JP2006264080A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】難吸水性記録媒体表面に、インクおよび処理液を用いてインク画像を形成しても画像乱れの発生が抑制できるインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】未乾燥状態のインク画像が、記録媒体表面に、色材を含むインクと、該インク中の前記色材を凝集させる成分を含む処理液とを付与することにより形成され、前記未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、前記未乾燥状態のインク画像の表面に液体吸収部材を接触させることにより除去する液体成分除去工程を経て、インク画像を形成し、前記記録媒体が難吸水性記録媒体であり、且つ、前記未乾燥状態のインク画像が、前記記録媒体表面に前記処理液を付与する処理液前付与工程と、前記処理液を付与した領域の少なくとも一部に前記インクを付与するインク付与工程とを少なくとも経て形成されるインクジェット記録方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、記録媒体にインク等の記録液体を付与してインク画像の形成を行うインクジェット記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置に関する。
近年、オフィスにおけるカラー文書の普及はめざましく、そのための様々な出力機器が提案されている。特に、小型化が可能で低価格なインクジェット方式が様々な出力機器に使用されている。
インクジェット方式で用いられる液滴吐出手段は、エネルギー発生手段と、エネルギー発生手段で発生したエネルギーをインク吐出力に変換するエネルギー変換手段と、インク吐出力によってインク滴を吐出するインク吐出口と、インク吐出口に連通してインクを供給するインク供給路とから構成される。前記エネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた手段や発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱して気泡を発生させ、この気泡の生成によってインク滴を吐出させる手段等がある。
このようなインクジェット方式では、インクは主として液体成分で構成されているため、インク滴が記録媒体に着弾後、記録媒体上に残存すると他の記録媒体への裏移りが生じる。これは高速印字によりさらに顕著となる。また高画質達成のためにインクの他に、インク中の色材を凝集させる成分を含む処理液も用いる記録方式(2液混合印字方式)で印字を行った場合、記録媒体表面に付与される液体の量が増える。このため、処理液を用いずに印字する場合と比べると、記録媒体に液体が多く吸収されてカールやカックルが生じるといった問題がある。また、裏面を印字する場合、ヘッドこすれなどが起こり、画質劣化の原因となる。
特に、インクジェット記録を印刷分野に応用しようとした場合、記録媒体としてはアート紙や樹脂フィルム等の、水分を殆ど吸収しない記録媒体(以下、「難吸水性記録媒体」と称す)を利用しなければならない。しかし、このような難吸水性記録媒体は、基本的にインクや処理液の液体成分がほとんど記録媒体に吸収されないため、印字されたインク画像中の色材が定着できず、画質の顕著な劣化が起こる。
このため、記録媒体にインクが着弾後、素早く乾燥させるために、加熱や通風などを実施することが多く提案されている。しかし、これらの方法は、消費電力が増大したり、装置の大型化が懸念される。一方で、印字直後の記録媒体表面に残存するインクの余剰液を、吸い取り紙で吸収する方法もあるが、インク画像中の色材成分も吸収してしまう恐れがあるため現実的ではない。
とりわけ、難吸水性記録媒体を用いて印字した場合、印字後のインク画像における色材以外の成分である液体成分を除去する工夫が必要である。また、画像品質を保つため画像の劣化、画像の押しつぶしなどを発生させない方法が望まれる。
一方、通常の紙等のような吸水性のある記録媒体を用いた場合における裏写りを防止するために、インク等の記録液体に含まれる液体成分(液体溶媒)のみを吸収することを目的として、印字後(インク等の記録液体が記録媒体に着弾後)に、インクに含まれる着色剤(色材)と離型性を有する部材で覆った液体吸収体により、記録媒体上に残存したインクの余剰液(液体溶媒)のみを吸収させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従って、このような、印字直後に形成された未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を、液体吸収体を用いて除去する方法を利用すれば、難吸水性記録媒体を用いてインク画像を形成する場合であっても、優れた画質のインク画像か得られるものと考えられる。
特開2001−179959号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、インクおよび処理液を用い、難吸水性記録媒体表面に未乾燥状態のインク画像(本発明では、「未乾燥状態のインク画像」とは、用紙をインク画像に押し当てた際に、インクが用紙に転写する状態の画像を意味する)を形成した後に、液体吸収体を用いて、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を除去するという2液混合印字と2液混合印字直後の液体成分除去とを組み合わせたインクジェット記録方法によりインク画像を形成しても画像の乱れが発生する場合があった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、難吸水性記録媒体表面に、インクおよび処理液を用いてインク画像を形成しても画像乱れの発生が抑制できるインクジェット記録方法およびこれを用いたインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、難吸水性記録媒体を用いてインク画像を形成する場合に、画像乱れが発生する原因について鋭意検討した。
まず、本発明者は、アート紙のような難吸水性記録媒体と、普通紙のような吸水性記録媒体とを用いて、同一の条件でインクおよび処理液を用いて印字後に、同一の条件で液体吸収部材を用いた未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分の除去を行った場合の画像乱れについて検討した。その結果、画像乱れの発生頻度や、発生具合は、吸水性媒体よりも難吸水性記録媒体の方が大きい傾向にあることを確認した。
この結果から、記録媒体として難吸水性記録媒体を用いる場合は、従来と同様に2液混合印字および液体成分除去を組み合わせたインクジェット記録を実施しても画像乱れを抑制することは困難であり、難吸水性記録媒体に適した条件を見出すことが必要であると考えた。
そこで、本発明者らは、吸水性媒体よりも難吸水性記録媒体の方が画像乱れが発生しやすい原因について、印字時において、記録媒体表面に付与された直後のインクや処理液の挙動や反応等に着目して鋭意検討した。
まず、記録媒体にインクや処理液のような水系の液体を付与した場合、吸水性媒体であれば、液体は、媒体厚み方向および媒体平面方向の双方に広がる。これに対して、難吸水性媒体では、液体が、記録媒体表面から内部へと吸収されにくい/吸収されないため、実質的に媒体平面方向以外へは広がる余地は無い。
これは、等量の液体を吸水性媒体と難吸水性媒体とに付与した場合、液体の広がり幅は、難吸水性媒体の方が大きくなることを意味し、言い換えれば、吸水性媒体よりも難吸水性媒体の方が本質的に画像乱れが発生しやすく、またその程度もより顕著になりやすいことを意味する。
一方、2液混合印字では、インクと処理液とが混合すると、色材の凝集が起こり、凝集した色材(色材凝集体)が記録媒体表面に定着することによりインク画像が形成される。ここで、色材よりも色材凝集体の方がサイズが大きいために、記録媒体平面方向への拡散能力は極めて小さいと考えられることから、インクを難吸水性記録媒体に付与した後に色材を早く凝集させることができれば、画像乱れが抑制し易くなるものと考えられる。
本発明者らは以上の知見に基づいて、以下の本発明を見出した。すなわち、本発明は、
<1>
未乾燥状態のインク画像が、記録媒体表面に、色材を含むインクと、該インク中の前記色材を凝集させる成分を含む処理液とを付与することにより形成され、
前記未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、前記未乾燥状態のインク画像の表面に液体吸収部材を接触させることにより除去する液体成分除去工程を経て、インク画像を形成し、
前記記録媒体が難吸水性記録媒体であり、且つ、
前記未乾燥状態のインク画像が、前記記録媒体表面に前記処理液を付与する処理液前付与工程と、前記処理液を付与した領域の少なくとも一部に前記インクを付与するインク付与工程とを少なくとも経て形成されるインクジェット記録方法である。
<2>
前記未乾燥状態のインク画像が、前記処理液前付与工程と、前記インク付与工程と、該インク付与工程において前記インクが付与された領域の少なくとも一部に前記処理液を付与する処理液後付与工程とを少なくとも経て形成され、
前記液体成分除去工程が、前記処理液後付与工程を実施した後に行われる請求項1に記載のインクジェット記録方法である。
<3>
前記未乾燥状態のインク画像が、前記処理液前付与工程と、前記インク付与工程と、該インク付与工程において前記インクが付与された領域の少なくとも一部に前記処理液を付与する処理液後付与工程とを少なくとも経て形成され、
前記液体成分除去工程と前記処理液後付与工程とが略同時に実施される請求項1に記載のインクジェット記録方法である。
<4>
前記液体成分除去工程が、前記処理液を含む液体吸収部材を用いて実施される<3>に記載のインクジェット記録方法である。
<5>
前記インクと前記処理液とを1:9の質量比で混合した際の、前記インク中に含まれる色材の凝集速度が30秒以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<6>
前記難吸水性記録媒体が、アート紙または樹脂フィルムである<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<7>
前記液体吸収部材が繊維状物質を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<8>
前記繊維状物質の繊維太さが、0.01〜100dtexの範囲内である<7>に記載のインクジェット記録方法である。
