JP2009242131A - アンバーガラス組成物、及びアンバーガラスの製造方法 - Google Patents

アンバーガラス組成物、及びアンバーガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 同一のガラス組成から安定的且つ安価に濃淡の異なるアンバーガラスを製造しうるようなアンバーガラス組成物を提供することを一の目的とする。また、濃淡の異なるアンバーガラスを安定的且つ安価に製造しうるようなアンバーガラスの製造方法を提供することを他の目的とする。
【解決手段】 組成中、酸化物換算の重量%表示で、
SO3 0.06〜0.12%
酸化鉄 0.2〜0.35%(Fe23換算)
酸化銅 0.01〜0.05%(CuO換算)
酸化錫 0.05〜0.3%(SnO換算)
を含有し、かつCuO/SnO(重量比)が0.1〜0.4であることを特徴とするアンバーガラス組成物による。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アンバーガラス組成物及びアンバーガラスの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、通常濃度のアンバーガラスをも製造することができ、且つ通常よりも濃色のアンバーガラスを製造し得るようなアンバーガラス組成物及びアンバーガラスの製造方法に関する。
従来、アンバーガラスは、例えば特許文献1に開示されているように、通常のガラス材料に、酸化第一銅、酸化鉄、硫化鉄などの着色成分を加えてなるベースガラスを調製し、該ベースガラスを溶融窯にて溶融し、フィーダーに送られてガラス温度が調節されるとともにコブに切断された後、所定形状に成形され、その後、徐冷がまで徐冷されることによって製造される。
ところで、該アンバーガラスは、ビールびんや一升びんのみならず、栄養ドリンク剤などの種々の用途のびんに使用されるため、びんの肉厚や内容物の種類に応じて濃淡を調整する必要がある。また、近年、ガラスびんの軽量化が進みつつあり、それにあわせてびんの肉厚も薄くなる傾向にあるため、そのような観点からもびんの濃淡を調整することが必要とされている。
従来、アンバーガラスの濃淡を調整する方法としては、溶融窯に供給されるベースガラスに添加する着色成分の量を変化させる方法や、該ベースガラスにおけるカーボン/芒硝比率を調整する方法などが知られている。
また、一つの溶融窯に対して複数のフィーダーを設けてガラス製品を製造するような場合には、一部のフィーダーをカラーチェンジ仕様(以下、カラーチェンジフィーダーという)とし、酸化第一銅、酸化第二銅、金属銅粉末、又はこれらを含むフリットやペレットなどの着色剤を、該フィーダー内の溶融ガラスに添加することにより、濃淡を調整する方法も検討されている。
特開平11−60263号公報
しかしながら、上記のような従来のアンバーガラスの製造方法は、以下のような問題点を有するものである。即ち、ベースガラスに添加する着色成分の量を変化させる方法では、それぞれの色合いに応じて個々にバッチを調合する必要があるため、作業が煩雑になるという問題がある。
また、溶融窯に入れる着色成分の配合量を変化させることで、濃淡の異なるガラスを一つの製造ラインで連続して製造することも考えられるが、溶融窯に供給された原料成分の割合が安定化するためには長時間を要し、その間に多量の不良品が製造されることとなるため、製造効率が悪いという問題がある。
一方、前記カラーチェンジフィーダーを用いる方法では、該カラーチェンジフィーダーを設置するための設備コストがかかるのみならず、該カラーチェンジフィーダーを介した着色剤の添加によって溶融ガラスが不安定化し、ガラスが発泡するという虞もある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、同一のガラス組成から安定的且つ安価に濃淡の異なるアンバーガラスを製造しうるようなアンバーガラス組成物を提供することを一の目的とする。また、本発明は、濃淡の異なるアンバーガラスを安定的且つ安価に製造しうるようなアンバーガラスの製造方法を提供することを他の目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、
1)組成中、酸化物換算の重量%表示で、
SO3 0.06〜0.12%
酸化鉄 0.2〜0.35%(Fe23換算)
酸化銅 0.01〜0.05%(CuO換算)
酸化錫 0.05〜0.3%(SnO換算)
