JP2004136458A - 紙カール抑制方法及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】水性インクにより画像を形成するインクジェット記録方法において記録済の用紙のカールを抑制する紙カール抑制方法及び記録装置を提供すること。
【構成】紙を基体とする記録媒体上へ水性インクの飛翔液滴を用いて画像を形成するインクジェット記録方法において記録済みの用紙のカールを抑制する方法として、インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態に至らしめ、その後にインクで画像を記録する。この場合、前記アルコール液は、以下の有機化合物群;エタノール、炭素数5から8の飽和脂肪族ジオールのエタノール溶液、炭素数6の飽和脂肪族トリオールのエタノール溶液;の中から選択される。
【選択図】 図1
【構成】紙を基体とする記録媒体上へ水性インクの飛翔液滴を用いて画像を形成するインクジェット記録方法において記録済みの用紙のカールを抑制する方法として、インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態に至らしめ、その後にインクで画像を記録する。この場合、前記アルコール液は、以下の有機化合物群;エタノール、炭素数5から8の飽和脂肪族ジオールのエタノール溶液、炭素数6の飽和脂肪族トリオールのエタノール溶液;の中から選択される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクにより紙を基体とする記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において、記録済みの用紙のカールを抑制する方法と該方法を採用した記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録はノンインパクトの印刷方法であり、入力信号に応じて紙を基体とする記録媒体上へ水性インクの飛翔液滴を用いて画像を形成するものである。バブルジェット、サーマルインクジェット、ピエゾインクジェット等は、ドロップオンデマンドプリンタとして、ホーム、オフィス等の広範な環境で利用されている。これらのインクジェット記録で用いられるインクは、水を主成分とし、染料、顔料等の色材及び水溶性溶剤、少量の添加剤等から成る水性インクが汎用される。
【0003】
水性インクは、一般のオフセット印刷に用いられる油性インクに比べ、非毒性、環境影響度が少ない等が長所として挙げられ、一般家庭、オフィス内で使用するのに好適である。
【0004】
しかしながら、水を主成分とするため、ホーム、オフィスで多用される「普通紙」への記録に対しては、水が紙の繊維に作用して紙の膨潤による変形(しわ)を発生させ、更に、膨潤した紙が乾燥する過程では収縮によるカール減少を引き起こし、プリント物としての品位を大きく損ねてしまう欠点がある。
【0005】
カールは紙の抄紙方向を軸として用紙端が紙の中心に向けて記録面側又は記録裏面側に変形する現象であり、一度カールすると容易には元の状態には戻らず、最悪の場合は記録用紙が筒状になってしまう。カールは記録直後から現れる場合と、数日を要して徐々に進行する場合があり、又、記録する環境条件、温度・湿度・気圧・風等によってもカールの進行に変動があり、現象が画一的ではないためその抑制は困難を極める。
【0006】
以上のような水性インク特有の欠点を解決するカール抑制方法としてこれまで各種手段が提案されている。
【0007】
その手段を大別すると、
(1)インクにカール防止剤を添加する方法及びその応用技術
(2)記録装置にカールを強制的に防止する手段を組み込む方法及びその応用技術の2つである。
【0008】
上記(1)の例として、特開平6−240189号公報には、インクジェットインクに特定の構造を持つ糖を4〜20重量%添加したものが提案されている。又、特開平6−157955号公報には、1,3−ジオール類、1,3,5−トリオール類及び特定の構造のポリオキシアルキレン誘導体をカール防止剤としてインクに添加したインクジェット用水性インク組成物が提案されている。
【0009】
同様な提案は特開平9−165539号公報、特開平9−176538号公報等にあり、特開平9−165539号公報では、カール防止剤として、“複数個の水酸基と炭素数5〜18のアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよび芳香族基から成る群より選択される基の1個を有する化合物”を挙げ、同公報にはカールのメカニズム及びカール防止剤の作用機構に関する考察がある。その考察部分を引用すると、(以下原文のまま)「カールおよびカックル発生のメカニズムは十分解明されていないが、次のように推測される。すなわち、用紙のセルロース繊維間の水素結合がインク中の水により一旦切れ、水が蒸発した際、切れた水素結合が再結合するが、その場合、切れる前と同じ位置で再結合が行われれば問題はないが、別の位置で再結合すると、繊維の伸縮が生じ、カールおよびカックルが生じると考えられる。ところが、本発明のインクには、上記の化合物が含まれており、そしてその化合物に存在する複数の水酸基がセルロースと結合しやすく、水とセルロース繊維間の水素結合を切れにくくしているのではないかと考えられる。」と述べている。
