JP7342377B2 - インクジェット画像形成装置および画質調整方法 - Google Patents

インクジェット画像形成装置および画質調整方法 Download PDF

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本発明は、インクジェット画像形成装置および画質調整方法に関する。
近年、紙、布帛等の種々の記録媒体に対して高精細な画像を記録する装置として、インクジェットヘッドからインクを吐出して記録媒体に印字するインクジェット方式による画像形成装置(以下、インクジェット画像形成装置という。)が広く普及している。
インクジェット画像形成装置において、インクジェットヘッドから吐出されるインクを中間転写ベルトなどの像担持体(中間転写体)に担持させ、該担持されたインクを転写ニップ部でインク像として記録媒体に転写する中間転写方式のものが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2018-122503号公報
ところで、中間転写方式のインクジェット画像形成装置では、中間転写体に形成(担持)されたインクドットは、粘度調整のためのプレ硬化の処理が行われた後に、転写部(転写ニップ)で挟持、押圧されながら記録媒体にインク像として転写される。このため、記録媒体に転写される最終的なインク像は、中間転写体の状態、インクの硬化(増粘)状態、転写ニップによる押圧力(転写圧)、記録媒体の種類、その他、様々な条件(例えば温湿度など)により影響を受ける。
加えて、記録媒体に転写される最終的なインク像の画質、例えばインク像の細線再現性は、装置の誤差等により変化する。総じて、インクジェット画像形成装置では、記録媒体に転写されて出力される最終的な画像の画質に影響を及ぼし得る種々の要因や誤差等が生じ得る。
かかる問題に関し、特許文献1の技術では、転写ベルトへの転写残インクの量に応じて、転写性向上液の付与量を調整する構成を採用している。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、主として転写性の向上を目的とするものであり、押圧後のインクドットの拡大度合い等の画質観点での制御を行っていないため、細線再現性等の最終的なインク像の画質を十分に確保できない。
本発明の目的は、最終的な画像の画質に影響を及ぼし得る種々の要因や誤差等が生じても、安定した画質を維持することが可能なインクジェット画像形成装置および画質調整方法を提供することである。
本発明に係るインクジェット画像形成装置は、
インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて記録媒体に転写する転写部と、
前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知するインク状態検出部と、
前記インク状態検出部の検知結果に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、
を備え、
前記インク状態検出部は、入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記インクのつぶれ状態を検知し、
前記インク状態検出部は、インクを前記記録媒体に転写した後の前記中間転写体上の残インクに基づいて、前記記録媒体上のインクの前記階調特性を推定する。
また、本発明に係るインクジェット画像形成装置は、
インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて記録媒体に転写する転写部と、
前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知するインク状態検出部と、
前記インク状態検出部の検知結果に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、
を備え、
前記インク状態検出部は、入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記インクのつぶれ状態を検知し、
前記中間転写体を押圧する押圧部材が備えられ、
前記インク状態検出部は、前記押圧部材により押圧され前記記録媒体に転写する前の前記中間転写体上のインクの前記階調特性を検出する。
また、本発明に係るインクジェット画像形成装置は、
インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて記録媒体に転写する転写部と、
前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知するインク状態検出部と、
前記インク状態検出部の検知結果に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、
前記中間転写体で担持された前記インクの粘度を前記転写部の上流側で調整する粘度調整部と、
前記転写部の転写圧を調整する転写圧調整部と、
を備え、
前記制御部は、前記制御パラメーターとして、前記粘度調整部の調整量、および、前記転写圧調整部の調整量の少なくとも一方を制御し、
前記インクは、活性エネルギー線を供給することによって粘度が増加するインクである。
本発明に係る画質調整方法は、
インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて転写部で記録媒体に転写するインクジェット画像形成装置における画質調整方法であって、
入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知し、
前記インクを前記記録媒体に転写した後の前記中間転写体上の残インクに基づいて、前記記録媒体上のインクの前記階調特性を推定し、
前記インクのつぶれ状態に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの前記階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する。
また、本発明に係る画質調整方法は、
インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて転写部で記録媒体に転写するインクジェット画像形成装置における画質調整方法であって、
入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知し、
前記中間転写体を押圧する押圧部材により押圧され前記記録媒体に転写する前の前記中間転写体上のインクの前記階調特性を検出し、
前記インクのつぶれ状態に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する。
本発明によれば、最終的な画像の画質に影響を及ぼし得る種々の要因や誤差等が生じても、安定した画質を維持することができる。
本実施の形態におけるインクジェット画像形成装置の概略構成図である。 図1のインクジェット画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 通常の印刷ジョブ実行時における処理を説明するフローチャートである。 図4Aおよび図4Bは、中間転写体にインクドットが着弾した後、押圧される前および押圧された後の状態を各々示す図である。 図5Aおよび図5Bは、細線再現性について説明する図であり、入力画像の形状および実際の出力画像の形状を各々示す一部切欠図である。 基準階調曲線と、画像センサーの検知結果に基づいて検出された階調曲線と、を比較して示す図である。 本実施の形態における画質調整に関する処理の一例を示すフローチャートである。 画像センサーの他の配置例を示す図である。 画像センサーのさらに他の配置例を示す図である。
以下、本実施の形態におけるインクジェット画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係るインクジェット画像形成装置1の概略構成を示す図である。また、図2は、インクジェット画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド102(図2を参照)が搭載されたヘッドユニット10と、像担持体または中間転写体としての転写ベルト20と、転写ベルト20を回転可能に張架する従動ローラー21,22および駆動ローラーとしての転写ローラー23と、記録媒体Pを搬送する搬送ドラム24と、装置全体の制御を行う制御部40(図2を参照)と、を備える。
また、インクジェット記録装置1は、転写ベルト20に吐出されたインクの粘度を調整する第1UV照射部25と、記録媒体Pに転写されたインクを硬化させる第2UV照射部26と、転写ベルト20をクリーニングするクリーニング部27と、画像センサー30と、転写ローラー23および搬送ドラム24を駆動する搬送駆動部51と、を備える。上記のうち、第1UV照射部25は、本発明の「粘度調整部」に対応する。また、画像センサー30および制御部40は、本発明の「インク状態検出部」に対応する。
なお、図示しないが、インクジェット記録装置1は、記録媒体Pを積載して搬送ドラム24に給送する給送部、画像が転写された記録媒体Pを搬送ドラム24の搬送方向下流側に排出する排出部、装置の状態を表示する表示部、等を備える。これらは公知の構成であるため、図示および説明を省略する。また、記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛またはシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
転写ベルト20は、上方に配置された従動ローラー21,22および下方に配置された転写ローラー23に架け渡されており、搬送駆動部51の転写モーター(図示せず)の駆動力が転写ローラー23に伝達されることにより、図1中の時計方向に回転する。一具体例として、転写ベルト20は、ポリイミド(PI)の基材上に、シリコンゴムの弾性層と、アルミニウム(Al)が蒸着された反射層と、ポリプロピレン(PP)の表層と、が積層された無端ベルトが用いられる。また、転写ローラー23の一具体例としては、直径100mmで、表層のゴム厚が10mmのゴムローラーが用いられる。
インクジェット画像形成装置1では、転写ベルト20は、制御部40の制御信号に基づいて上記の転写モーターが駆動され転写ローラー23が図1中の時計方向に回転することによって、時計方向に回転駆動される(図中の各矢印参照)。一具体例では、制御部40の制御の下、転写ベルト20が600mm/秒の速さ(印画速度)で回転するように、転写ローラー23の回転速度が制御される。
搬送ドラム24は、円柱面状の外周曲面(搬送面)上に記録媒体Pを保持した状態で図1の図面に垂直な方向(以下、「直交方向」と称する)に延びた回転軸の回りで回転することで、記録媒体Pを搬送面に沿った搬送方向に搬送する。具体的には、搬送ドラム24は、搬送ドラムモーター(図示せず)を備え、制御部40の制御によりかかるモーターが駆動されることにより、図1中の反時計方向に回転する。一具体例では、搬送ドラム24は、大型(例えば印刷機用3倍胴)の金属製ドラムが用いられる。
一具体例では、上述した転写ベルト20および搬送ドラム24は、800mmの幅すなわち軸方向の長さを有する。
転写ローラー23は、搬送ドラム24の上部に対向して配置され、転写ベルト20を介して搬送ドラム24を加圧する。また、転写ベルト20を挟んで、搬送ドラム24が転写ローラー23に圧接されることにより、転写ベルト20から記録媒体Pへインク像を転写する転写ニップNPが形成される。かかる転写ニップNPは、本発明の「転写部」に対応する。
一具体例では、転写ニップNPにおける加重ないし圧接力(以下、「転写圧」という)の初期値は、80Nに設定されている。また、転写圧は、制御部40の制御により、転写ローラー23が図1中の上下方向に僅かに移動することによって、変更可能となっている。一具体例では、転写ローラー23の軸が搬送駆動部51のソレノイド等(図示せず)に連結され、制御部40の制御の下、かかるソレノイド等が駆動されることにより、転写ローラー23の軸が図1中の下方または上方向に微小移動して、転写圧を80Nよりも高い又は低い値に変えることができる。かかるソレノイド等は、本発明の「転写圧調整部」に対応する。
