JP2019014099A - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の風合いの変化を抑制できるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供すること。【解決手段】被吐出媒体に、インクを高粘度化する反応液とインクを付与し、インク像を形成するインク像形成ユニットと、インク像と接触によりインク像から液体成分を吸収して液除去後のインク像を形成する多孔質体を有する液吸収部材と、を有するインクジェット記録装置における液吸収部材の多孔質体として、液吸収前のインク像と接触する第一の面と第一面の裏面である第二の面を有する第一の層と、第一の層の第二の面に接触する第二の層と、を有し、第一の層の厚みが、第二の層の平均孔径の0.08倍以上である多孔質体を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式では、色材を含む液体組成物(インク)を紙等の記録媒体上に直接または間接的に付与することで画像を形成している。この時、記録媒体がインク中の液体成分を過剰に吸収することによるカールや、コックリングが生じることがある。
そこで、インク中の液体成分を速やかに除去するため、記録媒体を温風や赤外線等の手段を用いて乾燥する方法や、転写体上で画像を形成し、その後転写体上の画像に含まれる液体成分を熱エネルギー等により乾燥した後、紙等の記録媒体に画像を転写する方法がある。
さらに、転写体上の画像に含まれる液体成分を除去する手段として、熱エネルギーを用いずに、ローラ状の多孔質体をインク像と接触させてインク像から液体成分を吸収して除去する方法が提案されている(特許文献1、2)。
また、吸水性ポリマー繊維からなり、ベルト状の高分子吸収体をインク像と接触させてインク像から液体成分を吸収して除去する方法が提案されている(特許文献3)。
特開2009−45851号公報 特開2005−271401号公報 特開2001−179959号公報
多孔質体を有する液吸収部材によるインク像からの液体成分の除去は、多孔質体をインク像に直接接触させることにより行われる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、多孔質体による液除去前の液体成分を含むインク像が、多孔質体の接触の影響を受けて液除去後のインク像の風合いに変化を生じる場合あった。
したがって、本発明の目的は、画像の風合いの変化を抑制できるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明にかかるインクジェット記録装置は、
被吐出媒体に、インクを高粘度化する反応液とインクを付与し、インク像を形成するインク像形成ユニットと、
前記インク像との接触により該インク像から液体成分の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
を有するインクジェット記録装置であって、
前記多孔質体が、
前記インク像と接触する第一の面と、該第一の面の裏面である第二の面を有する第一の層と、
該第一の層の第二の面に接触する第二の層と、
を有し、
前記第一の層の厚みが、前記第二の層の平均孔径の0.08倍以上である
ことを特徴とする。
本発明にかかるインクジェット記録方法は、
被吐出媒体に、インクを高粘度化する反応液とインクを付与し、インク像を形成するインク像形成工程と、
前記インク像に、該インク像に含まれる液体成分の少なくとも一部を吸収する多孔質体を接触させる液吸収工程と、
を有するインクジェット記録方法であって、
前記多孔質体が、
前記インク像と接触する第一の面と該第一の面の裏面である第二の面を有する第一の層と、
該第一の層の第二の面に接触する第二の層と、
を有し、
前記第一の層の厚みが、前記第二の層の平均孔径の0.08倍以上である
ことを特徴とする。
本発明によれば、画像の風合いの変化を抑制できるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供することができる。
液吸収部材の有する多孔質体の構造による画像の風合いへの影響を説明するための図である。 (A)及び(B)は液吸収部材の有する多孔質体の構造を示す図である。 本発明の一実施形態における転写型インクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態における転写型インクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態における直接描画型インクジェット記録装置の構成の一例を示す模式図である。 図3乃至5に示すインクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図である。 図3及び4に示す転写型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。 図5に示す直接描画型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。
被吐出媒体上に形成したインク像から液体成分を除去するための多孔質体としては、複数層構成の多孔質体を用いることができる。複数層構成の多孔質体は、インク像からの液体成分の吸収効率の更なる向上、液体成分の吸収のための容量の増加、あるいは多孔質体の強度の向上等の観点から好ましい形態である。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、インクを高粘度化する反応液とインクにより形成された画像からの複数層構成の多孔質体を用いた液体成分の除去において、先に述べた画像の風合いに変化が生じる場合が認められた。この画像の風合いが変化する要因について更に検討した結果、複数層構成の多孔質体が画像と接触してから離れるまでの間にインク像に対する応力ムラが生じ、これが画像の風合いが変化する要因となっていると推定された。
そこで、複数層構成の多孔質体を用いる場合における好ましい層構成について更に検討した。その結果、第一の層の厚さと第二の層の孔径との関係を調整することで、画像の風合いの変化を効果的に制御できるとの新らたな知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。なお、特許文献1〜3のいずれにも、かかる画像の風合いの変化という技術課題及びそれを解決するための多孔質体の構成についての記載や示唆は見られない。
本発明にかかるインクジェット記録装置は、被吐出媒体に、インクを高粘度化する反応液とインクを付与し、インク像を形成するインク像形成ユニットと、インク像との接触によりインク像から液体成分の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、を有する。
液吸収部材が有する多孔質体は、第一の層と第二の層の少なくとも2層を含む複数層構成を有する。第一の層と第二の層はこれらが直接接触する界面を介して積層されている。第一の層はインク像と接触する第一の面と、第一の層の裏面である第二の面を有し、第二の面が第二の層との接触面である。
第一の層の厚みは第二の層の平均孔径の0.08倍以上である。
また、本発明にかかるインクジェット記録方法は、以下の工程を有する。
(1)被吐出媒体に、インクを高粘度化する反応液とインクを付与し、インク像を形成するインク像形成工程。
(2)インク像に、インク像に含まれる液体成分を吸収する多孔質体を接触させる液吸収工程。
本発明にかかるインクジェット記録方法では、液吸収部材の多孔質体として、先にインクジェット記録装置において説明した多孔質体が用いられる。
インク像形成ユニットは、被吐出媒体にインクを高粘度化する反応液を付与する反応液付与装置と、被吐出媒体にインクを付与するインク付与装置を有することができる。インク像をインクと反応液から形成することによって、隣接して付与されたインク同士が混ざり合うブリーディングや、先に着弾したインクが後に着弾したインクに引き寄せられてしまうビーディングを効果的に抑制することができる。インクと反応液は少なくとも一部が重なるように被吐出媒体に付与される。被吐出媒体へのインクと反応液の付与順は特に限定されないが、インク像の色材の定着促進、並びにブリーディング及びビーディングの発生の抑制という観点からは、被吐出媒体に反応液を付与してからインクを付与することが好ましい。
なお、液吸収処理に供される前のインク像を「液除去前のインク像」、液吸収処理を行って液体成分の含有量が低減されたインク像を「液除去後のインク像」ともいう。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<反応液付与装置>
反応液付与装置は、反応液を被吐出媒体上に付与できるいかなる装置であってもよく、従来知られている各種装置を適宜用いる事ができる。具体的には、グラビアオフセットローラ、インクジェットヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。反応液付与装置による反応液の付与は、被吐出媒体上でインクと混合(反応)することができれば、インクの付与前に行っても、インクの付与後に行ってもよい。好ましくは、インクの付与前に反応液を付与する。反応液をインクの付与前に付与することによって、インクジェット方式による画像記録時に、隣接して付与されたインク同士が混ざり合うブリーディングや、先に着弾したインクが後に着弾したインクに引き寄せられてしまうビーディングをより効果的に抑制することもできる。
<反応液>
以下、本実施形態に適用される反応液を構成する各成分について詳細に説明する。
(反応剤)
反応液は、インクと接触することによりインク中のアニオン性基を有する成分(樹脂、自己分散顔料など)を凝集させるものであり、反応剤を含有する。反応剤としては、例えば、多価金属イオン、カチオン性樹脂などのカチオン性成分や、有機酸など挙げることができる。
