JP2006168352A - インクジェット記録装置、インク吸収体の製造方法およびインク吸収体 - Google Patents

インクジェット記録装置、インク吸収体の製造方法およびインク吸収体 Download PDF

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Abstract

【課題】凝集する性質を有するインクを速やかに吸収可能なインク吸収体を設けることにより、記録装置内部や記録媒体105の裏面等を汚染することなく、各吸収体の収容能力や役割を充分に発揮させることが可能なインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクに含有される色材の凝集を抑制する性質を有する凝集阻害材を含有し、当該インクを吸収するためのインク吸収体17を具備する。これにより、吸収体表面あるいは内部における色材の凝集が抑制され、色材が吸収体内部へと速やかに且つ一様に吸収される。よって、吸収体表面における色材の堆積や、吸収能力の低下に伴う弊害が緩和され、画像の出力を好適な状態に維持していくことが可能となる。
【選択図】図12

Description

本発明は、所定の環境で凝集する性質を有する色材を含有したインクを用い、これを記録媒体に付与することによって画像を形成するインクジェット記録装置に関する。特に、記録装置内部に設けられた様々なインク吸収体における、当該色材の凝集に起因する不具合を抑制するための構成に関する。
コンピュータやワードプロセッサ、複写機などのOA機器の発展に伴い、これらの機器の情報を出力するための記録装置も数多く提供されている。中でも、インクジェット記録方式を採用した記録装置は、記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録でき、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することが出来る。また、ランニングコストが安く、騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してフルカラー画像を記録することが比較的容易に実現できる等、様々な利点を有している。よって、今やパーソナルユーザを含めた、幅広く市場に普及している。
このような普及は、インクジェット記録装置に対する様々な要求をユーザから生み出すことにも繋がる。特に近年では、発色性の高い状態のまま、耐水性や耐光性のような強い画像堅牢性を求める声が高まりつつある。画像堅牢性を高めるためには、専用紙としての記録媒体に工夫を加えることも1つである。しかし、普通紙を含む様々な種類の記録媒体であっても、安定して高い画像堅牢性を維持するためには、インク自体に上記目的を達成させるための特徴を持たせることがより有効である。よって、このようなインクの開発、およびその適用方法などが、近年数多く提案されている。
例えば、特許文献1においては、従来一般的に用いられてきた染料インクに加えて、顔料を色材として含有するインクの開発およびこれを用いた種々の記録方法が開示されている。顔料を含有するインクは、染料を色材として含有するインクに比べて、色材が凝集した状態で記録媒体の表面に留まりやすい。よって、色材の発色性が充分に発揮され、また、太陽光線やオゾンによる褪色も起こり難いなどの特徴を有している。上記文献によれば、このような顔料インクの優位点と、染料インクの優位点と併用して活用するために、記録媒体の種類や出力する画像の種類に応じて、これら種類の異なるインクを使い分ける方法が開示されている。例えば、顔料ベースの低浸透性のブラックインクと、染料ベースの高浸透性のカラーインクとを用意しておき、記録媒体の種類や画像の種類に応じて、ブラック画像をブラックインクで記録したり、カラーインクの混色によって記録したりする内容が記載されている。また、カラーインクによって下打ちした上にブラックインクを重ねて記録したりする記録方法も記載されている。
また、発色性や画像堅牢性を高めるための別の方法として、色材を含有する着色インクと反応して色材を不溶化または凝集させる反応液を用いる構成も、いくつか提案されている。例えば、特許文献2においては、記録前の記録媒体上に、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のポリマーの溶液を付与し、その後、着色インクを記録する方法が開示されている。また、特許文献3には、1分子当り2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体を記録媒体に付与した後、アニオン染料を含有した着色インクを記録する方法が開示されている。特許文献4には、コハク酸等を含有した酸性液体を記録媒体に付与した後に、着色インクを記録する方法が開示されている。特許文献5には、染料を不溶化する液体を、当該染料を含有した着色インクの記録前に付与する方法が開示されている。特許文献6には、多価金属イオンが含有された反応液を、着色インクの記録前に付与する方法が開示されている。
更に、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13においては、相互反応性を示すブラックインクとカラーインクの着色インクのセットが開示されている。ここでは、カラーインクの少なくとも1つがブラックインクと相互反応性を示し、他のインクがブラックインクと非反応性を示す内容が開示されている。
以上列挙した反応液を用いる方法は、いずれも色材を有する着色インクと化学反応を起こすことによって、これを凝集させるところに特徴がある。すなわち、近年のインクジェット記録装置においては、顔料、染料を問わず、また、凝集を引き起こすために反応液を必要とするか否かに問わず、色材を凝集させた状態で記録媒体表面に残留・定着させることによって、好適な発色性や画像堅牢性を実現している。
一方、インクジェット記録装置に対しては、銀塩写真に見合う画像品位や取り扱いも求められている。近年では、記録媒体の最端部にまで画像を記録する、いわゆる「余白なし記録」を実現するものも多く提供されて来ている。
従来、インクジェット記録装置において、記録媒体の最端部にまで画像を形成することは、記録装置に大きなリスクをかけることになっていた。最端部からはみ出したインクが記録装置内部を汚染したり、汚染された記録装置に新たな記録媒体が搬送されてきたときに、これを2次的に汚染してしまったりなど、様々な弊害が生じるからである。また、記録媒体の最端部までインクを吸収させることにより、記録媒体の搬送精度が低下し、記録媒体が装置内に詰まってしまうなどの問題も生じやすくなるからである。
しかしながら、上記問題を克服し「余白なし記録」を実現するための構成および方法は、例えば特許文献14や特許文献15などによって既に提案されている。特許文献14によれば、記録媒体の側端部に対する「余白なし記録」を実現するための構成が開示されている。同文献によれば「媒体の搬送方向と直交する方向に対し、記録媒体の大きさに応じて移動可能に設けられ、上記記録媒体の側端部より内側に設けられた案内手段と、該案内手段の記録媒体の搬送方向と直角な方向の外側に、該案内手段と隣接して設けられてなる、記録ヘッドからのインクを受容するインク受け手段を有するインクジェット記録装置」が開示されている。すなわち、様々な幅を有する記録媒体に「余白なし記録」を実施する場合であっても、記録媒体の側端部からはみ出して吐出されたインクはインク受け手段によって収容されることにより、装置内部の汚染は極力抑えられる構成となっている。
また、特許文献15においては、記録媒体の先端部および後端部に対する「余白なし記録」を実現するための構成が開示されている。同文献によれば、記録媒体の記録時の位置を規制するプラテン面に穴を設け、記録媒体の先端あるいは後端を印刷する際に、端部から外れて打ち捨てられたインクを当該穴に導くような構成が開示されている。そして、この穴の中に不要となったインクを吸収するための吸収体を設置する内容も記載されている。いずれにせよ、記録媒体の最端部からはみ出して吐出されたインクを、機内を汚染せずに収容する仕組みが、「余白なし記録」の重要な課題の1つとなっている。
特開平11−227229号公報 特開昭56−89595号公報 特開昭63−29971号公報 特開昭64−9279号公報 特開昭64−63185号公報 特開平5−202328号公報 特開平6−106841号公報 特開平9−11850号公報 特開平11−334101号公報 特開平11−343441号公報 米国特許第5,428,383号明細書 米国特許第5,488,402号明細書 米国特許第5,976,230号明細書 特開平10−128964号公報 特開2000−351205号公報
しかしながら、インクジェット記録装置において、上述した様なインクを用いた場合、記録媒体上での画像品位を向上させることは出来ても、記録装置内でのインクの取り扱いについては、新たな不具合が生じてしまうことがあった。以下にその一例を説明する。