ヘッドユニット10は、転写ベルト20に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から転写ベルト20に対してインクを吐出して画像を転写ベルト20に担持させる。搬送ドラム24は、転写ベルト20に担持された画像が転写ニップNPで記録媒体Pの所定の位置に転写されるように、記録媒体Pを搬送する。
本実施の形態におけるインクジェット記録装置1では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット10が転写ベルト20の回転方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
各ヘッドユニット10は、インクジェットヘッド102(図2を参照)を備える。インクジェットヘッド102には、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、ノズルとを各々有する複数の記録素子が設けられている。この記録素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズルからインクを吐出する。
インクジェットヘッド102に含まれるノズルの直交方向についての配置範囲は、搬送ドラム24により搬送される記録媒体Pのうち画像が記録される領域の直交方向の幅をカバーしている。ヘッドユニット10は、画像の記録時には搬送ドラム24の回転軸に対して位置が固定されて用いられる。すなわち、インクジェット記録装置1は、シングルパス形式のインクジェット記録装置である。
本実施の形態では、インクジェットヘッド102から転写ベルト20に吐出されるインクとして、転写ベルト20に供給される活性エネルギー線の量(この例では第1UV照射部25から出力される紫外線(UV:ultra violet)の光量)に応じて粘度が変化するインクが用いられる。具体的には、第1UV照射部25から照射される紫外線の光量が多いほど、粘度が高くなる性質のインクが用いられる。すなわち、このインクジェット画像形成装置1の画像形成部は、UV硬化型インクジェット方式を採用している。
第1UV照射部25は、転写ニップNPよりも上流側における転写ベルト20に紫外線(以下「UV光」という。)を照射するように配置されており、制御部40の制御の下、転写ベルト20に付着したインクをプレ硬化させる役割を担う。一具体例では、第1UV照射部25は、波長395nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が5mW/cmとされる。
第2UV照射部26は、転写ニップNPの下流側に搬送される記録媒体PにUV光を照射するように配置されており、制御部40の制御の下、第1UV照射部25によりプレ硬化され転写ニップNPにより転写されたインク(インク像)を本硬化させる役割を担う。一具体例では、第2UV照射部26は、波長395nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が10mW/cmとされる。
クリーニング部27は、従動ローラー21と転写ローラー23との間の転写ベルト20の表面に対向配置され、かかる転写ベルト20の表面を清掃するドライウェブを備える。クリーニング部27のドライウェブは、転写ベルト20に対して離接可能に構成されており、制御部40の制御により転写ベルト20に対して当接することにより、転写ベルト20の表面の残インク等を除去する。
画像センサー30は、本実施の形態では、転写ニップNPを通過した記録媒体Pにおける転写後のインク像を撮影し、かかる撮影データを制御部40に出力する。この例では、画像センサー30は、CMOS(Complementary MOS)センサーである。
次に、主として図2を参照して、インクジェット画像形成装置1における他の主要な機能構成を説明する。インクジェット画像形成装置1は、ヘッドユニット10が有するヘッド駆動部101およびインクジェットヘッド102と、制御部40と、搬送駆動部51と、入出力インターフェース52とを備える。
ヘッド駆動部101は、制御部40の制御に基づいてインクジェットヘッド102の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じて圧電素子を変形動作させる駆動信号を出力することにより、インクジェットヘッド102のノズルから画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)および記憶部44を有する。
CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種の演算処理を行う。また、CPU41は、インクジェット画像形成装置1の全体動作を統括制御する。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。なお、RAM42は、不揮発性メモリーを含んでいてもよい。
ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM43に代えて、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
記憶部44には、入出力インターフェース52を介して外部装置2から入力された印刷ジョブ(印刷枚数などの種々のユーザー設定情報を含む画像形成指示)および当該印刷ジョブに係る画像データが記憶される。記憶部44としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて搬送ドラム24の搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム24を所定の速度およびタイミングで回転させる。また、搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて転写ローラー23のモーターに駆動信号を供給して、転写ベルト20を所定の速度およびタイミングで回転させる。
入出力インターフェース52は、外部装置2と制御部40との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース52は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか、または、これらの組み合わせで構成される。
