JP2005314683A - 建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法 - Google Patents

建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005314683A
JP2005314683A JP2005098508A JP2005098508A JP2005314683A JP 2005314683 A JP2005314683 A JP 2005314683A JP 2005098508 A JP2005098508 A JP 2005098508A JP 2005098508 A JP2005098508 A JP 2005098508A JP 2005314683 A JP2005314683 A JP 2005314683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
sealant composition
joint
organic
curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005098508A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4800653B2 (ja
Inventor
Masato Kobayashi
真人 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Auto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Auto Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Auto Chemical Industry Co Ltd filed Critical Auto Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2005098508A priority Critical patent/JP4800653B2/ja
Publication of JP2005314683A publication Critical patent/JP2005314683A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4800653B2 publication Critical patent/JP4800653B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

【課題】
硬化後低モジュラス、高伸びで、ゴム弾性物性、作業性、接着性、耐久性などが良好で、硬化途中のムーブメント追従性に優れた建築用ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物、及びその施工方法を提供する。
【解決手段】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、揺変性付与剤と、硬化促進触媒とを含有する建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物、及びこれを用いた施工方法である。このシーリング材組成物は、目地に対してムーブメントを与える試験機に設けた目地に充填後、1日に1サイクル以上のムーブメントを目地に与える硬化試験において、実質的に損傷のない硬化物となる性能を有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、大気中などの水分により硬化して各種物性などが良好なゴム状弾性体硬化物になる、硬化途中のムーブメント追従性に特に優れた建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物、及びその施工方法に関する。
ウレタン樹脂、変成シリコーン樹脂、シリコーン樹脂、ポリサルファイド樹脂などからなるシーリング材が建築や土木の目地の防水用として広く使用されており、そのシーリング材には硬化方法の違いにより、主剤と硬化剤を混合することにより硬化させる2成分形と、空気中の湿気や酸素を利用して硬化させる1成分形とがある。このうち1成分形シーリング材、特にイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーからなる1成分形ウレタン系シーリング材が、主剤と硬化剤を混合する手間が無く、また主剤と硬化剤の計量ミスによる硬化不良もないことにより、作業性に優れ、安心して使用でき、更に硬化後低モジュラスかつ高伸びでゴム弾性物性が良好で、接着性や耐久性に優れているなどの特徴から、年々使用量が伸びている。
さて、建築用シーリング材として、主に中高層ビル等の建築物において、金属カーテンウォールやプレキャストコンクリートパネルなどの外装部材を使用した外壁或いは金属サッシ回りなどの目地を防水する用途があり、多くの量が使用されているが、これらの目地は、気温や日照等の温度変化による部材の膨張や収縮、或いは各種振動や風圧などの作用によって外装部材間の変位が大きく、動き(ムーブメント)が大きいため、いわゆるワーキングジョイントと呼ばれている。
従来、このワーキングジョイント用のシーリング材としては、2成分形のものが全体的に硬化が進行するため硬化過程のムーブメント追従性が良く、硬化途中に目地が大きく動いても硬化物の表面や内部に亀裂等の損傷が生じないので専ら使用されている。これに対し、1成分形シーリング材は硬化の性質上、湿気や空気中の酸素と接触する表面から硬化するため、硬化途中にムーブメントを受けると、表面の硬化した部分と内部の未硬化部分にかかる応力の差が大きく、局部的に歪が大きくなるためと推察されるが、硬化物に亀裂、シワ、剥離等の損傷が発生し(これを硬化途中のムーブメント追従性が悪いという)、ひいては漏水事故につながるため、ワーキングジョイント用のシーリング材としては使用されていなかった。
また、ワーキングジョイント用のシーリング材として適しているか否か、実際の中高層ビルのワーキングジョイントを使用して試験するのが最も適切ではあるが、莫大な費用と時間がかかり、仮に試験に供したシーリング材が硬化途中のムーブメント追従性が悪かった場合、漏水事故を起こすことにもなり、極めて現実的ではない。
従って、1成分形ウレタンシーリング材において、硬化過程のムーブメント追従性が良いものに改良でき、そしてこのシーリング材を実際のワーキングジョイントの動きを近似的に再現できる試験機を用い、硬化途中のムーブメント追従性を評価して結果が良好であれば、建築ワーキングジョイント用のシーリング材として使用できることになり、1成分形であるがゆえに作業性に優れ、安心して使用でき、かつ接着性や耐久性に優れた建築ワーキングジョイント用のシーリング材を提供できることとなり、今後の中高層ビル建築の外壁目地などのシーリング材として役に立つものとなる。
なお、2成分形ポリサルファイド系シーリング材において、基剤成分としてポリサルファイドポリエーテルポリマーとポリエーテルポリオール或いは特定のポリエーテルポリオールとの特定量の混合物に、硬化剤成分としてポリイソシアネート化合物やその変性ウレタンプレポリマーを特定量使用した、外装材、特に金属板目地への使用が適している2成分形シーリング材組成物が提案され、動的屋外暴露試験において良好な結果が得られることが開示されている(特許文献1及び2参照。)。また、珪素原子に結合した水酸基及び(又は)加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基を少なくとも1個有するゴム系有機重合体に、特定のシランカップリング剤とテトラアルコキシシランを配合した、深部硬化性がよく構造ビル等のシールに適した変成シリコーン系シーリング材組成物も提案されている(特許文献3参照。)。
しかしながら、前者はポリサルファイド系シーリング材についてであり、さらに2成分形であるため、主剤と硬化剤の混合の手間がかかり、かつ計量ミスや混合不良による硬化不良を生じる危険性がある。また、後者は変成シリコーン系シーリング材組成物についてであり、しかも評価試験機を用いて硬化途中のムーブメント追従性を試験して確認はしていない。すなわち、硬化途中のムーブメント追従性が良好で建築ワーキングジョイント用として適したウレタンシーリング材は未だにないのが実情である。
特開2002−53843号公報 特開2002−275451号公報 特開2003−277725号公報
本発明は、上記従来公知技術の問題点に鑑み、硬化後低モジュラス、高伸びでゴム弾性物性が良好で、作業性、接着性、耐久性などが良好であるとともに、硬化途中のムーブメント追従性に特に優れた建築ワーキングジョイント用に適した1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを硬化成分として含有する1成分形ウレタン系シーリング材組成物の表面の硬化速度を適度に抑え、かつ内部硬化速度を大きくして、表面硬化速度と内部硬化速度のバランスをとることにより、そして実際の中高層ビルの外壁目地等のワーキングジョイントの動きを近似的に再現できるように工夫した繰返し試験装置或いは動的暴露試験機などの試験機を用い、硬化過程(硬化途中)のムーブメント追従性を評価し、結果の良好なものが建築ワーキングジョイント用に適した1成分形ウレタン系シーリング材となることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(10)に示されるものである。
(1) イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、揺変性付与剤(B)と、硬化促進触媒(C)とを含有する建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物であって、該1成分形ウレタン系シーリング材組成物が、目地に対してムーブメントを与えることができる試験機に設けた目地に充填後、少なくとも1日に1サイクルのムーブメントを該目地に与えながら硬化させる試験において、実質的に損傷のない硬化物となる性能を有すること、を特徴とする前記建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(2) 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比=Mw/Mn)1.6以下のポリオキシアルキレン系ポリオールと有機イソシアネートとを水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーである、前記(1)の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(3) 前記揺変性付与剤(B)が、有機表面処理炭酸カルシウムである、前記(1)又は(2)の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(4) 前記揺変性付与剤(B)が、有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子である、前記(1)又は(2)の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(5) 更に希釈用樹脂(D)を配合してなる、前記(1)〜(4)のいずれかの建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(6) 前記希釈用樹脂(D)が、数平均分子量が500以上の極性基を有する希釈用樹脂である、前記(5)の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(7) 前記希釈用樹脂(D)が、数平均分子量が500以上で、分子中に実質的に水酸基又はイソシアネート基を有しないポリオキシアルキレン系希釈用樹脂である、前記(5)の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(8) 更に添加剤を含有する、前記(1)〜(7)のいずれかの建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
(9) 前記(1)〜(8)のいずれかの建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物を、建築物のワーキングジョイントに充填施工して硬化させることにより、実質的に損傷のない硬化物を形成すること、を特徴とする建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物の施工方法。
(10) 前記(1)〜(8)のいずれかの建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物を、サイディング外壁目地に充填施工して硬化させることにより、実質的に損傷のない硬化物を形成すること、を特徴とする建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物の施工方法。
本発明により初めて、作業性に優れ、大気中の水分(湿気)により発泡することなく硬化して、低モジュラスで高伸びといった諸物性に優れたゴム状弾性体となり、接着性、耐久性なども良好であるとともに、特に硬化途中のムーブメント追従性に優れているため、建築ワーキングジョイント用に適した1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法を提供することが可能となった。
なお、本発明において、建築ワーキングジョイントには、土木構築用に設けられた動きの大きな目地も包含するものである。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、硬化性成分として用いるものであり、イソシアネート基が湿気(水分)と反応し、尿素結合を形成して架橋、硬化するものであり、活性水素化合物と、有機イソシアネートとを、活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰の条件で、或いは活性水素化合物としてアルコール性水酸基含有化合物を使用した場合は、水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるものが好適である。
