JP2003226815A - 揺変性樹脂組成物及び揺変性室温硬化性組成物並びにその製造方法 - Google Patents

揺変性樹脂組成物及び揺変性室温硬化性組成物並びにその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量の配合で極性の大きな室温硬化性樹脂や
有機溶剤など或いは触媒を使用しても十分に安定した揺
変性を付与することができ、顧客のニーズに応じた多様
な組成を組むことができ、また低粘度で分散容易かつ貯
蔵安定性、作業性に優れた揺変性樹脂組成物及び揺変性
室温硬化性組成物並びにその製造方法を提供する。ま
た、硬化速度を大きくすることができる揺変性室温硬化
性組成物を提供する。 【解決手段】 室温硬化性樹脂などの樹脂成分と、置換
基を有していてもよい有機基結合ウレイレン基含有無機
系物質粒子とを含有する、揺変性樹脂組成物、並びにこ
の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強い揺変性を有す
る樹脂組成物及び室温硬化性組成物、並びにこの室温硬
化性組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、建築物用、土木用、自動車用
などの防水シーリング材、接着剤、塗料などの樹脂成分
には、作業性や接着性などに優れている点から、変成シ
リコーン樹脂やイソシアネート基含有プレポリマーなど
の室温硬化性樹脂が広く使用されており、用途によって
は揺変性を付与することが必要である場合が多い。例え
ば、接着剤においては重いタイルなどを建築物壁面に接
着するときずり落ちないように、また、塗膜防水塗料や
塗り床材においては垂直壁面や立上がり面に厚塗りした
とき垂れないように、パテ材においてはヘラ切れ性が良
く、そしてシーリング材においても建築物などの幅広の
垂直目地や天井目地に塗布施工したとき垂れないように
(スランプしない)という、作業性を維持しながら、揺
変性をより強めた材料、さらには作業時間短縮のため硬
化速度を速めた材料が要求されてきている。塗料、接着
剤、シーリング材などに揺変性を付与する方法として、
一般に、樹脂や室温硬化性樹脂にコロイド状シリカや脂
肪酸処理炭酸カルシウムなどを配合することが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来公知の技術には次のような種々の問題点がある。すな
わち、樹脂や室温硬化性樹脂に十分な揺変性を付与する
ためには、脂肪酸処理炭酸カルシウムの場合、その使用
量が多く必要であり、そのため処方の自由度が小さくな
る、湿気硬化型の室温硬化性樹脂に配合する場合、含水
分により貯蔵安定性が悪化する、また設備が大がかりに
なるなどの問題がある。また、コロイド状シリカの場合
には、その使用量が少なくて済むという利点があるもの
の、極性の大きな室温硬化性樹脂や有機溶剤などを使用
したり、硬化を促進させるため触媒を添加したりする
と、極性の大きな室温硬化性樹脂や有機溶剤など或いは
触媒がコロイド状シリカ表面の−SiOH基と相互作用
を起こし、揺変性を付与する構造を破壊するためと推測
されるが、揺変性が消失し流動化を起こしてタレやスラ
ンプを発生してしまい、極性の大きな室温硬化性樹脂や
有機溶剤など或いは触媒を使用できなくなり、組成が制
限されてしまうという問題がある。これらの欠点を改善
するため、親水性のコロイド状シリカにジメチルジクロ
ロシランなどを反応させて疎水化する方法や、ポリウレ
タン樹脂に疎水性コロイド状シリカ及びアミノシランカ
ップリング剤とポリイソシアネートとの反応物を併用す
る方法(特開昭64−14269号公報)などが提案さ
れているが、未だ効果が不十分であり、極性の大きな室
温硬化性樹脂や触媒を使用した組成でタレを防止するた
めにはそれらの使用量を多くする必要があり、その結果
として粘度が増大し作業性が悪化するという問題が依然
として存在している。
【0004】本発明の目的は、上記従来公知技術の問題
点を解決して、少量の配合で極性の大きな樹脂や有機溶
剤など或いは触媒を使用しても十分に安定した揺変性を
付与することができ、結果として顧客のニーズに応じた
多様な組成を組むことができ、また低粘度で分散容易か
つ貯蔵安定性、作業性に優れた揺変性樹脂組成物及び揺
変性室温硬化性組成物並びにその製造方法を提供するこ
とである。また、本発明の他の目的は、触媒を使用する
ことができるため硬化速度を大きくすることができる揺
変性室温硬化性組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意検討した結果、無機系物質粒子表
面に(炭化水素基などの)有機基結合ウレイレン基を導
入した粒子を使用することにより、樹脂、特に室温硬化
性樹脂に対して強力で安定した揺変性を付与することが
できることを見出し、本発明に到達した。この安定した
揺変性付与効果は、ウレイレン基(ウレア基、−NHC
ONH−)の強力な水素結合とそれに結合している(炭
化水素基などの)有機基との絡み合いにより安定した揺
変性付与構造を形成することによりもたらされると推測
される。すなわち本発明は、次の(1)〜(13)であ
る。
【0006】(1) 樹脂成分と、置換基を有していて
もよい有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子とを
含有すること、を特徴とする揺変性樹脂組成物。
【0007】(2) 室温硬化性樹脂と、置換基を有し
ていてもよい有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒
子とを含有すること、を特徴とする揺変性室温硬化性組
成物。
【0008】(3) 前記の置換基を有していてもよい
有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子が、置換基
を有していてもよい有機基結合ウレイレン基及び架橋性
シリル基含有化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有
無機系物質粒子との反応生成物である、前記(1)又は
(2)の揺変性組成物。
【0009】(4) 前記の置換基を有していてもよい
有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子の有機基
が、前記の樹脂成分又は室温硬化性樹脂と反応しない官
能基、エーテル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原
子を有していてもよい炭化水素基である、前記(1)又
は(2)の揺変性組成物。
【0010】(5) 前記の置換基を有していてもよい
有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物
が、架橋性シリル基及び有機基(イ)含有化合物と、該
有機基(イ)と反応可能な有機基(ロ)を含有する有機
化合物との反応生成物であるか、或いは、架橋性シリル
基及び有機基(イ)含有化合物と、有機基(ハ)を含有
する有機化合物とを、該有機基(イ)と反応可能な有機
基(ニ)及び該有機基(ハ)と反応可能な有機基(ホ)
を含有する有機低分子化合物を介して反応させた生成物
である、前記(3)の揺変性室温硬化性組成物。
【0011】(6) 前記の置換基を有していてもよい
有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物
が、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基
を含有する有機化合物と、有機モノイソシアネートとの
反応生成物である、前記(3)の揺変性室温硬化性組成
物。
【0012】(7) 前記の置換基を有していてもよい
有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物
が、第1級及び/又は第2級アミノ基含有有機化合物
と、架橋性シリル基含有有機イソシアネート化合物との
反応生成物である、前記(3)の揺変性室温硬化性組成
物。
【0013】(8) 前記の置換基を有していてもよい
有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物
が、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基
を含有する有機化合物と、第1級及び/又は第2級アミ
ノ基含有有機化合物とを、有機ポリイソシアネートを介
して反応させた生成物である、前記(3)の揺変性室温
硬化性組成物。
【0014】(9) 前記架橋性シリル基反応性官能基
含有無機系物質粒子が、金属粒子、金属酸化物粒子、金
属水酸化物粒子、金属炭酸塩粒子及び金属ケイ酸塩粒子
からなる群から選ばれる1種又は2種以上の粒子であ
る、前記(3)の揺変性室温硬化性組成物。
【0015】(10) 前記架橋性シリル基反応性官能
基含有無機系物質粒子が二酸化ケイ素粒子である、前記
(3)の揺変性室温硬化性組成物。
【0016】(11) 前記室温硬化性樹脂が、架橋性
シリル基含有樹脂又はイソシアネート基含有ウレタン系
プレポリマーである、前記(2)の揺変性室温硬化性組
成物。
【0017】(12) 更に添加剤を含有する、前記
(1)〜(11)のいずれかの揺変性組成物。
【0018】(13) 前記(2)の揺変性室温硬化性
組成物の製造方法であって、室温硬化性樹脂の存在下、
かつ、触媒及び/又は有機分散媒の存在下又は不存在下
で、置換基を有していてもよい有機基結合ウレイレン基
及び架橋性シリル基含有化合物と架橋性シリル基反応性
官能基含有無機系物質粒子とを反応させて、置換基を有
していてもよい有機基結合ウレイレン基含有無機系物質
粒子を合成すること、を特徴とする前記方法。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における樹脂成分としては、室温硬化性樹脂、溶
剤揮散型樹脂、エマルジョン型樹脂などが挙げられ、こ
れらのうち多様な用途に対して適用できることにより室
温硬化性樹脂が好ましい。室温硬化性樹脂は、室温にお
いて、空気中の水分との反応により、ラジカル発生剤な
どの混合によるラジカル重合や酸化重合により、或いは
主剤と硬化剤との架橋反応などにより架橋・高分子化し
て硬化するものである。溶剤揮散型樹脂は、樹脂を有機
溶剤に溶解して使用し、揮散させるものである。エマル
ジョン型樹脂は、有機溶剤を含んでいてもよい水に分
散、乳化させて使用し、有機溶剤や水を蒸発させるもの
である。これらはいずれも単独で或いは2種以上を混合
して使用することができる。
【0020】室温硬化性樹脂としては、具体的には、架
橋性シリル基含有樹脂、イソシアネート基含有ウレタン
系プレポリマー、ポリサルファイド樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂などと場合により更に触媒