外部装置2は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース52を介して印刷ジョブおよび画像データ等を制御部40に供給する。
次に、図3のフローチャートを参照して、外部装置2から印刷ジョブおよび画像データ等を受信した場合に制御部40が実行する、通常の印刷ジョブに関する処理を説明する。
印刷ジョブ開始後のステップS10において、制御部40は、搬送ドラム24および転写ローラー23を駆動して、記録媒体Pの搬送を開始するように搬送駆動部51を制御する。
ステップS20において、制御部40は、受信された画像データおよびユーザー設定情報に基づいて、印画(画像形成)で使用する色のヘッドユニット10のインクジェットヘッド102から、転写ベルト20上にインクを吐出するようにヘッド駆動部101を制御する。かかる動作により、画像データに基づく画像が転写ベルト20上に形成(担持)される。
ステップS30において、制御部40は、転写ベルト20上の画像が第1UV照射部25の位置に来るタイミングで第1UV照射部25の出力(UV光量)を上述した強度に制御することにより、インク像のプレ硬化工程を実施する。
ステップS40において、制御部40は、所定のタイミングで記録媒体Pを転写ニップNPに搬送するように搬送駆動部51を制御して、プレ硬化された画像(インク)をインク像として記録媒体Pに転写させる。このとき、予め設定された転写圧でインクが押圧される(転写ニップNPで挟持される)ことにより、転写ベルト20上でプレ硬化したインクは、プレ硬化後のインク濃度および当該転写圧等に応じて全体的に広がったインク像として、記録媒体Pに転写される。
ステップS50において、制御部40は、インク像が転写された記録媒体Pが第2UV照射部26の位置に来るタイミングで第2UV照射部26の出力を制御することにより、インク像の本硬化工程を実施する。この後、記録媒体Pは、図示しない排出部に排出される。
ステップS60において、制御部40は、クリーニング部27に駆動信号を出力することにより、転写ベルト20上の残インク等をクリーニングする処理を実行する。
ステップS70において、制御部40は、印刷ジョブが終了したか否かを判定する。ここで、制御部40は、未だ印刷ジョブが終了していないと判定した場合(ステップS70、NO)、ステップS10に戻り、上述したステップS10~ステップS70の処理を繰り返し実行する。一方、制御部40は、印刷ジョブが終了したと判定した場合(ステップS70、YES)、一連の処理を終了する。
かくして、中間転写方式のインクジェット画像形成装置では、インクジェットヘッド102から吐出するインクの液量を抑えながら、インクを滲ませることなく記録媒体P上に平滑に広げることができるので、インクの節約を図ることができるメリットがある。
一方、中間転写方式のインクジェット画像形成装置では、使用するインクの種類等により、記録媒体Pが転写ニップNPを通過する前に、粘度調整部(この例では第1UV照射部25)により転写ベルト20上の画像(インク)の粘度を増加させるプレ硬化の工程が必要となる。
すなわち、転写ベルト20上のインクの粘度を高めることなく転写ニップNPでインク像として記録媒体Pに転写しようとすると、インクの種類等によっては、転写ニップNPの押圧力によってインクが潰れてしまう(記録媒体P上で広がり過ぎてしまう)問題がある。このため、本実施の形態のインクジェット画像形成装置1でも、インク像が転写ニップNPで転写される前に、第1UV照射部25からのUV光の照射によって、転写ベルト20上のインクの粘度をある程度増加させている。
一方で、かかるプレ硬化の工程では、印刷環境(転写ベルト20の状態、インクの硬化状態、転写圧などの転写条件)により、転写状態が変わり、最終的に記録媒体Pに印字されるインク像の画質は影響を受ける。また、使用する記録媒体Pの種類によっても、転写時におけるインクの滲みやすさ(浸透性)は異なる。
上記のような要因により、転写ベルト20に担持されたインク(画像)は、転写ニップNPで記録媒体Pに転写される場合に、転写後の画像の拡大率、或いは画像を構成するインクドットの形状や真円度が不安定化し、最終的なインク像の画質、特に細線再現性にバラつきが生じる原因となる。
この問題を、図4および図5を参照してより具体的に説明する。図4Aおよび図4Bは、転写ベルト20に着弾されたインクドットの押圧前の状態および押圧後の状態を各々模式的に示している。また、図5Aおよび図5Bは、細線再現性を説明するための図であり、図5Aには入力画像の形状を、図5Bには対応する出力画像(押圧後)の形状を、各々示す。
転写ベルト20を備えたインクジェット画像形成装置1では、図4Aと図4Bを比較して分かるように、記録媒体Pへの転写時の押圧でインクドットが押し広げられ、拡大することにより、画像の隠蔽率が上がる。このため、例えばベタ画像を形成するような場合、インクジェットヘッド102から吐出されるインクの液量を抑制しつつ、記録媒体Pへの転写時に転写ニップNPの押圧でより大きな径にインクを広げて、記録媒体Pに所望のベタ画像を形成しやすい等のメリットがある。
一方で、ベタ画像以外の種々の画像を記録媒体Pに形成しようとする場合、例えばインクの粘度が過度に低いと、転写ニップNPの押圧でインクドットが過剰に拡大し、この結果、画質が悪化する問題がある。この点、転写ベルト20に着弾されたインクの粘度が適度であっても、転写ニップNPでの押圧力が高すぎると、同様の問題が生じる。
特に、図5Aに示すように複数の細線が並んだような画像では、転写ニップNPの押圧によって記録媒体Pに転写された画像が幅方向に広がりすぎると、図5Bに示すように線同士の隙間が過度に狭くなり、各線が繋がって視認されてしまう、との細線再現性が悪化する問題がある。
このような問題に対処するために、第1UV照射部25の出力および転写ニップNPの転写圧を如何なる手法で制御するか、が重要な課題となる。すなわち、細線再現性(細線間の可視性)を確保するためには、転写時におけるインクドットのつぶれ状態を適切な(狙いの径となる)状態に納めるように、第1UV照射部25の出力および転写ニップNPの転写圧を制御する必要がある。
