JP2019010812A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
液吸収部材が有する多孔質体の第一の面を、前記被吐出媒体上の前記インク像に接触させて、前記インク像から前記液体成分の少なくとも一部を除去する工程と、
を有するインクジェット記録方法であって、
前記多孔質体は、親水性の多孔質層、及び、前記親水性の多孔質層上に撥水性の多孔質層を有し、
前記第一の面は、撥水性の多孔質層が存在する側の面であり、
前記撥水性の多孔質層の平均細孔径は、前記親水性の多孔質層の平均細孔径以上であり、かつ、前記凝集物のうちの一滴のインク滴によって形成された凝集物のドット径以下であり、
前記撥水性の多孔質層の厚みをT(μm)、前記撥水性の多孔質層の空隙率をA(%)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の厚みをD(μm)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の液体成分の割合をP(%)としたとき、前記T、前記A、前記D、及び前記Pが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
T < D×P/A 式(1)
前記被吐出媒体上に、インクに含まれる色材を凝集する反応液を付与する反応液付与装置と、
前記被吐出媒体上に、色材を含有するインクを吐出するインクジェットヘッドを有するインク付与装置と、
前記反応液と前記インクによって形成された、液体成分、及び、色材を含む凝集物を有するインク像と接触し、前記インク像から前記液体成分の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
を有するインクジェット記録装置であって、
前記多孔質体は、親水性の多孔質層、及び、前記親水性の多孔質層上に撥水性の多孔質層を有し、
前記インク像と接触する多孔質体の第一の面が、前記撥水性の多孔質層が存在する側の面となるように前記液吸収部材が配置されており、
前記撥水性の多孔質層の平均細孔径は、前記親水性の多孔質層の平均細孔径以上であり、かつ、前記凝集物のうちの一滴のインク滴によって形成された凝集物のドット径以下であり、
前記撥水性の多孔質層の厚みをT(μm)、前記撥水性の多孔質層の空隙率をA(%)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の厚みをD(μm)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の液体成分の割合をP(%)としたとき、前記T、前記A、前記D、及び前記Pが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
T < D×P/A 式(1)
T < D×P/A 式(1)
図3は、本実施形態の転写型インクジェット記録装置100の概略構成の一例を示す模式図である。この記録装置は、転写体101を介して記録媒体108にインク像を転写することで記録物を製造する、枚葉式のインクジェット記録装置である。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、インクジェット記録装置100の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体PはX方向に搬送される。
転写体101は、画像形成面を含む表面層を有する。表面層の部材としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料が好ましい。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。反応液の濡れ性、転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
転写体101は、支持部材102上に支持されている。転写体の支持方法として、各種接着剤や両面テープを用いてもよい。または、転写体に金属、セラミック、樹脂等を材質とした設置用部材を取り付けることで、設置用部材を用いて転写体を支持部材102上に支持してもよい。
本実施形態のインクジェット記録装置は、転写体101に反応液を付与する反応液付与装置103を有する。反応液はインクと接触することによって、被吐出媒体上でのインク及び/又はインク組成物の一部の流動性を低下せしめて、インクによる画像形成時のブリーディングや、ビーディングを抑制することができる。具体的には、反応液に含まれる反応剤(インク高粘度化成分とも称する)が、インクを構成している組成物の一部である色材や樹脂等と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着する。これによって、インク全体の粘度の上昇や、色材などインクを構成する成分の一部が凝集することによる局所的な粘度の上昇を生じさせ、インク及び/又はインク組成物の一部の流動性を低下させることができる。図3の反応液付与装置103は、反応液を収容する反応液収容部103aと、反応液収容部103aにある反応液を転写体101上に付与する反応液付与部材103b、103cを有するグラビアオフセットローラの場合を示している。反応液の付与量は、0.5g/m2以上5g/m2以下であることが好ましい。
