JP2009233794A - シリコンブロックの研削研磨機及びシリコンウエハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性の向上を図ることができる研削研磨機を提供する。
【解決手段】シリコンブロック2の表面を研削/研磨する際に、シリコンブロック2の長手方向の前後を機械的にチャッキングするチャッキング部12a,12bで保持し、この状態でシリコンブロック2の側面5及びこれらを結ぶ角部6を研削研磨する。これにより、シリコンブロック2を非接触で宙に浮かせたような状態で保持することができるので、その側面5及び角部6に傷が付いてしまうことを防止でき、さらにシリコンブロック2の側面5だけではなく角部6も研削研磨して面取りすることができることから、シリコンブロック2をスライス加工してシリコンウエハを製造する際、その周縁部が欠けたりすることを回避でき歩留まりを向上することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、角柱状に切断加工されたシリコンブロックの表面を研削/研磨する研削研磨機等に関し、特に、シリコンブロックの表面を研削/研磨して平滑化することができるシリコンブロックの研削研磨機に関する。なお、「研削/研磨」とは、研削及び研磨と、研削又は研磨を指すものとして定義する。
近年、太陽電池等に用いられるシリコンウエハの需要に伴い、その高品質化も要請されている。こうしたシリコンウエハの製造工程においては、単結晶や多結晶からなる角柱状に切断加工されたシリコンブロックをスライスし薄板状のシリコンウエハを形成する前に、シリコンブロックの表面を研削/研磨する加工工程が行なわれる。
特許文献1には、シリコンウエハ製造用の角柱状シリコンブロックを、シリコンウエハにスライス加工して形成する前に、その側面に存在する微小な凹凸を研磨して平坦化する加工方法が開示されている。
特許第3649393号公報
しかし、特許文献1においては、直方体のシリコンインゴットを角柱状に切り出したシリコンブロックの側面のみを研磨する方法であり、多結晶からなるシリコンブロックをシリコンウエハにスライス加工する前に、その側面のみを研磨することを対象としたものである。また、図4の多結晶のシリコンブロックを示す説明図と図5の単結晶のシリコンブロックを示す説明図に基づき説明すれば、図4に示すように、多結晶のシリコンインゴット100から切り出されるシリコンブロック101は、通常、直方体型のシリコンインゴット100を切り出して製造されることから、切り出されたシリコンブロック101の角部102を研削/研磨せずにスライス加工する際には、角部102が面取りされていないことで欠けてしまう懸念がある。また、図5に示す単結晶のシリコンブロック200の角部201と側面202とを平滑化する際には、単結晶からなるシリコンブロック200は、円柱状のシリコンインゴット203の円周面の一部を残すようにして角柱状に切断加工することから、切断加工されたシリコンブロック200の4隅の角部201はシリコンブロック200の長手方向の前後に亘って円弧状の曲面部が形成されることになり、この角部201に形成される曲面部を研磨せずにスライス加工する際には、その表面が平滑化していないことが原因で角部等が欠けてしまうといった不具合が生じることがある。そのため、シリコンブロック200をスライス加工してシリコンウエハを形成する加工工程で、シリコンブロック200の表面に傷を付けることなく平滑化させることが生産性や歩留まりを向上する上での重要な課題となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、シリコンインゴットから切り出されたシリコンブロックの表面を研削/研磨し、シリコンブロックを複数のシリコンウエハにスライス加工する際に発生懸念のある破損を防止することが可能なシリコンブロックの研削研磨機及びシリコンウエハの加工方法を提供することを目的とする。
請求項1に係るシリコンブロックの研削研磨機は、シリコンインゴットを所定形状に切断加工することにより製造されるシリコンブロックを、スライス加工することでシリコンウエハが形成される加工工程前にその表面を研削/研磨するシリコンブロックの研削研磨機であって、前記シリコンブロックの表面を研削/研磨する際、前記シリコンブロックの長手方向の前後を機械的にチャッキングする保持機構を備えたことを特徴とする。
請求項1のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、機械的に開閉することができる保持機構によりシリコンブロックの長手方向の前後のみをチャッキングさせ宙に浮かせた状態でシリコンインブロックを保持することができるので、シリコンウエハとして用いられるシリコンブロックの表面(シリコンブロックの前後のチャッキングされる端部表面を除く)に傷が付いてしまうことを防止できる。さらに、単結晶や多結晶からなるシリコンブロックをスライス加工してシリコンウエハを形成する加工工程を行なう前に、シリコンブロックの角部を含む表面が平滑化するよう研削/研磨することが可能となる。
請求項2に係るシリコンブロックの研削研磨機は、請求項1のシリコンブロックの研削研磨機において、前記チャッキングされたシリコンブロックは四角柱状であり、該四角柱状のシリコンブロックの長手方向を軸線方向として45度単位で回転させることができる回転装置を備えたことを特徴とする。
請求項2のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項1において、チャッキングされたシリコンブロックを回転装置により、45度毎に回転させることができるので、四角柱状のシリコンブロックの4つの側面の他、これら側面を結ぶ角部を、研削/研磨を行う所定位置に回転(自転)させ配置することができる。