インクジェット記録装置においては、装置内でインクを取り扱う構成上、その内部にはインクを吸収するための材料が、様々な形態で備えられている。たとえば、記録ヘッドの回復動作によって記録ヘッドから排出されたインクを収容するための廃インク吸収体も、その1つである。また、吐出状態を安定させるために行う予備吐出を受ける予備吐パットも、その1つである。更に、上述したような、「余白なし記録」を実行する際に、記録媒体の最端部からはみ出して吐出されたインクを受けるインク吸収体も、その1つである。このように、装置の各所に配置された吸収体は、受け取ったインクを速やかに吸収することが前提であり、これを目的として材料も選択されている。迅速で確実な吸収により、インク滴が機内に分散することを抑制できるからである。
しかしながら、上述した様な凝集する性質を有するインクを用いた場合には、一般的な染料インクのように、速やかな吸収は行われ難くなる。このようなインクは、色材が染料の様に水に溶解してイオン化しているのではなく、溶液中に分散している状態であり、吸収体に付着しても水分が吸収されていくような速やかな吸収は起こらないからである。以下に、凝集する性質を有するインク例として顔料インクを用い、この顔料インクと染料インクとで「余白なし記録」を実行する際に、本発明者らが確認した現象とその問題について説明する。
図13は、インク吸収体に向けて染料インクを吐出した場合の説明図である。図において、1は記録ヘッドである。記録ヘッド1から吐出されるインクは、従来公知のインクジェット用の水系染料インクである。染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料等の水溶性染料等が挙げられる。2はインク吸収体であり、従来公知の多孔質体であれば何れも適用することができる。例えば、セルロース、レーヨン、アクリル、ポリウレタン、ポリエステル等の繊維を、単独若しくは組み合わせてフィブリル化や親水処理等させたものを積層させたものや、多孔質ポリエチレンやメラミンフォーム等が挙げられる。このようなインク吸収体2とインクの組み合わせであれば、染料インクは速やかにインク吸収体に吸収され、図中斜線部で示したように、インクがインク吸収体2の内部へと浸透して行く。
図14は、上記と同様のインク吸収体に顔料インクを吐出した場合の説明図である。顔料インクとしては、従来公知のインクジェット用の顔料インクであればいずれも適用することが出来る。このような顔料インクとインク吸収体の組み合わせの場合、液媒体等のインク成分の一部はインク吸収体2に浸透する。しかし、顔料粒子はインク吸収体2上に残存し、吸収されないインク成分として堆積部を形成する。すなわち、図の斜線部で示したように、浸透した部分とインク吸収体上に堆積する部分に分かれてインクが定着する。
以上では顔料インクを例に説明したが、吸収体におけるこのようなインクの挙動は、色材が凝集する性質を有するインクであれば、同様に確認できる。たとえば、色材として顔料を主体としながら、色調整用等の目的で溶解性の高い染料等の色材を含ませて、染料と顔料とを混在させたインクであっても同様である。また、色材が染料であっても、これと反応する反応液を用意し、化学反応を起こすことによって、色材の凝集を促すような構成であっても同様である。
「余白なし記録」実行時の吸収体や、予備吐パッドにおいては、上述したような吸収体表面におけるインクの堆積は、記録装置の記録枚数や電源投入時間に応じて増加していく。そして、吸収体の表面が堆積部で覆われてしまうと、その後吸収体に到着したインク滴は、吸収体に受容されることが出来なくなる。結果、吸収体表面で跳ね返ったインクが、機内を汚染するという弊害も生じる。更に、「ふちなし記録」を多数枚行なった場合には、インク堆積部が記録媒体の搬送経路にまで達し、記録媒体の裏面部を汚染してしまう弊害も確認されている。また、インク堆積部が記録媒体の搬送経路に突出し、用紙端部が引っ掛かり、これが搬送不良の原因になることも確認されている。
一方、廃インク吸収体の場合には、輸送されて来たインクが、吸収体の表面あるいは内部で凝集し、輸送がスムーズに運ばなくなるという弊害が生じる。
図15(a)および(b)は、上記弊害を説明するための模式図である。ここでは、着色インクと、これと反応して色材を凝集させるための反応液を用いた例を示している。図において、着色インク、K、C、M、Yの廃液は、チューブ1521から廃インク吸収体1531に輸送・吸収される。一方、反応液は、チューブ1522から着色インクと同じ廃インク吸収体1531に吸収される。この際、2種類の廃液は、廃インク吸収体1531の内部で混合し、化学反応を起こす。結果、両者の混合部において、凝集物や不溶化物によってインクが滞留する領域1553が生成される。この滞留領域1553は、記録装置使用開始当初は、図15(a)のように狭い領域であるが、記録動作や吸引回復動作の回数を重ねるに連れ、図15(b)に示すように徐々に拡大していく。そして、最終的には、廃インク吸収体1531の流入口は、事実上閉塞された状態となり、吸引動作に不具合を起こす結果となる。また、たとえ容量の大きな吸収体を用意しても、吸収体内部に一様に浸透されないので、その効力を発揮することが出来ず、インク収容能力が低下してしまう。
なお、廃インク吸収体におけるこのような問題は、反応液を備えずとも、顔料インクを用いた場合において、多かれ少なかれ発生する問題であった。顔料インクも、色材が凝集する傾向にあるという点においては、上記反応液を用いた場合と類似しているからである。
以上説明したように、画質を向上させるために凝集する性質を有するインクを用いたインクジェット記録装置においては、記録装置内の各所に備えられたインク吸収体の吸収能力が低下し、その役割を充分に果たせない状況が発生していた。
本発明は上記の様々な問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、記録装置内部や記録媒体の裏面等を汚染することなく、各吸収体の収容能力や役割を充分に発揮させることが可能なインクジェット記録装置を提供することである。
そのために本発明においては、色材を含有するインクを記録ヘッドより吐出して記録を行うためのインクジェット記録装置であって、前記インクに含有される色材の凝集を抑制する凝集阻害材を含有し、前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収する少なくとも1つのインク吸収体を具備することを特徴とする。
また、色材を含有するインクを記録ヘッドより吐出して記録を行うためのインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収するインク吸収体と、該インク吸収体に対して、前記インクに含有される色材の凝集を抑制する凝集阻害材を付与する付与手段とを具備することを特徴とする。
更に、請求項1に記載のインクジェット記録装置に適用するためのインク吸収体の製造方法であって、前記凝集阻害材を含有する溶液中にインク吸収体を浸漬する工程と、前記浸漬されたインク吸収体を乾燥させる工程とを有することを特徴とする。
更にまた、前記製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、吸収体表面あるいは内部における色材の凝集が抑制され、色材が吸収体内部へと速やかに且つ一様に吸収される。これにより、吸収体表面における色材の堆積や、吸収能力の低下に伴う弊害が緩和され、画像の出力を好適な状態に維持していくことが可能となる。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に適用可能なシリアル型のインクジェット記録装置の斜視図である。インクジェット記録装置100の給紙位置に挿入された記録媒体105は、搬送ローラ106によって矢印P方向に送られ、記録ヘッド104の記録可能領域へ搬送される。記録可能領域における記録媒体105の下部にはプラテン107が設けられている。プラテン107は、記録ヘッド104によって記録が実行される領域において、記録媒体105を下側から支持している。但し、記録部の真下に位置する部分には穴が開けられており、その内部には、「余白なし記録」を実行した際にはみ出したインクを吸収するためのインク吸収体が収められている。記録部における詳細については、後述する。
キャリッジ101は、2つのガイド軸102と103によって、それらの軸方向に沿う方向に移動可能となっており、記録領域を主走査方向であるQ1、Q2方向に往復走査する。キャリッジ101に搭載された記録ヘッド104は、複数色のインクを吐出可能な吐出口、複数色のインクを収容するインクタンクを含む構成であり、図において吐出口は下側を向いている。キャリッジ101が、Q1またはQ2方向に走査しながら記録を行う記録主走査と、記録媒体105を所定量ずつ搬送する副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体に順次画像が形成されていく。