以下、本実施形態に適用される反応液を構成する各成分について詳細に説明する。
反応液は、インクと接触することによりインク中のアニオン性基を有する成分(樹脂、自己分散顔料など)を凝集させるものであり、反応剤を含有する。反応剤としては、例えば、多価金属イオン、カチオン性樹脂などのカチオン性成分や、有機酸など挙げることができる。
反応剤以外の成分としては、インクに用いることができるものとして先に挙げた、水性媒体、その他の添加剤などと同様のものを用いることができる。
本実施形態のインクジェット記録装置は、転写体101にインクを付与するインク付与装置104を有する。転写体上では反応液とインクとが混合され、反応液とインクとによってインク像が形成され、さらに、液吸収装置105にてインク像から液体成分が吸収される。
以下、本実施形態に適用されるインクを構成する各成分について詳細に説明する。
色材としては、顔料や染料を用いることができる。インク中の色材の含有量は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
インクには、樹脂を含有させることができる。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。水性インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤など種々の添加剤を含有してもよい。
本実施形態において、液吸収装置105は、液吸収部材105a、および液吸収部材105aを転写体101上のインク像に押し当てる液吸収用の押圧部材105bを有する。なお、液吸収部材105aおよび押圧部材105bの形状については特に制限がない。例えば、図3に示すように、押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aがベルト形状であって、円柱形状の押圧部材105bでベルト形状の液吸収部材105aを転写体101に押し当てる構成であってもよい。また、押圧部材105bが円柱形状であり、液吸収部材105aが円柱形状の押圧部材105bの周面上に形成された円筒形状であって、円柱形状の押圧部材105bで円筒形状の液吸収部材105aを転写体に押し当てる構成であってもよい。
本実施形態では、液除去前のインク像から液体成分の少なくとも一部を、多孔質体を有する液吸収部材と接触させて吸収することで除去し、インク像中の液体成分の含有量を減少させる。液吸収部材のインク像との接触面を第一の面とし、第一の面に多孔質体が配置される。このような多孔質体を有する液吸収部材は、被吐出媒体の移動に連動して移動し、インク像と接触した後、所定の周期で別の液除去前のインク像に再接触する循環して液吸収が可能な形状を有するものが好ましい。例えば、無端ベルト状やドラム状などの形状が挙げられる。
本実施形態における多孔質体は、親水性の多孔質層、及び親水性の多孔質層上に撥水性の多孔質層を有している。この多孔質体の撥水性を有する多孔質層が存在する側の面(第一の面)が、被吐出媒体上のインク像と接触する面である。
撥水性の多孔質層と親水性の多孔質層を積層して多孔質体を形成する方法は、特に限定されることはない。重ね合わせるだけでもよいし、接着剤ラミネートまたは熱ラミネートなどの方法を用いて互いに接着してもよい。通気性の観点から、本実施形態においては熱ラミネートが好ましい。例えば、加熱により、第一の層または第二の層の一部を溶融させて接着積層してもよい。また、ホットメルトパウダーのような融着材を第一の層と第二の層の間に介在させて加熱により互いに接着積層してもよい。第三の層以上を積層する場合は、一度に積層させてもよいし、順次積層させてもよく、積層順に関しては適宜選択される。
転写体上のインク像に対して接触するときの液吸収部材の圧力が2.9N/cm2(0.3kgf/cm2)以上であれば、インク像中の液体成分をより短時間に固液分離でき、インク像中から液体成分を除去できるため好ましい。尚、本明細書における液吸収部材の圧力とは、被吐出媒体と液吸収部材との間のニップ圧を示しており、面圧分布測定器(「I−SCAN」、新田株式会社製)を用いて面圧測定を行い、加圧領域における加重を面積で割り、値を算出したものである。
インク像に液吸収部材105aを接触させる作用時間は、インク像中の色材が液吸収部材へ付着することをより抑制するために、50ms以内であることが好ましい。尚、本明細書における作用時間とは、上述した面圧測定における、被吐出媒体の移動方向における圧力感知幅を、被吐出媒体の移動速度で割って算出される。以降、この作用時間を液吸収ニップ時間と称す。
本実施形態では、記録媒体搬送手段107によって搬送される記録媒体108上に転写体101上の液除去後のインク像を、転写用の押圧部材106により記録媒体108に接触させることで転写する。転写体101上のインク像に含まれる液体成分を除去した後に、記録媒体108へ転写することにより、カールや、コックリング等を抑制した記録画像を得ることが可能となる。
本実施形態において、記録媒体108は特に限定されず、公知の記録媒体をいずれも用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物、あるいは所定の寸法に裁断された枚葉のものが挙げられる。材質としては、紙、プラスチックフィルム、木板、段ボール、金属フィルムなどが挙げられる。
