JP2009234034A - 二軸延伸ポリアミドフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 脂肪族ポリアミド85〜50重量%と半芳香族ポリアミド15〜50重量%からなるポリアミド系樹脂を含むキャストシートを、縦方向・横方向ともに2〜4倍延伸した後、95℃×5分の熱水収縮率が縦方向・横方向ともに0〜5%となるよう熱固定処理を行って得られた二軸延伸ポリアミドフィルムであって、80℃での縦方向の破断点伸びと、80℃での横方向の破断点伸びの積(Emt)が2.5〜10の範囲であることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルム。
【選択図】 なし
Description
ここで、脂肪族ポリアミドと半芳香族系ポリアミドからなるポリアミドフィルムの技術としては、特許文献1や特許文献2に開示されているが、これは逐次二軸延伸方式の延伸性改良が主たる目的としており、フィルムを成形する成形性の改良及び二軸延伸ポリアミドフィルムの成形用途については見出されていない。
また、特許文献3には脂肪族ポリアミドと半芳香族系ポリアミドからなるポリアミド層を有する成形用途用のフィルムについて記載されているが、これは従来からある無延伸共押出フィルムに関してのものであり、二軸延伸ナイロンフィルムの成形用途に見られる強度、均一成形性等の優れた性質は得られないものである。
一方延伸フィルムは、印刷適性、強度、光沢等に優れ、特に二軸延伸ポリアミドフィルムは機械強度に優れるが、二軸延伸されているため成形性が悪く、成形時破れを生じたり、成形ジワを発生させたりするため成形用途には不向きであった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、強度の優れた脂肪族ポリアミドに半芳香族ポリアミドを添加し高温での伸びを一定範囲内に入れることにより二軸延伸ポリアミドフィルムの絞り成形性を改良し、二軸延伸ポリアミドフィルムの優れた印刷適性、機械強度、透明性、光沢、耐溶剤性、耐熱性を有したまま、無延伸フィルムでは得られなかった均一成形性を付与することにより、薄肉化を可能にする成形用フィルムを提供するものである。
すなわち、本発明は以下の成形用ポリアミドフィルムを提供するものである。
(1)脂肪族ポリアミド85〜50重量%と半芳香族ポリアミド15〜50重量%からなるポリアミド系樹脂を含むキャストシートを、縦方向・横方向ともに2〜4倍延伸した後、95℃×5分の熱水収縮率が縦方向・横方向ともに0〜5%となるよう熱固定処理を行って得られた二軸延伸ポリアミドフィルムであって、80℃での縦方向の破断点伸びと、80℃での横方向の破断点伸びの積(Emt)が2.5〜10の範囲であることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルム。
(2)ポリアミド系樹脂100質量部に対し、柔軟性改質材を0.1〜10質量部添加してなることを特徴とする(1)記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(3)127℃×5分の熱水収縮率が縦方向・横方向ともに1〜8%であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(4)ヘーズが10%以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(5)表面光沢度が120以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(6)脂肪族ポリアミドがポリアミド6であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(7)半芳香族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸及びテレフタル酸との共重合ポリアミドであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(8)縦方向及び、横方向の引張強度が100MPa以上であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(9)総厚みが5〜50μmで、全体の50%以上が脂肪族ポリアミド85〜50重量%と半芳香族ポリアミド15〜50重量%からなるポリアミド系樹脂で構成されることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
(10)上記(1)〜(9)記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片側に、ヒートシール性を有するポリオレフィン系シーラントを積層してなる二軸延伸ポリアミドフィルム積層体。
(11)上記(1)〜(10)記載の成形用二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片側に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を一層とし、ポリオレフィン系のシーラントを有する共押出フィルムを積層してなる二軸延伸ポリアミドフィルム積層体。