【0010】
次に(2)の例として、特開平8−216384号公報では、記録用紙の搬送経路に配置したインクを乾燥する乾燥装置と、経路の周囲に配設された記録媒体の裏面にカール防止物質を付着するアプリケーターを備えた記録装置の提案がある。この装置では、▲1▼カール防止物質の記録媒体裏面付与装置、▲2▼乾燥装置、▲3▼インクジェット記録ヘッドから構成される。
【0011】
別の(2)の例として、特開平9−216389号公報には、画像形成面に染料又は顔料を含む少なくとも一種類の水性インクが付与された基材の反対面に透明水性液又は水性インクを付加し、水性インクと透明水性液の付加の前、間中及び後の各段階でインク乾燥手段による任意の基材加熱によって行うカール低減式印刷方法及び装置が提案されている。これは水性インクを用いながら、記録用紙の両面に水性液を付与して、用紙の表面、裏面の両方にカールを発生させて、結果的に用紙全体のカールをキャンセルしようとする手段と強制乾燥手段を組み合わせたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の(1)に分類される、特開平9−165539号公報では、該公報中の実施例1〜16ではカール防止剤をインク中に、0.5〜8重量%添加しているが、カール防止剤の水酸基がそれより圧倒的に多く、しかも、同時に存在する水の水酸基よりセルロースと結合し易いとは考えにくい。もし仮に、カール防止剤の水酸基がセルロースと結合し易いとしても、添加量が少ないために、紙に存在する(水素結合による)セルロース繊維の結合点の大多数と結合するとは考えられない。この場合、カール防止剤を紙中に存在する繊維の水素結合点を十分上回る量であればカール防止に役立つと考えられる。
【0013】
しかし、インクジェット記録においては、600dpi以上で直径数10μmφ程度の微小管状ノズルから、数plから数10pl程度の微小液滴として毎秒1000回〜20,000回程度の速度で吐出記録するために、ノズル管内の流体摩擦が非常に大きく、実用上の吐出液滴サイズを実用上の吐出間隔で吐出させるにはインク粘度の制約(粘度の上限)が極めて大きい。
【0014】
通常、インクジェット記録用の水性インクの粘度は1.5〜5mPa・s程度である。この問題を回避するためには、十分な効果を出すための添加量より相当少ない量に止めざるを得ない。従って、期待するほどのカール防止効果が得られないのが現状である。他の従来例、特開平6−240189号公報、特開平6−157955号公報、特開平9−165539号公報等においても、インクにカール防止剤を添加する方法では、インクジェット記録という制約のためにカール防止に十分な効果を示す添加量が確保できないと考えられる。
【0015】
又、添加量が増えると、特にサーマルインクジェット、バブルジェット等の熱によるインクの発泡でインク滴を吐出する方法では、熱を発生するヒーター表面に「コゲーション」という堆積物を生じせしめて発泡が不安定になり、記録画像の乱れをもたらす。
【0016】
更に、インク滴に多量のカール防止剤を添加すると、インクの不揮発性が高まり、記録画像の乾燥性が悪くなる等の問題を生じる。
【0017】
別のカール抑制方法として、(2)に分類される特開平8−216384号公報の手段では、水性インク中の水とカール防止物質(液体)の両方を加熱乾燥するため、消費電力の増大が問題である。更に、各構成要素が別個に設けられているため、記録装置が小型化できない。
【0018】
他の(2)の例として、特開平9−216389号公報のカール抑制手段では、水性液付与手段が2箇所に分かれているため、先に水性液を付与した段階で記録用紙のしわ(コックリング)が生じて紙が波打ち、それ以降の紙の搬送が困難になる。又、水性液を両面から付与するため、用紙に吸収される水分が片面記録の場合の2倍になり、この用紙の乾燥には多大な電力を必要とする。更に、各構成要素が分かれているため、記録装置が小型化できない。
【0019】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、水性インクにより画像を形成するインクジェット記録方法において記録済の用紙のカールを抑制する紙カール抑制方法及び記録装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、紙を基体とする記録媒体上へ水性インクを用いて画像を形成するインクジェット記録方法において、インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態に至らしめ、その後インクで画像を記録することによって、紙のカールを抑制する方法を見出すに至った。
【0021】
本発明者の顕微鏡観察によると、特定の位置でセルロース繊維が結合して紙の形状を保持している所へ水を付与すると、1秒以内に先の結合点が移動し、初めの結合点とは異なる位置でセルロース繊維同士が再結合し、その状態で乾燥してしまうために紙の変形をもたらし、紙全体として「カール」という現象を引き起こすことを確認している。
