JP2007331169A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007331169A JP2007331169A JP2006163824A JP2006163824A JP2007331169A JP 2007331169 A JP2007331169 A JP 2007331169A JP 2006163824 A JP2006163824 A JP 2006163824A JP 2006163824 A JP2006163824 A JP 2006163824A JP 2007331169 A JP2007331169 A JP 2007331169A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- image
- ink image
- unit
- liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
Abstract
【課題】中間転写体を用いたインクジェット記録において、良好な転写を実現可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供すること。また、中間転写体を用いたインクジェット記録において、低コストで良好な転写が可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】転写ベルト1に対して、反応液付与部2にて反応液を付与し、画像書き込み部3にてインクを吐出して、凝集インク像を形成する。このインク像に含まれる液体の一部を、インク像処理部4にて蒸発させる。この蒸発によって発生した、蒸気を含む気体を、湿潤部5にて、インク像に付与して、該インク像を湿潤させる。この湿潤させられたインク像を、転写部6にて、記録媒体に転写する。
【選択図】図1
【解決手段】転写ベルト1に対して、反応液付与部2にて反応液を付与し、画像書き込み部3にてインクを吐出して、凝集インク像を形成する。このインク像に含まれる液体の一部を、インク像処理部4にて蒸発させる。この蒸発によって発生した、蒸気を含む気体を、湿潤部5にて、インク像に付与して、該インク像を湿潤させる。この湿潤させられたインク像を、転写部6にて、記録媒体に転写する。
【選択図】図1
Description
本発明は、撥インク性の表面層を有する中間転写体上にインク像を形成した後、そのインク像を記録媒体に転写し、記録媒体上にインク画像を得るためのインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
従来、一旦中間転写体上にインクジェット記録方式によりインク像を形成し、インク像を中間転写体から記録媒体上に転写する転写方式と呼ばれる方法が多く提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。転写方式では、該中間転写体上のインク像をインクの乾燥とともに増粘し、或いはインク像の溶剤を除去してインクを濃縮後に上記転写を行っている。これらの方法は、従来のインクジェットのように、直接記録媒体に印字を行ない、インク中の水分を記録媒体に浸透させることにより画像を形成する方法ではないため、特に、フェザーリングに対して有効な手段となる。
上記のような中間転写体を用いた画像形成方法において、高画質高品位な画像を得るためには、以下の条件を満たすことが望まれている。
[1]中間転写体上のインク像が、ビーディングやブリーディングのない、ないしは軽減された画像として形成されること。
[2]中間転写体上に形成されたインク像が、画像劣化せず記録媒体に転写されること。
[1]中間転写体上のインク像が、ビーディングやブリーディングのない、ないしは軽減された画像として形成されること。
[2]中間転写体上に形成されたインク像が、画像劣化せず記録媒体に転写されること。
[1]については、中間転写体に対して、インクの流動性を低下させ、インク像を高粘度化するための材料である反応液を付与して、インクと反応させることが好ましい。
[2]については、転写体上に形成されたインク像から水分且つ/または溶剤の大部分を取り除きインク像を高粘度化し内部凝集力を高め、記録媒体との接触で高粘度化インク像が強い粘着且つ/あるいは付着力で記録媒体に転写することが好ましい。そして、転写体から高粘度化インク像を容易に剥離可能な中間転写体が必要である。
[2]については、転写体上に形成されたインク像から水分且つ/または溶剤の大部分を取り除きインク像を高粘度化し内部凝集力を高め、記録媒体との接触で高粘度化インク像が強い粘着且つ/あるいは付着力で記録媒体に転写することが好ましい。そして、転写体から高粘度化インク像を容易に剥離可能な中間転写体が必要である。
上記のようにインクジェット転写記録方式でカラー画像を形成する場合に、インクの高濃度、即ち単位面積あたりのインク量が多い場所で、ブリーディングを防止、ないし軽減することが求められている。そのために、反応液中の反応剤の濃度や反応液の付与量をインク材料に最適化し、好ましくはインクに先立って中間転写体上に付与することが必要である。
上記に示したような、インクに先駆けて反応液を中間転写体に付与する場合では、中間転写体上に形成されるインク像の中で最大のインク打ち込み量の部分が凝集し、ブリーディングが軽減されていることが必要である。すなわち、カラー画像に応じたそれぞれの色インク打ち込み数、即ち単位面積あたりの総インク量中の凝集する成分と、インク描画に先立って中間転写体上に形成する反応液成分との凝集反応が十分である必要がある。
このため、反応液中のカチオン物質のカチオン性基の濃度を、インク中の凝集成分(アニオン性基)に対してブリーディングが生じない量以上に設定することが望ましい。すなわち、単位面積あたりのインクの最大打ち込み数に対して、視覚的にブリーディングを感じない程度の量以上のカチオン性基を有する反応液を中間転写体に付与し、インク中のアニオン性基と反応することとなる。
ローラ、ウエッブ、ブレード、記録ヘッド等、いずれの手段であっても、中間転写体上に反応液を付与する場合では、上記に示したように、例えば2次色などのカラー像のブリーディングを軽減するように、反応液のカチオン物質のカチオン基の濃度を設定する。しかしながら、ハイライト部と呼ばれる低デューティ部(中間転写体上に形成されたインク像のうち、単位面積あたりのインク打ち込み数が低い領域)で、特に転写時に中間転写体上にインクが残るという転写不良が観察された。
この現象を解釈する。中間転写体上の凝集インク像を記録媒体に転写するための条件がある。その主な条件を以下に説明する。
1)中間転写体上に記録ヘッドで形成された凝集インク像は、多くの液体成分を持っているため、たとえば、凝集インク像の厚さは厚く、転写時に転写ベルトと記録媒体の間の接触時に像がつぶれてしまい良好な画像形成が困難である。そこで、乾燥ユニットにより液体成分を除去し、凝集インク像の厚さを減らすことが必要である。
2)中間転写体上の画像の液体量は、一次色や二次色また階調レベルなど画像部位で異なる。液体成分を除くための手段として、加熱乾燥を用いた場合、その乾燥ユニット内における乾燥速度は一定である。よって、最も液体量の多い画像部、たとえば2次色領域に対して、液体を転写に適正な乾燥状態にする時間が少なくとも必要である。しかしながら、ハイライト部などでは、液体量が少ないために上記時間で乾燥を行うと画像内の液体のほとんどが無くなってしまう。この場合、凝集インク像から液体成分がほとんど無くなり、中間転写体から記録媒体への凝集インク像の移動に必要な粘着性(タック)が失われることがある。よって、中間転写体から良好に転写できない。さらに凝集インク像はその粒子密度が高くなるため凝集力は強くなり、転写体に強く付着されてしまうことも良好な転写ができない要因となっている。
1)中間転写体上に記録ヘッドで形成された凝集インク像は、多くの液体成分を持っているため、たとえば、凝集インク像の厚さは厚く、転写時に転写ベルトと記録媒体の間の接触時に像がつぶれてしまい良好な画像形成が困難である。そこで、乾燥ユニットにより液体成分を除去し、凝集インク像の厚さを減らすことが必要である。
2)中間転写体上の画像の液体量は、一次色や二次色また階調レベルなど画像部位で異なる。液体成分を除くための手段として、加熱乾燥を用いた場合、その乾燥ユニット内における乾燥速度は一定である。よって、最も液体量の多い画像部、たとえば2次色領域に対して、液体を転写に適正な乾燥状態にする時間が少なくとも必要である。しかしながら、ハイライト部などでは、液体量が少ないために上記時間で乾燥を行うと画像内の液体のほとんどが無くなってしまう。この場合、凝集インク像から液体成分がほとんど無くなり、中間転写体から記録媒体への凝集インク像の移動に必要な粘着性(タック)が失われることがある。よって、中間転写体から良好に転写できない。さらに凝集インク像はその粒子密度が高くなるため凝集力は強くなり、転写体に強く付着されてしまうことも良好な転写ができない要因となっている。
そこで、このような凝集インク像の過剰な乾燥状態を防止、ないしは軽減するために、乾燥装置の温度において揮発する液体成分(主に水)と不揮発である液体成分(不揮発性溶剤)とを含む組成にてインク及び反応液の少なくとも一方を作製する。このように、インクおよび反応液の少なくとも一方が過剰な乾燥においても不揮発である液体成分を含むことにより、上記のごとく凝集インク像が記録媒体に転写するに必要な粘着性を有する凝集インク粘度を保持することができる。これにより、一次色、二次色などの場所によらずあるいはハイライト部においても良好な転写が行える条件を得ることができている。これは、加熱乾燥後の凝集インク像が、インク内部および反応液内部の少なくとも一方に含まれる不揮発溶剤と反応液に吸収される水分とにより、転写が良好な状態になると考えられるからである。
しかしながら、上記のような状態を保っているに関わらず、ハイライト部などの液体量が少ない個所では、上記の如く改良を行なっても転写不良が発生することがある。これは、不揮発溶剤量と反応液が吸収している水とが少なくなると、反応液内の凝集剤が結晶化して上記の如く問題を引き起こすと推察された。この残存するわずかな水分は、乾燥ユニットから転写までの工程間における乾燥条件などにより影響される。いくつかの要因のなかのひとつに外部の環境湿度変化によってその現象は生じると考えられた。その理由は、反応液の反応剤である金属塩の多くは、一般に吸湿・潮解性がある。即ち空気中の水分を吸収する特性がある。金属塩を溶解した水溶液(反応液)では、加熱乾燥とともに濃縮されると、結晶が析出する。環境の湿度が高いときは、その水分吸収性により金属塩は、溶解状態にあるものと考えられ、結晶化することがない。しかしながら反応液の濃度が高く、低湿度の場合、反応液の金属塩が吸収する水分が少ないと、上述の結晶化が起こると推測された。
さて、従来、反応液を使用せず転写体上にインクジェットで画像を形成した場合において、急速な加熱によりインク像を増粘せしめ転写体上に画像を形成していた。このときシリアルヘッドにより順次、中間転写体に画像を描画する方法では、画像への書き始めと書き終わりとでは時間がかかる。よって、中間転写体上の画像の乾燥像粘時間が異なり、転写時に画像の粘着性の差が生じ転写不良が生じていた。更に乾燥した場合は、記録媒体への粘着性(タック)が生じず転写ができない状態が存在した。