更に具体的には、活性水素化合物又はアルコール性水酸基含有化合物と有機イソシアネートとを、イソシアネート基/活性水素(基)又はイソシアネート基/水酸基の当量比が1.1〜10/1.0、更に1.3〜5.0/1.0、特に1.3〜2.5/1.0となる範囲で同時或いは逐次に反応させて、好適に製造することができる。当量比が1.1/1.0を下回ると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が高くなりすぎ、ゲル化の危険性が生じ、当量比が10/1.0を超えると、イソシアネート基が湿気と反応して生成する炭酸ガスの発生量が多くなり発泡の原因となるため好ましくない。
前記活性水素化合物としては、ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。
ポリオールは、アルコール性水酸基含有化合物であって、低分子のポリオールと高分子のポリオールがあり、このうち高分子のポリオールが好ましい。高分子のポリオールとしては、ポリオキシアルキレン系ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリルポリオール、炭化水素系ポリオール等が挙げられ、数平均分子量500以上、好ましくは1,000以上のものである。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、アルキレンオキシドを開環付加重合させたものや、活性水素を2個以上含有する化合物などの開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどが挙げられる。
開始剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の低分子多価アルコール類、ソルビトール、シュークロース、グルコース、ラクトース、ソルビタン等の糖類系低分子多価アルコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類、エチレンジアミン、ブチレンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類、アジピン酸、テレフタル酸等の低分子ポリカルボン酸類、これらの少なくとも1種にアルキレンオキシドを反応させて得られる分子量500未満の低分子量のポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
すなわち、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、具体的には、ポリオキシエチレン系ポリオール、ポリオキシプロピレン系ポリオール、ポリオキシブチレン系ポリオール、ポリテトラメチレンエーテル系ポリオール、ポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシプロピレン)−ランダム或いはブロック共重合系ポリオール、ポリ(オキシプロピレン)−ポリ(オキシブチレン)−ランダム或いはブロック共重合系ポリオールなどを挙げることができ、また、これらの各種ポリオールと有機イソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたものも挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールは、作業性などの点から、数平均分子量が500〜100,000、更に1,000〜30,000、特に1,000〜20,000のものが好ましく、また、1分子当たり平均のアルコール性水酸基の個数は2個以上、更に2〜4個が好ましく、2〜3個が最も好ましい。
更に、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、その製造時に使用する触媒として、セシウム系化合物(水素化セシウム、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド等のセシウムアルコキシド、水酸化セシウムなど)、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、ホスファゼニウム化合物、複合金属シアン化錯体など、なかでも亜鉛ヘキサシアノコバルテートのグライム錯体やジグライム錯体等の複合金属シアン化錯体を使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、更に0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度を低下でき、かつ硬化後のゴム弾性物性が良好となる点と、それから得られる1成分形ウレタン系シーリング材組成物の硬化途中のムーブメント追従性が良好となる点で好ましい。
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオールとしては、例えば、公知のコハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水物等と、前記のポリオキシアルキレン系ポリオールの合成に開始剤として使用される活性水素を2個以上含有する化合物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙げられる。更に、ε−カプロラクトン等の環状エステル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られるラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテル・エステルポリオールとしては、例えば、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールと前記のジカルボン酸、酸無水物等とから製造される化合物が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前記のポリオキシアルキレン系ポリオールの製造に用いる低分子多価アルコール類と、ホスゲンとの脱塩酸反応、或いはジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応などから得られる化合物が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとしては、水酸基を含有するヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合したものなどが挙げられる。
炭化水素系ポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオールや水素添加ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素添加ポリイソプレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール、塩素化ポリプロピレンポリオールなどが挙げられる。
ポリオールとしては更に、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールの製造原料として挙げた数平均分子量500未満の低分子多価アルコール類などが挙げられる。
ポリアミンとしては、ポリプロピレングリコールの末端ジアミノ化物などの、数平均分子量500以上でポリオキシアルキレン系ポリオールの末端がアミノ基となったポリオキシアルキレンポリアミン等の高分子ポリアミンが挙げられる。
ポリアミンとしては更に、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン等の数平均分子量500未満の低分子ポリアミンが挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等が挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の粘度が低く、内部硬化性が良好なため、これらから得られる1成分形ウレタン系シーリング材組成物の粘度が低く作業が良好な点と、硬化途中のムーブメント追従性が良好な点で、高分子のポリオールが好ましく、更にポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましく、特にポリオキシプロピレン系ポリオールが好ましい。
また、前記活性水素化合物として、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の変性用として、モノオール化合物も場合により使用できる。モノオール化合物としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低分子モノアルコール類の他、これら低分子モノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを開環付加重合させた、後述の液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の合成に使用されるポリオキシアルキレン系モノオールと同様の化合物が挙げられる。このうちポリオキシプロピレン系モノオールが好ましい。
なお、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールとは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、更に80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がウレタン、エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、水酸基を除いた部分の95質量%以上がポリオキシアルキレンからなるポリオールが最も好ましい。
前記有機イソシアネートとしては、具体的には、有機ポリイソシアネートや、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の変性用として、場合により使用される有機モノイソシアネートなどが挙げられる。
有機ポリイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個以上含有する化合物であり、具体的には例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート類、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンジイソシアネート類、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等のフェニレンジイソシアネート類、2,4,6−トリメチルフェニル−1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェニル−1,3−ジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート類、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート類などの芳香脂肪族ポリイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネートが挙げられる。更に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートも使用できる。また、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合などを1以上含有する変性イソシアネートも使用できる。
これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できるが、これらのうち得られる1成分形ウレタン系シーリング材組成物の硬化途中のムーブメント追従性と、硬化後の接着性が良好な点で、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、さらにジフェニルメタンジイソシアネート類が好ましく、特に4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
有機モノイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよく、イソシアネート基以外の有機基としては、湿気などの水分硬化性の官能基を含有していない疎水性の有機基が好ましい。具体的には例えば、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシルモノイソシアネート、n−クロロエチルモノイソシアネートなどの脂肪族モノイソシアネート、クロロフェニルモノイソシアネート、3,5−ジクロロフェニルモノイソシアネート、p−フルオロフェニルモノイソシアネート、2,4−ジフルオロフェニルモノイソシアネート、o−トリフルオロメチルフェニルモノイソシアネート、p−ニトロフェニルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、2,6−ジイソプロピルモノイソシアネート、p−トルエンスルホニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネート、その他に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際には、後述の硬化促進触媒(C)と同様の反応触媒を用いることができる。
