JP2006213781A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の硬化性組成物では高温、多湿の厳しい条件下で硬化物が発泡しない優れた硬化組成物は得られないという問題があった。
【解決手段】上述の問題点を解決するために、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と、元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とを含有することを特徴とする硬化性組成物という構成をとることにより課題を解決した。さらに硬化性組成物には、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤および着色剤などの添加剤を含んでいてもよい。

Description

本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステルとを含有する硬化性組成物に関するものである。
従来から窯業系サイディングなどの建築物の外壁防水シーリング材、塩化ビニルシート等の樹脂製シート、タイル、木質板などの建築用部材の接着剤あるいは塗り床材として、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含有する硬化性組成物が作業のしやすさ、硬化後の接着性の高さや、低モジュラスから高モジュラス(低伸びから高伸び)まで硬化後のゴム弾性物性を広範囲に調節できるなどの優れた点から広く用いられている。
しかし、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基濃度が高かったり、硬化速度を速めたりした場合、大気中の水分(湿気)と反応し硬化する際、発生する炭酸ガスの量が多くなったり、急激に炭酸ガスが発生したりしたとき、硬化物内部に気泡が生じるため外観が悪くなる、伸びなどのゴム引張物性が悪くなる、接着性が悪くなるなどの不具合が生じる。
このようなことから、従来、炭酸ガスによる発泡を防止するために、ポリオールケイ酸エステルを潜在硬化剤として、ジブチル錫ジラウレートなどの有機金属の有機酸塩や3級アミンなどをケイ酸エステルの加水分解促進触媒として使用して硬化したとき、硬化物の内部に炭酸ガスに起因する気泡を実質的に含有しないようにした湿気硬化型一液ポリウレタンプレポリマーを硬化させる方法が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。
また、特定の総不飽和度の低いポリアルキレンポリオールに基づくウレタンプレポリマーという特定のプレポリマーに、加水分解によりイソシアネート基と反応しうる活性水素を発生させるシリル基を含有する特定の化合物を添加して炭酸ガスによる発泡の少ない湿気硬化性組成物とすることが知られている(たとえば、特許文献2、特許文献3参照。)。
しかし、これらの従来の方法により、穏やかな条件下においては炭酸ガスによる硬化物の発泡を防止できるのであるが、夏場のような高温、多湿で著しく発泡を起こしやすい厳しい条件下では依然として発泡防止効果が不十分である。
このように、従来の硬化性組成物では高温、多湿の厳しい条件下で硬化物が発泡しない優れた硬化組成物は得られなかった。
特開昭63−191820号公報 特開2000−212239号公報 特開2004-269764号公報
本願発明の目的は、上述の従来の欠点にかんがみて、ウレタンプレポリマーと湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステルとを含む硬化性組成物において、硬化速度を高めることができ、高温、多湿の厳しい条件下でも硬化物が発泡しない優れた硬化組成物を提供しようとするものである。
上述の問題点を解決するために、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とを含有することを特徴とする硬化性組成物という構成をとることにより課題を解決した。
より詳しくは、本願発明は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とを含有することを特徴とする硬化性組成物、さらに好ましくは、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とからなることを特徴とする硬化性組成物に関する。
ここで、前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)としては、たとえば有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物との反応物であって、該有機ポリイソシアネートが、脂肪族系有機ポリイソシアネートであるものなどが挙げられる。
そして、湿気により加水分解して水酸基合有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)としては、たとえば水酸基含有化合物とアルコキシシリル基含有化合物との縮合反応により得られる化合物などが挙げられ、この水酸基含有化合物としてポリオール化合物などが挙げられる。
また、ビスマス金属系触媒(C)としては、たとえばビスマスと有機脂肪酸との塩が挙げられ、さらにこの塩としてビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)などが挙げられる。
さらに、元素周期表第14族の金属系触媒(D)として、錫金属系触媒および鉛金属系触媒がある。このうち錫金属系触媒としては錫と有機酸との塩、有機錫オキサイド、錫のキレート化合物などが挙げられる。このうち錫と有機酸との塩としては、たとえばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナートなどが挙げられ、これらの錫金属系触媒は、1種類あるいは2種類以上を併用することもできる。鉛金属系触媒としては、鉛と有機酸との塩などが挙げられる。
前記のビスマス金属系触媒(C)と元素周期表第14族の金属系触媒(D)との使用割合は、金属質量でビスマス金属系触媒(C)の方を第14族の金属系触媒(D)より少なく使用することが挙げられる。
さらに、本願発明は、そのほかに添加剤が添加されていてもよく、この添加剤としては、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、貯蔵安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上を添加剤として添加してもよい。
このような構成をとることにより、硬化性組成物の硬化速度を高めることができ、高温、多湿の厳しい条件下でも硬化物が発泡しない優れた硬化性組成物となるという優れた効果を発揮する。
本願発明の硬化性組成物で使用する各成分については以下で詳しく説明する。
まず、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)成分について説明する。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを活性水素(基)に対してイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるものである。
