石綿粉、前記脂肪酸処理炭酸カルシウム等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤が挙げられる。
保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応する、前記ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
充填剤、カップリング剤、接着性付与剤、揺変性付与剤、保存安定改良剤(脱水剤)及び着色剤の合計の配合量は、常温硬化性樹脂100重量部に対して、0〜500重量部、特に10〜300重量部が好ましい。
本発明において、前記各添加剤成分はそれぞれ単独で或いは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明において可塑剤は、硬化物の表面に上塗りした塗料の汚染性を防止するため使用しないほうが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で併用することもできる。
可塑剤としては、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン、前記のイソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーの合成に使用されるポリエーテルポリオール或いはこれをエーテル化又はエステル化などしたポリエーテル類、中でもシュークロースなどの糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール或いはこれをエーテル化又はエステル化などした糖類系ポリオキシアルキレン類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、水素添加ポリブテン等のオレフィン系重合体などが挙げられる。
本発明においては、有機溶剤を使用しなくても十分作業性の良好な硬化性組成物が得られるが、本発明の目的を損なわない範囲で併用することができる。しかしながら使用する場合においても、作業者に対する毒性防止と、環境汚染防止のため有機溶剤の使用量はできるだけ少なく抑えることが好ましく、その使用量は硬化性組成物中に5質量%未満が好ましく、更に1質量%未満が好ましく、最も好ましいのは0質量%である。
有機溶剤としては、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤が挙げられ、これらは組成物の各成分に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。
なお、本発明の硬化性組成物は用途に応じて一液型としても、二液型としても使用できるが、主剤と硬化剤を混合する手間が無く、また混合不良による硬化不良などの不具合も無く作業性に優れているため、一液型の硬化性組成物が好ましく、更に一液湿気硬化型硬化性組成物が好ましい。
本発明の硬化性組成物を貯蔵する容器としては特に限定されないが、例えばドラム缶、金属製や合成樹脂製のペール缶や袋状容器、紙製や合成樹脂製のカートリッジ状容器など各種の容器が挙げられるが、一液湿気硬化型硬化性組成物として使用する場合は、内容物の貯蔵安定性を保つため密封して湿気を遮断した状態で貯蔵することが好ましく、硬化性組成物を塗布或いは充填する方法としては、刷毛、ヘラ、ロールコーター、スプレーガン等による塗布、袋状やカートリッジ状容器に入れたものを押出しガンに装着して手動、電動或いは空気圧で押出し充填する方法など各種挙げられ、用途により適宜選択すればよい。
以下、本発明について実施例等により更に詳細に説明する。
ここにおいて、硬化性組成物の例としてシーリング材組成物を示したが、これに限定されるものではない。
〔イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成〕
合成例1
攪拌機、温度計及び窒素シール管の付いた加温、冷却装置付き反応容器に、窒素気流下にポリオキシプロピレンジオール(数平均分子量3,200、旭硝子社製エクセノール3021)340gとポリオキシプロピレントリオール(数平均分子量4,000、三井武田ケミカル社製MN−4000)100gとトルエン65gを仕込み、攪拌しながらキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製XDI)40.6g(R値(NCO当量/OH当量)=1.5)とジブチル錫ジラウレート0.05gを加えたのち、加温して70〜80℃で4時間攪拌を行い、イソシアネート基濃度が理論値(1.06質量%)以下になった時点で、常温まで冷却して反応を終了させた(実測イソシアネート基濃度1.00質量%)。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、常温で透明の粘度30,000mPa・s/25℃の粘稠な液体であった。
〔光反応性アクリル系共重合体の合成〕
合成例2
加熱、冷却装置を備えた容量6Lの加圧式攪拌槽型反応器の温度を200℃に維持した。これとは別に、原料タンク内に、アクリル酸ブチルを39.0gとアクリル酸2−エチルヘキシルを57.0gとヒドロキシエチルアクリレートを4.0gとラジカル重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイドを0.1gの配合割合からなる単量体混合物を調製した。
この単量体混合物を一定の供給速度(22g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器内に連続供給を開始し、反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体混合物の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、冷却又は加熱で温度制御することにより、反応温度を200〜205℃に保持した。
単量体混合物の連続供給を開始し、温度が安定した時点から40分後を反応液採取開始点とし、これから60分間反応を継続した結果、1320gの単量体混合液を供給し、1310gの反応液を回収した。その後、反応器を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離した。ガスクロマトグラフィーによる測定結果より、濃縮液中には未反応モノマーは存在していなかった。
得られた光反応性アクリル系共重合体A−1は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分子量が5,000、粘度が12,000mPa・s/25℃、水酸基価が21(mgKOH/g)、Wijs法(ウィイス法)による総不飽和度が0.216meq/gの粘稠な液体であった。