<9>
JIS−L1096 6.26.1B法(滴下法)に基づいて測定された前記繊維状物質の吸水性が、1秒以下である<7>または<8>に記載のインクジェット記録方法である。
<10>
前記液体吸収部材が、吸水性ポリマーおよび多孔質物質から選択される少なくとも1種の材料を含む<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法である。
<11>
前記インクを含む記録液体を、前記記録媒体表面に吐出する液滴吐出手段と、
前記液体吸収部材を備え、前記未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、前記未乾燥状態のインク画像の表面に前記液体吸収部材を接触させることにより除去する液体成分除去手段とを有し、
<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法を利用して前記インク画像を形成するインクジェット記録装置である。
以上に説明したように本発明によれば、難吸水性記録媒体表面に、インクおよび処理液を用いてインク画像を形成しても画像乱れの発生が抑制できるインクジェット記録方法およびこれを用いたインクジェット記録装置を提供することができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、未乾燥状態のインク画像が、記録媒体表面に、色材を含むインクと、該インク中の前記色材を凝集させる成分を含む処理液とを付与することにより形成され、前記未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、前記未乾燥状態のインク画像の表面に液体吸収部材を接触させることにより除去する液体成分除去工程を経て、インク画像を形成し、前記記録媒体が難吸水性記録媒体であり、且つ、前記未乾燥状態のインク画像が、前記記録媒体表面に前記処理液を付与する処理液前付与工程と、前記処理液を付与した領域の少なくとも一部に前記インクを付与するインク付与工程とを少なくとも経て形成されることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法においては、処理液が予め付与されている領域にインクが付与されるため、インク中の色材が記録媒媒体平面方向に拡散する前に、インクと処理液との混合により色材が効率的且つ速やかに凝集して、色材凝集体が形成されるため、画像乱れを抑制することができる。
これに対して、先にインクを付与した後に処理液を付与した場合には、処理液が付与されるまでの間は、インク中の色材は凝集することができないため、インクが記録媒体平面方向へ広がると共に、色材も拡散することになる。このため、画像乱れが発生し易い。
加えて、インクジェット記録では、インクおよび処理液は液滴状で記録媒体表面に付与されるため、インク滴の体積に対して相対的に処理液滴の体積の方が小さくなればなるほど、記録媒体表面に付与される処理液滴は、記録媒体表面に既に付与されたインク滴が広がった領域のうち、一部分の領域しか覆うことができなくなるため、インクの一部は処理液と反応できなくなる。従って、このような場合は、さらに画像乱れが顕著になる。
さらに、処理液よりも先にインクを記録媒体表面に付与した場合には、上述したように記録媒体表面に付与されたインクに含まれる色材の凝集が実質的に完了するまでの時間が長くなるため、液体成分除去工程を実施するタイミングをより遅くしなければ、良好な画質のインク画像を形成することが困難になる。すなわち、印字速度をより遅くしなければ、良好な画質を得ることが困難になる。
以上に説明したように、難吸水性記録媒体を用いる場合に、画像乱れを抑制するためには、処理液を付与した後にインクを付与することが必要である。
一方、記録媒体表面に付与されたインクの最表面側近傍に存在する色材は、処理液前付与工程で付与された記録媒体表面側に位置する処理液中のインクを凝集させる成分とは、距離が離れているため直ぐには反応し難い。したがって、このような色材が、凝集しないまま存在し続けると、記録媒体平面方向へと拡散するため、画像乱れが抑制できなくなる場合がある
従って、未乾燥状態のインク画像の形成に際しては、インク付与工程を経た後、インクが付与された領域の少なくとも一部にさらに処理液を付与する工程(処理液後付与工程)を実施することが更に好ましい。
この場合、記録媒体表面に付与されたインクの最表面側近傍に存在する色材も、処理液によって直ちに凝集することができるため、画像乱れをより一層抑制・改善することができる。
なお、処理液後付与工程を実施する場合、処理液後付与工程を実施した後に液体成分除去工程を実施してもよく、処理液後付与工程と略同時に液体成分除去工程を実施してもよい。なお、後者の場合は、液体成分除去工程を、処理液を含む液体吸収部材を用いて実施することができる。
また、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクや処理液(以下、両者を指す場合には「記録液体」と称す場合がある)は、従来公知の記録液体を用いることができる。
しかしながら、画像乱れをより一層抑制するためには、用いるインクと処理液との組み合わせは、両者を混合した際に色材の凝集が従来よりもより速やかに起こるものであることが好ましい。具体的には、インクと処理液とを1:9の質量比で混合した際の、インク中に含まれる色材の凝集速度が30秒以下であることが好ましく、3秒以下であることがより好ましい。但し、画像乱れの点からは凝集速度は大きい程好ましいが、大き過ぎる場合には、記録媒体上で画像ドットの拡がりが不充分となり、画質が低下する場合がある。このため、実用上は0.5秒以上であることが好ましい。
なお、当該凝集速度とは、次ぎのような手順により求めた値である。まず、試験管中に予め満たされた処理液9gに対して、インク1gを添加する。この際、処理液の添加直前から添加後50秒までの間の試験管内のインクの凝集状態の有無を、ビデオカメラにより、0.1秒間隔で撮影する。この際得られた写真を基に、処理液が、試験管内のインクの液面に最初に着弾した時点から、試験管内のインクと処理液との混合液中で生成した凝集物が拡散しなくなるまでの時間を凝集速度とした。
なお、本発明に用いられるインクや処理液の詳細については後述するが、上述したような凝集時間が得られる組み合わせからなるインクおよび処理液は、従来公知のインクや処理液に用いられる各種原料の選択、組み合わせ、配合比の調整等によって容易に得ることができる。
また、色材の凝集・定着のし易さという観点からは、色材としては染料よりも顔料を用いることが好ましい。この場合、画像乱れをより一層抑制できる。加えて、本発明のインクジェット記録方法を利用して形成されたインク画像の耐水性もより良好となる。これは、染料が、水溶性であるが故に耐水性に乏しいという一般的な理由の他にも、本発明に用いられる記録媒体が難吸水性記録媒体であるという理由もある。
すなわち、色材が水溶性の場合、高湿環境下では、記録媒体が吸水性であれば、インク画像が水分を吸湿しても、インク画像と接する記録媒体がインク画像中の余剰な水分を吸い取るため、顕著な耐水性の低下は起こり難い。しかし、記録媒体が難吸水性であれば、インク画像と接する記録媒体がインク画像中の余剰な水分を吸い取ることができないため、顕著な耐水性の低下が起こりやすくなるためである。これに対して、顔料を用いたインク画像では、吸水性自体が乏しいため、染料を用いたインク画像のように高温高湿下で耐水性が顕著に低下してしまうこともない。
本発明に用いられる記録媒体としては、難吸水性記録媒体が用いられる。なお、本発明において、難吸水性記録媒体とは、具体的には、吸水速度が30秒以上の記録媒体を意味する。
なお、当該吸水速度とは、超純水にサーフィノール465を1質量%となるように調製した試験液0.2mlをスポイトにて記録媒体表面に滴下し、試験液の滴下時から、その浸透が終了するまでの時間を言う。
難吸水性記録媒体としては、吸水速度が30秒以上のものであれば特に限定されないが、例えば、アート紙や樹脂フィルム等を挙げることができる。
液体成分除去工程は、未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、液体吸収部材を用いて除去することにより行われ、液体成分の除去に際しては、液体吸収部材を未乾燥状態のインク画像の表面に接触させることにより行う。これにより、連続して印字した場合に、他の記録媒体への裏写りを防止することができる。
ここで、当該液体成分とは、基本的にインクと処理液との混合によって、色材が凝集した後に残った成分であり、インクや処理液中に含まれる溶媒成分を主としたものである。
なお、画像濃度の確保の観点からは、液体成分除去工程を行うタイミングは、インクと処理液とが混合し、色材がほぼ完全に凝集・定着した後であることが好ましいが、印字速度の高速化のためには、裏写りや画質に影響が無い程度であれば、色材がある程度凝集・定着した後に実施することもできる。
また、液体成分の除去において、液体吸収部材を未乾燥状態のインク画像の表面への接触は、凝集・定着したインク画像そのものを構成する画像層に対して、液体吸収部材が接触しない程度、すなわち、画像層上を覆う液体成分のみに接触する程度に行うことが好ましい。また、画像層に接触したとしても、強く接触したり、擦ったりしないようにすることが好ましい。このようにして、未乾燥状態のインク画像表面から液体成分を除去することにより画質の劣化を防止することができる。
液体吸収部材を未乾燥状態のインク画像の表面へ接触させる方法としては特に限定されないが、例えば、少なくとも外周面(未乾燥状態のインク画像の表面と接触する面)が液体吸収部材からなるロールや、ベルト等を利用することができる。
また、液体吸収部材としては、液体を吸収することができる能力を有する部材であれば特に限定されず、さらに、一旦吸収した液体を安定的に保持する能力を更に有するものであることが好ましい。液体吸収部材による液体の吸収は、毛細管現象のような物理的現象を利用したものであってもよく、分子レベルでの水和、会合、吸着や、分子と分子との間への水分子や溶媒分子の取り込み等のような化学的現象を利用したものであってもよいく、両者を組み合わせて利用してもよい。前者の例としては、繊維状物質や多孔質物質等が挙げられ、後者の例としては、吸水性ポリマー等が挙げられる。
なお、多孔質物質としては、公知の多孔質物質が利用でき、例えば、材料としてはゼオライト等を挙げることができ、平均細孔径としては、例えば30〜5000オングストローム(3〜500nm)程度のものが利用できる。なお、多孔質物質は、細孔内壁を除く表面部分が疎水性を有していることが好ましい。これにより、多孔質物質を用いた液体吸収部材により、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分の除去を行った場合に、液体吸収部材が、画像層と接触しても、色材と多孔質物質との間の離型性が確保されるため、画質の劣化を防止することが容易となるためである。