有機イソシアネート化合物としては、有機ポリイソシアネートと、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として場合により用いる有機モノイソシアネートが挙げられ、さらに有機ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基が芳香族炭化水素に結合している芳香族系有機ポリイソシアネートや、イソシアネート基が脂肪族炭化水素に結合している広義の脂肪族系有機ポリイソシアネート(これには芳香脂肪族系有機ポリイソシアネートと狭義の脂肪族系有機ポリイソシアネートが含まれる)などが挙げられる。
芳香族系有機ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、あるいはこれらの混合物等のジフェニルメタンジイソシアネート類(MDI類)、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートあるいはこれらの混合物等のトルエンジイソシアネート類(TD I類)、ジフェニルエーテルジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族系有機ポリイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられ、狭義の脂肪族系有機ポリイソシアネートとしては脂肪族ポリイソシアネートと脂環族ポリイソシアネートが挙げられ、脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネートなどが挙げられ、脂環族ポリイソシアネートとしては、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、これらジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、二量体、三量体、または、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)なども挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、発泡防止性と耐候性に優れている点で、広義の脂肪族系有機ポリイソシアネートが好ましく、よりさらにキシリレンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、場合により用いる有機モノイソシアネートとしては、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−オクタデシルモノイソシアネートなどが挙げられる。
前記活性水素含有化合物としては、高分子ポリオールや高分子ポリアミンの他、場合により使用する鎖延長剤としての、低分子ポリオール、低分子アミノアルコール、低分子ポリアミン、或いはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として用いる高分子や低分子のモノオールなどが挙げられる。
高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオキシアルキレン系ポリオール、炭化水素系ポリオール、ポリ(メタ)アクリレート系ポリオール、動植物系ポリオール、これらのコポリオール、またはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。
高分子ポリオールの数平均分子量は、500以上、さらに1,000〜100,000、よりさらに1、000〜30,000、特に1,000〜20,000が好ましい。数平均分子量が500未満では、得られる硬化性組成物の硬化後の伸びなどのゴム弾性物性が悪化し、100,000を超えると、得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度が高くなり過ぎ、作業性が悪くなるため好ましくない。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、へキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、酸エステル、または酸無水物等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
また、例えば、低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε-カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子ポリオール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールとしては、例えば、前述のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子ポリオール類、低分子ポリアミン類、低分子アミノアルコール類、ポリカルボン酸の他、ソルビトール、マンニトール、ショ糖(スクロース)、グルコース等の糖類系低分子多価アルコール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の低分子多価フェノール類の一種以上を開始剤として、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の1種以上を開環付加重合あるいは共重合(以下、「重合あるいは共重合」を(共)重合という。)させた、ポリオキシエチレン系ポリオール、ポリオキシプロピレン系ポリオール、ポリオキシブチレン系ポリオール、ポリオキシテトラメチレン系ポリオール、ポリ−(オキシエチレン)−(オキシプロピレン)−ランダムあるいはブロック共重合系ポリオール、さらに、前述のポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートエーテルポリオールなどが挙げられる。また、これらの各種ポリオールと有機イソシアネートとを、イソシアネート基に対し水酸基過剰で反応させて、分子末端を水酸基としたポリオールも挙げられる。
ポリオキシアルキレン系ポリオールの1分子当たり平均アルコール性水酸基の数は2個以上、さらに2〜4個、特に2〜3個が好ましい。
さらに、ポリオキシアルキレン系ポリオールは、その製造時に、水素化セシウム、セシウムメトキシド、セシウムエトキシド等のセシウムアルコキシド、水酸化セシウムなどのセシウム系化合物、ジエチル亜鉛、塩化鉄、金属ポルフィリン、ホスファゼニウム化合物、複合金属シアン化錯体など、なかでも亜鉛ヘキサシアノコバルテートのグライム錯体やジグライム錯体等の複合金属シアン化錯体を触媒として使用して得られる、総不飽和度が0.1meq/g以下、さらに0.07meq/g以下、特に0.04meq/g以下のものが好ましく、分子量分布〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比=Mw/Mn〕が1.6以下、特に1.0〜1.3の狭いものが、得られるイソシアネネート基含有ウレタンプレポリマーの粘度を低下でき、かつ得られる硬化組成物の硬化後のゴム弾性物性が良好となる点で好ましい。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低分子モノアルコール類を開始剤として、前記プロピレンオキシド等の環状エーテル化合物を開環付加重合させたポリオキシプロピレン系モノオール等のポリオキシアルキレン系モノオールなどを場合により使用することもできる。
