JP2006056078A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多大なエネルギーを要さずに記録媒体上のインク像における液体成分を除去し、高速に高品位な画像を形成できる画像形成方法および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 記録媒体に対して反応液とインクを付与して凝集インク像を形成する。この凝集インク像から液体成分を除去するにあたって供給側から回収側に一方向に搬送される液体吸収体8を上記凝集インク像に接触させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成方法および画像形成装置に関し、より詳細には、記録媒体に対して、反応液およびインクを用いて画像形成する画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
一般的に、インクジェット記録方法では、水性インクが好適に用いられる。この水性インク組成物は、水を主成分とし、これに着色成分および粘度調整や保湿成分などの水溶性有機溶剤を含有したものである。水性インクを用いる場合、被記録媒体としてはインク組成物をある程度吸収し着色剤を浸透させることができるものが好適に用いられる。
一方、プラスチック、金属など水性インク組成物を全く吸収しない(「非インク吸収性」とも呼ぶ)被記録媒体や、印刷用紙のアート紙やコート紙などの水性インク組成物を吸収する量が少ないあるいは吸収速度が遅い(「インク吸収性が低い」とも呼ぶ)被記録媒体に対して水性インクを用いて画像形成を行いたいとの要望もある。しかし、水性インクを用いて上記非インク吸収性あるいはインク吸収性が低い被記録媒体に画像記録を行うと、被記録媒体への液体成分の浸透が十分でないため、被記録媒体上において「ビーディング」や「ブリーディング」といった画像弊害を招くと共に、画像の定着時間に長時間を要する。
上記画像弊害の軽減や定着時間の短縮を達成するための手法として、インクジェット記録ヘッドからインク液滴を被記録媒体に直接付与するのではなく、一旦中間転写体上にインク滴を付与した後に中間転写体上でインク中の液体成分を除去して記録媒体に転写する方法が提案されている(特許文献1参照)。より詳しくは、この特許文献1では、加熱手段を設けた中間転写体上にインク像を形成した後、加熱手段により中間転写体上のインク中の水分を加熱して水分を蒸発させ、水分を蒸発させたインク像を被記録媒体に転写している。
しかしながら、液体成分の除去を加熱により実現すると、特に水の潜熱が大きいことから消費エネルギーが大きいこと、すなわち通常の加熱装置では、乾燥時間がかかる課題がある。また、この方法では機内に蒸気が充満し更に、装置内で結露することによる問題が生じる。また、これら蒸気を外部に放出すると多大な蒸気を放出することとなるため再度液体として回収する必要がある。このため蒸気を液体に戻すために更にエネルギーが必要となる。
これに対して、液体成分の除去を加熱以外の手法より実現することも提案されている(特許文献2、3参照)。例えば、特許文献2では、中間転写体上で様々な方法で凝集画像を形成したのち凝集画像の過剰液体を除去するための過剰液体除去プロセスゾーンを設けてなる過剰液体除去デバイスを備えることを開示している。過剰液体除去デバイスとしては、スキージー(ローラまたはブレード)や、外部吸取デバイスや、蒸発デバイスや、真空吸引デバイスや、削取デバイスや、エアナイフデバイスといったような任意の公知デバイスを用いることができる旨が述べられており、その具体的な一例として、吸収性の吸取層を備えた補助的回転部材により過剰液体を除去する構成例が明示されている。また、特許文献3には、中間転写体(転写ドラム)に溶剤回収ベルト64を接触させることで中間転写体上の溶剤を回収することが開示されている。
特開平6−200199号公報 特開2003−182064号公報 特許第3223927号公報
しかしながら、上述した特許文献2や特許文献3の手法の場合、液体吸収部材が回転して再利用される形態であるため、液体吸収部材の使用期間が長くなるに従って液体の除去能力が低下する可能性が高い。液体の除去能力が低下すると液体除去量が不十分となって、定着時間の長期化を招く。また、液体吸収部材が回転して再利用される上記形態では、良好な転写を持続するのが難しい。すなわち、良好な転写を行うためには転写体上でのインク画像の液体成分を適量に制御することが重要であるが、上記形態の場合、液体吸収部材の使用期間によって液体の除去量が異なってしまうので、使用期間が長くなってくると転写性が低下する虞がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、多大なエネルギーを要さずに記録媒体上のインク像における液体成分を除去し、高速に高品位な画像を形成できる画像形成方法および画像形成装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の画像形成方法は、記録媒体に対して、インクの色材を凝集させる材料を付与する付与工程と、前記材料が付与された記録媒体に対して、前記色材と、水および水溶性有機溶媒の少なくとも一方を含む液体成分とを含むインクを付与して、インク画像を形成する画像形成工程と、前記インク画像に対して、前記液体成分を吸収する液体吸収体を接触させて前記インク画像から前記液体成分を除去する除去工程と有し、前記除去工程では、供給側から回収側へ一方向に搬送される前記液体吸収体を前記インク画像に接触させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、記録媒体に対して、インクの色材を凝集させる材料を付与する付与手段と、前記材料が付与された記録媒体に対して、前記色材と、水および水溶性有機溶媒の少なくとも一方を含む液体成分とを含むインクを付与して、インク画像を形成する画像形成手段と、前記インク画像に対して、前記液体成分を吸収する液体吸収体を接触させて前記インク画像から前記液体成分を除去する除去手段と備え、前記除去手段は、供給側から回収側へ一方向に搬送される前記液体吸収体を前記インク画像に接触させることを特徴とする。
本発明によれば、インクの色材を凝集させる材料(例えば、反応液)とインクとにより形成された記録媒体上のインク画像に対して、供給側から回収側へ一方向に搬送される液体吸収体を接触させているので、インク画像に対して常に液体吸収体の未使用部分が接触することになり、液体吸収体の使用期間に関わらず液体成分を適量除去することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の一実施形態は、記録媒体に反応液およびインクを用いて凝集インク像を形成し、その凝集インク像に対して液体吸収体を接触させることで、凝集インク像から溶剤および/または水を除去するものである。特に、液体吸収部材は供給側から回収側へ一方向に搬送されるものであり、その搬送方向は記録媒体の搬送方向(記録媒体が中間転写体であるときは中間回転体の回転方向)に一致している。また、本実施形態においては、液体吸収体の記録媒体に対する接触面積を自由に可変することができる。
本発明の一実施形態において、「記録媒体」とは、インクジェット用記録用紙や普通紙など、一般的な記録装置で用いる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルムその他のインクを受容可能なもの、および、インク組成物に対して実質的に非吸収性なものであり、本発明の一実施形態では、実質的に非吸収性なものが好適に用いられる。本実施形態において、「実質的に」とは、記録媒体がインクを吸収しない(非インク吸収性)だけでなく、吸収量が少ない(吸収性が低い)、あるいは吸収速度の遅い、を含んだ意である。また、中間転写体に画像を形成し、その画像を記録媒体に転写する中間転写記録方法で用いられる中間転写体の表面層も本発明の一実施形態の記録媒体に適用できる。