また、吸水性ポリマーとしては、公知の吸水性ポリマーが利用でき、具体例としては、デンプン等の親水性ポリマー等を挙げることができる。なお、詳細については後述する。
さらに、繊維状物質としては、公知の繊維状物質を利用できるが、その繊維太さが0.01〜100dtexの範囲内である繊維状物資を利用することが好ましく、0.01〜80dtexの範囲であることがより好ましく、0.01〜60dtexの範囲であることが更に好ましい。
繊維太さが0.01dtexに満たない繊維は実際上得るのが困難であり、十分な繊維の強度を維持することができない。また、繊維太さが100dtexを超えると、繊維間の空間が広いために、繊維状物質を利用した液体吸収部材を、未乾燥状態のインク画像表面に強く押し付けなければ、液体成分を十分に吸収できなくなる。しかし、液体吸収部材を強く押し付けると、画像層との擦れの発生や、画像層の押し崩しによって画質の劣化を招き易くなる場合がある。
なお、本発明において、繊維状物質とは繊維の集合体(凝集体)をいい、単に繊維を寄せ集めた塊状体や、高密度に配列したもの、さらには繊維同士が一部互いに結合したものも含まれる。
また、本発明に用いられる繊維状物質は、繊維径が0.5〜10μmの範囲の繊維を含むことが好ましく、繊維径が0.6〜8μmの範囲の繊維を含むことがより好ましい。繊維太さは繊維の平均径を表すものであるが、この繊維径は実質上の径を表すものであり、繊維径が上記範囲の繊維を用いることで、繊維太さが100dtexを超える場合と同様の問題を回避することができる。
なお、繊維状物質が所望の特性を発揮するためには、繊維状物質が、0.5〜10μmの範囲の繊維径を有する繊維を20〜100質量%の範囲で含むことが好ましい。
繊維状物質を構成する繊維としては、例えば、合成繊維であるナイロン系繊維、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維やポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維等、また天然繊維である木材パルプ、綿や羊毛等、半合成繊維であるビスコースレーヨン、アセテートやキュプラ等、更に無機繊維であるカーボン繊維、チタン繊維やガラス繊維等を適用することができる。特に好ましく適用できるのは、コスト及び寿命の点からポリエステル系繊維である。
液体吸収部材が、上述した繊維状物質を含むものである場合、その形態としては、繊維を撚ってなる糸を編成した編物状、ネット状、あるいは製織してなる織物状のものや、繊維同士が一部融着したり、互いに絡み合ったりしてなる不織布状のもの、ウェブ状のもの、シート状のものなどが挙げられる。
なお、繊維状物質を利用した液体吸収部材は、繊維状物質のみからなるものでもよく、繊維状物質に接着剤等のバインダーを含ませたものでもよく、さらに、基材上に繊維状物質を固定したもの等であってもよい。
繊維状物質を用いた液体成分の吸収では、毛細管現象が重要な働きをする。したがって、繊維の集合体である繊維状物質の密度も重要である。本発明において、繊維目付けは20〜3000g/cm2の範囲が好ましく、25〜2500g/cm2の範囲がより好ましい。繊維目付けが20g/cm2に満たないと繊維間の隙間が大きくなり、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分のみを効率的に吸収できず、またいわゆるソフトな吸収(インク画像に押し付けない状態での吸収)を行うことができない場合がある。また、繊維目付けが3000g/cm2を超えると、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分に対して毛細管現象が起こらなくなる場合がある。
繊維状物質の吸水性は、JIS L 1096 6.26.1 B法(滴下法)に基づいて測定された値が、1秒以下であることが好ましく、0.5秒以下であることがより好ましい。
上記吸水性が1秒を超えると、印字後のインク画像の定着が不充分となる場合がある。
<インクジェット記録装置>
次に、本発明のインクジェット記録装置について説明する。本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法を利用してインク画像を形成することができるのであればその構成は特に限定されないが、インクを含む記録液体を、記録媒体表面に吐出する液滴吐出手段(以下、「記録ヘッド」と称す場合がある)と、液体吸収部材を備え、未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、未乾燥状態のインク画像の表面に液体吸収部材を接触させることにより除去する液体成分除去手段とを有するものであることが好ましい。
以下、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与して説明する。また、全図面中、Pは用紙(記録媒体)を示している。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。
インクジェット記録装置10は、図1に示すように、用紙を送り出す用紙供給部12と、用紙の姿勢を制御するレジ調整部14と、記録液体(インク、処理液)を用いて用紙(記録媒体)に画像形成する記録部16と、記録部16で画像形成された用紙を排出する排紙部18とから基本的に構成される。
用紙供給部12は、用紙が積層されてストックされているストッカ20と、ストッカ20から1枚ずつ枚葉してレジ調整部14に搬送する搬送装置22とから構成されている。前記用紙としては、例えば、アート紙等の難吸水性記録媒体が用いられる。
なお、アート紙とは、上質紙ベースで塗工量が40g/m2以上の塗工紙であり、インクジェット記録用としてはインクや処理液を吸収しにくい用紙である。
レジ調整部14には、ループ形成部24と用紙の姿勢を制御するガイド部材26とが備えられており、用紙がこの部分を通過することによって用紙のコシを利用してスキューが矯正されると共に搬送タイミングが制御されて記録部16に進入する構成である。
記録部16は、用紙に対して記録液体(インク、処理液)を用紙(記録媒体)に着弾させてインク画像を形成する記録ヘッド28と、記録ヘッド28のノズル面に対向配置されたメンテナンス装置30と、記録ヘッド28とメンテナンス装置30の間に用紙を搬送する搬送手段32とから基本的に構成される。
記録ヘッド28は、搬送方向上流側から処理液(T)、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に印字されてフルカラー印字可能な構成であり、必要な場合には該当する記録ヘッドの参照番号にT、K、C、M、Yの符号を付して(28T、28K、28C、28M、28Yとして)区別する。以下、他の部材(メンテナンス装置30T〜Y)についても同様である。
なお、必要に応じて、イエロー用の記録ヘッド28Yの搬送方向下流側に第2の処理液用の記録ヘッド(図1中不図示)を設けてもよい。
そして、記録部16の出口付近、即ち、記録ヘッド28Yの下流側に、各記録ヘッド28T〜28Yにより用紙表面に着弾したインクと処理液との混合によって、凝集した色材成分と分離された液体成分を吸収・除去する液体吸収装置(液体成分除去手段)34が設けられている。この液体吸収装置34により、各記録ヘッド28T〜28Yでインク(処理液も含む)を用紙に順次着弾させた後、用紙上の未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を吸収する。
なお、各記録ヘッド28とメンテナンス装置30は、それぞれユニット化されており、記録ヘッド28がメンテナンス装置30と用紙搬送路を挟んで分離可能に構成されている。したがって、用紙ジャムの場合に、容易にジャムした用紙を取り出すことができる。
また、排紙部18は、記録部16で画像が形成された用紙を排紙ベルト36を介してトレイ38に収納するものである。
図1に示すインクジェット記録装置に用いる記録液体としては、少なくとも顔料(色材)、水溶性溶媒、及び水を含むインクと、該インクの顔料を凝集させる作用を有する処理液と、を含んで構成される2液式のインクセットを使用している。本実施形態では、上述のように、記録ヘッド28Tにより処理液を吐出した後、続いて、記録ヘッド28K〜28Yによりブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクをこの順に順次吐出する。詳細は後述する。
次に、液体吸収装置34について説明する。
液体吸収装置34としては、ローラ方式、ベルト方式、巻取り方式などが採用できる。これらの方式を採用することで、簡易な構成で効率よくインク画像中の余剰のインク成分を吸収することができる。
以下、具体的な構成について説明する。液体吸収装置34としては、例えば、図2に示すように、金属シャフト50の外周面に、吸収体層52と親水性吸水層54とが順次被覆された液体吸収ロール(液体成分除去手段)で構成されるロール方式の液体吸収装置34が挙げられる。
親水性吸水層54としては、上述した液体吸収部材を1種類、または、必要に応じて2種類以上組み合わせて用いることができる。
例えは、液体吸収部材として繊維状物質を用いる場合、具体的には、繊維太さ10dtexの吸水性繊維を繊維目付け50g/cm2に集合させたシート状の繊維状物質を、厚さ20mm程度に吸収体層52上に固定させたものなどが挙げられる。なお、上記繊維状物質中には繊維径5μmの繊維が50〜70質量%含まれている。
また、液体吸収ロールの親水性吸水層としては、図3に示すように、吸収体層52の表面に、前記と同様の繊維太さの繊維を用い、同様の繊維目付けで構成される糸状の繊維状物質を植毛した親水性吸水層55を用いてもよい。
親水性吸水層54は、2液式のインクセットを用いて顔料を凝集させた後の未乾燥状態のインク画像と接触する。そして、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分は当該親水性吸水層54を介して吸収体層52に吸収される。このため、親水性吸水層54は顔料の凝集体を通すことなく、実質的に未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分のみを通過させるものである。ここで、前記凝集体は、インクと処理液とが混合した際に、処理液中の顔料の凝集を促進する成分と、顔料とが反応して形成されたものである。