を含有し、かつCuO/SnO(重量比)が0.1〜0.4であることを特徴とするアンバーガラス組成物を提供する。
また、本発明は、
2)組成中、酸化物換算の重量%表示で、
SiO2 65〜75%
Al23 0〜5%
CaO 6〜15%
MgO 0〜4%
Na2O 10〜17%
2O 0〜4%
をさらに含有することを特徴とする前記1)記載のアンバーガラス組成物を提供する。
また、本発明は、
3)レッドクスナンバーが−10〜−35であることを特徴とする前記1)又は2)記載のアンバーガラス組成物を提供する。
さらに、本発明は、
4)前記1)〜3)の何れかに記載のアンバーガラス組成物の組成を満たす溶融状態のベースガラスを所定形状に成形した後、580〜620℃の温度で20〜120分間保持する熱処理工程を実施し、主波長(λd)580〜591nm、明度(Y)15%以下の濃色アンバーガラスとすることを特徴とするアンバーガラス製造方法を提供する。
また、本発明は、
5)前記1)〜3)の何れかに記載のアンバーガラス組成物の組成を満たす溶融状態のベースガラスを成形して複数の成形品とした後、該複数の成形品のうちの少なくとも一の成形品について580〜620℃の温度で20〜120分間保持する熱処理工程を実施し、他の成形品に対して580℃未満の温度で120分以下保持する熱処理工程を実施し、前記一の成形品を主波長(λd)580〜591nm、明度(Y)15%以下の濃色アンバーガラスとし、前記他の成形品を主波長(λd)580〜591nm、明度(Y)が15%を超えるアンバーガラスとすることを特徴とするアンバーガラス製造方法を提供する。
尚、本発明において、アンバーガラス組成物とは、ガラスの原料バッチを溶融して作製されたベースガラス、該ベースガラスが所定形状に成形された成形品、該成形品が熱処理されてなるアンバーガラス(製品)を含む概念である。
また、レドックスナンバーとは、W.Simpson,D.D.Myersの論文“The redox number concept and its use by the glass technologist”(Glass Technology Vol.19 No.4(1978) p82〜85)に記載された定義に沿って算出される値である。具体的には、各還元剤および酸化剤の係数と、珪砂100kg(該文献中では2000kg)に対する各成分の含有量(kg)との積を、合計した数値として算出される値である。尚、酸化錫(SnO)および酸化銅(CuO)は中性原料、即ち、係数を0として扱うものとし、また、該論文に記載のない酸化鉄(Fe23)は、本発明において+5.0とする。本発明における各成分の係数を下記表1に示す。
Figure 2009242131
また、本発明において、主波長(λd)及び明度(Y)は、実施例に記載された測定方法により得られる値である。
本発明に係るアンバーガラス組成物は、上記のような特有の組成比率としたことにより、熱処理条件を変えるとアンバー色の発色度合いが大きく変化し、その結果、濃淡の異なるアンバーガラスが得られる、という従来のアンバーガラス組成物にはない、特有の効果を奏するものとなった。
従って、該アンバーガラス組成物を用いてアンバーガラスを製造することにより、例えば、徐冷窯における温度等の熱処理条件を変化させるだけで異なる濃さのアンバーガラスが得られるため、同一原料、及び同一の製造ラインを使用しつつ、必要に応じて該熱処理条件を変えることにより濃色のアンバーガラスや通常のアンバーガラスを交互に製造することが可能となる。
従って、本発明に係るアンバーガラス組成物およびアンバーガラス製造方法によれば、カラーチェンジフィーダーのような特殊な装置を用いる必要もなく、簡易且つ安価に所望の濃度のアンバーガラスを製造することが可能となる。
また、本発明によれば、カラーチェンジフィーダーを用いて溶融状態にあるベースガラスに着色剤を添加した場合のように、ベースガラスを不安定化させる虞がないため、濃度の異なるアンバーガラスを高品質で且つ安定的に製造することが可能となる。
本発明の一実施形態であるアンバーガラス組成物は、組成中、酸化物換算の重量%表示(以下同様とする)で、SO3を0.06〜0.12%、酸化鉄を0.2〜0.35%(Fe23換算)、酸化銅を0.01〜0.05%(CuO換算)、酸化錫を0.05〜0.3%(SnO換算)含有し、且つ、CuO/SnO(重量比)が0.1〜0.4を満たすものであり、さらに、SiO2を65〜75%、Al23を0〜5%、CaOを6〜15%、MgOを0〜4%、Na2Oを10〜17%、K2Oを0〜4%含有し、レッドクスナンバーが−10〜−35となるものである。