【0022】
従って、カール抑制のためには、紙のセルロース繊維間の結合点が移動しないように予め何らかの方法で結合点を固定すれば良いと考察するに至った。
【0023】
本発明のアルコール液の作用は、セルロース繊維間の水素結合による結合点に存在する水酸基にアルコール液の水酸基が結合することによって、後から水がやってきてもアルコール液の疎水基部分により水分子が排除され繊維同士の結合点に到達できないため、紙が乾燥する過程で、繊維間の結合点の移動が起こりにくくなり、用紙のカールが抑制されると考えている。
【0024】
ここで、アルコール液は、エタノール、炭素数5〜8の飽和脂肪族ジオールのエタノール溶液、炭素数6の飽和脂肪族トリオールのエタノール溶液(以下、炭素数はCn で表す);の中から選択される化合物であって、親水基である水酸基とアルキル基のような疎水基がバランス良く配合されている材料が好適に用いられる。即ち、分子中の水酸基が余りに多くて親水性が高過ぎる場合は、セルロース繊維に配位しても、後から来るインク中の水によって容易に置換されてしまうのでカール抑制効果がでないと考えられる。
【0025】
一方、分子中の疎水基が多過ぎると、セルロース繊維の水酸基との親和性が弱くなり、カール防止効果が出にくいと考えられる。
【0026】
アルコールのうち、飽和脂肪族モノオールではC3 以上であると、疎水性が大き過ぎるためカール抑制効果が大きくない。又、ジオール、トリオール単独では、常温における蒸気圧が低過ぎて蒸発しにくいためと液粘度が大き過ぎて液供給に問題があるため、エタノールで希釈する必要がある。トリオールのうち、トリメチロールプロパンは常温で固体であるため、アルコールに溶解して使う必要がある。ジオール、トリオールを使う場合は、蒸発を促進するために軽度な強制乾燥装置を併用するとより高速記録への対応が可能となる。
【0027】
以上に述べたアルコール液は、塗布、噴霧、転写等の方法により紙に付与できる。一般に記録装置(プリンタ)に使用される紙搬送用プラテンローラーにアルコール液を紙に付与する機構を組み込めば、記録装置が大型にならずに済む。
【0028】
又、記録用紙を数10枚〜数100枚ストックするための容器を備えた記録装置では、該容器がアルコール液を噴霧できるか、アルコール蒸気にさらせるような密閉式のカセットを用いると1枚ずつ紙にアルコール液をアプリケートするより少量のアルコール液で済むため効率が良い。
【0029】
何れの方法を採るにしても、アルコール液を付与した紙が記録位置では実質乾燥していることが画像品位を保つために必要である。アルコール液で湿潤した状態の紙に水性インクで記録すると、余分なアルコールによりインクの浸透が誘発され、画像に滲みが出る等の問題がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
1.アルコール液の調製
アルコール液として以下の単体を用いた(何れも純度は98%以上の和光純薬工業(株)製試薬特級)。ジオール以上でエタノール溶液として用いる場合の混合比は各実施例中に示す。
【0032】
C2 :エタノール、C5 ジオール:1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、C6 ジオール:2−メチル−2,4−ペンタンジオール、C7 ジオール:3−メチル−2,4−ペンタンジオール、C8 ジオール:2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、C6 トリオール:トリメチロールプロパン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール
2.アルコール付与装置
図1に本発明のアルコール付与装置の一例を示す。
【0033】
図中、100がアルコール液のアプリケーターで、アプリケーターの全体又は表面は、スポンジ等の多孔質体、不織布等の液体を浸透保持できる材料が好ましく用いられる。
101はアルコール液をアプリケーターに伝達するためのチューブ又は液浸透性の材料が使用できる。102はアルコール液の送液ポンプであり、必須な構成ではないが、アルコール液を確実にアプリケータへ伝達するために使用すると好ましい。103はアルコール液の貯蔵タンクであり、ポリプロピレン、ポエチレンなどの材料で形成されたものを用いると良い。
【0034】
105は媒体搬送用のローラであり、アプリケーター100と対向した位置に設け、通常はゴムローラ又は金属ローラを使用する。記録媒体104はアプリケーター及びローラ105に挟まれて矢印105の方向へ搬送される。その際、アプリケーターとの接点でアルコール液が記録媒体へ浸透(図の領域106)する。
【0035】
図2に本発明の紙の強制乾燥装置の一例を示す。
【0036】
図中、108は熱源であり、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、金属抵抗線、PTCヒータ等が用いられる。尚、図示していないが、発生する熱量を制御するための温度センサ、温度コントローラーと併用することが好ましい。109は熱線の反射板であり、鏡面加工した金属板が好ましく用いられる。本装置では、熱線の方向は矢印110の方向である。