具体的には、親水性吸水層54は、単独で体積平均粒径が5μmの微粒子をろ過したとき、その回収率が90%以上であることがよい。即ち、体積平均粒径5μmの微粒子の回収率が90%以上であることで、親水性吸水層54は顔料の凝集体を通すことなく、実質的に未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分のみを通過させることを意味する。
なお、この回収率は次のようにして求めた。すなわち、ろ過の前後での粒径が5μm以上の粒子数をAccusizer TM770 Optical Particles Sizer (Particle Sizing System社製)で測定した。測定は、水性インクジェット記録液2μlを測定セルに入れ、所定の測定法に従って行い、所望の単位に換算した。回収率Rは下記式(1)により求められる。
R(%)=〔(ろ過前に測定した5μm以上の粒子数−ろ過液を測定した5μm以上の粒子数)/(ろ過前に測定した5μm以上の粒子数)〕×100・・・式(1)
親水性吸水層54をインク画像に接触させるに際しては、インク画像を乱さないようにするため、液体吸収ロールと用紙との押圧を0.01〜1MPaの範囲とすることが好ましく、また、液体吸収ロールの周速は用紙の搬送速度と同一にすることが好ましい。さらに、インク画像に親水性吸水層54を接触させるタイミングは、最後の記録ヘッド28Yによる印字後0.05〜100msecの範囲であることが好ましい。
吸収体層52は、親水性吸水層54に接触した余剰のインク成分を、親水性吸水層54を介して吸収するものであり、効率よく余剰のインク成分を吸収する観点から、多孔質体、或いは繊維体がよい。具体的な構成材料としては、例えば、羊毛、綿、絹、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、セルロース、ウレタン、メラミンなどの、天然繊維体、化学繊維体、或いは多孔質体が挙げられる。また、これら材料中には、強度や表面状態を制御するために、有機または無機充填剤を添加してもよい。
吸収体層52は、外側から内側に掛けて、繊維密度或いは孔密度が高くなる構成がよい。これにより、親水性吸水層54を介して吸収した液体成分を毛細管現象により内側(金属シャフト50側)に移動させることができる。
金属シャフト50は、例えば、ステンレス、アルミニウムなどの金属材料で構成される。また、金属シャフト50の外周面には、図4に示すように、螺旋状の溝50aが設けられている。
本実施形態のロール方式の液体吸収装置では、液体吸収ロールを回転させつつ、用紙表面の少なくとも未乾燥状態のインク画像が形成された領域に、親水性吸水層54表面を接触させ、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を親水性吸水層54を介して吸収体層52により吸収する。そして、吸収体層52に吸収された液体成分が金属シャフト50の溝50aに到達し、該金属シャフト50が回転することで余剰のインク成分は溝50aを通って一端へ移動し、図示しない回収容器へと回収される。このようにして、用紙(記録媒体)上のインク画像における余剰のインク成分を吸収する。
また、本発明においては、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を回収する以外に、親水性吸水層の繊維状物質に吸収されたインク成分を乾燥させる手段を設けてもよい。当該手段としては、例えば前記液体吸収ロールでは、非画像形成時に親水性吸水層に温風を当てたり、前記金属シャフトを加熱してロール全体を暖めたりしてもよい。
液体吸収装置34の他の形態としては、図5に示すように、金属シャフト50と、張架用シャフト56と、当該両シャフトに張架された液体吸収無端ベルト(液体成分除去手段)58と、液体吸収無端ベルト表面をクリーニングするブレード60と、で構成される無端ベルト方式の液体吸収装置34が挙げられる。
液体吸収無端ベルト58の層構成は、内周面側から吸収体層52と親水性吸水層54が積層された構成で、これらは前記ロール方式と同様な構成とすることができ、やはり、金属シャフト50の外周面には螺旋状の溝50aが設けられている。また、図示しないが、張架用シャフト56の外周面にも同様な螺旋状の溝が設けられている。
この無端ベルト式の液体吸収装置34では、金属シャフト50或いは張架用シャフト56の回転に伴い液体吸収無端ベルト58を回転させて、前記ロール方式の液体吸収装置34と同様に、用紙(記録媒体)表面に形成された未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を吸収する。
さらに、液体吸収装置34の他の形態としては、図6に示すように、液体吸収用の巻取りシート(液体成分除去手段)62と、巻取りシート62が巻かれたロール64と、ロール64に巻かれた巻取りシート62を一端から巻き取る巻取りロール66と、巻取りシート62を巻取り面側から用紙に押し付ける押付ロール68と、から構成された巻取り方式の液体吸収装置が挙げられる。
液体吸収巻取りシート62の層構成は、ロール64の巻取り面側から、液体浸透防止層70と液体保持層72と吸収体層52と親水性吸水層54とが積層された構成で、これらのうち親水性吸水層54及び吸収体層52は前記ロール方式と同様な構成とすることができる。但し、前記ロール方式では、金属シャフト50に設けられた螺旋状の溝50aにより余剰液回収機構が設けられているのに対し、本形態ではそれが設けていないため、より高い液体保持能を高めるために、液体浸透防止層70と吸収体層52で挟持するように液体保持層72を設ける。
液体保持層72の構成材料としては、例えば、粉末状の親水性ポリマーが好適に挙げられる。この親水性ポリマーとしては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系などがあり、具体的に、例えば、橋かけポリアクリル酸塩系、イソブチレン/マレイン酸系、デンプン/ポリアクリル酸塩系、PVA(ポリビニルアルコール)/ポリアクリル酸塩系などが挙げられる。
液体浸透防止層70の構成材料としては、液体保持層72で保持した液体成分がロール巻取り面側への漏れを防止するものであれば、いかなる材料で構成してもよい。例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプリピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。
この巻取り方式の液体吸収装置では、巻取りロール66で液体吸収巻取りシート62を巻き取りつつ、押付ロール68により用紙上のインク画像に親水性吸水層54表面を接触させ、該親水性吸水層54を介して吸収体層52により、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を吸収する。そして、吸収体層52に吸収された液体成分が液体保持層72に到達し、該液体保持層72で余剰の液体成分を保持して回収する。なお、巻取りロール66と巻き取った巻取りシート62とを、再びロール64に巻取りつつ、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を吸収させることもできる。
上記いずれの構成の液体吸収装置34も、後述する記録ヘッド28と同様に、用紙の最大用紙幅に対応する吸収領域を有する構成とすることが好適である。また、各構成層を別部材とする必要はなく、同一材料で一体的に構成してもよい。
なお、液体吸収装置34を利用して、液体成分除去工程と、処理液後付与工程とを略同時に行うこともできる。この場合、液体吸収装置34に用いる液体吸収部材に、予め処理液を含浸させておいてもよいが、専用の処理液供給手段を設けて、液体吸収部材の液体吸収能力を損なわない程度に、液体吸収部材に処理液を適宜供給してもよい。また、液体吸収部材の液体吸収能力を阻害せずに、且つ、処理液中の色材を凝集させる成分を、効率的に未乾燥状態のインク画像表面に供給できるように、色材を凝集させる成分の濃度を高めた処理液を利用してもよい。あるいは、より色材を凝集させる能力の大きい成分を含む処理液を利用することもできる。
なお、処理液供給手段としては特に限定されないが、例えば、液体吸収部材と接触し、且つ、処理液を含浸させたスポンジや、液体吸収部材表面に処理液を滴下や吐出によって供給するノズル等を利用することができる。
図7〜9は、図2、5、6に示す液体吸収装置34の親水性吸水層54表面と当接するように、処理液供給手段として処理液を含浸させたスポンジ80を設けた液体吸収装置35について示した概略構成図である。
なお、スポンジ80は、不図示の処理液供給源から、適宜、処理液の補充を受けることができるようになっている。
ここで、図7に示す液体吸収装置35では、スポンジ80は、液体吸収ロールの記録媒体Pが設けられた側と略反対側の親水性吸水層54表面に当接するように配置されており、図8に示す液体吸収装置35では、スポンジ80は、親水性吸水層54と吸収体層52とからなる無端ベルトおよび記録媒体Pの当接部と、無端ベルトおよびブレード60の当接部との間に位置する無端ベルト外周面に当接するように配置されており、図9に示す液体吸収装置35では、スポンジ80は、親水性吸水層54や吸収体層52等の4層からなるベルトおよび記録媒体Pの当接部よりも、ロール64側のベルトの親水性吸水層54が設けられた側の面に当接するように配置されたものである。
次に、図7に示す液体吸収装置35を例に、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分の除去と共に、処理液の後付与を実施するプロセスについて説明する。
まず、処理液を含浸させたスポンジ80が、適度な押圧力で液体吸収ロール表面に押し付けられることにより、処理液がスポンジ80から親水性吸水層54に供給される。なお、この際の処理液の供給量は、スポンジ80に予め含浸させておく処理液量や、スポンジ80の液体吸収ロール表面に対する押圧力を選択することにより調整することができる。
続いて、液体吸収ロールの回転に従って、処理液を表面近傍に含む親水性吸水層54が、記録媒体P表面に形成された未乾燥状態のインク画像に接触する。この際、基本的には、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分が親水性吸水層54へと吸収されるが、同時に、濃度勾配による拡散も起こるため、親水性吸水層54表面近傍の処理液が未乾燥状態のインク画像表面へと供給される。
このようなスポンジ80を利用した処理液の後付与は、図8や図9に示す液体吸収装置35についても同様である。