本発明の一実施形態によるインクジェット記録方法に適用可能な実質的に非吸収性の記録媒体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表面または非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体、紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒体、布などの繊維表面に撥水処理等がなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体、印刷洋紙のアート紙やコート紙などの記録媒体などが挙げられる。また、中間転写体の表面層としては、その表面において、インク像を剥離し易い性質(離型性)を有するものが好ましく、シリコーン系化合物やフッ素系化合物などが好適に用いられる。
インク組成物(インク)
以下で、本発明の一実施形態に係るインク組成物について詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る方法に用いられるインク組成物は、着色剤と、分散剤と、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含んでなる。
本発明の一実施形態に係る方法に用いられるインク組成物に含まれる着色剤は、染料、顔料のいずれであっても良い。耐光性、耐水性の面においては顔料であることが好ましい。また、顔料と染料とを併用することも可能である。
インク組成物中の顔料は、インク組成物の全質量に対して、質量比で1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲で用いる。本発明の一実施形態による画像形成方法によれば、着色剤は記録媒体上に薄層であれば十分な発色効率を有するので、顔料成分は、1〜7質量%でも十分である。本発明の一実施形態で使用される顔料としては、具体的には下記に挙げるものが使用できる。
黒色の顔料としてはカーボンブラックが挙げられる。例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40μm(nm)、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)、Color Black FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等があり、いずれも好ましく使用することができる。
又、イエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。
又、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられ。
又、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。勿論、本発明の一実施形態では、これらに限られるものではない。又、上記に挙げたものの他、自己分散型顔料等、新たに製造された顔料も、勿論、使用することが可能である。
水系媒体中に上記に挙げたような顔料を分散させるための分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用できるが、例えば、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものを使用する。このような分散剤としては、具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、インク組成物の全質量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
特に、上記したような顔料が含有されているインク組成物の場合には、インク組成物の全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。このようなものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れたインク組成物とすることができる。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。前記に挙げたような顔料等の着色剤、及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解されて、本発明の一実施形態で使用するインク組成物を構成する。
本発明の一実施形態で使用されるインク組成物を構成する好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の、多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
上記したような水溶性有機溶剤のインク組成物中の含有量は、一般的には、インク組成物の全質量の3〜50質量%の範囲、より好ましくは3〜40質量%の範囲で使用する。又、使用される水の含有量としては、インク組成物の全質量の10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲とする。
又、本発明の一実施形態において使用するインク組成物としては、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインク組成物とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。添加量の例としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%が好適である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好ましく使用することができる。アニオン系界面活性剤の好ましい具体例としては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、およびナフタレンスルホン酸塩等の各種の塩(Na、K、Li、Ca)、また、ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤の好ましい具体例としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンオキサイド、等が挙げられる。
これらは単独でまたは2種類以上添加しても良い。
上記したような材料からなるインク組成物の作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂と水とが少なくとも含有された水性媒体に、顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液に、サイズ剤、及び、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明の一実施形態で使用するインク組成物とする。
尚、分散剤として上記したようなアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させるために塩基を添加することが必要である。この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の、無機塩基が好ましく使用できる。
又、インク組成物の作製方法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌し、分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。即ち、このようなプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるため、好ましい。
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用される。このようなものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
又、インク組成物を用いるインクジェット記録方法では、耐目詰り性等の要請から、最適な粒度分布を有する顔料を用いるが、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くすること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級すること、及びこれらの手法の組合せ等の手法が挙げられる。
反応液