このものをスレート板上に塗布し、ダイプラ・ウィンテス社製のメタルウエザーメーターを用い100時間光を照射したところゲル化し固化したことにより、光反応性を有することを確認した。
合成例3
加熱、冷却装置を備えた容量6Lの加圧式攪拌槽型反応器の温度を230℃に維持した。これとは別に、原料タンク内に、アクリル酸ブチルを39.0gとアクリル酸2−エチルヘキシルを57.0gとラジカル重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイドを0.1gの配合割合からなる単量体混合物を調製した。
この単量体混合物を一定の供給速度(22g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器内に連続供給を開始し、反応器の圧力を一定に保ちながら、単量体混合物の供給量に相当する反応物を出口から連続的に抜き出した。反応開始直後に、一旦反応温度が低下した後、重合熱による温度上昇が認められたが、冷却又は加熱で温度制御することにより、反応温度を230〜235℃に保持した。
単量体混合物の連続供給を開始し、温度が安定した時点から40分後を反応液採取開始点とし、これから60分間反応を継続した結果、1320gの単量体混合液を供給し、1310gの反応液を回収した。その後、反応器を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発成分を分離した。ガスクロマトグラフィーによる測定結果より、濃縮液中には未反応モノマーは存在していなかった。
得られた光反応性アクリル系共重合体A−2は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリポリスチレン換算の数平均分子量が1,500、粘度が1,000mPa・s/25℃、Wijs法(ウィイス法)による総不飽和度が0.394meq/gの液体であった。このものをスレート板上に塗布し、ダイプラ・ウィンテス社製のメタルウエザーメーターを用い100時間光を照射したところゲル化し固化したことにより、光反応性を有することを確認した。
実施例1
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下に合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを150.0gと合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0gとヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)を1.0gとヒンダードアミン系酸化防止剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共社製サノールLS−770)を2.5gと脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製N−2)を200.0g仕込み、混合した。その後、100〜110℃で2時間減圧(20〜70hPa)脱水を行い、冷却後、脂肪酸アマイド(花王社製脂肪酸アマイドS)を4.5g仕込み、攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し容器に充填、密封して、シーリング材組成物を調製した。
実施例2
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下に架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系重合体MSS303を150.0gと合成例2で得た光反応性アクリル系共重合体A−1を40.0gとヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)を1.0gとヒンダードアミン系酸化防止剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(三共社製サノールLS−770)を2.5gとベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TINUVIN327)を2.5gと脂肪酸(表面)処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製N−2)を200.0g仕込み、混合した。その後、100〜110℃で2時間減圧(20〜70hPa)脱水を行い、冷却後、脂肪酸アマイド(花王社製脂肪酸アマイドS)を4.5gとビニルトリメトキシシラン(チッソ社製サイラエースS210)を6.0gとジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製ネオスタンU−220)を0.2gとN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(チッソ社製サイラエースS310)を2.0g仕込み、攪拌、混合し、次いで減圧脱泡し容器に充填、密封して、シーリング材組成物を調製した。
実施例3
実施例2において、合成例2で得た光反応性アクリル系共重合体A−1を40.0g使用する代りに合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
実施例4
実施例3において、架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン系重合体MSS303を150.0g使用する代わりに架橋性シリル基含有(メタ)アクリル変性ポリオキシプロピレン系重合体MSS943を150.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
比較例1
実施例1において、合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0g使用する代りにフタル酸ジオクチルを40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
比較例2
実施例2において、合成例2で得た光反応性アクリル系共重合体A−1を40.0g使用する代りにフタル酸ジオクチルを40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
比較例3
実施例4において、合成例3で得た光反応性アクリル系共重合体A−2を40.0g使用する代りにフタル酸ジオクチルを40.0g使用した以外は同様にして、シーリング材組成物を調製した。
〔Wijs法(ウィイス法)による総不飽和度の定量〕
JIS K 0070(1992)、「6.ヨウ素価」に準じて、以下の方法により試料の総不飽和度を定量した。
1)試薬の調製
イ)一塩化ヨウ素溶液(ウィイス溶液)
三塩化ヨウ素7.9gとヨウ素8.9gを別々のフラスコに取り、それぞれに氷酢酸を加えて溶解した後、両液を混合して、氷酢酸で全量を1リットル(l)とした。