かかる問題に関し、上述のように、転写ベルト20への転写残インクの量に応じて、転写性向上液の付与量を調整する技術が知られているが、かかる技術では、押圧後のインクドットの拡大度合い等の画質観点での制御を行っていないため、細線再現性等の最終的なインク像の画質を十分に確保できない。
これに対して、本実施の形態では、転写ベルト20に担持され押圧されたインクのドットのつぶれ状態の検知を通じて階調特性の検出を行い、かかる検出結果に応じて、記録媒体Pに転写される際のインク像の階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御部40で制御することで、装置の誤差等がある場合でも細線再現性等の最終的なインク像の画質を安定して確保できるようにした。以下、本発明者らの知見および本発明における解決手段の原理等について説明する。
本実施の形態のインクジェット画像形成装置1では、転写ベルト20に吐出(担持)され押圧された(つぶれるように押し広げられた)後のインクないしインク像を画像センサー30で撮影し、かかる撮影画像を制御部40で解析することによって、当該インクの階調特性を検出する。
ここで、検出される「インクの階調特性」とは、「入力画像の濃度と、押圧されたインクの出力画像濃度との関係(比率など)」を意味する(図5Aおよび図5B参照)。
図1に示す例では、画像センサー30により撮影される対象は、転写ニップNPによって押圧されて画像が転写された記録媒体P(第1の記録媒体)上のインク像(第2UV照射部26で本硬化が行われる前の画像)である。画像センサー30により撮影される対象が異なる例については、図8および図9で後述する。
本実施の形態では、出力画像の画質、特に細線再現性を検知するために、画像センサー30および制御部40により、「インクのつぶれ状態」を検出する。
ここで、インクの「つぶれ状態」とは、押圧工程遂行後の液滴量あたりのインクの拡大度合いを意味する(図4Aおよび図4Bを参照)。かかる「つぶれ状態」を検知するために、本実施の形態では、入力画像の各階調(濃度)に対し、画像センサー30で検知された階調(濃度)の関係についての理想値としての基準曲線(基準階調曲線)を予め設定しておき、後述するインクないしインク像の階調特性(画像階調曲線)との差異を検出する手法を用いる。
なお、本実施の形態では、転写性が確保されていることを前提として「インクのつぶれ状態」のみを検知するものであり、インクの抜けやドットの抜け等の転写性に関する検知は行わない。
また、理想的には、画像センサー30で撮影されたインクのドット単位での形状や真円度など、個々のインクドットの状態(すなわちミクロ視点でのインク状態)を「つぶれ状態」として検出するとよい。
しかしながら、現実的には、インクドット単体の形状等を検出することは、コスト等の観点から容易ではない。また、実際に、後述する階調特性(画像階調曲線)を検知し、かかる検知結果に応じてインク濃度や転写条件を制御することにより、記録媒体に印刷されるインク像の細線再現性を十分に確保できることが分かった。
このため、本実施の形態では、画像センサー30および制御部40によるインクのつぶれ状態(すなわち階調特性)の検知結果に応じて、次に印字される記録媒体P(第2の記録媒体)に転写されるインクのつぶれ状態(階調特性)が規定の状態に近づくように、次に印字される記録媒体P(第2の記録媒体)に転写されるインクの粘度または転写条件を調整する制御を行う。
より具体的には、画像センサー30および制御部40は、押圧工程遂行後のインクの階調特性をつぶれ状態として検出し、制御部40は、検出された階調特性が、予め設定した基準階調特性(曲線)に近づく曲線となるように、制御パラメーターとして、インクの粘度および転写ニップNPの転写条件の少なくとも一方を制御する。
ここで、制御部40は、インクの粘度を調整するために、第1UV照射部25(粘度調整部)の出力を制御する。また、制御部40は、転写ニップNPの転写条件を調整するために、転写ローラー23による転写ニップNPへの転写圧を変える制御を行う。言い換えると、制御部40は、制御パラメーターとして、第1UV照射部25(粘度調整部)の調整量、および、転写ローラー23に接続されたソレノイド等(転写圧調整部)の調整量の少なくとも一方を制御する。
以下、図6を参照して、制御部40による制御内容について説明する。図6は、予め定めた基準階調曲線STCと、押圧工程遂行後に画像センサー30によって検出されたインクの階調特性(画像階調曲線TCおよびTC)と、を比較して示すグラフである。このグラフでは、入力画像データに含まれる階調成分(例えば256の画像階調)を横軸に示し、画像センサー30により、当該階調成分に対応して検出された出力画像階調(階調検出値)を縦軸に示している。
図6に示す画像階調曲線TCは、基準階調曲線STCと比較して、全ての階調で検出値が高い(言い換えると画像が「濃い」ないし「暗い」)ことが分かる。この場合、制御部40は、インクの各々のドット径が広がり過ぎているものと推定して、第1UV照射部25(粘度調整部)の出力(UV光の照射強度、以下同じ)を上述したデフォルト値よりも上げるように制御する。この結果、転写ニップNPに到達する際の転写ベルト20上のインクの粘度が高くなるので、次の記録媒体Pの印刷時には、画像センサー30によって検出される各画像階調での階調検出値が基準階調曲線STCに近づく。なお、付加的ないし代替的に、制御部40は、画像階調曲線TCを基準階調曲線STCに近づけるために、転写ニップNPの転写圧を下げる制御を行ってもよい。
