JP2006213781A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上述の問題点を解決するために、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と、元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とを含有することを特徴とする硬化性組成物という構成をとることにより課題を解決した。さらに硬化性組成物には、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤および着色剤などの添加剤を含んでいてもよい。
Description
また、特定の総不飽和度の低いポリアルキレンポリオールに基づくウレタンプレポリマーという特定のプレポリマーに、加水分解によりイソシアネート基と反応しうる活性水素を発生させるシリル基を含有する特定の化合物を添加して炭酸ガスによる発泡の少ない湿気硬化性組成物とすることが知られている(たとえば、特許文献2、特許文献3参照。)。
しかし、これらの従来の方法により、穏やかな条件下においては炭酸ガスによる硬化物の発泡を防止できるのであるが、夏場のような高温、多湿で著しく発泡を起こしやすい厳しい条件下では依然として発泡防止効果が不十分である。
より詳しくは、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とを含有することを特徴とする硬化性組成物、さらに好ましくは、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とからなることを特徴とする硬化性組成物に関する。
そして、湿気により加水分解して水酸基合有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)としては、たとえば水酸基含有化合物とアルコキシシリル基含有化合物との縮合反応により得られる化合物などが挙げられ、この水酸基含有化合物としてポリオール化合物などが挙げられる。
さらに、元素周期表第14族の金属系触媒(D)として、錫金属系触媒および鉛金属系触媒がある。このうち錫金属系触媒としては錫と有機酸との塩、有機錫オキサイド、錫のキレート化合物などが挙げられる。このうち錫と有機酸との塩としては、たとえばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナートなどが挙げられ、これらの錫金属系触媒は、1種類あるいは2種類以上を併用することもできる。鉛金属系触媒としては、鉛と有機酸との塩などが挙げられる。
芳香脂肪族系有機ポリイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられ、狭義の脂肪族系有機ポリイソシアネートとしては脂肪族ポリイソシアネートと脂環族ポリイソシアネートが挙げられ、脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネートなどが挙げられ、脂環族ポリイソシアネートとしては、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、これらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)なども挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、発泡防止性と耐候性に優れている点で、広義の脂肪族系有機ポリイソシアネートが好ましく、よりさらにキシリレンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、場合により用いる有機モノイソシアネートとしては、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−オクタデシルモノイソシアネートなどが挙げられる。
また、例えば、低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε-カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールの1分子当たり平均アルコール性水酸基の数は2個以上、さらに2〜4個、特に2〜3個が好ましい。
なお、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールあるいはポリオキシアルキレン系モノオールなどの「系」とは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、さらに80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るものが最も好ましい。
前記の活性水素含有化合物として挙げた化合物は1種または2種以上を組み合わせて使用することができるが、これらのうち、得られる硬化性組成物のゴム弾性物性や接着性が良好な点で、高分子ポリオールが好ましく、さらにポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレン系ポリオールが最も好ましい。
本願発明において用いられるケイ酸エステル(B)は、これを含む硬化性組成物を空気中の水分(湿気)等の水分に接触させたとき、ケイ酸エステル(B)が水分と加水分解反応して水酸基含有化合物を再生し、さらに再生した水酸基含有化合物の水酸基とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とが反応することによりウレタン架橋して硬化する、いわゆる潜在硬化剤としての働きを担うものである。
前記ケイ酸エステル(B)は、例えば、各種の1価アルコールのケイ酸エステル(アルコキシシリル基含有化合物)を水酸基含有化合物でアルコール置換し、生成する1価アルコールを溜去すること(下記の式(1))、あるいは、ケイ酸のハロゲン化合物と水酸基含有化合物とを脱ハロゲン化水素すること(下記の式(2))により得られる。
これらのうち、製造のし易さの点で、水酸基含有化合物とアルコキシシリル基含有化合物(1価アルコールのケイ酸エステル)との脱アルコール反応で得た水酸基含有化合物のケイ酸エステルが好ましい。
なお、1価アルコールのケイ酸エステルのアルコキシシリル基以外の有機基は、イソシアネート基と反応するアミノ基などの活性水素基を有していないことが必要である。これは活性水素基を有していると、それから得られるケイ酸エステル(B)にアミノ基などの活性水素基が存在することとなり、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と混合したとき、ポリオールのケイ酸エステル(B)がイソシアネート基と反応してしまい硬化性組成物が増粘してしまうためである。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の1級水酸基のみからなるポリオール化合物、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリコール等の1級水酸基と2級水酸基からなるポリオール化合物などが挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、再生したポリオールがウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応する速度が大きく、発泡防止の効果に優れている点で、分子量500以下、好ましくは分子量150以下の、1級水酸基のみからなるポリオールが好ましく、更には得られるケイ酸エステルの粘度が低いためネオペンチルグリコールが最も好ましい。
前述したように、本願発明においては、ケイ酸エステル(B)が湿気等の水分と加水分解反応して水酸基含有化合物を再生し、さらに再生した水酸基含有化合物の水酸基とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とが反応することによりウレタン架橋して硬化するが、この加水分解反応速度、並びに再生した水酸基(特に1級水酸基)とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基との反応速度は、春秋季を想定した温度10〜20℃、相対湿度30〜60%程度の条件においては、ジブチル錫ジラウレートなどの一般の触媒の使用において、イソシアネート基と湿気との反応速度よりも十分大きなため、尿素結合を形成して炭酸ガスが発生するよりも早くウレタン架橋が進行するため、炭酸ガスによる発泡のない硬化物となるものである。