【0037】
図3に本発明のカセット式アルコール付与装置の一例を示す。
【0038】
123は紙等の記録媒体124をストックするためのカセット式ケースであり、該ケース内に、アプリケータ120、アルコール液搬送用チューブ122、アルコール液貯蔵タンク121が設けられ、アプリケータ120は記録媒体125の表面と接触しており、記録媒体の矢印方向126への移動に伴って全面にアルコール液が付与される。貯蔵タンク121の表面に大気と連通する穴を開けておき、アルコール液の蒸気でカセット内部を満たすような構成を採っても良い。
【0039】
図4に本発明の記録装置の全体構成の一例を示す。
【0040】
1000はプリンタ筐体であり、内部に本発明の各種機構を有する。130がアルコール液131の貯蔵タンクであり、132がアルコール液をアプリケータ133へ伝達するためのガイド、134はアプリケータ133と対向して設けたローラである。135はアルコール液を加熱乾燥するための熱源であり、136は熱線の反射板である。137はインクジェットカートリッジで、キャリッジ138によって記録媒体上を印字操作する。139はキャリッジを支えるためのガイド軸、141,142,144,145は記録媒体1001の搬送を支持するガイドである。143は記録媒体を下から支持するプラテンである。
【0041】
アルコール液はアプリケータ133が記録媒体1001と接する位置で媒体上へ付与され、インクジェットカートリッジの記録位置に移動するまでの距離L以内に実質乾燥されるように距離Lを調節する必要がある。
【0042】
次に、表1に本発明のアルコール液の処方一覧を示す。
【0043】
【表1】
表1に示した各処方のアルコール液を、図4に示すプリンタに供給してカール防止性能を評価した。このプリンタはキヤノン(株)製バブルジェットプリンタBJ F850を一部改造したものであり、アルコール付与機構及びセラミックヒータを使用した強制乾燥装置を組み込んである。
【0044】
印字に使用したインクはキヤノン(株)製シアンインクBCI5Cであり、60dpiの解像度でA4サイズのキヤノン(株)製普通紙EW−500の面積率90%の領域をシアン単色で印字を行った。印字後25℃・60%RHの環境で水平な台の上に置き、1 時間後、1 日後、7日後それぞれの用紙のカール量を測定した。カール量はA4用紙長手方向のエッジが上向きに反った場合、用紙エッジの水平面からの高さで定義した。下向きにカールした場合は、用紙中央とエッジ面との高さを測定し、マイナス(−)の符号で表現した。筒状になったものは、記号★で表記した。
【0045】
比較例として、アルコール液を付与しないで印字した用紙も同様にカール量を測定した。
【0046】
【表2】
次に、プリンタの強制乾燥装置を使用して上と同様にカール量を測定した。強制乾燥装置は紙面上で60℃となるようにセラミックヒータへの供給電力を調節した。その結果を表3に示した。
【0047】
各実施例No.は表2の実施例に用いたアルコール液と同じもので、表2における実施例1は表3では実施例13に対応する。他の実施例も同様に表と対応している。
【0048】
【表3】
強制乾燥装置を併用した場合は、強制乾燥しない場合よりカール量が少し減少する他、印字物のインク滲みが減少する傾向が見られた。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、アルコール液付与により印字した用紙のカールは実質抑制され、実用上印字物の保管等に支障が出ないことを確認した。又、強制乾燥を併用すると、印字物のインク滲みが減少することが確認され、本発明の目的とするカール抑制効果が十分であることを立証できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルコール付与装置の一例を示す図である。
【図2】強制乾燥装置の一例を示す図である。
【図3】用紙ストックのカセット式アルコール付与装置を示す図である。
【図4】記録装置の全体構成の一例であり、主要部分の断面図である。
【符号の説明】
100,120,133 アルコール液のアプリケータ
101,122 アルコール液伝達チューブ
102 アルコール液送液ポンプ
103,121,130 アルコール液の貯蔵タンク
104,124,125,1001 記録媒体
105,134 ローラー
107 記録媒体の搬送方向を示す矢印
106 アルコール液の記録媒体への浸透領域の模式図
108,135 強制乾燥のための熱源
109,136 熱線の反射板
110 熱線の方向
123 記録媒体をストックするためのカセット式ケース
1000 プリンタ本体の全体構成
131 アルコール液
132 アルコール液を付与するためのガイド
137 インクジェットカートリッジ
138 キャリッジ
139 キャリッジのガイド軸
140 プリンタにストックされた記録媒体
141,142,144,145 ガイド