なお、前記ポリオキシアルキレン系ポリオールあるいはポリオキシアルキレン系モノオールなどの「系」とは、分子1モル中の水酸基を除いた部分の50質量%以上、さらに80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上がポリオキシアルキレンで構成されていれば、残りの部分がエステル、ウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィンなどで変性されていてもよいことを意味するが、水酸基を除いた分子の95質量%以上がポリオキシアルキレンから成るものが最も好ましい。
炭化水素系ポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール等のポリアルキレンポリオール、塩素化ポリプロピレンポリオール、塩素化ポリエチレンポリオール等のハロゲン化ポリアルキレンポリオールなどが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレート系ポリオールとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する(メタ)アクリレート単量体類と他の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを、ラジカル重合開始剤の存在下あるいは不存在下に共重合したものなどが挙げられる。
動植物系ポリオールとしては、例えば、ヒマシ油系ジオールなどが挙げられる。
鎖延長剤としては、前記のポリエステルポリオールの合成に用いられる低分子のポリオール類、ポリアミン類、アミノアルコール類の他、前述のポリオキシアルキレンポリオールで、数平均分子量が500未満の低分子量のもの、またはこれらの2種以上の混合物が例示される。
前記の活性水素含有化合物として挙げた化合物は1種または2種以上を組み合わせて使用することができるが、これらのうち、得られる硬化性組成物のゴム弾性物性や接着性が良好な点で、高分子ポリオールが好ましく、さらにポリオキシアルキレン系ポリオールが好ましく、ポリオキシプロピレン系ポリオールが最も好ましい。
本願発明におけるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できるが、プレポリマーの分子中にイソシアネート基を残す必要がある。有機ポリイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオール、場合により更に鎖延長剤の活性水素(基)とのイソシアネート基/活性水素(基)の当量比は、1.1〜5.0/1.0が好ましく、更に1.3〜2.0/1.0が好ましい。このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は0.1〜15.0質量%が好ましく、特に0.3〜10.0質量%が好ましく、最も好ましくは0.4〜5.0質量%である。イソシアネート基含有量が0.1質量%未満の場合は、分子量が大きくなりすぎて粘度が増大し作業性が低下する。また、プレポリマー中の架橋点が少ないため、十分な接着性が得られない。イソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、炭酸ガスによる発泡を防止することが困難になるため好ましくない。
つぎに、本願発明の湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)成分(以下、「ケイ酸エステル(B)」と称する。)について説明する。
本願発明において用いられるケイ酸エステル(B)は、これを含む硬化性組成物を空気中の水分(湿気)等の水分に接触させたとき、ケイ酸エステル(B)が水分と加水分解反応して水酸基含有化合物を再生し、さらに再生した水酸基含有化合物の水酸基とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とが反応することによりウレタン架橋して硬化する、いわゆる潜在硬化剤としての働きを担うものである。
前記ケイ酸エステル(B)は、例えば、各種の1価アルコールのケイ酸エステル(アルコキシシリル基含有化合物)を水酸基含有化合物でアルコール置換し、生成する1価アルコールを溜去すること(下記の式(1))、あるいは、ケイ酸のハロゲン化合物と水酸基含有化合物とを脱ハロゲン化水素すること(下記の式(2))により得られる。
Figure 2006213781
(式中、Rはアルキル基を表わし、Rはアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わす。)
Figure 2006213781
(式中、Rはアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わし、X´はハロゲン原子を表わす。)
これらのうち、製造のし易さの点で、水酸基含有化合物とアルコキシシリル基含有化合物(1価アルコールのケイ酸エステル)との脱アルコール反応で得た水酸基含有化合物のケイ酸エステルが好ましい。
前記(1)式および(2)式の生成物であるケイ酸エステルは、鎖状エステルのみでなく、下記の環状のケイ酸エステルも含むものである。これに関しては、アメリカ化学会誌(J.A.C.S.)第69巻(1947年)第2689〜2691頁を参照されたい。
Figure 2006213781
(式中、R´はアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わす。)
1価アルコールのケイ酸エステルとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のモノアルキルトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン等のトリアルキルモノアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシランカップリング剤などを挙げることができる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、加水分解後の生成物に接着付与効果もある点から、アルコキシシランカップリング剤が好ましく、特に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
なお、1価アルコールのケイ酸エステルのアルコキシシリル基以外の有機基は、イソシアネート基と反応するアミノ基などの活性水素基を有していないことが必要である。これは活性水素基を有していると、それから得られるケイ酸エステル(B)にアミノ基などの活性水素基が存在することとなり、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と混合したとき、ポリオールのケイ酸エステル(B)がイソシアネート基と反応してしまい硬化性組成物が増粘してしまうためである。
ケイ酸のハロゲン化合物としては、テトラクロロシラン、アルキルトリクロロシラン、ジアルキルジクロロシラン、トリアルキルモノクロロシランなどを挙げることができる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