多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+及びZn2+などの2価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+及びAl3+などの3価の金属イオンが挙げられる。反応液に多価金属イオンを含有させるためには、多価金属イオンとアニオンとが結合して構成される多価金属塩(水和物であってもよい)を用いることができる。アニオンとしては、例えば、Cl、Br、I、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、NO 、NO 、SO 2−、CO 2−、HCO 、PO 3−、HPO 2−、及びHPO などの無機アニオン;HCOO、(COO、COOH(COO)、CHCOO、C2H(COO、CCOO、C(COO及びCHSO などの有機アニオンを挙げることができる。反応剤として多価金属イオンを用いる場合、反応液中の多価金属塩換算の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上20.00質量%以下であることが好ましい。
有機酸を含有する反応液は、酸性領域(pH7.0未満、好ましくはpH2.0〜5.0)に緩衝能を有することによって、インク中に存在する成分のアニオン性基を酸型にして凝集させるものである。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピコリン酸、ニコチン酸、チオフェンカルボン酸、レブリン酸、クマリン酸などのモノカルボン酸及びその塩;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、セバシン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、などのジカルボン酸、及びその塩や水素塩;クエン酸、トリメリット酸などのトリカルボン酸及びその塩や水素塩;ピロメリット酸などのテトラカルボン酸及びその塩や水素塩、などを挙げることができる。反応液中の有機酸の含有量(質量%)は、1.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましい。
カチオン性樹脂としては、例えば、1〜3級アミンの構造を有する樹脂、4級アンモニウム塩の構造を有する樹脂などを挙げることができる。具体的には、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチレンイミン、グアニジンなどの構造を有する樹脂などを挙げることができる。反応液における溶解性を高めるために、カチオン性樹脂と酸性化合物とを併用したり、カチオン性樹脂の4級化処理を施したりすることもできる。反応剤としてカチオン性樹脂を用いる場合、反応液中のカチオン性樹脂の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.00質量%以上10.00質量%以下であることが好ましい。
(反応剤以外の成分)
反応剤以外の成分としては、インクに用いることができるものとして先に挙げた、水性媒体、その他の添加剤などと同様のものを用いることができる。
反応液にも、必要に応じて樹脂を添加することができる。反応液に添加する樹脂としては、後述するインクに添加することができる樹脂や樹脂微粒子から反応液の組成に応じて選択して用いることができる。
<インク付与装置>
本実施形態のインクジェット記録装置は、被吐出媒体にインクを付与するインク付与装置を有する。被吐出媒体上では反応液とインクとが混合され、反応液とインクとによってインク像が形成され、さらに、液吸収装置にてインク像から液体成分が吸収される。
インクを付与するインク付与装置は、インクを吐出するインクジェットヘッドを有する。インクジェットヘッドとしては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等が挙げられる。本実施形態では、公知のインクジェットヘッドを用いることができる。中でも特に高速で高密度の印刷の観点からは電気−熱変換体を利用したものが好適に用いられる。描画は画像信号を受け、各位置に必要なインク量を付与することにより行われる。
インク付与量は画像データの濃度値やインク厚み等で表現することができるが、本実施形態では各インクドットの質量に付与個数を掛け、印字面積で割った平均値をインク付与量(g/m)とした。尚、画像領域における最大インク付与量とは、インク中の液体分を除去する観点より、被吐出媒体の情報として用いられる領域内において、少なくとも5mm以上の面積において付与されているインク付与量を示す。
また、インク付与装置は、色材を含有しない、あるいは含有したとしてもその割合が非常に低く、実質的に透明なクリアインクを吐出するインクジェットヘッドを含んでいてもよい。そしてこのクリアインクを反応液、カラーインクとともにインク像を形成するために利用することができる。例えば、画像の光沢性を向上させるためにこのクリアインクを用いることができる。転写後の画像が光沢感を醸すように、配合する樹脂成分を適宜調整し、さらには、クリアインクの吐出位置を制御するとよい。このクリアインクは、最終記録物ではカラーインクよりも表層側にある方が望ましいので、転写体型の記録装置では、カラーインクよりも先に転写体上に付与するようにする。そのためにインク付与装置と対面する転写体1の移動方向において、クリアインク用のインクジェットヘッドをカラーインク用のインクジェットヘッドより上流側に配置することができる。
また、光沢用とは別に、転写体から記録媒体への画像の転写性を向上させるためにクリアインクを利用することができる。例えば、カラーインクよりも粘着性を発現する成分を多く含ませ、これをカラーインクに付与することで転写体上に付与する転写性向上液としてクリアインクを利用することができる。例えば、インク付与装置と対面する転写体1の移動方向において、転写性向上用のクリアインクのためのインクジェットヘッドをカラーインク用のインクジェットヘッドより下流側に配置しておく。そしてカラーインクを転写体に付与した後、カラーインク付与後の転写体上にクリアインクを付与することで、インク像の最表面にはクリアインクが存在することになる。転写部での記録媒体へのインク像の転写において、インク像の表面のクリアインクはある程度の粘着力で記録媒体に粘着し、これによって、液除去後のインク像が記録媒体へ移動しやすくなる。
<インク>
以下、本実施形態に適用されるインクを構成する各成分について詳細に説明する。
(色材)
色材としては、顔料や染料を用いることができる。インク中の色材の含有量は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イミダゾロン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系などの有機顔料を挙げることができる。
顔料の分散方式としては、分散剤として樹脂を用いた樹脂分散顔料や、顔料の粒子表面に親水性基が結合している自己分散顔料などを用いることができる。また、顔料の粒子表面に樹脂を含む有機基を化学的に結合させた樹脂結合型顔料や、顔料の粒子の表面を樹脂などで被覆したマイクロカプセル顔料などを用いることができる。
顔料を水性媒体中に分散させるための樹脂分散剤としては、アニオン性基の作用によって顔料を水性媒体中に分散させうるものを用いることが好ましい。樹脂分散剤としては、好適には、後述するような樹脂、さらに好適には水溶性樹脂を用いることができる。顔料の含有量(質量%)は、樹脂分散剤の含有量に対する質量比率で(顔料/樹脂分散剤)、0.3倍以上10.0倍以下であることが好ましい。
自己分散顔料としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基などのアニオン性基が、直接又は他の原子団(−R−)を介して顔料の粒子表面に結合しているものを用いることができる。アニオン性基は、酸型及び塩型のいずれであってもよく、塩型である場合は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。アニオン性基が塩型である場合のカウンターイオンとなるカチオンとしては、アルカリ金属カチオン;アンモニウム;有機アンモニウム;などを挙げることができる。また、他の原子団(−R−)の具体例としては、炭素原子数1乃至12の直鎖又は分岐のアルキレン基;フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基;カルボニル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エステル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基としてもよい。
染料としては、アニオン性基を有するものを用いることが好ましい。染料の具体例としては、アゾ染料、トリフェニルメタン染料、(アザ)フタロシアニン染料、キサンテン染料、アントラピリドン染料などの染料を挙げることができる。
(樹脂)
インクには、樹脂を含有させることができる。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15.0質量%以下であることがさらに好ましい。
樹脂は、(i)顔料の分散状態を安定にする、すなわち上述の樹脂分散剤やその補助として、(ii)記録される画像の各種特性を向上させる、などの理由でインクに添加することができる。樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。また、樹脂は、水性媒体に水溶性樹脂として溶解した状態であってもよく、水性媒体中に樹脂粒子として分散した状態であってもよい。樹脂粒子は色材を内包するものである必要はない。
本発明において樹脂が水溶性であることとは、その樹脂を酸価と当量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しないものであることとする。樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、のように設定することができる。粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
樹脂の酸価は、水溶性樹脂の場合100mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましく、樹脂粒子の場合5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。樹脂の重量平均分子量は、水溶性樹脂の場合3,000以上15,000以下であることが好ましく、樹脂粒子の場合1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。樹脂粒子の動的光散乱法(測定条件は上記と同様)により測定される体積平均粒子径は、100nm以上500nm以下であることが好ましい。
樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂などを挙げることができる。なかでも、アクリル系樹脂やウレタン樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有するものが好ましい。なかでも、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、芳香環を有するモノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの少なくとも一方に由来する疎水性ユニットと、を有する樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、スチレン及びα−メチルスチレンの少なくとも一方のモノマーに由来する疎水性ユニットとを有する樹脂が好ましい。これらの樹脂は、顔料との相互作用が生じやすいため、顔料を分散させるための樹脂分散剤として好適に利用することができる。
親水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有するユニットである。親水性ユニットは、例えば、親水性基を有する親水性モノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有する親水性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸基を有する酸性モノマー、これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマーなどを挙げることができる。酸性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。疎水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有しないユニットである。疎水性ユニットは、例えば、アニオン性基などの親水性基を有しない、疎水性モノマーを重合することで形成することができる。疎水性モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香環を有するモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマーなどを挙げることができる。
ウレタン系樹脂としては、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得ることができる。また、鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
(水性媒体)
インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。水性インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
(その他添加剤)
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤など種々の添加剤を含有してもよい。
<液吸収部材>
本実施形態では、液除去前のインク像から液体成分の少なくとも一部を、多孔質体を有する液吸収部材と接触させて吸収することで除去し、インク像中の液体成分の含有量を減少させる。液吸収部材の有する多孔質体は、少なくとも第一の層と第二の層を有する。第一の層は、インク像との接触面を有する第一の面と、第二の層と接触する第二の面(裏面)を有する。このような多孔質体を有する液吸収部材は、被吐出媒体の移動に連動して移動し、液除去前のインク像と接触した後、所定の周期で別の液除去前のインク像に再接触可能な繰り返し使用により液吸収が可能な形状を有するものが好ましい。このような繰り返し使用可能な形態として、例えば、無端ベルト状やドラム状などの形態が挙げられる。
(多孔質体)
本発明者等は、多孔質体の有する第一の層の厚みが第二の層の平均孔径の0.08倍以上である、すなわち、以下の式1を満たすことが必要であることを見出した。
式1:T1>(P2ave×0.08)
(式1中、T1は第一の層の厚みであり、P2aveは第二の層の平均孔径である。)
多孔質体が上記の要件を満たすことにより、画像の風合いの変化を抑制できるメカニズムの詳細は判明していないが、例えば以下のメカニズムが推測される。
反応液によりインク中の色材、及びその他の固形分が凝集すること等により、見掛け上の粘度が大きくなることで、インク像に多孔質体が接触した場合のインク像の形状変化の度合いが抑制される。ここで、画像の風合いを損なわないようにインク像の形状変化をさらに抑制するためには、色材等の凝集物を含むインク像が崩れない程度に多孔質体を接触させることが求められる。このとき、多孔質体がインク像の表面に与える応力ムラは小さいほど好ましいと考えられる。
応力ムラが大きい場合に画像の風合いの変化が発生する理由を、図面を参照して説明する。図1(A)〜(C)は、被吐出媒体である転写体上に形成されたインク像への多孔質体の第二の層に含まれる繊維による影響を模式的に示す部分断面図である。図1において、(A)は、多孔質体がインク像(液除去前のインク像)に接触する前の状態、(B)は、多孔質体がインク像に接触した時の状態、(C)は、多孔質体がインク像(液除去後のインク像)から離間した時の状態を示している。図示するように、転写体101上の液除去前のインク像10に対し第一の層110と第二の層111を有する多孔質体が接触する際に、応力ムラの起因となっている第二の層の繊維111aの形状がそのままインク像に転写される場合がある。このような繊維形状の転写が生じると、液除去前のインク像上において表面凹凸が発生し、その表面凹凸が視認される、もしくは表面の光沢性が変化することで、画像の風合いが変化する。また、本発明者らの検討によると、この液除去後のインク像の表面に形成された凹凸は、転写後における画像の表面にも同様の影響を及ぼすことがわかった。すなわち、インク像の風合いの変化は転写後にも維持されてしまう。この液除去前のインク像から液除去後のインク像を形成する際に発生する表面凹凸は、被吐出媒体として記録媒体を用いる場合にも同様に発生し得る。
本発明では、少なくとも上述した式1の要件を満たすことにより、第一の層の変形が小さく、インク像に対する応力ムラが小さい構成となるため、画像の風合いの変化を抑制できると推測される。
また、第一の層の厚みは第二の層の平均孔径の2倍以下であることが好ましい。第一の層の厚みを一定以下とすることで、流抵抗の増加を抑制し、液吸収性能への影響を小さくすることが可能となる。
多孔質体の、インク像と接触する表面層としての第一の層の厚みは、CTスキャン等や、イオンミリング等で断面を形成した後にSEM観察することで測長し、任意の10点を測定した厚みの平均値を算出することで求めることができる。
多孔質体の第一の層の平均孔径は5.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以下であることがより好ましく、0.6μm以下であることがさらに好ましい。平均孔径が5.0μm以下であることにより、第一の層の有する孔の形状に起因する液除去前のインク像に対する応力ムラが抑制され、画像の風合いの変化の抑制効果を更に向上させることができる。第一の層の平均孔径の下限は特に限定されないが、第一の層の平均孔径は、例えば0.02μm以上であることが好ましい。尚、本発明において「平均孔径」は、水銀圧入法や窒素吸着法等により計測及び算出することができる平均直径である。本実施形態においては他の層と積層された場合においても、第一の層の孔径が他の層よりも小さいことから積層形態でも第一の層の孔径(平均孔径)の測定が可能である。測定器としては、例えばカンタクローム・インスツルメンツジャパン株式会社のPOROMETER 3G(商品名)等が挙げられる。
多孔質体の表面(第一の層の第一の面)の算術平均粗さRaは2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましく、0.4μm以下であることがさらに好ましい。Raが2.0μm以下であることにより、多孔質体が液除去前のインク像に接触する際に、応力ムラがより少なくなり、インク像からの多孔質体への色材付着量を低減できる。Raの下限は特に限定されないが、Raは、例えば0.2μm以上とすることができる。なお、この算術平均粗さRaはJIS B 0601:2001に基づいて規定されたものである。
なお、多孔質体や多孔質体を構成する各層の表面形状(算術平均粗さRa)の測定は、ピンホール等による共焦点光学系を用いたレーザー顕微鏡(例えば波長405nm程度の半導体レーザー)を用いて、観察測定範囲における反射をZ軸方向にスキャンしたデータを合成することで行うことができる。
算術平均粗さRaは、具体的には以下の方法により測定する。
VK9710 レーザー顕微鏡(商品名、キーエンス製)を用いて、対物レンズ50倍(CF IC EPI PLAN Apo 50Xニコン製)で表面から深さ200μmまでのデータをRPDモードで取得する。得られたデータをノイズフィルター(メディアン)処理し、カットオフλcを0.08μmとして、表面粗さを基準線長さ200μmで算出する。
先に記載した通り、第一の層の厚さと第二の層の平均孔径が上記式1の要件を満たすことにより、多孔質体からインク像の表面に与える応力ムラが抑制され、画像の風合いの変化が抑制されると推測される。第二の層の平均孔径は、第二の層の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、得られた画像の孔を任意の10点を抽出し面積から算出する、もしくは第二の層の表面をCTスキャン等で観察した後に、同様の算出方法で測定される。
多孔質体のガーレー値は、JIS P8117で規定されるガーレー試験機により測定される。本発明における多孔質体のガーレー値は、10秒以下であることが好ましく、5秒以下であることがより好ましく、3秒以下であることがさらに好ましい。ガーレー値が10秒以下であることにより、流抵抗が低くなるため、接触時間内において十分にインク像中に含まれる液体成分を吸収、除去でき、画像流れを抑制できると推測される。該ガーレー値の下限は特に限定されないが、例えば1秒以上とすることができる。ガーレー値は低い値であるほど通気性及び通液性が高いことを意味する。ガーレー値は、例えば後述する第一の層を形成する際に、該第一の層を多孔質体として形成する前の厚みそのものを薄くすることで、低い値とすることができる。特に、均一に高い通気性とするためには、多孔質体における第一の層の厚みは60μm以下であることが好ましく、40μm以下がさらに好ましい。