とからなる一液型、又はこれらや、エポキシ樹脂、活性
水素含有ウレタン系樹脂、活性水素含有フッ素樹脂など
と硬化剤や触媒などとからなる二液型を例示することが
できる。これらのうち、作業性が優れていることにより
一液湿気硬化型の(場合により触媒を含む)架橋性シリ
ル基含有樹脂とイソシアネート基含有ウレタン系プレポ
リマーが好ましい。
【0021】架橋性シリル基含有樹脂としては、一般に
シリコーン樹脂と変成シリコーン樹脂と呼ばれているも
のを挙げることができ、湿気(水)と反応して或いは硬
化剤と(縮)重合してシロキサン結合を形成することによ
り架橋してゴム状硬化物を形成する、分子内に架橋性シ
リル基を1個以上含有する樹脂である。本発明において
は、分子内に架橋性シリル基を1個以上含有する変成シ
リコーン樹脂が好ましい。
【0022】シリコーン樹脂は主鎖がオルガノポリシロ
キサンであり、分子内に1個以上の架橋性シリル基を含
有する。具体的には、主成分として末端にシラノール基
を持つオルガノポリシロキサンと架橋成分として架橋性
シリル基含有低分子化合物とを含有する一液型シリコー
ン樹脂と、基剤として末端にシラノール基を持つオルガ
ノポリシロキサンと硬化剤としてアミノキシアルキルシ
ランとを含有する二液型シリコーン樹脂が代表例として
挙げられる。架橋性シリル基含有低分子化合物として
は、アシルオキシアルキルシラン、アミノキシアルキル
シラン、アルコキシアルキルシランなどが挙げられる。
【0023】変成シリコーン樹脂としては、例えば、特
開昭52−73998号公報、特開昭55−9669号
公報、特開昭59−122541号公報、特開昭60−
6747号公報、特開昭61−233043号公報、特
開昭63−112642号公報、特開平3−79627
号公報、特開平4−283259号公報、特開平5−7
0531号公報、特開平5−287186号公報、特開
平11−80571号公報、特開平11−116763
号公報、特開平11−130931号公報中に開示され
ているものを挙げることができる。具体的には、分子内
に1個以上の架橋性シリル基を含有する、主鎖がそれぞ
れオルガノシロキサンを含有していてもよい、ポリオキ
シアルキレン系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレ
ン系重合体、ビニル系重合体、ポリイソプレンやポリブ
タンジエン等のジエン系重合体、ポリエステル系重合
体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ポリサルフ
ァイド重合体、これらの共重合体、混合物等が挙げられ
る。変成シリコーン樹脂の主鎖は、硬化後の引張接着
性、モジュラス等の物性の点から、オルガノシロキサン
を含有していてもよい、ポリオキシアルキレン系重合体
及び/又はビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体が
好ましく、オルガノシロキサンを含有していてもよい、
ポリオキシプロピレン重合体、(メタ)アクリル変性ポ
リオキシプロピレン重合体が更に好ましい。ここにおい
て、変性とは共重合や反応で変性するだけでなく、ブレ
ンドも含まれる。
【0024】架橋性シリル基は、組成物の硬化性や硬化
後の物性等の点から、分子内に1〜5個含まれるのが好
ましい。更に、架橋性シリル基は、架橋しやすく製造し
やすい次の一般式で示されるものが好ましい。
【0025】
【化1】 (式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜2
0のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好まし
い。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、
水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメー
ト基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニ
ルオキシ基及びアミノオキシ基より選ばれる基であり、
Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基
であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好まし
く、メトキシ基又はエトキシ基が最も好ましい。aは
0、1又は2の整数であり、0又は1が最も好まし
い。)
【0026】架橋性シリル基の主鎖への導入は、例え
ば、以下の公知の方法で行うことができる。 (1)末端に水酸基等の官能基を有するポリオキシアル
キレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活
性基及び不飽和基を有する有機化合物(例えばアリルイ
ソシアネート)を反応させ、次いで、得られる反応生成
物に加水分解性基を有するヒドロシランを作用させてヒ
ドロシリル化する。 (2)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等
の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、こ
の官能基に対して反応性を示す官能基及び架橋性シリル
基を有する化合物を反応させる。この反応性官能基及び
架橋性シリル基を有する化合物としては、アミノ基含有
シラン類、メルカプト基含有シラン類、エポキシ基含有
シラン類、ビニル型不飽和基含有シラン類、塩素原子含
有シラン類、イソシアネート基含有シラン類、ハイドロ
シラン類などが挙げられる。 (3)重合性不飽和結合と架橋性シリル基を有する化合
物(例えばCH=CHSi(OCH33 )と(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを共重合させ
る。 (4)重合性不飽和結合と官能基を有する化合物(例え
ばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)を(メタ)
アクリル酸アルキルエステル単量体に添加して共重合さ
せ、次いで生成する共重合体を前記の反応性官能基及び
架橋性シリル基を有する化合物(例えば、イソシアネー
ト基と−Si(OCH33 基を有する化合物)と反応
させる。
【0027】本発明において、シリコーン樹脂、変成シ
リコーン樹脂の数平均分子量は1000以上、特に60
00〜30000で分子量分布の狭いものが、硬化前の
粘度が低いので取り扱い易く、硬化後の強度、伸び、モ
ジュラス等の物性が優れているので好適である。変成シ
リコーン樹脂は、架橋性シリル基が大気中の湿気(水
分)と室温で反応、硬化することにより、一液硬化型と
して使用できるし、また硬化剤として別途オクチル酸第
2錫などの硬化触媒と可塑剤等を配合しておいたもの
を、主剤の変成シリコーン樹脂と混合することにより硬
化させる二液硬化型としても使用できる。
【0028】イソシアネート基含有ウレタン系プレポリ
マーは、有機ポリイソシアネートと活性水素化合物とを
活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰、好まし
くはイソシアネート基/活性水素(基)(当量比)が
1.2〜5.0、更には1.3〜3.5となるような割
合で反応させて得られるものが好ましい。イソシアネー
ト基含有ウレタン系プレポリマーのイソシアネート基
(NCO)含量は、0.3〜35質量%であることが好
ましく、更には0.3〜10質量%、特に0.3〜5質
量%であることが好ましい。
【0029】有機ポリイソシアネートとしては、具体的
には、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソ
シアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシ
アネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの
芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート
などの芳香脂肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プ
ロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート
などの脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソ
シアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネ
ート)、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイ
ソシアネート、及びこれらジイソシアネートのカルボジ
イミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性
体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、ま
たは、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート
(クルードMDI、ポリメリックMDI)などが挙げら
れる。これらのうち、芳香族ジイソシアネートが好まし
い。
【0030】活性水素化合物としては、ポリオール、ア
ミノアルコール、ポリアミンなどが挙げられる。これら
のうち、高分子のポリオールが好適である。高分子のポ
リオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエス
テルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ
エーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリ
オール、ポリ(メタ)アクリルポリオール、炭化水素系
ポリオール等が挙げられ、数平均分子量500以上のも
のである。ポリエステルポリオール、ポリエステルアミ
ドポリオールとしては、例えば、公知のコハク酸、アジ
ピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸、それらの酸エ
ステル、酸無水物等と、エチレングリコール、プロパン
ジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、クオドロール或いはビスフェノ
ールAのエチレンオキサイド或いはプロピレンオキサイ
ド付加物等の低分子ポリオール、又はエチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン等の低分子ポリアミン、モノ
エタノールアミン等のアミノアルコール等の単独、又は
これらの混合物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙
げられる。さらに、ε−カプロラクトン等の環状エステ
ル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得ら
れるラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられ
る。ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチ
レンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール等が
挙げられる。ポリエーテル・エステルポリオールとして
は、例えば、前記のポリエーテルポリオールと前記のジ
カルボン酸、酸無水物等とから製造される化合物が挙げ
られる。ポリカーボネートポリオールとしては、例え
ば、前記のポリエステルポリオールの製造に用いる低分
子ポリオールとジエチルカーボネート、ジフェニルカー
ボネート等との反応から得られる化合物が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリルポリオールとしては、水酸基を含
有したヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを他
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合
したものなどが挙げられる。炭化水素系ポリオールとし
ては、ポリブタジエンポリオールや水素添加ポリブタジ
エンポリオールなどが挙げられる。ポリオールとしては
更に、前記ポリエステルポリオールの製造原料として挙
げた数平均分子量500未満の低分子ポリオールが挙げ
られる。ポリアミンとしては、ポリプロピレングリコー
ルの末端ジアミノ化物などの、数平均分子量500以上
でポリエーテルポリオールの末端がアミノ基となったポ
リエーテルポリアミン等の高分子ポリアミンが挙げられ
る。ポリアミンとしては更に、エチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジ
フェニルメタン、ジエチレントリアミン等の数平均分子
量500未満の低分子ポリアミンが挙げられる。アミノ
アルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチ
ルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールア
ミン等が挙げられる。また、一般にポリウレタン工業に
おいて公知の活性水素基を含有する、数平均分子量50
0以上の、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等も挙げ
られる。
【0031】イソシアネート基含有ウレタン系プレポリ
マーは、大気中の湿気と室温で反応硬化することにより
一液硬化型として使用できるし、また、イソシアネート
基含有ウレタン系プレポリマーを主剤とし、ポリアミン
やポリオールなどの活性水素化合物を硬化剤とした二液
硬化型としても使用できる。
【0032】ポリサルファイド樹脂は、ポリサルファイ
ド骨格と末端にメルカプト基を有する重合体である。メ
ルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂として
は、一般式: HS−(R1 −Sx )n −R2 −SH で
示される構造のものが好ましい。この一般式中のxは1
〜4の整数であり、その平均値は1.5 〜2.5であ
る。nは1〜120であり、好ましくは6〜50であ
る。また、この一般式中のR1 及びR 2 は2価の脂肪族
基であり、具体的には−C24 −、−C36 −、−
4 8 −等が挙げられるが、特にエーテル結合を有す
るものが好ましく、具体的には例えば以下のものが挙げ
られる。 −C2 4 −O−C2 4 − −C3 6 −O−C3 6 − −C48 −O−C48 − −C2 4 −O−CH2 −O−C24 − −C36 −O−CH2 −O−C36 − −C48 −O−CH2 −O−C4 8 − 上記メルカプト基を末端に有するポリサルファイド樹脂
の数平均分子量は、200〜20000、特に1000
〜8000の範囲が好ましい。ポリサルファイド樹脂
は、過酸化カルシウムなどの金属酸化物を配合したもの
を大気中に暴露することにより、湿気により過酸化水素
が生成し、樹脂を室温で酸化、硬化させる一液硬化型と
して使用できるし、また、ポリサルファイド樹脂を主剤
とし、二酸化鉛やポリイソシアネートなどを硬化剤と
し、これらを使用の際に混合することにより硬化させる
二液硬化型としても使用できる。
【0033】不飽和ポリエステル樹脂としては、無水マ
レイン酸やフマル酸などの不飽和二塩基酸とプロピレン
グリコールなどのグリコール類をエステル化した不飽和
ポリエステル樹脂を、反応性希釈剤のスチレンモノマー
などの重合性モノマーに溶解したものなどが挙げられ
る。硬化触媒として有機過酸化物を主としたものとコバ
ルトなどの金属塩を混合することにより、室温でラジカ
ル重合、硬化させる二液硬化型としても使用できる。
【0034】アルキッド樹脂としては、無水フタル酸な
どの多塩基酸とグリセリンなどの多価アルコールとのエ
ステル化物を骨格とし、これを大豆油などの乾性油で変
性した純アルキッド樹脂や、これを更にロジンなどで変
性した変性アルキッド樹脂などが挙げられる。硬化剤と
してナフテン酸コバルトなどの乾燥用触媒を混合するこ
とにより室温で酸化、硬化させる二液硬化型としても使
用できる。
【0035】エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールS型エポキシ樹脂や、これらを水素添加したエポキ
シ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラ
ック型エポキシ樹脂、ウレタンプレポリマーの末端をエ
ポキシ化したウレタン変性エポキシ樹脂、フッ素化エポ
キシ樹脂、ポリブタジエン或いはNBRを含有するゴム
変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグ
リシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂が挙げられ
る。
【0036】また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、例
えば、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミン、ポ
リアミノアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、エ
ポキシ変性アミン、マンニッヒ変性アミン、マイケル付
加変性アミン、ケチミン、酸無水物、アルコール類、フ
ェノール類が挙げられる。
【0037】更に、有機ポリイソシアネートに対し、ポ
リオールなどの活性水素化合物をイソシアネート基に対
し活性水素(基)過剰の条件で反応して得られる活性水
素(基)含有ウレタン系プレポリマーを主剤とし、有機
ポリイソシアネートを硬化剤とした二液硬化型樹脂も挙
げられる。
【0038】その他、水酸基などの活性水素(基)を有
する含フッ素樹脂を主剤とし、ポリイソシアネートを硬
化剤として室温で硬化させる二液硬化型樹脂も挙げられ
る。
【0039】溶剤揮散型樹脂としては、具体的には、天
然ゴム、合成ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ア
クリロニトリルゴム、塩化ゴム)、(メタ)アクリル系
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げら
れる。これらはトルエン、キシレン、酢酸エチル等の有
機溶剤と共に使用する。
【0040】エマルジョン型樹脂としては、具体的に
は、(メタ)アクリル系樹脂、ビニル系樹脂(例えば、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン)、ポリウレタン系樹脂等のエマルジョンが挙げられ
る。
【0041】本発明における有機基結合ウレイレン基含
有無機系物質粒子は、ウレイレン基に置換基を有してい
てもよい無機系物質の粒子である。この置換基を有して
いてもよい有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子
は、具体的には、置換基を有していてもよい有機基結合
ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物と架橋性シ
リル基反応性官能基含有無機系物質粒子との反応生成物
が好ましい。置換基を有していてもよい有機基結合ウレ
イレン基及び架橋性シリル基含有化合物は、架橋性シリ
ル基及び有機基(イ)含有化合物と、該有機基(イ)と
反応可能な有機基(ロ)を含有する有機化合物との反応
生成物であるか、或いは、架橋性シリル基及び有機基
(イ)含有化合物と、有機基(ハ)を含有する有機化合
物とを、分子内に該有機基(イ)と反応可能な有機基
(ニ)及び該有機基(ハ)と反応可能な有機基(ホ)と
を含有する有機低分子化合物を介して反応させた生成物
が更に好ましい。ここにおいて有機基(ニ)及び有機基
(ホ)は互いに同じ基であってもよく、異なった基であ
ってもよい。更に具体的には、置換基を有していてもよ
い有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合
物は、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル
基を含有する有機化合物と、有機モノイソシアネートと
の反応生成物であるか、第1級及び/又は第2級アミノ
基含有有機化合物と、架橋性シリル基含有有機イソシア
ネート化合物との反応生成物であるか、或いは、第1級
及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する
有機化合物と、第1級及び/又は第2級アミノ基含有有
機化合物とを、有機ポリイソシアネートを介して反応さ
せた生成物であることが好ましい。また、第1級及び/
又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有する有機化
合物と、有機モノアルコールとを、有機ポリイソシアネ
ートを介して反応させた生成物、或いは、イソシアネー
ト基と架橋性シリル基を含有する有機化合物と有機モノ
イソシアネートとを、有機ポリアミンを介して反応させ
た生成物なども挙げられる。ウレイレン基に結合する有
機基(及び置換基)を選択する際には、組成物の安定し
た揺変性を保つ点と保存安定性の点から、使用するため
に選択した樹脂又は室温硬化性樹脂と室温で反応しない
ものである必要がある。この有機基(及び置換基)が選
択した樹脂又は室温硬化性樹脂と反応すると、貯蔵中に
置換基を有していてもよい有機基結合ウレイレン基含有