また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基含有量は0.3〜15.0質量%が好ましく、特に0.5〜5.0質量%が好ましい。イソシアネート基含有量が0.3質量%未満の場合は、ウレタンプレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、ウレタンプレポリマー中の架橋点が多くなりゴム弾性が悪化する点と、湿気との反応による炭酸ガスの発生量が多くなり硬化物が発泡する点で好ましくない。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、大気中の水分(湿気)と室温で反応硬化することによりこれを含有する組成物は1成分形として使用される。
本発明における揺変性付与剤(B)は、1成分形ウレタン系シーリング材組成物を垂直目地等に充填したとき垂れないように(スランプしないように)、揺変性を付与するために使用するものであり、例えば、コロイダルシリカ、石綿粉、有機表面処理炭酸カルシウム等の無機系揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機系揺変剤などのほか、有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。しかし、1成分形ウレタン系シーリング材組成物の内部硬化を促進するため、後述する硬化促進触媒(C)を用いた場合、使用する揺変性付与剤によっては、硬化促進触媒が共存すると揺変付与構造が破壊され、外壁目地に充填、施工したとき垂れ(スランプ)が発生し施工できないという不具合を発生する。この防止のため、揺変性付与剤としては、有機表面処理炭酸カルシウム、有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子が好ましい。
前記有機表面処理炭酸カルシウムは、公知の方法で製造することができるものである。すなわち、まず微粉末状の炭酸カルシウムは、例えば石灰石を焼成炉で焼成し、炭酸ガスと生石灰に分解した後、生石灰に水を加えて水化精製し、石灰乳とし、炭酸ガスを吹き込んで反応させるか、又は炭酸ガス気流中に石灰乳を噴霧し向流又は並流のかたちで接触させて製造することができ(一般に軽質炭酸カルシウムと称される。)、次いでこの微粉末状炭酸カルシウムに揺変性付与効果を与える目的と二次凝集を防ぐ目的で脂肪酸金属塩や、ロジン酸等の脂肪酸の金属塩或いは脂肪酸エステルなどで微粉末状炭酸カルシウムの表面を処理して脂肪酸表面処理炭酸カルシウムや樹脂酸表面処理炭酸カルシウムなどの有機表面処理炭酸カルシウムが得られる。ここで脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸等の炭素数10〜25の脂肪酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウムの塩が好ましい。これらの市販品としては、例えば、白艶華CC、CCR、R06、VIGOT−10、VIGOT−15、STAVIGOT−15A(以上、白石工業社製)、NCC#3010、NCC#1010(以上、日東粉化工業社製)等が挙げられる。これらのうち、揺変性付与効果が高い点で、脂肪酸表面処理炭酸カルシウムが特に好ましい。
また、重質炭酸カルシウムと呼ばれる天然の炭酸カルシウムを粉砕して微粉末状にしたものを脂肪酸金属塩や樹脂酸金属塩で処理したものも使用できる。
この有機表面処理炭酸カルシウムの平均粒径は、0.01〜0.5μm、更に0.03〜0.15μmが好ましく、BET比表面積は5〜200m/g、更に10〜60m/gが好ましい。平均粒径が0.01μmを下回るか、或いはBET比表面積が200m/gを超えると、得られるシーリング材組成物の粘度が上がって作業性が悪化し、平均粒径が0.5μmを上回るか或いはBET比表面積が5m/gを下回ると、揺変性付与効果がなくなるため好ましくない。
前記の有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子は、無機系物質粒子の表面に(炭化水素基などの)有機基が結合したウレイレン基(−NHCONH−)をシロキサン結合(−SiO−)を介して導入した無機系物質粒子であり、下記一般式(1)式に簡略的に示されるものが好ましい。
〔R−NHCONH−(R)m−SiO〕n−M (1)
(式中、R、Rは有機基であって、それぞれ独立に、主鎖中にエーテル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子を有していてもよい炭素数1〜50の炭化水素基である。mは0又は1の整数であり、nは1以上の整数である。Mは無機系物質粒子の表面を示す。なお、ウレイレン基は置換基を有していてもよい。)
更に具体的には、有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子との反応生成物が好ましい。有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物は、架橋性シリル基及び有機基(イ)含有化合物と、該有機基(イ)と反応可能な有機基(ロ)を含有する有機化合物とを反応させた生成物でウレイレン基を有するものか、或いは、架橋性シリル基及び有機基(イ)含有化合物と、有機基(ハ)を含有する有機化合物とを、分子内に該有機基(イ)と反応可能な有機基(ニ)及び該有機基(ハ)と反応可能な有機基(ホ)とを含有する有機低分子化合物を介して反応させた生成物でウレイレン基を有するものが好ましい。ここにおいて有機基(ニ)及び有機基(ホ)は互いに同じ基であってもよく、異なる基であってもよい。有機基(イ)としては、第1級及び/又は第2級アミノ基、イソシアネート基などが挙げられ、有機基(イ)と反応可能な有機基(ロ)としては、イソシアネート基、第1級及び/又は第2級アミノ基などが挙げられ、有機基(ハ)としては、第1級及び/又は第2級アミノ基、水酸基、イソシアネート基などが挙げられ、有機基(ニ)としてはイソシアネート基、第1級及び/又は第2級アミノ基、水酸基などが挙げられ、有機基(ホ)としては、イソシアネート基、第1級及び/又は第2級アミノ基、水酸基などが挙げられる。更に具体的には、有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物は、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する有機化合物と、有機モノイソシアネートとの反応生成物であるか、第1級及び/又は第2級アミノ基含有有機化合物と、架橋性シリル基含有有機イソシアネート化合物との反応生成物であるか、或いは、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する有機化合物と、第1級及び/又は第2級アミノ基含有有機化合物とを、有機ポリイソシアネートを介して反応させた生成物であることが好ましい。また、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する有機化合物と、有機モノアルコールとを、有機ポリイソシアネートを介して反応させた生成物、或いは、イソシアネート基と架橋性シリル基を含有する有機化合物と有機モノイソシアネートとを、有機ポリアミンを介して反応させた生成物なども挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できるが、これらのうち、反応のし易さと、揺変性付与効果の高い点で、架橋性シリル基及び有機基(イ)含有化合物と、該有機基(イ)と反応可能な有機基(ロ)を含有する有機化合物とを反応させた生成物でウレイレン基を有するものが好ましく、特に第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する化合物と、有機モノイソシアネートとの反応生成物が好ましい。
ウレイレン基に結合する有機基R又はR或いはウレイレン基が有していてもよい置換基を選択する際には、シーリング材組成物の安定した揺変性を保つ点と保存安定性の点から、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と室温で反応しないものである必要がある。この有機基R又はR或いはウレイレン基が有していてもよい置換基がイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と反応すると、貯蔵中に有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子により形成された揺変性付与構造が破壊されてしまうとともに増粘してしまう。
具体的には、ウレイレン基に結合する有機基R又はR或いはウレイレン基が有していてもよい置換基としてエポキシド基を含有する基などは選択できるが、アミノ基などの活性水素(基)を含有する基は選択できない。
前記のウレイレン基に結合している有機基は、イソシアネート基と反応する官能基を含有しないものであればどのような基でもよいが、安定した揺変性付与効果が大きな点から、反応性官能基を含有しない、主鎖中にエーテル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子を有していてもよい炭素数1〜50の炭化水素基であって、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基などが挙げられ、これらのうち、主鎖中にエーテル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子を有していてもよい炭素数3〜24、特に炭素数4〜20の脂肪族炭化水素基が好ましい。更には、主鎖中にエーテル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子も有しない炭素原子と水素原子だけからなる炭化水素基が、より安定した揺変性付与効果の点から好ましい。
前記のウレイレン基が有していてもよい置換基は、イソシアネート基と実質的に反応しない基であればどのような基でもよいが、例えば、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとジブチルアミンとを反応させたときのウレイレン基に結合しているどちらか一方のブチル基や、3−アミノプロピルトリメトキシシランとオクタデシルモノイソシアネートとを反応させたときのウレイレン基に対し過剰のオクタデシルモノイソシアネートがビウレット結合したもの、或いは3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとオクタデシルアミンとを反応させたときのウレイレン基に対し過剰の3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランがビウレット結合したもの、或いは3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランとオクタデシルアミンとを反応させたときのウレイレン基に対し過剰の3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランがビウレット結合したものなどが挙げられる。
第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する有機化合物としては、分子内に第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を少なくとも含有すればよく、架橋性シリル基は1個以上含有していればよいが、イソシアネート基と反応する他の官能基は含有していない。例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる
これらのうち、安定した揺変性付与効果の点から、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する脂肪族化合物が好ましく、特にN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
有機モノイソシアネートとしては、分子内にイソシアネート基を1個含有すればよいが、架橋性シリル基及びイソシアネート基と反応する他の官能基は含有していない。すなわち、有機モノイソシアネートのイソシアネート基以外の基としては、疎水性の有機基(特に炭化水素基)が好ましい。具体的には、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際に使用されるものと同様の化合物などが挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、安定した揺変性付与効果の点で脂肪族モノイソシアネートが好ましく、オクタデシルモノイソシアネートが特に好ましい。
第1級及び/又は第2級アミノ基含有有機化合物としては、有機モノアミンや有機ポリアミンが挙げられ、分子内に架橋性シリル基及びイソシアネート基と反応する他の官能基は含有していない。