また、積層時のハンドリング性向上のために、第一の層の厚みは1μm以上であることが好ましい。
また、第一の層の厚み方向の圧縮弾性率は、画像への追従性と応力ムラ抑制の観点より、つぶし厚みが2割の時点において、0.2〜5MPaであることが好ましく、0.4〜2MPaであることが好ましい。圧縮弾性率は、圧力をかけながら断面観察をする手段、もしくは一般的な圧縮弾性率測定器で測定する。
多孔質体の複数層構成の一例を図2(A)及び(B)に示す。図2(A)は2層構成の多孔質体を示す模式的断面図であり、図2(B)は3層構成の多孔質体を示す模式的断面図である。
図2(A)に示されるように、多孔質体が、第一の層110と第二の層111からなる構成の場合、液除去前のインク像と接触する面は第一の層の表面113(第一の層の第一の面)である。そして、第一の層の表面113の裏面(第一の層の第二の面)において、第二の層111が接触している。この第二の層において、第一の層に接触する面の裏面の裏面115が、多孔質体のインク像と接触する面の反対側の面となる。多孔質体は、後述する支持層である第三の層を有することが好ましく、図2(B)に示されるように、第一の層110と第二の層111と第三の層112とをこの順に有することがより好ましい。また、第三の層の上に、更に別の層を有していてもよい。
なお、本発明の効果が得られるのであれば、第二の層と第三の層、さらには、第三の層上に追加される各層間に別の層を有していてもよい。なお、本発明において、多孔質体は、多数の孔を有する材料であればよく、例えば、繊維同士が交差することによって形成される孔を多数有する材料も本発明における多孔質体に含まれる。
次に、多孔質体の実施形態について説明する。
[第一の層]
本実施形態において、第一の層の材料は特に限定されることはなく、水に対する接触角が90°未満の親水性材料と、接触角が90°以上の撥水性の材料のいずれも使用することができる。
親水性材料としては、セルロースやポリアクリルアミドなどの単一素材、またはこれらの複合材料などから好ましく選択される。また、下記の撥水性材料の表面を親水化処理して用いることもできる。親水化処理としては、スパッタエッチング法、放射線やHOイオン照射、エキシマ(紫外線)レーザー光照射などの方法が挙げられる。
親水性材料の場合、水に対する接触角が60°以下であることがより好ましい。親水性材料の場合、毛管力により液体、特に水を吸い上げる効果がある。
一方、色材の付着を抑制するため及びクリーニング性を高くするため、第一の層の材料は、表面自由エネルギーの低い撥水性材料、特にフッ素樹脂であることが好ましい。フッ素樹脂としては、具体的に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、第一の層の中に複数の膜が積層された構成でもよい。撥水性材料の場合、毛管力により液体を吸い上げる効果が殆どなく、初めて画像と接触する際に液体の吸い上げに時間を要することがある。このため、第一の層中に第一の層との接触角が90°未満である液体をしみ込ませておくことが好ましい。この液体は、液吸収部材の第一の層から塗布することで第一の層中にしみ込ませておくことができる。この液体は、水に界面活性剤や第一の層との接触角の低い液体を混合して調製することが好ましい。
第一の層は、公知の薄膜多孔質膜の製造方法により製造することができる。例えば、樹脂材料を押出成形などの方法でシート状物を得た後、所定の厚みに延伸することで得ることができる。また、押出成形時の材料にパラフィン等の可塑剤を添加し、延伸時に加熱などにより可塑剤を除去することで多孔質膜として得ることができる。孔径は添加する可塑剤の添加量、延伸倍率などを適宜調整することで調節することができる。
[第二の層]
本実施形態において、第二の層は通気性をもつ層であることが好ましい。このような層は樹脂繊維の不織布でもよいし、織布でも良い。第二の層の材料としては、特に限定されないが、第一の層側へ吸収した液体が逆流しないように、第一の層に対して第一の液体との接触角が同等かそれよりも低い材料であることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)などの単一素材、またはこれらの複合材料などから好ましく選択される。また、第二の層は第一の層よりも孔径の大きな層であることが好ましい。
第二の層の平均繊維径は、画像にかかる応力ムラ抑制とハンドリング性能向上のために、3μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下がより好ましい。なお、本発明において平均繊維径は、表面からの走査型電子顕微鏡(SEM)による観察、又はイオンミリングやFIB等で層の断面を作製し、その断面をSEMによって観察し、得られた画像において20個の繊維の直径を測定し、算出された平均値である。
尚、第二の層の平均孔径は、6μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上80μm以下であることがより好ましい。
また、第二の層の厚みは、流抵抗抑制とハンドリング性能向上のために、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。
第二の層の第一の層側の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、10μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましく、4μm以下であることがさらに好ましい。このRaが10μm以下であることにより、第一の層が変形しにくいため色材付着が発生しにくくなると考えられる。
第一の層と第二の層を加熱によって固着する場合は、これらの層の形成材料として熱可塑性樹脂を用い、第一の層の形成用の第一の材料と、第二の層の形成用の第二の材料の組合せを軟化点により区分してそれぞれ選択することが好ましい。第一の材料の軟化点(Sp1)と第二の材料の軟化点(Sp2)との差(ΔSp=Sp1−Sp2)の絶対値(|ΔSp|)は10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。|ΔSp|が10℃以上であることにより、材料同士が部分的に溶融する面積が限定され、流抵抗の増加抑制と、密着強度向上との両立が可能になると推測される。尚、|ΔSp|の上限は特に限定されないが、例えば200℃とすることができる。なお、第一の材料及び第二の材料としては、上記の軟化点の関係を満たように、それぞれ独立して1種または2種以上の材料を用いてもよい。このような軟化点差の2種の材料を用いた熱ラミネートにおいて、低い方の軟化点に合わせた熱処理を行うことで、第一の層を形成する材料と、第二の層を形成する材料間での固着部を効果的に制限することができる。
本発明において目的とする複数の機能あるいは特性、例えば、繊維表面の水との接触角、繊維自体の強度、繊維間の固定強度、多孔性等を第二の層に付与するには、第二の層の形成に、2種の材料を用いた複合材料である芯鞘構造の繊維を用いることが好ましい。材料同士が溶融した際に結着する面積を限定させ、かつ、目的とする繊維径を得るという観点から、芯と鞘の融点あるいは軟化点が異なる、芯鞘構造の繊維を用いることが好ましい。第二の層の形成に芯鞘構造の繊維を用いる場合には、鞘部を形成する材料として上述した第二の材料の軟化点(Sp2)を有する材料を用いることが好ましい。また、鞘部を形成する材料の軟化点(Sp2)を、芯部を形成する材料の軟化点(Sp3)及び第一の層を形成する材料の軟化点(Sp1)よりも低く設定し、第一の層と第二の層の熱処理による固着をSp2よりも高く、Sp1及びSp3よりも低く設定することによって、第一の層と第二の層をより効果的に固着することができる。
これらの条件を満足することで、第一の層と第二の層との接着点が小さくなり、接着点同士の間隔も狭くなるため、通気性と層間の密着強度を共に向上することができる。
[第三の層]
本実施形態において、多層構造の多孔質体は3層以上の構成であることが好ましい。三層目(第三の層ともいう)以降の層としては剛性の観点から不織布が好ましい。剛性の高い第三の層を有することにより、搬送強度が向上する。
第三の層の材料としては第二の層と同様なものが用いられ、材料同士が溶融した際に結着する面積を限定させるために、第三の層も芯と鞘の融点が異なる、いわゆる芯鞘構造の繊維からなる多孔質体を用いることが好ましい。
[その他の材料]
液吸収部材には、上記の積層構造の多孔質体以外に、液吸収部材の側面を補強する補強部材を有してもよい。また、長尺のシート形状の多孔質体の長手方向端部を繋いでベルト状の部材とする際の接合部材を有してもよい。このような材料としては非孔質のテープ材などを用いることができ、画像と接触しない位置あるいは周期に配置すればよい。
[多孔質体の製造方法]
第一の層と第二の層を積層して多孔質体を形成する方法は、特に限定されることはない。重ね合わせるだけでもよいし、接着剤ラミネートまたは熱ラミネートなどの方法を用いて互いに接着してもよい。通気性の観点から、本実施形態においては熱ラミネートが好ましい。また、例えば、加熱により、第一の層または第二の層の一部を溶融させて接着積層してもよい。また、ホットメルトパウダーのような融着材を第一の層と第二の層の間に介在させて加熱により互いに接着積層してもよい。第三の層以上を積層する場合は、一度に積層させてもよいし、順次積層させてもよく、積層順に関しては適宜選択される。
加熱工程では、加熱されたローラで多孔質体を挟み込んで加圧しながら、多孔質体を加熱するラミネート法が好ましい。
次に、本発明のインクジェット記録装置の具体的な実施形態例について説明する。
本発明のインクジェット記録装置としては以下の方式の装置を挙げることができる。
(A)被吐出媒体としての転写体上に液除去前のインク像(第一の画像)を形成し、液吸収部材によるインク像からの液除去後のインク像(第二の画像)を記録媒体へ転写するインクジェット記録装置。
(B)被吐出媒体としての記録媒体上にインク像を形成し、その記録媒体上で液除去前のインク像(第一の画像)から液吸収部材によって液体吸収を行うインクジェット記録装置。