本発明の成形用ポリアミドフィルムの主要な原料は、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミドであり、更に必要に応じて柔軟性改質材が用いられる。
本発明に用いる脂肪族ポリアミドとしては、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の自己重縮合物、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物などが挙げられる。具体的には、ポリアミド6と称されるε−カプロラクタムの単独重合体、あるいはポリアミド66と称されるポリヘキサメチレンアジパミドが、安価に入手でき、かつ、延伸操作を円滑に遂行し得るので好ましい。
また、本発明で使用する半芳香族ポリアミドとしては、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸であるイソフタル酸及び/またはテレフタル酸からなるポリアミド形成成分100〜60重量%、及び、ラクタム及び/又は脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸からなるポリアミド形成成分0〜40重量%を重合または共重合してなる半芳香族ポリアミド樹脂である。
ここで、芳香族ジカルボン酸と共重合してなる脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等の直鎖脂肪族ジアミンおよびそのメチル化、エチル化、ハロゲン化物等の誘導体が挙げられ、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンのようなシクロヘキサン環を含む脂肪族ジアミンを一部含んでいてもよい。
また共重合されるラクタム及び/又は脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸よりなるポリアミド形成成分において使用されるラクタムとしては、カプロラクタム、ラウリルラクタム、ブチロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタム等が挙げられる。また、脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等の直鎖脂肪族ジアミンなど、脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのメチル化、エチル化、ハロゲン化物等の誘導体が挙げられる。
こうした半芳香族ポリアミド樹脂の典型的な例としては、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミド樹脂、もしくは、それを共重合成分として含む共重合ポリアミド樹脂が挙げられる。なかでも、脂肪族ジアミンとイソフタル酸及びテレフタル酸よりなるポリアミド形成成分とラクタム及び/又は脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸よりなるポリアミド形成成分0〜40重量%を重合または共重合してなるポリアミド樹脂の使用が望ましい。
本発明のフィルムは、縦方向、横方向ともに2.0倍〜4.0倍に延伸されていることが好ましい。延伸倍率が2.0倍未満では十分な延伸がなされないため厚みが揃い難いのみならず、二軸延伸ポリアミドフィルムとして強度が不十分となり、好ましくない。また延伸が十分行われないと弾性率が低くなり、伸びやすくなってしまうため、多色刷りやピッチ印刷等の繊細な印刷を行った場合、見当ズレが発生する危険性が出てくるため好ましくない。逆に4.0倍を越えると配向がかかりすぎるため、伸びにくくなり、絞り成形性を阻害するため好ましくない。延伸倍率は好ましくは2.1〜3.8倍、より好ましくは2.2〜3.6倍である。延伸倍率は高い方がフィルム強度は高くなるが、絞り成形性が悪くなる。逆に延伸倍率が低い方が絞り成形性は良くなるが、フィルム強度が低下する。面積倍率(縦方向の延伸倍率×横方向の延伸倍率)としては、7.2倍〜11.8倍が好ましい。面積倍率が7.2倍より低くなると絞り成形性は良くなるが、フィルム強度が低下し好ましくない。逆に11.8倍を越えるとフィルム強度は強くなるが、絞り成形性が低下し好ましくない。面積倍率はより好ましくは7.9倍〜11.5倍、さらに好ましくは8.3倍〜11.0倍である。この範囲が、フィルム強度と絞り成形性のバランスが良好で、好ましい。