前記水酸基含有化合物としては、得られる硬化性組成物の貯蔵安定性が良好で、湿気により再生した水酸基含有化合物とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とのウレタン化反応が良好な点で、アルコール性水酸基含有化合物が好ましい。アルコール性水酸基含有化合物としては、再生してイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を架橋する働きをする分子内に水酸基を2個以上有するポリオール化合物と、得られるケイ酸エステル(B)の粘度低下や再生してイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が硬化するとき物性の変性の働きをさせるため場合により用いる分子内に水酸基を1個有する炭素数3個以上のアルキルモノオール化合物が挙げられるが、硬化後の物性の発現性が良好な点でポリオール化合物が好ましい。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の1級水酸基のみからなるポリオール化合物、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、グリセリン、ポリオキシプロピレングリコール等の1級水酸基と2級水酸基からなるポリオール化合物などが挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、再生したポリオールがウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応する速度が大きく、発泡防止の効果に優れている点で、分子量500以下、好ましくは分子量150以下の、1級水酸基のみからなるポリオールが好ましく、更には得られるケイ酸エステルの粘度が低いためネオペンチルグリコールが最も好ましい。
前記モノオール化合物としては、n−ブタノールやn−ステアリルアルコール等の1級のモノオール化合物、イソプロパノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の2級または3級のモノオール化合物などが挙げられる。
本願発明において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)とケイ酸エステル(B)との混合比は、ケイ酸エステル(B)の加水分解によって再生する水酸基含有化合物の水酸基が、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基1当量に対して0.2〜1.5当量、更に0.3〜1.0当量になるようにするのが好ましい。再生する水酸基が0.2当量未満だと、過剰のイソシアネート基が水分と反応して発泡の原因となり、逆に、1.5当量を超えると分子末端が水酸基で止まって高分子化できず、硬化後の接着性やゴム弾性などの諸物性が悪くなるので好ましくない。
本願発明におけるケイ酸エステル(B) と空気中の湿気との反応並びにイソシアネート基と1級水酸基との反応は、イソシアネート基と湿気との反応よりも大巾に速い。それ故、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとケイ酸エステルとの共存下において、前記混合物が湿分と接触するとケイ酸エステルの加水分解(下記の式(3))が、湿分とイソシアネート基との反応(下記の式(5))に優先し、次に再生したポリオールとイソシアネート基とのウレタン化反応(下記の式(4))が起こってポリウレタン硬化物が得られる。
Figure 2006213781
(式中、Rはアルキレン基またはオキシアルキレン基を表わし、Rは有機基を表わす。)
すなわち反応速度は(3)>(5)である。一般にイソシアネート基と1級水酸基との反応速度は、イソシアネート基と水との反応に比べて大巾に「早く((4)>(5))」、したがって、(5)式の反応は実質的にほとんど起こらず、その結果、炭酸ガスによる硬化物の発泡が防止される。
つぎに、本願発明におけるビスマス金属系触媒(C)と、元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)について説明する。
前述したように、本願発明においては、ケイ酸エステル(B)が湿気等の水分と加水分解反応して水酸基含有化合物を再生し、さらに再生した水酸基含有化合物の水酸基とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とが反応することによりウレタン架橋して硬化するが、この加水分解反応速度、並びに再生した水酸基(特に1級水酸基)とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基との反応速度は、春秋季を想定した温度10〜20℃、相対湿度30〜60%程度の条件においては、ジブチル錫ジラウレートなどの一般の触媒の使用において、イソシアネート基と湿気との反応速度よりも十分大きなため、尿素結合を形成して炭酸ガスが発生するよりも早くウレタン架橋が進行するため、炭酸ガスによる発泡のない硬化物となるものである。
しかしながら、夏場を想定した、高温、高湿の厳しい条件下(気温30℃以上、相対湿度70%以上)においては、イソシアネート基と湿気の反応速度も大きくなり、ウレタン化反応速度との差が小さくなるため硬化物に発泡が生じてしまう。
このとき、ビスマス金属系触媒(C)成分と元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)成分を併用して使用することにより、それぞれ単独で使用したときより、本願発明の硬化性組成物を、春、秋、冬はもちろんのこと夏場のような高温、多湿状態においても、発泡することなく、硬化速度を速めることができる効果を奏するものである。
これは、この触媒の組み合せが、イソシアネート基と水分とが反応し炭酸ガスを発生する速度を速めることが無く、ケイ酸エステル(B)成分の加水分解速度を速め、かつ再生した水酸基含有化合物の水酸基、そのうち特にアルコール性水酸基(特にアルコール性1級水酸基)とイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネート基とがウレタン化反応する速度を選択的に速めるため、ケイ酸エステル(B)の潜在硬化剤としての働きを最大限に発揮させるためと推察される。
前記ビスマス金属系触媒(C)としては、3価のビスマスと有機酸との塩が挙げられ、具体的に例えば、ビスマストリアセテート、ビスマストリプロピオネート、ビスマストリヘプタネート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカネート)、ビスマストリラウレート、ビスマストリオレート、ビスマストリステアレートなどが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて使用することができ、これらのうち触媒としての効果の高さと入手のしやすさからビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)、ビスマストリス(ネオデカネート)が好ましく、更にビスマストリス(2−エチルへキサノエート)が好ましい。