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクにより紙を基体とする記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方法において、記録済みの用紙のカールを抑制する方法と該方法を採用した記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録はノンインパクトの印刷方法であり、入力信号に応じて紙を基体とする記録媒体上へ水性インクの飛翔液滴を用いて画像を形成するものである。バブルジェット、サーマルインクジェット、ピエゾインクジェット等は、ドロップオンデマンドプリンタとして、ホーム、オフィス等の広範な環境で利用されている。これらのインクジェット記録で用いられるインクは、水を主成分とし、染料、顔料等の色材及び水溶性溶剤、少量の添加剤等から成る水性インクが汎用される。
【0003】
水性インクは、一般のオフセット印刷に用いられる油性インクに比べ、非毒性、環境影響度が少ない等が長所として挙げられ、一般家庭、オフィス内で使用するのに好適である。
【0004】
しかしながら、水を主成分とするため、ホーム、オフィスで多用される「普通紙」への記録に対しては、水が紙の繊維に作用して紙の膨潤による変形(しわ)を発生させ、更に、膨潤した紙が乾燥する過程では収縮によるカール減少を引き起こし、プリント物としての品位を大きく損ねてしまう欠点がある。
【0005】
カールは紙の抄紙方向を軸として用紙端が紙の中心に向けて記録面側又は記録裏面側に変形する現象であり、一度カールすると容易には元の状態には戻らず、最悪の場合は記録用紙が筒状になってしまう。カールは記録直後から現れる場合と、数日を要して徐々に進行する場合があり、又、記録する環境条件、温度・湿度・気圧・風等によってもカールの進行に変動があり、現象が画一的ではないためその抑制は困難を極める。
【0006】
以上のような水性インク特有の欠点を解決するカール抑制方法としてこれまで各種手段が提案されている。
【0007】
その手段を大別すると、
(1)インクにカール防止剤を添加する方法及びその応用技術
(2)記録装置にカールを強制的に防止する手段を組み込む方法及びその応用技術の2つである。
【0008】
上記(1)の例として、特開平6−240189号公報には、インクジェットインクに特定の構造を持つ糖を4〜20重量%添加したものが提案されている。又、特開平6−157955号公報には、1,3−ジオール類、1,3,5−トリオール類及び特定の構造のポリオキシアルキレン誘導体をカール防止剤としてインクに添加したインクジェット用水性インク組成物が提案されている。
【0009】
同様な提案は特開平9−165539号公報、特開平9−176538号公報等にあり、特開平9−165539号公報では、カール防止剤として、“複数個の水酸基と炭素数5〜18のアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよび芳香族基から成る群より選択される基の1個を有する化合物”を挙げ、同公報にはカールのメカニズム及びカール防止剤の作用機構に関する考察がある。その考察部分を引用すると、(以下原文のまま)「カールおよびカックル発生のメカニズムは十分解明されていないが、次のように推測される。すなわち、用紙のセルロース繊維間の水素結合がインク中の水により一旦切れ、水が蒸発した際、切れた水素結合が再結合するが、その場合、切れる前と同じ位置で再結合が行われれば問題はないが、別の位置で再結合すると、繊維の伸縮が生じ、カールおよびカックルが生じると考えられる。ところが、本発明のインクには、上記の化合物が含まれており、そしてその化合物に存在する複数の水酸基がセルロースと結合しやすく、水とセルロース繊維間の水素結合を切れにくくしているのではないかと考えられる。」と述べている。
【0010】
次に(2)の例として、特開平8−216384号公報では、記録用紙の搬送経路に配置したインクを乾燥する乾燥装置と、経路の周囲に配設された記録媒体の裏面にカール防止物質を付着するアプリケーターを備えた記録装置の提案がある。この装置では、▲1▼カール防止物質の記録媒体裏面付与装置、▲2▼乾燥装置、▲3▼インクジェット記録ヘッドから構成される。
【0011】
別の(2)の例として、特開平9−216389号公報には、画像形成面に染料又は顔料を含む少なくとも一種類の水性インクが付与された基材の反対面に透明水性液又は水性インクを付加し、水性インクと透明水性液の付加の前、間中及び後の各段階でインク乾燥手段による任意の基材加熱によって行うカール低減式印刷方法及び装置が提案されている。これは水性インクを用いながら、記録用紙の両面に水性液を付与して、用紙の表面、裏面の両方にカールを発生させて、結果的に用紙全体のカールをキャンセルしようとする手段と強制乾燥手段を組み合わせたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の(1)に分類される、特開平9−165539号公報では、該公報中の実施例1〜16ではカール防止剤をインク中に、0.5〜8重量%添加しているが、カール防止剤の水酸基がそれより圧倒的に多く、しかも、同時に存在する水の水酸基よりセルロースと結合し易いとは考えにくい。もし仮に、カール防止剤の水酸基がセルロースと結合し易いとしても、添加量が少ないために、紙に存在する(水素結合による)セルロース繊維の結合点の大多数と結合するとは考えられない。この場合、カール防止剤を紙中に存在する繊維の水素結合点を十分上回る量であればカール防止に役立つと考えられる。
