JP2009241586A - 画像記録方法、インクセット、及びインクジェット記録物 - Google Patents

画像記録方法、インクセット、及びインクジェット記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】カールの発生を抑えて、再現性の高い画像の記録が行なえる画像記録方法を提供する。
【解決手段】ブリストー法による、接触時間900msecにおける水の吸収量が14ml/m以下の記録媒体上に、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と樹脂粒子を1.5質量%以上と水とを含む水性処理液を付与する処理液付与工程12と、付与された前記水性処理液を、前記処理液付与工程での水性処理液の付与開始から900msecが経過するまでの間に、前記水性処理液中に含まれる水の70質量%以上が蒸発するように乾燥させ、前記記録媒体上に遮断層を形成する遮断層形成工程13と、前記遮断層の上に、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含む水性インクをインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程14とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像記録方法、インクセット、及びインクジェット記録物に関する。
インクジェット記録用の被記録媒体及びそれに用いるインクとしては、例えば発色濃度、定着性、解像度など、高品位の画像を形成するための技術が種々検討されている。
例えば普通紙に記録を行なう等、画像記録用の被記録媒体は多種多様であり、記録された画像の定着性や解像度などの品質が不充分になったり、記録後の記録媒体にカールが発生し、充分な性能が得られていない場合がある。例えば、一般の印刷等で用いられるアート紙やコート紙等の「塗工紙」や上質紙等の「非塗工紙」に水性インクを用いて記録を行なうと、インク中の水分で紙中のセルロース繊維間の水素結合の切断、再結合等により、カールと呼ばれる紙の変形が発生することが知られている。
また、インクジェット記録の高速化も図られてきており、シャトルスキャン方式ではなく、1回のヘッド操作で記録可能なシングルパス方式で高速記録する場合の記録適性が求められている。この場合、速やかにインクを吸収することが求められるが、例えばベタ画像部などのように多量のインクが付与される等の場合には、多量のインク溶媒が吸収されることになり、カールの発生も生じやすくなる。
カールの防止策としては、インクに糖類等のカール防止剤を添加する方法や、搬送部の紙抑え機構を強めて強制的にカールを抑える等の方法が提案されているが、いずれも充分にカールを抑えるまでには至っていない。
カールの抑制に関連する技術として、インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態にした後にインクで画像を記録する紙カール抑制方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、インクの浸透を抑制する処理液をインクとは別に付与するインクジェットプリント方法(例えば、特許文献2参照)、インク打滴前に基材を撥液的にする技術(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特開2004−136458号公報 特開平9−254376号公報 米国特許第6283589号明細書
しかしながら、上記したアルコール液を用いた紙カール抑制方法では、アルコールを水性インク打滴前に紙に付与するため、インクのハジキや画像の滲みが生じてしまう問題がある。この問題を解消するために、アルコール液を紙に付与した後に紙表面を乾燥させようとすると、その後にインクを打滴した際のカールの発生を防止できない。
また、インクの浸透を抑制する処理液を用いたインクジェットプリント方法では、処理液中のカチオン活性剤などの成分の働きにより、インク中の色素を不溶化(凝集)させ得るため、インク中の色素(染料)の紙内部への浸透は抑制されるものの、インク中の溶媒(水)は反応しないため、紙中への浸透は抑制されず、紙のカールを抑えることはできない。
さらに、予め基材を撥液的にする技術では、基材(紙)の撥液化によりインク中の溶媒が受ける毛細管力が小さくなるため、浸透は抑制されるが、インクドットの広がりも抑制されてしまうため、インクドット同士に隙間ができてしまい、結果として画像の光学濃度が著しく低下してしまうほか、ドットの位置誤差に起因するスジムラが強調されて高品質の画像を得ることはできない。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、カールの発生を抑えて、再現性の高い画像の記録が行なえる画像記録方法、インクセット、及びインクジェット記録物を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、水分含量が比較的多い水性処理液と水性インクとを併用して画像記録する場合において、水性インク等が着滴して発生するカールは、水分や水溶性溶剤等の溶媒が浸透することにより紙を構成するセルロースの水素結合が切断されることで発生するため、この水分等の浸透そのものを遮断できる皮膜の形成を、水性インクの付与に先立って記録媒体への水等のセルロースの水素結合を切断し易い溶媒の吸収を低く保つように行なうことが、カール防止と高品位な画像の形成性の両立に繋がるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> ブリストー法による、接触時間900msecにおける水の吸収量が14ml/m以下の記録媒体上に、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と樹脂粒子を1.5質量%以上と水とを含む水性処理液を付与する処理液付与工程と、付与された前記水性処理液を、前記処理液付与工程での水性処理液の付与開始から900msecが経過するまでの間に、前記水性処理液中に含まれる水の70質量%以上が蒸発するように乾燥させ、前記記録媒体上に遮断層を形成する遮断層形成工程と、前記遮断層の上に、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含む水性インクをインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を有する画像記録方法である。
<2> 前記水性処理液が、水性インク中の成分を固定化する固定化剤を含むことを特徴とする前記<1>に記載の画像記録方法である。
<3> 前記水性処理液中における固定化剤(F)と樹脂粒子(L)との比率(F/L;質量比)が0.5〜6.5の範囲であることを特徴とする前記<2>に記載の画像記録方法である。
<4> 前記固定化剤が、2価以上の酸であることを特徴とする前記<2>又は前記<3>に記載の画像記録方法である。
<5> 前記水性処理液中の樹脂粒子が、ポリエステル系樹脂粒子であることを特徴とする前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の画像記録方法である。
<6> 前記水性処理液中の樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が、50℃以上であることを特徴とする前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載の画像記録方法である。
<7> 前記記録媒体が、コート紙であることを特徴とする前記<1>〜前記<6>のいずれか1つに記載の画像記録方法である。
<8> SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と樹脂粒子を1.5質量%以上と水とを含む水性処理液と、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含む水性インクとを備え、前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の画像記録方法に用いられるインクセットである。
<9> 前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載の画像記録方法により記録されたインクジェット記録物である。
本発明によれば、カールの発生を抑えて、再現性の高い画像の記録が行なえる画像記録方法、インクセット、及びインクジェット記録物を提供することができる。
本発明の画像記録方法の実施に用いるインクジェット記録装置の構成例を示す概略構成図である。
以下、本発明の画像記録方法について詳細に説明し、該説明を通じて本発明のインクセット及び記録されたインクジェット記録物について詳述する。
<画像記録方法>
本発明の画像記録方法は、ブリストー法による、接触時間900msec(ミリ秒)における水の吸収量が14ml/m以下の記録媒体上に、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と樹脂粒子を1.5質量%以上と水とを含む水性処理液を付与する処理液付与工程と、記録媒体上に付与された水性処理液を、前記処理液付与工程での水性処理液の付与開始から900msecが経過するまでの間に、前記水性処理液中に含まれる水の70質量%以上が蒸発するように乾燥させ、前記記録媒体上に遮断層を形成する遮断層形成工程と、形成された遮断層の上に、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含む水性インクをインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、を少なくとも設けて構成したものである。
本発明においては、画像の記録に際して記録媒体上に予め、水性インク中の溶媒の浸透を遮断できる皮膜を、水性インクの打滴に先立って記録媒体への水分吸収を低く保ちながら形成する。ところが、記録媒体として用いる紙の表面に水性インクの打滴に先立って遮断性の皮膜を形成するには、二つの根本的問題がある。