次に、記録部16の構成部材である記録ヘッド28、メンテナンス装置30、搬送手段32について順次説明する。
記録ヘッド28は、用紙に対して非接触で直接記録液体を転移させるものであるサーマルインクジェット方式、ピエゾ式インクジェット、連続流型インクジェット、静電吸引型インクジェット等、いずれでもよい。
また、図10に用紙の搬送方向から見た記録ヘッド28、用紙P及びメンテナンス装置30の位置関係を示すが、図に示すように、記録ヘッド28は用紙の最大用紙幅PWに対応する印字領域を有するものが好ましく、この態様であれば記録ヘッド28を走査させることなく用紙の全幅に印字可能なものである。すなわち、記録ヘッド28の下を用紙が1回通過するだけで印字が完了する構成である。
用紙に印字マージンが設定されている場合には、記録ヘッド28の印字領域は、最大用紙幅PWから印字マージンを引いた記録領域に対応した(記録領域以上の)幅となる。
一般的には、用紙が搬送方向に対して所定角度傾斜して搬送される(スキュー)ことが生じるし、縁無し印字の要請等もあるので、記録ヘッド28の印字領域は、記録領域よりも大きく構成することが望ましい。
また、記録ヘッド28は、印字領域にわたってノズルが1列に形成されたモノリシックの長尺ヘッド(ヘッドチップ)から構成してもよいが、短尺ヘッド(ヘッドチップ。以下、「単位記録ヘッド」という場合がある)の組み合わせから構成することが好ましい。単位記録ヘッドの方が大量に製造でき、また、個々の短尺ヘッドの歩留まりを高めることもモノリシックの長尺ヘッドに比べて格段に容易である。したがって、単位記録ヘッドを組み合わせて記録ヘッド28を構成した方が安価に構成できるためである。
例えば、ノズル面に1列にノズルが配列された単位記録ヘッドを、ノズル列を一致させて2つの共通基板に取りつけ、お互いにずらして配置することにより、印字領域内で間断なく印字可能な記録ヘッド28を構成することができる。この場合には、大量に生産される安価なデバイス(記録ヘッド)と共通化が可能となり、低価格で全幅印字可能な記録ヘッド28を構成できる。
なお、単位記録ヘッドは、市販もしくは公知のシリアル記録型インクジェット記録ヘッドを流用しても良い。また、単位記録ヘッドをヘッドチップのみで構成し、複数のヘッドチップに対して共通基板に設けた記録液体流路(インク流路)で記録液体を供給する構成としても良い。さらに、単位記録ヘッド毎に交換可能にできれば好適である。
また、単位記録ヘッドにおけるノズルをノズル配列方向端部まで形成した単位記録ヘッドを幅方向に連続して配置して記録ヘッド28を構成しても良い。単位記録ヘッド同士の接続部分におけるノズルピッチを合わせる為に、単位記録ヘッドの端部を高精度に作製する必要があるが、記録ヘッド28を最も小型化できる構成である。
さらに、単位記録ヘッドのノズル配列は一直線状のものでもよいが、これに限定されるものではない。例えば、千鳥状にノズルを配列することも可能である。
記録ヘッド28に対向配置されるメンテナンス装置30は、少なくとも非印字時に記録ヘッド28から吐出された記録液体(インク、処理液)を収容する記録液体受け部を備えるものであり、記録ヘッド28の印字(記録液体の吐出)性能を一定に維持するものである。このように、記録液体受け部を備えるメンテナンス装置30が記録ヘッド28に対向配置されているため、記録ヘッド28から非印字時に転移された記録液体が確実に収容される。
記録ヘッド28は、記録液体の乾燥(特に、水性インク、溶剤インク)による記録液体の吐出性能を初期化する目的で非印字時に記録液体の吐出(以下、「ダミージェット」という場合がある)を行なう必要がある。
また、記録液体(インク)がほとんど乾燥しない油性インクやソリッドインクの場合であっても、印字中に記録ヘッド28の内部に発生する微小な気泡による影響や、ノズル面(記録液体吐出面)に付着した記録液体や微小なゴミによる影響を除去して初期化するためにダミージェットを行なう必要がある。
メンテナンス装置30(記録液体受け部)は、このダミージェット時の記録液体を収容するものであり、収容した記録液体が飛散しないように記録液体吸収部材を配置しても良い。あるいは、記録液体浸透部材やチューブ部材等を介して別の場所に設けた排液体手段に排出する構成としても良い。
また、メンテナンス装置30は、少なくとも前記記録液体受け機能を備えれば良いが、さらに記録液体の吐出性能を維持するために、他のメンテナンス機能を有するように構成しても良い。例えば、ノズル面を清掃するワイパー部材を設けても良いし、ノズル面を気密にして保護するキャッピング機能を有する構成としても良い。さらにはノズルから記録液体等を吸引するバキューム機能を有する構成としても良い。
なお、記録液体受け機能以外の機能、例えば、上記ワイピング機能やキャッピング機能等は必ずしもメンテナンス装置30が備える必要はなく、例えば記録ヘッド側に当該機能を果たす機構(ワイピング機構、キャッピング機構等)を設けても良い。
搬送手段32は、静電吸着以外の方法(以下、非静電吸着方式という)によって用紙を搬送するものである。すなわち、搬送手段32は、記録ヘッド28とメンテナンス装置30の間に一定速度で安定的に用紙を搬送可能なものであれば特に限定するものではない。例えば、搬送ロールや搬送ベルトと押圧手段の組み合わせ等が考えられる。
また、搬送手段32は、用紙搬送方向において記録ヘッド28と異なる位置に配置することが望ましい。これは、記録ヘッド28と対向する位置にメンテナンス装置30を配設容易にするためである。
例えば、用紙の裏面に当接して用紙に駆動力を付与する搬送ロール40と、搬送ロール40に対して用紙を押しつける付勢手段(図示せず)とから搬送手段32を構成することが考えられる。
これは、静電吸着方式を採用した場合には、用紙の厚さや用紙の材質によって静電吸着状態が安定しないおそれがあるのに対して、搬送ロール40に付勢手段によって用紙を押し付けることによって、用紙の厚み、材質等に拘わらず搬送ロール40から用紙に駆動力が確実に伝達され、安定して搬送することができるためである。
付勢手段は、用紙に対して付勢部材が直接接触して付勢する方式と、用紙に対して直接接触しない方式が考えられる。後者の方式としては、例えば、エアーの吹き付け等が考えられる。印字された用紙に接触しない点で優れている。
一方、本実施形態では、前者の方式としては、例えば、図示しないシャフトを介してスプリングの付勢力が作用したスターホイール42を採用している。すなわち、搬送ロール40に対して弾性的に付勢されたスターホイール42によって厚さや材質に拘らず用紙が搬送ロール40に押圧される。この結果、搬送ロール40から確実に駆動力を伝達され、用紙が安定的に搬送される。
スターホイール42の形状は、用紙に対する接触面積が最小限に抑制されていれば、特に限定するものでない。また、スターホイール42の材質は、金属、プラスチックなどで良い。例えば、SUS631Hを高温で硬化処理したSUS631H材が好適である。製造方法も特に限定するものでないが、エッチングやプレス、レーザ加工などが可能である。
したがって、スターホイール42が用紙の記録面に接触しても、記録液体が転移したばかりの記録面に対する接触面積が最小限に抑制され、印字画質に対する影響を最小限に抑制できる。
シャフトを介して付勢されたスターホイール42に作用する押圧力は、49.03325mN〜294.1995mN(5gf〜30gf)が好ましく、98.0665mN〜196.133mN(10gf〜20gf)が一層好ましい。49.03325mN(5gf)よりも小さいと用紙を十分に押えることができず、294.1995mN(30gf)よりも大きいと用紙を傷つけるためである。
なお、複数のスターホイール42によってスターホイール群を構成する場合には、共通のシャフトに支持されることが望ましく、用紙の局所的な浮きや変形を押えるために、スターホイール42の間隔が50mm以下であることが好適である。
また、印字領域が大きい場合には、シャフトを複数に分割してそれぞれに複数のスターホイール42を軸支させることが望ましい。シャフトが撓んで、スターホイール42が用紙を不均一に付勢し、用紙の局所的な浮きや変形を押えることができなくなるためである。
搬送ロール40は、従来公知の搬送ロールであればいずれでも適用可能である。用紙に駆動力を確実に伝達するために、表面の摩擦係数が大きく、かつ耐摩耗性に優れたものが好ましい。例えば、金属のロール外周面にゴムを被覆したゴムロールや金属のロール外周面にセラミック粉をコートしたセラミックロールが考えられる。
−記録液体−
次に、本発明に用いられる記録液体(インク、処理液)について説明する。
記録液体としては、インクおよび処理液がセットで用いられる。ここで、インクとしては色材を含むものであれば特に限定されないが、少なくとも顔料(色材)、水溶性溶媒、及び水を含むものであることが好ましく、また、処理液としては、凝集及び/または増粘させる作用を有する成分を少なくとも含むものを用いる。本実施形態では、処理液はインクとは別途使用するが、顔料を含有させてインク(例えばイエローインク)として用いてもよい。
次に、インクが、少なくとも顔料、水溶性溶媒、及び水を含む場合についてより詳細に説明する。この顔料は、顔料の凝集前の大きさが10〜200nmであることが好ましく、そして、処理液により粗大凝集した凝集体の大きさが0.5μm以上であることが好ましい。このため、高い画質濃度が得られると共に、上記液体吸収装置により顔料が吸収され難くなり、効果的にインクの余剰液を吸収することができる。
顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用でき、黒色顔料では、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用しても良い。また、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
黒色顔料として具体例には、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060(以上コロンビアン・カーボン社製)、
Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch700,Monarch800,Monarch880,Monarch900,Monarch1000,Monarch1100,Monarch1300,Monarch1400(以上キャボット社製)、
Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Printex 140V,SpecialBlack 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black 4(以上デグッサ社製)、