第1級アミンとしては、モノアミンとして、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、オクタデシルアミン等の脂肪族モノアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン等の脂環族モノアミン、ベンジルアミン等の芳香脂肪族モノアミン、アニリン等の芳香族モノアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、2−エチルへキシルオキシプロピルアミン等の酸素原子含有脂肪族アミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン等の第3級窒素原子含有脂肪族アミンなどを挙げることができ、ジアミンとして、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノへプタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサン等の脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロへキシルメタン等の脂環族ジアミン、キシレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、4,4′―ジアミノ―3,3′−ジエチルジフェニルメタン等の芳香族ジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン等のポリエーテルジアミンなどを挙げることができ、トリアミンとして、トリ(メチルアミノ)へキサン等の脂肪族トリアミンなどを挙げることができる。第2級アミンとしては、モノアミンとして、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メチルラウリルアミンなどの脂肪族モノアミン、ジフェニルアミン等の芳香族モノアミン、ジアミンとして、N,N′−ジラウリルプロピルジアミン、N,N′−ジステアリルブチルジアミン、N−ブチル−N′−ラウリルエチルジアミン、N−ブチル−N′−ラウリルプロピルジアミン、N−ラウリル−N′−ステアリルブチルジアミンなどの脂肪族ジアミンを挙げることができる。その他のアミンとしては、N−ラウリルプロピレンジアミン、N−ステアリルプロピレンジアミンなどを挙げることができる。第1級アミノ基と第2級アミノ基を有するポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチルアミノプロピルアミン等の脂肪族アミンなどを挙げることができる。また他の官能基を含有するアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アリルアミン、アミノ酢酸などが挙げられる。また、前記第1級及び/又は第2級アミノ基含有有機化合物としては、炭化水素基の一部の水素原子が塩素などのハロゲン原子と置換したものも含まれる。
これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用することができる。
これらのうちで、安定した揺変性付与効果の大きさから、他の官能基を有しない脂肪族第1級アミンが好ましく、特に他の官能基を有しない脂肪族第1級モノアミンが好ましい。
架橋性シリル基含有有機イソシアネート化合物としては、分子内にイソシアネート基と架橋性シリル基を少なくとも含有すればよく、架橋性シリル基は1個以上含有していればよいが、イソシアネート基と反応する他の官能基は含有していない。
架橋性シリル基含有有機イソシアネート化合物としては、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルイソプロポキシシラン、イソシアネートトリメトキシシラン等の架橋性シリル基含有有機モノイソシアネート化合物、ジイソシアネートジメトキシシラン等の架橋性シリル基含有有機ポリイソシアネート化合物などが挙げられ、これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、揺変性付与効果の高さの点で架橋性シリル基含有有機モノイソシアネート化合物が好ましく、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
有機ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際に使用されるものと同様の化合物などが挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、脂環族ポリイソシアネートが好ましい。
有機モノアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−オクタノール、n−ラウリルアルコール、セチルアルコール、ミリシルアルコール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。
なお、前記の有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物の各合成反応において、イソシアネート基/活性水素(基)の反応当量比は0.1/1〜10/1、更に0.5/1〜2/1、特に0.5/1〜1.1/1の範囲が好ましい。イソシアネート基/活性水素(基)の反応当量比が0.1/1を下まわると揺変性付与効果が小さくなり過ぎ、10/1を超えると未反応のイソシアネート基が多く残り、発泡などの悪影響が出て来る。
架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子は、粒子表面に有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物の架橋性シリル基に対して反応可能な官能基を有しているものであればどのようなものでもよい。このような架橋性シリル基と反応可能な官能基としては具体的には例えば、Mg−OH、Ca−OH、Ti−OH、Fe−OH、Al−OH、Si−OH等の各種金属原子に結合した水酸基が挙げられる。また、前記架橋性シリル基反応性官能基を無機系物質の粒子表面に有しているならば、単一の無機系物質粒子が前記反応性官能基を有しているものであってもよく(例えば二酸化ケイ素粒子)、他の無機系物質粒子が前記反応性官能基を有している無機物質により被覆或いは混合等により複合化されているものでもよく(例えば、炭酸カルシウム粒子の表面を二酸化ケイ素粒子でコーティングしたもの)、また他の無機系物質粒子に不純物として前記反応性官能基を有している無機物質が含有されているものであってもよい(例えば、炭酸カルシウム粒子中に不純物として二酸化ケイ素を含有したもの)。
なお、ここにおいて、例えば二酸化ケイ素(SiO)等の化学式では水酸基がないものでも、粒子表面は水分により反応を受け、水酸基を含有しているのである。また、金属粒子については、粒子表面が酸化され、次いで水分により反応を受け、使用の際には粒子表面に水酸基を含有しているのである。
また、前記無機系物質粒子には、炭素(カーボンブラック等)或いは(メタ)アクリル系重合体粒子、サランマイクロバルーン等の有機系物質粒子を、前記無機物質で被覆処理等加工したものも含まれる。
架橋性シリル基と反応可能な官能基を有している無機系物質粒子としては、石灰石、珪藻土、カオリンクレーなどの天然鉱物を微粉砕したものでもよいし、また沈降炭酸カルシウム、乾式法シリカ粒子等の合成品あってもよく、具体的に例えば、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム等の金属粒子、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素(シリカ)、含水ケイ酸等の金属酸化物粒子、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物粒子、重質炭酸カルシウムや沈降炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム又はコロイド状炭酸カルシウム)等の炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩粒子、ウォラストナイト等のケイ酸カルシウム、含水ケイ酸カルシウム、カオリンクレー等のケイ酸アルミニウム、天然マイカ等のケイ酸アルミニウム−カリウム、含水ケイ酸アルミニウム、タルク等のケイ酸マグネシウム等の金属ケイ酸塩粒子、ジルコニア等のセラミックス粒子、カリガラス等の各種ガラス粒子等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上組み合わせて使用できる。
更に、二酸化ケイ素(シリカ)としては、石英、ケイ砂、珪藻土等を粉砕した天然シリカ、また、沈降法シリカ等の湿式法シリカ、フュームドシリカ等の乾式法シリカ等の合成シリカ等が挙げられる。
また、無機系物質粒子の形状はどんなものであってもよく、具体的には例えば、フュームドシリカ等の球状、セピオライト、ウォラストナイト等の繊維状或いは針状、マイカやタルク等のフレーク状(板状)、雲母等の鱗片状、シリカゲル等の多孔質状、シリカバルーン等のバルーン状、珪藻土等の管状など種々の形状が挙げられ、用途に応じて使い分けることができる。
無機系物質粒子の平均(一次)粒子径(直径又は長径)は、1,000,000nm(1,000μm)以下、更には1〜100,000nm(100μm)、特に1〜10,000nm(10μm)が好ましく、また更に、有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物を粒子表面で反応させた無機系物質粒子が樹脂に対して揺変性を付与する効果が大きな点で、前記無機系物質粒子の平均(一次)粒子径は1〜1,000nmのコロイド状と呼ばれるものが好ましく、更に1〜100nmが好ましく、特に5〜50nmが好ましい。またBET比表面積(m/g)は、0.1以上、更には20〜500が好ましく、特に40〜500が好ましい。
前記のうち、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭酸塩粒子、金属ケイ酸塩粒子が好ましく、更に二酸化ケイ素粒子が好ましく、特に有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物を反応させたとき、樹脂に対する揺変性付与効果が大きいことよりコロイド状のシリカが好ましく、親水性コロイド状シリカが最も好ましい。
また、無機系物質粒子は結晶水を持っていてもよいし、また持っていなくてもよいが、貯蔵安定性を向上させるためには結晶水を持っていない方が好ましい。
有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子を製造する方法としては、前記の有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子とを、触媒及び/又は有機分散媒の存在下又は不存在下、5〜200℃の温度で、0.1〜100時間、好ましくは30〜80℃の温度で、0.5〜5時間加熱し反応させて合成することができる。触媒と有機分散媒は必要に応じて使用すればよいが、触媒は反応温度を低下でき、反応時間も短縮できる点で、有機分散媒は反応を均一にできる点で使用するのが好ましい。
有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子を製造する他の方法としては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の存在下、かつ、触媒及び/又は有機分散媒の存在下又は不存在下、有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子とを5〜200℃の温度で0.1〜100時間、好ましくは30〜80℃の温度で0.5〜10時間加熱し反応させて合成することができる。触媒と有機分散媒は必要に応じて使用すればよいが、触媒は反応温度を低下でき、反応時間も短縮できるため使用するのが好ましい。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の存在下、有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子とを反応させる製造方法の方が、製造し易く低コストである点から特に好ましい。
なお、前記の有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子は、トリメチルクロロシランやヘキサメチルシラザンなどで親水性シリカなどの表面を処理した疎水性シリカなどにおいて、有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物を、残っている少量のSi−OH基に、或いは少量の水の存在下に加水分解と同時に反応させることにより合成することもできる。
前記の必要に応じて使用する触媒としては、後述の硬化促進触媒(C)と同様の反応触媒が挙げられ、それらのうち反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機錫化合物や有機金属キレート化合物が好ましく、更に有機金属キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)が最も好ましい。
前記の必要に応じて使用する触媒は、架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子100質量部に対して、0〜10質量部、特に0.05〜5質量部配合するのが好ましい。
前記の必要に応じて使用する有機分散媒としては、後述の有機溶剤又は可塑剤で各成分と反応しないものであればどのようなものでも使用できる。
前記の必要に応じて使用する有機分散媒は、架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子100質量部に対して、0〜3,000質量部、特に50〜2,000質量部配合するのが好ましい。
揺変性付与剤(B)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.1〜300質量部、更に1〜100質量部配合するのが好ましい。配合量が0.1質量部を下まわると揺変性付与効果が小さくなり過ぎ、300質量部を超えると作業性が悪くなる。
本発明における硬化促進触媒(C)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基と湿気(水分)との反応を促進し、1成分形ウレタン系シーリング材組成物の特に内部硬化を促進し、表面と内部の硬化速度の差を縮め、硬化途中にかかるムーブメントによる応力の差を縮めることにより、硬化物に亀裂などが発生するのを防止するため使用するものである。