第1には、遮断性の皮膜を形成するにあたって均一な皮膜を形成するには、塗布など、皮膜形成する素材を予め希釈して均一に付与する必要があり、希釈に用いる溶媒がやはり紙に浸透して紙の構造に影響を及ぼす。希釈溶媒が水もしくは水溶性有機溶剤の場合、水性インクに含まれる溶媒と同様にカールを引き起こす。希釈溶媒がセルロースの水素結合を切断しない又は切断しにくい有機溶媒の場合はカールの発生は抑えられるが、有機溶媒の浸透による白色度の低下(空隙を有機溶媒が満たすため反射が抑制されて発生)、紙の強度の低下が発生してしまう。なお、遮断性の皮膜を形成する素材は、その機能から疎水的性質を有する必要があるため、これを均一に希釈、分散するには疎水的な有機溶媒は分散安定性の観点で不利となる。第2には、遮断性の皮膜を形成した上に水性インクで画像記録を行なうと、画像の固定化が著しく抑制されることがある。通常、水性インクによる画像の固定は、溶媒が紙に浸透することにより、色材の分散したインク中で固化が起こることによるところが大きい。これは、顔料インクの場合に顕著である。つまり、遮断性の皮膜を形成した上に水性インクにより画像を記録すると、溶媒の紙への浸透が抑止されるため、脱溶媒による固化反応がほとんど期待できず、画像の固定化が抑制される結果、インクの滲み、着弾干渉によるドット移動、インクドット合一によるムラの発生などの問題が生じる。したがって、画像の固定化を高めるには、遮断性の皮膜の形成とは別に固定化を促進する固定化剤を遮断性の皮膜上に水性インクの打滴に先立って付与することが有効になるが、系が複雑化すること、皮膜上に付与される溶媒量(固定化剤付与時の溶媒+インク溶媒)が多くなり、乾燥に負荷がかかる等の問題が発生する。
以上から本発明においては、遮断性の皮膜を形成する所定量の樹脂粒子を用いて、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上含有する水性溶媒中に樹脂粒子が分散した水性処理液を作製し、これを溶媒の浸透が比較的遅い記録媒体に付与し、水性処理液中の水分の浸透が進行もしくは拡大する前に乾燥により水性処理液中の水を70%以上蒸発させる。
本発明においては、水性処理液がSP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上含有していれば、水性処理液の溶媒の浸透が進行もしくは拡大する前に水性処理液に含まれる水の70%以上を蒸発させることにより、記録媒体である紙中に浸透(例えばコート紙等ではこれを構成するセルロース層に到達)する水性処理液の溶媒中の水溶性有機溶剤の含有率を高めることが可能であり(例えば10〜50質量%)、水性処理液の付与後は水性インク等の溶媒が紙中に浸透(例えばコート紙等ではこれを構成するセルロース層に到達)してもセルロースの水素結合の切断が抑制され、カールの発生を抑えることが可能である。また、記録画像の再現性が向上し、線や細部などの描画性に優れた高品位の画像が得られる。
以下、本発明の画像記録方法を構成する各工程について詳述する。
−処理液付与工程−
処理液付与工程は、ブリストー法による、接触時間900msecにおける水の吸収量が14ml/m以下の記録媒体上に、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と樹脂粒子を1.5質量%以上と水とを含む水性処理液を付与する。本工程では、溶媒吸収の遅い記録媒体上に水性インクに先立って、樹脂粒子を付与することで皮膜化を可能にし、SP値13以下の比較的極性の大きくない水溶性有機溶剤を付与する。
(水性処理液)
処理液付与工程で用いる水性処理液は、SP値13以下の水溶性有機溶剤と樹脂粒子と水とを少なくとも含んでなり、必要に応じて他の成分を用いて構成することができる。
<SP値13以下の水溶性有機溶剤>
本発明における水性処理液は、SP値13以下の水溶性有機溶剤の少なくとも1種を10質量%以上となるように含有する。SP値が13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上含有することによって、後述の遮断層形成工程での水の蒸発(乾燥)で記録媒体である紙(例えばコート紙等ではこれを構成するセルロース層)に浸透する溶媒中のSP値13以下の水溶性有機溶剤の比率が水に比べて高くなり、カールの発生が抑制される。
換言すると、SP値13以下の水溶性有機溶剤の水性処理液中における含有量が10質量%未満であると、水の蒸発による溶媒濃度の上昇幅(濃縮化)が少なく、水性処理液の付与及び水性インクでの画像記録によるカールの発生を抑制することができず、画像の再現性も低下する。SP値13以下の水溶性有機溶剤の水性処理液中の含有量としては、15質量%以上50質量%未満であるのがより好ましく、20質量%以上40質量%未満であるのが更に好ましい。SP値13以下の水溶性有機溶剤の含有量が50質量%未満であると、後述の樹脂粒子の安定性がより良好である。
SP値13以下の水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、水性処理液を構成する水溶性有機溶剤のSP値が13を超えると、たとえ乾燥により濃縮化して水溶性有機溶剤の濃度が高くできても、カールの発生を抑制することは困難である。水溶性有機溶剤のSP値の下限は、顔料インクの安定性の観点で10であることが好ましい。SP値が10以上であると、水性処理液に含まれる樹脂粒子の分散安定性がより良好になる。
上記のうち、水溶性有機溶剤のSP値としては、10.3以上13以下の範囲がより好ましく、更に好ましくは10.5以上13以下の範囲である。
ここで、本発明におけるSP値について説明する。
SP値は、ハンセン(Hansen)溶解度パラメータを用いる。ハンセン(Hansen)溶解度パラメータは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメータを、分散項δd,極性項δp,水素結合項δhの3成分に分割し、3次元空間に表したものであるが、本発明においてはSP値をδ[(cal/cm0.5]で表し、下記式を用いて算出される値を用いる。
δ[(cal/cm0.5]=(δd+δp+δh0.5
なお、この分散項δd,極性項δp,水素結合項δhは、ハンセンやその研究後継者らにより多く求められており、Polymer Handbook (fourth edition)、VII-698〜711に詳しく掲載されている。
また、多くの溶媒や樹脂についてのハンセン溶解度パラメータの値が調べられており、例えば、Wesley L.Archer著、Industrial Solvents Handbookに記載されている。水性処理液が2種以上の水溶性有機溶剤を含む場合には、少なくとも1種のSP値が13以下であればよい。
また、水溶性有機溶剤は、水性処理液に含有される樹脂粒子の皮膜化を助ける役目も担う。かかる観点から、水溶性有機溶剤のSP値は、水性処理剤に含有される樹脂粒子のSP値に近いことが有利である。具体的には、水溶性有機溶剤のSP値と樹脂粒子のSP値との差が、4.5以下であることが好ましい。
水性処理液に含まれる水溶性有機溶剤は、後述の遮断層形成工程での乾燥により蒸発しないことが好ましく、水溶性有機溶剤の沸点は180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、220℃以上が更に好ましい。また、塗布性等の観点から、粘度、表面張力などの物性値から選択することができる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、イソペンチルアルコール(10)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(10.1)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(10.2)、1−オクタノール(10.3)、トリエチレングリコール(10.3)、ジプイロピレングリコールモノメチルエーテル(10.4)、シクロペンタノン(10.4)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(10.5)、エチルセルソルブ(10.5)、1−ブチルアルコール(10.6)、N,N−ジメチルアセトアミド(10.8)、1−ペンタノール(10.9)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(10.9)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(10.9)、3−メトキシブタノール(10.9)、プロピレングリコールフェニルエーテル(11.1)、1−ブタノール(11.4)、シクロヘキサノール(11.4)、エチレングリコールモノブチルエーテル(11.5)、イソプロピルアルコール(11.5)、n−プロピルアルコール(11.8)、N,N−ジメチルホルムアミド(11.9)、N−エチルホルムアミド(11.9)、ベンジルアルコール(12.1)、ジエチレングリコール(12.1)、トリオキシプロピレングリコール(12.1)、エタノール(12.7)、ポリオキシプロピテングリセリルエーテル類(10.6〜12.9)、などが挙げられる。なお、各化合物のカッコ内の数値はSP値を表し、単位は(cal/cm0.5である。
前記SP値以外に水溶性有機溶剤に求められる機能(乾燥防止、湿潤、浸透制御、インク粘度調整など)を付与する観点から選択することが可能である。詳しくは後述の水性インクの水溶性有機溶剤の項において説明する。
<樹脂粒子>
本発明における水性処理液は、樹脂粒子の少なくとも1種を含有する。樹脂粒子を含むので、記録媒体上に付与された後に皮膜化できる。これより、後述の遮断層形成工程での乾燥により遮断層を形成できる。
樹脂粒子の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂の粒子が好ましい。これらは、ラテックスとして用いることができ、例えば、ポリエステル系ラテックス、ポリ塩化ビニル系ラテックス、ポリ塩化ビニリデン系ラテックス、ポリカーボネート系ラテックス、ポリアクリル系ラテックスが好ましい。中でも、分散安定性の点で、ポリエステル系ラテックス、ポリ塩化ビニル系ラテックスがより好ましく、ポリエステル系ラテックスが更に好ましい。