キャリッジ走査領域の最端部には、記録ヘッドのメンテナンス手段109が設けられている。メンテナンス手段109には、記録ヘッドの吸引回復手段、キャッピング手段、予備吐出受け部、ワイピング手段などが配備されている。メンテナンス処理を実行する際、キャリッジ101は記録ヘッド104を、メンテナンス手段109の真上まで走査する。その後、位置決めされた記録ヘッド104に対し、各手段が記録ヘッドに対する処理を施す。
吸引動作時に利用されるポンプ、チューブ、廃インク吸収体などは、記録装置本体の下部に格納されている。また、予備吐出受け部の内部には予備吐出されたインクを吸収するための予備吐パッドが収められている。吸引回復手段の詳しい構成については、後述する。
108は、スイッチ部及び表示部である。スイッチ部は記録装置の電源のオン/オフや各種記録モードの設定等に使用され、表示部は記録装置の状態を表示する。
図2は、図1で説明したインクジェット記録装置100の制御系の構成を説明するためのブロック図である。図において、401は受信バッファである。受信バッファ401は、外部に接続されたホストコンピュータから記録すべき文字や画像のデータなどを受信し、これをCPU402に転送する。また、データが正しく受信されているか否かの情報や、記録装置100の動作状態を知らせる情報も、受信バッファ401を介してホストコンピュータ140に通知される。
受信バッファ401が受信した画像データは、CPU402の管理下においてメモリ部403に転送される。メモリ部403は、受信した画像データを一時的に格納する。
機械コントロール部404は、CPU402の指令により、キャリッジモータや搬送モータ等の機械部405を駆動制御する。センサ/SWコントロール部406は、各種センサやSW(スイッチ)からなるセンサ/SW部407からの信号を、CPU402に転送する。表示素子コントロール部408は、CPU402からの指令により、表示パネル群のLEDや液晶表示素子等からなる表示部409を制御する。記録ヘッドコントロール部410は、CPU402からの指令により、記録ヘッド104を制御する。また、記録ヘッドコントロール部410は、記録ヘッド104の状態を示す温度情報等を検出して、それらをCPU402に転送する。
図3は、本実施形態に適用可能なインクジェット記録ヘッドの要部を模式的に示した概略斜視図である。図において、934は基板であり、本実施形態においては、ガラス、セラミックス、プラスチック或いは金属等から構成されている。但し、このような基板の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、インク吐出エネルギ発生素子、及び後述する液流路、吐出口を形成する材料層の支持体として、機能し得るものであれば特に限定されるものではない。本実施形態では、Si基板(ウエハ)を用いた場合として説明する。
基板934上にはインク吐出口が形成される。その方法としては、レーザー光による形成方法の他、例えば、後述するオリフィスプレート(吐出口プレート)935を感光性樹脂として、MPA(Mirror ProjectionAliner)等の露光装置を用いる方法であってもよい。
基板934には、複数の電気熱変換素子(以下、ヒータと記述する場合がある)931や、共通液室部としての長溝状の貫通口からなるインク供給口933が形成されている。熱エネルギ発生手段である複数のヒータ931は、インク供給口933の長手方向の両側に、それぞれ例えば600dpi(ドット/インチ)に相当する間隔で配置されている。2つの列は、y方向において互いに半ピッチずれた状態になっており、結果的にこの2列でy方向に1200dpiの密度でドットを記録することが可能な構成となっている。
基板934の上には、各ヒータに対応した位置にインクを導くためのインク流路壁936が設けられている。更にインク流路壁936の上には、各ヒータに与えられたエネルギによって、インク滴が吐出するための吐出口832を備えるオリフィスプレート935が設けられている。オリフィスプレート935の吐出口面側(935a)は、撥水処理が施されている。それぞれのヒータ931には、10KHzの駆動周波数で電圧パルスが印加され、各吐出口からは、約100μs毎に吐出を行うことが可能となっている。
図4〜11は、実際の吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。ここでは、図3で説明した記録ヘッドの、X−X断面図として示している。
図4は、ヒータ931に電圧パルスを印加し、ここに膜状の気泡が生成した状態を示している。図5は、図4で示した状態の約1μs後、図6は約2μs後、図7は約3μs後、図8は約4μs後、図9は約5μs後、図10は約6μs後、図11は約7μs後の状態をそれぞれ示している。尚、以下の説明において、「落下」、「落とし込み」または「落ち込み」とは、いわゆる重力方向への落下という意味ではなく、ヘッドの取り付け方向によらず、電気熱変換素子の方向への移動を示すものとする。
記録信号に基づいた通電が開始されると、ヒータ931上の液流路1338内には、気泡1001が生成される。気泡1001は、1μs後には図5、2μs後には図6に示すように、急激な体積膨張を遂げる。気泡1001が最大体積になった時、その高さは吐出口面935aを上回る。この時の気泡1001の圧力は、大気圧の数分の1から10数分の1となっている。
気泡1001の生成から約2μs後の時点で、気泡1001は体積減少に転じ、ほぼ同時にメニスカス1002の形成も始まる。メニスカス1002は、図7に示したように、ヒータ931側への方向に後退してゆく。
メニスカス1002の落下速度は、気泡1001の収縮速度よりも速い。よって、気泡の生成から約4μs後の時点で気泡1001が吐出口832の下面近傍で大気に連通する(図8)。同時に、吐出口832の中心軸近傍のインクIaは、ヒータ931に向かって落ち込んで行く。これは、大気に連通する前の気泡1001の負圧によってヒータ931側に引き戻されたインクIaが、気泡1001の大気連通後も、慣性によってヒータ931面方向の速度を保持しているからである。
ヒータ931側に向かって落ち込んで行ったインクIaは、気泡1001の生成から約5μs後の時点でヒータ931の表面に到達する(図9)。そして、その後も、ヒータ931の表面を覆うように拡がって行く(図10)。ヒータ931の表面を覆うように拡がったインクは、ヒータ931の表面に沿った水平方向のベクトルを有するが、ヒータ931の表面に垂直な方向のベクトルは消滅し、ヒータ931の表面に留まろうとする。そして、これよりも上側の液体、即ち吐出方向の速度ベクトルを保つ液体に対し、下方向に引く力が働く。
その後、ヒータ931の表面に拡がったインクと、上側のインク(主滴)との間の部分Ibが細くなってゆき、気泡1001の生成から約7μs後の時点で、ヒータ931の表面の中央で液体部分Ibが切断される(図11)。そして、吐出方向の速度ベクトルを保つ主滴Iaと、ヒータ931の表面上に拡がったインクIcとに分離される。Ibの切断位置は、液流路1338内部が好ましいが、より望ましくは、吐出口832よりも電気熱変換素子931側が良いとされる。
このように生成された主滴Iaは、吐出方向に偏りがない状態で、吐出口832の中央部分から吐出され、記録媒体の被記録面の目標の位置に着弾される。一方、ヒータ931の表面上に拡がったインクIcは、ヒータ931の表面上に留まり、吐出されることはない。
次に、本実施形態で適用可能な顔料インクについて説明する。但し、本発明は、以下に例示する顔料インクを適用することに限定されるものではない。
本実施形態で使用される顔料インクの顔料は、顔料インクの全重量に対して、重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜12重量%の範囲で用いられる。ブラック顔料としては、カーボンブラックが挙げられ、例えば、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであって、一次粒子径が15〜40mμ(nm)、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく適用できる。この様な特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア製)、REGAL400R、REGAL330R、REGAL660R、MOGUL L(以上キャボット製)、Color Black FWl、COLOR Black FW18、Color Black S170、Color Black S150、Printex 35、Printex U(以上、デグッサ製)等が挙げられる。