本実施形態における転写型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図5は図3に示す転写型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図である。
本実施形態における別の実施形態として、直接描画型インクジェット記録装置が挙げられる。直接描画型インクジェット記録装置において、被吐出媒体は画像を形成すべき記録媒体である。
本実施形態の直接描画型インクジェット記録装置において、記録媒体搬送装置207は特に限定されず、公知の直接描画型インクジェット記録装置における搬送手段を用いることができる。例として、図4に示すように、記録媒体繰り出しローラ207a、記録媒体巻き取りローラ207b、記録媒体搬送ローラ207c、207d、207e、207fを有する記録媒体搬送装置が挙げられる。
本実施形態における直接描画型インクジェット記録装置は、各装置を制御する制御システムを有する。図4に示す直接描画型インクジェット記録装置における、装置全体の制御システムを示すブロック図は、図3に示す転写型インクジェット記録装置と同様に、図5に示す通りである。
<樹脂粒子の調製>
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ブチルメタクリレート18.0部、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))2.0部、及びn−ヘキサデカン2.0部を入れ、反応系に窒素ガスを導入し、0.5時間撹拌した。このフラスコに、乳化剤(NIKKOL BC15、日光ケミカルズ製)の6.0%水溶液78.0部を滴下して、0.5時間撹拌した。次いで、超音波照射機で超音波を3時間照射することで、混合物を乳化させた。その後、窒素雰囲気下、80℃で4時間重合反応を行った。反応系を25℃まで冷却した後、成分をろ過し、適量の純水を添加して、樹脂粒子1(固形分)の含有量が20.0%である樹脂粒子1の水分散液を調製した。
酸価が150mgKOH/gで、重量平均分子量が8,000のスチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(樹脂1)を準備した。20.0部の樹脂1を、その酸価と等モルの水酸化カリウムで中和し、適量の純水を加え、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である樹脂1の水溶液を調製した。
下記の各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、反応液を調製した。
・レブリン酸:40.0部
・グリセリン:5.0部
・メガファックF444:1.0部(界面活性剤、DIC製)
・イオン交換水:54.0部
<インクの調製>
(顔料分散液の調製)
顔料(カーボンブラック)10.0部、樹脂1の水溶液15.0部、及び純水75.0部を混合した。この混合物と、0.3mm径のジルコニアビーズ200部を、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に入れて、水冷しながら5時間分散させた。その後、遠心分離して粗大粒子を除去し、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(樹脂1)の含有量が3.0%の顔料分散液Kを調製した。
下記表1に示す各成分を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、ブラックインクを調製した。アセチレノールE100は川研ファインケミカル製の界面活性剤である。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径は0.5μm)の表面にフッ素化ダイヤモンドライクカーボンを蒸着させることによって撥水処理したものを用いた。この撥水処理された部分が撥水性の多孔質層を構成している。撥水性の多孔質層の平均細孔径は多孔質体の表面に処理されたものであることから、親水性の多孔質層と同じく0.5μmであった。親水性及び撥水性の多孔質層の空隙率はいずれも40%であった。また、撥水性の多孔質層の厚みは4.5μmであった。また、撥水性の多孔質層の表面における水の接触角は、90°以上であった。インク像と接触する面である多孔質体の第一の面の表面粗さRaは0.2μmとした。
図3に示す転写型インクジェット記録装置において、液吸収装置105を上記のローラ形状の多孔質体を有する液吸収部材に変更したものをインクジェット記録装置として用いて画像形成を行った。用いた多孔質体の撥水性の多孔質層の平均細孔径、空隙率A、厚みT、水の接触角、表面粗さについては、表2に記載した。
インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出量は、3plのインク滴とした。形成された凝集物の厚みD及びドット径を測定した。また、インク及び反応液の液体成分から、凝集物の液体比率Pを算出した。
液吸収部材が有する多孔質体の凝集物への接触条件(圧力、作用時間)については、表2に記載した。