こ問題を解決するために中間転写体上の画像を乾燥濃縮した後に、インク着色剤と相溶性があり、乾燥温度では不揮発性の第2溶剤を転写体全面塗布した後に画像を記録媒体に転写する方法が知られている(特許文献4参照)。これによれば、転写媒体上のインク像から、上記乾燥によりインクの溶媒を除去し、塗布手段によって第2溶媒を加えて、適正な湿潤状態でインク像を転写媒体上に形成して、これを記録媒体に転写する。従って、転写媒体上に形成されたインク像は、粘稠状態で記録媒体へ転写されるため、場所や印刷パターン等によらず、安定して高画質転写像を得ることができるという効果をもっている。
しかしながら、ブリードを軽減するために使用される反応液とインクとの凝集反応を利用した場合、乾燥濃縮したのちに画像に水を塗布しても完全に転写することができない場合があった。
この現象の理由は定かではないが、反応液で反応した凝集物は、単にインクを加熱濃縮した状態と異なり、凝集物がより密なために付与した水が十分浸透することができなかったと考えられる。
反応液を用いる場合、環境が低湿度の場合には、特に乾燥工程から転写工程までの工程間で凝集インク像が、過乾燥状態であると、上述のような転写不良現象が生じる場合がある。一方、湿度が高い場合、凝集インク像に保持される水分量の増加量では、凝集インク像の膨潤のような急激な体積増大で転写時においた像がつぶれることがないため画像に影響することがない。
したがって、上記の問題点は、反応液を用いたインクジェット転写記録で特有な現象であると考えられ、転写時以前における湿度を増加することにより解決する。すなわち、装置内の湿度を増す、或いは転写ユニット内の湿度を上げるなどの水蒸気、超音波加湿方法などの加湿手段をとることが考えられる。しかしながら、装置内の湿度を増せば、他の構成部材に結露することによる電気的な障害などの影響がある。そして、局所的な加湿装置設置をおこなうと、装置の大型化や多くのエネルギーを消費することとなる。さらに加湿用に水分を補給することとなるため装置の操作、メンテナンス上複雑になるなどの問題を有していた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、中間転写体を用いたインクジェット記録において、良好な転写を実現可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。また、他の目的は、中間転写体を用いたインクジェット記録において、低コストで良好な転写が可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、中間転写体と、前記中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与する付与手段と、前記中間転写体に対して前記インクを吐出可能な記録ヘッドと、前記付与された反応液と前記吐出されたインクとにより形成されたインク像に含まれる液体の一部を蒸発させる蒸発手段と、前記蒸発によって発生した気体を、前記液体の一部が蒸発したインク像に付与して、該インク像を湿潤させる湿潤手段と、前記湿潤させられたインク像を記録媒体に接触させて、前記インク像を前記記録媒体に転写する転写手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、インクの流動性を低下させる(例えば反応液)とインクとにより形成されたインク像から、一部の液体を蒸発させ、該蒸発した液体を少なくとも含む気体を、上記蒸発が起こったインク像に付与して、該インク像を湿潤させている。よって、転写前のインク像に良好な粘着力を持たせることができるので、良好な転写が実現できる。また、湿潤に用いる気体には、上記蒸発した液体が含まれているので、蒸発した液体を有効利用でき、低コスト化を実現できる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの画像形成部の構成を説明するための、概略断面図である。
図1に示した装置では、撥インク性の表面層を有する中間転写体である転写ベルト1の周囲に、反応液付与部2、画像書き込み部3、インク像処理部4、湿潤部5、転写部6、クリーニング部7が配置されている。以下で、上述したそれぞれの部材の構成についてさらに詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの画像形成部の構成を説明するための、概略断面図である。
図1に示した装置では、撥インク性の表面層を有する中間転写体である転写ベルト1の周囲に、反応液付与部2、画像書き込み部3、インク像処理部4、湿潤部5、転写部6、クリーニング部7が配置されている。以下で、上述したそれぞれの部材の構成についてさらに詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。図2において、全体を符号100で示すインクジェット記録装置において、CPU101は、本インクジェット記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ102は、それらの処理手順等のプログラムを格納したROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)とを有する。I/F103は、インクジェット記録装置と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である画像供給装置110との間でデータやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
以上の各部のほか、転写ベルト1の駆動ローラ、反応液付与部2、画像書き込み部3、インク像処理部4、湿潤部5、転写部6、クリーニング部7がバスライン120に接続されている。さらに、加熱補助ヒータ14、送風ヒータ16の内部加熱ヒータ17、送風ファン18、結露防止ヒータ27、送風ファン31、装置内に設けられる湿度センサも、バスライン120に接続されている。従って、CPU101は、バスライン120を介して各部と信号のやり取りを行うことができる。また、制御対象である各部には、状態検出用センサが配設され、それぞれの検出信号を、バスライン120を介してCPU101に伝達することができる。
図1に示したように、転写が容易に行なわれるために設けられる撥インク性の表面層を有する中間転写体が設けられている。該装置で使用する転写ベルト1は、アルミニウム製の支持体の周囲に、表面層として、シリコーンゴムが積層されている。支持体の材料は、特にアルミニウムに限定されるわけではなく、例えば、ニッケル、燐酸鉄等の金属や、アセタールのような強度に優れる熱硬化性樹脂や、ポリイミドフィルム、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどを用いることができる。又、図1に示した装置では、撥インク性の表面層をシリコーンゴムの層としているがこれに限定されず、その弾性特性により、適宜に、その層構成を変えてもよい。
なお、本実施形態では、中間転写体として転写ベルトを用いているが、これに限定されず、ローラ状、ドラム状、シート状のもの等も使用することができる。また、線接触するものだけではなく、例えばパッド印刷において用いられるパッドのような弾性変形の大きい材料も、中間転写体として用いることができる。
転写ベルト1は、3つのローラ9、ローラ10、ローラ11で不図示のベルト駆動モータでローラを駆動し、ベルトに駆動力と張力を与えている。
転写ベルト1の最表面となる表面層は、その表面が、インク像を剥離し易い性質をもつものである。シリコーンゴムは、表面エネルギーが低く、剥離性が高い性質を有していることから、表面層を形成する最適材料の一つである。表面層を形成する材料の他の例としては、例えば、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴムが挙げられる。上記のような材料からなる転写ベルト1は、不図示のベルト駆動装置により、矢印Aの方向に移動するように構成されている。該転写ベルト1下部には、凝集インク像の乾燥補助手段として加熱補助ヒータ14が内蔵されている。加熱補助ヒータ14には、電熱線等の通常使用される加熱手段を適宜に使用できる。その設定温度は、転写ベルト1の表面温度を基準として、20〜100℃とすることが好ましく、より好ましくは25〜80℃である。
反応液付与部2は、図1に示した装置の画像書き込み部3に先駆けて反応液を転写ベルト1に付与する。反応液は、インクと凝集し転写ベルト1上にブリーディングを軽減したカラーインク像を形成するものである。反応液付与部2は、反応液塗布ローラ12と反応液保持容器13とを備えている。次に反応液について説明する。
かかる反応液は、少なくとも金属塩を含んで構成され、インクとの接触によって該インクを高粘度化させる液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクと接触することによって、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等が、化学的に反応、或いは物理的に吸着し、インク全体の粘度上昇が認められる場合を含む意である。これに加えて、インクを構成する組成物の固形分の凝集により局所的に粘度上昇を生じる場合を含む意である。
このように反応液とは、着色インクの流動性を低下させるための材料である。すなわち、インクとの接触によって中間転写体上におけるインクの流動性を低下させ、中間転写体上に着弾したインクを極力着弾位置に保持させる役割を担う液体である。このように、撥インク性(離型性)の転写ベルト1上に着弾したインクの流動性を低下させることにより、ビーディングやブリーディングをより一層軽減することができる。すなわち、反応液を用いてインクと反応させることにより、それと接触したインクの流動性を低下させ、撥インク性の転写ベルト1上に着弾されたインクを着弾位置に保持させることができる。これにより、転写ベルト1上でインク滴同士が接触しても、ビーディングやブリーディングの発生を抑制することができる。さらに、反応液を用いることによって、インク像において凝集成分と液体成分との分離が起こるので、後の乾燥をより効率よく行うことができる。すなわち、後の乾燥を短時間に低コストで行うことができる。
本実施形態で使用する反応液に含まれる金属塩の最も好適なものとしては、多価金属塩が挙げられる。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンとを含んでいる。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+等の二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+等の三価金属イオンが挙げられる。又、これらと結合する陰イオンとしては、Cl−、NO3 −、SO4 2−、I−、Br−、ClO3 −、RCOO−(Rは、アルキル基)等が挙げられる。
本実施形態で使用する反応液には、上記多価金属塩等の金属塩と共に、下記に挙げるような水溶性有機溶剤を含有させることができる。水溶性有機溶剤としては、例えば、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。上記に挙げたような水溶性有機溶剤の、反応液中の含有量については特に制限はないが、反応液全質量の5〜60質量%、更に好ましくは、5〜40質量%が好適な範囲である。
本実施形態で使用する反応液には、更に、凝集補助材として、例えば、水溶性樹脂、水溶性架橋剤や酸性溶液等を含有してもよい。好適に用いられる材料としては、多価金属塩と共存できるものであればよい。水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドンなどが用いられる。これらの凝集補助材は、分子量が比較的大きいことから、多価金属塩との併用によって形成されたインク凝集像の凝集力を高めることができる。この結果、インク凝集像の記録媒体8への転写効率や耐刷性を高めることができる。