以下で、本発明の一実施形態に係る反応液について詳細に説明する。
本発明の一実施形態において用いられる反応液は反応剤を含んでおり、ここで「反応剤」とは、インク組成物中の顔料の分散状態や染料の溶解状態を破壊し、凝集させ得るものである。すなわち、本発明の一実施形態に係る反応液とは、インクに含まれる顔料や染料等の着色剤を凝集させるものである。この反応液は、インクとの接触によって記録媒体上におけるインクの流動性を低下させ、記録媒体上に着弾したインクを極力着弾位置に保持させる(画像固定させる)役割を担う。ここで、画像固定とは、インクを構成している組成物の一部である着色剤や樹脂等が、化学的に反応、または物理的に吸着し、インク全体の流動性の低下が認められる場合は勿論、インクを構成する組成物の固形分の凝集により局所的に流動性の低下を生じる場合を含む意である。このような反応剤としては、多価金属塩、ポリアミン、およびポリアミン誘導体があげられる。
反応液に用いることができる多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なものである。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+などの二価金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+などの三価金属イオンがあげられる。陰イオンとしては、Cl、NO3−、I、Br、ClO3−、およびCHCOO などがあげられる。とりわけ、Ca2+またはMg2+より構成される金属塩は、反応液のpH、得られる印刷物の品質という二つの観点から、好適な結果を与える。
これら多価金属塩の反応液中における濃度は印刷品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
本発明の好ましい態様によれば、反応液に含まれる多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する塩酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンまたはカルボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものである。
ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸または炭素数7〜11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
上述のモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、そのようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げられる。さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
また、反応液に用いることができるポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中でプラスに荷電するカチオン系高分子である。これら以外に、アリルアミンとジアリルアミンとが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用することができる。これらポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体の含有量は、反応液の0.5〜10重量%であることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、反応液は、多価金属塩に加えて、ポリオールを含んでなる。ここで、このポリオールは、20℃での蒸気圧が0.01mmHg以下であるものであり、かつその添加量は多価金属塩に対して重量比で1以上、好ましくは1.0〜5.0とされる。さらに本発明の好ましい態様によれば、このポリオールの反応液に対する添加量は10重量%以上であるのが好ましく、より好ましくは10〜30重量%程度である。
ポリオールの好ましい具体例としては、多価アルコール、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。さらに、ポリオールの好ましい具体例としては糖、例えば単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビツト、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。
これらポリオールは単独で添加されても、二以上の混合物として添加されてもよい。二以上の混合物として添加される場合、その添加量は、合計として多価金属塩に対して重量比で1以上とされる。
本発明の好ましい態様によれば、反応液は高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでなる。高沸点有機溶媒は、反応液の乾燥を防止する。高沸点有機溶媒の好ましい例としては、前記ポリオールとも一部重なるが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられる。本発明の好ましい態様によれば、反応液はトリエチレングリコールモノブチルエーテルおよびグリセリンを組み合わせて含んでなることが好ましい。
高沸点有機溶媒の添加量は特に限定されないが、反応液に対して、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より好ましくは2〜20重量%程度である。
本発明の好ましい態様によれば、反応液は低沸点有機溶剤を含んでなる。低沸点有機溶剤の好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点有機溶剤の添加量は0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。
本発明の好ましい態様によれば、反応液は表面張力調整剤を含んでなる。表面張力調整剤としては、上述したインク組成物に用いることができるノニオン系界面活性剤と同様なものを用いることができ、また、例えば、脂肪族アミン塩、第四アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等のカチオン系界面活性剤も用いることができる。表面張力調整剤は、インクジェットの液滴吐出を安定にする機能を有することや吐出後の液滴が様々な記録媒体上での広がりやはじきの挙動を制御するものであり、好ましくは、反応液の表面張力を10mN〜50mNの範囲に調整する。
本発明の一実施形態で行われる反応液とインク組成物との反応において、良好な凝集インク像を形成するためには、インク組成物は、反応液と表面張力を同じにする、あるいは反応液よりも表面張力を大きくする必要がある。このような、反応液とインク組成物との表面張力の関係を考慮して、反応液に表面張力調整剤を添加することで、反応液の表面張力をインク組成物の表面張力以下に調整することができる。これにより、本発明の一実施形態に係る液体吸収体が凝集インク像の液体成分を有効に吸収するための固液分離状態を形成することが可能となる。ただし、インクドットが広がろうとする力よりも、インク組成物に含まれる顔料や染料等の着色剤が凝集する力の方が大きい範囲であれば、反応液の表面張力をインク組成物の表面張力よりも大きくすることができる。
本発明の好ましい態様によれば、反応液はpH調整のためにトリエタノールアミンを含んでなる。トリエタノールアミンが添加される場合、その添加量は、0.1〜2.0重量%程度が好ましい。
上述したインク組成物と反応液とを記録媒体上で反応させることで、記録媒体上に、ビーディングやブリーディングの発生を抑えた高品位な画像を形成することができる。このような効果が生じる理由は明確ではないが、以下の記載のように推論することができる。先ず、反応液とインク組成物とが接触することによって、反応液中の反応剤がインク組成物中の着色剤、樹脂、その他の成分の分散状態を破壊して、それをビーディングやブリーディング現象が生じるよりも速やかに凝集が生じるものと考えられる。
このとき、凝集物は、反応液とインクとが接触した瞬間に速やかに凝集するとともに記録媒体に強固ではないが付着する。凝集物に取り込まれる水溶性有機溶媒や水の余剰分がインク凝集物表面にあふれ浮き出ているような状態となると考えられる。