具体的には、有機金属化合物、アミン類等が挙げられ、有機金属化合物としては、例えば、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物の旭硝子社製EXCESTAR C−501、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、その他、オクチル酸鉛やオクチル酸ジルコニウム等のマンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、鉛、ビスマス等の錫以外の各種金属と、オクチル酸、ステアリン酸、ナフテン酸等の各種有機酸との金属有機酸塩などが挙げられ、アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン(DABCO)、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の第3級アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類などが挙げられる。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
これらのうち、反応速度が高く、毒性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機金属化合物が好ましく、更に有機錫化合物や金属キレート化合物が好ましく、特にジブチル錫ジラウレートが好ましい。
硬化促進触媒(C)は、硬化速度、硬化物の物性などの点から、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0.001〜10質量部、特に0.01〜2質量部配合するのが好ましい。
本発明の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、揺変性付与剤(B)と、硬化促進触媒(C)とを含有するものであるが、更に前記(A)、(B)、(C)の3成分からなるものが好ましく、これら3成分に加えて更に希釈用樹脂(D)を配合することができる。この希釈用樹脂(D)は、1成分形ウレタン系シーリング材組成物を希釈して粘度を下げ、作業性を向上させるとともに、硬化後のモジュラス、伸び等のゴム弾性物性を調節するために使用するものであり、数平均分子量が500以上の高分子量で極性基を有する希釈用樹脂を好適に挙げることができる。数平均分子量が500未満であると、得られる1成分形ウレタン系シーリング材組成物の硬化後、硬化物の表面に移行(ブリード)し易く、硬化物の表面を粘着させ、塵埃等の付着による表面汚染を発生させるため好ましくない。極性基としてはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と相溶性の良好な、エステル基、エーテル基(オキシアルキレン基)、ウレタン基などが挙げられ、これらの基の種類と個数は、それぞれ分子中に単独で有していてもよいし、複数有していてもよい。このうち得られる希釈用樹脂(D)の粘度が低く、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)との相溶性が良好な点で、エーテル基(オキシアルキレン基)、ウレタン基が好ましい。更に希釈用樹脂(D)は、分子中にイソシアネート基と反応性を有する水酸基又はイソシアネート基を実質的に有しない希釈用樹脂であることが好ましい。
希釈用樹脂(D)としては、具体的に例えば、ポリオキシアルキレン系樹脂、ジカルボン酸類とグルコール類とからのポリエステル系樹脂、低粘度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体樹脂、これらの混合物などが挙げられる。
前記ポリオキシアルキレン系樹脂としては、ポリオキシエチレンモノオールやポリオキシプロピレンモノオール等のポリオキシアルキレンレンモノオールのアルキルエーテル化やアルキルエステル化誘導体樹脂、糖類系多価アルコールのポリオキシアルキレン化樹脂のアルキルエーテル化やアルキルエステル化誘導体樹脂、液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂などが挙げられる。これらのうち、粘度が低く、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と相溶性が良好で、得られる1成分形ウレタン系シーリング材組成物の作業性と、硬化途中のムーブメント追従性が良好な点で、ポリオキシアルキレン系樹脂が好ましく、更に糖類系多価アルコールのポリオキシアルキレン化樹脂のアルキルエーテル化やアルキルエステル化誘導体樹脂と液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂が好ましく、特に液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂が好ましい。
前記希釈用樹脂(D)の数平均分子量は、硬化後の移行(ブリード)防止性と作業性の点で、500以上、更に1,000〜100,000、より更に2,000〜50,000、特に2,000〜20,000が好ましく、2,000〜10,000が最も好ましい。
前記糖類系多価アルコールのポリオキシアルキレン化樹脂のアルキルエーテル化やアルキルエステル化誘導体樹脂としては、スクロース(ショ糖)、グルコース、マンニトール、ソルビトール等の糖類系多価アルコールの水酸基に対して、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加重合し、更にアルキルエーテル化或いはアルキルエステル化して末端をアルキル基で封鎖した、実質的に水酸基を有しない樹脂などが挙げられ、ショ糖系多価アルコールのポリオキシアルキレン化樹脂のアルキルエステル化誘導体の一般市販品として、三洋化成工業社製のSPX−80などが挙げられる。
これらはいずれも単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂としては、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネートとを反応させて得られる、分子中にポリオキシアルキレン基とウレタン基を含有し、実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有していない高分子量の樹脂が好適である。従来のウレタン系希釈剤は分子量分布が広く、低分子量域の部分はブリードし易いため汚染防止性に乏しく、高分子量域の部分はブリードし難いが、高粘度になり作業性が悪くなるという欠点を有し、汚染防止性能と作業性を両立させることは困難であったが、液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の分子量分布(Mw/Mm)を1.6以下、特に好ましくは1.0〜1.3と狭いものにすることにより、液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂が高分子量であっても粘度を低く抑えることができ、作業性に優れた性質と硬化後の耐ブリード汚染防止性能、特に夏場の高温時期における優れた汚染防止性能とを両立させることができる。
具体的には、ポリオキシアルキレン系アルコールと有機イソシアネート(好ましくは、ポリオキシアルキレン系モノオールと有機ポリイソシアネート、又は、ポリオキシアルキレン系ポリオールと有機モノイソシアネート)を、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1/1.0となる範囲で、最も好ましくは1/1で反応させて好適に製造することができる。当量比が0.9/1.0を下回ると水酸基の含有量が多くなるため、1成分形ウレタン系シーリング剤組成物の製造時或いは貯蔵時に、この水酸基とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とが反応、増粘し作業性が悪化する点で、また1.1/1.0を上回るとイソシアネート基の含有量が多くなり硬化物のゴム弾性物性に対する影響が無視できなくなる点で好ましくない。
なお、前記の「実質的にイソシアネート基又は水酸基を含有しない」とは、糖類系多価アルコールのポリオキシアルキレン化樹脂のアルキルエーテル化やアルキルエステル化誘導体或いは液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂を合成する際、原料のモル比により、分子中に水酸基或いはイソシアネート基が少量残存する場合があるが、本発明の目的を達成する上で、イソシアネート基又は水酸基を含有しないとみなしても不都合を生じないことを意味する。
前記ポリオキシアルキレン系アルコールとしては、具体的には、ポリオキシアルキレン系モノオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、これらの混合物が挙げられる。
ポリオキシアルキレン系モノオールとしては、活性水素を1個含有するアルキル化合物などの開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させたものなどである。ポリオキシアルキレン系モノオールの数平均分子量は500〜100,000、更には1,000〜30,000、特に1,000〜10,000であることが好ましい。数平均分子量が500未満では得られる液状ウレタン樹脂がブリードし易くなり、100,000を超えると液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の粘度が高くなり、シーリング材組成物の作業性が悪くなる。
この開始剤としては、具体的に例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、フェノール、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちでは、メタノール、エタノール等の、炭素数5以下の化合物が好ましい。
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、これらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうちでは、プロピレンオキシドが好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレン系モノオール、ポリオキシプロピレン系モノオール、ポリオキシブチレン系モノオール、ポリオキシテトラメチレン系モノオール、ポリ(オキシエチレン)−(オキシプロピレン)系ランダム或いはブロック共重合モノオール、ポリ(オキシプロピレン)−(オキシブチレン)系ランダム或いはブロック共重合モノオールなどが挙げられる。
更に、ポリオキシアルキレン系モノオールは、その製造時に使用する触媒として、前述のポリオキシアルキレン系ポリオールの製造時に使用する触媒と同様の触媒を使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、更に0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが好ましい。特に低粘度の液状ウレタン樹脂を得るには、分子量分布の狭いポリオキシアルキレン系モノオールを使用することが好ましい。
なお、前記ポリオキシアルキレン系モノオールとは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、更に80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がウレタン、エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るモノオールが最も好ましい。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際に使用されるものと同様の化合物が挙げられ、このうちポリオキシプロピレン系ポリオールが好ましい。
これらは単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのうち得られる液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の粘度が低く、かつブリードしないため、ポリオキシアルキレン系モノオールが好ましく、特にポリオキシプロピレン系モノオールが好ましい。
前記有機イソシアネートとしては、具体的には、有機モノイソシアネート、有機ポリイソシアネート、これらの混合物が挙げられ、更に具体的には、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の合成の際に使用されるものと同様の化合物などを例示することができる。
これらは単独で或いは2種以上を混合して使用できる。
これらのうち、得られる液状ポリオキシアルキレン系ウレタン樹脂の粘度が低い点で、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、更に芳香脂肪族ポリイソシアネートが好ましく、特にキシリレンジイソシアネート類が好ましく、m−キシリレンジイソシアネートが最も好ましい。
液状ウレタン樹脂の合成にも、前述の硬化促進触媒(C)と同様の反応触媒などを用いることができる。
また、更に公知の有機溶媒を用いることもできる。
希釈用樹脂(D)は、硬化速度、硬化物の物性などの点から、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0〜200質量部、特に10〜100質量部配合するのが好ましい。
本発明においては、更に添加剤を添加することができる。添加剤としては、耐候安定剤、充填剤、接着性付与剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の硬化後の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用する。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物などを挙げることができる。