更に、転写ベルト1への反応液の付与を行うことを目的として、塗布助剤として界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤としては、例えば、アセチレノールEH(商品名、川研ファインケミカル)、サーフロンS−141(商品名、セイミケミカル株式会社製)、シルウェットL−77(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)等を用いることができる。本実施形態に用いる界面活性剤はこれらに限定されるものではなく、他の、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、水溶性のカチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の、各種の界面活性剤を用いることができる。
これらの界面活性剤の添加量は、反応液に対して、0.05〜10質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%程度である。
これらの界面活性剤の添加量は、反応液に対して、0.05〜10質量%程度とすることが好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%程度である。
本実施形態で使用する反応液には、この他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜に配合してもよい。又、本実施形態で使用する反応液は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。
反応液の付与手段として、図1ではロールコーター形態を例示しているが、これに限定されることなく、例えばスプレーコーターやブレードコーター等、反応液を中間転写体に付与できればいずれの手段を用いることもできる。また、インクジェット方式により反応液を吐出する記録ヘッド等を用いることもできる。
また、本実施形態では、後述する乾燥ユニット19による乾燥の前に、インクと反応液とを反応させることができれば良いので、図1に限らず、反応液付与部2を画像書き込み部3と乾燥ユニット19との間(転写ベルト1の回転方向下流側)に配置しても良い。
次に、上記のような反応液が付与された転写ベルト1上に、少なくとも着色剤を含むインク滴を、画像信号に応じて吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドで付与してインク像を形成する画像書き込み部3について説明する。
図1に示した装置では、画像書き込み部3は、4種の記録ヘッド15a、15b、15c及び15dを備えている。該装置は、記録ヘッド15a〜dに、発熱素子を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いた例である。記録ヘッド15a、15b、15c及び15dは、転写ベルト1の搬送方向に一定間隔を置いて配置されている。図1に示した装置では、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、勿論、従来のシリアル型の記録ヘッドを用いて、順次転写ベルト1に画像形成を行ってもよい。更に、インクジェット記録手段は、上記に限らず、圧電素子駆動型等、インクを吐出可能であれば、いずれの方式のものも使用できる。
上記した4種の記録ヘッド15a、15b、15c及び15dは、それぞれが異なるカラー画像を形成できるように構成されている。図1に示した装置では、記録ヘッド15aがイエロー(Y)、15bがマゼンタ(M)、15cがシアン(C)、15dがブラック(K)の、各色の画像形成に対応している。これらからなる記録ヘッド15a、15b、15c及び15dは、不図示のインクタンクから、それぞれの色のインクの供給を受ける。各記録ヘッドの発熱素子は、各色に対応した外部画像信号に応じて発熱し、これによって各記録ヘッド15a、15b、15c及び15dの複数ノズルからインク滴が吐出する。尚、本実施形態で使用する画像書き込み部における、インクジェット記録ヘッドの数、色順序は、上記に限定されるものではない。
画像書き込み部3で使用するインクとしては、従来のインクジェット用インクのいずれも使用することができるが、好ましくは、着色剤として少なくとも顔料を含有する、顔料インクを用いることが好ましい。以下、本実施形態において好適に使用できる顔料インクについて説明する。
顔料インク中の顔料は、顔料インクの全質量に対して、質量比で1〜20質量%、好ましくは2〜12質量%の範囲で用いる。本実施形態で使用される顔料としては、具体的には下記に挙げるものが使用できる。
黒色の顔料としてはカーボンブラックが挙げられる。例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ(nm)、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好適である。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)、Color Black FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等があり、いずれも好ましく使用することができる。
又、イエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。又、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。又、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。勿論、本実施形態は、これらに限られるものではない。又、上記に挙げたものの他、自己分散型顔料等、新たに製造された顔料も、勿論、使用することが可能である。
水系の顔料インクを製造する場合に使用する、水系媒体中に上記に挙げたような顔料を分散させるための分散剤としては、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用できるが、例えば、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好ましくは、3,000〜15,000の範囲のものを使用する。このような分散剤としては、具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、顔料インクの全質量に対して0.1〜5質量%の範囲で含有させるのが好ましい。
特に、上述したような顔料が含有されている顔料インクの場合には、顔料インクの全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。このようなものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れた顔料インクとすることができる。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とするのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記に挙げたような顔料等の着色剤、及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解されて、本実施形態で使用する顔料インクを構成する。
本実施形態で使用される顔料インクに含まれる好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の、多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
上記したような水溶性有機溶剤の顔料インク中の含有量は、一般的には、顔料インクの全質量の3〜50質量%の範囲、より好ましくは3〜40質量%の範囲で使用する。又、使用される水の含有量としては、顔料インクの全質量の10〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲とする。
又、本実施形態において使用する顔料インクとしては、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つ顔料インクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。特に、浸透促進剤として機能する界面活性剤は、記録媒体に反応液と顔料インクの液体成分とを速やかに浸透させる役割を担うための適量を添加する必要がある。添加量の例としては、0.05〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%が好適である。アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものをいずれも好ましく使用することができる。
画像書き込み部3においては、上記したような顔料インク等を用い、上述の反応液が付与された転写ベルト1上に、画像信号に応じて吐出制御可能な複数のノズルを有する記録ヘッドでインク滴を付与して、インク像を形成する。本実施形態では、かかる工程で形成されるインク像は、転写ベルト1上に付与された反応液と、付与された顔料インクとの反応によってインクが迅速に凝集等するため、画像書き込み部3において転写ベルト1上に形成される画像は、凝集インク像となる。そして、これによって、先に述べたような、転写ベルト1上への効率のよい印字が得られる。これに加えて、転写ベルト1上に、濃度の異なるインクや複数のカラーインクで書き込んでカラー画像を形成した場合においても、転写ベルト1上のインク像にビーディングやブリーディング等の現象を抑制することができる。しかも、このインク像を記録媒体上に転写した後においても、高画質なカラー画像を形成することができるという、従来にない効果が得られる。
画像書き込み部3の、転写ベルト1の回転方向下流側には、インク処理部4が設けられている。このインク処理部4は、画像書き込み部3で形成された凝集インク像を、次工程の転写部で記録媒体8へと転写する条件とするためのものである。即ち、転写ベルト1上の凝集インク像が転写可能な適度な液体成分を保持していることが重要であり、このためにインク像の不揮発な溶剤成分や水を含む残揮発成分のインク組成調整を行なうことを行なっている。不揮発溶剤成分が固形分に対して多ければ、転写時に画像がつぶれる。また、不揮発成分が少なすぎると上述のごとき記録媒体8に転写する粘着性(タック)が十分でなくなり、転写不良となる。
インクと反応液とによって形成された凝集インク像中の液体成分(主に水分)を蒸発或いは分離し、除去するためのインク処理部4の具体的手段は、送風ヒータ16、および送風ヒータ16により加熱された温風を送る乾燥ユニット19を有している。乾燥ユニット19は、記録媒体8への凝集インク像の浸透性の相違により、送風ヒータ16によりエアーの量、或いは熱量によって、凝集インク像の記録媒体8への転写特性を制御する目的で設けられている。
更に図1および図3を用いて乾燥ユニット19について詳細に説明する。
乾燥ユニット19は、送風ヒータ16から送風された温風を導入するための温風吸気口20と、温風吸気口20から導入された温風を転写ベルト1へと供給するためのノズル21とを備えている。また、乾燥ユニット19は、インク像から蒸発した蒸気を含む気体をノズル21とインク像との間の領域から排出するための排気路22と、排気路22から排気された、蒸気を含む気体を送風路28へと導入するための温風排気口23とを備えている。また、蒸気を含む気体を効率よく温風排気口23へと送れるように、温風吸気口20から各ノズル21への経路と、排気路22とは別個の経路である。