無機系物質粒子により形成された揺変性付与構造が破壊
されてしまうとともに増粘してしまう。例えば、室温硬
化性樹脂としてイソシアネート基含有ウレタン系プレポ
リマーやエポキシ樹脂を選択した場合には、ウレイレン
基に結合する有機基(及び置換基)としてエポキシド基
を含有する基などは選択できるが、アミノ基などの活性
水素(基)を含有する基は選択できないし、不飽和ポリ
エステル樹脂を選択した場合には、水酸基を含有する基
などは選択できるが、アミノ基を含有する基は選択でき
ないし、またアミノ基含有ウレタン系プレポリマーを選
択した場合には水酸基を含有する基などは選択できる
が、エポキシド基、アクリロイル基、イソシアネート基
などを含有する基は選択できない。前記のウレイレン基
に結合している有機基は、選択した樹脂又は室温硬化性
樹脂と反応する官能基を含有しないものであればどのよ
うな基でもよいが、安定した揺変性付与効果が大きな点
から、反応性官能基を含有しない、主鎖中にエーテル形
結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子を有していても
よい炭素数1〜50の炭化水素基であって、脂肪族炭化
水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香脂
肪族炭化水素基などが挙げられ、これらのうち、主鎖中
にエーテル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子を
有していてもよい炭素数3〜24、特に炭素数4〜20
の脂肪族炭化水素基が好ましい。更には、主鎖中にエー
テル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子も有しな
い炭素原子と水素原子だけからなる炭化水素基が、より
安定した揺変性付与効果の点から好ましい。前記の置換
基は、架橋性シリル基含有基以外の選択した樹脂又は室
温硬化性樹脂と実質的に反応しない基であればどのよう
な基でもよいが、例えば、3−イソシアネートプロピル
トリメトキシシランとジブチルアミンとを反応させたと
きのウレイレン基に結合しているどちらか一方のブチル
基や、3−アミノプロピルトリメトキシシランとオクタ
デシルモノイソシアネートとを反応させたときのウレイ
レン基に対し過剰のオクタデシルモノイソシアネートが
ビウレット結合したもの、或いは3−イソシアネートプ
ロピルトリメトキシシランとオクタデシルアミンとを反
応させたときのウレイレン基に対し過剰の3−イソシア
ネートプロピルトリメトキシシランがビウレット結合し
たもの、或いは3−イソシアネートプロピルトリメトキ
シシランとオクタデシルアミンとを反応させたときのウ
レイレン基に対し過剰の3−イソシアネートプロピルト
リメトキシシランがビウレット結合したものなどが挙げ
られる。
【0042】第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性
シリル基を含有する有機化合物としては、分子内に第1
級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を少なく
とも含有すればよく、架橋性シリル基は1個以上含有し
ていればよいが、選択した樹脂又は室温硬化性樹脂と反
応する他の官能基は含有していない。例えば、3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
などが挙げられる。これらは単独で或いは2種以上混合
して使用できる。これらのうち、安定した遥変性付与効
果の点から、第1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性
シリル基を含有する脂肪族化合物が好ましく、特にN−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシランが好ましい。
【0043】有機モノイソシアネートとしては、分子内
にイソシアネート基を1個含有すればよいが、架橋性シ
リル基及び選択した樹脂又は室温硬化性樹脂と反応する
他の官能基は含有していない。すなわち、有機モノイソ
シアネートのイソシアネート基以外の基としては、疎水
性の有機基(特に炭化水素基)が好ましい。具体的に
は、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノ
イソシアネート、n−テトラデシルモノイソシアネー
ト、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、オクタデシ
ルモノイソシアネート、n−クロロエチルモノイソシア
ネートなどの脂肪族モノイソシアネート、クロロフェニ
ルモノイソシアネート、3,5−ジクロロフェニルモノ
イソシアネート、p−フルオロフェニルモノイソシアネ
ート、2,4−ジフルオロフェニルモノイソシアネー
ト、o−トリフルオロメチルフェニルモノイソシアネー
ト、p−ニトロフェニルモノイソシアネート、p−イソ
プロピルフェニルモノイソシアネート、2,6−ジイソ
プロピルフェニルモノイソシアネート、p−トルエンス
ルホニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェ
ニルモノイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネー
ト、その他に2−メタクリロイルオキシエチルイソシア
ネートなどが挙げられる。このうち、脂肪族モノイソシ
アネートが好ましい。これらは単独で或いは2種以上混
合して使用できる。これらのうち、安定した揺変性付与
効果の点でオクタデシルモノイソシアネートが特に好ま
しい。
【0044】第1級及び/又は第2級アミノ基含有有機
化合物としては、有機モノアミンや有機ポリアミンが挙
げられ、分子内に架橋性シリル基及び選択した樹脂又は
室温硬化性樹脂と反応する他の官能基は含有していな
い。第1級アミンとしては、モノアミンとして、メチル
アミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、へプチルアミン、2−エチルヘキ
シルアミン、オクチルアミン、テトラデシルアミン、ペ
ンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、
オレイルアミン、オクタデシルアミン等の脂肪族モノア
ミン、トリメチルシクロヘキシルアミン等の脂環族モノ
アミン、ベンジルアミン等の芳香脂肪族モノアミン、ア
ニリン等の芳香族モノアミン、3−メトキシプロピルア
ミン、3−エトキシプロピルアミン、2−エチルへキシ
ルオキシプロピルアミン等の酸素原子含有脂肪族アミ
ン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプ
ロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン等の第3
級窒素原子含有脂肪族アミンなどを挙げることができ、
ジアミンとして、エチレンジアミン、1,3−ジアミノ
プロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミ
ノブタン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノ
へプタン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,8
−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,1
0−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、
1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリ
デカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−
ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカ
ン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジア
ミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、
1,20−ジアミノエイコサン、1,21−ジアミノヘ
ンティコサン、1,22−ジアミノドコサン、1,23
−ジアミノトリコサン、1,24−ジアミノテトラコサ
ン等の脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノ
ジシクロへキシルメタン等の脂環族ジアミン、キシレン
ジアミン等の芳香脂肪族ジアミン、フェニレンジアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、4,4′―ジアミノ―
3,3′−ジエチルジフェニルメタン等の芳香族ジアミ
ン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレ
ンジアミン等のポリエーテルジアミンなどを挙げること
ができ、トリアミンとして、トリ(メチルアミノ)へキ
サン等の脂肪族トリアミンなどを挙げることができる。
第2級アミンとしては、モノアミンとして、ジエチルア
ミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブ
チルアミン、ジヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシ
ルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メ
チルラウリルアミンなどの脂肪族モノアミン、ジフェニ
ルアミン等の芳香族モノアミン、ジアミンとして、N,
N′−ジラウリルプロピルジアミン、N,N′−ジステ
アリルブチルジアミン、N−ブチル−N′−ラウリルエ
チルジアミン、N−ブチル−N′−ラウリルプロピルジ
アミン、N−ラウリル−N′−ステアリルブチルジアミ
ンなどの脂肪族ジアミンを挙げることができる。その他
のアミンとしては、N−ラウリルプロピレンジアミン、
N−ステアリルプロピレンジアミンなどを挙げることが
できる。第1級アミノ基と第2級アミノ基を有するポリ
アミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、メチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ア
ミンなどを挙げることができる。また他の官能基を含有
するアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、アリルアミン、アミノ酢酸などが挙げら
れる。また、前記第1級及び/又は第2級アミノ基含有
有機化合物としては、炭化水素基の一部の水素原子が塩
素などのハロゲン原子と置換したものも含まれる。これ