前記SO3は、芒硝、カーボン、その他遷移金属酸化物の配合バランスや、溶融炉の雰囲気によって決まるガラス中の硫黄(S)分をSO3に換算して表したものである。該SO3に換算したSの含有量は、組成中、0.06〜0.12%とする必要があり、0.065〜0.11%とすることが好ましい。
SO3に換算したS分が0.06%未満ではアンバー発色が困難になる虞があり、逆に0.12%を超えるとガラス中に泡が残り、欠点となる虞がある。
前記酸化鉄としては、酸化第一鉄(FeO)、酸化第二鉄(Fe23)、又はこれらの混合物を使用することができる。該酸化鉄の含有量は、Fe23に換算して、0.2〜0.35%とする必要があり、0.23〜0.32%とすることが好ましい。
Fe23に換算した酸化鉄の含有量が0.2%未満では、アンバー発色が困難になる虞があり、0.35%を超えると標準濃度のアンバー色を得ることができなくなる恐れがある。
また、前記酸化銅としては、酸化第一銅(Cu2O)、酸化第二銅(CuO)、又はこれらの混合物を使用することができる。該酸化銅の含有量は、CuOに換算して、0.01〜0.05%とする必要があり、0.013〜0.046%とすることが好ましい。
CuOに換算した酸化銅の含有量が0.01%未満では、580〜620℃の温度での20〜120分間の熱処理でも濃色アンバーガラスが得られない虞があり、0.05%を超えると濃色化したときに主波長が591nmを超え、赤味を呈する虞がある。
また、前記酸化錫としては、酸化第一錫(SnO)、酸化第二錫(SnO2)、又はこれらの混合物を使用することができる。該酸化錫の含有量は、SnOに換算して、0.05〜0.3%とする必要があり、0.06〜0.25%とすることが好ましい。
SnOに換算した酸化錫の含有量が0.05%未満では、580〜620℃の温度での20〜120分間の熱処理でも濃色アンバーガラスが得られない虞があり、0.25%を超えて添加してもそれ以上の効果は期待できずコスト高となる虞がある。
前記CuO/SnO(重量比)は0.1〜0.4とすることが必要であり、0.15〜0.35とすることが好ましい。CuO/SnO(重量比)が0.1未満の場合、又は0.4を超えた場合には、580〜620℃の温度で20〜120分間の熱処理を行っても、濃色アンバーガラスが得られなくなる虞がある。
また、前記レドックスナンバーは、−10〜−35であることが好ましく、−15〜−30であることがより好ましい。レドックスナンバーを斯かる範囲内とすることにより、上記アンバーガラス組成物を用いて熱処理した際に所望のアンバー発色が達成されやすくなる、という効果がある。
さらに、本実施形態に係るアンバーガラス組成物は、アンバー色の濃色化をさらに促進させる観点から、酸化亜鉛を0.15重量%以下の範囲で含有させてもよい。
本発明の一実施形態としてのアンバーガラス製造方法は、上述の如き構成のアンバーガラス組成物であるベースガラスを成形し、得られた複数の成形品のうち、少なくとも一部の成形品について580〜620℃の温度で20〜120分間保持する熱処理工程を実施し、主波長(λd)が580〜591nm、明度(Y)が15%以下である濃色アンバーガラスを製造するものである。
本実施形態のアンバーガラス製造方法は、具体的には、原料組成物を加熱して溶融しベースガラスとする溶融工程と、溶融されたベースガラスを所定形状の成形品に成形する成形工程と、該成形品を熱処理する熱処理工程とを備えたものであり、熱処理工程における熱処理条件を変えることにより、異なる濃度のアンバーガラスを製造するものである。
前記溶融工程は、特に限定されるものではないが、例えば、上記組成のベースガラスが得られるような原料組成物を溶融窯に入れ、該溶融窯にて原料組成物を約1500℃に加熱して溶融し、溶融状態にあるベースガラスとする工程である。
前記成形工程は、前記溶融状態にあるベースガラスを、用途に応じた所定形状の成形品を成形する工程である。より具体的には、溶融状態にあるベースガラスから成形品1個分のゴブを順に切断し、成びん機等を用いて該ゴブをビールびんやドリンクびんなど所定形状を有する複数の成形品に成形する工程である。
前記熱処理工程は、前記成形工程によって得られた複数の成形品のうち、少なくとも一の成形品と他の成形品とに対して異なる処理条件の徐冷を行うことにより、該処理条件に応じて濃淡度合いの異なる複数種類のアンバーガラスを得る工程である。