酸化防止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。また、三共社製の商品名サノールLS−292などの他、旭電化工業社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87などの分子量1,000未満の低分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤、同じくLA−63P、LA−68LD或いはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LDなどの分子量1,000以上の高分子量ヒンダードアミン系酸化防止剤なども挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基等の光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレート等のエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、或いはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有する物が好ましい。
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0〜30質量部、特に0.01〜10質量部配合するのが好ましい。
充填剤、接着性付与剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などは、それぞれ補強や増量、接着性向上、貯蔵安定性向上、着色などのために使用することができる。
充填剤としては、例えば、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ等の無機粉末状充填剤、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填剤などの無機系充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、更にポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂の粉末などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。
接着性付与剤としては、カップリング剤のほか、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、アルキルチタネート類、有機ポリイソシアネート等が挙げられる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が挙げられる。これらのうちシラン系カップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物が接着性に優れている点で好ましい。
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの炭化水素基結合アルコキシシラン類、ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシランなどの炭化水素基結合イソプロペノキシシラン類、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類やイソプロペノキシシラン類などの分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物及び/又はこれらシランカップリング剤の1種又は2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物が挙げられる。
貯蔵安定性改良剤としては、シーリング材組成物中に存在する水分と反応する、前記ビニルトリメトキシシランなどの低分子の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
充填剤、接着性付与剤、貯蔵安定改良剤(脱水剤)及び着色剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100質量部に対して、0〜500質量部、更に10〜300質量部、特に10〜200質量部が好ましい。
本発明において、前記各添加剤成分はそれぞれ単独で或いは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明において、1成分形ウレタン系シーリング材組成物の粘度を下げ、作業性を向上させる目的で有機溶剤を使用することができるが、近年の環境保全意識の高まりのなかで、その使用量はできるだけ抑えることが好ましく、1成分形ウレタン系シーリング材組成物中に10質量%未満となるように使用するのが好ましい。
有機溶剤としては、イソシアネート基に対して不活性であればどのようなものでもよいが、例えば、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル系溶剤、n−ヘキサン等の脂肪族系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤、ミネラルスピリットや工業ガソリン等の石油留分系溶剤などの従来公知の溶剤が挙げられる。
本発明においては、分子量500未満の低分子量の可塑剤は、シーリング材硬化物の表面に移行(ブリード)し易く、硬化物の表面に粘着性を与えることにより塵埃等が付着し、表面汚染の原因にもなるため、できるだけ使用しないことが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で使用することもできる。
低分子量の可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールの酢酸エステル類等の多価アルコールのエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、塩素化パラフィン等のパラフィン系炭化水素類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、水素添加ポリブテン等のオレフィン系重合体類で分子量500未満のものなどが挙げられる。
本発明の1成分形ウレタン系シーリング材組成物が施工の対象とする建築ワーキングジョイントは、中高層ビル等の建築物において、金属カーテンウオールやプレキャストコンクリートパネルなどの外装部材を張り合わせて外壁を構築したときに形成される目地、或いは金属サッシ回りなどに形成される目地で、気温や日照等の温度変化による部材の膨張もしくは収縮、又は各種振動もしくは風圧などの作用によって部材間の変位が大きく、動き(ムーブメント)の大きな目地のことをいう。また、中高層ビル以外では、戸建や集合住宅などの分野で、外装部材としてサイディングと呼ばれる予め工場において成形加工した窯業系や金属系の板を張り付けて外壁を構成する建築物において、サイディングの板と板との継ぎ目に形成される目地(サイディング外壁目地)も、サイディングが気温や日照等の温度変化により大きく膨張や収縮を繰返すため、その目地もまた収縮、膨張の大きな変位を繰返し、さらに各種振動や風圧などの作用によっても目地が大きく変位するため、建築ワーキングジョイントに含まれ、この目地に対しても本発明の1成分形ウレタン系シーリング材組成物が好適に適用できる。
本発明の1成分形ウレタン系シーリング材組成物は、実際のビル建築やサイディング外壁などのワーキングジョイントの動きを近似的に再現できる試験用目地を作製し、その目地に充填して引張り及び圧縮等の変位(ムーブメント)を与えながら硬化させても、実質的に損傷のない硬化物となること、すなわち硬化途中のムーブメント追従性が優れている性能を有していることが重要である。この性能を有していることにより、実際の中高層ビル建築等の外壁目地等のワーキングジョイントに充填施工して硬化させたとき、硬化途中に風圧、日照等の変化により目地が大きく動いても、実質的に損傷の無い硬化物からなる防水シーリング目地を形成することができ、漏水事故のない外壁等を形成することができるのである。すなわち本発明の1成分形ウレタン系シーリング材組成物は、建築ワーキングジョイント用の1成分形ウレタン系シーリング材組成物として極めて適したものとして使用できるものである。
前記建築ワーキングジョイントやサイディング外壁目地の動き(ムーブメント)を近似的に再現できる試験用目地は、試験機としては実際のワーキングジョイントの動きを近似的に与えることができるように設計されたものであればどのような試験機であってもよいが、具体的には、例えば、後述の実施例に挙げるような、JIS A 1439(1997)「建築用シーリング材の試験方法」、4.17耐久性試験の4.17.1のd)繰返し試験機に準拠したもので、拡大・縮小の変位サイクルを1日当たり少なくとも1サイクル、好ましくは1〜20,000サイクル、及びその変位幅(ムーブメント量)を0.1mm以上、更に好ましくは0.1〜100mm、特に好ましくは0.1〜20mmの間で可変設定できるように作製したものを繰返し試験機として用い、この試験機の固定部分と可動部分のそれぞれに設けた一対の治具にモルタルを成形したり、サイディングの板を切り出したりなどして作製した試験用被着体を連結し、可動部分と連動させる構造とすることにより作製できる。また、この、繰返し試験機を特定の温度や湿度の雰囲気に置くことにより、温湿度の影響も試験することができる。
また、同様に後述の実施例に挙げるような、日本シーリング材工業会推奨の試験機に準拠した動的暴露試験機を屋外に置き、この試験機の固定部分と可動部分のそれぞれに設けた一対の治具に前記同様試験用被着体を連結することにより作製できる。この可動部分は、黒色アクリル板やアルミニウム板により作製されており、これらの部材が気温や日照の変化により膨張、収縮を繰返すため、この治具に連結した試験用目地は、実際のワーキングジョイントと近似した動きを再現することができる。
これらのうち、拡大・縮小の変位幅と変位サイクルを自由に設定でき、季節や天候の変化を受けず、1年を通じて試験条件を自由に設定することができる点で、繰返し試験機を用いた試験のほうが好ましい。
なお、前記「実質的に損傷のない硬化物」とは、硬化物の内部や表面に極めて小さな泡や皺等の損傷がある場合があるが、漏水につながる損傷ではないと判断できるならば、本発明の目的を達成する上で、損傷のない硬化物とみなしても不都合を生じないことを意味する。
本発明の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物は、湿気により増粘、硬化するものであるため、内容物の貯蔵安定性を保つため湿気を遮断できる容器に詰め、密封して貯蔵するのが好ましい。前記容器としては湿気を遮断できる容器であれば何でもよいが、例えばドラム缶、金属製や合成樹脂製のペール缶や袋状容器、紙製や合成樹脂製のカートリッジ状容器など各種の容器が挙げられる。
さらに、本発明の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物の施工方法としては、具体的に、例えば、中高層ビル等の建築物の外壁目地やサッシ回り目地などのワーキングジョイント部分或いはサイディング外壁目地部分を公知の方法により、目地の清掃、ボンドブレーカーやバッカーの挿入、目地に沿ってのマスキングテープ貼り、指定のプライマー処理などを行い、ワーキングジョイント(目地)に対してシーリング材の打設(充填)準備を整える。次いで、予め用意しておいた前記密封容器に詰めた建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物を開封し、手動、電動或いは空気圧などで押出す方式のガンに装着し、準備を整えたワーキングジョイントに充填し、ヘラ等で余分のシーリング材をかき取り、表面を平らにした後、速やかにマスキングテープを除去して硬化させることにより、硬化途中に目地が動いても、実質的に損傷のない硬化物を形成し、漏水事故を起こす心配の無い防水シーリング目地を形成する方法を好適に挙げることができる。
以下、本発明について実施例などにより更に詳細に説明する。
〔イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成〕
合成例1
攪拌機、温度計、窒素シール管及び加温・冷却装置の付いた反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子社製エクセノール−3021、数平均分子量3,300、分子量分布1.0〜1.1)599.2g(OH当量:0.363)と、ポリオキシプロピレントリオール(三井武田ケミカル社製MN−4000、数平均分子量4,000、分子量分布1.0〜1.1)284.5g(OH当量:0.213)を仕込み、攪拌しながら4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMT、分子量250)116.2g(NCO当量:0.93)(R値(NCO当量/OH当量)=1.6)とジブチル錫ジラウレート0.1gを加えたのち、加温して70〜80℃で2時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(1.47質量%)以下となった時点で常温まで冷却して反応を終了させて、イソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーP−1を製造した。
このイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーP−1は、滴定による実測イソシアネート基含有量1.38質量%の常温で粘稠な液体であった。
〔炭化水素基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物の合成〕
合成例2