また、イエローの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられる。
更に、マゼンタの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。
更に、シアンの顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 6等が挙げられる。なお、以上の他、自己分散型顔料など新たに製造された顔料も、勿論、使用することは可能である。
顔料の分散剤としては、水溶性樹脂であればどの様なものでもよい。但し、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、更に3,000〜15,000の範囲のものであればより好ましい。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。更に、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も、好ましい状態で使用することができる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、顔料インクの全重量に対して0.1〜5重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
上記した顔料が含有されている顔料インクの場合には、顔料インクの全体が中性又はアルカリ性に調整されていることが好ましい。この様なものとすれば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を向上させ、長期保存性に一層優れた顔料インクとすることができるからである。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる恐れがあるので、出来れば、7〜10のpH範囲に調整されていることが望まれる。この際に使用されるpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記した顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中に分散又は溶解される。
本実施形態の顔料インクにおいて、好適に用いられる水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である。この場合、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。
水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルがより好ましく適用できる。
上記した水溶性有機溶剤の顔料インク中の含有量は、一般的には、顔料インクの全重量の3〜50重量%の範囲、より好ましくは3〜40重量%の範囲で使用する。又、使用される水の含有量としては、顔料インクの全重量の10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲とする。
又、本実施形態の顔料インクとしては、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つ顔料インクとする為に、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を適宜に添加することができる。特に浸透促進剤として機能する界面活性剤は、記録媒体に顔料インクの液体成分を速やかに浸透させる役割を担うための適量を添加することが強く望まれる。添加量としては、0.05〜10重量%、更には0.5〜5重量%がより好適である。アニオン性界面活性剤の例としては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものを何れも好ましく使用することができる。
上記した顔料インクの作製方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂と、水とが少なくとも含有された水性媒体に上記顔料を添加し、混合撹拌する。その後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた様な適宜に選択された添加剤成分を加え撹拌して顔料インクとする。
尚、分散剤としてアルカリ可溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させる為に塩基を添加することが要される。この際の塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましく適用できる。
又、顔料が含有されている顔料インクの作製方法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌し、分散処理する前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的である。何故なら、この様なプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進することができるからである。
上記した顔料の分散処理の際に使用される分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサンドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミルが好ましく使用される。この様なものとしては、例えば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル及びコボルミル(何れも商品名)等が挙げられる。
又、一般に顔料インクを適用するインクジェット記録装置においては、吐出口の目詰りを極力防止するために、最適な粒度分布を有する顔料を選択し、これを適用する。この際、所望の粒度分布を得るための方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、処理時間を長くする、吐出速度を遅くする、粉砕後フィルタや遠心分離機等で分級する等の手法を採用することが出来る。また、これらの手法を組合せて適用することも出来る。
次に、上記顔料インクと反応するための、本実施形態で適用可能な反応液について説明する。本明細書において、反応液とは、インクに含有される色材を凝集させるように働く成分を有する液体と定義する。よって、例えば電気的斥力により分散されている顔料を含有した顔料インクを用いる場合、反応液は、この電気的斥力を消失させる反応成分である、多価金属塩を含んでいることが好適である。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+などの二価金属イオン、そしてFe3+、Al3+などの三価金属イオンが挙げられる。また陰イオンとしては、Cl−、NO3−、SO4−などが挙げられる。瞬時に反応させて凝集膜を形成するために、反応液中の多価金属イオンの総電荷濃度は、着色顔料インク中の逆極性イオンの総電荷濃度の2倍以上であることが望ましい。
反応液に使用できる水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等が挙げられる。本発明における反応液中における上記水溶性有機溶剤の含有量については特に制限はないが、反応液全重量の5〜60重量%、更に好ましくは、5〜40重量%が好適な範囲である。
又、反応液には、更にこの他、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤などの添加剤を適宜配合してもかまわない。但し、浸透促進剤として機能する界面活性剤の選択と添加量は、記録媒体に対する反応液の浸透性を抑制する上で注意が必要である。さらに反応液は、無色であることがより好ましいが、記録媒体上でインクと混合された際に、各着色インクの色調を変えない範囲の淡色のものであってもよい。更に、以上の様な反応液の各種物性の好適な範囲としては、25℃付近での粘度が1〜30cps.の範囲となる様に調整されたものが好ましい。
以上、本実施形態に適用可能な反応液の成分例および特徴を設明したが、本発明において、色材を凝集するための反応液を備えることは必須の構成ではない。適用する色材が反応液と反応し合わなくとも、記録媒体上で凝集する傾向を有しており、且つ以下に説明する凝集阻害材が当該凝集を抑制するような特徴を有していれば、本発明の効果を得ることが出来るからである。但し、色材が反応液と化学反応を起こすことにより得られる画像品位への効果や、本発明が解決しようとする問題においては、より増幅される状態が想定される。よって、本実施形態のように反応液を備えることは、本発明の特徴を一層効果的に発揮することが出来ると言える。