水性処理液を構成する樹脂粒子は、SP値が13以下の水溶性有機溶剤が10質量%以上存在する液中において安定に分散し、乾燥時には水溶性有機溶剤が濃縮された状態で造膜・皮膜化し得る観点から、SP値が9.0〜11の範囲の樹脂粒子が好ましく、より好ましくは9.5〜10.5の範囲である。
また、樹脂粒子は、SP値以外に求められる機能(分散性、溶媒遮断性、皮膜性、密着性、塗布性など)の観点から選択することが可能である。具体的には、前記同様に液中での安定分散と造膜・皮膜化の両立の観点から、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、20℃以上90℃未満が好ましく、30℃以上70℃未満がより好ましく、40℃以上70℃未満が更に好ましい。
樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、下記の式により算出される値である。
1/Tg=Σ(Xk/Tgk)
ここで、ポリマーがk=1〜nのn個のモノマー成分が共重合しているとした場合、Xkはk番目のモノマーの重量分率(ΣXk=1)を表し、Tgkはk番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)を表す。但し、Σはkが1からnまでの和である。なお、各モノマーの単独重合体のガラス転移温度(Tgk)は、Polymer Handbook (3rd Edition) [J.Brandrup, E. H. Immergut著 (Wiley-Interscience, 1989)]などに記載されており、広く一般に知られている。
また、樹脂粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径で5nm〜1μmの範囲が好ましく、10nm〜500nmの範囲がより好ましく、10nm〜200nmの範囲が更に好ましく、10nm〜100nmの範囲が特に好ましい。また、ポリマー粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つポリマー微粒子を2種以上混合して使用してもよい。
また、ラテックス粒子の重量平均分子量(Mw)は、8000〜100000の範囲が好ましく、より好ましくは10000〜50000の範囲である。
樹脂粒子(特にラテックス)は、従来公知の様々な合成法、分散法により合成、調製することができ、具体的には、乳化重合法、転相法などにより得ることができる。安定分散と造膜・皮膜化の両立の観点からは、いわゆるソープフリーラテックスも好適に使用できる。例えばソープフリーポリエステルラテックスなどが好適に挙げられる。具体的には、このようなラテックスの市販品として、ポリエステル系ラテックスとして、バイロナールMD−1200(Tg:67℃)、バイロナールMD−1100(Tg:40℃)〔以上、東洋紡(株)製〕、プラスコート Z−561(Tg:64℃)、プラスコート Z−221(Tg:47℃)〔互応化学工業(株)製〕等、塩化ビニル系ラテックスとして、ビニブラン−900(Tg:70℃)〔信越化学工業(株)製〕、ビニブラン−609(Tg:43℃)などを挙げることができる。
樹脂粒子の水性処理液中における含有量は、水性処理液の全質量に対して、1.5質量%以上とし、この範囲内において水性処理液の付与量、溶媒遮断に必要な最低付与量の関係、液中での安定分散、水性処理液の付与均質性などを勘案して総合的に決定することができる。樹脂粒子の含有量が1.5質量%未満であると、皮膜化が少なく溶媒の遮断能が足りず、カールの発生を抑制することができない。
樹脂粒子の含有量としては、上記の点から1.5質量%以上50質量%未満の範囲が好ましい。樹脂粒子の含有量の上限が50質量%であると、画像の耐擦過性の点で有利である。樹脂粒子の含有量は、好ましくは2質量%以上40質量%以下の範囲であり、より好ましくは2質量%以上30質量%未満の範囲である。
<固定化剤>
水性処理液は、上記の水溶性有機溶剤及び樹脂粒子以外に、水性インク中の成分を固定化できる固定化剤を含有することが好ましい。固定化剤を予め記録媒体上に存在させることにより、付与された水性インク中の成分が凝集しあるいは水性インクが増粘することで、水性処理液が皮膜形成した場合に生じやすい水性インクの着弾干渉、滲みが防止され、付与された水性インク中の成分を固定化してラインや微細像などを均質に描画することができる。これより、高品位な画像が得られる。
水性インク中の成分の固定化は、固定化剤が乾燥皮膜中に存在している状態で水性インクと接触したときに、水性インクを記録媒体上に固定化、具体的には水性インク中に分散している粒子(顔料、樹脂粒子等)の分散安定性を減じ、顔料や樹脂粒子の凝集や水性インクの粘度上昇を生じさせることにより行える。すなわち、例えばカルボン酸等の弱酸性の官能基で分散安定化しているインク中の顔料、樹脂粒子などの粒子の表面電荷を例えば酸等と反応させることにより減じ、不安定化させて固定化することができる。
そのため、固定化剤としては、水性インク中の粒子の表面電荷を減じて不安定化させ得るものが好ましく、また、水性インクに再溶解しやすい成分が好ましい。中でも、固定化剤としては、pKaの低い酸が好ましく、pKaが低く、溶解度が高く、価数が2価以上の水溶性の酸が好ましく、水性インクを分散安定化させている官能基のpKaより低いpH領域に高いバッファー能を有することが好ましい。
2価以上の酸としては、その第1pKaが4.0以下の酸が好ましく、より好ましくは3.5以下の酸である。具体的には、燐酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、フタル酸などが挙げられ、pKa、溶解度が類似した他の酸も使用可能である。
これらの酸の中で、クエン酸は、保水力が高く、固定化された水性インクの物理強度が高くなる傾向にあり、機械特性がより要求される系で好ましく用いられる。一方、マロン酸は逆に保水力が低く、水性処理液の乾燥を速めたい系で場合に好ましく用いられる。また、フタル酸は、併用する樹脂粒子(特にポリエステル系樹脂粒子)との親和性が高く、固定化された水性インクの遮断層との密着力を強化することができる。
このように、固定化剤は、他の副次的因子に応じて適宜選択して用いることが可能である。
固定化剤を用いる場合、固定化剤の付与量は、水性インクを安定化させるに足る量であれば特に制限はないが、0.3g/m以上が好ましく、0.3g/m以上2g/m未満がより好ましく、0.5g/m以上1g/m未満が更に好ましい。
固定化剤(F)と水性処理液に含まれる樹脂粒子(L)との比率(F/L;質量比)は、0.5以上6.5以下の範囲が好ましく、1.0以上5.5以下の範囲がより好ましく、1.6以上5.0以下の範囲が更に好ましい。固定化剤と水性処理液に含まれる樹脂粒子との比率F/L(質量比)は、0.5以上であると固定化剤が樹脂皮膜に取り込まれて皮膜化することなく存在し得るため、水性インクの固定性がより良好であり、6.5以下であると皮膜形成性が良好で溶媒遮断効果が得られ、カールの発生を抑制できる。また、前記範囲内であると、酸が多く残存することなくインク固定化に有効に利用され、画像の耐擦過性の向上に有利である。
本発明における水性処理液は、上記成分のほか、本発明の効果を阻害しない範囲内で、色々な目的に応じて適宜他の素材を添加することができる。具体的には、後述の水性インクの項で説明する界面活性剤やその他の添加剤を添加することが可能である。
水性処理液のpH(25℃)は、固定化剤を用いて水性インク中の成分の固定化を良好にする観点から、6以下が好ましく、より好ましくはpHは4以下である。中でも、pH(25℃)は1〜4の範囲が好ましく、特に好ましくは、pHは1〜3である。この場合、後述の水性インクのpH(25℃)は、7.5以上(より好ましくは8以上)であることが好ましい。中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、水性インクのpH(25℃)が7.5以上であって、水性処理液のpH(25℃)が4以下である場合が好ましい。
水性処理液の付与は、インクジェット法で吐出する方法、スプレー塗布法、ローラー塗布法等の任意の方法を選択することができる。中でも、後述の水性インクが吐出される領域などに選択的に形成することが可能である観点から、インクジェット法によるのが好ましい。
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
また、インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
水性処理液の付与に際しては、後述の遮断層形成工程に移行する前に予め記録媒体の温度を水性処理液中の樹脂粒子の最低造膜温度より高くしておくこともできる。予め記録媒体の遮断層形成面を昇温することにより、後述の遮断層形成工程での水の蒸発を助長することができる。記録媒体を加熱する加熱手段としては、記録媒体の遮断層形成面と反対側(例えば、記録媒体を自動搬送する場合は記録媒体を載せて搬送する搬送部材の下方)にヒーター等の発熱体を設置して熱する方法や、記録媒体の遮断層形成面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。
<記録媒体>
本発明の画像記録方法には、ブリストー法による、接触時間900msecにおける水の吸収量(以下、「900msec吸水量」と略記することがある。)が14ml/m以下の記録媒体を用いる。ブリストー法による水の吸収量が14ml/m以下の比較的少ない記録材料を選択し、後述の遮断層形成工程での所定の乾燥を終えるまでに要する時間(水性処理液の付与開始から900msec)内での溶媒の浸透量を抑える。
記録媒体のブリストー法による前記水の吸収量が14ml/mを超えると、後述の遮断層形成工程での乾燥による水の蒸発より溶媒の浸透が速くなり、水性処理液の溶媒中の含水率が高いまま、記録媒体(紙)中に浸透(例えばコート紙等ではそのセルロース層に到達)してカールの発生を抑制できない。