そして、その後に、後述する液体除去工程にて、液体成分を吸収する液体吸収体を凝集インク像が形成された記録媒体へ接触させることにより、速やかに記録媒体の凝集インク像から液体成分を吸収し、液体吸収体を凝集インク像から除去する。このとき、単にローラなどニップ幅程度の接触面積では、十分な吸収量を確保できず、その吸収量を制御することも困難である。
液体吸収体が液体成分を除去する量は、記録媒体との接触時間により制御される。すなわち、接触時間を十分にとるためには、液体吸収体の接触面積を十分に確保する必要がある。そのため、液体吸収体を、供給側から回収側へ一方向に搬送されるベルト状の形態にするのが望ましいまた、記録媒体上のインク像から液体成分を吸収する際に、記録媒体の速度と液体吸収体の搬送速度の差がないことが望ましい。これにより記録媒体上のインクに不必要な力を加えることがないためにインク像を崩すことがなく、良好な画像を形成することが可能となる。
本発明の一実施形態では、上述のように記録媒体の凝集インク像から高速に液体成分を除去して、画像を形成できる。このため、従来からの単なる加熱だけの蒸発乾燥による長時間の乾燥過程や、大型の乾燥装置そして大きな消費エネルギーを使っていた方法とは異なり、速やかな液体除去により、インク像中の残存液体による凝集物の再溶解、溶存物の不本意な定着等が防がれるだけでなく、記録媒体の過剰な加熱による伸縮による変形も起こらず、高画質な画像形成が行える。また、液体の状態で物質移動を主におこなうため、定着時間の短縮、廃液体の簡単な回収、消費エネルギーの低減などさまざまな利点を有するものである。更に、液体吸収体の構成が、上記特許文献2や特許文献3に示される回転体の構成ではなく、供給側から回収側へ一方向に液体吸収体が搬送される構成であるため、インク画像に対して常に液体吸収体の未使用部分を接触させることができ、液体吸収体の使用期間に関わらず液体成分を適量除去することができる、という利点もある。上記の機構は、記録媒体がインク吸収性、実質的に非吸収性のいずれにも適用できるが、実質的に非吸収性の記録媒体においては、特に有効である。なお、上記の機構はあくまで仮定であって、本発明はこの機構に限定して解釈されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。
図1において、フィルム状の記録媒体1は、回転自在に配置された供給ロール2および巻取りロール20に巻かれている。供給ローラ2の下流側に、搬送ローラ3および4、ならびに排出ローラ16および17がそれぞれ順に配置されており、記録媒体1は、搬送ローラ3、4のニップ部、および排出ローラ16、17のニップ部を通過する。この構成によって、供給ロール2、巻取りロール20は、不図示のローラ駆動モータの回転によって時計回りに回転し、また、搬送ローラ3および4、ならびに排出ローラ16および17のそれぞれが、不図示のローラ駆動モータの回転によって反時計回り方向に回転して、供給ロール2に巻かれた記録媒体1は、巻取りロール20に巻き取られるように矢印方向Pに搬送される。
搬送ローラ3、4の下流側には、順に、インクの着色剤を凝集させるための反応液を付与する反応液付与手段としての記録ヘッド5、インクを付与する画像形成手段としての記録ヘッド6、凝集インク像から水または水溶性有機溶媒(液体成分)を除去する液体除去手段としての液体除去部50が配置されている。また、記録媒体1を介して記録ヘッド5および6に対向する位置にプラテンガイド7が設けられている。符号21は、装置外装である。
記録ヘッド5および6のそれぞれは、反応液を吐出するノズルおよびインクを吐出するノズルを記録媒体の搬送方向と直交する方向(紙面垂直方向)に記録媒体の最大幅に亘って配設した長尺な記録ヘッドを用いて記録動作を行ういわゆるフルライン型のインクジェット記録ヘッドとすることができる。勿論、記録媒体の搬送方向に沿ってノズルが配設され且つ搬送方向と直交する方向へ主走査させるシリアル型の記録ヘッドを用いて、順次記録媒体に反応液とインクとを付与して画像形成を行っても良い。記録ヘッド5および6は、不図示のタンクからそれぞれ反応液およびインクの供給を受け、各記録ヘッドの発熱素子が、各色に対応した外部画像信号に応じて発熱し、これによって各記録ヘッド5、6の複数ノズルから反応液およびインク滴が吐出する。なお、本実施形態において、インクジェット記録ヘッドは、上記に限らず、圧電素子駆動型等、反応液やインクを吐出可能であれば、いずれの方式のものも使用できる。
また、上記した記録ヘッド6は、単色で示してあるが、これに限定されるものでなく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)に代表されるような複数の色や濃度に対応した記録ヘッドを複数列並べて、カラー画像を形成できるように構成できることは周知のことである。
また、記録ヘッド5は、画像データに応じて反応液を記録媒体上に付与する。反応液の平均付与厚は、反応液の濃度や吐出量、吐出パターンによって異なるが0.1から10μmの範囲で設定される。厚さが薄すぎると塗布むらによる不均一な反応が生じ、厚すぎると凝集したインクが反応液表面を動いてしまう。また、反応液付与手段としては、記録ヘッド5に限られるものではなく、多孔質や表面凹凸たとえばグラビアロール状等のローラ形態など従来既知の塗布技術を使用可能である。さらに、ローラ形状でなくブレードによる塗布量をコントロールする方法やスプレーなどにより記録媒体全面、一部分にあるいは画像上に塗布を行なう方法でもよい。
以下に、本実施形態に用いることができるインク組成物および反応液の一例を示す。
尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り質量基準である。又、使用したインク及び反応液は、いずれも、水で調整して総量を100部とした。
[インク組成物の調製]
先ず、下記に述べるようにして、それぞれ、顔料とアニオン性化合物とを含む、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの各色のインク組成物を調製した。
(インク組成物K1の作製)
<顔料分散液の作製>
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量=5,000)
1.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・ジエチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 残部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に、新たに試作したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)を10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理した。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行って粗大粒子を除去して、黒色の顔料分散液とした。
<インクの調製>
上記の分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製し、ブラックのインク組成物K1とした。このインクの表面張力は、34mN/mであった。
・上記顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・N−メチルピロリドン 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.7部
・イオン交換水 残部
(インク組成物C1の作製)
インク組成物K1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外は、インク組成物K1の調製の場合と同様の方法で、シアン色のインク組成物C1を調製した。
(インク組成物M1の作製)