合成例1と同様の反応容器に、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(チッソ社製S−310)を103.2g仕込み、攪拌しながらオクタデシルモノイソシアネート(保土谷化学工業社製ミリオネートO)295.0g(R値(NCO当量/アミノ基当量)=1.0)を滴下ロートにより65℃以下に冷却しながら加えた後、加温して60〜65℃で30分間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。
得られた反応生成物は、常温で固体であった。これを炭化水素基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物S−1と称す。
〔希釈用液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂の合成〕
合成例3
合成例1と同様の反応容器に、窒素気流下で、ポリオキシプロピレンモノオール(旭硝子社製XS−M3000、数平均分子量3,300、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1)300g(OH当量:0.091)を仕込み、攪拌しながらジブチル錫ジラウレート0.1gとm−キシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製タケネート500、分子量188)9.1g(NCO当量:0.0968)(R値(NCO当量/OH当量)=1.06)を加えた後、加温して70〜80℃で4時間攪拌して、イソシアネート基含有量が理論値(0.08質量%)以下となった時点で反応を終了し、希釈用液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U−1を製造した。
この希釈用液状ウレタン樹脂U−1は、滴定による実測イソシアネート基濃度0.06質量%で実質的にイソシアネート基を含有しない、粘度3,200mPa・s/25℃、分子量分布(Mw/Mn)1.0〜1.1の常温で透明な液体であった。
実施例1
加熱、冷却装置及び窒素シール管付き混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得たイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーP−1 400g、酸化チタン50g、炭酸カルシウム100g、希釈用ショ糖ポリオキシアルキレン化樹脂(三洋化成工業社製サンフレックスSPX−80、数平均分子量8,000)150g及び脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(白石工業社製白艶華CCR)300gを仕込み、内容物が均一になるまで混練りした(なお、酸化チタン、炭酸カルシウム及び脂肪酸表面処理炭酸カルシウムはそれぞれ90〜100℃の乾燥器で予め乾燥したものを使用)。次いで、脂肪酸アマイド10gとヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)10gとをトルエン50gに予め溶解したものと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3gとジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡(20〜100hPa)し、容器に充填、密封して、建築ワーキングジョイント用1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物を調製した。
実施例2
実施例1と同様の混練容器に、窒素気流下で、合成例1で得たイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーP−1 450g、合成例3で得た希釈用液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U−1 150g及び親水性コロイド状シリカ(日本アエロジル社製AEROSIL200、BET比表面積200m/g、平均一次粒子径約12nm)40gを攪拌しながら順次仕込み、内容物が均一になるまで混練りした後、合成例2で得た炭化水素基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物S−1 30gとジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成社製ネオスタンU−220)0.9gを仕込み、60〜70℃で2時間攪拌、混合し、イソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーP−1存在下に炭化水素基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物S−1で、親水性コロイド状シリカの粒子表面を反応処理した。その後、50℃以下に冷却し、更に顔料として酸化チタン50g、充填剤として炭酸カルシウム200g(なお、酸化チタン、炭酸カルシウムはそれぞれ90〜100℃の乾燥器中で予め乾燥したものを使用)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤:ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010)10gをトルエン50gに予め溶解したもの、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3g及びジブチル錫ジラウレート0.5gを順次仕込み、内容物が均一になるまで攪拌、混合し、次いで減圧脱泡(20〜100hPa)し、容器に充填、密封して、建築ワーキングジョイント用1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物を調製した。
実施例3
実施例2において、合成例1で得たイソシアネート基含有ポリオキシプロピレン系ウレタンプレポリマーP−1 450gの代わりに600gを使用し、希釈用液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U−1を使用しないで、トルエン50gの代わりに60gを使用した以外は同様にして、建築ワーキングジョイント用1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物を調製した。
比較例1
実施例2において、希釈用液状ポリオキシプロピレン系ウレタン樹脂U−1 150gの代わりに、ジオクチルフタレート150gを使用し、炭化水素基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物S−1、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)及びジブチル錫ジラウレートを使用しない以外は同様にして、1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物を調製した。
〔性能試験〕
前記実施例1〜3で調製した建築ワーキングジョイント用1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物、比較例1で調製した1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物、比較例2として1成分形(湿気硬化性)シリコーン系シーリング材(一般市販品)及び比較例3として1成分形(湿気硬化性)変成シリコーン系シーリング材(一般市販品)をそれぞれ用いて、以下の試験を行った。
(1)タックフリー
JIS A1439:1997「建築用シーリング材の試験方法」の「4.19タックフリー試験」に準拠して測定した。
(2)硬化膜厚
シーリング材(組成物)を幅90mm×深さ60mm×長さ120mmのポリプロピレン製容器に充填し、余分なシーリング材をヘラでかきとって平らにし、23℃、50%相対湿度の雰囲気下で養生した。充填してから3日後と7日後に、長さ方向に対して直角になるように切り取り、未硬化層を慎重に除去して表面から硬化して膜となっている部分の厚さを測定した。
(3)ムーブメント追従性
a.目地の作製
試験機の固定部と可動部のそれぞれの治具に、被着体として50mm角の立方体状に成型したモルタルを1個づつ相対するように固定し、試験機の動きがモルタルで作製した目地に伝わるようにした。モルタル面にポリエチレン製のバックアップ材(幅12mm×厚さ10mm×長さ50mm)を目地深さが12mmとなるように装填後、目地幅が12mmとなるように調整、固定し目地を作製した。したがって、このときの目地の形状は幅12mm×深さ12mm×長さ50mmとなる。
b.繰返し試験機使用
JIS A1439(1997)「建築用シーリング材の試験方法」、4.17耐久性試験の4.17.1のd)繰返し試験機に準拠したもので、拡大・縮小のサイクルを1日当たり1〜14,400サイクルに設定できるように作製したものを繰返し試験機として用いた。拡大、縮小の変位のサイクルを1日当たり1サイクル、変位幅を目地幅の±10%(±1.2mm)となるように試験機を設定し、前記の方法で作製したモルタルの目地に、プライマーを塗布し、30分前後のオープンタイムをとってから、シーリング材を気泡が入らないように充填し、余分なシーリング材をヘラでかきとって仕上げたものを試験体とした。なお、プライマーは、実施例1〜3及び比較例1で調製した1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物についてはオート化学工業社製OP−2531を使用し、他は専用のプライマーを用いた。シーリング材(組成物)を充填した後、直ちに試験機を稼動させ、目地の縮小・拡大の順で1日当たり1サイクルの条件で、ムーブメントをかけながら硬化させた。これは、外壁板が昼間は日照で膨張することにより目地が縮小し、夜間は気温が下がることにより収縮し目地が逆に拡大することを近似したものである。このときの雰囲気温度を23℃、50%相対湿度とした。硬化途中の変形繰返しを3サイクル(3日間)で打ち切り、目地幅が動かないように慎重に試験機から取り外した後、23℃、50%相対湿度で14日間かけて後養生、硬化させた。次いで、シーリング材硬化物を被着体から切り離し、中央部分を長さ方向に対して直角に切断し、断面の損傷の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
c.動的暴露試験機使用
日本シーリング材工業会推奨の試験機に準拠した、以下の仕様に示す動的暴露試験機を屋外の南面の向きに設置して試験に用いた。モルタル目地の作製、プライマーの塗布及びシーリング材(組成物)の充填は前記と同様の方法で行った。なお、シーリング材(組成物)の充填は、可動部のアクリル樹脂板が最大に膨張し、目地としては最も縮小していると考えられる午後2時頃行った。そのまま7日間硬化を行った後、目地幅が動かないように慎重に試験機から取り外し、更に23℃、50%相対湿度で14日間かけて後養生、硬化させた。次いで、シーリング材硬化物を被着体から切り離し、中央部分を長さ方向に対して直角に切断し、断面の損傷の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
なお、動的暴露試験機上で硬化させている間、アクリル樹脂板が最も膨張したときと最も収縮したときの差(最大変位)は2.4mmであり、アクリル樹脂板が最も膨張したときは午後2時頃であった。したがって、12mmの目地に最大で2.4mmのムーブメントがかかっていることになる。
この動的暴露試験機は、黒色アクリル樹脂板の熱膨張・収縮によるサーマルムーブメントを利用しているため、ムーブメント量は気温と日照により日々変化する。実際のビルのワーキングジョイントのサーマルムーブメントも同様の現象であるため、実際に近い状態での評価が可能である。
〔動的暴露試験機の仕様〕
架台の傾斜角度:30度
ムーブメント発生部:黒色アクリル樹脂板(長さ2,000mm×幅500mm×厚さ
40mm)
固定、可動ビーム:アルミニウム製(長さ500mm×幅50mm×厚さ50mm)
計測器:伸縮量検出器、温度検出器
記録装置:打点式記録計
また、被着体として、目地相当部分厚さ21mmの市販のサイディングを切り出し、縦50mm×横50mm×目地相当部分厚さ21mmに成型したものを使用し、前記と同様の方法でムーブメント追従性を試験した。このときの目地の形状は幅12mm×深さ11mm×長さ50mmである。
〔評価基準〕
○:防水上悪影響となる損傷がほとんど認められない状態
△:防水上悪影響となる損傷が少し認められる状態
×:防水上悪影響となる損傷が多く認められる状態
(ここにおいて、防水上悪影響となる損傷とは、硬化物内部の亀裂や空洞、硬化物表面のくぼみや盛り上がりなどを示す)
1成分形(湿気硬化性)ウレタン系シーリング材組成物の原料組成及びその性能などをまとめて表1に示す。
Figure 2005314683

Claims (10)

  1. イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、揺変性付与剤(B)と、硬化促進触媒(C)とを含有する建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物であって、