中でも、カール防止の点で、900msec吸水量は、12ml/m以下が好ましい。また、900msec吸水量の下限は、耐擦過性の向上、画像の解像度向上の点で、3ml/mが好ましい。
〜ブリストー法〜
ブリストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も利用されている方法であり、日本紙パルプ技術協会(J’TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細については、J’TAPPI No.51「紙及び板紙の液体吸収性試験方法」(ブリストー法)の記載を参照することができる。また、簡易的には、紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁 記載の動的走査吸収液計でも試験することが可能である。ここでは、上記に記載の動的走査吸収液計を用いて、接触時間900ミリ秒に定めて測定する。なお、記録媒体の裏側に水性インクが抜けてしまう点は計算から除外する。
本発明における記録媒体としては、ブリストー法による、接触時間900msecにおける水の吸収量が14ml/m以下の吸水速度が比較的小さいこと以外は、特に制限はなく選択することができる。例えば、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆるコート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像形成においては、水や水溶性有機溶剤などの溶媒の浸透によりカールしてしまい、著しい品質低下を生じるが、本発明の画像記録方法によると、カールの発生を抑制して高品位の画像の記録が可能である。
記録媒体には、一般に市販されているものを使用することができる。記録媒体の市販品としては、例えば、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」(900msec吸水量:4ml/m)、及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」(900msec吸水量:7ml/m)、「ユーライト」(900msec吸水量:11ml/m)等のコート紙(A2、B2)、三菱製紙(株)製の「特菱アート」(900msec吸水量:4ml/m)等のアート紙(A1)、などが使用できる。また、ポリエチレンで被覆したレジンコート紙に受像層を塗布したタイプのインクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることができる。
中でも、コート紙が好ましい。コート紙には、セルロース層で形成された原紙の表面に塗工層が施された加工紙等が含まれる。
−遮断層形成工程−
遮断層形成工程は、前記処理液付与工程で記録媒体上に付与された水性処理液を、処理液付与工程での水性処理液の付与開始から900msecが経過するまでの間に、水性処理液中に含まれる水(水全量)の70質量%以上が蒸発するように乾燥させ、記録媒体上に遮断層を形成する。
本工程では、水性処理液の付与開始から900msec迄の間に、付与された水性処理液中の全水量のうちの70質量%以上が蒸発するように乾燥させることで、皮膜化できると共に、記録媒体中への浸透時には溶媒は水溶性有機溶剤の濃縮状態に調整することができる。これより、記録媒体中への溶媒浸透をセルロースの水素結合が切断されないように制御することができる。
また、皮膜化した状態で少量の水、水溶性溶媒が含有されていてもよい。
さらに、乾燥(蒸発)させることにより、後述の水性インク中の成分が凝集した後に記録媒体と接着せずに水性処理液中に浮遊する現象(色材浮遊)も防止され、画像を構成するドット(水性インクの液滴)を所望の位置に固定することができる。
本発明にいう「水性処理液の付与開始」は、水性処理液が記録媒体の記録面に最初に接触した時点であり、例えば、インクジェット法で吐出する場合はインク滴が最初に記録面に着滴した時点である。
水の蒸発量は、記録媒体上に付与した水性処理液の質量と、水性処理液が付着した記録媒体の全質量から記録媒体の質量を減じた質量との差から求めることができる。水の蒸発量は、カール抑制の点から、70質量%以上であるのが好ましい。本工程での水の蒸発量の上限は、特に制限はないが、記録時間の観点から、98質量%である。
乾燥方法は、水性処理液に予め含有された水の70%以上を水性処理液の付与開始後900msec以内に蒸発させる能力があれば、特に制限はない。このような乾燥方法としては、ヒーター等の公知の加熱手段や、温風や熱風をあてる送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段により容易に行なえる。中でも、水性処理液の皮膜化を促進する観点から、乾燥過程で水性処理液の膜面温度を高めることができる手段を用いた方法が好ましく、具体的には、記録媒体に接触して加熱するヒーターや、記録媒体と非接触で水性処理液を加熱できるヒーター(例えば赤外線ヒーター)を用いた方法が好ましい。
また、記録媒体の種類(材質、厚み等)や環境温度等によって、記録媒体の表面温度は変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部と該計測部で計測された記録媒体の表面温度の値を加熱制御部にフィードバックする制御機構を設けて温度制御しながら遮断層を形成することが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触又は非接触の温度計が好ましい。
−画像記録工程−
画像記録工程は、前記遮断層形成工程で形成された遮断層の上に、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含有する水性インクをインクジェット法により吐出して画像を記録する。インクジェット法の詳細については、処理液付与工程の項において既述した通りである。
本発明においては、上記の処理液付与工程及び遮断層形成工程を経て形成された遮断層の上に水性インクを吐出して画像を記録するので、カールの発生を抑制しつつ、再現性に優れた高品位の画像を記録することができる。また、高速記録が可能であり、具体的には1200dpi以上の高精細な画像を、例えば500mm/秒以上の搬送速度で印字可能なシングルパス方式のインクジェット法での記録が可能である。
更には、処理液付与工程で用いる水性処理液が固定化剤を含む場合には、水性インクが吐出されると、水性インクが遮断層と接触した際に、画像をなす水性インク中の成分のうち、少なくとも顔料及び樹脂粒子が固定化される。水性インク中の成分が固定化されることにより、ギャザリング、滲み、インクドット間の着弾干渉が抑えられ、より再現性の高い画像が得られる。
水性インクは、単色画像の形成のみならず、多色画像(例えばフルカラー画像)の形成に用いられ、所望の1色又は2色以上を選択して画像記録することができる。フルカラー画像を記録する場合は、水性インクとしてマゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができる。また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色調以外のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、白色(W)の色調のインク組成物や、いわゆる印刷分野における特色のインク組成物等を用いることができる。
上記の各色調のインク組成物は、着色剤として用いる顔料の色相を所望により変更することにより調製できる。
なお、水性インクの詳細については後述する。
−他の工程−
前記画像記録工程の後には、水性インク中の溶媒(特に水)を乾燥除去する乾燥工程を更に設けることができる。また、水性インク中の溶媒を乾燥除去することに代えて又は乾燥除去すると共に、記録媒体の表面に多孔質体のローラー等を接触させて水性インク中の溶媒を吸収除去する工程を設けてもよい。
更に、画像記録工程の後に、少なくとも画像に圧力を付与する圧力付与手段及び少なくとも画像を加熱する加熱手段の少なくとも一方を用いて記録媒体上の画像を定着処理する定着工程を設けてもよい。例えば、画像記録工程後に、記録媒体の表面に加熱された加熱ロールや熱板などを接触又は圧着する処理を行なうことができる。この場合、水性インク及び遮断層中に含まれる樹脂粒子を溶融させることができ、水性インク中の成分と遮断層との間、及び遮断層と記録媒体との間の密着力を向上させることができる。このとき、加熱温度は、水性インク中の樹脂粒子のTg、水性処理液中の樹脂粒子のTgより高いことが好ましい。
〜インクジェット記録装置〜
次に、本発明の画像記録方法を実施するのに好適なインクジェット記録装置について、図1を参照して具体的に説明する。図1は、インクジェット記録装置の全体構成の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置は、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、水性処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された水性処理液を乾燥させる加熱手段(不図示)を備えた処理液乾燥ゾーン13と、各種水性インクを吐出するインク吐出部14と、吐出された水性インクを乾燥させるインク乾燥ゾーン15とが配設されている。また、記録媒体の搬送方向におけるインク乾燥ゾーン15の下流側には、更に記録媒体上の画像を定着する画像定着部16が配設されている。
このインクジェット記録装置に供給された記録媒体は、記録媒体が装填されたケースから記録媒体を給紙する給紙部から、搬送ローラによって、処理液付与部12、処理液乾燥ゾーン13、インク吐出部14、インク乾燥ゾーン15と順に送られ、更に必要に応じて画像定着部16での定着処理を経て集積部に送られる。搬送は、搬送ローラによる方法のほか、ドラム状部材を用いたドラム搬送方式やベルト搬送方式、ステージを用いたステージ搬送方式などを採用してもよい。
複数配置された搬送ローラのうち、少なくとも1つのローラはモータ(不図示)の動力が伝達された駆動ローラとすることができる。モータで回転する駆動ローラを定速回転することにより、記録媒体は所定の方向に所定の搬送量で搬送されるようになっている。