【0013】
しかし、インクジェット記録においては、600dpi以上で直径数10μmφ程度の微小管状ノズルから、数plから数10pl程度の微小液滴として毎秒1000回〜20,000回程度の速度で吐出記録するために、ノズル管内の流体摩擦が非常に大きく、実用上の吐出液滴サイズを実用上の吐出間隔で吐出させるにはインク粘度の制約(粘度の上限)が極めて大きい。
【0014】
通常、インクジェット記録用の水性インクの粘度は1.5〜5mPa・s程度である。この問題を回避するためには、十分な効果を出すための添加量より相当少ない量に止めざるを得ない。従って、期待するほどのカール防止効果が得られないのが現状である。他の従来例、特開平6−240189号公報、特開平6−157955号公報、特開平9−165539号公報等においても、インクにカール防止剤を添加する方法では、インクジェット記録という制約のためにカール防止に十分な効果を示す添加量が確保できないと考えられる。
【0015】
又、添加量が増えると、特にサーマルインクジェット、バブルジェット等の熱によるインクの発泡でインク滴を吐出する方法では、熱を発生するヒーター表面に「コゲーション」という堆積物を生じせしめて発泡が不安定になり、記録画像の乱れをもたらす。
【0016】
更に、インク滴に多量のカール防止剤を添加すると、インクの不揮発性が高まり、記録画像の乾燥性が悪くなる等の問題を生じる。
【0017】
別のカール抑制方法として、(2)に分類される特開平8−216384号公報の手段では、水性インク中の水とカール防止物質(液体)の両方を加熱乾燥するため、消費電力の増大が問題である。更に、各構成要素が別個に設けられているため、記録装置が小型化できない。
【0018】
他の(2)の例として、特開平9−216389号公報のカール抑制手段では、水性液付与手段が2箇所に分かれているため、先に水性液を付与した段階で記録用紙のしわ(コックリング)が生じて紙が波打ち、それ以降の紙の搬送が困難になる。又、水性液を両面から付与するため、用紙に吸収される水分が片面記録の場合の2倍になり、この用紙の乾燥には多大な電力を必要とする。更に、各構成要素が分かれているため、記録装置が小型化できない。
【0019】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、水性インクにより画像を形成するインクジェット記録方法において記録済の用紙のカールを抑制する紙カール抑制方法及び記録装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、紙を基体とする記録媒体上へ水性インクを用いて画像を形成するインクジェット記録方法において、インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態に至らしめ、その後インクで画像を記録することによって、紙のカールを抑制する方法を見出すに至った。
【0021】
本発明者の顕微鏡観察によると、特定の位置でセルロース繊維が結合して紙の形状を保持している所へ水を付与すると、1秒以内に先の結合点が移動し、初めの結合点とは異なる位置でセルロース繊維同士が再結合し、その状態で乾燥してしまうために紙の変形をもたらし、紙全体として「カール」という現象を引き起こすことを確認している。
【0022】
従って、カール抑制のためには、紙のセルロース繊維間の結合点が移動しないように予め何らかの方法で結合点を固定すれば良いと考察するに至った。
【0023】
本発明のアルコール液の作用は、セルロース繊維間の水素結合による結合点に存在する水酸基にアルコール液の水酸基が結合することによって、後から水がやってきてもアルコール液の疎水基部分により水分子が排除され繊維同士の結合点に到達できないため、紙が乾燥する過程で、繊維間の結合点の移動が起こりにくくなり、用紙のカールが抑制されると考えている。
【0024】
ここで、アルコール液は、エタノール、炭素数5〜8の飽和脂肪族ジオールのエタノール溶液、炭素数6の飽和脂肪族トリオールのエタノール溶液(以下、炭素数はCn で表す);の中から選択される化合物であって、親水基である水酸基とアルキル基のような疎水基がバランス良く配合されている材料が好適に用いられる。即ち、分子中の水酸基が余りに多くて親水性が高過ぎる場合は、セルロース繊維に配位しても、後から来るインク中の水によって容易に置換されてしまうのでカール抑制効果がでないと考えられる。
【0025】
一方、分子中の疎水基が多過ぎると、セルロース繊維の水酸基との親和性が弱くなり、カール防止効果が出にくいと考えられる。
【0026】
アルコールのうち、飽和脂肪族モノオールではC3 以上であると、疎水性が大き過ぎるためカール抑制効果が大きくない。又、ジオール、トリオール単独では、常温における蒸気圧が低過ぎて蒸発しにくいためと液粘度が大き過ぎて液供給に問題があるため、エタノールで希釈する必要がある。トリオールのうち、トリメチロールプロパンは常温で固体であるため、アルコールに溶解して使う必要がある。ジオール、トリオールを使う場合は、蒸発を促進するために軽度な強制乾燥装置を併用するとより高速記録への対応が可能となる。