本発明では、80℃での縦方向の破断点伸び(元の長さから伸びた長さ/元の長さ)と、横方向の破断点伸びの積(Emt)が2.5〜10であることが好ましい。本発明のフィルムは一般に80℃〜150℃にフィルムを加熱して二次成形が行われるため、Emtは成形時に加えられる最低の温度を80℃と想定し、その時の伸び易さ指標として使用できる。本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムの場合、均一成形の観点から縦方向、横方向の伸びには極端な差が無い方が好ましい。どちらか一方が伸びにくいと、成形時の伸びがもう一方のみに偏るため、均一に成形しにくくなるためである。したがって、どちらか一方の伸びが極端に小さい場合、Emtが小さくなるよう、縦方向の破断点伸びと横方向の破断点伸びの積の形で表すこととした。Emtが2.5より小さい場合、伸びが低いため成形時フィルムが破断しやすくなり好ましくない。逆に10を越える場合は二軸延伸ポリアミドフィルムとしては伸び易過ぎるため、無延伸フィルムの成形の場合に近づき、均一成形性が劣るため好ましくない。Emtは好ましくは2.7〜9.0、より好ましくは3.0〜8.0である。
Emtを当該範囲とするには、脂肪族ポリアミド85〜50重量%と半芳香族ポリアミド15〜50重量%からなるポリアミド系樹脂を含むキャストシートを、縦方向・横方向ともに2〜4倍延伸した後、95℃×5分の熱水収縮率が縦方向・横方向ともに0〜5%となるよう熱固定処理を行うことにより達成できる。特に結晶性の低い半芳香族ポリアミドを一定量添加することにより、伸びを付与することが可能となり、また6ナイロンの溶融開始温度以上の温度で熱固定をかけることにより6ナイロンの配向を若干緩和させ、より伸びを付与することができる。
本発明では柔軟性改質材を添加することで、半芳香族ポリアミドを添加したことによる硬さを抑えることができる。柔軟性改質材としては、ポリオレフィン類、ポリアミドエラストマー類、ポリエステルエラストマー類などが挙げられる。
上記のポリオレフィン類は、主鎖中にポリエチレン単位、ポリプロピレン単位を50重量%以上含むものであり、無水マレイン酸等でグラフト変性していてもよい。ポリエチレン単位、ポリプロピレン単位以外の構成単位としては、酢酸ビニル、あるいはこの部分けん化物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、あるいはこれらの部分金属中和物(アイオノマー類)、ブテン等の1−アルケン類、アルカジエン類、スチレン類などが挙げられる。これらの構成単位を複数含んでも構わない。
また、ポリアミドエラストマー類は、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド等のポリアミド系ブロック共重合体に属するものであり、アミド成分としてはポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12等が例示され、エーテル成分としては、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシ−1,2−プロピレングリコール等が例示されるが、好ましくはポリテトラメチレングリコールとポリラウリルラクタム(ポリアミド12)を主成分とする共重合体である。また、任意成分としてドデカンジカルボン酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸を少量用いたものであってもよい。
ポリエステルエラストマー類としては、例えばポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールを組み合わせたポリエーテル・エステルエラストマーや、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンを組み合わせたポリエステル・エステルエラストマーなどが挙げられる。
以上の柔軟性改質材は単独でも2種類以上を混合して使用してもよい。但し添加量はポリアミド系樹脂100質量部に対し、柔軟性改質材を0.1〜10質量部添加することが良く、好ましくは8質量部以下、更に好ましくは6質量部以下が良い。添加量が10質量部を越えると透明性、光沢が低下したり、耐熱性が低下する傾向がある。
本発明ではJIS K 7136による方法で測定したヘーズが10%以下であることが好ましい。脂肪族ナイロンと半芳香族ナイロンを選択する場合、相溶性を考慮して選択する必要がある。またその配合比率にも配慮が必要である。さらには延伸温度、熱固定温度等の製膜条件も使用する樹脂に合わせて設定する必要がある。例えば熱固定温度を上げすぎると、フィルムが白化する場合があり、ヘーズが上がり好ましくない。ヘーズが10%を越えると透明性が悪く、意匠性が低下し好ましくない。ヘーズは好ましくは8%以下、より好ましくは6%である。
本発明ではJIS K 7105による方法で測定した表面光沢度が120以上であることが好ましい。これもヘーズと同様にポリアミド樹脂の選定、配合比率、製膜条件に左右される。光沢度が120以下だと表面の光沢が悪くなり、意匠性が低下し好ましくない。光沢度は好ましくは125以上、より好ましくは130以上であることが好ましい。
本発明フィルムでは、縦、横方向の引張強度が100MPa以上あることが好ましい。100MPa未満では、引張強度が不十分で成形時破断し易くなるばかりか、強度が弱くなるため好ましくない。引張強度は好ましくは110MPa以上、より好ましくは120MPa以上である。