前記ビスマス金属系触媒(C)と併用する元素周期表の第14族の金属系触媒(D)としては、錫金属系触媒や鉛金属系触媒が好適に挙げられ、具体的に、例えば、錫金属系触媒としては、オクチル酸錫、ネオデカン酸錫、ステアリン酸錫、ナフテン酸錫等の錫と有機酸との塩、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジネオデカネート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレート)、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカネート、ジオクチル錫ビス(エチルマレート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレート)等の有機錫と有機酸との塩、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド等の有機錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物であるEXCSTARC−501(旭硝子社製)等の錫のキレート化合物、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)等の有機錫のアルコキシシリケート化合物などが挙げられる。鉛系触媒としては、例えば、酢酸鉛、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛と有機酸との塩などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち発泡防止と硬化促進に優れている点で、錫金属系触媒が好ましく、さらに有機錫と有機酸との塩や錫のキレート化合物が好ましい。
前記ビスマス金属系触媒(C)と元素周期表の第14族の金属系触媒(D)の合計の使用量は、高温、多湿における発泡防止効果と貯蔵安定性のバランスに優れている点で、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部さらには0.05〜1重量部が好ましい。使用量が0.01重量部未満では硬化促進と高温、多湿状態における発泡防止効果が無く、10重量部を超えると貯蔵安定性が悪化するため好ましくない。またビスマス金属系触媒(C)と第14族の金属系触煤(D)の使用割合は、どのようであってもよいが、貯蔵安定性に優れ、かつ硬化促進効果と発泡防止効果に優れている点で、金属質量でビスマス金属系触媒(C)の方を第14族の金属系触媒(D)と同量か、または第14族の金属系触媒(D)より少なくなるように使用するのが好ましく、特に少なくなるように使用するのが好ましい。
なお、ビスマス金属系触媒(C)と第14族の金属系触煤(D)の使用時期は、それぞれ単独あるいは両方を、またそれぞれの量の一部あるいは全部を、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)あるいはケイ酸エステル(B)の合成時に反応触媒を兼ねて使用してもよいし、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)とケイ酸エステル(B)の混合時に使用してもよい。
つぎに、本願発明の硬化性組成物における添加剤について説明する。
本願発明における添加剤としては、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、着色剤などが挙げられる。
可塑剤は、硬化性組成物の粘度を下げて作業性を改善するために使用され、耐候安定剤は、硬化樹脂の酸化や光劣化、熱劣化を防止して、耐候性だけでなく耐熱性を更に向上させるために使用されるものである。耐候安定剤としては具体的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光硬化性化合物を挙げることができる。
可塑剤としては、具体的には、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、ペンタエリスリトールエステルなどのアルコールエステル類、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、塩素化パラフィン、前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しないポリオキシアルキレン類、中でもシュークロースなどの糖類多価アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオールをエーテル化またはエステル化などした水酸基を含有しない糖類系ポリオキシアルキレン類、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレンのオリゴマー類、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水素添加ポリブテンなどのオリゴマー類、(メタ)アクリレート共重合物などのイソシアネート基と反応しない可塑剤が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を組み合せて使用できる。
可塑剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の100重量部に対して、1〜200重量部、特に2〜50重量部配合するのが好ましい。
酸化防止剤としてはヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤が挙げられ、ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3、5−トリアジン縮合物が挙げられる。また、旭電化工業社製、商品名アデカフタブLA−63P、LA−68LDなどの高分子量のヒンダードアミン系酸化防止剤も挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリト−ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾンなどのべンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−t e r t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系紫外線吸収剤が挙げられる。
光硬化性化合物としては、アクリロイル基やメタクリロイル基などの光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、イソシアネート基含有ウレタン樹脂に水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレートなどのポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオ−ルのアクリレートやメタクリレートなどのポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、あるいはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂などが挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有するものが好ましい。