乾燥ユニット19は、送風ヒータ16から送風された温風を導入するための温風吸気口20と、温風吸気口20から導入された温風を転写ベルト1へと供給するためのノズル21とを備えている。また、乾燥ユニット19は、インク像から蒸発した蒸気を含む気体をノズル21とインク像との間の領域から排出するための排気路22と、排気路22から排気された、蒸気を含む気体を送風路28へと導入するための温風排気口23とを備えている。また、蒸気を含む気体を効率よく温風排気口23へと送れるように、温風吸気口20から各ノズル21への経路と、排気路22とは別個の経路である。
さらに、乾燥ユニット19は、各ノズル21を囲むように配置された部材50を備えている。ノズル21から温風を転写ベルト1上のインク像へと供給し、かつインク像から蒸発した蒸気を含む気体を排気路22へと送れるように、部材50の、乾燥ユニット19のノズルと対向する側は開口している。この部材50は、転写ベルト1上に形成されたインク像と接触しない程度に、転写ベルト1と離間している。このように、部材50によって、ノズル21と転写ベルト1との間の領域の大部分が外気と遮断されているので、蒸発した蒸気が乾燥ユニット19の外へと漏れることが抑制される。よって、発生した蒸気を効率良く後述の湿潤ユニットへ送ることができる。また、発生した蒸気による、他の部材への結露を抑制することができる。
送風ヒータ16は、内部に加熱ヒータ17および送風ファン18を有し、送風路によって乾燥ユニット19と接続されている。送風ヒータ16において、加熱ヒータ17の電熱線に対し外部電源から電流を流し発熱させ、送風ファン18から送風された空気を上記発熱により加熱し、送風路を介して温風吸気口20から乾燥ユニット19へと送風する。すなわち、加熱ヒータ17の電熱線を介して乾燥ユニット19へ空気雰囲気を加熱し送風するものである。送風ヒータ16から送られた加熱された温風は、温風吸気口20から送風され、送風ノズル21から転写ベルト1上の凝集インク像に吹き付けられる。凝集インク像からは揮発液体成分が蒸発する。ここで排気路22を通り温風排気口23から湿潤ユニット29へ、乾燥ユニット19と湿潤ユニット29とを接続する送風路28を通り、発生した蒸気を含む気体(温風)は送られる。図中矢印は、温風の流れを示すものである。
発生する気体かつ/または液体を送風路28で次の湿潤ユニット29へ送る。また、同時に送風路50を通して、反応液付与ローラ12と記録ヘッド15a〜dの間に送風し、記録ヘッド15a〜dの目詰まりを軽減することも可能である。これは、記録ヘッド15a〜dのインクが低湿度によって渇き、吐出特性を悪くすることがある。よって、乾燥ユニット19にて発生した蒸気を有効利用して、記録ヘッド15a〜dに供給し、上記吐出特性を良好に保つことができる。
ここで気体かつ/または液体とは、主に転写体のインク画像を加熱、乾燥した状態で発生する蒸気のことを示す。発生する蒸気は、分子レベルの水分子、すなわち気体と空気中で分子が集まり細かなミスト状態を形成する液体状態が混在している状態である。好ましくは、より気体状態が好ましいが、液体上のミストが混在していても次工程の加湿時に画像を乱すことがなければよい。
本実施形態では、蒸発により発生した蒸気を、湿潤ユニット29にて、インク像を湿潤させる際に有効利用することが重要である。そのために、乾燥ユニット19から湿潤ユニット29へと送られる気体は、湿度が高く湿潤している必要がある。この送られる気体を湿潤させるために、上述の蒸気が用いられる。よって、乾燥ユニットから湿潤ユニットへと送られる気体は、蒸発により発生した蒸気により湿潤した気体、すなわち、蒸発により発生した蒸気を少なくとも含む気体(本明細書では、単に「蒸気を含む気体」とも呼ぶ)である。
このように、転写ベルト1上の凝集インク像は、凝集インク像が形成された後の工程である乾燥ユニット19の加熱送風によって凝集インク像の揮発性液体分(水)が蒸発する。このとき加熱送風によって転写ベルト1上に形成された凝集インク中の揮発成分(主に水)は蒸発するが、凝集インク中の残留不揮発成分によってインクは湿潤状態が保たれている。
尚、本実施形態では、加熱温風を利用した乾燥ユニット19を用いているが、赤外線ヒータ等、温度がコントロール可能で、インク像の特性をコントロール可能であるならば、従来既知の技術を使用して転写体上の凝集インク像に加熱を行なってもよい。
また、本実施形態では、送風ヒータ16にコンプレッサを設けるなどして、送風ヒータ16から乾燥ユニット19へと送られる空気を、ドライエアとすることが好ましい。このように、乾燥され、かつ加熱された空気をインク像に供給すると、より効率良く蒸発を発生させることができる。
本実施形態では、形成されたインク像から余分な液体を蒸発させることが重要である。すなわち、凝集インク像に含まれる液体から一部の液体を除去することが重要である。そのために、本実施形態では、反応液付与部2および画像書き込み部3と、湿潤ユニット29との間に、インク像から液体の一部を蒸発させることが可能な手段を設けている。よって、本実施形態では、インク像から液体の一部を蒸発させる手段であればいずれの手段を用いても良い。
蒸発させたい領域(凝集インク像の一部)の周囲の湿度を低くすれば、すなわち上記領域を乾燥させれば、上記領域に存在する液体は蒸発する。よって、蒸発手段として、湿度を低下させる手段としての除湿装置を用いても良い。このとき、蒸発した蒸気を効率良く湿潤ユニット29へと送るために、温風排気口23などに送風ファン等の、乾燥ユニットから湿潤ユニットへと蒸気を移動させるための手段を設けて、発生した蒸気を含む気体を湿潤ユニット29へと送ることが好ましい。
さらに、湿度を低下させる手段と、加熱手段としてのヒータなどを組み合わせると、さらに効率よく蒸発が行えるので、好ましい。
さらに、湿度を低下させる手段と、加熱手段としてのヒータなどを組み合わせると、さらに効率よく蒸発が行えるので、好ましい。
つぎに湿潤部5について説明する。
湿潤部5は、湿潤ユニット29を備えており、湿潤ユニット29は、送風路28を介して乾燥ユニット19に接続され、送風路30を介して回収器32に接続されている。回収路30には、送風ファン31が設けられている。湿潤ユニット29は、転写ベルト1を囲むようにして設けられており、一方端と、該端と対向する他方端には、湿潤ユニット29の内部を転写ベルト1が通過可能にするための開口部が形成された中空構造である。この開口部の大きさは、転写ベルト1が湿潤ユニット29内を通過する際に、転写ベルト1上に形成された凝集インク像が削ぎ落とされない程度の大きさが好ましい。このように、湿潤ユニット29は、極力外部に遮断するような構成であるので、湿潤ユニット29内に蒸気を含む気体が導入されても、該導入された蒸気を含む気体が湿潤ユニット29から漏れ出すことを抑制することができる。従って、湿潤ユニット29内の湿度を効率よく高めることができるので、湿潤ユニット29内を通過する凝集インク像に効率よく水分を供給することができる。また、外部にあるその他の部材への結露を軽減することができる。
湿潤部5は、湿潤ユニット29を備えており、湿潤ユニット29は、送風路28を介して乾燥ユニット19に接続され、送風路30を介して回収器32に接続されている。回収路30には、送風ファン31が設けられている。湿潤ユニット29は、転写ベルト1を囲むようにして設けられており、一方端と、該端と対向する他方端には、湿潤ユニット29の内部を転写ベルト1が通過可能にするための開口部が形成された中空構造である。この開口部の大きさは、転写ベルト1が湿潤ユニット29内を通過する際に、転写ベルト1上に形成された凝集インク像が削ぎ落とされない程度の大きさが好ましい。このように、湿潤ユニット29は、極力外部に遮断するような構成であるので、湿潤ユニット29内に蒸気を含む気体が導入されても、該導入された蒸気を含む気体が湿潤ユニット29から漏れ出すことを抑制することができる。従って、湿潤ユニット29内の湿度を効率よく高めることができるので、湿潤ユニット29内を通過する凝集インク像に効率よく水分を供給することができる。また、外部にあるその他の部材への結露を軽減することができる。
乾燥ユニット19から排出される湿潤空気(蒸気を含む気体)は送風路28を流れ湿潤ユニット29へ送られる。湿潤ユニット29中では転写ベルト1上の凝集インク像に対して液体成分からの過剰な乾燥を防ぐと共に、凝集インク像に気体または/かつ液体(蒸気を含む気体)を供給するユニットである。
乾燥ユニット19により、凝集インク像が完全に乾燥した状態になってしまうと湿潤ユニット29で気体または/かつ液体を補給しても凝集インク像に上述のように供給することができないため次工程の転写工程で転写することが困難となる。ここで完全乾燥とは、凝集インク内の不揮発成分や反応液に含まれる金属塩が吸収している成分を放出し、金属塩が析出している状態である。
ここで、転写時にかかわる乾燥条件にたいして詳細に説明する。
湿潤部5では加湿された空気(蒸気を含む気体)のため、転写ベルト1上の凝集インク像は、たとえば外部の湿度が変化しても乾燥ユニット19での加熱乾燥による過剰な乾燥による転写不良が生じることがない、ないしは転写不良を軽減できる。
湿潤部5では加湿された空気(蒸気を含む気体)のため、転写ベルト1上の凝集インク像は、たとえば外部の湿度が変化しても乾燥ユニット19での加熱乾燥による過剰な乾燥による転写不良が生じることがない、ないしは転写不良を軽減できる。
湿潤ユニット29内で転写ベルト1上を流れる風を図4の矢印にしめした。図4は転写体表面と平行な断面で切られた湿潤ユニット29の模式断面図である。図中35は送風路28をとおって来た温風が湿潤ユニット29内に入るための入口である。入口35から入った温風は、排出口36に向かって流れる。このとき、転写ベルト1上の表面にある凝集インク像上を温風が図中矢印方向にむかって流れる。このとき流れる温風(蒸気を含む気体)は、乾燥ユニット19を経由しているものであり、高湿度に保たれた風である。したがって、この高湿度の風によって凝集インク像に水分が与えられる。特に、乾燥過多になった低デュティ部のインク像に対し転写に必要な水分が与えられると、転写体上にインク残りが殆どないレベルで記録媒体に凝集インク像が転写される。排出口36からの湿潤空気は、送風路30とへて、回収器32へと移動し回収される。このとき送風流量を調整するために送風路30には、送風ファン31設けられている。空気は、回収器32の上部に設けられた排気口34から装置外部へ抜けていく。回収器32では、送風されてきた蒸気を室温冷却にて液体33とし回収を容易とするものである。回収効率を向上ために、回収器32を冷却する手段を設けてもよい。なお、各送風路28、30、湿潤ユニット29は、外気温度が低下すると結露を生じる場合が生じるため、断熱状態とすることが好ましい。また、本実施形態では積極的にシリコンラバーヒータを用いた結露防止ヒータ27により、結露防止のための温度制御をおこなっている。
このように、後述する転写に先立って、乾燥ユニットにより、一部の液体が蒸発したインク像に対して、高湿度の気体、すなわち蒸気を含む気体を供給して、液体を付与することによって、インク像に良好な転写が可能な粘着力を持たせることができる。よって、環境湿度や、ハイライト部等のインク像の場所によらず、良好に転写を行うことができる。