本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片側に、ヒートシール性を有するポリオレフィン系シーラントを積層することで、包装用の絞り成形フィルム積層体とすることができる。ポリオレフィン系シーラントとしてはLLDPE、LDPE、PP、アイオノマー、EVAフィルム等が挙げられるが、強度、コストの点からLLDPEが最も好ましい。更に成形時の加熱が、シーラント側からの接触加熱方式による場合、成形加熱によりシーラントが溶けないように融点、軟化温度の高い樹脂が適している。特にLLDPEの高温ボイル用またはセミレトルト用のシーラントが融点、軟化温度が高く好適である。シーラントフィルムの厚みは20〜150μm程度が考えられるが、絞り深さ、内容物等により任意に決めて良い。ラミネート方法は特に限定されないが、一般的なドライラミネートの場合、接着剤が硬く成形性を阻害する可能性が高いため、押出ラミネート法の方がより好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムは二軸延伸フィルムを用いても良いが、絞り成形性を阻害しにくい無延伸フィルムがより好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体層は単層フィルムのみならず、エチレン−酢酸ビニル共重合体層を一層とし、シーラントとしてポリオレフィンを共押出した、無延伸共押出フィルムを用いても良い。
(実施例1)
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)70%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)30%をブレンドし、約155μmのキャストシートを得た。当該キャストシートをテンター逐次二軸延伸法でMD3.0倍、TD3.5倍延伸した後、199℃(ナイロン6の融点−25℃)以上の加熱温度で15秒間熱固定を行い15μmの延伸フィルムを得た。
当該延伸フィルムにT.U.X HC(東セロ(株)社製LLDPEフィルム)50μmのフィルムをドライラミネートし、ラミネートフィルムとした。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)75%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)25%をブレンドした以外は実施例1と同様の内容にて15μmの延伸フィルムを得た。また、当該延伸フィルムを用い実施例1と同様にして、ラミネートフィルムを得た。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)60%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)40%、および柔軟改質材としてエバフレックスEEA A703(三井デュポンポリケミカル(株)社製)3質量部(ポリアミド系樹脂の合計を100質量部とした)をブレンドし、約155μmのキャストシートを得た。当該キャストシートをテンター逐次二軸延伸法でMD3.0倍、TD3.5倍延伸した後、199℃(ナイロン6の融点−25℃)以上の加熱温度で15秒間熱固定を行い15μmの延伸フィルムを得た。また、当該延伸フィルムを用い実施例1と同様にして、ラミネートフィルムを得た。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)70%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)30%をブレンドし、約125μmのキャストシートを得た。当該キャストシートをテンター逐次二軸延伸法でMD2.4倍、TD3.5倍延伸した後、199℃(ナイロン6の融点−25℃)以上の加熱温度で15秒間熱固定を行い15μmの延伸フィルムを得た。また、当該延伸フィルムを用い実施例1と同様にして、ラミネートフィルムを得た。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)70%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)30%をブレンドし、約115μmのキャストシートを得た。当該キャストシートをテンター逐次二軸延伸法でMD3.0倍、TD2.8倍延伸した後、199℃(ナイロン6の融点−25℃)以上の加熱温度で15秒間熱固定を行い15μmの延伸フィルムを得た。また、当該延伸フィルムを用い実施例1と同様にして、ラミネートフィルムを得た。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)70%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)30%をブレンドし、約155μmのキャストシートを得た。当該キャストシートを用い、実施例1と同様の内容で延伸フィルムを得た。