処理液付与部12には、水性処理液を貯留する貯留タンクに繋がる処理液吐出用ヘッド12Sが設けられている。処理液吐出用ヘッド12Sは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから水性処理液を吐出し、記録媒体の上に水性処理液を液滴付与できるようになっている。なお、処理液付与部12は、ノズル状のヘッドから吐出する方式に限らず、塗布ローラを用いた塗布方式を採用することもできる。この塗布方式は、下流側に配置されたインク吐出部14で記録媒体上にインク滴が着弾する画像領域を含むほぼ全面に水性処理液を容易に付与することができる。記録媒体上の水性処理液の厚みを一定にするために、例えば、エアナイフを用いたり、あるいは尖鋭な角を有する部材を、水性処理液の規定量に対応するギャップを記録媒体との間に設けて設置する等の方法を設けてもよい。
処理液付与部12の記録媒体搬送方向の下流側には、処理液乾燥ゾーン13が配置されている。処理液乾燥ゾーン13は、ヒーター等の公知の加熱手段やドライヤー等の送風を利用した送風手段、あるいはこれらを組み合わせた手段を用いて構成することができる。加熱手段は、記録媒体の遮断層形成面と反対側(例えば、記録媒体を自動搬送する場合は記録媒体を載せて搬送する搬送機構の下方)にヒーター等の発熱体を設置する方法や、記録媒体の遮断層形成面に温風又は熱風をあてる方法、赤外線ヒータを用いた加熱法などが挙げられ、これらの複数を組み合わせて加熱してもよい。
また、記録媒体の種類(材質、厚み等)や環境温度等によって、記録媒体の表面温度は変化するため、記録媒体の表面温度を計測する計測部と該計測部で計測された記録媒体の表面温度の値を加熱制御部にフィードバックする制御機構を設けて温度制御しながら遮断層を形成することが好ましい。記録媒体の表面温度を計測する計測部としては、接触又は非接触の温度計が好ましい。
また、溶媒除去ローラー等を用いて溶媒除去を行なってもよい。他の態様として、エアナイフで余剰な溶媒を記録媒体から取り除く方式も用いられる。
インク吐出部14は、処理液乾燥ゾーン13の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク吐出部14には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各色インクを貯留するインク貯留部の各々と繋がる記録用ヘッド(インク吐出用ヘッド)30K、30C、30M、30Yが配置されている。不図示の各インク貯留部には、各色相に対応する顔料と樹脂粒子と水溶性有機溶剤と水とを含有する水性インクが貯留されており、画像の記録に際して必要に応じて各インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yに供給されるようになっている。また、インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、及び30Yの搬送方向下流側には、図1に示すように、必要に応じて特色インクを吐出可能なように、特色インク吐出用の記録ヘッド30A、30Bを更に配設することもできる。
インク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Yは、記録媒体の記録面と対向配置された吐出ノズルから、それぞれ画像に対応するインクを吐出する。これにより、記録媒体の記録面上に各色インクが付与され、カラー画像が記録される。
処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bはいずれも、記録媒体上に記録される画像の最大記録幅(最大記録幅)にわたって多数の吐出口(ノズル)が配列されたフルラインヘッドとなっている。記録媒体の幅方向(記録媒体搬送面において搬送方向と直交する方向)に短尺のシャトルヘッドを往復走査しながら記録を行なうシリアル型のものに比べて、記録媒体に高速に画像記録を行なうことができる。本発明においては、シリアル型での記録、又は比較的高速記録が可能な方式、例えば1回の走査で1ラインを形成するシングルパスで主走査方向に吐出して記録できる方式での記録のいずれを採用してもよいが、本発明の画像記録方法によればシングルパスによる方式でも再現性の高い高品位の画像が得られる。
ここでは、処理液吐出用ヘッド12S、並びにインク吐出用ヘッド30K、30C、30M、30Y、30A、及び30Bは、全て同一構造になっている。
水性処理液の付与量と水性インクの付与量とは、必要に応じて調節することが好ましい。例えば、記録媒体に応じて、水性処理液と水性インクとが混合してできる凝集物の粘弾性等の物性を調節する等のために、水性処理液の付与量を変えてもよい。
インク乾燥ゾーン15は、インク吐出部14の記録媒体搬送方向下流側に配置されている。インク乾燥ゾーン15は、処理液乾燥ゾーン13と同様に構成することができる。
画像乾燥後、記録媒体により強固な定着性を付与するために別途必要に応じて、画像定着部16を設けてもよい。
画像定着部16は、インク乾燥ゾーン15の記録媒体搬送方向の更に下流側に配置されている。画像定着部16には、定着ローラ40A,40Bが互いに圧接するローラ対が設けられており、定着ローラ40A及び40Bの間を記録媒体が通過することにより、記録媒体上に形成された画像は加圧、加熱され、記録媒体上に記録された画像の定着性を向上させることができる。なお、定着ローラ40A、40Bとしては、1個の加圧ローラと1個の加熱ローラからなるローラ対が好ましいが、これに限定されるものではない。
また、インクジェット記録装置には、給紙部から集積部までの搬送路に、記録媒体に加熱処理を施す加熱手段を配置することもできる。例えば、処理液乾燥ゾーン13の上流側や、インク吐出部14とインク乾燥ゾーン15との間、などの所望の位置に加熱手段を配置することで、記録媒体を所望の温度に昇温させることにより、乾燥、定着を効果的に行なうようにすることが可能である。
<インクセット>
本発明のインクセットは、既述の本発明の画像記録方法に用いられるものであり、少なくとも、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と、樹脂粒子を1.5質量%以上と、水とを含む水性処理液、及び顔料と樹脂粒子と水溶性有機溶剤と水とを含む水性インクを設けて構成したものである。
本発明のインクセットは、既述のように、遮断性の皮膜を形成する所定量の樹脂粒子を用いて、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上含有する水性溶媒中にポリマー粒子が分散した水性処理液を、水性インクで画像記録する前処理用液体として有し、これを溶媒の浸透が比較的遅い記録媒体に付与し、水性処理液中の水分の浸透が進行もしくは拡大する前に乾燥により水性処理液中の水を70%以上蒸発させた後に水性インクで画像記録するものであり、カールの発生を抑えながら、記録画像の再現性が向上し、線や細部などの描画性に優れた高品位の画像が得られる。
前記水性処理液は、樹脂粒子を含み、溶媒(水、水溶性有機溶剤を含む)の浸透を抑制、遮断するための造膜が可能である。また、水性処理液は、固定化剤を含有することが好ましく、この場合は造膜によりできた遮断層に水性インクを固定化することができる。この場合、固定化剤の水性処理液中における含有量としては、水性処理液の全質量に対し、5〜30質量%の範囲が好ましく、7〜25質量%の範囲がより好ましい。水性処理液を構成するSP値13以下の水溶性有機溶剤、樹脂粒子等の各成分、及び含有量などの詳細については、既述した通りである。水性インクの詳細については以下に詳述する。
−水性インク−
水性インクは、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含んでなり、必要に応じて、分散剤やその他の添加剤などの他の成分を更に用いて構成することができる。
以下、本発明における水性インクの構成成分について詳細に説明する。
(樹脂粒子)
本発明の水性インクは、樹脂粒子の少なくとも1種を含有する。樹脂粒子を含有することにより、主に水性インクの記録媒体への定着性及び耐擦過性をより向上させることができる。また、樹脂粒子は、既述の固定化剤と接触した際に凝集又は分散不安定化して水性インクを増粘させることにより、水性インク、すなわち画像を固定化させる機能を有する。このような樹脂粒子は、水及び含水有機溶媒に分散されているものが好ましい。
前記樹脂粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の微粒子が挙げられ、これら微粒子をラテックスとして用いることができる。例えば、スチレン系ラテックス、アクリル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、ポリエステル系ラテックス等、種々のラテックスを用いることができる。特に、アクリル系ラテックスが好ましい。
また、固定化剤を含有する水性処理液と接触した際に凝集、又は分散不安定化してインクを増粘させる樹脂粒子(特にラテックス)としては、pH変化に応答してゼータ電位が変化するものが好ましく、例えば、カルボン酸基を粒子表面に有し、pHの低下により分散安定性が低下する樹脂粒子が好ましい。
また、2価以上の金属イオンにより不安定化するアニオン性官能基を粒子表面に有する樹脂粒子(特にラテックス)も好適である。粒子表面にカチオン性の官能基とアニオン性の官能基とを有し、pH変化によりその極性が変換する極性変換樹脂粒子(特にラテックス)も好適である。
更には、ソープフリーラテックスも、反応性が高く好適である。
ラテックス粒子のガラス転移温度(Tg)には、特に制限はないが、水性インクの保存安定性の観点から、室温以上、具体的には30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
なお、Tgの算出は、既述の水性処理液において記載の方法と同様に下記式により算出される値である。
1/Tg=Σ(Xk/Tgk)