このとき、ビスマス金属系触媒(C)成分と元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)成分を併用して使用することにより、それぞれ単独で使用したときより、本願発明の硬化性組成物を、春、秋、冬はもちろんのこと夏場のような高温、多湿状態においても、発泡することなく、硬化速度を速めることができる効果を奏するものである。
これは、この触媒の組み合せが、イソシアネート基と水分とが反応し炭酸ガスを発生する速度を速めることが無く、ケイ酸エステル(B)成分の加水分解速度を速め、かつ再生した水酸基含有化合物の水酸基、そのうち特にアルコール性水酸基(特にアルコール性1級水酸基)とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とがウレタン化反応する速度を選択的に速めるため、ケイ酸エステル(B)の潜在硬化剤としての働きを最大限に発揮させるためと推察される。
前記ビスマス金属系触媒(C)としては、3価のビスマスと有機酸との塩が挙げられ、具体的に例えば、ビスマストリアセテート、ビスマストリプロピオネート、ビスマストリヘプタネート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカネート)、ビスマストリラウレート、ビスマストリオレート、ビスマストリステアレートなどが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて使用することができ、これらのうち触媒としての効果の高さと入手のしやすさからビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカネート)が好ましく、更にビスマストリス(2−エチルへキサノエート)が好ましい。
前記ビスマス金属系触媒(C)と元素周期表の第14族の金属系触媒(D)の合計の使用量は、高温、多湿における発泡防止効果と貯蔵安定性のバランスに優れている点で、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部さらには0.05〜1重量部が好ましい。使用量が0.01重量部未満では硬化促進と高温、多湿状態における発泡防止効果が無く、10重量部を超えると貯蔵安定性が悪化するため好ましくない。またビスマス金属系触媒(C)と第14族の金属系触煤(D)の使用割合は、どのようであってもよいが、貯蔵安定性に優れ、かつ硬化促進効果と発泡防止効果に優れている点で、金属質量でビスマス金属系触媒(C)の方を第14族の金属系触媒(D)と同量か、または第14族の金属系触媒(D)より少なくなるように使用するのが好ましく、特に少なくなるように使用するのが好ましい。
本願発明における添加剤としては、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
前記カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤またはその部分加水分解縮合物を挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤またはその部分加水分解縮合物が接着性に優れているため好ましい。
これらは単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
また、本願発明の硬化性組成物は、夏場の季節を想定した高温、多湿の厳しい条件下でも硬化物が発泡せず、硬化後のゴム弾性物性を低硬度で高伸びから高硬度で低伸びのものまで広範囲に調節することができ、さらに接着性、耐水性や耐候性等の耐久性などにも優れているため、建築用、土木用の塗料、塗膜防水剤、接着剤、シーリング材などの各種の用途に使用できるが、特に建築用あるいは土木用のシーリング材として好適に用いられる。
また、本願発明の硬化性組成物が施工の対象とする材料としては、モルタルやコンクリ−ト等の無機系材料、大理石等の天然石材料、サイディングやタイル等の窯業系材料、ポリプロピレンや塩化ビニル等の各種合成樹脂製のシート状や板状の材料、木材や合板等の木質系材料などが、接着性などが良好なため好適に挙げられる。
攪拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながらポリオキシプロピレントリオール(旭硝子社製、エクセノール−5030、数平均分子量5,100)を716gとポリオキシプロピレンジオール(三洋化成工業社製、ニューポールPP−4000、数平均分子量4,000)を194g仕込み、攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、HDI、分子量168)を87g仕込み、さらに反応触媒として、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)(日東化成社製、ネオスタンU−600、Bi含有量18.0〜19.0%)0.1gを加え、70〜80℃で2時間攪拌し、滴定によるイソシアネート基含有量が理論値(2.18質量%)以下になった時点で反応を終了し、冷却してイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1を合成した。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1は、滴定によるイソシアネート基含有量2.08質量%、25℃における粘度36,800mPa・sの常温で粘稠な透明液体であった。
なお、このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1、1,000g中にはビスマストリス(2−エチルへキサノエート)が0.1g含有されている。
合成例1において、反応触媒として、ビスマストリス(2−エチルへキサノエート)(日東化成社製、ネオスタンU-600、Bi含有量18.0〜19.0%)0.1g使用する代わりに、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)0.1g使用した以外は同様にして、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−2を合成した。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU2は、滴定によるイソシアネート基含有量2.06質量%、25℃における粘度39,000mPa・sの常温で粘稠な透明液体であった。
なお、このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−2、1,000g中にはジブチル錫ジラウレートが0.1g含有されている。
攪拌機、温度形、窒素シール管および還流冷却器の付いた加熱、冷却装置付き反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5gと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM403)475.1gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し、6時間還流した。液温は138℃から100℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら200℃になるまで加熱を続け、IRで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色のケイ酸エステルの液体595.6gを得た。留出したメタノールの質量は192gであった。
この液体はガスクロマトグラフィー〔FID、ガスクロパック55−カラム(ガスクロ工業社製)、オーブン温度200℃〕にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。