ロ)チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/l)
JIS K 8001、4.5(21.2)により、チオ硫酸ナトリウム溶液(0
.1mol/l)を調製した。
ハ)でんぷん溶液(10g/l)
でんぷん1gを少量の水に混合し、沸騰水100mlに加え、数分間煮沸して透明にした後冷却した。
2)操作
(a)500ml三角フラスコに試料を2g採り、有効数値3けたまで秤量した。
(b)クロロホルムを40ml加え、試料を溶解した。
(c)一塩化ヨウ液素液をホールピペットで正確に20mlとり、三角フラスコに加え、振り混ぜた。
(d)密栓をして室温で1時間以上暗所に放置した。時々振り混ぜた。
(e)ヨウ化カリウム2gを100mlの脱イオン蒸留水に溶解し、三角フラスコに加えた。ガラス栓のスリに付着したハロゲンも容器内に流し落とした。
(f)チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/l)で滴定し、溶液が薄い黄色になったとき、でんぷん溶液数滴を加え、青が消えるまで滴定した。
(g)空試験は、試料を入れないで(b)〜(f)を行った。
3)計算
不飽和度は、次式により算出した。
不飽和度=(A−B)×f/20×S
ここで、A:空試験のチオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/mol)の滴定量(m
l)
B:試料のチオ硫酸ナトリウム(0.1mol/l)の滴定量(ml)
S:試料の質量(g)
f:チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/l)のファクター
〔性能試験〕
前記実施例1〜4と比較例1〜3で調製したシーリング材組成物を用いて、以下の試験を行った。
(1)耐候性
シーリング材組成物をシート状にし、23℃、50%相対湿度で14日間養生硬化させて、厚み5mmのシートを作製し、JIS K6266:1996に準じてサンシャインウエザオメーターを用いて、照射500時間後、照射1000時間後、照射1500時間後、照射2000時間後、照射3000時間後、照射4000時間後の試験片表面の状態を目視により観察した。
判定基準
○:試験片表面にヘアクラックがないか又は少ない
×:試験片表面にヘアクラックが多数あり
(2)押出し性
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.14試験用カートリッジによる押出し試験」に準拠して測定した(測定温度23℃)。
(3)スランプ
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、スランプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。
(4)塗料汚染性
厚さ5mmのスレート板を使用し、深さ5mm、幅25mm、長さ150mmの目地を作製し、その目地にシーリング材組成物を打設し、余分のシーリング材をヘラでかきとり、表面を平らにしたものを、23℃、50%相対湿度で7日間養生硬化した後、その表面に水性アクリル塗料(日本ペイント社製タイルラック 水性トップスーパーホワイト)を塗布し、23℃、50%相対湿度で更に7日間養生して試験体を作製した。
これとは別に、養生後の試験体を50℃の恒温器中に入れ、7日間加熱処理した後恒温器より取り出した。
養生後の試験体と50℃、7日間加熱処理した試験体それぞれについて、試験体の表面に黒色珪砂(粒径70〜110μm)をふりかけ、直ちに試験体を裏返し、底面を手で軽く叩いて余分の黒色珪砂を落とした。表面に付着して残った黒色珪砂(汚れ)の状態を目視により観察し、汚染性を判定した。
判定基準
○:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂の付着がなくきれいな状態
×:シーリング材の硬化表面に黒色珪砂が多量に付着し黒く汚れた状態
これらの結果とシーリング材組成物の組成をまとめて表1及び2に示す。
Figure 2005120174
Figure 2005120174
本発明の硬化性組成物は、前述した特徴を活用して建築物外壁目地用、土木目地用、自動車目地用などの長寿命化、高性能シーリング材として使用するのが特に好ましいが、建築部材や自動車部品などの接着剤や塗料としても好適に使用することができる。本発明の硬化性組成物は、モルタル、コンクリート等の無機系材料、サイディングやタイル等の窯業系材料、ポリエチレンや塩化ビニル等の各種合成樹脂材料、木材や合板等の木質系材料、鋼板やアルミニウム板等の金属系材料などの各種の材料に施工することができる。

Claims (9)

  1. 常温硬化性樹脂と、光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有すること、を特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、重合性不飽和基含有アクリル及び/又はメタクリル系重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、アクリル及び/又はメタクリル系単量体を主成分とするエチレン性不飽和化合物を50℃〜300℃でラジカル重合反応して得られる、数平均分子量が500〜50,000、Tgが0℃以下、25℃における粘度が100,000mPa・s以下で、かつ分子中に重合性不飽和基を含有しているアクリル及び/又はメタクリル系重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体のWijs法による定量方法により測定した総不飽和度が、0.01meq/g以上である、請求項2又は3に記載の硬化性組成物。
  5. 前記光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体が、メタルウェザーメーターを用いて光を照射したとき、増粘或いは硬化する重合体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記常温硬化性樹脂が、イソシアネート基含有ウレタン系プレポリマーである、請求項1に記載の硬化性組成物。
  7. 前記常温硬化性樹脂が、架橋性シリル基含有樹脂である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  8. 更に添加剤を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 常温硬化性樹脂と、光反応性アクリル及び/又はメタクリル系重合体とを含有すること、を特徴とするシーリング材組成物。
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