らは単独で或いは2種以上混合して使用することができ
る。これらのうちで、安定した揺変性付与効果の大きさ
から、他の官能基を有しない脂肪族第1級アミンが好ま
しく、特に他の官能基を有しない脂肪族第1級モノアミ
ンが好ましい。
【0045】架橋性シリル基含有有機イソシアネート化
合物としては、分子内にイソシアネート基と架橋性シリ
ル基を少なくとも含有すればよく、架橋性シリル基は1
個以上含有していればよいが、選択した樹脂又は室温硬
化性樹脂と反応する他の官能基は含有していない。架橋
性シリル基含有有機イソシアネート化合物としては、具
体的には、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシ
ラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラ
ン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−イソシアネートプロピルイソプロポキシシラ
ン、イソシアネートトリメトキシシラン等の架橋性シリ
ル基含有有機モノイソシアネート化合物、ジイソシアネ
ートジメトキシシラン等の架橋性シリル基含有有機ポリ
イソシアネート化合物などが挙げられ、これらは単独で
或いは2種以上混合して使用できる。これらのうち、揺
変性付与効果の高さの点で架橋性シリル基含有有機モノ
イソシアネート化合物が好ましく、3−イソシアネート
プロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
【0046】有機ポリイソシアネートとしては、例え
ば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシ
アネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂
肪族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイ
ソシアネート、ブチレンジイソシアネートなどの脂肪族
ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、
メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソ
ホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート
等の有機ジイソシアネートが挙げられる。また、これら
のアダクト変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレー
ト変性体、ウレイレンイミン変性体、ウレトジオン変性
体、カルボジイミド変性体等のいわゆる変性ポリイソシ
アネートも使用できる。更に、ポリフェニレンポリメチ
レンポリイソシアネート、クルードトルエンポリイソシ
アネート等のような、いわゆるポリメリック体といわれ
るポリイソシアネートも使用できる。また、有機ポリイ
ソシアネートとプロピレングリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリンなどの低分子量ポリオールとを、
活性水素基に対してイソシアネート基過剰で反応して得
られるイソシアネート基含有化合物も使用できる。これ
らは単独で或いは2種以上混合して使用できる。これら
のうち、脂環族ポリイソシアネートが好ましい。
【0047】有機モノアルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチル
アルコール、n−アミルアルコール、n−オクタノー
ル、n−ラウリルアルコール、セチルアルコール、ミリ
シルアルコール、シクロヘキサノール、フェノール、ベ
ンジルアルコールなどが挙げられる。これらは単独で或
いは2種以上混合して使用できる。
【0048】なお、前記の置換基を有していてもよい有
機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物の
各合成反応において、イソシアネート基/活性水素
(基)の反応当量比は0.01/1〜10/1、更に
0.1/1〜2/1、特に0.2/1〜1/1の範囲が
好ましい。イソシアネート基/活性水素(基)の反応当
量比が0.01/1を下まわると揺変性付与効果が小さ
くなり過ぎ、10/1を越えると未反応のイソシアネー
ト基が多く残り、発泡などの悪影響が出て来る。
【0049】本発明における架橋性シリル基反応性官能
基含有無機系物質粒子は、粒子表面に置換基を有してい
てもよい有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含
有化合物の架橋性シリル基に対して反応可能な官能基を
有しているものであればどのようなものでもよい。この
ような架橋性シリル基と反応可能な官能基としては具体
的には例えば、Mg−OH、Ca−OH、Ti−OH、
Fe−OH、Al−OH、Si−OH等の各種金属原子
に結合した水酸基が挙げられる。また、前記架橋性シリ
ル基反応性官能基を無機系物質の粒子表面に有している
ならば、単一の無機系物質粒子が前記反応性官能基を有
しているものであってもよく(例えば二酸化ケイ素粒
子)、他の無機系物質粒子が前記反応性官能基を有して
いる無機物質により被覆或いは混合等により複合化され
ているものでもよく(例えば、炭酸カルシウム粒子の表
面を二酸化ケイ素粒子でコーティングしたもの)、また
他の無機系物質粒子に不純物として前記反応性官能基を
有している無機物質が含有されているものであってもよ
い(例えば、炭酸カルシウム粒子中に不純物として二酸
化ケイ素を含有したもの)。なお、ここにおいて、例え
ば二酸化ケイ素(SiO)等の化学式では水酸基がな
いものでも、粒子表面は水分により反応を受け、水酸基
を含有しているのである。また、金属粒子については、
粒子表面が酸化され、次いで水分により反応を受け、使
用の際には粒子表面に水酸基を含有しているのである。
また、前記無機系物質粒子には、炭素(カーボンブラッ
ク等)或いは(メタ)アクリル系重合体粒子、サランマ
イクロバルーン等の有機系物質粒子を、前記無機物質で
被覆処理等加工したものも含まれる。前記架橋性シリル
基と反応可能な官能基を有している無機系物質粒子とし
ては、石灰石、珪藻土、カオリンクレーなどの天然鉱物
を微粉砕したものでもよいし、また沈降炭酸カルシウ
ム、乾式法シリカ粒子等の合成品あってもよく、具体的
に例えば、チタン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニ
ウム等の金属粒子、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素
(シリカ)、含水ケイ酸等の金属酸化物粒子、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等
の金属水酸化物粒子、重質炭酸カルシウムや沈降炭酸カ
ルシウム(軽質炭酸カルシウム又はコロイド状炭酸カル
シウム)等の炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム
等の金属炭酸塩粒子、ウォラストナイト等のケイ酸カル
シウム、含水ケイ酸カルシウム、カオリンクレー等のケ
イ酸アルミニウム、天然マイカ等のケイ酸アルミニウム
−カリウム、含水ケイ酸アルミニウム、タルク等のケイ
酸マグネシウム等の金属ケイ酸塩粒子、ジルコニア等の
セラミックス粒子、カリガラス等の各種ガラス粒子等が
挙げられ、これらは単独で或いは2種以上混合して使用
できる。更に、二酸化ケイ素(シリカ)としては、石
英、ケイ砂、珪藻土等を粉砕した天然シリカ、また、沈
降法シリカ等の湿式法シリカ、フュームドシリカ等の乾
式法シリカ等の合成シリカ等が挙げられる。また、前記
無機系物質粒子の形状はどんなものであってもよく、具
体的には例えば、フュームドシリカ等の球状、セピオラ
イト、ウォラストナイト等の繊維状あるいは針状、マイ
カやタルク等のフレーク状(板状)、雲母等の鱗片状、
シリカゲル等の多孔質状、シリカバルーン等のバルーン
状、珪藻土等の管状など種々の形状が挙げられ、用途に
応じて使い分けることができる。本発明において、前記
無機系物質粒子の平均(一次)粒子径(直径又は長径)
は、1,000,000nm(1,000μm)以下、
更には1〜100,000nm(100μm)、特に1
〜10,000nm(10μm)が好ましく、また更
に、置換基を有していてもよい有機基結合ウレイレン基
及び架橋性シリル基含有化合物を粒子表面で反応させた
無機系物質粒子が樹脂に対して揺変性を付与する効果が
大きい点で、前記無機系物質粒子の平均(一次)粒子径
は1〜1,000nmのコロイド状と呼ばれるものが好
ましく、更に1〜100nmが好ましく、特に5〜50
nmが好ましい。またBET比表面積(m/g)は、
0.1以上、更には20〜500が好ましく、特に40
〜500が好ましい。本発明においては、前記のうち、
金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属炭酸塩粒子、
金属ケイ酸塩粒子が好ましく、更に二酸化ケイ素粒子が
好ましく、特に置換基を有していてもよい有機基結合ウ
レイレン基及び架橋性シリル基含有化合物を反応させた
とき、樹脂に対する揺変性付与効果が大きいことよりコ
ロイド状のシリカが最も好ましい。また、前記無機系物
質粒子は結晶水を持っていてもよいし、また持っていな
くてもよいが、組成物が一液湿気硬化型の場合は、貯蔵
安定性を向上させるためには結晶水を持っていない方が
好ましい。
【0050】置換基を有していてもよい有機基結合ウレ
イレン基含有無機系物質粒子は、樹脂成分100重量部
に対して、0.1〜300重量部、更に1〜100重量
部、特に5〜50重量部配合するのが好ましい。配合量
が0.1重量部を下まわると揺変性付与効果が小さくな
り過ぎ、300重量部を越えると作業性が悪くなる。
【0051】本発明において、揺変性室温硬化性組成物
を製造する方法としては、前記の置換基を有していても
よい有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化
合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子
とを、触媒及び/又は有機分散媒の存在下又は不存在
下、5〜200℃の温度で、0.1〜100時間、好ま
しくは30〜80℃の温度で、0.5〜5時間加熱し反
応させて置換基を有していてもよい有機基結合ウレイレ
ン基含有無機系物質粒子をあらかじめ合成し、次いで得
られた置換基を有していてもよい有機基結合ウレイレン
基含有無機系物質粒子(有機分散媒を使用したときは、
有機分散媒混合体のままか、或いはロ過又は有機分散媒
を揮発などして分離したもの)を、室温硬化性樹脂に添
加、混合して揺変性室温硬化性組成物を得る方法が挙げ
られる。触媒と有機分散媒は必要に応じて使用すればよ