    該1成分形ウレタン系シーリング材組成物が、目地に対してムーブメントを与えることができる試験機に設けた目地に充填後、少なくとも1日に1サイクルのムーブメントを該目地に与えながら硬化させる試験において、実質的に損傷のない硬化物となる性能を有すること、を特徴とする前記建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  2. 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比=Mw/Mn)1.6以下のポリオキシアルキレン系ポリオールと有機イソシアネートとを水酸基に対してイソシアネート基過剰の条件で反応させて得られるイソシアネート基含有ポリオキシアルキレン系ウレタンプレポリマーである、請求項1に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  3. 前記揺変性付与剤(B)が、有機表面処理炭酸カルシウムである、請求項1又は2に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  4. 前記揺変性付与剤(B)が、有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子である、請求項1又は2に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  5. 更に希釈用樹脂(D)を配合してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  6. 前記希釈用樹脂(D)が、数平均分子量が500以上の極性基を有する希釈用樹脂である、請求項5に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  7. 前記希釈用樹脂(D)が、数平均分子量が500以上で、分子中に実質的に水酸基又はイソシアネート基を有しないポリオキシアルキレン系希釈用樹脂である、請求項5に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  8. 更に添加剤を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物を、建築物のワーキングジョイントに充填施工して硬化させることにより、実質的に損傷のない硬化物を形成すること、を特徴とする建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物の施工方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物を、サイディング外壁目地に充填施工して硬化させることにより、実質的に損傷のない硬化物を形成すること、を特徴とする建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物の施工方法。
JP2005098508A 2004-04-02 2005-03-30 建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法 Active JP4800653B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005098508A JP4800653B2 (ja) 2004-04-02 2005-03-30 建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109649 2004-04-02
JP2004109649 2004-04-02
JP2005098508A JP4800653B2 (ja) 2004-04-02 2005-03-30 建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005314683A true JP2005314683A (ja) 2005-11-10
JP4800653B2 JP4800653B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=35442424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005098508A Active JP4800653B2 (ja) 2004-04-02 2005-03-30 建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4800653B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045958A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Auto Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物
JP2009161577A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Toho Chem Ind Co Ltd 一液型止水材
JP2010001380A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Auto Kagaku Kogyo Kk 1成分形室温硬化型シーリング材およびウレイレン基含有有機化合物の使用方法
JP2010235652A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Serasutaa Toryo Kk 無溶剤型硬化性樹脂組成物
JP2011021148A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Auto Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物
JP2011256246A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The ワーキングジョイント用1成分形室温硬化型シーリング材およびその施工方法
JP2012051982A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Auto Kagaku Kogyo Kk 着色剤組成物及びその製造方法、並びに当該着色剤組成物を用いた着色方法及びシーリング材の製造方法
JP2018178120A (ja) * 2017-04-18 2018-11-15 積水フーラー株式会社 硬化性組成物及びこれを用いてなる目地構造

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188455A (ja) * 1984-03-08 1985-09-25 Mitui Toatsu Chem Inc 湿気硬化型一成分ポリウレタン組成物
JPS63251459A (ja) * 1987-04-09 1988-10-18 Dainippon Ink & Chem Inc 湿気硬化型ポリウレタン組成物
JPH05295064A (ja) * 1992-04-24 1993-11-09 Dainippon Ink & Chem Inc 湿気硬化型ポリウレタン組成物
JP2000309618A (ja) * 1999-02-26 2000-11-07 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
JP2003226815A (ja) * 2002-02-05 2003-08-15 Auto Kagaku Kogyo Kk 揺変性樹脂組成物及び揺変性室温硬化性組成物並びにその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188455A (ja) * 1984-03-08 1985-09-25 Mitui Toatsu Chem Inc 湿気硬化型一成分ポリウレタン組成物
JPS63251459A (ja) * 1987-04-09 1988-10-18 Dainippon Ink & Chem Inc 湿気硬化型ポリウレタン組成物
JPH05295064A (ja) * 1992-04-24 1993-11-09 Dainippon Ink & Chem Inc 湿気硬化型ポリウレタン組成物
JP2000309618A (ja) * 1999-02-26 2000-11-07 Asahi Glass Co Ltd 硬化性組成物
JP2003226815A (ja) * 2002-02-05 2003-08-15 Auto Kagaku Kogyo Kk 揺変性樹脂組成物及び揺変性室温硬化性組成物並びにその製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045958A (ja) * 2005-08-11 2007-02-22 Auto Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物並びにシーリング材組成物及び接着剤組成物
JP2009161577A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Toho Chem Ind Co Ltd 一液型止水材
JP2010001380A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Auto Kagaku Kogyo Kk 1成分形室温硬化型シーリング材およびウレイレン基含有有機化合物の使用方法
JP2010235652A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Serasutaa Toryo Kk 無溶剤型硬化性樹脂組成物
JP2011021148A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Auto Kagaku Kogyo Kk 硬化性組成物
JP2011256246A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Yokohama Rubber Co Ltd:The ワーキングジョイント用1成分形室温硬化型シーリング材およびその施工方法
JP2012051982A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Auto Kagaku Kogyo Kk 着色剤組成物及びその製造方法、並びに当該着色剤組成物を用いた着色方法及びシーリング材の製造方法
JP2018178120A (ja) * 2017-04-18 2018-11-15 積水フーラー株式会社 硬化性組成物及びこれを用いてなる目地構造
JP7038985B2 (ja) 2017-04-18 2022-03-22 積水フーラー株式会社 硬化性組成物及びこれを用いてなる目地構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP4800653B2 (ja) 2011-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9822278B2 (en) One-component type polyurethane resin composition for preventing detachment of concrete pieces and tiles and method for preventing detachment of concrete pieces and tiles using same
JP4800653B2 (ja) 建築ワーキングジョイント用1成分形ウレタン系シーリング材組成物及びその施工方法
JP2008222773A (ja) ポリウレタン系硬化性樹脂組成物及びこれからなる被覆材
JP4937595B2 (ja) 一液型湿気硬化性組成物、シーリング材組成物及び接着剤組成物
JP2005206722A (ja) 一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP5014039B2 (ja) 湿気硬化型組成物及び湿気硬化型シーリング材
JP4225488B2 (ja) 環境対応型硬化性組成物及びその製造方法
JP4907218B2 (ja) 一液型ウレタン系湿気硬化性接着剤
JP2011111481A (ja) 一液型湿気硬化性シーリング材組成物、及びこれを用いて外壁目地部上塗り塗膜の抗菌性、防カビ性を向上させる方法
JP4997036B2 (ja) 一液型湿気硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP4744230B2 (ja) シーリング材組成物
JP5241993B2 (ja) 硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP3987003B2 (ja) 一液湿気硬化型の硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP5200359B2 (ja) 硬化性組成物
JP5817868B2 (ja) 湿気硬化型組成物
JP2003327856A (ja) 硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP3725121B2 (ja) 揺変性硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP3964813B2 (ja) 揺変性常温硬化性組成物
JP2005036034A (ja) 硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP4865307B2 (ja) 硬化性組成物及びシーリング材組成物
JP5597912B2 (ja) 1成分形室温硬化型シーリング材およびウレイレン基含有有機化合物の使用方法
JP2005075894A (ja) 硬化性組成物およびシーリング材組成物
JP3730948B2 (ja) 硬化性組成物
JP3866114B2 (ja) 揺変性室温硬化性組成物及びその製造方法
JP5096039B2 (ja) 湿気硬化性組成物及び湿気硬化性シーリング材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110804

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4800653

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250