また、上記粘着力を持たせるために用いる高湿度の気体は、インク像を乾燥させる際に生じた蒸気を利用しているので、高湿度の気体を別個に発生させる必要が無くなり、消費エネルギーを低減することができる。また、上記別個に高湿度の気体を発生させるための装置を設ける必要が無くなるので、低コスト化、装置の小型化を実現できる。すなわち、本実施形態では、乾燥ユニットにて、凝集インク像に含まれる液体から一部の液体(揮発成分の少なくとも一部)を除去し、該除去された液体を利用して、湿潤ユニット内で凝集インク像を湿潤させている。
さらに、乾燥ユニット19から湿潤ユニット29へと高湿度の気体(蒸気を含む気体)を移動させるために、蒸気を含む気体専用の送風路28、30を設けているので、他の部材への結露を抑制することができる。また、蒸気が発生する乾燥ユニット19、および発生した蒸気を含む気体によりインク像を湿潤させる湿潤ユニット29共に、極力外部から遮断される構成であるので、結露を抑制することができる。
本実施形態では、良好な転写のための粘着力をインク像に持たせるために、蒸気を含む気体を用いているが、インク像に上記粘着力も持たせる程度にインク像を湿潤状態にさせることが重要である。そのために、本実施形態では、送風路28から湿潤ユニット29へと上記を含む気体を導入し、送風路30から排出することにより、高湿度である蒸気を含む気体を湿潤ユニット29内で流している。このようにして、湿潤ユニット29内のインク像に対して、蒸気を含む気体を供給して、インク像を湿潤させている。しかしながら、本実施形態では、上述のように湿潤ユニット29内で蒸気を含む液体を流すことが本質ではなく、湿潤ユニット内の湿度を高めることが重要である。すなわち、転写ベルト1に形成されたインク像の一部を含む所定の空間の湿度を高めることが本質である。従って、上記流れがほとんど生じていない場合であっても、乾燥ユニット19から送られた蒸気を含む気体が湿潤ユニット29に導入され、湿潤ユニット29内の湿度が高くなれば、適切な液体がインク像に付与されることになる。
ここで、本実施形態では、良好な転写を行うために、適度な液体をインク像に付与するわけだが、そのために、高湿度の気体、すなわち、蒸気を含む気体を用いることが重要である。この乾燥したインク像に液体を付与する構成は、上述の特許文献4に開示されているが、特許文献4では、上記付与を液体の塗布によって行っている。このように液体の塗布によって行うと、微量の液体のみをインク像に付与することは難しい。よって、必要以上の液体を付与することになり、特に2次色などのカラー像等では、インク像の厚さが大きくなってしまい、転写時にインク像が潰れてしまうことがあり、高品位な画像を出力することが困難になる。そこで、インク像を湿潤させた後に再度、インク像を乾燥させる必要がある。
しかしながら、本実施形態のように、結果的にはインク像に液体を付与することになるが、そのための手段として、液体塗布ではなく、高湿度の気体を用い、インク像の周囲を高湿度にすることによって、インク像へは少量の液体のみを付与することが可能となる。この少量の液体により、ハイライト部において、インク像の粘着力は良好な転写が行える程の大きさになる。また、2次色などのカラー画像など、単位面積当たりのインク打ち込み数が多い領域においても、付与される液体の量は少量であるので、良好な付着力を有しながら、その厚さも適切な厚さとなる。
なお、環境が高湿度の場合は、特にインク像を加湿する必要がないため、装置内に湿度センサを設けて湿度を測定し、低湿時には乾燥ユニット19から湿潤ユニット29へ湿潤温風(蒸気を含む気体)を送風して、インク像を加湿(湿潤させる)しても良い。この場合、高湿時には、湿潤ユニット29への送風路28をパスし、乾燥ユニット19から直接回収器32に送風するパスに変える構成にすることも可能である。この場合は、図1において、送風路28を分岐する経路で構成し、一方の分岐路を湿潤ユニット29に接続し、他方の分岐路を回収路32に接続し、上記分岐地点に、湿度センサの検知結果に応じて切換え制御可能である、経路を切換えるための弁を設ける。そして、湿度センサの検知結果が、閾値よりも大きくなった場合は、高湿度と判断して、制御部が弁を切換えて、送風路28を回収器32に接続するようにすれば良い。
湿潤ユニット29の機構は、インク像に対して加湿を行なえる送風機構であれば従来公知の部材を用いることができ、たとえば送風ノズルを多段に並べる手段などを用いることができる。
送風量は、乾燥ユニットの送風機や独立に設けてなる送風ファンによって制御することが可能である。
送風を行なうとき、湿潤ユニット内の送付速度は吸入口出口、ノズル出口で、1〜30m/secの範囲で調整されるが、好ましくは、5〜20m/secの範囲である。
送風量は、乾燥ユニットの送風機や独立に設けてなる送風ファンによって制御することが可能である。
送風を行なうとき、湿潤ユニット内の送付速度は吸入口出口、ノズル出口で、1〜30m/secの範囲で調整されるが、好ましくは、5〜20m/secの範囲である。
次に図1に示した装置の転写部6では、不図示の給紙搬送部の搬送ローラによって導かれた記録媒体8に、転写ベルト1上のインク像を圧力転写する。転写ベルト1と記録媒体8を介して配置される転写ローラ11、24は、ゴムローラや金属ローラ等で形成すればよい。この転写部6では、図示しない押圧制御装置によって、転写ベルト1に押圧解除の制御が可能である。転写ローラ24は、押圧状態では、記録媒体8を介して転写ベルト1に従動して回転するか、独立の転写ローラ駆動手段によって回転制御可能となっている。図1で示した装置では、従動回転とした。かかる装置においては、転写時において転写ロー24は、記録媒体8を介して転写ベルト1を線荷重1.2MPaで押圧するように構成されている。
クリーニング部7は、クリーニング液を保持し転写ベルト1上のごみ等を取り除くため、クリーニング液供給ローラ25とクリーニング液保持タンク26を備えている。クリーニング液は、特に転写ベルト1表面をクリーニング可能であれば、装置の構成や、クリーニング液を限定するものではないが、例えば、上記反応液で使用した界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含む水溶液を、クリーニング液とすることが好ましい。
次に、上記したような構成を有する本実施形態のインクジェット装置の、一連の動作について、図1を参照しながら詳細に説明する。装置の電源を投入すると、転写ベルト1を駆動するローラが駆動回転をはじめ、転写ベルト1の下部の加熱補助ヒータ14、インク像処理部4の送風ヒータ16がONになり、各部における設定温度にそれぞれ昇温する。
外部からの記録信号を受け取ると、前述の如く反応液付与部2の反応液塗布ローラ12が転写ベルト1に接触すると共に、転写ベルト1の駆動ローラ10が回転し転写ベルトを搬送する。転写ベルト1の駆動により転写ベルトの表面に反応液が薄く塗布される。
次に、画像供給装置110からは、本実施形態で使用する各インク色(KCMY)に対応した多値の送られてくる画像信号(以下、本明細書では、「外部画像信号」とも呼ぶ)が送られてくる。この多値の画像信号が本実施形態に係る色相であるKCMYに対応した4種の2値画像信号であれば、そのまま記録ヘッド15a〜dへ送られる。そうでなければ、制御部3にて、CPU101が、メモリ103に格納されたプログラムを実行することによって、外部画像信号を、YMCKに対応した4種の2値の画像信号に変換する。その後、この各色に対応した2値画像信号に対しミラー反転処理を施し、各色に対応した2値の反転画像信号を取得する。
次に、各色に対応する2値の反転画像信号が各記録ヘッド15a〜dに送られ、転写ベルト1の回転とともに、それらの画像信号に応じて、順次記録ヘッド15a、15b、15c、および15dから各色のインクが吐出し転写ベルト1に付与される。勿論、このインク像は、記録媒体8に最終的に形成される画像の鏡面画像となっている。この付与されたインクは、転写ベルト1上に付与されている反応液と反応し転写ベルト1上にカラーの凝集したインク像を形成する。
続いて、インク像は、インク処理部4で水分を含む溶剤を蒸発乾燥され、その後に行われる転写に対してより最適なインク条件となる。
さらに湿潤部5の湿潤ユニット29に転写ベルト1上の凝集インク像が送られる。このとき、凝集インク像からは、過剰な液体成分が蒸発することが無いため、転写時においても安定なインク像であり続ける。
一方、転写部6に対しては、上述のようにして転写ベルト1上に形成されたインク画像の先端位置と、被転写媒体である記録媒体8が転写位置であるニップ部で重なるように、記録媒体8が搬送される。転写部6では、記録媒体8の先端が転写ベルト1と転写ローラ24とのニップ部に到達したと不図示のセンサにより探知されると、転写ローラ24が駆動し、記録媒体8を介して転写ベルト1に押し当てられる。ここで、押圧制御装置によって所定の転写圧が生じ、転写ベルト1上のインク像を記録媒体8に転写する。
次いで、記録媒体8の先端が転写部6から排出されたことを不図示のセンサによって検知すると同時に、不図示の分離爪が駆動し、転写ベルト1と記録媒体8との間に挿入され、記録媒体8を、転写ベルト1から分離し、排紙される。転写ベルト1上のインクが記録媒体8にすべて転写した後、転写ローラ24および分離爪それぞれを離接する。
次に、クリーニングローラ25が転写体ベルト1に当接し、クリーニング液を塗布することにより転写ベルト1表面をクリーニングする。転写ベルトが1回転すると、クリーニングローラ25は、転写ベルト1から離接する。記録が続けられる場合、外部画像信号に応じて上述した動作が繰り返される。記録動作を終了し電源を切る場合、各ヒータをOFFにし転写ベルト1の回転を止めた後、インクジェット記録装置の電源をOFFにし、装置動作を終了する。
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態にて説明した、乾燥ユニットにおける蒸気を有効利用することに加えて、湿潤ユニットから排出される気体が有する熱を有効に利用する。
図5は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの画像形成部の構成を説明するための、概略断面図である。
図5において、送風ヒータ16には、送風路39が接続されており、送風ファン18が駆動することによって、送風路39から送風ヒータ16へと空気が導入される。また、乾燥ユニット19と湿潤ユニット29とは、送風路37によって接続され、湿潤ユニット29と回収器32とは送風路38によって接続されている。
本実施形態は、第1の実施形態にて説明した、乾燥ユニットにおける蒸気を有効利用することに加えて、湿潤ユニットから排出される気体が有する熱を有効に利用する。
図5は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの画像形成部の構成を説明するための、概略断面図である。
図5において、送風ヒータ16には、送風路39が接続されており、送風ファン18が駆動することによって、送風路39から送風ヒータ16へと空気が導入される。また、乾燥ユニット19と湿潤ユニット29とは、送風路37によって接続され、湿潤ユニット29と回収器32とは送風路38によって接続されている。
また、本実施形態では、送風路38の熱を、送風路39へと伝熱せしめる熱交換部40を備えている。この熱交換部40は、送風路38と送風路39とが接触している領域である。このように熱交換部40では、送風路38と送風路39とが接触しているので、送風路38を通過する気体の熱が、送風路39を通過する気体へと伝熱する。すなわち、湿潤ユニット29から排出された気体が有する熱を、これから蒸発に使用する気体へと移動することができる。このように、送風ヒータ16へと送られる気体は、予め加熱されるので、送風ヒータ16の加熱量を低減することができる。よって、使用済みの気体が有する熱を、次の乾燥工程に有効に利用することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、乾燥ユニットから発生した蒸気を含む気体を、回収器に供給し、回収器と湿潤ユニットとの間で蒸気を含む気体を循環させている。