いが、触媒は反応温度を低下でき、反応時間も短縮でき
る点で、有機分散媒は反応を均一にできる点で使用する
のが好ましい。なお、必要に応じて後述の添加剤を混合
する。揺変性室温硬化性組成物を製造する他の方法とし
ては、室温硬化性樹脂の存在下、かつ、触媒及び/又は
有機分散媒の存在下又は不存在下、置換基を有していて
もよい有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有
化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒
子とを5〜200℃の温度で0.1〜100時間、好ま
しくは30〜80℃の温度で0.5〜10時間加熱し反
応させて置換基を有していてもよい有機基結合ウレイレ
ン基含有無機系物質粒子を合成すると同時に揺変性室温
硬化性組成物を得る方法が挙げられる。触媒と有機分散
媒は必要に応じて使用すればよいが、触媒は反応温度を
低下でき、反応時間も短縮できるため使用するのが好ま
しい。なお、必要に応じて後述の添加剤を混合する。後
者の室温硬化性樹脂などの存在下、置換基を有していて
もよい有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有
化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒
子とを反応させる製造方法の方が、製造し易く低コスト
である点から特に好ましい。なお、前記の置換基を有し
ていてもよい有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒
子は、トリメチルクロロシランやヘキサメチルシラザン
などで親水性シリカなどの表面を処理した疎水性シリカ
などにおいて、置換基を有していてもよい有機基結合ウ
レイレン基及び架橋性シリル基含有化合物を、残ってい
る少量のSi−OH基に、或いは少量の水の存在下に加
水分解と同時に反応させることにより合成することもで
きる。前記の必要に応じて使用する触媒としては、後述
の架橋性シリル基含有樹脂やイソシアネート基含有ウレ
タン系プレポリマーの硬化を促進させるための触媒が挙
げられ、それらのうち反応速度が高く、毒性及び揮発性
の比較的低い液体である点から有機錫化合物や有機金属
キレート化合物が好ましく、更に有機金属キレート化合
物が好ましく、ジブチル錫ジアセチルアセトナートが最
も好ましい。前記の必要に応じて使用する触媒は、架橋
性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子100重量
部に対して、0〜10重量部、特に0.05〜3重量部
配合するのが好ましい。前記の必要に応じて使用する有
機分散媒としては、後述の添加剤として例示した有機溶
剤又は可塑剤で各成分と反応しないものであればどのよ
うなものでも使用できる。前記の必要に応じて使用する
有機分散媒は、架橋性シリル基反応性官能基含有無機系
物質粒子100重量部に対して、0〜3,000重量
部、特に50〜2,000重量部配合するのが好まし
い。
【0052】本発明における添加剤としては、触媒、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、カップリン
グ剤、粘着性付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着
色剤、有機溶剤等が挙げられる。
【0053】触媒は、室温硬化性樹脂の硬化を促進させ
るための触媒であり、架橋性シリル基含有樹脂やイソシ
アネート基含有ウレタン系プレポリマーの硬化を促進さ
せるための触媒、ポリサルファイド樹脂や不飽和ポリエ
ステル樹脂の硬化を促進させるための(ラジカル重合)
触媒、アルキッド樹脂の硬化を促進させるための乾燥用
触媒などが挙げられる。架橋性シリル基含有樹脂やイソ
シアネート基含有ウレタン系プレポリマーの硬化を促進
させるための触媒としては、具体的には、有機金属化合
物、アミン類等が挙げられ、例えば、オクチル酸錫、ナ
フテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオク
トエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセ
テート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジステアレ
ート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバー
サテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリ
エトキシシリケート、ジブチル錫オキサイドとフタル酸
エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル
錫ジアセチルアセトナート、ジルコニウムテトラアセチ
ルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等
の有機金属キレート化合物、アルミニウムトリスアセチ
ルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセ
テート等の有機アルミニウム化合物、オクチル酸鉛など
の有機酸鉛塩、テトラブチルチタネート、テトラプロピ
ルチタネート等のチタン酸エステル類、オクチル酸ビス
マス、ビスマスバーサテイト等の有機ビスマス化合物、
ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジ
ブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級
アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリ
エチレンジアミン、N−エチルモルフォリン等の第3級
アミン類、或いはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩
類等が挙げられる。これらのうち、反応速度が高く、毒
性及び揮発性の比較的低い液体である点から有機錫化合
物や有機金属キレート化合物が好ましく、更に有機金属
キレート化合物が好ましく、ジブチル錫ジアセチルアセ
トナートが最も好ましい。ポリサルファイド樹脂や不飽
和ポリエステル樹脂の硬化を促進させるための(ラジカ
ル重合)触媒としては、二酸化鉛、二酸化マンガン、過
酸化カルシウム、過酸化亜鉛、過ホウ酸ソーダ、パラキ
ノンジオキシム、ジニトロベンゼン、メチルエチルケト
ンパーオキサイド−コバルト石鹸等が挙げられる。アル
キッド樹脂の硬化を促進させるための乾燥用触媒として
は、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。触媒は、硬化
速度、硬化物の物性などの点から、室温硬化性樹脂10
0重量部に対して、0〜10重量部、特に0.05〜2
重量部配合するのが好ましい。
【0054】酸化防止剤、紫外線吸収剤は、樹脂の酸化
や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性
を更に向上させるために使用することができる。酸化防
止剤としては具体的には、ヒンダードアミン系やヒンダ
ードフェノール系の酸化防止剤を挙げることができる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、[デカン二酸
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオ
キシ)−4−ピペリジル)エステル、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,
5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ
フェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられ
る。また、旭電化工業社製のアデカスタブシリーズの各
化合物も挙げられる。ヒンダードフェノール系酸化防止
剤としては、ペンタエリストール−テトラキス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス
(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C
9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1
−メチルペンタデシル)フェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−
(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−
イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等の
トリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤が
挙げられる。
【0055】充填剤、可塑剤、カップリング剤、粘着性
付与剤、保存安定性改良剤(脱水剤)、着色剤等は、接
着性向上、補強、だれ防止、着色等のために使用するこ
とができる。充填剤としては、例えば、木粉、クルミ殻
粉、もみ殻粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、グラファ
イト、珪藻土、白土、カオリン、クレー、タルク、無水
ケイ酸、石英粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、アス
ベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、カーボ
ンブラック、フュームドシリカや沈降性シリカ等の合成
シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタ
ン、アルミナ、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリ
カバルーン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
ケイ素等の無機充填剤や、粉末ゴム、再生ゴム、熱可塑
性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレン等の中
空体等の有機充填剤が挙げられる。可塑剤としては、例
えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ
(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフ
タレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタ
ル酸エステル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルセ
バケート等の非芳香族2塩基酸エステル類、トリクレジ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エ
ステルが挙げられ、比較的高分子量タイプの可塑剤とし
ては、例えば、2塩基酸と2価アルコールとからのポリ
エステル類等のポリエステル系可塑剤、ポリプロピレン
グリコールやその誘導体等のポリエーテル類、ポリ−α
−メチルスチレン等のポリスチレン類、低粘度の(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体、その他、プロセス
オイル類、アルキルベンゼン類が挙げられる。カップリ
ング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコア
ルミネート系などのものを挙げることができ、このうち
シラン系カップリング剤が接着性に優れているので好ま
しい。シランカップリング剤としては、メチルトリメト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメ
トキシシラン、n−プロピルトリメトキシシランなどの
アルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノ
キシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、3−
グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン
などのアルキルイソプロペノキシシラン類;3−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルジメチルメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシランなどの官能基を有する
アルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキ
サン類等が挙げられる。接着性付与剤としては、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、アルキルチ
タネート類、ポリイソシアネート化合物等が挙げられ
る。本発明において、置換基を有していてもよい有機基
結合ウレイレン基含有無機系物質粒子は揺変性付与効果
が大きいため、他の揺変剤は使用しなくても良いが、揺
変性付与の補助として使用することもできる。このよう
な揺変剤としては、例えば、コロイダルシリカ、石綿粉
等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステル
ポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤が挙げられ
る。保存安定性改良剤としては、組成物中に存在する水
分と反応する、ビニルトリメトキシシランなどの低分子
の架橋性シリル基含有化合物、酸化カルシウムなどが挙
げられる。着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの
無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カー
ボンブラックなどが挙げられる。
【0056】有機溶剤としては、n−ヘキサンなどの脂
肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トル
エンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機
溶剤が挙げられ、これらは組成物の各成分に反応しない
ものであればどのようなものでも使用することができ
る。
【0057】本発明において、前記各添加剤成分はそれ
ぞれ単独で或いは2種以上混合して使用することができ
る。
【0058】なお、本発明の揺変性樹脂組成物、揺変性
室温硬化性組成物は用途に応じて一液型としても、二液
型としても使用できるが、主剤と硬化剤を混合する手間
が無く、また混合不良による硬化不良などの不具合も無
く作業性に優れているため、一液型の遥変性室温硬化性
組成物が好ましく、更に一液湿気硬化型遥変性室温硬化
性組成物が好ましい。
【0059】
【実施例】以下、本発明について実施例等により更に詳
細に説明する。ここにおいて、揺変性室温硬化性組成物
の例として接着剤組成物を示したが、これに限定される
ものではない。
【0060】〔炭化水素基結合ウレイレン基及び架橋性
シリル基含有化合物の合成〕 合成例1 攪拌機、温度計、窒素シール管及び冷却器の付いた加温
反応容器に、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン(チッソ社製S−31
0)を103.2g仕込み、攪拌しながらオクタデシル
モノイソシアネート(保土谷化学工業社製ミリオネート
O)295.0g(R値(NCO当量/アミノ基当量)
=1.0)を滴下ロートにより65℃以下に冷却しなが
ら加えたのち、加温して65℃で30分間攪拌を行い、
FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を確認
し、常温まで冷却して反応を終了させた。得られた反応
生成物は、常温で固体であった。これをS−1と称す
る。
【0061】合成例2 合成例1と同様な加温反応容器に、3−イソシアネート
プロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー社製Y−5
187)を205.4g仕込み、攪拌しながらn−ブチ
ルアミン73.1g(R値(NCO当量/アミノ基当
量)=1.0)を滴下ロートにより65℃以下に冷却し
ながら加えたのち、加温して40℃で30分間攪拌を行
い、FTIRによりイソシアネート基のピークの消失を
確認し、常温まで冷却して反応を終了させた。得られた
反応生成物は、常温で透明の液体であった。これをS−
2と称する。
【0062】合成例3 合成例1と同様な加温反応容器に、イソホロンジイソシ
アネート(デグサヒュルスジャパン社製IPDI)を2
22.3g仕込み、攪拌しながら3−アミノプロピルト
リメトキシシラン(チッソ社製S−360)179.3
gとn−ブチルアミン73.1g(R値(NCO当量/
合計アミノ基当量)=1.0)を滴下ロートにより80
℃以下に冷却しながら順次加えたのち、加温して40℃
で30分間攪拌を行い、FTIRによりイソシアネート
基のピークの消失を確認し、常温まで冷却して反応を終
了させた。得られた反応生成物は、常温で固体であっ
た。これをS−3と称する。
【0063】〔炭化水素基結合ウレイレン基含有シリカ
の合成〕 合成例4 合成例1と同様な加温反応容器に、トルエン100.0
gと親水性コロイド状シリカ(日本アエロジル社製AE
ROSIL200、BET比表面積200m/g、平
均一次粒子径約12nm)16.0gを仕込み、攪拌し
ながら合成例1で得た炭化水素基結合ウレイレン基及び
架橋性シリル基含有化合物S−1を6.0gとジブチル
錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU
−220)を0.22g加えたのち、加温して60℃で
8時間攪拌を行い、常温まで冷却して反応を終了させ
た。反応生成物をロ過し、残査をトルエンにより2回洗
浄して、白色の粒子を得た。これをR−1と称する。な
お、FTIRにより、1570cm-1付近と1470
cm-1付近にウレア基(ウレイレン基)による吸収
と、2920cm-1付近と2850cm-1付近にメチ
レン結合による吸収が認められたことにより、親水性コ
ロイド状シリカに炭化水素基結合ウレイレン基が反応、
導入されたことが確認された。
【0064】〔イソシアネート基含有ウレタンプレポリ
マーの合成〕 合成例5 合成例1と同様な加温反応容器に、ポリオキシプロピレ
ンジオール(数平均分子量3,200、旭硝子社製エク
セノール−3021)457.6gとポリオキシプロピ
レントリオール(数平均分子量4,000、三井化学社
製MN−4000)291.7gとトルエン44.7g
を仕込み、攪拌しながら4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート(日本ポリウレタン工業社製ミリオネー
トMT)195.4g(R値(NCO当量/OH当量)
=3.1)とジブチル錫ジラウレート0.1gを加えた
のち、加温して70〜80℃で2時間攪拌を行い、イソ
シアネート基濃度が理論値(4.49質量%)以下にな
った時点で、常温まで冷却して反応を終了させた(実測
イソシアネート基濃度4.38質量%)。得られたイソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマーは、常温で透明
の粘度8,500mPa・s/25℃の液体であった。
【0065】実施例1 加熱、冷却装置付き混練容器に、合成例5で得たイソシ
アネート基含有ウレタンプレポリマーを889.0gと
親水性コロイド状シリカ(日本アエロジル社製AERO
SIL200、BET比表面積200m/g、平均一
次粒子径約12nm)を67.6gと合成例1で得た炭
化水素基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合
物S−1を25.5gとジブチル錫ジアセチルアセトナ
ート(日東化成社製ネオスタンU−220)を0.9g
仕込み、60℃で2時間攪拌、混合した後、常温まで冷
却し、減圧脱泡して、接着剤組成物を調製した。
【0066】実施例2 実施例1において、炭化水素基結合ウレイレン基及び架
橋性シリル基含有化合物S−1を25.5g使用する代
わりに、合成例2で得た炭化水素基結合ウレイレン基及
び架橋性シリル基含有化合物S−2を8.0g使用した
以外は同様にして、接着剤組成物を調製した。
【0067】実施例3 実施例1において、炭化水素基結合ウレイレン基及び架
橋性シリル基含有化合物S−1を25.5g使用する代
わりに、合成例3で得た炭化水素基結合ウレイレン基及
び架橋性シリル基含有化合物S−3を28.8g使用し
た以外は同様にして、接着剤組成物を調製した。
【0068】実施例4 加熱、冷却装置付き混練容器に、架橋性シリル基含有ポ
リオキシプロピレン樹脂(数平均分子量20,000、
旭硝子社製ES−S3630)を889.0gと合成例
4で得た炭化水素基結合ウレイレン基含有シリカR−1
を108.8g仕込み、1時間攪拌して、混合した。そ
の後、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社
製ネオスタンU−220)9.0gを仕込み、内容物が
均一になるまで攪拌、混合した後、減圧脱泡して、接着
剤組成物を調製した。B型回転粘度計(10rpm)に
よる、25℃における粘度は785Pa・sと低いもの
であった。