得られた延伸フィルムにエバールEF−F((株)クラレ社製無延伸EVOHフィルム)15μm、T.U.X HC(東セロ(株)社製LLDPEフィルム)50μmのフィルムをこの順番でドライラミネートし、ラミネートフィルムとした。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)70%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)30%をブレンドし、約155μmのキャストシートを得た。当該キャストシートを用い、実施例1と同様の内容で延伸フィルムを得た。
当該延伸フィルムに層構成が下記内容の共押出無延伸フィルムをドライラミネートし、ラミネートフィルムとした。
厚み構成:EVOH(10μm)/NY(15μm)/AD(5μm)/LL(30μm)
使用原料:
EVOH:ソアノールET3803B(日本合成化学工業(株)社製)
NY:ノバミッド1030(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)
AD:モディックL553(三菱化学(株)社製)
LL:ノバテックLL UF240(日本ポリエチレン(株)社製)
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)70%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)30%をブレンドし、約155μmのキャストシートを得た。当該キャストシートを用い、実施例1と同様の内容で延伸フィルムを得た。
当該延伸フィルムにT.U.X HC(東セロ(株)社製LLDPEフィルム)30μmのフィルムを用い、中間にノバテックLD LC600A(日本ポリエチレン(株)社製)を320℃で20μmとなるよう押出すことによりポリサンドラミネートし、ラミネートフィルムとした。
フィルム層構成が、
EVOH(10μm)/NY(30μm)/AD(10μm)/LL(50μm)の共押出無延伸フィルム。使用原料は実施例7に記載した内容と同一である。
フィルム構成が下記内容のドライラミネートフィルム。
CNY(30μm)//LL(50μm)
CNY:ダイアミロンC−Z(三菱樹脂(株)社製無延伸6NYフィルム)
LL:T.U.X HC(東セロ(株)社製LLDPEフィルム)
フィルム構成が下記内容のドライラミネートフィルム。
ONY(15)//LL(50)
ONY:サントニールSNR(三菱樹脂(株)社製二軸延伸6NYフィルム)
LL:T.U.X HC(東セロ(株)社製LLDPEフィルム)
使用するアミド系樹脂の内容が下記内容である以外は実施例1と同様の内容で延伸フィルムおよびラミネートフィルムを得た。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)90%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)10%。
使用するアミド系樹脂の内容が下記内容である以外は実施例1と同様の内容で延伸フィルムおよびラミネートフィルムを得た。
1022C6(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製ナイロン6 Tm=224℃)45%と、X21(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製半芳香族性ナイロン)55%。
実施例1で使用した同一内容のアミド系樹脂を使用し、約155μmのキャストシートを得た。当該キャストシートをテンター逐次二軸延伸法でMD3.0倍、TD3.5倍延伸した後、190℃の熱固定帯で15秒間熱固定を行い15μmの延伸フィルムを得た。
当該延伸フィルムにT.U.X HC(東セロ(株)社製LLDPEフィルム)50μmのフィルムをドライラミネートし、ラミネートフィルムとした。
実施例1で使用した同一内容のアミド系樹脂を使用し、約155μmのキャストシートを得た。当該キャストシートをテンター逐次二軸延伸法でMD3.0倍、TD3.5倍延伸した後、225℃の熱固定帯で5秒間熱固定を行い15μmの延伸フィルムを得た。
当該延伸フィルムにT.U.X HC(東セロ(株)社製LLDPEフィルム)50μmのフィルムをドライラミネートし、ラミネートフィルムとした。
・収縮率(95℃)
フィルム試験片を幅120mm、長さ120mmに切りだし、このサンプルに、縦(MD)方向と横(TD)方向に約100mmの線を引く。このサンプルを23℃50%雰囲気下、24時間放置し基準線を測長する。測長した長さを熱処理前の長さFとする。このサンプルフイルムを95℃の熱水中に5分間浸漬した後、付着した水分を完全に拭き取り、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気のもとで約5時間放置して乾燥させた後、前記基準線を測長し、熱処理後の長さGとする。
加熱収縮率を、[(F―G)/F]×100(%)で算出する。
上記方法で、MDとTDの各収縮率をn=5で測定し、平均値を熱収縮率とした。