一方、図6中に示すように、画像センサー30により検出された画像階調曲線TCは、基準階調曲線STCと比較して、全ての階調で検出値が低い(言い換えると画像が「薄い」ないし「明るい」)ことが分かる。この場合、制御部40は、インクの各々のドット径が基準の径まで広がっていないものと推定して、第1UV照射部25(粘度調整部)の出力をデフォルト値よりも下げるように制御する。この結果、転写ニップNPに到達する際の転写ベルト20上のインクの粘度が低くなるので、次の記録媒体Pの印刷時には、画像センサー30によって検出される各画像階調での階調検出値が基準階調曲線STCに近づく。なお、付加的ないし代替的に、制御部40は、画像階調曲線TCを基準階調曲線STCに近づけるために、転写ニップNPの転写圧を上げる制御を行ってもよい。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、本実施の形態における画質調整に関する処理の一例を説明する。なお、図7に示すフローチャートの処理は、検査用の画像を印字する際に実行され、例えば、通常の印刷ジョブの終了後や装置の起動時、あるいはメンテナンス実行時などの際に実行される。あるいは、図7に示す処理は、印字枚数が所定枚数(例えば1000枚)に達した場合や、装置の周囲の温湿度環境が急激に変わったときなど、インクの状態やインクの硬化状態が変化しやすいタイミングで行うことができる。
ステップS110において、制御部40は、検査用のテストパッチを生成する処理を行う。一具体例では、テストパッチは、例えば25%、50%、75%、100%のように、濃度ないし階調が段階的に変化(すなわちドット密度が段階的に増加)していく、異なる複数の濃度領域を持つ画像(以下、パッチ画像という)である。制御部40は、かかる複数の濃度の異なるパッチ画像のデータ(入力画像)をRAM42等から読み出して、YMCKの各々の色毎に生成する。
ステップS120において、制御部40は、生成されたテストパッチの各々のパッチ画像を各ヘッドユニット10(インクジェットヘッド102)から転写ベルト23上に印字する。この後、制御部40は、転写ベルト20上のパッチ画像が第1UV照射部25の位置に来るタイミングで第1UV照射部25の出力パラメーターを制御するとともに、記録媒体Pを転写ニップNPに搬送してパッチ画像を転写させる。パッチ画像を構成するインクは、転写ニップNPにより所定の転写圧で押圧されて、4色(YMCK)のパッチ画像として記録媒体Pに転写される。記録媒体Pに転写されたパッチ画像は、画像センサー30で撮像され、第2UV照射部26による本硬化の処理が行われる(ステップS50参照)。
ステップS130において、制御部40は、画像センサー30から出力される検出信号に基づいて、記録媒体Pに印字されたパッチ画像の階調特性の曲線(入力画像の濃度に対する出力の濃度の曲線)を検出し、画像階調曲線TC(図4参照)を生成し、生成した画像階調曲線TCをメモリに保存する。制御部40は、画像階調曲線TCの生成にあたり、適宜、補間等の処理を行ってもよい。
ステップS140において、制御部40は、生成された画像階調曲線(TC)を基準階調曲線STCと比較して、かかる画像階調曲線(TC)と基準階調曲線STCとの差異(乖離等)が許容範囲外であるか否かを判定する。
ここで、制御部40は、基準階調曲線STCとの差異(乖離等)が許容範囲内であると判定した場合(ステップS140、NO)、第1UV照射部25の出力および転写ニップNPの転写圧のパラメーター値が現在の設定で画像品質が担保できるものとみなして、処理を終了する。
一方、制御部40は、基準階調曲線STCとの差異(乖離等)が許容範囲外であると判定した場合(ステップS140、YES)、ステップS150に移行する。
ステップS150において、制御部40は、ステップS130で特定されたパッチ画像の画像階調曲線(TC)の階調値(画像センサー30による検出値、図4の縦軸参照)が、基準階調曲線STCの対応する値よりも大きいか否かを判定する。
ここで、制御部40は、パッチ画像の画像階調曲線(TC)の階調値が基準階調曲線STCの対応する値よりも大きい(図4の画像階調曲線TCを参照)と判定した場合(ステップS150、YES)、ステップS160に移行する。一方、制御部40は、パッチ画像の画像階調曲線(TC)の階調が基準階調曲線STCの対応する値よりも小さい(図4の画像階調曲線TCを参照)と判定した場合(ステップS150、NO)、ステップS170に移行する。
ステップS160において、制御部40は、第1UV照射部25の出力(照射されるUV光量)を上げる、または転写ニップNPの転写圧を下げるように、これら各部の制御パラメーターを変更する。一方、ステップS170において、制御部40は、第1UV照射部25の出力を下げる、または転写ニップNPの転写圧を上げるように、これら各部の制御パラメーターを変更する。これら変更された制御パラメーターは、RAM42または記憶部44に保存される。
制御部40は、ステップS160またはステップS170の処理を実行した場合、上述したステップS110に戻って上述した処理を再度実行し、基準階調曲線STCとの差異(乖離等)が許容範囲内である(ステップS140、NO)と判定されるまで、各処理を繰り返す。
なお、制御部40は、ステップS160またはS170の調整(制御パラメーターの変更)の処理をN回(Nはユーザー設定値)実行したにもかかわらず、後に印字および検出されたパッチ画像の画像階調曲線(TC)における基準階調曲線STCとの乖離が許容範囲内である(ステップS140、NO)との判定が得られない場合、以下の処理を行う。この場合、制御部40は、装置の寿命または異常があるものとみなし、その旨および印刷ジョブで印字される画質の悪化が想定されるため、サービスマン等によるメンテナンス作業を行うようにユーザーに促す表示を行う。
このような制御を行う本実施の形態によれば、最終的な画像の画質に影響を及ぼし得る種々の要因や誤差等が生じても、安定した画質を維持することができる。また、本実施の形態によれば、低コストかつ簡易な処理でありながら、印刷ジョブで記録媒体Pに転写される最終的なインク像の画質、特にインク像の細線再現性を維持ないし向上させることができる。したがって、本実施の形態によれば、線形再現性を確保した高画質の画像を安定して得ることができる。
上述した構成例では、画像センサー30は、転写ニップNPを通過してインク像が転写された記録媒体P上のインクを撮影する構成とした。なお、画像センサー30の配置または撮影対象は、これに制限されない。以下、図8および図9を参照して、画像センサー30の配置等の他の例について説明する。
図8は、インクジェット画像形成装置の第2の構成例を示す概要図である。図8中、図1に示す構成と同等の構成には同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。この点、後述する図9も同様である。