【0069】実施例5 実施例4において、炭化水素基結合ウレイレン基含有シ
リカR−1を108.8g使用する代わりに54.4g
使用した以外は同様にして、接着剤組成物を調製した。
B型回転粘度計(10rpm)による、25℃における
粘度は242Pa・sと低いものであった。
【0070】比較例1 実施例1において、炭化水素基結合ウレイレン基及び架
橋性シリル基含有化合物S−1を25.5g使用する代
わりに、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン(チッソ社製S520)を6.35g使用した以外
は同様にして、接着剤組成物を調製した。
【0071】比較例2 実施例1において、炭化水素基結合ウレイレン基及び架
橋性シリル基含有化合物S−1を25.5g使用する代
わりに、ジメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製
KBM22)を3.5g使用した以外は同様にして、接
着剤組成物を調製した。
【0072】比較例3 実施例1において、炭化水素基結合ウレイレン基及び架
橋性シリル基含有化合物S−1を25.5g使用する代
わりに、n−オクチルトリエトキシシラン(日本ユニカ
ー社製A−137)を13.5g使用した以外は同様に
して、接着剤組成物を調製した。
【0073】比較例4 実施例4において、炭化水素基結合ウレイレン基含有シ
リカR−1を使用する代わりに、親水性コロイド状シリ
カ(日本アエロジル社製AEROSIL200、BET
比表面積200m/g、平均一次粒子径約12nm)
を使用した以外は同様にして、接着剤組成物を調製し
た。B型回転粘度計(10rpm)による、25℃にお
ける粘度は1,213Pa・sと高いものであった。
【0074】比較例5 実施例5において、炭化水素基結合ウレイレン基含有シ
リカR−1を使用する代わりに、親水性コロイド状シリ
カ(日本アエロジル社製AEROSIL200、BET
比表面積200m/g、平均一次粒子径約12nm)
を使用した以外は同様にして、接着剤組成物を調製し
た。B型回転粘度計(10rpm)による、25℃にお
ける粘度は278Pa・sと高いものであった。
【0075】〔性能試験〕前記実施例1〜5と比較例1
〜5で調製した接着剤組成物を用いて、次の方法により
スランプ試験を行った。なお、実施例1〜3と比較例1
〜3については製造直後のスランプ及び接着剤組成物を
50℃で10日間貯蔵した後のスランプを測定し、実施
例4、5と比較例4、5については製造直後のスランプ
を測定した。 JIS A1439:1997「建築用シーリング材の
試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠して、スラ
ンプ(縦)を測定した(測定温度23℃)。この結果と
接着剤組成物の組成などをまとめて表1〜3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、樹
脂、特に室温硬化性樹脂に対し十分に安定した揺変性を
付与することができるため、結果として多様な組成を組
むことができ、また低粘度で分散容易かつ貯蔵安定性、
作業性に優れた揺変性樹脂組成物及び揺変性室温硬化性
組成物並びにその製造方法を提供することができる。ま
た、本発明により、遥変性を消失させることなく、触媒
を使用することができるため、硬化速度の大きい揺変性
室温硬化性組成物を提供することでができる。すなわ
ち、本発明の揺変性樹脂組成物、揺変性室温硬化性組成
物は、建築物などの幅広の垂直目地などに塗布施工した
とき垂れないような、重いタイルなどを壁面に接着する
ときずり落ちないような強い揺変性を発現することがで
きる。そのため、建築物、土木、自動車用などの塗料、
接着剤、塗膜防水塗料、塗り床材、パテ材、シーリング
材などに特に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 真人 茨城県新治郡千代田町上稲吉2044番地6号 オート化学工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 青野 満 茨城県新治郡千代田町上稲吉2044番地6号 オート化学工業株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 CD001 CF011 CF211 CK021 CN021 CP031 DA076 DA086 DA096 DA116 DE076 DE086 DE106 DE116 DE136 DE146 DE216 DE236 DJ006 DJ016 DJ046 DJ056 FA016 FA046 FA086 FA106 FB146 GJ02 4J026 AA43 AA45 AA53 AA54 AA55 AA61 BA28 BA30 DB06 DB36 GA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分と、置換基を有していてもよい
    有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子とを含有す
    ること、を特徴とする揺変性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 室温硬化性樹脂と、置換基を有していて
    もよい有機基結合ウレイレン基含有無機系物質粒子とを
    含有すること、を特徴とする揺変性室温硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記の置換基を有していてもよい有機基
    結合ウレイレン基含有無機系物質粒子が、置換基を有し
    ていてもよい有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル
    基含有化合物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系
    物質粒子との反応生成物である、請求項1又は2に記載
    の揺変性組成物。
  4. 【請求項4】 前記の置換基を有していてもよい有機基
    結合ウレイレン基含有無機系物質粒子の有機基が、前記
    の樹脂成分又は室温硬化性樹脂と反応しない官能基、エ
    ーテル形結合酸素原子及び/又は第3級窒素原子を有し
    ていてもよい炭化水素基である、請求項1又は2に記載
    の揺変性組成物。
  5. 【請求項5】 前記の置換基を有していてもよい有機基
    結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物が、架
    橋性シリル基及び有機基(イ)含有化合物と、該有機基
    (イ)と反応可能な有機基(ロ)を含有する有機化合物
    との反応生成物であるか、或いは、架橋性シリル基及び
    有機基(イ)含有化合物と、有機基(ハ)を含有する有
    機化合物とを、該有機基(イ)と反応可能な有機基
    (ニ)及び該有機基(ハ)と反応可能な有機基(ホ)を
    含有する有機低分子化合物を介して反応させた生成物で
    ある、請求項3に記載の揺変性室温硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 前記の置換基を有していてもよい有機基
    結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物が、第
    1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有
    する有機化合物と、有機モノイソシアネートとの反応生
    成物である、請求項3に記載の揺変性室温硬化性組成
    物。
  7. 【請求項7】 前記の置換基を有していてもよい有機基
    結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物が、第
    1級及び/又は第2級アミノ基含有有機化合物と、架橋
    性シリル基含有有機イソシアネート化合物との反応生成
    物である、請求項3に記載の揺変性室温硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 前記の置換基を有していてもよい有機基
    結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合物が、第
    1級及び/又は第2級アミノ基と架橋性シリル基を含有
    する有機化合物と、第1級及び/又は第2級アミノ基含
    有有機化合物とを、有機ポリイソシアネートを介して反
    応させた生成物である、請求項3に記載の揺変性室温硬
    化性組成物。
  9. 【請求項9】 前記架橋性シリル基反応性官能基含有無
    機系物質粒子が、金属粒子、金属酸化物粒子、金属水酸
    化物粒子、金属炭酸塩粒子及び金属ケイ酸塩粒子からな
    る群から選ばれる1種又は2種以上の粒子である、請求
    項3に記載の揺変性室温硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 前記架橋性シリル基反応性官能基含有
    無機系物質粒子が二酸化ケイ素粒子である、請求項3に
    記載の揺変性室温硬化性組成物。
  11. 【請求項11】 前記室温硬化性樹脂が、架橋性シリル
    基含有樹脂又はイソシアネート基含有ウレタン系プレポ
    リマーである、請求項2に記載の揺変性室温硬化性組成
    物。
  12. 【請求項12】 更に添加剤を含有する、請求項1〜1
    1のいずれか一項に記載の揺変性組成物。
  13. 【請求項13】 請求項2に記載の揺変性室温硬化性組
    成物の製造方法であって、 室温硬化性樹脂の存在下、かつ、触媒及び/又は有機分
    散媒の存在下又は不存在下で、置換基を有していてもよ
    い有機基結合ウレイレン基及び架橋性シリル基含有化合
    物と架橋性シリル基反応性官能基含有無機系物質粒子と
    を反応させて、置換基を有していてもよい有機基結合ウ
    レイレン基含有無機系物質粒子を合成すること、を特徴
    とする前記方法。
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JP2010043288A (ja) * 2002-05-03 2010-02-25 Sika Schweiz Ag 熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2014502305A (ja) * 2010-12-07 2014-01-30 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア ポリウレタン複合材料

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