ラテックス粒子の平均粒子径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10nm〜500nmの範囲がより好ましく、20nm〜200nmの範囲が更に好ましく、50nm〜200nmの範囲が特に好ましい。また、ラテックス粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。
また、単分散の粒径分布を持つポリマー微粒子を2種以上混合して使用してもよい。
ラテックスとして市販品を使用してもよい。具体的には、アロンHD−5(Tg:45℃)〔東亞合成化学(株)製〕、ジョンクリル537(Tg:49℃)、ジョンクリル775(Tg:37℃)〔BASFジャパン(株)製〕、ジュリマーET−410(Tg:44℃)〔日本純薬(株)製〕等が挙げられる。
(顔料)
本発明の水性インクは、顔料の少なくとも1種を含有する。顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。
前記有機顔料のうち、オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ31、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が挙げられる。
マゼンタ又はレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222、C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
グリーン又はシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・グリーン7、及び米国特許4311775号明細書に記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン、等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック6、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
また、有機顔料の平均粒子径は、透明性・色再現性の観点からは小さい方がよいが、耐光性の観点からは大きい方が好ましい。これらを両立には、前記平均粒子径は10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。また、有機顔料の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ有機顔料を2種以上混合して使用してもよい。
顔料の含有量としては、水性インクの全質量に対して、1〜25質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%が更に好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
(分散剤)
本発明の水性インクは、分散剤の少なくとも1種を含有することができる。前記顔料の分散剤としては、ポリマー分散剤、又は低分子の界面活性剤型分散剤のいずれでもよい。また、ポリマー分散剤は、水溶性の分散剤、又は非水溶性の分散剤のいずれでもよい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、インクを低粘度に保ちつつ、顔料を水溶媒に安定に分散させることができる。低分子の界面活性剤型分散剤は、分子量2,000以下の低分子分散剤である。また、低分子の界面活性剤型分散剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、200〜2,000がより好ましい。
前記低分子の界面活性剤型分散剤は、親水性基と疎水性基とを含む構造を有している。また、親水性基と疎水性基とは、それぞれ独立に1分子に1以上含まれていればよく、また、複数種類の親水性基、疎水性基を有していてもよい。また、親水性基と疎水性基とを連結するための連結基も適宜有することができる。
前記親水性基は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、あるいはこれらを組み合わせたベタイン型等である。前記親水性基は、アニオン性基であることが好ましい。
前記アニオン性基は、マイナスの電荷を有するものであればいずれでもよいが、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であることが好ましく、リン酸基、カルボン酸基であることがより好ましく、カルボン酸基であることがさらに好ましい。
前記カチオン性基は、プラスの荷電を有するものであればいずれでもよいが、有機のカチオン性置換基であることが好ましく、窒素又はリンのカチオン性基であることがより好ましい。また、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであることがさらに好ましい。
前記ノニオン性基は、ポリエチレンオキシドやポリグリセリン、糖ユニットの一部等が挙げられる。
また、低分子の界面活性剤型分散剤がアニオン性の親水性基を有する場合、酸性の処理液と接触させて凝集反応を促進させる観点から、pKaが3以上であることが好ましい。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaは、テトラヒドロフラン−水(3:2=V/V)溶液に低分子の界面活性剤型分散剤1mmol/Lを溶解した液を酸あるいはアルカリ水溶液で滴定し、滴定曲線より実験的に求めた値のことである。低分子の界面活性剤型分散剤のpKaが3以上であると、理論上pH3程度の液と接したときにアニオン性基の50%以上が非解離状態になる。したがって、低分子の界面活性剤型分散剤の水溶性が著しく低下し、凝集反応が起こる。すなわち、凝集反応性が向上する。かかる観点からも、低分子の界面活性剤型分散剤は、アニオン性基としてカルボン酸基を有する場合が好ましい。
前記疎水性基は、炭化水素系、フッ化炭素系、シリコーン系等の構造を有しており、特に炭化水素系であることが好ましい。また、疎水性基は、直鎖状構造又は分岐状構造のいずれであってもよい。また、疎水性基は、1本鎖状構造又はこれ以上の鎖状構造でもよく、2本鎖状以上の構造である場合は、複数種類の疎水性基を有していてもよい。
また、疎水性基は、炭素数2〜24の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜24の炭化水素基がより好ましく、炭素数6〜20の炭化水素基がさらに好ましい。
前記ポリマー分散剤のうち、水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物が挙げられる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子等が挙げられる。
また、天然物を原料に修飾した親水性高分子化合物では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子等が挙げられる。
更に、合成系の親水性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや、他の親水基を有するモノマーとの共重合体などのように、カルボキシル基が導入されたものが親水性高分子化合物として好ましい。
ポリマー分散剤のうち、非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
分散剤の重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000であり、更に好ましくは5,000〜40,000であり、特に好ましくは10,000〜40,000である。
顔料(p)と分散剤(s)との混合質量比(p:s)としては、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、1:0.125〜1:2の範囲がより好ましく、更に好ましくは1:0.125〜1:1.5である。
(水溶性有機溶媒)
本発明における水性インクは、水溶性有機溶媒の少なくとも1種を含有する。水溶性有機溶媒は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
乾燥防止剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒であることが好ましい。このような水溶性有機溶媒の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。
このうち、乾燥防止剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
乾燥防止剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。乾燥防止剤の含有量は、水性インク中に10〜50質量%の範囲とするのが好ましい。
浸透促進剤としては、水性インクを記録媒体(印刷用紙など)により良く浸透させる目的で好適である。このような水溶性有機溶媒の具体例としては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を好適に用いることができる。
浸透促進剤は、1種単独で用いても2種以上併用してもよい。浸透促進剤の含有量は、水性インク中に5〜30質量%の範囲であるのが好ましい。また、浸透促進剤は、画像の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない量の範囲内で使用することが好ましい。
水溶性有機溶媒は、上記以外にも粘度の調整のために用いられる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶媒の具体例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が含まれる。この場合も、水溶性有機溶媒は1種単独で用いるほか、2種以上を併用してもよい。
(その他の添加剤)
本発明における水性インクは、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水性インクの場合はインクに直接添加し、また、油性染料を分散物として用いる場合は染料分散物の調製後に分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