図12は、本実施形態の記録装置における記録部の詳細を説明するための断面図である。10は記録媒体の搬送経路を示している。記録開始命令が下ると、記録媒体105は搬送経路10に沿って矢印の方向へ給紙される。11は用紙センサである。用紙センサ11は、記録媒体105の有無を検出し、給紙動作が正常に行われたか否かを判断する。また、「余白なし記録」の場合には、記録媒体105の先端部を検出し、記録装置はこのタイミングからその後の搬送量と記録方法を制御していくことが出来る。給紙された記録媒体の先端は、ピンチローラ12と搬送ローラ13に挟持された状態で、搬送ローラ13の回転により記録ヘッド104の下部へと搬送され、中心位置15にて位置合わせされる。
記録領域14は、記録ヘッド104上に配列した複数のインク吐出口によって記録が実行される領域を示している。また、中心位置15は、記録領域14の中心位置を示している。搬送されてきた記録媒体105は、プラテン107に下方から支えられることによって、吐出口面との好適な距離が保たれている。但し、プラテン107の中央部分で、記録ヘッド104の記録領域14に対向する部分には、穴が開けられている。そして、当該穴の位置にインク吸収体17が図のように設けられている。
中心位置15に先端が位置合わせされた記録媒体は、その状態で記録ヘッド104による最初の記録走査が実行される。このとき、記録媒体105の先端から外れたインク滴は、プラテン中央に設置されたインク吸収体17へと吸収されていく。
1回の記録走査が実行されると、次の記録走査が記録される領域まで記録媒体は所定量搬送される。このような記録走査と記録媒体の搬送とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に順次画像が形成されていく。記録が成された領域の記録媒体は、拍車18と排紙ローラ19とに挟まれ、排紙部へと搬送されていく。記録が進み、用紙センサ11が記録媒体の後端部を検出すると、その後、所定回数の搬送動作の後に、記録媒体の後端部が記録領域の真下に位置する。そして、先端部への記録と同様に記録が実行され、記録媒体の後端から外れたインク滴は、プラテン中央に設置されたインク吸収体17へと吸収されていく。
図16は、本実施形態に適用可能な、吸引回復手段の構成例を説明するための模式図である。図において、1610は、着色インクを吐出するための記録ヘッドである。また、1611は、反応液を吐出するための記録ヘッドである。図12の断面図においては、記録ヘッド104として一体的に説明したが、実際には、図16に示すように、各色の記録ヘッドは独立に設けられている。本実施形態において、着色インク用の記録ヘッド1610と、反応液用の記録ヘッド1611は、それぞれ独立した吸引ポンプ1622および1623によって吸引動作が行われる。これによって、着色インク用の記録ヘッド1610の吐出口1601からは着色インクが、反応液用の記録ヘッド1611の吐出口1602からは反応液が、それぞれ排出される。その後、着色インクは、チューブ1620を介して、廃インク吸収体1630に到達する。一方、反応液は、チューブ1621を介して、廃インク吸収体1630に到達する。
なお、ここでは着色インクをK、C、M、Yの4色としているが、本実施形態は、これに限定されるものではなく、CやMの淡色インクなどを追加しても構わない。
本発明、および本実施形態においては、上記インク吸収体17、廃インク吸収体1630、およびメンテナンス手段109に設けられている予備吐パッドに凝集阻害材が含有されていることに特徴を有している。
以下に、本発明および本実施形態に適用可能な上記吸収体の材料および凝集阻害材について説明する。
なお、本明細書において「吸収体(あるいは、インク吸収体)」とは、「余白なし記録」用のインク吸収体、廃インク吸収体、あるいは予備吐パッドの少なくとも1つを指す。また、本明細書における「吸収体(あるいは、インク吸収体)」は、記録ヘッドより排出されるインクを吸収するものである。ここで、「記録ヘッドより排出されるインク」とは、記録ヘッドより予備吐出されるインクや吸引回復手段を利用して記録ヘッドより吸収されるインク等を含む。つまり、「排出」とは、吸引動作による排出や吐出動作による排出を含むものである。
本実施形態で適用可能な吸収体の材料としては、液体を適度に保持する機能を備えた材料であれば特に限定されるものではない。「余白なし記録」用のインク吸収体、廃インク吸収体、および予備吐パッドそれぞれの役割に応じて、適切な材質が選択されれば良い。例えば、スポンジ等の多孔質体や繊維状体により構成されたもの、あるいは高分子吸収体または高分子吸収体を紙状体にまぶした部材等は、「余白なし記録」用のインク吸収体や廃インク吸収体に、好適である。この際、吸収体が繊維質の場合には、廃液の滴下点から連結部方向に向かって一方向に繊維が配置するように設置することにより、液体を更に良好に誘導することが出来る。また、フェルト状のものであっても好適に使用できる。
次に、本実施形態で適用可能な凝集阻害材について説明する。図20は、凝集阻害材による立体障害効果についての説明図である。図20(a)に示されるように、色材(顔料)は液体中で電気的斥力により分散している。顔料インクが記録ヘッドにより排出(吐出動作による排出や吸引動作による排出)される前、すなわち、顔料が液体中に存在している際には、図20(a)の状態が保たれている。記録ヘッドにより排出され、吸収体に導かれた顔料インクは、液体の浸透や蒸発により液体の誘電率が低くなり、顔料粒子の電気的斥力は小さくなる。そのため電気的斥力よりもVan der Waars力による引力が強くなり顔料は吸収体表面付近に凝集して留まる(図20(b))が、液体は吸収体内部へ浸透していき、これにより固液分離がなされる。
そこで、本実施形態では、顔料粒子同士の接触を阻害するような作用(以下、立体障害効果ともいう)を示す凝集阻害材を利用して、吸収体表面付近での色材の凝集を抑制し、吸収体表面付近での色材滞留を軽減している。具体的には、図20(c)に示されるように、顔料粒子の表面に吸着し、顔料粒子同士の接触を阻害するような働きをする凝集阻害材を用意し、この凝集阻害材を吸収体に含有させるのである。これにより、顔料インクが吸収体に導かれても、その顔料粒子の表面に凝集阻害材が吸着し、これにより顔料粒子同士の接触が阻害される。従って、顔料は液体の浸透や蒸発に依存せずに安定して分散状態を保つことができ、顔料粒子同士の凝集が起こりにくくなり、吸収体表面付近での色材滞留が起こりにくくなる。
以上のように本実施形態では、立体障害効果によって色材粒子を分散させる効力を有する材料を、凝集阻害材として適用することが出来る。適用可能な材料例としては、ノニオン性界面活性剤BC40(日光ケミカル製)、BC20(日光ケミカル製)などが挙げられる。特にエチレンオキサイド基が5個以上のノニオン性界面活性剤は、効果的に利用することができる。
また一方、反応系のインクを用いる場合には、反応液に含有されている多価金属塩が、インク中に多価イオンとして溶解出来ない状態にすることでも、色材の反応・凝集を抑制することができる。この場合の材料例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ性水溶液などを利用することができる。更に、特定金属をマスキングするキレート剤を利用することも出来る。キレート剤としては、EDTA(エチレンジアミンテトラ四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、UDA(ウラミル二酢酸)などを挙げることが出来る。
但し、本発明で適用可能な凝集阻害材としては、上述した立体障害効果を有するものや、反応液の多価金属塩を溶解させないような特徴を有するものに限られることは無い。本発明の凝集阻害材としては、凝集する傾向にある色材の凝集を結果的に抑制するという役割が果たされれば有効なのである。よって、その手段が立体障害効果を利用するものであろうと、化学反応を利用するものであろうと、他の化学的効果を利用するものであろうと構わない。
本実施形態の吸収体、すなわち、「余白なし記録」用のインク吸収体、廃インク吸収体、および予備吐パッドは、上述した凝集阻害材の溶液中に、上記した吸収体を浸漬した後、溶液の溶媒を乾燥させることによって、製造されたものとする。無論、上記3種のインク吸収体は、それぞれ異なる種類の吸収体および凝集阻害材が用いられていても構わない。
以上説明した構成において、得られる効果を以下に説明する。まず、「余白なし記録」を実行した場合の、インク吸収体17においては、吸収体表面において、色材粒子は凝集せず、流動的な状態を維持することが出来る。すなわち、色材粒子はインク吸収体17内に浸透し、吸収体表面での堆積は起こらない。結果、課題の項で説明したような、「余白なし記録」を実行した際の、記録装置内部の汚染、記録媒体の裏面部の汚染、更にインク堆積部に起因する記録媒体の搬送不良の問題は解決あるいは抑制される。このような対応策は、顔料インクを用いた場合の凝集、反応液を用いた場合の凝集の、どちらに対しても有効である。