No.25,No.33,No.40,No.47,No.52,No.900,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上三菱化学社製)
等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、シアン色にはC.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色には、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−184,−202等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
黄色には、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
顔料として水に自己分散可能な顔料を用いることもできる。水に自己分散可能な顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤の存在がなくとも水中で安定に分散する顔料のことである。具体的には、例えば、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散可能な顔料が得られる。
水に自己分散可能な顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−253、IJX−266、IJX−444、IJX−273、IJX−55、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用できる。
顔料として、水に自己分散可能な顔料を用いた場合、長期保存性等の項目で優れる結果が得られる傾向がある。これは、水に自己分散可能な顔料は、他の添加剤による影響を受け難いためであると考えている。また、顔料として水に自己分散可能な顔料を用いる場合には、インク中に高分子分散剤などの高分子物質を含んでも構わない。
顔料は、インク質量に対し0.5から20質量%、好ましくは1から10質量%の範囲で使用される。インク中の顔料量が0.5質量%未満の場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、顔料量が20質量%よりも多い場合には、インクの噴射特性が不安定となる場合が存在する。
インクには、顔料を分散させるために高分子分散剤を添加しても構わない。また、水に自己分散可能な顔料を用いた場合の高分子物質として、高分子分散剤を添加することもできる。高分子分散剤としては、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物等が使用でき、例えば、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの共重合体等が使用できる。
具体的には、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
上記α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独若しくは複数を共重合して得られる共重合体が高分子分散剤として使用される。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
高分子分散剤は、重量平均分子量で2000〜15000のものが好ましい。高分子分散剤の分子量が2000未満の場合、顔料が安定に分散しない場合が存在し、一方、分子量が15000を超える場合には、インクの粘度が高くなり、吐出性が悪化する場合が存在する。より好ましい重量平均分子量は、3500〜10000である。
高分子分散剤は、インクに対して0.1〜3質量%の範囲で添加されることが好適である。この添加量が3質量%を超える場合には、インク粘度が高くなり、インクの噴射特性が不安定となる場合が存在する。一方、添加量が0.1質量%未満の場合には、顔料の分散安定性が低下する場合が存在する。高分子分散剤としての添加量としてより好ましくは0.15〜2.5質量%であり、更に好ましくは、0.2〜2質量%である。
インクに含まれる水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。具体例としては、多価アルコール類では、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール誘導体としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。含窒素溶媒としては、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等が、アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類が、含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を用いることも出来る。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用することが好ましい。水溶性有機溶媒の含有量としては、1〜60質量%、好ましくは、5〜40質量%で使用される。インク中の水溶性有機溶媒量が1質量%よりも少ない場合には、十分な光学濃度が得られない場合が存在し、逆に、60質量%よりも多い場合には、インク粘度が大きくなり、インクの噴射特性が不安定になる場合が存在する。
インクには、界面活性剤を含ましても構わない。界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等を使用することが出来、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等のいずれを使用しても構わない。又、上記高分子分散剤を界面活性剤として使用することもできる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、高級アルキルリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等が挙げられ、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ケリルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等も有効に使用される。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、脂肪族アルカノールアミド、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も使用できる。
これらの中でも、顔料の分散安定性という観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。また、浸透性制御の観点より、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が特に好ましい。
界面活性剤の添加量は、インクに対して10質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.01〜3質量%の範囲で使用される。添加量が10質量%以上の場合には、光学濃度、及び、顔料インクの保存安定性が悪化する場合が存在する。
インクには、その他、インク吐出性改善等の特性制御を目的とし、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポリウレタン系エマルション等のポリマーエマルション、シクロデキストリン、大環状アミン類、デンドリマー、クラウンエーテル類、尿素及びその誘導体、アセトアミド等を用いることができる。
また、導電率、pHを調整するため、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等の含窒素化合物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属類の化合物、硫酸、塩酸、硝酸等の酸、硫酸アンモニウム等の強酸と弱アルカリの塩等を使用することが出来る。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も添加することができる。
前記処理液としては、インク中の顔料を凝集させる(インクを凝集及び/または増粘させる)成分を含むものであれば構わない。具体的には、例えば、アニオン性基を有する顔料を含有するインクに対しては、処理液中に電解質又はカチオン性化合物等を含有させても構わない。
本発明において有効に用いられる電解質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン及び、アルミニウムイオン、バリウムイオン、カルシウムイオン、銅イオン、鉄イオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、ニッケルイオン、スズイオン、チタンイオン、亜鉛イオン等の多価金属イオンと、塩酸、臭酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、チオシアン酸、及び、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等の有機カルボン酸及び、有機スルホン酸の塩等が挙げられる。
具体例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸カリウム、クエン酸ナトリウム、安息香酸カリウム等のアルカリ金属類の塩、及び、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、酸化バリウム、硝酸バリウム、チオアン酸バリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、チオシアン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、酢酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム、フマル酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化銅、臭化銅、硫酸銅、硝酸銅、酢酸銅、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、蓚酸鉄、乳酸鉄、フマル酸鉄、クエン酸鉄、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸二水素マンガン、酢酸マンガン、サリチル酸マンガン、安息香酸マンガン、乳酸マンガン、塩化ニッケル、臭化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、硫酸スズ、塩化チタン、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酢酸亜鉛等の多価金属類の塩等が挙げられる。