なお、本発明において、前者のインクジェット記録装置を、以下便宜的に転写型インクジェット記録装置と称し、後者のインクジェット記録装置を、以下便宜的に直接描画型インクジェット記録装置と称する。
以下にそれぞれのインクジェット記録装置について説明する。
(転写型インクジェット記録装置)
転写型インクジェット記録装置において、被吐出媒体は、液除去前のインク像(第一の画像)と、前記液除去前のインク像から液体成分の少なくとも一部を除去した液除去後のインク像(第二の画像)を一時的に保持する転写体である。また、転写型インクジェット記録装置は、液除去後のインク像を、画像を形成すべき記録媒体、すなわち目的とする用途に応じた最終画像が形成される記録媒体上に転写する転写用の押圧部材を備えた転写ユニットが設けられた転写部を有する。
図3は、本実施形態の転写型インクジェット記録装置100の概略構成の一例を示す模式図である。
図示した転写型インクジェット記録装置は、支持部材102によって支持された転写体101、反応液付与装置103、インク付与装置104、液吸収装置105及び転写用の押圧部材106を有する転写ユニットを有する。
本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、インクジェット記録装置100の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体108は矢印Cの方向に搬送され、転写の際にはX方向に搬送される。
転写体101上への反応液の付与は反応液付与装置103により行われ、反応液が付与された転写体101上にインク付与装置104からインクが付与され、転写体101上で液除去前のインク像が形成される。転写体上の液除去前のインク像から液体成分が液吸収装置105により吸収されることにより液除去後のインク像となる。転写体上の液除去後のインク像は、紙などの記録媒体108上に、押圧部材106を有する転写ユニットによって転写される。
また、転写型インクジェット記録装置100は、必要に応じて転写した後の転写体101の表面をクリーニングする転写体クリーニング部材109を有していてもよい。
転写体101、反応液付与装置103、インク付与装置104のインクジェットヘッド、液吸収装置105および転写体クリーニング部材109は、それぞれ、Y方向において用いられる記録媒体108に対応するだけの長さを有している。
支持部材102は、回転軸102aを中心として図3の矢印Aの方向に回転する。この支持部材102の回転により、転写体101が移動される。移動された転写体101上に、反応液付与装置103による反応液、および、インク付与装置104によるインクの付与が順次行われ、転写体101上に液除去前のインク像が形成される。転写体101上に形成されたインク像は、転写体101の移動により、液吸収装置105が有する液吸収部材105aと接触する位置まで移動される。液吸収装置105の液吸収部材105aは、互いに同期して移動し、矢印Bの方向に搬送され、インク像は液吸収部材105aと接触した状態を経る。この間に液吸収部材105aはインク像から液体成分を除去する。
なお、インク像は液吸収部材105aと接触した状態を経ることで液体成分が除かれるが、このときインク像と液吸収部材105aは所定の押圧力をもって接触した状態とされることが本装置構成では液吸収部材105aを効果的に機能させる観点で特に好ましい構成である。
本発明では、液吸収部材105aの有する多孔質体が先の式1の要件を満たすことにより、液除去前のインク像に接触時に多孔質体の第一の層の変形が小さく、かつ、インク像に対する応力ムラが低い構成となるため、画像の風合いの変化を抑制できると推測される。
液体成分の除去を異なる視点で説明すれば、転写体(被吐出媒体)上に形成された画像を構成するインクを濃縮するとも表現することができる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
そして、液体成分が除去された後のインク像は、転写体101の移動により、記録媒体と接触する転写部に移動され、記録媒体搬送装置107によって転写部に搬送された記録媒体に接触することによって、記録媒体上に画像を形成する。記録媒体108上に転写された画像はインク像の反転画像である。
なお、転写体上には反応液が付与されてからインクが付与されて画像が形成されるため、非画像領域には反応液がインクと反応することなく残っている。本実施形態にかかる装置では液吸収部材105aは画像からのみならず、未反応の反応液とも接触し、反応液自体、あるいは反応液に含まれる液体成分も併せて除去している。
したがって、以上では、画像から液体成分を除去すると表現し説明しているが、画像のみから液体成分を除去するという限定的な意味合いではなく、反応液を併用する場合は、少なくとも転写体上の画像から液体成分を除去していればよいという意味合いで用いている。例えば、インク像からの液体成分とともに、インク像の外側領域に付与された反応液中の液体成分を除去することも可能である。
なお、液体成分は、一定の形を持たず、流動性を有し、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、インクに含まれる水や有機溶媒等、反応液自体、あるいは反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられ、反応液を併用する場合には、これらの液体成分の少なくも一部が転写体上から液吸収部材により除去される。
また、上述したクリアインクが液除去前のインク像に含まれている場合においても、液吸収処理によるインクの濃縮を行うことができる。例えば、転写体101上に付与された色材を含有するカラーインクの上にクリアインクが付与されると、液除去前のインク像の表面には全面的にクリアインクが存在している。あるいは、液時除去前のインク像の表面の一箇所あるいは複数個所にクリアインクが部分的に存在し、インク像の他の一部にはカラーインクが存在している。インク像において、カラーインク上にクリアインクが存在している箇所では、多孔質体がインク像の表面のクリアインクの液体成分を吸収し、クリアインクの液体成分が移動する。それに伴ってカラーインク中の液体成分が多孔質体側へ移動することで、カラーインク中の液体成分が吸収される。一方、インク像の表面においてクリアインクとカラーインクとが混在している場合には、カラーインク及びクリアインクのそれぞれの液体成分が多孔質体側へ移動することで液体成分が吸収される。なお、このクリアインクには、転写体101から記録媒体への画像の転写性を向上させるための成分を多く含ませておいてもよい。例えばカラーインクよりも加熱により粘性が高くなる成分の含有率を高くしておくことが挙げられる。
本実施形態の転写型インクジェット記録装置の各構成について以下に説明する。
<転写体>
転写体101は、画像形成面を含む表面層を有する。表面層の部材としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料が好ましい。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。反応液の濡れ性、転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
また転写体は、圧力変動を吸収する機能を有する圧縮層を有することが好ましい。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速印刷時においても良好な転写性を維持することができる。圧縮層の部材としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。上記ゴム材料の成形時に、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し多孔質としたものが好ましい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがある。本発明ではいずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
さらに転写体は、表面層と圧縮層との間に弾性層を有することが好ましい。弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料が好ましく用いられる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンの共重合体、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で好ましい。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも好ましい。
転写体を構成する各層(表面層、弾性層、圧縮層)の間に、これらを固定・保持するために各種接着剤や両面テープを用いてもよい。また、装置に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を設けてもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
転写体の大きさは、目的の印刷画像サイズに合わせて自由に選択することができる。転写体の形状としては、特に制限されず、具体的にはシート形状、ローラ形状、ベルト形状、無端ウェブ形状等が挙げられる。
<支持部材>
転写体101は、支持部材102上に支持されている。転写体の支持方法として、各種接着剤や両面テープを用いてもよい。または、転写体に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付けることで、設置用部材を用いて転写体を支持部材102上に支持してもよい。
支持部材102は、その搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。支持部材の材質には金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。中でも特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましく用いられる。またこれらを組み合わせて用いるのも好ましい。
<反応液付与装置>
本実施形態のインクジェット記録装置は、転写体101に反応液を付与する反応液付与装置103を有する。