図6は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの画像形成部の構成を説明するための、概略断面図である。
図6において、乾燥ユニット19と回収器32とは、送風路41を介して接続されている。また、回収器32と湿潤ユニット29とは、別個の経路である、送風路42と送風路43とによって接続されている。送風路42には、気体を移動させる手段としての送風ファン45が設けられており、この送風ファン45が駆動することにより、回収器32内の蒸気を含む気体は、湿潤ユニット29へと送られる。すなわち、送風路42は、湿潤ユニット29に対して、蒸気を含む気体の供給路として機能し、送風路43は、回収路として機能する。よって、蒸気を含む気体は、回収路32、送風路42、湿潤ユニット29、送風路43の間を循環する。
また、回収器32は排出口を備えており、該排出口には弁46が設けられている。
本実施形態は、乾燥ユニットから発生した蒸気を含む気体を、回収器に供給し、回収器と湿潤ユニットとの間で蒸気を含む気体を循環させている。
図6は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの画像形成部の構成を説明するための、概略断面図である。
図6において、乾燥ユニット19と回収器32とは、送風路41を介して接続されている。また、回収器32と湿潤ユニット29とは、別個の経路である、送風路42と送風路43とによって接続されている。送風路42には、気体を移動させる手段としての送風ファン45が設けられており、この送風ファン45が駆動することにより、回収器32内の蒸気を含む気体は、湿潤ユニット29へと送られる。すなわち、送風路42は、湿潤ユニット29に対して、蒸気を含む気体の供給路として機能し、送風路43は、回収路として機能する。よって、蒸気を含む気体は、回収路32、送風路42、湿潤ユニット29、送風路43の間を循環する。
また、回収器32は排出口を備えており、該排出口には弁46が設けられている。
本実施形態は、湿潤部5において、乾燥ユニット19から発生する蒸気を含んだ気体が送風路41を介して回収器32へ送られる。回収器32は、不図示のヒータを有しており回収器32内を高湿度に保っている。送風路42と循環送風手段であるファン45によって、高湿度の気体(蒸気を含む気体)を回収器32から湿潤ユニット29におくり、送風路43でさらに回収器32に戻す構成で高湿度の気体を循環する。図中矢印は、蒸気を含む気体が流れる方向を示している。
この構成によれば、乾燥ユニット19から発生する蒸気を含む気体を回収器32により回収する。そしてファン45によって送風路42、湿潤ユニット29、送風路43、回収器32で蒸気循環することによって、より安定に湿潤ユニット29内を湿潤状態し、凝集インク像に蒸気を加えることができる。系内の送風量のコントロールはファン45と回収器32に設けてなる排出口に設けられる弁46とによって調整される。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、反応液を用いているが、反応液を用いなくても良い。本発明の一実施形態では、上述のように、インク像の乾燥にて生じた蒸気を有効利用して、転写前にインク像を湿潤させることが出来れば良い。すなわち、本発明の一実施形態では、転写の際の、インク像の厚さが厚すぎることによる画像のつぶれを軽減するために、中間転写体上のインク像から液体を一部除去する。そして、該一部液体を除去されたインク像に対して、高湿度の気体を付与してインク像を湿潤させる。このとき、高湿度の気体として、上記除去した液体を利用することによって、低コストで、かつ高い転写率で転写を行うことができる。
第1〜第3の実施形態では、反応液を用いているが、反応液を用いなくても良い。本発明の一実施形態では、上述のように、インク像の乾燥にて生じた蒸気を有効利用して、転写前にインク像を湿潤させることが出来れば良い。すなわち、本発明の一実施形態では、転写の際の、インク像の厚さが厚すぎることによる画像のつぶれを軽減するために、中間転写体上のインク像から液体を一部除去する。そして、該一部液体を除去されたインク像に対して、高湿度の気体を付与してインク像を湿潤させる。このとき、高湿度の気体として、上記除去した液体を利用することによって、低コストで、かつ高い転写率で転写を行うことができる。
反応液を用いると、ブリーディングやビーディングを抑制することができるので、より好ましい形態であるが、本実施形態のように反応液を用いなくても、低コスト化、および転写率の向上を実現することができる。また、乾燥ユニットおよび湿潤ユニットは、極力大気から遮断されており、それらユニット間の気体の移動は、送風路によって行われているので、他の部材への結露を低減することができる。
(その他の実施形態)
第1〜第4の実施形態では、乾燥ユニットにて発生した蒸気を、湿潤ユニットにて有効利用しているが、乾燥ユニットと、湿潤ユニットとを別個に設けるようにしても良い。すなわち、乾燥ユニットにて発生した蒸気を含む気体を用いずに、湿潤ユニット内を高湿度にするようにしても良い。その場合は、例えば、加湿装置等、湿潤ユニット内の湿度を高めることができる手段を湿潤ユニットに設ければ良い。また、ヒータを備える貯蔵器に液体を貯蔵させ、送風ファンが設けられた送風路により、貯蔵器と湿潤ユニットとを接続するようにしても良い。この場合は、ヒータにより貯蔵器内の液体を蒸発させ、送風ファンを駆動することにより、蒸発した蒸気を湿潤ユニット内に導入するようにしても良い。
第1〜第4の実施形態では、乾燥ユニットにて発生した蒸気を、湿潤ユニットにて有効利用しているが、乾燥ユニットと、湿潤ユニットとを別個に設けるようにしても良い。すなわち、乾燥ユニットにて発生した蒸気を含む気体を用いずに、湿潤ユニット内を高湿度にするようにしても良い。その場合は、例えば、加湿装置等、湿潤ユニット内の湿度を高めることができる手段を湿潤ユニットに設ければ良い。また、ヒータを備える貯蔵器に液体を貯蔵させ、送風ファンが設けられた送風路により、貯蔵器と湿潤ユニットとを接続するようにしても良い。この場合は、ヒータにより貯蔵器内の液体を蒸発させ、送風ファンを駆動することにより、蒸発した蒸気を湿潤ユニット内に導入するようにしても良い。
本実施形態では、乾燥ユニットで蒸発した蒸気は、湿潤ユニットにて利用しないので、蒸発により生じた蒸気を、乾燥ユニットに設けられた送風路を介して、回収器へと排気したり、プリンタ外へと排気すれば良い。
このように、本実施形態では、乾燥ユニットにて一部液体を除去されたインク像に対して、該除去された液体を含む気体(蒸気を含む気体)では無いが、高湿度の気体を用いて、インク像を湿潤させるので、インク像には適度な液体が付与される。よって、良好な転写が行える粘着力をインク像に与えることができ、転写率の向上を実現することができる。また、また、乾燥ユニットおよび湿潤ユニットは、極力大気から遮断されており、各ユニットには送風路が接続されているので、他の部材への結露を低減することができる。
(実施例)
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り質量基準である。又、使用したインク及び反応液は、いずれも、水で調整して総量を100部とした。
<顔料インクK1の組成>
下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製し、ブラックの顔料インクK1とした。このインクの表面張力は、34mN/mであった。
・ブラック顔料:カーボンブラック(三菱化学製 MCF88) 3.5部
・分散樹脂:スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 1.5部
(酸価240、重量平均分子量5000)
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水 残部
<顔料インクC1の組成>
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)3.5部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、シアン色の顔料インクC1を調製した。
<顔料インクM1の組成>
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)3.5部を、ピグメントレッド7に代えたこと以外は顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ色の顔料インクM1を調製した。
<顔料インクY1の組成>
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)3.5部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、イエロー色の顔料インクY1を調製した。
[反応液の調製]
次に、下記に述べるようにして、それぞれ、多価金属塩と界面活性剤とを含む、反応液を調製した。
<反応液R1の作製>
下記の組成の成分を混合溶解した後、更に、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、反応液R1を得た。
・ジエチレングリコール 30.0部
・塩化カルシウム・2水和物 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水 残部
(第1の実施例)
図1に示した第1の実施形態に係る装置を用いて画像形成を行なった。その際、先に調製した反応液R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いた。先ず、転写ベルト1の駆動により反応液R1が転写ベルト1上に塗布された。その直後に、記録ヘッド15a、15b、15c及び15dにて、顔料インクY1、M1、C1、及びK1を印字描画して、転写ベルト1上に凝集インク像を得た。上記で用いた記録ヘッド15a、15b、15c及び15dは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、それぞれ4plのヘッドを使用した。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り質量基準である。又、使用したインク及び反応液は、いずれも、水で調整して総量を100部とした。
<顔料インクK1の組成>
下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製し、ブラックの顔料インクK1とした。このインクの表面張力は、34mN/mであった。
・ブラック顔料:カーボンブラック(三菱化学製 MCF88) 3.5部
・分散樹脂:スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 1.5部
(酸価240、重量平均分子量5000)
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水 残部
<顔料インクC1の組成>
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)3.5部を、ピグメントブルー15に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、シアン色の顔料インクC1を調製した。