【0027】
以上に述べたアルコール液は、塗布、噴霧、転写等の方法により紙に付与できる。一般に記録装置(プリンタ)に使用される紙搬送用プラテンローラーにアルコール液を紙に付与する機構を組み込めば、記録装置が大型にならずに済む。
【0028】
又、記録用紙を数10枚〜数100枚ストックするための容器を備えた記録装置では、該容器がアルコール液を噴霧できるか、アルコール蒸気にさらせるような密閉式のカセットを用いると1枚ずつ紙にアルコール液をアプリケートするより少量のアルコール液で済むため効率が良い。
【0029】
何れの方法を採るにしても、アルコール液を付与した紙が記録位置では実質乾燥していることが画像品位を保つために必要である。アルコール液で湿潤した状態の紙に水性インクで記録すると、余分なアルコールによりインクの浸透が誘発され、画像に滲みが出る等の問題がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
1.アルコール液の調製
アルコール液として以下の単体を用いた(何れも純度は98%以上の和光純薬工業(株)製試薬特級)。ジオール以上でエタノール溶液として用いる場合の混合比は各実施例中に示す。
【0032】
C2 :エタノール、C5 ジオール:1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、C6 ジオール:2−メチル−2,4−ペンタンジオール、C7 ジオール:3−メチル−2,4−ペンタンジオール、C8 ジオール:2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、C6 トリオール:トリメチロールプロパン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、1,2,6−ヘキサントリオール
2.アルコール付与装置
図1に本発明のアルコール付与装置の一例を示す。
【0033】
図中、100がアルコール液のアプリケーターで、アプリケーターの全体又は表面は、スポンジ等の多孔質体、不織布等の液体を浸透保持できる材料が好ましく用いられる。
101はアルコール液をアプリケーターに伝達するためのチューブ又は液浸透性の材料が使用できる。102はアルコール液の送液ポンプであり、必須な構成ではないが、アルコール液を確実にアプリケータへ伝達するために使用すると好ましい。103はアルコール液の貯蔵タンクであり、ポリプロピレン、ポエチレンなどの材料で形成されたものを用いると良い。
【0034】
105は媒体搬送用のローラであり、アプリケーター100と対向した位置に設け、通常はゴムローラ又は金属ローラを使用する。記録媒体104はアプリケーター及びローラ105に挟まれて矢印105の方向へ搬送される。その際、アプリケーターとの接点でアルコール液が記録媒体へ浸透(図の領域106)する。
【0035】
図2に本発明の紙の強制乾燥装置の一例を示す。
【0036】
図中、108は熱源であり、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、金属抵抗線、PTCヒータ等が用いられる。尚、図示していないが、発生する熱量を制御するための温度センサ、温度コントローラーと併用することが好ましい。109は熱線の反射板であり、鏡面加工した金属板が好ましく用いられる。本装置では、熱線の方向は矢印110の方向である。
【0037】
図3に本発明のカセット式アルコール付与装置の一例を示す。
【0038】
123は紙等の記録媒体124をストックするためのカセット式ケースであり、該ケース内に、アプリケータ120、アルコール液搬送用チューブ122、アルコール液貯蔵タンク121が設けられ、アプリケータ120は記録媒体125の表面と接触しており、記録媒体の矢印方向126への移動に伴って全面にアルコール液が付与される。貯蔵タンク121の表面に大気と連通する穴を開けておき、アルコール液の蒸気でカセット内部を満たすような構成を採っても良い。
【0039】
図4に本発明の記録装置の全体構成の一例を示す。
【0040】
1000はプリンタ筐体であり、内部に本発明の各種機構を有する。130がアルコール液131の貯蔵タンクであり、132がアルコール液をアプリケータ133へ伝達するためのガイド、134はアプリケータ133と対向して設けたローラである。135はアルコール液を加熱乾燥するための熱源であり、136は熱線の反射板である。137はインクジェットカートリッジで、キャリッジ138によって記録媒体上を印字操作する。139はキャリッジを支えるためのガイド軸、141,142,144,145は記録媒体1001の搬送を支持するガイドである。143は記録媒体を下から支持するプラテンである。
【0041】
アルコール液はアプリケータ133が記録媒体1001と接する位置で媒体上へ付与され、インクジェットカートリッジの記録位置に移動するまでの距離L以内に実質乾燥されるように距離Lを調節する必要がある。
【0042】
次に、表1に本発明のアルコール液の処方一覧を示す。
【0043】
【表1】