反応液はインクと接触することによって、転写体上でのインク及び/又はインク組成物の一部の流動性を低下せしめて、インクによる画像形成時のブリーディングや、ビーディングを抑制することができる。具体的には、反応液に含まれる反応剤(インク高粘度化成分とも称する)が、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着する。これによって、インク全体の粘度の上昇や、色材などインクを構成する成分の一部が凝集することによる局所的な粘度の上昇を生じさせ、インク及び/又はインク組成物の一部の流動性を低下させることができる。
図3の反応液付与装置103は、反応液を収容する反応液収容部103aと、反応液収容部103aにある反応液を転写体101上に付与する反応液付与部材103b、103cを有するグラビアオフセットローラの場合を示している。
<インク付与装置>
本実施形態のインクジェット記録装置は、転写体101にインクを付与するインク付与装置104を有する。転写体101上では反応液とインクとが混合され、反応液とインクとによってインク像が形成され、さらに、液吸収装置105にてインク像から液体成分が吸収される。
本実施形態ではインクジェットヘッドはY方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。インクジェットヘッドはその下面(転写体1側)にノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は微小な隙間(数ミリ程度)を空けて転写体1の表面と対向している。
インク付与装置104は、被吐出媒体上に各色のカラーインクを付与するために、インクジェットヘッドを複数有していてもよい。例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを用いてそれぞれの色画像を形成する場合、インク付与装置は上記4種類のインクを被吐出媒体上にそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッドを有することになり、これらはX方向に並ぶように配置される。
また、インク付与装置は、先に説明したクリアインクを吐出するインクジェットヘッドを含んでいてもよい。本実施形態にかかる転写体型の記録装置では、カラーインクよりも先に転写体1上に付与するようにする。そのためにインク付与装置104と対面する転写体1の移動方向において、クリアインク用のインクジェットヘッドをカラーインク用のインクジェットヘッドより上流側に配置することができる。
また、光沢用とは別に、転写体101から記録媒体への画像の転写性を向上させるためにクリアインクを利用することができる。例えば、インク付与装置104と対面する転写体101の移動方向において、転写性向上用のクリアインクのためのインクジェットヘッドをカラーインク用のインクジェットヘッドより上流側に配置しておく。そしてカラーインクを転写体101に付与した後、カラーインク付与後の転写体上にクリアインクを付与することで、インク像の最表面にはクリアインクが存在することになる。転写部での記録媒体へのインク像の転写において、インク像の表面のクリアインクはある程度の粘着力で記録媒体108に粘着し、これによって、液除去後のインク像が記録媒体108へ移動しやすくなる。
<液吸収装置>
本実施形態において、液吸収装置105は、液吸収部材105a、および液吸収部材105aを転写体101上のインク像に押し当てる液吸収用の押圧部材105bを有する。なお、液吸収部材105aおよび押圧部材105bの形状については特に制限がない。例えば、図3に示すように、押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aがベルト形状であって、円柱形状の押圧部材105bでベルト形状の液吸収部材105aを転写体101に押し当てる構成であってもよい。
また、図4に示すように押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aが円柱形状の押圧部材105bの周面上に形成された円筒形状であって、円柱形状の押圧部材105bで円筒形状の液吸収部材105aを転写体に押し当てる構成であってもよい。その場合、液吸収部材105aの表面に接触して、画像から除去した液体を回収する液回収部材105hを有する構成が好ましい。また、この液回収部材105hは、液吸収部材105aの表面に接触する必要はなく、裏面と接触して押圧部材105bと兼ねる構成も好ましい。
本実施形態において、インクジェット記録装置内でのスペース等を考慮すると、液吸収部材105aはベルト形状であることが好ましい。
また、このようなベルト形状の液吸収部材105aを有する液吸収装置105は、液吸収部材105aを張架する張架部材を有していてもよい。図3において、105cは張架部材としての張架ローラである。図3において、押圧部材105bも張架ローラと同様に回転するローラ部材としているが、これに限定されるものではない。
液吸収装置105では、多孔質体を有する液吸収部材105aを押圧部材105bによってインク像に押し当てて接触させることで、インク像に含まれる液体成分を液吸収部材105aに吸収させ、液体成分を減少させる。インク像中の液体成分を減少させる方法として、液吸収部材を接触させる本方式に加え、その他従来から用いられている各種手法、例えば、加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法等を組み合わせても良い。また、液体成分を減少させた液除去後のインク像にこれらの方法を適用してさらに液体成分を減少させてもよい。
以下、液吸収装置105における、各種条件と構成について詳細に述べる。
(前処理)
本実施形態において、多孔質体を有する液吸収部材105aをインク像に接触させる前に、液吸収部材の有する多孔質体に処理液を付与する前処理手段(図3および図4では不図示)によって前処理を施すことが好ましい。本実施形態に用いる多孔質体用の処理液は、水及び水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、エタノールやイソプロピルアルコール等の公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。本実施形態に用いる液吸収部材の前処理において、付与方法は特に限定されないが、浸漬や液滴滴下が好ましい。
(加圧条件)
転写体上のインク像に対して接触するときの液吸収部材の圧力が2.9N/cm(0.3kgf/cm)以上であれば、インク像中の液体成分をより短時間に固液分離でき、インク像中から液体成分を除去できるため好ましい。尚、本明細書における液吸収部材の圧力とは、被吐出媒体と液吸収部材との間のニップ圧を示しており、面圧分布測定器(商品名「I−SCAN」、新田株式会社製)を用いて面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割り、値を算出したものである。
(作用時間)
インク像に液吸収部材105aを接触させる作用時間は、インク像中の色材が液吸収部材へ付着することをより抑制するために、50ms以内であることが好ましい。尚、本明細書における作用時間とは、上述した面圧測定における、被吐出媒体の移動方向における圧力感知幅を、被吐出媒体の移動速度で割って算出される。以降、この作用時間を液吸収ニップ時間と称す。
このようにして、転写体101上には、液体成分が吸収され、液体成分の減少したインク像が形成される。この液除去後のインク像は次に転写部において記録媒体108上に転写される。転写時の装置構成及び条件について説明する。
<転写用の押圧部材>
本実施形態では、記録媒体搬送手段107によって搬送される記録媒体108上に転写体101上の液除去後のインク像を、転写用の押圧部材106により記録媒体108に接触させることで転写する。転写体101上のインク像に含まれる液体成分を除去した後に、記録媒体108へ転写することにより、カールや、コックリング等を抑制した記録画像を得ることが可能となる。
押圧部材106は記録媒体108の搬送精度や耐久性の観点からある程度の構造強度が求められる。押圧部材106の材質には金属、セラミック、樹脂等が好ましく用いられる。中でも特に、転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、動作時のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するために、アルミニウム、鉄、ステンレス、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、シリカセラミクス、アルミナセラミクスが好ましく用いられる。またこれらを組み合わせて用いてもよい。
転写体101上の液除去後のインク像を記録媒体108に転写するために押圧部材106が転写体を押圧する押圧時間については特に制限はないが、転写が良好に行われ、かつ転写体の耐久性を損なわないようにするために、5ms以上100ms以下であることが好ましい。尚、本実施形態における押圧時間とは、記録媒体108と転写体101間が接触している時間を示しており、面圧分布測定器(商品名「I−SCAN」、新田株式会社製)を用いて面圧測定を行い、加圧領域の搬送方向長さを搬送速度で割り、値を算出したものである。
また、転写体101上の液除去後のインク像を記録媒体108に転写するために押圧部材106が転写体101を押圧する圧力についても特に制限はないが、転写が良好に行われ、かつ転写体の耐久性を損なわないようにする。このために、圧力が9.8N/cm(1kg/cm)以上294.2N/cm(30kg/cm)以下であることが好ましい。尚、本実施形態における圧力とは、記録媒体108と転写体101間のニップ圧を示しており、面圧分布測定器を用いて面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割り、値を算出したものである。
転写体101上の液除去後のインク像を記録媒体108に転写するために押圧部材106が転写体101を押圧しているときの温度についても特に制限はないが、インクが樹脂成分を含む場合には、インクに含まれる樹脂成分のガラス転移点以上又は軟化点以上であることが好ましい。また、加熱には転写体101上の第二の画像、転写体101及び記録媒体108を加熱する加熱手段を備える態様が好ましい。
転写手段106の形状については特に制限されないが、例えばローラ形状のものが挙げられる。
<記録媒体および記録媒体搬送装置>