<顔料インクM1の組成>
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)3.5部を、ピグメントレッド7に代えたこと以外は顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、マゼンタ色の顔料インクM1を調製した。
<顔料インクY1の組成>
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)3.5部を、ピグメントイエロー74に代えたこと以外は、顔料インクK1の調製の場合と同様の方法で、イエロー色の顔料インクY1を調製した。
[反応液の調製]
次に、下記に述べるようにして、それぞれ、多価金属塩と界面活性剤とを含む、反応液を調製した。
<反応液R1の作製>
下記の組成の成分を混合溶解した後、更に、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、反応液R1を得た。
・ジエチレングリコール 30.0部
・塩化カルシウム・2水和物 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水 残部
(第1の実施例)
図1に示した第1の実施形態に係る装置を用いて画像形成を行なった。その際、先に調製した反応液R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いた。先ず、転写ベルト1の駆動により反応液R1が転写ベルト1上に塗布された。その直後に、記録ヘッド15a、15b、15c及び15dにて、顔料インクY1、M1、C1、及びK1を印字描画して、転写ベルト1上に凝集インク像を得た。上記で用いた記録ヘッド15a、15b、15c及び15dは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、それぞれ4plのヘッドを使用した。
このとき、転写ベルト1上の各色顔料インクは、反応液R1と反応等して凝集しており、転写ベルト1上に形成された画像は、ビーディングが抑制された良好な画像であった。又、各色インクを重ねていっても、すぐに凝集が起こり、ビーディングやブリーディングといった現象は生じず、転写体ベルト1上に形成される画像は、高画質画像であることが確認できた。
更に、転写ベルト1上のインク像は、次工程の乾燥ユニット19の加熱送風によってインク像の揮発性液体分(水)が蒸発した。送風ヒータ16の加熱ヒータ17は、1kWの電熱線に対し外部電源から電流を流し発熱させた。また、内部に送風ファン18を有し、乾燥ユニット19へ加熱ヒータ17の電熱線を通りぬけることにより空気雰囲気を加熱し送風した。この時の乾燥ユニット19内の送風ノズル21の出口の風速は15m/secであった。この加熱送風によって転写体上に形成されたインク中の揮発成分(主に水)を蒸発せしめ、インク中の残留不揮発成分によってインクは湿潤状態が保たれている。
次工程である湿潤工程において、前記乾燥ユニットから排気され、インクから除去された水蒸気を含んだ湿潤した空気を転写体上の凝集インク像に加湿送風した。このとき凝集インク像は、搬送路中で乾燥が進み完全乾燥状態を形成することなく金属塩の析出もなく凝集インク像を湿潤している。
次工程である湿潤工程において、前記乾燥ユニットから排気され、インクから除去された水蒸気を含んだ湿潤した空気を転写体上の凝集インク像に加湿送風した。このとき凝集インク像は、搬送路中で乾燥が進み完全乾燥状態を形成することなく金属塩の析出もなく凝集インク像を湿潤している。
その後に、転写部6へ給紙された記録媒体8である(オーローラコート紙:商品名 日本製紙製)に、転写圧力は、1.2MPaで、上記転写ベルト1のインク像を転写し、印字物が作成された。最終的に得られたカラー画像は、高画質画像であるとともに出力直後でも擦ってもインク汚れのない耐刷性を有する転写体から記録媒体に高濃度のべた部からハイライト部までインク像が完全に転写した画像であった。更に、上記工程を繰り返し、画像形成を行っても高画質画像が形成できた。
また、湿潤手段に専用の加湿制御装置を用いることなく、転写体上の凝集インク像を転写時に最適なインク状態に保持することができたため、装置の大型化や水分の充填補給などのメンテナンスを抑えた装置形態となった。
(第2の実施例)
図5に示した第2の実施形態に係る装置を用いて画像形成を行なった。本実施例では、実施例1に示した描画工程で、先に調製した反応液R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いて、転写ベルト1に反応液R1を塗布した。その直後に、記録ヘッド15a、15b、15c及び15dにて印字描画して、転写ベルト1上に凝集インク像を得ている。上記で用いた記録ヘッド115a、15b、15c及び15dは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、それぞれ4plのヘッドを使用した。
図5に示した第2の実施形態に係る装置を用いて画像形成を行なった。本実施例では、実施例1に示した描画工程で、先に調製した反応液R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いて、転写ベルト1に反応液R1を塗布した。その直後に、記録ヘッド15a、15b、15c及び15dにて印字描画して、転写ベルト1上に凝集インク像を得ている。上記で用いた記録ヘッド115a、15b、15c及び15dは、1,200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。又、1ドットあたりの吐出体積は、それぞれ4plのヘッドを使用した。
本実施例は、乾燥ユニット19からの湿潤排気を送風路37で湿潤ユニット29へ送り、湿潤ユニット29から送風路38で回収器32へ送風する。送風路38は送風ヒータ16への吸入送風路39と接触しており、送風路38の熱を送風路39へ伝熱せしめる熱交換部40を要している。これにより送風路38の熱が送風路39に伝熱し、送風ヒータ16の加熱量を抑えることができた。さらに熱交換部40において送風路内の蒸気は、冷却されることにより積極的に水分廃液を回収することが可能となった。
(第3の実施例)
図6に示した第3の実施形態に係る装置を用いて画像形成を行なった。本実施例では、上記実施例と同様に描画工程で、先に調製した反応液R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いて、転写ベルト1に反応液R1を塗布した。その直後に、記録ヘッド15a、15b、15c及び15dにて印字描画して、転写ベルト1上に凝集インク像を得た。
図6に示した第3の実施形態に係る装置を用いて画像形成を行なった。本実施例では、上記実施例と同様に描画工程で、先に調製した反応液R1と、顔料インクK1、C1、M1、及びY1を用いて、転写ベルト1に反応液R1を塗布した。その直後に、記録ヘッド15a、15b、15c及び15dにて印字描画して、転写ベルト1上に凝集インク像を得た。
この構成により、乾燥ユニット19から発生する蒸気を回収器32により回収し、そしてファン45によって送風路42、湿潤ユニット29、送風路43、回収器32で蒸気循環した。より安定に湿潤ユニット29内を湿潤状態し、凝集インク像に蒸気を加えることができた。系内の送風量のコントロールはファン45と回収期32に設けてなる排出口に設けられる弁46によって調整された。
転写部6にて、給紙された記録媒体8である(オーローラコート紙:商品名 日本製紙製)に、上記転写ベルト1のインク像が実施例1と同様の機構で転写された。転写圧力は、1.0MPaで加圧転写されて、印字物が作成された。
この印字物は、転写体から記録媒体に高濃度のべた部からハイライト部までインク像が完全に転写し、安定的な高画質な画像であった。また、転写体上にもインク残りや非画像部における残存する反応液がなく、クリーニングが容易な転写体表面であった。更に、上記工程を繰り返し、画像形成を行っても高画質画像が形成できた。
1 転写ベルト
2 反応液付与部
3 画像書き込み部
4 インク像処理部
5 湿潤部
6 転写部
7 クリーニング部
8 記録媒体
12 反応液塗布ローラ
15a〜d 記録ヘッド
16 送風ヒータ
19 乾燥ユニット
24 転写ローラ
29 湿潤ユニット
2 反応液付与部
3 画像書き込み部
4 インク像処理部
5 湿潤部
6 転写部
7 クリーニング部
8 記録媒体
12 反応液塗布ローラ
15a〜d 記録ヘッド
16 送風ヒータ
19 乾燥ユニット
24 転写ローラ
29 湿潤ユニット
Claims (8)
- 中間転写体と、
前記中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与する付与手段と、
前記中間転写体に対して前記インクを吐出可能な記録ヘッドと、
前記付与された反応液と前記吐出されたインクとにより形成されたインク像に含まれる液体の一部を蒸発させる蒸発手段と、
前記蒸発によって発生した気体を、前記液体の一部が蒸発したインク像に付与して、該インク像を湿潤させる湿潤手段と、
前記湿潤させられたインク像を記録媒体に接触させて、前記インク像を前記記録媒体に転写する転写手段と
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記蒸発手段は、前記インク像の一部の周囲の湿度を低下させる手段を備えることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記蒸発手段は、空気を加熱する加熱手段を備え、前記加熱された空気を前記インク像に供給することによって、前記液体を蒸発させることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
- 前記蒸発手段と前記湿潤手段とを接続する送風路をさらに備え、
前記気体は、前記蒸発手段から、前記送風路を経て前記湿潤手段へと導入されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 湿度を検知する湿度検知手段と、
前記湿度検知手段の検知結果に応じて、前記送風路を遮断する遮断手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。 - 前記蒸発手段にて発生した、前記気体を回収するための回収器と、
前記回収器内の前記気体を、前記湿潤手段へと供給するための供給路と、
前記湿潤手段から前記回収器へと前記気体を回収するための回収路と、
前記回収器、前記供給路、前記湿潤手段、および前記回収路との間で、前記気体を循環させる循環手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 中間転写体と、
前記中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与する付与手段と、
前記中間転写体に対して、前記インクを吐出可能な記録ヘッドと、
前記付与された反応液と前記吐出されたインクとにより形成されたインク像に含まれる液体の一部を蒸発させる蒸発手段と、
前記液体の一部が蒸発したインク像の周囲の湿度を高めて、該インク像を湿潤させる湿潤手段と、
前記湿潤させられたインク像を記録媒体に接触させて、前記インク像を前記記録媒体に転写する転写手段と
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 中間転写体に対して、インクと反応する反応液を付与する工程と、
前記中間転写体に対して、記録ヘッドからインクを吐出する工程と、