前記紫外線吸収剤は、画像の保存性を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載のベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載のベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載の桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載のトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載の化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される、紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
前記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させることができる。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤が挙げられる。有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類等が挙げられ、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。より具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載の化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載の代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を用いることができる。
前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン及びその塩等が挙げられる。防黴剤の含有量は、水性インクに対して0.02〜1.00質量%の範囲が好ましい。
前記pH調整剤としては、中和剤(有機塩基、無機アルカリ)を用いることができる。pH調整剤は、水性インクの保存安定性を向上させることができる。pH調整剤は、水性インクのpHが6〜10となるように添加するのが好ましく、pHが7〜10となるように添加するのがより好ましい。
前記表面張力調整剤としては、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
表面張力調整剤の添加量は、水性インクの表面張力を20〜60mN/mに調整できる範囲が好ましく、20〜45mN/mに調整できる範囲がより好ましく、25〜40mN/mに調整できる範囲が更に好ましい。添加量が前記範囲内であると、インクジェット法で良好に打滴することができる。
前記界面活性剤の具体例としては、炭化水素系では、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&ChemicaLs社製)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシド等のアミンオキシド型の両性界面活性剤も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げられたものも用いることができる。
また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等を用いることにより、耐擦性を良化することもできる。
また、これら表面張力調整剤は、消泡剤としても使用することができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、及びEDTAに代表されるキレート剤等も使用可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1〜4、比較例1〜8)
[水性インクの調製]
《シアンインクC1−1の調製》
−シアン分散液C1の調製−
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、プレンマーPP−500(日本油脂(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
一方、滴下ロートに、スチレン14部、ステアリルメタクリレート24部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)9部、プレンマーPP−500(日本油脂(株)製)9部、メタクリル酸10部、2−メルカプトエタノール0.13部、メチルエチルケトン56部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を加え、混合溶液を調液した。
そして、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から2時間経過後これに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部をメチルエチルケトン12部に溶解した溶液を3時間かけて滴下し、更に75℃で2時間、80℃で2時間熟成させ、ポリマー分散剤溶液を得た。
得られたポリマー分散剤溶液の一部について、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、高速GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC−8220GPCにて、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー(株)製)を3本直列につなぎ、重量平均分子量を測定した。その結果、重量平均分子量は、ポリスチレン換算で質量平均分子量が25,000であった。
また、得られたポリマー分散剤溶液を固形分換算で5.0g、シアン顔料Pigment Blue 15:3(大日精化(株)製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g 及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)で1000rpmで6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに顔料濃度が10%になるまで濃縮して、水不溶性微粒子Aとしてのシアン分散液C1を調製した。
得られたシアン分散液C1の体積平均粒子径(二次粒子)を、Micorotrac粒度分布測定装置(Version 10.1.2−211BH(商品名)、日機装(株)製)で動的光散乱法により測定したところ、77nmであった。
上記のようにシアン分散液C1を調製した後、さらに、水不溶性微粒子Bとしてアクリル系ラテックス(ジョンクリル537)を遠心分離により粗大粒子を除いてから用いると共に、有機溶剤、界面活性剤、及びイオン交換水を用いることにより、下記組成になるようにインクを調製した。調製後、得られたインクを5μmフィルタを通して粗大粒子を除去し、シアンインクC1−1とした。
<シアンインクC1−1の組成>
・シアン顔料(Pigment Blue 15:3、大日精化(株)製)・・・4質量%
・ポリマー分散剤溶液 ・・・2質量%
・アクリル系ラテックス(ジョンクリル537(Tg:49℃)、BASFジャパン(株)製)・・・8質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル・・・10質量%
(SP値:10.9;和光純薬(株)製)
・グリセリン(和光純薬(株)製)・・・20質量%
・オルフィンE1010(日信化学(株)製)・・・1質量%
・イオン交換水・・・55質量%
《シアンインクC1−2の調製》
前記インクC1−1の調製において、ジョンクリル537(アクリル系ラテックス)をジョンクリル551(Tg:9℃、BASFジャパン(株)製)に代えたこと以外は、インクC1−1の調製と同様の方法で下記組成のシアンインクC1−2を調製した。
《シアンインクC2−1の調製》
Cabojet250(キャボット社製;15%シアン顔料分散液)26.7g、アクリル系ラテックスを固形分換算で8g、グリセリン20g、ジエチレングリコールモノエチルエーテル10g、オルフィンE1010(日信化学(株)製)1gを混合し、最後にイオン交換水で総量が100gになるようにメスアップし、下記組成のシアンインクC2−1を調製した。
<シアンインクC2−1の組成>
・シアン顔料分散液(Cabojet250、キャボット社製)・・・4質量%
・アクリル系ラテックス(ジョンクリル537(Tg:49℃)、BASFジャパン(株)製)・・・8質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル・・・10質量%
(SP値:10.9;和光純薬(株)製)
・グリセリン(和光純薬(株)製)・・・20質量%
・オルフィンE1010(日信化学(株)製)・・・1質量%
・イオン交換水・・・57質量%
《マゼンダインクM1−1の調製》
マゼンタ顔料(CromophtaL Jet Magenta DMQ、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)400g、オレイン酸ナトリウム(和光純薬(株)製)40g、グリセリン(和光純薬(株)製)200g、及びイオン交換水1360gを混合して乳鉢で1時間混練した後、日本精機(株)製の小型攪拌機付超音波分散機US−600CCVP(600W、超音波発振部50mm)で20分間、粗分散を行なった。
次に、この粗分散液と0.05mmジルコニアビーズ1.3kgをスーパーアペックスミル(形式SAM−1、コトブキ技研興業(株)製)に供給し、回転数2500rpm、処理流量15L/hで160分間分散を実施した。分散終了後、32μm濾布で濾過し、20質量%の水不溶性微粒子Aとしてのマゼンタ顔料分散液M1を得た。