・収縮率(127℃)
127℃×5分間で収縮させる以外は、95℃の場合と同様の方法で測定する。
MDおよびTDに平行に巾10mmの短冊状の試験片を採取し、引張試験機(島津製作所社製 AG−1)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度50mm/分で破断点伸度を測定した。
E(%)=■L/L×100
E:伸び(破断点伸び)(%)
L:初めのチャック間距離(mm)
■L:チャック間距離の増加(mm)
Emt=(■Lm/Lm)×(■Lt/Lt)
Lm:MD測定時の初めのチャック間距離(mm)
■Lm:MD測定時のチャック間距離の増加(mm)
Lt:TD測定時の初めのチャック間距離(mm)
■Lt:TD測定時のチャック間距離の増加(mm)
ヘーズメーター(日本電色社製NDH−2000)を使用し測定。
・光沢
村上色彩技術研究所社製精密光沢計GM−26Dを用いて測定。
23℃×50%RHの雰囲気下で、引張試験機(島津製作所社製 AG−1)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度50mm/分で破断点強度を測定。
・成形可能なMIN厚さ比
大森機械工業社製深絞り包装機FV6300を用いて、縦125mm、横170mm、コーナーに5mmのRを付けた形状をした長方形の面部分を成形し、底に25mmのRを付けた形状に成形する。絞りの深さを1mm単位で変化させ、それぞれ20回成形を行い破れが生じなかった絞り深さを限界絞り深さとする。その時の成形品の最も薄い部分の厚みを測定し、Tminとする。Tminを1として、成形可能なMIN厚さ比は次式で求める。
成形可能なMIN厚さ比(Tmin=1のとき)=Tmin/T
Tmin:限界絞り深さ時の最薄部の厚さ(μm)
T :成形前のフィルム厚さ(μm)
比較例1 、及び比較例2では無延伸フィルムのみの構成のため、成形厚みが局所的に薄くなるため、得られたフィルムでの評価は実施しなかった。
比較例3乃至比較例7は、いずれもEmtが本発明の範囲から外れており、いずれかの評価項目を満足していないことが分かる。
Claims (11)
- 脂肪族ポリアミド85〜50重量%と半芳香族ポリアミド15〜50重量%からなるポリアミド系樹脂を含むキャストシートを、縦方向・横方向ともに2〜4倍延伸した後、95℃×5分の熱水収縮率が縦方向・横方向ともに0〜5%となるよう熱固定処理を行って得られた二軸延伸ポリアミドフィルムであって、80℃での縦方向の破断点伸びと、80℃での横方向の破断点伸びの積(Emt)が2.5〜10の範囲であることを特徴とする二軸延伸ポリアミドフィルム。
- ポリアミド系樹脂100質量部に対し、柔軟性改質材を0.1〜10質量部添加してなることを特徴とする請求項1記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- 127℃×5分の熱水収縮率が縦方向・横方向ともに1〜8%であることを特徴とする請求項1又は2記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- ヘーズが10%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- 表面光沢度が120以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- 脂肪族ポリアミドがポリアミド6であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- 半芳香族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸及びテレフタル酸との共重合ポリアミドであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- 縦方向及び、横方向の引張強度が100MPa以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- 総厚みが5〜50μmで、全体の50%以上が脂肪族ポリアミド85〜50重量%と半芳香族ポリアミド15〜50重量%からなるポリアミド系樹脂で構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の二軸延伸ポリアミドフィルム。
- 請求項1〜9記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片側に、ヒートシール性を有するポリオレフィン系シーラントを積層してなる二軸延伸ポリアミドフィルム積層体。
- 請求項1〜10記載の二軸延伸ポリアミドフィルムの少なくとも片側に、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を一層とし、ポリオレフィン系のシーラントを有する共押出フィルムを積層してなる二軸延伸ポリアミドフィルム積層体。
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