インク組成物K1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントレッド7に代えたこと以外はインク組成物K1の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ色のインク組成物M1を調製した。
(インク組成物Y1の作製)
インク組成物K1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外は、インク組成物K1の調製の場合と同様の方法で、イエロー色のインク組成物Y1を調製した。
[反応液の調製]
次に、下記に述べるようにして、それぞれ、多価金属塩と界面活性剤とを含む、各反応液を調製した。
(反応液R1の作製)
下記の組成の成分を混合溶解した後、更に、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、反応液R1を得た。この反応液の表面張力は、32mN/mであった。
・硝酸マグネシウム・6水和物 10.0部
・ジエチレングリコール 20.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
1.0部
・イオン交換水 残部
図1において、液体除去部50は、液体吸収体8、液体吸収体8をロール状に配置した液体吸収体供給ロール9、記録媒体上の凝集インク像から液体成分を除去するのに必要な液体吸収体8のパスを形成するためのローラ10a、ローラ11a、ローラ14、ローラ15、送りローラ22、液体成分を吸収した液体吸収体を回収する回収ロール18および回収ロール18を配置するための回収箱19を含んで構成される。
同図において、液体吸収体8は、回転自在に配置された液体吸収体ロール9および回収ロール18の間に張架されている。液体吸収体ロール9の下流側にローラ10aおよび14が配置されており、ローラ11aおよび15は、記録媒体1の搬送路上で記録媒体1を介してローラ10aおよび14と対向する位置に配置されており、ローラ10aとローラ11aとの間を、またローラ14とローラ15との間を記録媒体1および液体吸収体8は通過する。ローラ10aおよび14の下流側には、送りローラ22が配置されており、ローラ10aおよび14より搬送される液体吸収体8を回収ロール18へとガイドする。
本実施形態では、ローラ10aおよび14は、ローラ11aおよび15との間において記録媒体1上の凝集インク像と接するような所定の距離、例えば、1μm〜10μmで配置されている。さらに、ローラ10aおよび14は、記録媒体の搬送方向に沿って所定の幅で配置されている。これは、ローラ10aおよび14が、記録媒体1上の凝集インク像と接触すると、液体吸収体8には毛管力が働き凝集インク像から液体成分を必要量充分に吸収するためである。
これらの構成で、不図示のローラ駆動モータの回転によって、液体吸収体ロール9およびローラ10aおよび14が反時計周りに、送りローラ22および回収ロール18が時計回りに回転して、液体吸収体ロール9に巻かれた液体吸収体8は、回収ロール18に巻き取られるように矢印方向Qに搬送される。このように本実施形態では、供給側から回収側へ液体吸収体8を一方向(記録媒体の搬送方向と同じ方向)へ搬送させる構成としている。
上述の液体除去部50にて、液体除去工程が実現される。液体除去工程は、記録媒体1上の反応液とインク組成物との凝集反応により生成する凝集インク像に液体吸収体8を接触させ液体成分を記録媒体1から離すことにより、液体成分を凝集インク像から除去するものである。具体的な液体除去手段は、凝集インク像から液体成分の大部分を吸収除去する液体吸収体8からなる。
本実施形態において、液体吸収体8は、多孔質高分子化合物や、繊維状高分子化合物を織り込んで構成されたものであり、親水性を示す空隙部を有するものである。例えば、液体成分を吸収する多孔質を有するまたは同様に網目状で液体吸収性を有する液体吸収体が好適に用いられる。その材質としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨンなどの多孔質フィルムや細い繊維を織ったものなどが使用される。たとえばマクロポーラスフィルム(3M製)、ベルイータ、ベルクリーン、プラスセーヌ、ソスラス(アイオン株式会社製)などが用いられる。
液体吸収体8の厚さは、液体吸収能力があれば特に規定はされないが、10μm以下であると一度に吸収する液量が小さくなることとハンドリングが悪くなるため、薄い液体吸収体を用いた場合は複数枚重ねて設けて多段構成とすることとなる。
液体吸収体8の空隙部の孔径は、凝集インク像の凝集物の大きさにより決定されるが、かなり大きなフロック上の凝集物となるので、凝集物を吸収しない0.1μmから100μmが望ましい。
液体吸収体8の表面は、液体成分を吸収した後に凝集インク像を接触吸着しないことが必要である。本実施形態によれば、凝集インク像の液体成分が液体吸収体8に吸収された後であっても、凝集物が液体吸収体表面に吸着しないことを確認した。この原因は良く分かっていないが、液体吸収を行う多孔質とその近傍とでは親水性であり液体成分を吸引するが、凝集インク像の凝集物に対しては、液体吸収体8表面が平滑領域であることや撥水領域を一部有するために、液体吸収体8に凝集物が付着しにくいためであると考えられる。
本実施形態で、液体吸収体8に対して、積極的に表面を撥水性或いは平滑性を高めて、多孔質内を親水性にする構成とすることにより、凝集インク像との付着性と液体成分吸収性とを制御してもよい。なおこれらの表面処理は、従来公知の技術であればよく化学的・物理的表面処理を行うことができる。
ところで、凝集インク像から液体成分を高速に除去するために必要なことは、液体吸収体8が、液体成分を十分に吸収することはもとより、液体成分と接触したときに凝集インク像を乱さないことが必要である。つまり、凝集インク像の内部凝集力が、液体吸収体が液体成分を十分に吸い上げる浸透力より強い力を有することや、液体吸収体8の接触時に凝集インク像と相対的な摺擦がないことが求められる。そのために、搬送速度において、記録媒体1と液体吸収体8との相対速度がないように、これを実現する構成配置にすることが望ましい。
そこで、本実施形態では、記録媒体1の搬送速度、およびローラ10aおよび14とローラ11aと15との間における液体吸収体8の凝集インク像への接線速度が同じになるように各ローラの回転を制御する。このように制御することで、液体吸収体8が凝集インク像の液体成分に接触したときに、液体吸収体8と凝集インク像との相対的な摺擦を防ぐことができ、画像を乱すことなく液体成分を凝集インク像から除去することができる。
図2は、上述した本実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図2において、制御部100は画像形成装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部100は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU101と、このCPU101によって実行される、図3にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM102と、CPU101の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM103などを有する。
この制御部100には、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部104、画像形成装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部105、記録媒体の位置や各部の動作状態などを検出するセンサなどを含む検出部106、モータドライバ107Aを介してローラ駆動モータ107、ヘッドドライバ5Aおよび6Aを介してそれぞれ記録ヘッド5および記録ヘッド6が接続されている。記録ヘッド5および6からの反応液、インクの吐出は、CPU101が発熱素子の駆動データ(画像データ)および駆動制御信号(ヒートパルス信号)をヘッドドライバ5Aおよび6Aにそれぞれ供給することにより行われる。
図3は、本実施形態の画像形成装置の画像形成にかかわる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像形成の各工程を説明する。