前記シアン分散液の場合と同様の方法で、得られたマゼンタ顔料分散液M1の平均粒径を測定したところ、70nmであった。
上記のようにマゼンタ顔料分散液M1を調製した後、さらに、水不溶性微粒子Bとしてアクリル系ラテックス(ジョンクリル537)を遠心分離により粗大粒子を除いてから用いると共に、有機溶剤、界面活性剤、イオン交換水を用いることにより、下記組成になるようにインクを調製した。調製後、得られたインクを5μmフィルタを通して粗大粒子を除去し、マゼンタインクM1−1とした。
<マゼンタインクM1−1の組成>
・マゼンタ顔料(Cromophtal Jet Magenta DMQ)・・・4質量%
・オレイン酸ナトリウム(分散剤)・・・0.4質量%
・アクリル系ラテックス(ジョンクリル537(Tg:49℃)、BASFジャパン(株)製)・・・8質量%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル・・・10質量%
(SP値:10.9;和光純薬(株)製)
・グリセリン(和光純薬(株)製)・・・20質量%
・オルフィンE1010(日信化学(株)製) ・・・1質量%
・下記フッ素系界面活性剤1 ・・・0.1質量%
・イオン交換水・・・56.5質量%
Figure 2009241586
[水性処理液の調製]
下記組成の各成分を混合して、水性処理液B−1〜B−6を調製した。
Figure 2009241586
[画像記録及び評価]
上記で得られたインク、水性処理液を用いて下記のようにして画像を記録し、記録された画像に対して、下記の方法で画像品質、カール性を評価した。
《画像記録》
まず、図1に示すように、記録媒体の搬送方向(図中の矢印方向)に向かって順次、水性処理液を吐出する処理液吐出用ヘッド12Sを備えた処理液付与部12と、付与された水性処理液を乾燥させる処理液乾燥ゾーン13と、各種水性インクを吐出するインク吐出部14と、吐出された水性インクを乾燥させるインク乾燥ゾーン15と、加熱された圧着ロールを備え乾燥後の画像を加熱圧着により定着する画像定着部16とが配設されたインクジェット装置を準備した。
処理液乾燥ゾーン13は、図示しないが、記録媒体の記録面側には乾燥風を送って乾燥を行なう送風器を備え、記録媒体の非記録面側には赤外線ヒータを備えており、処理液付与部で処理液の付与を開始した後900msecが経過するまでに、温度・風量を調節して水性処理液中の水の70質量%以上を蒸発(乾燥)できるように構成されている。また、インク吐出部14は、搬送方向方向(矢印方向)にブラックインク吐出用ヘッド30K、シアンインク吐出用ヘッド30C、マゼンタインク吐出用ヘッド30M、及びイエローインク吐出用ヘッド30Yが順次配置されており、各ヘッドは1200dpi/10inch幅フルラインヘッド(駆動周波数:25kHz、記録媒体の搬送速度530mm/sec)であり、各色をシングルパスで主走査方向に吐出して記録できるようになっている。また、圧着ロール40A,40Bは、80℃に調温されている。
図1に示すように構成されたインクジェット装置の処理液吐出用ヘッド12S、シアンインク吐出用ヘッド13C、及びマゼンタインク吐出用ヘッド13Mに繋がるそれぞれの貯留タンク(不図示)に、上記で得た水性処理液、水性インクを装填して、記録媒体にベタ画像及び1200dpiのライン画像を記録した。水性処理液の記録媒体への付与量は、5ml/mとした。記録媒体には、日本製紙(株)製の「ユーライト」(坪量84.9g/m)、富士ゼロックス(株)製の「Xerox 4024」を用いた。ブリストー法で測定した、接触時間900msecにおける水の吸収量は、下記表2に示す。
画像の記録に際し、水性処理液、シアンインク、及びマゼンタインクは、解像度1200dpi×600dpi、インク滴量3.5plにて吐出した。このとき、ライン画像は、1200dpiの幅1ドットのライン、幅2ドットのライン、幅4ドットのラインをシングルパスで主走査方向に吐出して記録し、ベタ画像は、記録媒体をA5サイズにカットしたサンプルの全面にインクを吐出してベタ画像とした。
画像の記録はまず、記録媒体上に処理液吐出用ヘッド12Sから水性処理液をシングルパスで吐出した後、水性処理液の乾燥は処理液乾燥ゾーン13で行ない、処理液乾燥ゾーンを水性処理液の吐出開始から900msec迄に通過するようにした。処理液乾燥ゾーン13では、着滴した水性処理液を着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで膜面温度が40〜45℃となるように加熱しながら、送風器により記録面に120℃の温風をあて、風量を変えて所定の乾燥量になるように調整した。続いて、シアンインク吐出用ヘッド30C及びマゼンタインク吐出用ヘッド30Mにより、シアンインク、マゼンタインクを各々シングルパスで吐出して画像を記録した後、前記同様にインク着滴面の裏側(背面)から赤外線ヒータで加熱しながら、送風器により120℃、5m/secの温風を記録面に15秒間あてて乾燥させた。画像乾燥後、80℃に調温されたPFA(テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体である完全フッ素化の熱可塑性フッ素樹脂)製の圧着ローラ40A,40Bでニップ圧1.0mPaにて加熱圧着する操作(工程)を3回繰り返して画像を定着した。
なお、画像の記録に用いた記録媒体、水性処理液、及びインクの組合せを下記表2に示す。
《画像評価》
−1.画像品質(描画性)−
上記のようにして記録媒体上に記録された、幅1ドットのライン、幅2ドットのライン、幅4ドットのラインについて、下記の評価基準にしたがって描画性を評価した。評価結果は下記表2に示す。
<評価基準>
1:全てのラインが均質なラインであった。
2:幅1ドットのラインは均質であったが、幅2ドット及び幅4ドットのラインの一部にライン幅の不均一やラインの切れ、液溜まりが認められた。
3:幅1ドットのラインは均質であったが、幅2ドット及び幅4ドットのラインの全般にライン幅の不均一やラインの切れ、液溜まりが認められた。
4:ライン全体にライン幅の不均一やラインの切れ、液溜まりが顕著に認められた。
−2.カール−
全面にベタ画像が形成されたA5サイズのサンプルを23℃、55%RHの環境下に12時間放置した後、平面に置いた際の各サンプルの四隅(4頂点)の浮き上がり(高さ)を測定して、下記の評価基準にしたがって評価した。なお、記録面の中央付近が盛り上がるように紙がカールした場合は、紙をひっくり返して四隅が平面の上方に反り上がるように配置し測定を行なった。
<評価基準>
1:4点の浮き上がりの算術平均が0.3cm未満であった。
2:4点の浮き上がりの算術平均が0.3cm以上0.5cm未満であった。
3:4点の浮き上がりの算術平均が0.5cm以上0.7cm未満であった。
4:4点の浮き上がりの算術平均が0.7cm以上であった。
Figure 2009241586
前記表2に示すように、実施例では、画像記録後のカールが抑制され、記録された画像は、再現性のよい高品質の画像が得られた。これに対し、比較例では、カールを抑えながら、画像の品質を高めることはできなかった。
12・・・処理液付与部
12S・・・処理液吐出用ヘッド
13・・・処理液乾燥ゾーン
14・・・インク吐出部
15・・・インク乾燥ゾーン
16・・・画像定着部
30K,30C,30M,30Y・・・インク吐出用ヘッド

Claims (9)

  1. ブリストー法による、接触時間900msecにおける水の吸収量が14ml/m以下の記録媒体上に、SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と樹脂粒子を1.5質量%以上と水とを含む水性処理液を付与する処理液付与工程と、
    付与された前記水性処理液を、前記処理液付与工程での水性処理液の付与開始から900msecが経過するまでの間に、前記水性処理液中に含まれる水の70質量%以上が蒸発するように乾燥させ、前記記録媒体上に遮断層を形成する遮断層形成工程と、
    前記遮断層の上に、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含む水性インクをインクジェット法により吐出して画像を記録する画像記録工程と、
    を有する画像記録方法。
  2. 前記水性処理液が、水性インク中の成分を固定化する固定化剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記水性処理液中における固定化剤(F)と樹脂粒子(L)との比率(F/L;質量比)が0.5〜6.5の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の画像記録方法。
  4. 前記固定化剤が、2価以上の酸であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像記録方法。
  5. 前記水性処理液中の樹脂粒子が、ポリエステル系樹脂粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 前記水性処理液中の樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が、50℃以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記記録媒体が、コート紙であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  8. SP値13以下の水溶性有機溶剤を10質量%以上と樹脂粒子を1.5質量%以上と水とを含む水性処理液と、顔料、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含む水性インクとを備え、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像記録方法に用いられるインクセット。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像記録方法により記録されたインクジェット記録物。
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