本実施形態において、記録媒体108は特に限定されず、公知の記録媒体をいずれも用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物、あるいは所定の寸法に裁断された枚葉のものが挙げられる。材質としては、紙、プラスチックフィルム、木板、段ボール、金属フィルムなどが挙げられる。
また、図3及び図4において、記録媒体108を搬送するための記録媒体搬送装置107は、記録媒体繰り出しローラ107aおよび記録媒体巻き取りローラ107bによって構成されているが、記録媒体を搬送できればよく、特にこの構成に限定されるものではない。
<制御システム>
本実施形態における転写型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図6は、図3及び図4に示す転写型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図である。
図6において、301は外部プリントサーバー等の記録データ生成部、302は操作パネル等の操作制御部、303は記録プロセスを実施するためのプリンタ制御部、304は記録媒体を搬送するための記録媒体搬送制御部、305は印刷するためのインクジェットデバイスである。
図7は、図3及び図4の転写型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。
401はプリンタ全体を制御するCPU、402はCPU401の制御プログラムを格納するためのROM、403はプログラムを実行するためのRAMである。404はネットワークコントローラ、シリアルIFコントローラ、ヘッドデータ生成用コントローラ、モーターコントローラ等を内蔵した特定用途向けの集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)である。405は液吸収部材搬送モータ406を駆動するための液吸収部材搬送制御部であり、ASIC404からシリアルIFを介して、コマンド制御される。407は転写体駆動モータ408を駆動するための転写体駆動制御部であり、同様にASIC404からシリアルIFを介してコマンド制御される。409はヘッド制御部であり、インクジェットデバイス305の最終吐出データ生成、駆動電圧生成等を行う。
(直接描画型のインクジェット記録装置)
本実施形態における別の実施形態として、直接描画型インクジェット記録装置が挙げられる。直接描画型インクジェット記録装置において、被吐出媒体は最終画像が形成される記録媒体である。
図5は、本実施形態における直接描画型インクジェット記録装置200の概略構成の一例を示す模式図である。直接描画型インクジェット記録装置は、前述した転写型インクジェット記録装置と比較し、転写体101、支持部材102、転写体クリーニング部材109を有さず、記録媒体208上で画像を形成する点以外は、転写型インクジェット記録装置と同様の手段を有する。
したがって、記録媒体208に反応液を付与する、反応液収容部203a、反応液付与部材203b、203cを有する反応液付与装置203、記録媒体208にインクを付与するインク付与装置204は、転写型インクジェット記録装置と同様の構成を有しており、説明を省略する。記録媒体208上のインク像に接触する液吸収部材205aにより、インク像に含まれる液体成分を吸収する液吸収装置205についても同様に説明を省略する。
なお、本実施形態の直接描画型インクジェット記録装置において、液吸収装置205は液吸収部材205a、および、液吸収部材205aを記録媒体208上のインク像に押し当てる液吸収用の押圧部材205bを有する。また、液吸収部材205aおよび押圧部材205bの形状については特に制限がなく、転写型インクジェット記録装置で使用可能な液吸収部材および押圧部材と同様の形状のものを用いることができる。また、液吸収装置205は、液吸収部材を張架する張架部材を有していてもよい。図5において、205c、205d、205e、205f、205gは張架部材としての張架ローラである。張架ローラの数は図6の5個に限定されるものではなく、装置設計に応じて必要数を配置すれば良い。また、インク付与装置204によって記録媒体208にインクを付与するインク付与部、および、液吸収部材205aを記録媒体上のインク像に接触し、液体成分を除去する液体成分除去部には、記録媒体を下方から支持する不図示の記録媒体支持部材が設けられていてもよい。
<記録媒体搬送装置>
本実施形態の直接描画型インクジェット記録装置において、記録媒体搬送装置207は特に限定されず、公知の直接描画型インクジェット記録装置における搬送手段を用いることができる。例として、図5に示すように、記録媒体繰り出しローラ207a、記録媒体巻き取りローラ207b、記録媒体搬送ローラ207c、207d、207e、207fを有する記録媒体搬送装置が挙げられる。
<制御システム>
本実施形態における直接描画型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図5に示す直接描画型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図は、図3及び図4に示す転写型インクジェット記録装置と同様に、図6に示す通りである。
図8は、図5の直接描画型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図である。転写体駆動制御部407及び転写体駆動モータ408を有さない以外は図6における転写型インクジェット記録装置におけるプリンタ制御部のブロック図と同等である。
すなわち、501はプリンタ全体を制御するCPU、502は前記CPUの制御プログラムを格納するためのROM、503はプログラムを実行するためのRAMである。504はネットワークコントローラ、シリアルIFコントローラ、ヘッドデータ生成用コントローラ、モーターコントローラ等を内蔵したASICである。505は液吸収部材搬送モータ506を駆動するための液吸収部材搬送制御部であり、ASIC504からシリアルIFを介して、コマンド制御される。509はヘッド制御部であり、インクジェットデバイス305の最終吐出データ生成、駆動電圧生成等を行う。
以下、実施例及び比較例を用いて本実施形態を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<反応液の調製>
反応液には、以下に示される組成を有する反応液を用いた。尚、イオン交換水の「残部」は、反応液を構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・グルタル酸:21.0質量%
・グリセリン:5.0質量%
・界面活性剤(商品名、メガファックF444、DIC株式会社製):5.0質量%
・イオン交換水:残部。
<顔料分散体の調製>
カーボンブラック(商品名:モナク1100、キャボット製)10部、樹脂水溶液(スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体、酸価150、重量平均分子量(Mw)8,000、樹脂の含有量が20.0質量%の水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したもの)15部、及び純水75部を混合した。この混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、0.3mm径のジルコニアビーズを200部充填し、水冷しつつ、5時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離して、粗大粒子を除去することで、顔料の含有量が10.0質量%の顔料分散体を得た。
<樹脂微粒子分散体の調製>
ブチルメタクリレート20部、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)3部、及びn−ヘキサデカン2部を混合し、0.5時間攪拌した。この混合物を、スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体(酸価:130mgKOH/g、重量平均分子量(Mw):7,000)の8質量%水溶液75部に滴下して、0.5時間攪拌した。次に超音波照射機で超音波を3時間照射した。続いて、窒素雰囲気下で80℃、4時間重合反応を行い、室温冷却後にろ過して、樹脂の含有量が25.0質量%である樹脂微粒子分散体を調製した。
<インクの調製>
前記顔料分散体及び前記樹脂微粒子分散体を下記各成分と混合した。尚、イオン交換水の「残部」は、インクを構成する全成分の合計が100.0質量%となる量のことである。
・顔料分散体:40.0質量%
・樹脂微粒子分散体:25.0質量%
・グリセリン:7.0質量%
・ポリエチレングリコール(数平均分子量(Mn):1,000):3.0質量%
・界面活性剤:アセチレノールE100(商品名、川研ファインケミカル株式会社製):0.5質量%
・イオン交換水:残部
これを十分撹拌して分散した後、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フイルム株式会社製)にて加圧ろ過を行い、インクを調製した。
<多孔質体の作製>
第一の層として、以下の表1に記載の厚さ、表面の平均孔径および表面の算術平均粗さRaを有する層を用意した。
第一の層は、全てポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる延伸膜である。これらは、高度に結晶化したPTFEの乳化重合粒子を圧縮成形し、融点以下の温度で延伸した後に、熱圧カレンダー処理することによりフィブリル化した多孔質体を得ることで作製した。
Figure 2019014099
第二の層として、以下の表2に記載の平均孔径、平均繊維径を有する層を用意した。第二の層は、全て、第一の材料であるポリエチレン(PE)と、第二の材料であるポリプロピレン(PP)とを含む繊維からなる膜である。第一の材料は「鞘構造」であり、第二の材料が「芯構造」であるため、第一の材料および第二の材料は「芯鞘構造」を有する。第二の層は芯鞘構造からなる繊維を用いて、湿式法により製造した。
Figure 2019014099
第三の層として、以下の表3に記載の平均孔径、平均繊維径を有する層を用意した。第三の層も、第二の層と同様に、ポリエチレン(PE)が「鞘構造」、ポリプロピレン(PP)が「芯構造」である「芯鞘構造」を有する繊維を用いた。
Figure 2019014099