その後、被吐出媒体に定着ローラを用いて熱圧着することで、最終的な印刷物を得た。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径は0.2μm)の表面にフッ素化ダイヤモンドライクカーボンを蒸着させることによって撥水処理したものを用いた。撥水性の多孔質層、凝集物、及び、多孔質体の接触条件を表2に記載の通りに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で印刷物を得た。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径は0.5μm)の表面にフッ素化ダイヤモンドライクカーボンを蒸着させることによって撥水処理したものを用いた。撥水性の多孔質層の物性、凝集物の物性、及び、多孔質体の接触条件を表2に記載の通りに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で印刷物を得た。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径は1.0μm)の表面にフッ素化ダイヤモンドライクカーボンを蒸着させることによって撥水処理したものを用いた。また、インク液滴の吐出量を15plとして、凝集物の厚み及びドット径を調整した。撥水性の多孔質層の物性、凝集物の物性、及び、多孔質体の接触条件を表2に記載の通りに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で印刷物を得た。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径は0.2μm)の表面にフッ素化ダイヤモンドライクカーボンを蒸着させることによって撥水処理したものを用いた。撥水性の多孔質層の物性、凝集物の物性、及び、多孔質体の接触条件を表2に記載の通りに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で印刷物を得た。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径0.2μm)の表面に、厚さ20.0μmの親水化処理されたPTFE多孔質層(平均細孔径0.5μm)を形成したものを用いた。この親水性PTFE多孔質層の空隙率は40%であった。また、この親水性PTFE多孔質層の表面における水の接触角は90°未満であった。インク像と接触する面である多孔質体の第一の面の表面粗さRaは0.2μmとした。また、インク液滴の吐出量は15plとして、凝集物の厚み及びドット径を調整した。撥水性の多孔質層の物性、凝集物の物性、及び、多孔質体の接触条件を表2に記載の通りに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で印刷物を得た。なお、表2において、撥水性の多孔質層の欄に物性が記載されているが、これは、親水性PTFE多孔質層の物性である。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径は500μm)の表面にフッ素化ダイヤモンドライクカーボンを蒸着させることによって撥水処理したものを用いた。撥水性の多孔質層の物性、凝集物の物性、及び、多孔質体の接触条件を表2に記載の通りに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法で印刷物を得た。
多孔質体として、ローラ形状の親水性のアルミナ多孔質層(平均細孔径は1.0μm)の表面にフッ素化ダイヤモンドライクカーボンを蒸着させることによって撥水処理したものを用いた。
上記の多孔質体を用いてそれぞれ得られた印刷物について、カール・コックリング、色移り性、画像流れの評価を以下の通りに行った。評価結果を表3に示す。本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のA〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
記録媒体に対して、別途ベタ画像を印字して印刷物を作製した。得られた印刷物を用いて以下の評価基準を用いて評価を行った。ベタ画像は1200dpiの1画素にインク滴を1滴付与した画像である。
A:印刷物の4角の平均浮きが2mm未満であり、かつ、コックリングは視認できなかった(変形率50ppm以内)。
B:印刷物の4角の平均浮きが5mm未満であり、かつ、コックリングは視認できるが許容できるものであった(変形率100ppm以内)。
C:印刷物の4角の平均浮きが5mm以上であるか、または、コックリングが観測された(変形率100ppm以上)。
印刷物を形成した後の、多孔質体の表面における色材の付着状態を観察して、色材付着率を算出した。この評価にあたり、以下のような印刷物を作製した。まず、転写体上に20ドット印字した。このドット数をAとする。そして、インク像を記録媒体に転写した後の転写体上に残存しているドット数Bをカウントし、以下の式(2)に基づいて計算をし、得られた値を色材付着率とした。
色材付着の評価基準は以下のとおりである。なお、表2において、液体成分が浸透しにくく、画像が乱れてしまった場合は「−」と記載した。
A:色材付着率≦10%
C:色材付着率>10%
(画像流れの評価)
上述した実施例及び比較例での条件における、液体除去した後の、画像端部における色材の移動量を示し、移動量が少ないほど、画像品位が高く好ましい。評価基準は以下の通りである。