一方、カチオン性化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩等が挙げられる。具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩、ポリアミン等が挙げられ、例えば、イソプロピルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、ジプロピルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルアミン重合体、モノアリルアミン重合体等が挙げられる。
好ましい電解質としては、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸スズ、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸アルミニウム、モノアリルアミン重合体、ジアリルアミン重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体等が挙げられる。
一方、表面にカチオン性基を有する顔料を含有するインクに対しては、処理液中にアニオン性化合物等を含有させても構わない。本発明において有効に用いられるアニオン化合物としては、有機カルボン酸又は有機スルホン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。具体的には、有機カルボン酸としては、酢酸、蓚酸、乳酸、フマル酸、クエン酸、サリチル酸、安息香酸等が挙げられ、これらの基本構造を複数個有するオリゴマー、ポリマーでも構わない。また、有機スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の化合物が挙げられ、これら基本構造を複数個有するオリゴマー、ポリマーでも構わない。
処理液には、上記化合物を単独で使用しても、あるいは2種類以上を混合して使用しても構わない。また、処理液中の上記化合物含有量としては、0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%で使用される。
処理液には、インクと同様に界面活性剤を含ませても構わない。この界面活性剤については、上述したものと同様なものが挙げられる。
さらに本発明においては、前記記録液体が、前記色材を記録媒体に定着させる物質(以下、「定着物質」という)を含んでいてもよい。特に記録媒体として樹脂フィルムなどのインク成分をほとんど吸収しないものを用いる場合、定着物質を含むことが有効である。
前記定着物質としては、水溶性樹脂、樹脂エマルション、水溶性ポリマーなどを用いることができるが、これらの中では水溶性樹脂、樹脂エマルションが好ましい。
上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等、並びにこれらの共重合体の塩および誘導体が挙げられる。
また、前記樹脂エマルションとしては、連続相が水、分散相がポリマー微粒子よりなるもので、ポリマー微粒子としては、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、架橋スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、シリコーン樹脂などが使用可能である。
前記定着物質は記録液体に含まれていればよく、インクあるいは処理液、またはインク及び処理液に含まれる。定着物質の含有量としては、インク及び/または処理液の0.1〜50質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲がより好ましい。
インク(処理液も含む)の表面張力は、20mN/m以上60mN/m未満であることが好ましく、より好ましくは、22.5mN/m以上40mN/m未満である。表面張力が20mN/mを下回るとノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると浸透性が遅くなり乾燥時間が遅くなったり、液体吸収部材に吸収されにくくなったりする場合が存在する。
ここで、表面張力は、23℃、55%RHの環境において、表面張力計(CVBP−Z/協和界面化学(株)製)を用いて測定することができる。
インク(処理液も含む)の粘度は、1.2mPa・s以上8.0mPa・s未満であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以上6.0mPa・s未満である。粘度が1.2mPa・s以下を下回ると長期信頼性が悪化する場合がある。一方、8.0mPa・sを超えると吐出性が低下したり、液体吸収部材に吸収されにくくなったりする場合がある。
ここで、粘度は、TVE−20L(東機産業(株)製)を測定装置として用いて測定することができる。このとき、測定条件としては、測定温度23℃、せん断速度は750s-1とした。
次に、以上のように構成されるインクジェット記録装置10の動作について説明する。
印字動作を行なう場合には、まず、用紙供給部12から用紙が供給され、レジ調整部14で用紙の姿勢やタイミングが制御されて記録部16に搬送される。一方、記録部16では、図示しないモータが駆動され平ベルトを介して全搬送ロール40に駆動力が伝達される。
記録部16に到達した用紙は、最も搬送方向上流側にある搬送ロール40とスターホイール42の間に挿入される。この際、図示しないスプリングで付勢されたスターホイール42が搬送ロール40に用紙を押し付けるため、搬送ロール40から用紙に搬送力が確実に伝達され、一定速度で記録ヘッド28間に配設された搬送ロール40から順次、駆動力が伝達されて搬送されていく。
一方、記録ヘッド28に対して装置の制御部から印字信号が入力されると、印字信号に応じて該当するノズルの発熱素子が発熱し、ノズル面に対して一定距離とされつつ搬送される用紙に対して、当該ノズルからインクが吐出されていく。
記録ヘッド28で印字が行なわれることにより、用紙の当該部分における一色分の印字が、用紙の記録媒体の最大記録領域で印字されて終了する。このようにして、記録部16で用紙が搬送されるにつれて、記録ヘッド28T、28K、28C、28M、28Yの順で印字され、フルカラーの印字が行われる。
この際、記録ヘッド28Tにより印字した処理液上に、各記録ヘッド28C〜28Yによりインクを印字するので、処理液によりインクに含まれる顔料が粗大凝集する。
次に、各記録ヘッドの下流側に設けられた液体吸収装置34により、用紙表面に形成された未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を吸収する。なお、図2,3,5,6に例示したような液体吸収装置34の代わりに、図7〜9に例示したような液体吸収装置35を用いた場合には、液体成分の吸収と共に、処理液を未乾燥状態のインク画像表面に付与することもできる。そして、インクにより画像が印字された用紙は、排紙部18に到達し、排紙ベルト36を介してトレイ38に収納される。
このように、本実施形態では、液体吸収装置34により用紙表面に形成された未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を吸収する。ここで、未乾燥状態のインク画像表面と接する液体吸収部材として、既述したような繊維状物質等を利用すれば、いわゆるソフトなインク成分の吸収を行うことができ、またインク成分中の液体成分のみを吸収できるので、アート紙等の難吸水性記録媒体を使用した場合でも画質不良を生ずることがない。
また、記録媒体上で処理液とインクとが混合した際に、仮に顔料(凝集体)と顔料以外の液体成分とが分離され難い場合でも、液体吸収部材における親水性吸水層54に用いる材料等を適宜選択することにより、顔料を吸収することなく、さらに確実に液体成分のみを吸収することができる。
また、本実施形態では、記録ヘッド28及び液体吸収装置34を用紙の最大用紙幅PWに対応する印字領域(吸収領域)を有する構成とすることで、記録ヘッド28を走査させることなく用紙の全幅に印字され、これにより用紙に着弾した記録液体(インク、処理液)の乾燥、浸透に差が出難くなり、この状態で液体吸収装置34により、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分を吸収することができるため、カール、カックル、及び乾燥性をより効果的に改善することができる。
なお、本発明は、単位記録ヘッド(短尺ヘッド)を用紙幅に配列したプリントシステムにも適用することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
−インクの調製−
(ブラック顔料分散液1の調製)
Cabojet300(Cabot社製)をポアサイズ5μmのフィルターにより濾過して、ブラック顔料分散液1を調製した。
(インク1の調製)
・ブラック顔料分散液1:45質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・2エチルヘキシルアルコールのポリオキシエチレン付加物:0.15質量部
・ポリオキシエチレンオレイルエーテル:0.07質量部
・尿素:6質量部
・ジョンクリル682(ジョンソンアンドジョンソン社製):1質量部
・ProxelGXL(Zeneca社製):0.1質量部
・水:27.68質量部
上記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過しインク1とした。
(分散液2の調整)
・カーボンブラック:10質量部
・スチレン無水マレイン酸カリウム塩共重合体:3質量部
(質量平均分子量:2000、スチレン/無水マレイン酸=1/2、酸価220)
・超純水:80質量部
上記成分を混合し、30分間攪拌後コボルミル(メデャアはジルコニア1mm径、メディア充填率60%)で分散し、遠心分離機にて粗粒分を除去し分散液とした。
(インク2の調整)
・分散液2:45質量部
・グリセリン:15質量部
・エチレングリコール:5質量部