具体的には、該熱処理工程としては、前記複数の成形品を、1又は2以上の成形品からなる第一の成形品群と、1又は2以上の成形品からなる第二の成形品群とに対して異なる熱処理条件にて熱処理を行うような工程、つまり、第一の成形品群に対して第一の熱処理条件にて熱処理を行うことにより濃色化されたアンバーガラスを製造し、一方、第二の成形品群に対して前記第一の熱処理条件とは異なる第二の熱処理条件にて熱処理を行うことにより通常濃度のアンバーガラスを製造するような工程、を採用することができる。
濃色化を図るための前記第一の熱処理条件としては、温度580〜620℃で20〜120分間保持する条件が好ましく、温度600〜620℃で30〜120分間保持する条件がより好ましく、温度600℃〜610℃で45〜120分間、又は温度610℃〜620℃で45〜60分間保持する条件がさらに好ましい。
温度が580℃未満であれば十分な濃色化が図れない虞があり、逆に620℃を超えて加熱すると、アンバーガラスの製造コストが高くなる虞がある。また、該温度の保持時間が20分未満では十分な濃色化が図られない虞があり、逆に120分を超えて保持してもそれ以上の濃色化作用が発揮されず、アンバーガラスの製造コストが高くなる虞がある。
一方、通常濃度のアンバーガラスを得るための前記第二の熱処理条件としては、580℃未満の温度で120分間以下、好ましくは560〜575℃の温度で数分間〜60分間、より好ましくは5〜10分間程度保持する条件とする。
通常、製びん機で成形された成形品は、その歪み除去等を目的として徐冷窯にて熱処理されるが、本発明における上記熱処理工程も、該徐冷窯にて行うことができる。
また、本発明における上記熱処理工程は、同一の徐冷窯を用いて実施しても良く、複数の徐冷窯を用いて実施しても良い。
複数の徐冷窯を用いて実施する方法としては、例えば、一つの溶融窯から供給されたベースガラスを複数の製造ラインに分配した後、該複数の製造ラインでアンバーガラスを製造するような製造設備において、一の製造ラインに設置された徐冷窯と他の製造ラインに設置された徐冷窯とに於いて、上述のように異なる条件の熱処理を実施し、濃色化されたアンバーガラスと、通常濃度のアンバーガラスとを並行して製造する方法が挙げられる。
また、同一の徐冷窯を用いる実施する方法としては、例えば、一つの溶融窯から供給されたベースガラスを一の製造ラインでアンバーガラスを製造するような製造設備において、設置された一の徐冷窯を用い、時間的な差を設けて異なる処理条件の熱処理を実施する方法を採用することもできる。
具体的には、該一の徐冷窯において、初め、第一の熱処理条件で成形品の熱処理を行うことにより濃色化されたアンバーガラスを製造し、その後、該徐冷窯を第二の熱処理条件に変更して成形品の熱処理を行うことにより、通常濃度のアンバーガラスを製造する方法が挙げられる。
このような熱処理工程を実施することにより、アンバーガラスの明度(Y)は、10%以上変化させることができ、組成や熱処理条件を上記範囲内で最適化することにより、15%以上変化させることができる。
本発明によれば、同一の組成からなるアンバーガラス組成物(ベースガラス)を用いて濃淡の異なる複数種類のアンバーガラスを製造することができるが、得られるアンバーガラスの具体的な濃度や、濃淡の差などについては、何ら限定されるものではない。
一例として挙げるとすれば、濃色のアンバーガラスとしては、主波長(λd)が580〜591nmであり、明度(Y)が15%以下のアンバーガラスが挙げられる。また、通常のアンバーガラスとしては、主波長(λd)が580〜591nmであり、明度(Y)が15%を越え、一般に16〜25%程度であるアンバーガラスが挙げられる。
また、明度差(ΔY)で表すとすれば、該明度差(ΔY)が10%以上あるような、濃色アンバーガラスと通常アンバーガラスとを製造することが可能となる。
このように、本発明に係るアンバーガラス製造方法によれば、同一の原料を用いながらも、濃淡の異なる複数種類のアンバーガラスを製造することが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例において、主波長(λd)、明度(Y)、及び刺激純度(Pe)の値は、約4mm厚に鏡面研磨したサンプルを用いて、分光光度計(日立製作所社製、U−3010)により透過率曲線を測定し、該透過率曲線をJIS Z 8701に記載のCIE法に基づいて計算し、4.0mmにおける値に換算したものである。
また、ガラス成分の組成分析は、蛍光X線分析装置(リガク社製、RIX3100)を用いて行った。
(実施例1)
以下の成分をそれぞれの割合となるよう秤量し、混合してバッチ組成物を調製した。
珪砂 100重量部
ソーダ 29重量部