A:繰り返し使用しても画像流れが生じなかった。
B:わずかに画像流れが生じたが、気にならないレベルであった。
C:画像流れが生じた。
101 転写体
105 液吸収装置
105a 液吸収部材
105b 押圧部材
108 記録媒体
200 直接描画型インクジェット記録装置
205 液吸収装置
205a 液吸収部材
205b 押圧部材
208 記録媒体
Claims (12)
- 被吐出媒体に、色材を含有するインクと、前記色材を凝集する反応液とを付与して、液体成分、及び、前記色材を含む凝集物を有するインク像を形成する工程と、
液吸収部材が有する多孔質体の第一の面を、前記被吐出媒体上の前記インク像に接触させて、前記インク像から前記液体成分の少なくとも一部を除去する工程と、
を有するインクジェット記録方法であって、
前記多孔質体は、親水性の多孔質層、及び、前記親水性の多孔質層上に撥水性の多孔質層を有し、
前記第一の面は、撥水性の多孔質層が存在する側の面であり、
前記撥水性の多孔質層の平均細孔径は、前記親水性の多孔質層の平均細孔径以上であり、かつ、前記凝集物のうちの一滴のインク滴によって形成された凝集物のドット径以下であり、
前記撥水性の多孔質層の厚みをT(μm)、前記撥水性の多孔質層の空隙率をA(%)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の厚みをD(μm)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の液体成分の割合をP(%)としたとき、前記T、前記A、前記D、及び前記Pが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
T < D×P/A 式(1) - 前記Dは、4.5μm以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記Tは、前記撥水性の多孔質層の平均細孔径以下である請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第一の面の表面粗さRaが、0.2μm以下である請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記多孔質体は、前記凝集物に圧力を加えながら接触している請求項1乃至4の何れか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記被吐出媒体が前記インク像を一時的に保持する転写体であって、前記転写体から記録媒体に、前記液体成分が除去されたインク像を転写する工程を有する請求項1乃至5の何れか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 被吐出媒体と、
前記被吐出媒体上に、インクに含まれる色材を凝集する反応液を付与する反応液付与装置と、
前記被吐出媒体上に、色材を含有するインクを吐出するインクジェットヘッドを有するインク付与装置と、
前記反応液と前記インクによって形成された、液体成分、及び、色材を含む凝集物を有するインク像と接触し、前記インク像から前記液体成分の少なくとも一部を吸収する多孔質体を有する液吸収部材と、
を有するインクジェット記録装置であって、
前記多孔質体は、親水性の多孔質層、及び、前記親水性の多孔質層上に撥水性の多孔質層を有し、
前記インク像と接触する多孔質体の第一の面が、前記撥水性の多孔質層が存在する側の面となるように前記液吸収部材が配置されており、
前記撥水性の多孔質体の平均細孔径は、前記親水性の多孔質層の平均細孔径以上であり、かつ、前記凝集物のうちの一滴のインク滴によって形成された凝集物のドット径以下であり、
前記撥水性の多孔質層の厚みをT(μm)、前記撥水性の多孔質層の空隙率をA(%)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の厚みをD(μm)、前記一滴のインク滴によって形成された凝集物の液体成分の割合をP(%)としたとき、前記T、前記A、前記D、及び前記Pが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
T < D×P/A 式(1) - 前記Dは、4.5μm以下である請求項7に記載のインクジェット記録装置。
- 前記Tは、前記撥水性の多孔質層の平均細孔径以下である請求項7または8に記載のインクジェット記録装置。
- 前記第一の面の表面粗さRaが、0.2μm以下である請求項7乃至9の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記凝集物に、圧力を加えながら前記多孔質体を接触させる液吸収用の押圧部材を有する請求項7乃至10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記被吐出媒体が前記インク像を一時的に保持する転写体であって、前記転写体から記録媒体に、前記液体成分が除去されたインク像を転写する転写用の押圧部材を有する請求項7乃至11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
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