・サーフィノール465:1質量部
・超純水:34質量部
−処理液の調製−
(処理液1の調整)
・ジエチレングリコール:20質量部
・グリセリン:10質量部
・硝酸マグネシウム6水和物:3質量部
・オレフィン1010:2質量部
・水:65質量部
上記成分を混合撹拌後、ポアサイズ0.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し処理液1とした。
(処理液2の調整)
・グリセリン:20質量部
・2−ピロリドン:10質量部
・硝酸カルシウム4水和物:5質量部
・ポリアリルアミン PAA−HCL−3L:10質量部
(樹脂成分50%、日東紡績社)
・超純水:55質量部
−凝集速度評価−
既述したような評価方法により、インク1と処理液1とを混合した場合の凝集速度と、インク2と処理液2とを混合した場合の凝集速度とを測定した。その結果、インク1と処理液1とを混合した場合の凝集速度は1秒であり、インク2と処理液2とを混合した場合の凝集速度は0.3秒であった。
−記録媒体および吸水性−
記録媒体は、アート紙(三菱製紙社製、商品名:高級アートA、吸水速度=30秒以上)、樹脂フィルム(キモト社製、商品名:ST75、吸水速度=30秒以上)を用いた。なお、記録媒体の吸水速度は既述した方法により求めた値である。
−印字条件−
印字は、600dpi、ノズル、A4紙幅長、最大駆動周波数10kHzの試作インクジェットプリントヘッドを2個並べたマルチパス印字の評価用ピエゾインクジェット記録装置を使用し、1個のヘッド(ヘッドA)はインク用、もう1個のヘッド(ヘッドB)は処理液用とした。
なお、吐出量約5pl、印字速度(用紙搬送速度)を80mm/secとした。また、インクに対する処理液の付与比(質量比)は、処理液を付与した後にインクを付与する場合には、処理液:インク=2:10とし、処理液(1回目の処理液)を付与した後にインクを付与し、続いて更に処理液(2回目の処理液)を付与する場合には、1回目の処理液:インク:2回目の処理液=1:10:1とした。
また、印字は一般環境下(温度:23±0.5℃、湿度:55±5%RH)で行った。
−液体成分除去条件−
評価に際して、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分の除去は、インクジェット記録装置に、表1に示すように各種の液体吸収装置を、記録ヘッドに対して、用紙搬送方向の下流側(排紙側)に配置して行った。
ここで、表1中、ローラ方式とは、図2に示す構成を有する液体吸収装置を意味し、ベルト方式とは、図5に示す構成を有する液体吸収装置を意味し、巻取り方式とは、図6に示す構成を有する液体吸収装置を意味する。なお、未乾燥状態のインク画像表面に存在する液体成分の除去と同時に、処理液を後付与する場合には、各々の液体吸収装置に対して図7〜9に示すように、記録ヘッドから吐出される処理液と同じ処理液を含浸させたスポンジを有する液体吸収装置を用いた。
次に、評価に用いたローラ方式、ベルト方式、および、巻取り方式の各液体吸収装置の主要部の概要について説明する。
ローラ方式、ベルト方式、および、巻取り方式の各液体吸収装置における親水性吸水層54の厚みは、それぞれ、200μm、300μm、および、150μmとし、この層を構成する材料については表1中に液体成分吸収部材として示した。また、吸収体層52の厚みは、それぞれ、900μm、500μm、および、1500μmとし、この層を構成する材料は、(イノアック社製、商品名:PEアクア)を用いた。
なお、処理液を後付与するためにスポンジを利用する場合は、直径20mmのスポンジ(アイオン社製、ベルクリン)を用いた。また、スポンジ中の処理液の含浸量、および、スポンジの親水性吸水層54に対する押圧力は、液体成分の吸収が、スポンジを用いない場合とほぼ同程度となるように調整した。
ここで、液体成分の除去は、各々の方式の液体吸収装置について以下の条件で実施した。
(1)ローラ方式の液体吸収装置
・印字終了から液体吸収部材を未乾燥状態のインク画像表面に接触させるまでの時間(印字終了−接触開始時間):0.2秒
・未乾燥状態のインク画像に対する押圧力:0.6MPa
なお、当該印字終了とは、インクを付与し終えた時点、あるいは、処理液の後付与を、液体成分除去の前に実施する場合には、処理液の後付与を終えた時点を意味する。
(2)ベルト方式の液体吸収装置
・印字終了−接触開始時間:0.25秒
・未乾燥状態のインク画像に対する押圧力:0.3MPa
(3)巻取り方式の液体吸収装置
・印字終了−接触開始時間:0.27秒
・未乾燥状態のインク画像に対する押圧力:0.4MPa
−評価結果−
印字条件と、液体成分除去条件とを以下の表1に示したように組み合わせて得られたインク画像の画像乱れおよび画像乾燥状態を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006264080
なお、表1中に示す画像乱れおよび画像乾燥状態の評価方法・評価基準は以下のとうりである。
(画像乱れ)
5cm×5cmのソリッド画像を印字し、液体吸収装置で処理された後の画像を目視で確認し、以下の基準により評価した。
◎:拭き取りあとが目視で確認できず
○:拭き取りあとが目視で確認できるがごく微小
△:拭き取りあとが目視で確認できるが軽微
×:明確に拭き取りあとが目視で確認
(画像乾燥状態)
2cm×10cmの大きさのべた画像を印字し、印字後5秒経過後にインク画像の上からFX−L紙(富士ゼロックス社製)を重ね、さらに上から100g/cm2の荷重をかけて、重ねた紙にインクが転写される汚染状態を確認し、以下の判断基準により評価した。
○:汚染が全くない。
△:汚染がかろうじて確認できる。
×:明らかに汚染が確認できる。
本発明のインクジェト記録装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置に用いられる液体吸収装置(液体成分除去手段)の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録装置における記録ヘッド部分を示す概略構成図である。
符号の説明
10 インクジェット記録装置
12 用紙供給部
14 レジ調整部
16 記録部
18 排紙部
20 ストッカ
22 搬送装置
24 ループ形成部
26 ガイド部材
28 記録ヘッド
30 メンテナンス装置
32 搬送手段
34 液体吸収装置(液体成分除去手段)
35 液体吸収装置(液体成分除去手段)
36 排紙ベルト
38 トレイ
40 搬送ロール
42 スターホイール
50 金属シャフト
50a 溝
52 吸収体層
54、55 親水性吸水層(液体吸収部材)
56 張架用シャフト
58 液体吸収無端ベルト
60 ブレード
62 液体吸収用の巻取りシート
64、66 ロール
68 押し付けロール
70 液体浸透防止層
72 液体保持層
80 スポンジ

Claims (11)

  1. 未乾燥状態のインク画像が、記録媒体表面に、色材を含むインクと、該インク中の前記色材を凝集させる成分を含む処理液とを付与することにより形成され、
    前記未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、前記未乾燥状態のインク画像の表面に液体吸収部材を接触させることにより除去する液体成分除去工程を経て、インク画像を形成し、
    前記記録媒体が難吸水性記録媒体であり、且つ、
    前記未乾燥状態のインク画像が、前記記録媒体表面に前記処理液を付与する処理液前付与工程と、前記処理液を付与した領域の少なくとも一部に前記インクを付与するインク付与工程とを少なくとも経て形成されるインクジェット記録方法。
  2. 前記未乾燥状態のインク画像が、前記処理液前付与工程と、前記インク付与工程と、該インク付与工程において前記インクが付与された領域の少なくとも一部に前記処理液を付与する処理液後付与工程とを少なくとも経て形成され、
    前記液体成分除去工程が、前記処理液後付与工程を実施した後に行われる請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記未乾燥状態のインク画像が、前記処理液前付与工程と、前記インク付与工程と、該インク付与工程において前記インクが付与された領域の少なくとも一部に前記処理液を付与する処理液後付与工程とを少なくとも経て形成され、
    前記液体成分除去工程と前記処理液後付与工程とが略同時に実施される請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記液体成分除去工程が、前記処理液を含む液体吸収部材を用いて実施される請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インクと前記処理液とを1:9の質量比で混合した際の、前記インクに含まれる色材の凝集速度が30秒以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記難吸水性記録媒体が、アート紙または樹脂フィルムである請求項1〜5のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記液体吸収部材が繊維状物質を含む請求項1〜6のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記繊維状物質の繊維太さが、0.01〜100dtexの範囲内である請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. JIS−L1096 6.26.1B法(滴下法)に基づいて測定された前記繊維状物質の吸水性が、1秒以下である請求項7または8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記液体吸収部材が、吸水性ポリマーおよび多孔質物質から選択される少なくとも1種の材料を含む請求項1〜9のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記インクを含む記録液体を、前記記録媒体表面に吐出する液滴吐出手段と、
    前記液体吸収部材を備え、前記未乾燥状態のインク画像の表面に存在する液体成分を、前記未乾燥状態のインク画像の表面に前記液体吸収部材を接触させることにより除去する液体成分除去手段とを有し、
    請求項1〜10のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法を利用して前記インク画像を形成するインクジェット記録装置。
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