石灰 26重量部
芒硝 1.5重量部
カーボン(純度85%) 0.345重量部
酸化鉄 0.34重量部
酸化第二銅 0.02重量部
酸化錫 0.1重量部
酸化亜鉛 0.063重量部
得られたバッチ組成物を白金坩堝に入れて電気炉内で溶融し、さらに、溶融されたバッチ組成物を流し出してディスク形状の成形品とした。その後、該成形品を570℃の電気炉に入れて徐冷した。該成形品の組成分析を行ったところ、以下のような値(重量%)が得られた。
SO3 0.093%
酸化鉄 0.28%(Fe23換算)
酸化銅 0.015%(CuO換算)
酸化錫 0.075%(SnO換算)
SiO2 72.333%
Al23 1.815%
CaO 10.867%
MgO 0.087%
Na2O 13.076%
2O 1.288%
ZnO 0.047%
CuO/SnO(重量比) 0.20
さらに、該成形品を電気炉内に入れ、下記表2に示す種々の熱処理条件にて熱処理を行った後、各熱処理の前後における主波長(λd)、明度(Y)および刺激純度(Pe)を測定した。
その結果、主波長(λd)は582〜586nm程度、刺激純度(Pe)は92〜96%程度の範囲内で殆ど変化せず、明度(Y)のみが熱処理条件に依存して熱処理後に大きく異なる結果となった。
(明度の変化量の評価)
そこで、熱処理の前後における明度(Y)の変化量が、8%以上となった場合を「A」、6%以上8%未満となった場合を「B」、6%未満となった場合を「C」として評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
(実施例2〜8)
下記表2に示した配合のバッチ組成物を用いることを除き、他は実施例1と同様にして成形品を作成するとともに、実施例1と同様にして種々の熱処理条件による熱処理を行い、さらに同様の評価を行った。結果を併せて表3及び表4に示す。
Figure 2009242131
Figure 2009242131
Figure 2009242131
表3に示したように、本発明の組成を具備しない比較例1のアンバーガラス組成物においては、いずれの熱処理条件で熱処理しても、明度(Y)の変化量が、6%未満の「C」であるのに対し、本発明の組成を具備する実施例1〜8のアンバーガラス組成物においては、熱処理条件を変えることによって、明度(Y)の変化量が、6%未満「C」から8%以上「A」へと大きく変化していることが認められる。

Claims (5)

  1. 組成中、酸化物換算の重量%表示で、
    SO3 0.06〜0.12%
    酸化鉄 0.2〜0.35%(Fe23換算)
    酸化銅 0.01〜0.05%(CuO換算)
    酸化錫 0.05〜0.3%(SnO換算)
    を含有し、かつCuO/SnO(重量比)が0.1〜0.4であることを特徴とするアンバーガラス組成物。
  2. 組成中、酸化物換算の重量%表示で、
    SiO2 65〜75%
    Al23 0〜5%
    CaO 6〜15%
    MgO 0〜4%
    Na2O 10〜17%
    2O 0〜4%
    をさらに含有することを特徴とする請求項1記載のアンバーガラス組成物。
  3. レッドクスナンバーが−10〜−35であることを特徴とする請求項1又は2記載のアンバーガラス組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のアンバーガラス組成物の組成を満たす溶融状態のベースガラスを所定形状に成形した後、580〜620℃の温度で20〜120分間保持する熱処理工程を実施し、主波長(λd)580〜591nm、明度(Y)15%以下の濃色アンバーガラスとすることを特徴とするアンバーガラス製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載のアンバーガラス組成物の組成を満たす溶融状態のベースガラスを成形して複数の成形品とした後、該複数の成形品のうちの少なくとも一の成形品について580〜620℃の温度で20〜120分間保持する熱処理工程を実施し、他の成形品に対して580℃未満の温度で120分以下保持する熱処理工程を実施し、前記一の成形品を主波長(λd)580〜591nm、明度(Y)15%以下の濃色アンバーガラスとし、前記他の成形品を主波長(λd)580〜591nm、明度(Y)が15%を超えるアンバーガラスとすることを特徴とするアンバーガラス製造方法。
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