以下の表4に示される組合せで、必要に応じて第一の層と第二の層と第三の層とを熱圧ラミネートによって積層し、各実施例及び比較例で用いる多孔質体を得た。更に、得られた多孔質体の単位幅あたりのガーレー値を上述の方法で測定した。
第一の層の厚みを第二の層の平均孔径で割った値と、ガーレー値の結果を表4に合わせて示す。なお、得られた多孔質体の、液除去前のインク像(第一の画像)と接触する第一の層の算術平均粗さRaは、積層する前の第一の層の表面の算術平均粗さRaと同じであった。
Figure 2019014099
<インクジェット記録装置及び画像形成>
図3に示す転写型インクジェット記録装置を用いた。転写体101は両面テープにより支持部材102の表面に固定した。厚さ0.5mmのPETシートに、シリコーンゴム(商品名:KE12、信越化学工業株式会社製)を0.3mmの厚さでコーティングしたシートを転写体101の弾性層として用いた。さらに、グリシドキシプロピルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシランとをモル比1:1で混合し、加熱還流することで得られる縮合物と、光カチオン重合開始剤(商品名:SP150、ADEKA製)との混合物を調製した。前記弾性層表面の水の接触角が10度以下となるように大気圧プラズマ処理を行った。その後、前記混合物を前記弾性層上に付与し、UV照射(高圧水銀ランプ、積算露光量:5000mJ/cm)、熱硬化(150℃、2時間)により成膜し、前記弾性層上に厚さ0.5μmの表面層が形成された転写体101を作製した。なお、転写体101の表面は、図示しない加熱手段により60℃に維持した。
反応液付与装置103により付与される反応液の付与量は0.5g/mとした。インク付与装置104には、電気−熱変換素子を用いオンデマンド方式にてインクの吐出を行うインクジェット記録ヘッドを使用し、転写体上に、液除去前のインク像としてのベタ画像を形成した。この画像形成時における前記インクの付与量は13g/mとした。
液吸収部材105aは、液除去前のインク像と接触する側に多孔質体を有する液吸収部材105aは、使用前に、エタノール95部及び水5部からなる湿潤液に浸漬し、湿潤液を浸透させた後、湿潤液を水で置換した。押圧部材105bで圧力を印加することで、転写体101と液吸収部材105aとの間のニップ圧を、平均3kg/cmとなるようにした。なお、押圧部材105bの直径は250mmであった。また、インク像と接触することによって多孔質体が吸収した水性液体成分は再度インク像に接触する前に、その吸収した水性液体成分の少なくとも一部を多孔質体から除去するようにした。
液吸収部材105aの搬送速度は、液吸収部材105aを張架しつつ搬送する張架ローラ105c、105d及び105eによって、転写体101の移動速度と同等の速度になるように調節した。また、転写体101の移動速度と同等の速度となるように、記録媒体108を記録媒体繰り出しローラ107aおよび記録媒体巻き取りローラ107bによって搬送した。記録媒体108の搬送速度は0.15m/sとした。記録媒体108としては、オーロラコート紙(商品名、日本製紙株式会社製、坪量104g/m)を用いた。
[評価]
以下の評価方法により、各実施例及び比較例におけるインクジェット記録装置の評価を行った。評価結果を表5に示す。本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のAA〜Bを好ましいレベルとした。
<画像の風合い>
前記画像形成における、液吸収部材105aのインク像への接触後の、画像の風合いの変化を観察した。具体的には、前記画像形成によってベタ画像が形成された記録媒体を10枚作製し、1枚目の記録媒体上に形成された画像(液吸収部材の多孔質体をインク像に1回接触した時の画像)と、10枚目の記録媒体上に形成された画像(液吸収部材の多孔質体をインク像に10回接触した時の画像)の風合いを比較して評価を行った。評価基準は以下の通りである。
AA:繰り返し使用(液吸収部材の多孔質体をインク像に10回接触)しても画像の風合いの変化がみられなかった。
A:画像の風合いの変化はみられなかった。
B:わずかに画像の風合いの変化がみられたが、気にならない程度であった。
C:画像の風合いの変化が画像中の複数の位置においてみられた。
<画像流れ>
前記画像形成における、インク像から液体成分を吸収した後の、インク像端部における色材の移動量、すなわち画像流れを観察した。具体的には、前記画像形成によってベタ画像が形成された記録媒体を10枚作製し、それぞれの記録媒体上に形成された画像の画像流れの状態を評価した。評価基準は以下の通りである。
AA:繰り返し使用(液吸収部材の多孔質体を画像に10回接触)して得られた10枚目の画像においても画像流れがみられなかった。
A:繰り返し使用(液吸収部材の多孔質体を画像に10回接触)して得られた10枚目の画像においてのみ、わずかに画像流れがみられたが、気にならない程度であった。
B:1回液体除去(液吸収部材の多孔質体を画像に1回接触)して得られた1枚目の画像において、わずかに画像流れがみられたが、気にならない程度であった。
C:1回液体除去(液吸収部材の多孔質体を画像に1回接触)して得られた1枚目の画像において、画像流れがみられた。
<搬送強度>
前記画像形成における、液吸収部材105aの搬送時にかかる張力による変形の有無を観察した。評価基準は以下の通りである。
A:塑性変形がみられず、更に高速搬送時により強い張力をかけても塑性変形がみられなかった。
B:塑性変形がみられなかった。
C:塑性変形がみられた。
Figure 2019014099
また、図5に示す直接描画型インクジェット記録装置を用いて同様の実験を行った。図5に示す直接描画型インクジェット記録装置による画像形成においては、記録媒体208としてグロリアピュアホワイト紙(商品名、坪量210g/m、五條製紙株式会社製)を用いた。記録媒体208以外の、反応液、反応液付与装置203、インク、インク付与装置204、記録媒体208の搬送速度及び液吸収装置205は、実施例1における転写型インクジェット記録装置と同様として、実施例1と同様に評価した。その結果、実施例1と同じ評価結果が得られることが確認された。
10 インク像(第一の画像)
101 転写体
110 第一の層
111 第二の層
111a 第二の層の繊維

Claims (15)

  1. 被吐出媒体に、インクを高粘度化する反応液とインクを付与し、インク像を形成するインク像形成ユニットと、
    前記インク像との接触により該インク像から液体成分の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
    を有するインクジェット記録装置であって、
    前記多孔質体が、
    前記インク像と接触する第一の面と、該第一の面の裏面である第二の面を有する第一の層と、
    該第一の層の第二の面に接触する第二の層と、
    を有し、
    前記第一の層の厚みが、前記第二の層の平均孔径の0.08倍以上である
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第一の層の平均孔径が0.6μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記第一の層の第一の面の算術平均粗さRaが2.0μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第二の層に含まれる繊維の平均繊維径が3μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記多孔質体のガーレー値が10秒以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第一の層の厚さが40μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第二の層が芯鞘構造を有する繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記多孔質体が前記第一の層及び前記第二の層を支持する支持層を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記支持層が、芯鞘構造を有する繊維を含むことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記インク像形成ユニットは、
    前記被吐出媒体に、前記反応液を付与する反応液付与装置と、
    前記被吐出媒体に、前記インクを付与するインク付与装置と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記被吐出媒体は、前記インク像を一時的に保持する転写体であって、
    前記多孔質体と接触した後のインク像を、最終画像が形成される記録媒体上に転写する押圧部材を備えた転写ユニットを有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記被吐出媒体は最終画像が形成される記録媒体である請求項1乃至10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 被吐出媒体に、インクを高粘度化する反応液とインクを付与し、インク像を形成するインク像形成工程と、
    前記インク像に、該インク像に含まれる液体成分の少なくとも一部を吸収する多孔質体を接触させる液吸収工程と、
    を有するインクジェット記録方法であって、
    前記多孔質体が、
    前記インク像と接触する第一の面と該第一の面の裏面である第二の面を有する第一の層と、
    該第一の層の第二の面に接触する第二の層と、
    を有し、
    前記第一の層の厚みが、前記第二の層の平均孔径の0.08倍以上である
    ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  14. 前記被吐出媒体は、前記インク像を一時的に保持する転写体であって、
    前記多孔質体と接触した後のインク像を、最終画像が形成される記録媒体上に転写する工程を有することを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記被吐出媒体は最終画像が形成される記録媒体である請求項13に記載のインクジェット記録方法。
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