ステップS1では、画像供給装置等の外部機器から画像データを受け取る等して、画像形成指令が入力されると、供給ロール2、搬送ローラ3および4、ローラ11aおよび15、排出ローラ16および17、ならびに巻取りロール20の回転を開始させ、記録媒体1を図1の矢印方向Pに搬送する。また、液体吸収体ロール9、ローラ10aおよび14、送りローラ22および回収ロール18の回転も開始させ、液体吸収体8を図1の矢印方向Qに搬送する。このとき、各ローラの回転は、記録媒体1の搬送速度、およびローラ10aおよび14とローラ11aおよび15との間における液体吸収体8の凝集インク像への接線速度が同じになるように制御されている。
ステップS2では、記録媒体1に対して、記録ヘッド5によって反応液を付与し、その後記録ヘッド6にて画像データに応じてインクを付与することによって画像形成を行う。このとき、記録媒体1上に先に着弾した反応液とインクとが接触混合することで凝集インク像が形成され、記録媒体1上には、ビーディングやブリーディングの発生を抑えた画像を形成できる。形成された凝集インク像では、凝集物と液体成分とが固液分離された状態となっている。なお、反応液の付与は、インクの付与に使用される上記画像データに基づいて行ってもよいし、その画像データを間引いて生成されたデータに基いて行ってもよい。前者の場合、反応液の付与位置がインクの付与位置に一致することになり、後者の場合、反応液の付与位置はインクの付与位置から間引いた位置になる。
ステップS2にて記録媒体1上に形成された凝集インク像は、矢印方向Pへの搬送によりローラ10a、14および11a、15の間を通過することで液体吸収体8と接触し、液体成分を除去される。
ステップS3では、次のページ分の画像データが入力されているか否かの判定を行う。次のページ分の画像データが入力されている場合は、ステップS2へと進み、画像形成を行う。次のページ分の画像データが入力されていないと判定すると、各ローラの駆動を停止し、本処理を終了する。
なお、本実施形態において、液体除去部50の各ローラの回転開始を、記録ヘッド6とローラ10a、14(ローラ11a、15)との間に配置された、記録媒体1上に形成された画像を検知するための手段としてのセンサ(図1には不図示)の検知結果に応じて行っても良い。この場合は、センサにより、記録ヘッド6とローラ10a、14(ローラ11a、15)との間の所定の位置に、記録媒体上に形成された画像領域が達したと検知されると、液体除去部50の各ローラの回転を開始すれば良い。
本実施形態では、ローラ10aおよび14を凝集インク像が形成されていない状態の記録媒体1に対して所定の距離離して配置するようにしたが、記録媒体1に接触するように配置しても良い。
また、本実施形態では、記録媒体1の搬送速度、およびローラ10a、14とローラ11a、15との間における液体吸収体8の凝集インク像への接線速度が同じになるように各ローラを制御しているが、これに限定されず、液体吸収体8が凝集インク像に接しても、画像を乱さない程度であれば、記録媒体1の搬送速度と接線速度とに対して相対速度を持たせても良い。
また、本実施形態では、記録媒体の搬送手段として、図1に示したロールによって行っているが、搬送機構は、カット紙であっても良い。
さらに、液体除去部50にて、液体成分を除去した後に、加熱および/または加熱定着機を用いて、記録媒体上の凝集インク像を更に固定することや光沢性を発現させることも可能であることはいうまでもない。もちろん液体除去手段の補助として加熱、送風手段を用いて液体除去の細かな制御を行ってもよい。
本実施形態においては、液体の吸収量をコントロールするための手段としてローラ10aと11aとをローラ支持軸12および13に沿ってたとえば破線ローラ10bおよび11bに移動することが可能である。記録搬送速度や画像上の液体量、液体吸収体8の吸収特性により適宜変えることが可能である。
また、本実施形態において、液体除去部50の構成は、上述に限らず、例えば、図4に示す多段ローラ等の配置構成であっても良い。図4は、本実施形態に適用できる液体除去部の一例を示す図である。
図4において、液体吸収体8、液体吸収体供給ロール23、記録媒体上の凝集インク像から液体成分を除去するのに必要な液体吸収体8のパスを形成するためのローラ24〜28、記録媒体1、液体吸収体8を介して、ローラ24〜28と対向する位置に配置されたローラ29〜33、ならびに回収ロール34を含んで構成されている。これによれば、たとえば、高速記録の場合、液体吸収体8の幅を広く取った場合でも安定して搬送できる利点がある。また、個々のローラを着脱可能とした場合、液体吸収体の幅を可変することができる。
なお、凝集インク像の液体吸収体8との接触時間を長くすることが重要であって、各ローラの個数は本質ではない。すなわち、記録媒体1と液体吸収体8との接触面積を大きくするために、ローラの数は適宜に決めることができる。このとき、記録媒体と液体吸収体とを面で接するようにするのが有効である。更に、液体吸収体を各ローラ24〜29に独立に配置可能なことはいうまでもない。
(第2の実施形態)
本実施形態は、シリコーン系化合物やフッ素系化合物等からなる表面層を有する中間転写体上で形成されたインク像を、記録紙やプラスチック・フィルム等の記録媒体に転写する転写型インクジェット記録方式において、中間転写体上に形成された凝集インク像に対して、液体吸収体を接触させることにより、凝集インク像から液体成分を除去するものである。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。
図1において、転写ドラム35は、離型性の表面層を有する中間転写体である。この転写ドラム35は、アルミニウム製の支持体36の周囲に表面層37としてシリコーンゴムを積層したものであり、不図示のドラム駆動モータによって矢印A方向に回転駆動することができる。転写ドラム35の円周方向には上流側から下流側に向かって順に、インクの着色剤を凝集させるための反応液を付与する反応液付与手段としての記録ヘッド38、インクを付与する画像形成手段としての記録ヘッド39a、39b、39cおよび39d、凝集インク像から水および水溶性有機溶媒の少なくとも一方(液体成分)を除去する液体除去手段としての液体除去部40、転写ローラ41、クリーニング部42が配置されている。
本実施形態において、記録ヘッド38、ならびに記録ヘッド39a〜39dは、それぞれ、第1の実施形態で説明した記録ヘッド5および6と同様のものを用いることができる。なお、図5の構成においては、記録ヘッド39aがイエロー(Y)、39bがマゼンタ(M)、39cがシアン(C)、39dがブラック(K)の、各色のインクを付与する形態となっている。また、記録ヘッドの数、色順序は、上記に限定されないのは言うまでもない。
以下に、本実施形態に用いることができるインク組成物および反応液の一例を示す。
(インク組成物K2の作製)
第1の実施形態で説明したインク組成物K1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)を含む顔料分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合して、ブラックのインク組成物K2を調製した。このインクの表面張力は、32mN/mであった。
・前記顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・N−メチルピロリドン 5.0部
・エチルアルコール 2.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
0.5部
・イオン交換水 残部
(インク組成物C2の作製)
インク組成物K2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外は、インク組成物K2の調製の場合と同様の方法で、シアン色のインク組成物C2を調製した。
(インク組成物M2の作製)
インク組成物K2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントレッド7に代えたこと以外はインク組成物K2の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ色のインク組成物M2を調製した。
(インク組成物Y2の作製)