これらは単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
耐候安定剤は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して、0.01〜30重量部、特に0.1〜10重量部配合するのが好ましい。
充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性向上剤(脱水剤)、着色剤は、それぞれ物性補強や増量、タレ(スランプ)の防止、接着性の向上、貯蔵安定性の向上、着色などのために、本願発明の硬化性組成物に配合して使用することができる。
充填剤としては、マイカ、カオリン、ゼオライト、グラファイト、珪藻土、白土、クレー、タルク、スレート粉、無水ケイ酸、石英微粉末、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、沈降性シリカなどの合成シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの無機粉末状充填剤、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填剤、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーンなどの無機系バルーン状充填剤などの無機系充填剤、あるいはこれらの表面を脂肪酸などの有機物で処理した充填剤、木粉、クルミ穀粉、もみ殻粉、パルプ粉、木綿チップ、ゴム粉末、熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂の微粉末、ポリエチレンなどの粉末や中空体、サランマイクロバルーンなどの有機系バルーン状充填剤などの有機系充填剤などの他、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの難燃性付与充填剤なども挙げられ、粒径0.01〜1,000μmのものが好ましい。
揺変性付与剤としては、たとえば、コロイダルシリカ、石綿粉、脂肪酸処理炭酸カルシウムなどの無機揺変性付与剤、有機ベントナイト、脂肪酸アマイドなどの有機揺変性付与剤が挙げられ、これらのものの中から適宜選択して添加することができる。
接着性向上剤は、本願発明において、ケイ酸エステル(B)が湿気により加水分解して生じる前記の式(3)に示すような(−)Si−OH化合物が接着性向上の働きをするが、さらに接着性を何上させるために使用することができ、例えばカップリング剤の他に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、有機ポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコアルミネート系などの各種カップリング剤またはその部分加水分解縮合物を挙げることができ、このうちシラン系カップリング剤またはその部分加水分解縮合物が接着性に優れているため好ましい。
このシラン系カップリング剤としては、具体的には、メチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのアルコキシシリル基を含有する分子量500以下、好ましくは400以下の低分子化合物またはこれらシラン系カップリング剤の1種または2種以上の部分加水分解縮合物で分子量200〜3,000の化合物を挙げることができる。これらは単独であるいは2種以上を組合せて使用できる。
貯蔵安定性改良剤としては、組成物中に存在する水分と反応するビニルトリメトキシシラン、酸化カルシウム、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
着色剤としては、酸化チタンや酸化鉄などの無機系顔料、銅フタロシアニンなどの有機系顔料、カーボンブラックなどが挙げられる。
これらは単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤、および着色剤の合計の配合量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部に対して0〜500重量部、特に5〜300重量部であることが好ましい。
本願発明の硬化性組成物において、前記各添加剤成分はそれぞれ1種類または2種以上を組み合せて使用することができる。
本願発明の硬化性組成物において、必要に応じて、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、n−ヘキサンなどの脂肪族系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族系溶剤、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤など従来公知の有機溶剤でイソシアネート基に反応しないものであればどのようなものでも使用することができる。これらは単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。その種類と使用量は硬化性組成物の用途に応じて適宜決定すれば良い。
なお、本願発明の硬化性組成物は主剤と硬化剤の混合の手間がなく、配合ミスによる硬化不良の発生もなく作業性に優れているため、一液湿気硬化型として使用するのが特に好ましいが、(A)成分を主剤とし、(B)成分を硬化剤とする二液硬化型としても使用できる。このとき(C)成分と(D)成分は主剤と硬化剤のどちらに配合しておいてもよい、また、2液を混合する際、少量の水を添加することもできる。
また、本願発明の硬化性組成物は、夏場の季節を想定した高温、多湿の厳しい条件下でも硬化物が発泡せず、硬化後のゴム弾性物性を低硬度で高伸びから高硬度で低伸びのものまで広範囲に調節することができ、さらに接着性、耐水性や耐候性等の耐久性などにも優れているため、建築用、土木用の塗料、塗膜防水剤、接着剤、シーリング材などの各種の用途に使用できるが、特に建築用あるいは土木用のシーリング材として好適に用いられる。
また、本願発明の硬化性組成物が施工の対象とする材料としては、モルタルやコンクリ−ト等の無機系材料、大理石等の天然石材料、サイディングやタイル等の窯業系材料、ポリプロピレンや塩化ビニル等の各種合成樹脂製のシート状や板状の材料、木材や合板等の木質系材料などが、接着性などが良好なため好適に挙げられる。
また、本願発明の硬化性組成物の製造方法としては特に限定されないが、例えば、ステンレス製や鉄製の反応装置を用いて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)成分とケイ酸エステル(B)成分を別々に反応合成しておく。これらの反応は、添加剤成分の存在下において行ってもよいし、不存在下において行ってもよい。次いで攪拌、混合装置に(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を仕込み、さらに必要に応じて添加剤成分を加え混練り後、減圧脱泡して製造する方法が挙げられる。(A)成分や(B)成分は湿気に触れると反応して、増粘や加水分解を起こすため、反応合成や攪拌、混合は、湿気に触れないように密封状態、窒素ガス雰囲気下などの湿気を遮断した状態において行うのが好ましい。攪拌、混合装置としては、ステンレス製や鉄製のプラネタリーミキサー、ニーダー、アジター、ナウタミキサー、ラインミキサーなど各種挙げられる。製造した硬化性組成物もまた湿気に触れると反応して、増粘、硬化するものであるため、貯蔵に際しては、湿気を遮断できる容器に詰め、密封して貯蔵するのが好ましい。前記容器としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス製、鉄製等の金属製ドラム缶、金属製や合成樹脂製のペール缶や袋状容器、ラミネート処理した紙製や合成樹脂製のカートリッジ状容器など各種挙げられる。