図17(a)および(b)は、廃インク吸収体1630における本実施形態の効果を説明するための模式図である。ここでは、図15(a)および(b)と比較するために、着色インクが反応液と反応することにより凝集を引き起こす場合を例にしている。図において、1721は着色インク用のチューブであり、1722は反応液用のチューブである。それぞれのチューブを介して輸送されてきた廃液は、それぞれ本実施形態の廃インク吸収体1630に吸収される。この際、廃インク吸収体1630には、予め凝集阻害材が含有されている。よって、着色インクと反応液との混在部1743における反応、あるいは凝集は抑制され、凝集物や不溶化物、ひいては図15で示したような滞留領域は殆ど形成されない。すなわち、廃液が吸収された全領域において、液体は流動性を保つことが出来る。このため、吸引動作が繰り返されて廃液の流入量が増しても、図15で示すように流入口近傍が閉塞されることもなく、継続的に使用を重ねても、吸引動作において不具合を起こすことはない。
なお、ここでは図示してはいないが、凝集阻害材の効果を高い状態で持続するために、各吸収体に凝集阻害材を供給する手段を設け、これに適宜供給するような構成としてもよい。凝集阻害材の供給タイミングとしては、例えば、記録装置の電源ONの直後、あるいは所定の期間毎、更には、吸収体にインクが排出される毎(ここでは、縁無し記録が実行される毎、予備吐出動作が実行される毎、吸引回復動作が実行される毎)が好適である。
以下に、本発明の効果を確認するために本発明者らが行った検証例および比較例を説明する。以下の記載において、部、%とあるものは特に断わらない限り重量基準であるものとする。
(検証例1)
まず、下記に従い、顔料とアニオン性化合物とを含むブラック、シアン、マゼンタ、イエローの顔料インク、および凝集阻害液を生成した。
(着色インクK1)
<顔料分散液の作製>
・スチレン-アクリル酸-アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量=5,000)
1.5部
・モノエタノールアミン 1.0部
・ジエチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 81.5部
上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
更に、遠心分離処理(12,000rpm.、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液とした。
<着色インクK1の作製>
上記の分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、顔料を含有するインクを作製して顔料インクとした。
・上記顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・N−メチルピロリドン 5.0部
・エチルアルコール 2.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水 47.0部
(着色インクC1)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントブルー15に変え、顔料インクK1の調製と同様にして顔料インクC1を調製した。
(着色インクM1)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントレッド7に代え、顔料インクK1の調製と同様にして顔料インクM1を調製した。
(着色インクY1)
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化成製)10部をピグメントイエロー74に代え、顔料インクK1の調製と同様にして顔料インクY1を調製した。
(凝集阻害液P1)
下記の成分を混合溶解した後、更にポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過して凝集阻害液P1を得た。
<凝集阻害液P1の組成>
・メチルアルコール 5.0部
・BC40(日光ケミカル製) 15.0部
・イオン交換水 80.0部
次に、PIXUS990i(キヤノン製)の4つのインク吸収体(余白なし記録用吸収体、2つの予備吐パッドおよび廃インク吸収体)を取り出し、凝集阻害液P1に10分間浸漬した後、乾燥オーブンにて乾燥させた。この際、「余白なし記録」用のインク吸収体は、60℃にて6時間、廃インク吸収体は70℃にて24時間の乾燥とした。その後、このインク吸収体をPIXUS990iに戻して、本実施形態のインク吸収体を搭載したインクジェット記録装置を完成させた。
更に、BCI−6PM(キヤノン製)のインクタンクに顔料インクY1、BCI−6Rに顔料インクM1、BCI−6BKに顔料インクC1、BCI−6PCに顔料インクK1をそれぞれ注入した。その後、作成した4つのインクタンクをPIXUS990iのタンクホルダーに搭載し、PIXUS990iの記録ヘッドから吐出させるようにした。なお、BCI−6C、BCI−6M、BCI−6Y(共にキヤノン製)のインクタンクは空のまま搭載した。
その後、サンプル画像としてISO/JIS−SCID(N3果物)を「縁なしはみ出し量」を5mmに設定し、記録媒体としてプロフェッショナルフォトペーパー2L版(PR101 2L、キヤノン製)を選択し、これを500枚連続で印刷した。結果、インク吸収体上で顔料インクが堆積することはなく、記録媒体の裏面の汚染も、記録媒体の搬送異常も確認されなかった。
また、プリンタドライバのプロパティよりヘッドリフレッシングを選択することによって、500回の吸引回復動作および予備吐出動作を実行したところ、全動作において良好で確実な動作を実行することが出来た。また、終了後、記録装置の廃インク吸収体および予備吐パッドをそれぞれ観察したところ、凝集物による滞留領域やインクの廃液流路の閉塞等は確認されなかった。
(検証例2)
着色インクK1、C1、M1、Y1の凝集を促進するための反応液S1を以下の内容で作製した。
(反応液S1)
下記の成分を混合溶解した後、更にポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過し、pHが3.8に調整されている反応液S1を得た。
<反応液S1の組成>
・ジエチレングリコール 10.0部
・メチルアルコール 5.0部
・硝酸マグネシウム 3.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.1部
・イオン交換水 81.9部
次に、検証例1と同様にして、PIXUS990iの4つのインク吸収体を作製し、本実施形態のインク吸収体を搭載したインクジェット記録装置を完成させた。
更に、BCI−6Cのインクタンクに反応液S1、BCI−6PMに顔料インクY1、BCI−6Rに顔料インクM1、BCI−6BKに顔料インクC1、BCI−6PCに顔料インクK1をそれぞれ注入した。更に、作成した4つのインクタンクをPIXUS990iのタンクホルダーに搭載し、PIXUS990iの記録ヘッドから吐出させるようにした。なお、BCI−6M、BCI−6Yのインクタンクは空にしておいた。そして、PIXUS990iの2本ある廃液チューブを廃インク吸収体に接するように延長し、2本の廃液チューブの出口を5cm空けて配置した。
その後、サンプル画像としてISO/JIS−SCID(N3果物)を「縁なしはみ出し量」を5mmに設定し、記録媒体としてプロフェッショナルフォトペーパー2L版(PR101 2L、キヤノン製)を選択し、これを500枚連続で印刷した。結果、インク吸収体上で顔料インクが堆積することはなく、記録媒体の裏面の汚染も、記録媒体の搬送異常も確認されなかった。
また、プリンタドライバのプロパティよりヘッドリフレッシングを選択することによって、500回の吸引回復動作および予備吐出動作を実行したところ、全動作において良好で確実な動作を実行することが出来た。また、終了後、記録装置の廃インク吸収体および予備吐パッドをそれぞれ観察したところ、凝集物による滞留領域やインクの廃液流路の閉塞等は確認されなかった。
(比較例1)
4色の着色インクK1、C1、M1、Y1をPIXUS990iの記録ヘッドから吐出させるため、検証例1と同じ組み合わせで、各インクタンクへの注入および搭載を行った。但し、吸収体においては、PIXUS990iの製品のままとした。
その後、サンプル画像としてISO/JIS−SCID(N3果物)を「縁なしはみ出し量」を5mmに設定し、記録媒体としてプロフェッショナルフォトペーパー2L版(PR101 2L、キヤノン製)を選択し、これを500枚連続で印刷した。結果、インク吸収体上で色材の堆積が確認され、後半に出力された記録媒体においては、その裏面に汚染が確認された。