インク組成物K2の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外は、インク組成物K2の調製の場合と同様の方法で、イエロー色のインク組成物Y2を調製した。
(反応液R2の作製)
下記の組成成分を用い、第1の実施形態で説明した反応液R1の調製の際と同様の方法で、反応液R2を得た。
この反応液の表面張力は、30mN/mであった
・ジエチレングリコール 20.0部
・硝酸カルシウム・4水和物 9.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製)
1.0部
・イオン交換水 残部
図5において、液体除去部40は、液体吸収体8、液体吸収体供給ローラ43、ローラ44、45、および液体吸収体巻取りローラ46を含んで構成される。なお、本実施形態で使用する液体吸収体は、第1の実施形態で説明した液体吸収体8と同様であるので、その説明は省略する。
図5において、液体吸収体8が液体吸収体供給ローラ43、ローラ44、45、液体吸収体巻取りローラ46にて張力がかけられており、ローラ44とローラ45との間で転写体表面の凝集インク像と接触するように、各ローラが配置されている。また、ローラ44、45および液体吸収体巻取りローラ46は、不図示のローラ駆動モータの回転によって矢印方向B方向に回転する。液体吸収体供給ローラ43は、液体吸収体8を介してローラ44に従動して回転するか、ローラ駆動モータ(不図示)によって回転制御可能となっている。図5においては、液体吸収体供給ローラ43の回転を従動回転とした。
また、表面層37に形成された凝集インク像と液体吸収体8との接触時の接線速度は、それぞれ同じになるように転写ドラム35およびローラ44および45の回転速度を制御している。このように制御することで、液体吸収体8が凝集インク像の液体成分に接触したときに、液体吸収体8と凝集インク像との相対的な摺擦を防ぐことができ、画像を乱すことなく液体成分を凝集インク像から除去することができる。
このような構成で、凝集インク像と液体吸収体8とを接触させ、凝集インク像から液体成分を除去するので、本実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、本実施形態において適用可能な液体除去部の構成は図5に示される形態に限られるものではない。例えば、図1に示される液体除去部の構成や図4に示される液体除去部の構成を適用することも可能である。
液体除去部40にて、液体成分を除去した後に、加熱および/または加熱送風機を用いて、表面層37上の凝集インク像に対し、細かな転写条件をコントロールすることが可能であることはいうまでもない。
図5において、転写ローラ41は、転写ドラム35とのニップ部に記録媒体1を通過するように配置されており、ゴムローラや金属ローラ等で形成することができる。この転写ローラ41は、不図示のローラ駆動モータの回転によって矢印方向Cに回転し、また、不図示の押圧制御装置によって、転写ドラム1に押圧解除の制御が可能である。本実施形態においては、転写時において転写ローラ41は、記録媒体1を介して転写ドラム35を線荷重1.0kg/cmで押圧するように構成されているが、それに限定されない。
本実施形態の転写工程では、記録媒体1は、転写ローラ41によって、転写ドラム35の画像形成面と接触されてインクを受容する。このとき、転写ローラ41が、転写ドラム35に対して記録媒体1を相対的に押圧することで、転写は達成される。
図5において、クリーニング部42は、クリーニング液47と、クリーニング液47を保持するクリーニング液保持部材48と、さらに、クリーニング液47を塗布して、転写ドラム35上のごみ等を取り除くための、クリーニング液供給ローラ49、およびクリーニングローラ51を含んで構成されている。
同図において、クリーニングローラ51は、転写ドラム35に従動(従動回転)するか、不図示のローラ駆動モータによって駆動制御可能である。また、クリーニングローラ51は、不図示の当接制御装置によって表面層37に当接・離間の制御が可能である。また、クリーニング液供給ローラ49は、クリーニングローラ51に従動するか、不図示のローラ駆動モータによって駆動制御可能である。以上のように、クリーニング液供給ローラ49およびクリーニングローラ51が回転することによって、クリーニング液47は、転写ドラム35に塗布される。以上のようにして、クリーニング部42は、転写ドラム35のクリーニングを行う。
クリーニング部42は、特に転写ドラム35表面をクリーニング可能であれば、装置の構成や、クリーニング液47を限定するものではないが、例えば、上述の反応液で使用した界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含む水溶液を、クリーニング液47とすることが好ましい。
図6は、上述した本実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図6において、制御部200は画像形成装置全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御部200は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU201と、このCPU201によって実行される、図7にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM202と、CPU201の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM203などを有する。なお、入力操作部204、表示部205、検出部206は、図2にて説明した各要素と同じものである。
この制御部200には、モータドライバ207A、モータドライバ208A、モータドライバ209Aおよびモータドライバ210Aを介してそれぞれ、ローラ駆動モータ207、ドラム駆動モータ208、押圧制御装置209および当接制御装置210が接続され、またヘッドドライバ38Aおよび39Aを介してそれぞれ記録ヘッド38および記録ヘッド39a〜39dが接続されている。記録ヘッド38および39a〜39dからの反応液、インクの吐出は、CPU201が発熱素子の駆動データ(画像データ)および駆動制御信号(ヒートパルス信号)をヘッドドライバ38Aおよび39Aにそれぞれ供給することにより行われる。
図7は、本実施形態の画像形成装置の画像形成にかかわる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、本実施形態に係る画像形成の各工程を説明する。
図7において、画像供給装置等の外部機器から画像データを受け取る等して、画像形成指令が入力されると、不図示の給紙カセットから記録媒体1が搬送されて、本処理を開始する。
ステップS21にて、転写ローラ41の上流側の搬送路に配置された、紙の有無を検知する手段としてのセンサ(図5では不図示)によって、搬送路上の所定の位置を記録媒体1が通過したか否かを検知する。
ステップS22では、ROM602に格納されているテーブルを参照して、転写ドラム35、ローラ44、45、液体吸収体巻取りローラ46および転写ローラ41の回転開始時間、記録ヘッド38および39a〜39dの駆動開始時間、ならびに表面層37上の凝集インク像の記録媒体1への転写が完了する時間である転写完了時間を取得する。なお、回転開始時間および駆動開始時間は、センサによって検知される所定の位置から転写ローラ41までの距離を考慮して、表面層37上に形成された画像領域の先端位置と記録媒体1とが転写位置である転写ドラム35と転写ローラ41とのニップ部で重なるように設定された時間である。
ステップS23では、回転開始時間が経過したか否かを判定する。回転開始時間が経過したと判定すると、ステップS24へ進み、回転開始時間が経過していないと判定すると、その時間が経過したと判定するまで、本ステップを繰り返す。
ステップS24では、転写ドラム35を図5の矢印方向Aに、転写ローラ41を図5の矢印方向Cに回転させる。また、ローラ44、45、および液体吸収体巻取りローラ46を回転させ、液体吸収体8を図5の矢印方向Dに搬送させる。このとき、転写ドラム35、ローラ44、45、および液体吸収体巻取りローラ46の回転は、転写ドラム35、ローラ44、45、および液体吸収体巻取りローラ46に対する、表面層37に形成された凝集インク像と液体吸収体8との接触時の接線速度が、それぞれ同じになるように制御されている。