以下に本願発明の実施例を示すが、これに限定されないことはいうまでもない。
合成例1(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1)
攪拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながらポリオキシプロピレントリオール(旭硝子社製、エクセノール−5030、数平均分子量5,100)を716gとポリオキシプロピレンジオール(三洋化成工業社製、ニューポールPP−4000、数平均分子量4,000)を194g仕込み、攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製、HDI、分子量168)を87g仕込み、さらに反応触媒として、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)(日東化成社製、ネオスタンU−600、Bi含有量18.0〜19.0%)0.1gを加え、70〜80℃で2時間攪拌し、滴定によるイソシアネート基含有量が理論値(2.18質量%)以下になった時点で反応を終了し、冷却してイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1を合成した。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1は、滴定によるイソシアネート基含有量2.08質量%、25℃における粘度36,800mPa・sの常温で粘稠な透明液体であった。
なお、このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1、1,000g中にはビスマストリス(2−エチルへキサノエート)が0.1g含有されている。
合成例2(イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−2)
合成例1において、反応触媒として、ビスマストリス(2−エチルへキサノエート)(日東化成社製、ネオスタンU-600、Bi含有量18.0〜19.0%)0.1g使用する代わりに、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)0.1g使用した以外は同様にして、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−2を合成した。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU2は、滴定によるイソシアネート基含有量2.06質量%、25℃における粘度39,000mPa・sの常温で粘稠な透明液体であった。
なお、このイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−2、1,000g中にはジブチル錫ジラウレートが0.1g含有されている。
合成例3(ネオペンチルグリコールのケイ酸エステル)
攪拌機、温度形、窒素シール管および還流冷却器の付いた加熱、冷却装置付き反応容器中に、ネオペンチルグリコール312.5gと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM403)475.1gを入れ、窒素ガスを流しながら攪拌、加熱し、6時間還流した。液温は138℃から100℃に低下した。その後、還流冷却器をはずして副生メタノールを系外に留去させながら200℃になるまで加熱を続け、IRで3300〜3500cm−1に水酸基による吸収のない淡黄色のケイ酸エステルの液体595.6gを得た。留出したメタノールの質量は192gであった。
この液体はガスクロマトグラフィー〔FID、ガスクロパック55−カラム(ガスクロ工業社製)、オーブン温度200℃〕にかけても、ネオペンチルグリコールのピークを示さなかった。
参考として、この液体に水を加えて加水分解したものをガスクロマトグラフィーにかけたところ、ネオペンチルグリコールのピークがほぼ定量的に検出され、再生していることが確認できた。
実施例1
加熱、冷却装置および窒素シール管付混練容器に、窒素ガスを流しながら合成例1で得たイソシアネー卜基含有ウレタンプレポリマーPU−1を2,000g(PU−1、2,000g中にビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)0.2g含有)、合成例3で得たネオペンチルグリコールのケイ酸エステル79gを仕込み、20〜30℃で攪拌、混合し、次いでジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)6gを添加し、さらに30分間混合した後、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填密封して、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例2
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート6gに加えてビスマストリス(2−エチルへキサノエート)(日東化成社製、ネオスタンU−600、Bi含有量18.0〜19.0%)を2g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例3
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)を6g使用する代わりに、1g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一夜型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例4
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)を6g使用する代わりに、10g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例5
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)6g使用する代わりに、ジブチル錫ジアセチルアセトナート(日東化成社製ネオスタンU−220、錫含有量26〜29%)6g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例6
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有最18〜20%)6g使用する代わりに、オクチル酸鉛(日本化学産業社製、ニッカオクチックス鉛、鉛含有量20%)6g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例7