表1に示した各処方のアルコール液を、図4に示すプリンタに供給してカール防止性能を評価した。このプリンタはキヤノン(株)製バブルジェットプリンタBJ F850を一部改造したものであり、アルコール付与機構及びセラミックヒータを使用した強制乾燥装置を組み込んである。
【0044】
印字に使用したインクはキヤノン(株)製シアンインクBCI5Cであり、60dpiの解像度でA4サイズのキヤノン(株)製普通紙EW−500の面積率90%の領域をシアン単色で印字を行った。印字後25℃・60%RHの環境で水平な台の上に置き、1 時間後、1 日後、7日後それぞれの用紙のカール量を測定した。カール量はA4用紙長手方向のエッジが上向きに反った場合、用紙エッジの水平面からの高さで定義した。下向きにカールした場合は、用紙中央とエッジ面との高さを測定し、マイナス(−)の符号で表現した。筒状になったものは、記号★で表記した。
【0045】
比較例として、アルコール液を付与しないで印字した用紙も同様にカール量を測定した。
【0046】
【表2】
次に、プリンタの強制乾燥装置を使用して上と同様にカール量を測定した。強制乾燥装置は紙面上で60℃となるようにセラミックヒータへの供給電力を調節した。その結果を表3に示した。
【0047】
各実施例No.は表2の実施例に用いたアルコール液と同じもので、表2における実施例1は表3では実施例13に対応する。他の実施例も同様に表と対応している。
【0048】
【表3】
強制乾燥装置を併用した場合は、強制乾燥しない場合よりカール量が少し減少する他、印字物のインク滲みが減少する傾向が見られた。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、アルコール液付与により印字した用紙のカールは実質抑制され、実用上印字物の保管等に支障が出ないことを確認した。又、強制乾燥を併用すると、印字物のインク滲みが減少することが確認され、本発明の目的とするカール抑制効果が十分であることを立証できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルコール付与装置の一例を示す図である。
【図2】強制乾燥装置の一例を示す図である。
【図3】用紙ストックのカセット式アルコール付与装置を示す図である。
【図4】記録装置の全体構成の一例であり、主要部分の断面図である。
【符号の説明】
100,120,133 アルコール液のアプリケータ
101,122 アルコール液伝達チューブ
102 アルコール液送液ポンプ
103,121,130 アルコール液の貯蔵タンク
104,124,125,1001 記録媒体
105,134 ローラー
107 記録媒体の搬送方向を示す矢印
106 アルコール液の記録媒体への浸透領域の模式図
108,135 強制乾燥のための熱源
109,136 熱線の反射板
110 熱線の方向
123 記録媒体をストックするためのカセット式ケース
1000 プリンタ本体の全体構成
131 アルコール液
132 アルコール液を付与するためのガイド
137 インクジェットカートリッジ
138 キャリッジ
139 キャリッジのガイド軸
140 プリンタにストックされた記録媒体
141,142,144,145 ガイド
Claims (7)
- 紙を基体とする記録媒体上へ水性インクの飛翔液滴を用いて画像を形成するインクジェット記録方法において記録済みの用紙のカールを抑制する方法であって、
インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態に至らしめ、その後にインクで画像を記録することを特徴とする紙カール抑制方法。 - 前記アルコール液が、以下の有機化合物群;エタノール、炭素数5から8の飽和脂肪族ジオールのエタノール溶液、炭素数6の飽和脂肪族トリオールのエタノール溶液;の中から選択されることを特徴とする請求項1記載の紙カール抑制方法。
- インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与する方法が塗布又は噴霧或は転写によるものであり、アルコール液を付与した時間とインクジェット記録ヘッドによる記録開始時間との間に、アルコール液を付与された紙が自然乾燥するような時間差を設けたことを特徴とする紙カール抑制方法。
- インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与する方法が塗布又は噴霧或は転写によるものであり、アルコール液を付与した時間とインクジェット記録ヘッドによる記録開始時間との間に、アルコール液を付与された紙が実質乾燥するように強制乾燥させることを特徴とする紙カール抑制方法。
- 記録装置に組み込まれたプラテンローラからアルコール液を付与する機構を有することを特徴とする記録装置。
- 記録装置に組み込まれたプラテンローラからアルコール液を付与する機構と、アルコール液を付与した紙の強制乾燥装置を具備した紙搬送機構を有することを特徴とする記録装置。
- 記録用紙をストックする容器を有し、該容器がアルコール液を付与可能な機構であることを特徴とする記録装置。
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