また、プリンタドライバのプロパティよりヘッドリフレッシングを選択することによって、500回の吸引回復動作および予備吐出動作を実行したところ、動作の途中から正常な動作を実行することが困難になった。記録装置の廃インク吸収体を観察したところ、凝集物による滞留領域やインクの廃液流路の閉塞が確認され、廃インク吸収体の吸収能力が低下していた。また、予備吐パッドにおいては、その表面に色材の堆積が確認された。
(比較例2)
4色の着色インクK1、C1、M1、Y1および反応液S1をPIXUS990iの記録ヘッドから吐出させるため、検証例2と同じ組み合わせで、各インクタンクへの注入および搭載を行った。但し、吸収体においては、PIXUS990iの製品のままとした。
その後、サンプル画像としてISO/JIS−SCID(N3果物)を「縁なしはみ出し量」を5mmに設定し、記録媒体としてプロフェッショナルフォトペーパー2L版(PR101 2L、キヤノン製)を選択し、これを500枚連続で印刷した。結果、インク吸収体上で色材の堆積が確認され、後半に出力された記録媒体においては、その裏面に汚染が確認された。
また、プリンタドライバのプロパティよりヘッドリフレッシングを選択することによって、500回の吸引回復動作および予備吐出動作を実行したところ、動作の途中から正常な動作を実行することが困難になった。記録装置の廃インク吸収体を観察したところ、凝集物による滞留領域やインクの廃液流路の閉塞が確認され、廃インク吸収体の吸収能力が低下していた。また、予備吐パッドにおいては、その表面に色材の堆積が確認された。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態、特に吸引回復手段における他の構成について説明する。なお、本実施形態において、以下に説明する吸引回復手段以外の構成、また適用可能なインク、反応液および凝集阻害剤の成分は、第1の実施形態と同様とする。
図18は、着色インクKと、着色インクC、M、Yのうち少なくとも一成分が反応するインクセットを用いた場合の形態を示している。図において、1813は、着色インクC、M、Yを吐出するための記録ヘッドである。また、1814は、C、M、Yの少なくともいずれかと反応して、色材の凝集を促すブラックインクKを吐出するための記録ヘッドである。本例において、C、M、Y用の記録ヘッド1813と、K用の記録ヘッド1814は、それぞれ独立した吸引ポンプ1822および1823によって吸引動作が行われる。これによって、記録ヘッド1813の吐出口1801からはC、M、Yインクが、記録ヘッド1814の吐出口1802からはKインクが、それぞれ排出される。その後、C、M、Yインクは、チューブ1820を介して、廃インク吸収体1830に到達する。一方、Kは、チューブ1821を介して、廃インク吸収体1830に到達する。本発明の特徴である廃液吸収体1830には、着色インクKと、着色インクC、M、Yとの反応を抑制する材料(凝集阻害材)が予め付与されている。よって、廃インク吸収体1830内の、反応、あるいは凝集は抑制され、凝集物や不溶化物、ひいては図15で示したような滞留領域は殆ど形成されない。このため、記録装置を継続的に使用しても、吸引動作において不具合を起こすことはない。
なお、ここでは図示してはいないが、廃インク吸収体1830に凝集阻害材を供給する手段を設け、これに適宜供給するような構成としてもよい。この場合、凝集阻害材を供給するタイミングとしては、例えば、記録装置の電源ONの直後、あるいは所定の期間毎、更には、吸引回復動作が実行される毎等が好適である。
以下に、本実施形態の効果を確認するために本発明者らが行った検証例を説明する。
(検証例3)
ブラックインクK1と反応して凝集を促進するためのインクC2、M2、Y2を以下に従い作製した。
(着色インクC2)
以下の成分を混合して着色インクC2を調製した。調製の際には、十分に撹拌して成分を水に溶解させた後、富士フィルム社製のポアサイズ3.0μmのミクロフィルターにて加圧濾過した。
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(川研ファインケミカル(株)社製のアセチレノールEH(商品名)): 1部
・トリメチロールプロパン : 6部
・グリセリン : 6部
・2−ピロリドン : 6部
・CIアシッドブルー9 : 3部
・硝酸マグネシウム塩 : 2部
・水 : 残部
(着色インクM2)
以下の成分を混合して着色インクM2を調製した。調製の際には、十分に撹拌して成分を水に溶解させた後、富士フィルム社製のポアサイズ3.0μmのミクロフィルターにて加圧濾過した。
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(川研ファインケミカル(株)社製のアセチレノールEH(商品名)): 1部
・トリメチロールプロパン : 6部
・グリセリン : 6部
・2−ピロリドン : 6部
・CIアシッドレッド52 : 3部
・硝酸マグネシウム塩 : 2部
・水 : 残部
(着色インクY2)
以下の成分を混合して着色インクY2を調製した。調製の際には、十分に撹拌して成分を水に溶解させた後、富士フィルム社製のポアサイズ3.0μmのミクロフィルターにて加圧濾過した。
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物
(川研ファインケミカル(株)社製のアセチレノールEH(商品名)): 1部
・トリメチロールプロパン : 6部
・グリセリン : 6部
・2−ピロリドン : 6部
・CIアシッドイエロー23 : 3部
・硝酸マグネシウム塩 : 2部
・水 : 残部
次に、凝集阻害材P1を用い、検証例1と同様にしてPIXUS560iの4つのインク吸収体を作製し、本実施形態のインク吸収体を搭載したインクジェット記録装置を完成させた。
更に、BCI−3eBKのインクタンクに着色インクK1を、BCI−3eCのインクタンクに着色インクC2を、BCI−3eMのインクタンクに着色インクM2を、BCI−3eYのインクタンクに着色インクY2をそれぞれ注入した。更に、これら作成したタンクをPIXUS560iのタンクホルダーに搭載し、4色の着色インクをPIXUS560iの記録ヘッドから吐出させるようにした。そして、PIXUS560iの2本ある廃液チューブを廃インク吸収体に接するように延長し、2本の廃液チューブの出口を5cm空けて配置した。
その後、サンプル画像としてISO/JIS−SCID(N3果物)を「縁なしはみ出し量」を5mmに設定し、記録媒体としてプロフェッショナルフォトペーパー2L版(PR101 2L、キヤノン製)を選択し、これを500枚連続で印刷した。結果、インク吸収体上で顔料インクが堆積することはなく、記録媒体の裏面の汚染も、記録媒体の搬送異常も確認されなかった。
また、プリンタドライバのプロパティよりヘッドリフレッシングを選択することによって、500回の吸引回復動作および予備吐出動作を実行したところ、全動作において良好で確実な動作を実行することが出来た。また、終了後、記録装置の廃インク吸収体および予備吐パッドをそれぞれ観察したところ、凝集物による滞留領域やインクの廃液流路の閉塞等は確認されなかった。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、以下に説明する吸引回復手段以外の構成、また適用可能なインク、反応液および凝集阻害剤の成分は、第1の実施形態と同様とする。
図19は、着色インクK、C、M、Yと、これと反応する反応液Sの他に、両者の反応を抑制する凝集阻害材を含有した溶液を吐出するための記録ヘッド1912を、更に具備した構成を示している。
図において、1910は、着色インクK、C、M、Yを吐出するための記録ヘッドである。また、1911は、着色インクと反応して、色材の凝集を促す反応液を吐出するための記録ヘッドである。更に、1912は、着色インクと反応液との反応を抑制するための凝集阻害剤を含有する凝集阻害液吐出するための記録ヘッドである。当該凝集阻害溶液は、上記で説明したように、色材の凝集を抑制するためのものであるが、成分上は、本実施形態の廃インク吸収体1930や、他の吸収体に予め付与されている凝集阻害材と、同様であっても異なるものであっても構わない。
図において、着色インク用の記録ヘッド1910および凝集阻害溶液用のヘッド1912は吸引ポンプ1922から吸引され、反応液用の記録ヘッド1911は、これとは異なる吸引ポンプ1923から吸引される。このとき、記録ヘッド1910および1912の吐出口1901からは着色インクと凝集阻害溶液が同一のキャップ1924に排出され、この段階廃液としての着色インクと凝集阻害溶液が混合される。その後、混合液は、チューブ1920を介して、廃インク吸収体19330に到達する。一方、記録ヘッド1911の吐出口1902からは反応液がキャップ1925に排出され、その後チューブ1921を介して、廃インク吸収体1930に到達する。