実施例1において、ジブチル錫ジラウレート(日東化成社製、ネオスタンU−100、錫含有量18〜20%)6g使用する代わりに、ジブチル錫ジラウレート3gおよびオクチル酸鉛(日本化学産業杜製、ニッカオクチックス鉛、Pb含有量20%)3g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
比較例1
実施例1において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1を2,000g使用する代わりに、合成例2で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−2を2,000g(PU−2、2,000g中にジブチル錫ジラウレート0.2g含有されている)使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
比較例2
比較例1において、ジブチル錫ジラウレート6gに加え、オクチル酸ジルコニウム(日本化学産業社製、ニッカオクチックス ジルコニウム、Zr含有量12%)0.3g使用した以外は同様にして、常温で粘稠な透明液体の一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を調製した。
実施例8
実施例1で使用したのと同様の混練容器に、窒素ガスを流しながら合成例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーPU−1を1,000g(PU−1 1,000g中にビスマストリス(2−エチルへキサノエート)0.1g含有されている)、およびそれぞれ予め80〜100℃の乾燥器中で1日乾燥した重質炭酸カルシウム300gと脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(白石工業社製、白艶華CCR)200gとを順次仕込み、内容物が均一になるまで30〜50℃で攪拌、混練した。次いで合成例3で得たネオペンチルグリコールのケイ酸エステ39.5gとヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルテイ・ケミカルズ社製、IRGANOX1010、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕)10gとを仕込みさらに均一になるまで攪拌、混練した。次いでジブチル錫ジラウレート3gを添加し、さらに30分間混合した後、30〜100hPaで減圧脱泡し、容器に充填密封して、ペースト状の一液型湿気硬化性ウレタン系シーリング材組成物を調製した。
これらの実施例1〜7と比較例1〜2で得た一液型ウレタン系湿気硬化性組成物を用いて以下の試験方法により試験した結果を表1と表2に、また実施例8で得た一液型湿気硬化性ウレタン系シーリング材組成物を用いて以下の試験方法により試験した結果を表3にそれぞれ示す。
Figure 2006213781
Figure 2006213781
Figure 2006213781
試験方法
(1)タックフリー
JIS A1439(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.19タックフリー試験」に準拠して測定(測定温度23℃)した。
(2)スランプ
JIS A1439(1997、改正2002)「建築用シーリング材の試験方法」の「4.1スランプ試験」に準拠してスランプ(縦)を測定(測定温度23℃)した。
(3)発泡防止性
底の直径が約50mmの200ml円筒状紙コップに、実施例1〜7および比較例1と2で得た一液型ウレタン系湿気硬化性組成物、ならびに実施例8で得た一液型湿気硬化性ウレタン系シーリング材組成物を、それぞれ50〜60g、泡を巻き込まないように注意して注入し、50℃、80%相対湿度の恒温恒湿器中に1日間放置して硬化させた後、取り出してそれぞれの発泡の状態を観察、評価した。発泡状態の観察は実施例1〜7および比較例1と2については、紙コップの上から目視して、発泡の有無を観察し、実施例8については硬化物を空気中に触れる円形の表面に対して垂直方向に、放射状におおよそ8等分になるようにカッターで切り離し、内部に存在する気泡の有無を目視により観察した。硬化物内部に発泡が認められないか、または極めて少ないものを○、発泡が多数認められるものを×と評価した。
これらの結果にみるように、本願発明の硬化性組成物は、高温、多湿下の条件において発泡防止性がきわめて優れた顕著な効果を示した。

Claims (11)

  1. イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)と、ビスマス金属系触媒(C)と、元素周期表(長周期型)の第14族の金属系触媒(D)とを含有することを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記湿気により加水分解して水酸基含有化合物を再生することが可能なケイ酸エステル(B)が、水酸基含有化合物とアルコキシシリル基含有化合物との縮合反応により得られる化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記水酸基含有化合物が、ポリオール化合物である、請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記ビスマス金属系触媒(C)と、元素周期表の第14族の金属系触媒(D)との使用において、金属質量でビスマス金属系触媒(C)の方を第14族の金族系触媒(D)より少なく使用する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記ビスマス金属系触媒(C)が、ビスマスと有機脂肪酸との塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記ビスマス金属系触媒(C)が、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)である、請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 前記元素周期表の第14族の金属系触媒(D)が、錫金属系触媒である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記元素周期表の第14族の金属系触媒(D)が、ジブチル錫ジラウレートおよび/またはジブチル錫ジアセチルアセトナートである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)が、有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物との反応物であって、該有機ポリイソシアネートが、脂肪族系有機ポリイソシアネートである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 更に、添加剤を配合することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  11. 前記添加剤が、可塑剤、耐候安定剤、充填剤、揺変性付与剤、接着性向上剤、貯蔵安定性改良剤および着色剤の群から選ばれる1種または2種以上である、請求項10に記載の硬化性組成物。
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