ステップS25では、駆動開始時間が経過したか否かを判定する。駆動開始時間が経過したと判定すると、ステップS26へ進み、駆動開始時間が経過していないと判定すると、その時間が経過したと判定するまで、本ステップを繰り返す。
ステップS26では、回転している転写ドラム35の表面層37に対して、記録ヘッド38によって反応液を付与し、その反応液が付与された領域に対して記録ヘッド39a〜39dにて画像データに応じてインク組成物を付与することによって画像形成を行う。このとき、表面層37上に先に着弾した反応液とインク組成物とが接触混合することで凝集インク像が形成され、記録媒体1上には、ビーディングやブリーディングの発生を抑えた画像を形成できる。形成された凝集インク像では、凝集物と液体成分とが固液分離された状態となっている。
ステップS26にて表面層37上に形成された凝集インク像は、矢印方向Aへの搬送により表面層37およびローラ43、44の間を通過することで液体吸収体8と接触し、液体成分を除去される。
ステップS27では、転写完了時間が経過したか否かを判定する。転写完了時間が経過したと判定すると、ステップS25へ進み、転写完了時間が経過していないと判定すると、その時間を経過したと判定するまで、本ステップを繰り返す。
ステップS28では、クリーニングローラ51を表面層37に当接させ、クリーニング液47を塗布することにより表面層37をクリーニングする。転写ドラム35が1回転すると、クリーニングローラ51は、転写ドラム35から離間する。
ステップS28を終了すると、本処理を終了する。
なお、本実施形態において、ローラ30の回転開始を、記録ヘッド39dとローラ41との間に配置された、表面層37上に形成された画像を検知するための手段としてのセンサ(図5には不図示)の検知結果に応じて行っても良い。この場合は、センサにより、記録ヘッド39dとローラ44、45との間の所定の位置に、表面層37上に形成された画像領域が達したと検知されると、ローラ44、45、液体吸収体巻取りローラ46の回転を開始すれば良い。
また、本実施形態では、転写ドラム35およびローラ44、45に対する、表面層37に形成された凝集インク像と液体吸収体8との接触時の接線速度が、それぞれ同じになるように転写ドラム35およびローラ44、45を制御しているが、これに限定されず、液体吸収体8が凝集インク像に接しても、画像を乱さない程度であれば、上述の接線速度に対して相対速度を持たせても良い。
また、本実施形態において、液体除去部40の構成は、第1の実施形態で説明した液体除去部50と同様に、上述に限らず、例えば、ローラ44および45を複数個配置するなど、表面層37と液体吸収体8との接触面積を大きくするように、ローラ44、45を複数個配置することができる。
以上説明したように、本実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができ、また、中間転写体を用いているので、液体除去を中間転写体表面でおこなえるため、たとえばインク吸収性の記録媒体であっても、波打ち(コックリング)がない画像が形成できるものである。さらに、液体除去部40を用いることにより、従来、加熱乾燥のみに頼っていたエネルギー消費量が多い工程を改善し、高速で良好な画像形成が可能である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の画像形成にかかわる処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る液体除去部の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の画像形成にかかわる処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 記録媒体
2 供給ロール
3、4 搬送ローラ
5、6 記録ヘッド
7 プラテンガイド
8 液体吸収体
9 液体吸収体供給ロール
10a、10b、11a11、b14、15 ローラ
12、13 支持軸
16、17 排出ローラ
18 回収ロール
19 回収箱
20 巻取りロール
21 装置外装
35 転写ドラム
36 支持体
37 表面層
38、39a、39b、39c、39d 記録ヘッド
40、50 液体除去部
41 転写ローラ
42 クリーニング部
43 液体吸収体供給ローラ
44、45 ローラ
46 液体吸収体巻取りローラ
47 クリーニング液
48 クリーニング液保持部材
49 クリーニング液供給ローラ
51 クリーニングローラ

Claims (12)

  1. 記録媒体に対して、インクの色材を凝集させる材料を付与する付与工程と、
    前記材料が付与された記録媒体に対して、前記色材と、水および水溶性有機溶媒の少なくとも一方を含む液体成分とを含むインクを付与して、インク画像を形成する画像形成工程と、
    前記インク画像に対して、前記液体成分を吸収するための液体吸収体を接触させて前記インク画像から前記液体成分を除去する除去工程とを有し、
    前記除去工程では、供給側から回収側へ一方向に搬送される前記液体吸収体を前記インク画像に接触させることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記除去工程では、前記記録媒体の搬送速度と同じ搬送速度で前記液体吸収体を搬送させながら、前記液体吸収体を前記記録媒体上のインク画像に接触させることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記記録媒体は、中間転写体の表面層であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
  4. 前記表面層に形成された、前記液体成分が除去されたインク画像を、第2の記録媒体に転写する転写工程をさらに有することを特徴とする請求項3記載の画像形成方法。
  5. 前記材料の表面張力は、前記インクの表面張力以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 前記液体吸収体は、空隙部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 記録媒体に対して、インクの色材を凝集させる材料を付与する付与手段と、
    前記材料が付与された記録媒体に対して、前記色材と、水および水溶性有機溶媒の少なくとも一方を含む液体成分とを含むインクを付与して、インク画像を形成する画像形成手段と、
    前記インク画像に対して、前記液体成分を吸収する液体吸収体を接触させて前記インク画像から前記液体成分を除去する除去手段とを備え、
    前記除去手段は、供給側から回収側へ一方向に搬送される前記液体吸収体を前記インク画像に接触させることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記除去手段は、前記インク画像と前記液体吸収体との接触の際に、前記記録媒体の搬送速度と前記液体吸収体の搬送速度とが同じになるように前記液体吸収体を搬送することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記除去手段は、前記液体吸収体を前記インク画像に接触させるローラを備えていることを特徴とする請求項7または8記載の画像形成装置。
  10. 前記ローラは、複数のローラを含み、
    該複数のローラ間で前記インク画像と前記記録媒体とを接触させることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 前記複数のローラ間の距離を変更する変更手段を更に備えたことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記記録媒体は、中間転写体の表面層であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
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