参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークがほぼ定量的に検出され、再生していることが確認できた。
加熱、冷却装置および窒素シール管付混練容器に、窒素ガスを流しながら合成例1で得たイソシアネー卜基含有ウレタンプレポリマーPU−1を2,000g(PU−1、2,000g中にビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)0.2g含有)、合成例3で得たネオペンチルグリコールのケイ酸エステル79gを仕込み、20〜30℃で攪拌、混合し、次いでジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)6gを添加し、さらに30分間混合した後、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填密封して、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート6gに加えてビスマストリス(2−エチルへキサノエート)(日東化成社製、ネオスタンU−600、Bi含有量18.0〜19.0%)を2g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)を6g使用する代わりに、1g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一夜型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)を6g使用する代わりに、10g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)6g使用する代わりに、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU−220、錫含有量26〜29%)6g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有最18〜20%)6g使用する代わりに、オクチル酸鉛(日本化学産業社製、ニッカオクチックス鉛、鉛含有量20%)6g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)6g使用する代わりに、ジブチル錫ジラウレート3gおよびオクチル酸鉛(日本化学産業杜製、ニッカオクチックス鉛、Pb含有量20%)3g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1を2,000g使用する代わりに、合成例2で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−2を2,000g(PU−2、2,000g中にジブチル錫ジラウレート0.2g含有されている)使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
比較例1において、ジブチル錫ジラウレート6gに加え、オクチル酸ジルコニウム(日本化学産業社製、ニッカオクチックス ジルコニウム、Zr含有量12%)0.3g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例1で使用したのと同様の混練容器に、窒素ガスを流しながら合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1を1,000g(PU−1 1,000g中にビスマストリス(2−エチルへキサノエート)0.1g含有されている)、およびそれぞれ予め80〜100℃の乾燥器中で1日乾燥した重質炭酸カルシウム300gと脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華CCR)200gとを順次仕込み、内容物が均一になるまで30〜50℃で攪拌、混練した。次いで合成例3で得たネオペンチルグリコールのケイ酸エステ39.5gとヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)10gとを仕込みさらに均一になるまで攪拌、混練した。次いでジブチル錫ジラウレート3gを添加し、さらに30分間混合した後、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填密封して、ペースト状の一液型湿気硬化性ウレタン系シーリング材組成物を調製した。
(1)タックフリー
JIS A1439(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.19タックフリー試験」に準拠して測定(測定温度23℃)した。
JIS A1439(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠してスランプ(縦)を測定(測定温度23℃)した。
底の直径が約50mmの200ml円筒状紙コップに、実施例1〜7および比較例1と2で得た一液型ウレタン系湿気硬化性組成物、ならびに実施例8で得た一液型湿気硬化性ウレタン系シーリング材組成物を、それぞれ50〜60g、泡を巻き込まないように注意して注入し、50℃、80%相対湿度の恒温恒湿器中に1日間放置して硬化させた後、取り出してそれぞれの発泡の状態を観察、評価した。発泡状態の観察は実施例1〜7および比較例1と2については、紙コップの上から目視して、発泡の有無を観察し、実施例8については硬化物を空気中に触れる円形の表面に対して垂直方向に、放射状におおよそ8等分になるようにカッターで切り離し、内部に存在する気泡の有無を目視により観察した。硬化物内部に発泡が認められないか、または極めて少ないものを○、発泡が多数認められるものを×と評価した。
Claims (11)
- イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と、元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
- 前記湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、水酸基含有化合物とアルコキシシリル基含有化合物との縮合反応により得られる化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記水酸基含有化合物が、ポリオール化合物である、請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物。
- 前記ビスマス金属系触媒(C)と、元素周期表の第14族の金属系触媒(D)との使用において、金属質量でビスマス金属系触媒(C)の方を第14族の金族系触媒(D)より少なく使用する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記ビスマス金属系触媒(C)が、ビスマスと有機脂肪酸との塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記ビスマス金属系触媒(C)が、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)である、請求項5に記載の硬化性組成物。
- 前記元素周期表の第14族の金属系触媒(D)が、錫金属系触媒である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記元素周期表の第14族の金属系触媒(D)が、ジブチル錫ジラウレートおよび/またはジブチル錫ジアセチルアセトナートである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物との反応物であって、該有機ポリイソシアネートが、脂肪族系有機ポリイソシアネートである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 更に、添加剤を配合することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 前記添加剤が、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上である、請求項10に記載の硬化性組成物。
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