図1と比較して分かるように、図8に示すインクジェット画像形成装置1Aは、画像センサー30の配置が図1の例とは異なっており、他は同等の構成である。具体的には、インクジェット画像形成装置1Aの画像センサー30は、転写ベルト20から記録媒体Pにインク像(パッチ画像)を転写した後の転写ベルト20上の残インクを撮影する向きに配置されている。
そして、このインクジェット画像形成装置1Aでは、ステップS130において、制御部40は、画像センサー30で撮影された転写ニップNPの下流側における転写ベルト20上のパッチ画像の残インクの状態(画像階調)から、記録媒体Pに転写されたインク像の階調特性を推定する。この場合、上述したパッチ画像を転写するために用いる記録媒体Pとして、転写されにくい性質を有する媒体(例えば表面が荒れている用紙など)を使用するとよい。
図9は、インクジェット画像形成装置の第3の構成例を示す概要図である。
図1と比較して分かるように、図9に示すインクジェット画像形成装置1Bは、画像センサー30の配置が図1の例とは異なっており、かつ転写ニップNPの上流側かつ第1UV照射部25の下流側で転写ベルト20を押圧する押圧部材としての押圧ローラー29が加えられている。ここで、押圧ローラー29は、転写ベルト20のインクが付着(転移)しにくい材質のものが用いられる。また、押圧ローラー29は、転写ベルト20に対して離接可能であり、制御部40の制御により転写ベルト20に対する押圧力を可変できるようになっている。
このような構成のインクジェット画像形成装置1Bでは、転写ベルト20上に付着し第1UV照射部25によりプレ硬化されたインクを、押圧ローラー29および転写ニップNPの2箇所で押圧し広げることができる。このため、インクジェット画像形成装置1Bによれば、例えば記録媒体Pの種類等により転写ニップNPの転写圧を余り高くできないような場合でも、当該足りない分の押圧力を押圧ローラー29の押圧力により補うことができる。
また、インクジェット画像形成装置1Bでは、画像センサー30は、転写ベルト20上に付着されたテスト用のパッチ画像が押圧ローラー29により押圧された後、かつ、当該画像が転写ニップNPに到達する前の状態を撮影するように配置されている。
かかる構成を有するインクジェット画像形成装置1Bでは、制御部40は、上述したステップS160(またはステップS170)で、転写ニップNPの転写圧を下げる(または上げる)処理に代えて、押圧ローラー29の押圧力を下げる(または上げる)ように制御(制御パラメーターの変更)を行えばよい。
上述した実施の形態では、画像センサー30をCMOS(Complementary MOS)センサーとした場合について説明した。他の例として、画像センサー30は、CCD(Charge Coupled Device)などのセンサーであってもよい。さらに、転写ベルト20が有色の場合等により、これらの画像センサー30でインク像の取り込みが難しい場合には、画像センサー30に代えて、転写ベルト20の表面とインク表面の光沢の差を計測する光沢度計を用いた構成としてもよい。この場合、制御部40は、かかる光沢度計で計測した光沢度データを用いて、押圧後のインクの階調特性(ひいてはドット状態)を推定する。
上述した実施の形態では、インクジェットヘッド102から吐出されるインクとして、当該インクに照射される紫外線(第1UV照射部25および第2UV照射部26から出力されるUV光)に応じて粘度が変わる性質のインクを用いる場合について説明した。
他の例として、UV光以外の他の活性エネルギー線(例えば電子線)が照射されることによって粘度が増加する性質のインクを用いてもよい。この場合、第1UV照射部25および第2UV照射部26は、電子線を照射する電子線発生源を備える構成とすればよい。
他の例として、転写ベルト20への加熱量を変えることによって粘度が変わる性質のインクを用いてもよい。例えば、常温でゲル状であり加熱されることによりゾル状となるインクの場合、加熱するに従って粘度が低くなる。この場合、第1UV照射部25および第2UV照射部26は、ヒーターやハロゲンランプなどの加熱源を備える構成とすればよい。
一方、溶媒として水を含むインクを使用する場合、加熱するに従って水が蒸発して粘度が高くなる。この場合、第1UV照射部25および第2UV照射部26は、上記の加熱源や、当該インク中の水を蒸発させるための気流(風)を発生するエアナイフなどの、送風温度を調節することでインク像の転写特性を制御できるものを用いることができる。また、インク中の水を含む溶剤を除去できるものであれば、上記の構成に限らず、他にも例えば、多孔質体をインク像に接触させて水を含む溶剤を吸収する部材や、水を含む溶剤を絞りとるスキージブレード・ローラーなどを用いてもよい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1,1A,1B インクジェット画像形成装置
10 ヘッドユニット
20 転写ベルト(中間転写体)
21,22 従動ローラー
23 転写ローラー
24 搬送ドラム
25 第1UV照射部(粘度調整部)
26 第2UV照射部
27 クリーニング部
29 押圧ローラー
30 画像センサー(インク状態検出部)
40 制御部(インク状態検出部)
51 搬送駆動部
102 インクジェットヘッド
NP 転写ニップ(転写部)
P 記録媒体
STC 基準階調曲線
TC,TC 検出された画像階調曲線

Claims (14)

  1. インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて記録媒体に転写する転写部と、
    前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知するインク状態検出部と、
    前記インク状態検出部の検知結果に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、
    を備え、
    前記インク状態検出部は、入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記インクのつぶれ状態を検知し、