本発明の特徴である廃液吸収体1930には、予め反応液と着色インクとの反応を抑制するための凝集阻害材が付与されており、凝集物や不溶化物の発生は抑えられている。しかし、本実施形態のように、更に事前に反応液と着色インクとの混合を実現する構成を採用することは、第1の実施形態に比べて、更に積極的にこれらの反応・凝集を抑制し、本発明の効果を高めることに繋がる。
また、本実施形態によれば、凝集阻害溶液が記録ヘッド1912から吐出可能であることにより、様々な新たな効果を得ることが出来る。例えば、キャップ1924に向けての凝集阻害溶液のみの吐出と吸引ポンプ1922による吸引動作を適宜実行すれば、廃インク吸収体1930に対し、凝集阻害溶液を必要に応じて補充することが出来、廃インク吸収体の吸収能力を長期的に高めることが出来る。
また、「ふちなし記録」を実行する際の記録走査に先駆けて、凝集阻害溶液をインク吸収体に付与する走査を設けておくことにより、「余白なし記録」実行時のインク吸収体の吸収能力を高めることが出来る。更にまた、着色インクや反応液の予備吐出に先立って、凝集阻害溶液を予備とパッドに向けて吐出しておくことにより、予備吐パッド表面および内部における凝集も、緩和することが出来る。
(その他の実施形態)
上述した第1〜第3の実施形態では、インクと反応液、あるいはインク同士が互いに反応する形態であったが、本発明はこの形態に限られるものではない、本発明では、使用する液体同士が反応系であることは必須ではない。インク中に含有される色材がインク吸収体表面で凝集する性質を有しており、且つ上述した凝集阻害液により色材の凝集が抑制される構成であれば、本発明の効果を得ることが出来るからである。
また、上述した第1〜第3の実施形態では、縁なし記録時に使用されるインク吸収体、廃インク吸収体および予備吐パッド等の各種吸収体に予め凝集阻害材を含有させているが、本発明はこの形態に限られるものではない。本発明は、インク吸収体に対し所定のタイミングにて凝集阻害材を付与する形態であってもよい。吸収体表面付近での色材滞留を軽減するには、インクや反応液が吸収体に導かれる前に凝集阻害材が付与されていればよい。従って、インクや反応液が吸収体に導かれる前の所定のタイミングにて凝集阻害材を付与するのである。
なお、以上の実施形態では、廃インク吸収体、予備吐パッドおよび「余白なし記録」実行時のインク吸収体を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。インクジェット記録装置においては、インクという液体を使用する構成上、機内が汚染されない様に、上記以外の各所に吸収体が設けられていることもある。どのような箇所に、どのような目的で設置されたインク吸収体であっても、本発明は有効に働くことが出来る。また、これら複数のインク吸収体の2つ以上あるいは全てが、機内において一体的に構成されていても良い。例えば、上記廃インク吸収体と「余白なし記録」用の吸収体が、記録装置の底面に敷き詰められた一枚の部材から構成されるものであっても、本発明の効果になんら変わりはない。
本発明に適用可能なシリアル型のインクジェット記録装置の斜視図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録装置の制御系の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施形態に適用可能なインクジェット記録吐出ヘッドの要部を模式的に示した概略斜視図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 吐出動作を経時的に説明するためのヘッド断面図である。 本発明の実施形態の記録装置における記録部の詳細を説明するための断面図である。 吸収体に向けて染料インクを吐出した場合の説明図である。 吸収体に向けて顔料インクを吐出した場合の説明図である。 (a)および(b)は、廃インク吸収体におけるインクの凝集による弊害を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態における吸引回復手段の構成例を説明するための模式図である。 (a)および(b)は、廃インク吸収体における本発明の効果を説明するための模式図である。 Kと、C、M、Yのうち少なくとも一成分が反応するインクセットを用いた場合の形態を示す図である。 着色インクと、反応液Sと、凝集阻害溶液を吐出するための記録ヘッドを具備した構成を示す図である。 (a)〜(c)は、凝集阻害材による立体障害効果を説明するための図である。
符号の説明
10 搬送経路
11 記録ヘッド
12 ピンチローラ
14 記録領域
15 中心位置
17 吸収体
18 拍車
19 排紙ローラ
104 記録ヘッド
105 記録媒体
106 搬送ローラ
107 プラテン

Claims (11)

  1. 色材を含有するインクを記録ヘッドより吐出して記録を行うためのインクジェット記録装置であって、
    前記インクに含有される色材の凝集を抑制する凝集阻害材を含有し、前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収する少なくとも1つのインク吸収体を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドが記録媒体に対しインクの吐出を実行する記録領域を含む領域において、前記記録媒体を下方から支持するプラテンを更に具備し、
    前記少なくとも1つのインク吸収体は、前記プラテン部に備えられ、前記記録媒体の端部を記録する際に前記記録媒体の外側に吐出されたインクを吸収することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドから前記インクを予備吐出させる予備吐出手段と、
    該予備吐出手段によって予備吐出されたインクを収容する予備吐出受け部とを更に具備し、
    前記少なくとも1つのインク吸収体は、前記予備吐出受け部に収容されたインクを吸収するインク吸収体であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録ヘッドから前記インクを吐出以外の方法で排出するインク排出手段と、
    前記インク排出手段によって排出されたインクを輸送するインク排出経路とを更に具備し、
    前記少なくとも1つのインク吸収体は、前記インク排出経路によって輸送されたインクを吸収することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記インクに含有される色材の凝集を促進させる反応液を吐出する反応液ヘッドと、
    前記反応液ヘッドから前記反応液を排出する反応液排出手段と、
    前記反応液排出手段によって排出された反応液を輸送する反応液排出経路とを更に具備し、
    前記少なくとも1つのインク吸収体は、前記インク排出経路によって輸送されたインクと、前記反応液排出経路によって輸送された反応液を吸収することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インクに含有される色材の凝集を促進させる反応液を吐出する反応液ヘッドを更に具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記凝集阻害材を、前記少なくとも1つのインク吸収体に供給するための供給手段を更に具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記供給手段として、前記凝集阻害材を吐出する凝集阻害溶液ヘッドを更に具備することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 色材を含有するインクを記録ヘッドより吐出して記録を行うためのインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドから排出されたインクを吸収するインク吸収体と、
    該インク吸収体に対して、前記インクに含有される色材の凝集を抑制する凝集阻害材を付与する付与手段と
    を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 請求項1に記載のインクジェット記録装置に適用するためのインク吸収体の製造方法であって、
    前記凝集阻害材を含有する溶液中にインク吸収体を浸漬する工程と、
    前記浸漬されたインク吸収体を乾燥させる工程と
    を有することを特徴とするインク吸収体の製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするインク吸収体。

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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