前記反応液とインクで形成されるインク像に含まれる液体の一部を蒸発させる工程と、
前記蒸発によって発生した気体を、前記液体の一部が蒸発したインク像に付与して、該インク像を湿潤させる工程と、
前記湿潤させられたインク像を記録媒体に接触させて、前記インク像を前記記録媒体に転写する工程と
を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006163824A JP2007331169A (ja) | 2006-06-13 | 2006-06-13 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006163824A JP2007331169A (ja) | 2006-06-13 | 2006-06-13 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007331169A true JP2007331169A (ja) | 2007-12-27 |
Family
ID=38931115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006163824A Pending JP2007331169A (ja) | 2006-06-13 | 2006-06-13 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007331169A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009208422A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-17 | Seiko Epson Corp | 乾燥装置、記録装置 |
JP2009214495A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Fujifilm Corp | 塗布装置及びインクジェット記録装置 |
JP2010005502A (ja) * | 2008-06-24 | 2010-01-14 | Fujifilm Corp | 液体塗布方法、液体塗布装置、画像形成装置 |
EP2639653A2 (en) | 2012-03-16 | 2013-09-18 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Intermediate transfer belt of image recording device, method for making the same, and image recording device |
EP2774765A1 (en) * | 2013-03-08 | 2014-09-10 | Seiko Epson Corporation | Recording apparatus and recording method |
JP2020069704A (ja) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置 |
JP2020131682A (ja) * | 2019-02-26 | 2020-08-31 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット画像形成装置および画質調整方法 |
JP2020131683A (ja) * | 2019-02-26 | 2020-08-31 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット画像形成装置および画質調整方法 |
-
2006
- 2006-06-13 JP JP2006163824A patent/JP2007331169A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009208422A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-17 | Seiko Epson Corp | 乾燥装置、記録装置 |
JP2009214495A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Fujifilm Corp | 塗布装置及びインクジェット記録装置 |
US8109625B2 (en) | 2008-03-12 | 2012-02-07 | Fujifilm Corporation | Application apparatus and inkjet recording apparatus |
JP2010005502A (ja) * | 2008-06-24 | 2010-01-14 | Fujifilm Corp | 液体塗布方法、液体塗布装置、画像形成装置 |
EP2639653A2 (en) | 2012-03-16 | 2013-09-18 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Intermediate transfer belt of image recording device, method for making the same, and image recording device |
US8821665B2 (en) | 2012-03-16 | 2014-09-02 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Intermediate transfer belt of image recording device, method for making the same, and image recording device |
EP2774765A1 (en) * | 2013-03-08 | 2014-09-10 | Seiko Epson Corporation | Recording apparatus and recording method |
JP2014172285A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Seiko Epson Corp | 記録装置及び記録方法 |
US9302502B2 (en) | 2013-03-08 | 2016-04-05 | Seiko Epson Corporation | Recording apparatus and recording method |
JP2020069704A (ja) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置 |
JP7127485B2 (ja) | 2018-10-31 | 2022-08-30 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット記録装置 |
JP2020131682A (ja) * | 2019-02-26 | 2020-08-31 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット画像形成装置および画質調整方法 |
JP2020131683A (ja) * | 2019-02-26 | 2020-08-31 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット画像形成装置および画質調整方法 |
JP7342377B2 (ja) | 2019-02-26 | 2023-09-12 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット画像形成装置および画質調整方法 |
JP7443666B2 (ja) | 2019-02-26 | 2024-03-06 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェット画像形成装置および画質調整方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4834300B2 (ja) | インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 | |
JP2007331169A (ja) | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 | |
JP4006416B2 (ja) | インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 | |
JP4054721B2 (ja) | 画像形成方法および画像形成装置 | |
JP4006386B2 (ja) | 画像形成方法および画像形成装置 | |
JP5442550B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2009045794A (ja) | 画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP5269141B2 (ja) | インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 | |
JP2009083317A (ja) | 画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP2006082428A (ja) | 液体吸収部材及びインクジェット記録装置 | |
JP6492487B2 (ja) | 画像記録装置 | |
JP2006264080A (ja) | インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 | |
JP2006088486A (ja) | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 | |
JP5535833B2 (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP2005271401A (ja) | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 | |
JP2009119723A (ja) | インクジェット画像形成方法および形成装置 | |
JP5400658B2 (ja) | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 | |
US20090231405A1 (en) | Application apparatus and inkjet recording apparatus | |
JP5480661B2 (ja) | インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 | |
JP2008221529A (ja) | 記録物の製造方法および記録装置 | |
JP5457228B2 (ja) | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 | |
JP2010099968A (ja) | インクジェット記録方法及び装置 | |
JP5276384B2 (ja) | インクジェット記録方法及び装置 | |
JP2014233957A (ja) | 画像記録方法 | |
JP5393398B2 (ja) | 転写型インクジェット記録方法及び装置 |