    前記インク状態検出部は、インクを前記記録媒体に転写した後の前記中間転写体上の残インクに基づいて、前記記録媒体上のインクの前記階調特性を推定する、
    インクジェット画像形成装置。
  2. インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて記録媒体に転写する転写部と、
    前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知するインク状態検出部と、
    前記インク状態検出部の検知結果に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、
    を備え、
    前記インク状態検出部は、入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記インクのつぶれ状態を検知し、
    前記中間転写体を押圧する押圧部材が備えられ、
    前記インク状態検出部は、前記押圧部材により押圧され前記記録媒体に転写する前の前記中間転写体上のインクの前記階調特性を検出する、
    インクジェット画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記中間転写体に階調の異なる複数のインク像を担持させるように前記インクジェットヘッドを制御し、
    前記インク状態検出部は、前記複数のインク像に基づく前記階調特性を検出する、
    請求項1または2に記載のインクジェット画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記インク状態検出部により検出された前記階調特性が基準階調特性に近づくように、前記制御パラメーターを制御する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のインクジェット画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記制御パラメーターとして、前記中間転写体に担持された前記インクの粘度、および、前記転写部の転写条件の少なくとも一方を制御する、
    請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置。
  6. インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて記録媒体に転写する転写部と、
    前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知するインク状態検出部と、
    前記インク状態検出部の検知結果に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、
    前記中間転写体で担持された前記インクの粘度を前記転写部の上流側で調整する粘度調整部と、
    前記転写部の転写圧を調整する転写圧調整部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記制御パラメーターとして、前記粘度調整部の調整量、および、前記転写圧調整部の調整量の少なくとも一方を制御し、
    前記インクは、活性エネルギー線を供給することによって粘度が増加するインクである、
    インクジェット画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記制御パラメーターの制御を、印刷ジョブを実行していない期間に行う、
    請求項1からのいずれかに記載のインクジェット画像形成装置。
  8. 前記粘度調整部は、前記中間転写体に供給する活性エネルギー線の量を変えることによって前記インクの粘度を調整する、
    請求項に記載のインクジェット画像形成装置。
  9. 前記活性エネルギー線は紫外線である、
    請求項6に記載のインクジェット画像形成装置。
  10. 前記活性エネルギー線は電子線である、
    請求項6に記載のインクジェット画像形成装置。
  11. 前記インクは、溶媒として水を含むインクである、
    請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット画像形成装置。
  12. 前記粘度調整部は、前記中間転写体に供給する熱量を変えることによって前記インクの粘度を調整する、
    請求項記載のインクジェット画像形成装置。
  13. インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて転写部で記録媒体に転写するインクジェット画像形成装置における画質調整方法であって、
    入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知し、
    前記インクを前記記録媒体に転写した後の前記中間転写体上の残インクに基づいて、前記記録媒体上のインクの前記階調特性を推定し、
    前記インクのつぶれ状態に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの前記階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する、
    画質調整方法。
  14. インクジェットヘッドから吐出されたインクを中間転写体に担持させて転写部で記録媒体に転写するインクジェット画像形成装置における画質調整方法であって、
    入力画像の各階調に対する押圧されたインクの出力画像濃度との関係を示す階調特性を検出することによって、前記中間転写体に担持され押圧されたインクのつぶれ状態を検知し、
    前記中間転写体を押圧する押圧部材により押圧され前記記録媒体に転写する前の前記中間転写体上のインクの前記階調特性を検出し、
    前記インクのつぶれ状態に応じて、前記記録媒体に転写される際のインクの階調特性に影響を与える制御パラメーターを制御する、
    画質調整方法。
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