請求項3に係るシリコンブロックの研削研磨機は、請求項2のシリコンブロックの研削研磨機において、前記シリコンブロックの4つの側面の内の何れか側部に該シリコンブロックの表面を研削/研磨しながら水平方向に移動する研削/研磨装置を備えたことを特徴とする。
請求項3のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項2において、シリコンブロックの側部に研削/研磨装置を備えているので、45度単位で回転されるシリコンブロックの4つの側面及びこれら側面を結ぶ角部を、研削/研磨装置によりシリコンブロックの側方側から研削/研磨することができる。
請求項4のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項3のシリコンブロックの研削研磨機において、前記研削/研磨装置は、回転しながら前記シリコンブロックの表面を粗研する粗研手段と、前記粗研手段より研削/研磨されたシリコンブロックの表面を、回転しながら精研してさらに平滑化する精研手段であることを特徴とする。
請求項4のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項3において、粗研手段によりシリコンブロックの側面や角部を粗研した後、これら粗研されたシリコンブロックの側面や角部をさらに精研手段により精研し、シリコンブロックの側面及び角部をより平滑にすることができる。
請求項5のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項4のシリコンブロックの研削研磨機において、前記回転しながら粗研を行う粗研手段は砥石であり、前記回転しながら精研を行う精研手段は前記粗研手段の砥石より肌理の細かい砥石若しくはブラシとしたことを特徴とする。
請求項5のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項4において、粗研手段としての砥石によりシリコンブロックの側面及び角部を精研した後、これら粗研されたシリコンブロックの側面及び角部をさらに精研手段たる砥石若しくはブラシにより精研し、シリコンブロックの側面及び角部をより平滑にすることができる。
請求項6のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項のシリコンブロックの研削研磨機において、前記シリコンブロックは、円柱状のシリコンインゴットを切り出し、該円柱状のシリコンインゴットの円周面の一部位が、前記四角柱状のシリコンブロックの4箇所の角部に該当するように形成したものであって、該角部に円弧状の曲面部が形成された単結晶からなるシリコンブロックであることを特徴とする。
請求項6のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項において、単結晶からなるシリコンブロックの4箇所の側面とこれら側面を結ぶ4箇所の円弧状の曲面部を有する角部を研削/研磨して微細な凹凸がなくなるようその表面を滑らかに平滑化することができる。
請求項7のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項のシリコンブロックの研削研磨機において、前記シリコンブロックは、直方体のシリコンインゴットを四角柱状に複数切り出した多結晶からなるシリコンブロックであることを特徴とする。
請求項7のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項において、多結晶からなるシリコンブロックの4箇所の側面を研削/研磨し、これら側面を結ぶ4箇所の角部を研削/研磨して面取りを行い、これらの表面に微細な凹凸がなくなるよう滑らかに平滑化することができる。
請求項8のシリコンウエハの加工方法によれば、請求項3〜7の何れか1項のシリコンブロックの研削研磨機において、前記シリコンブロックの表面を研削/研磨して該シリコンブロックの表面を平滑化した後、該シリコンブロックをスライス加工して、シリコンウエハを製造することを特徴とする。
請求項8のシリコンウエハの加工方法の発明によれば、請求項3〜7の何れか1項において、側面及び角部を研削/研磨し表面が平滑化したシリコンブロックをスライス加工して、シリコンウエハの製造を行うことが可能になるので、スライス加工時にシリコンウエハの周縁部が破損してしまうことを回避することができる。
請求項1の本発明のシリコンブロックの研削研磨機によれば、シリコンインゴットを所定形状に切断加工することにより製造されるシリコンブロックを、スライス加工することでシリコンウエハが形成される加工工程前にその表面を研削/研磨するシリコンブロックの研削研磨機であって、前記シリコンブロックの表面を研削/研磨する際、前記シリコンブロックの長手方向の前後を機械的にチャッキングする保持機構を備えたものである。これにより、シリコンブロックの表面を研削・研磨する際、このシリコンブロックを宙に浮かせた状態で保持できることから、チャッキングをしているシリコンブロックの前後を除く表面が非接触状態となり傷つくことを防止できると共に、これらの表面を研削/研磨加工する際、その加工作業を効率的に行うことが可能となる。
請求項2の本発明のシリコンブロックの研削研磨機によれば、請求項1において、前記チャッキングされたシリコンブロックは四角柱状であり、該四角柱状のシリコンブロックの長手方向を軸線方向として45度単位で回転させることができる回転装置を備えたので、45度単位でチャッキングされたシリコンブロックを回転させるだけで、シリコンブロックの4つの側面及び角部の研削/研磨を行う所定位置に簡単に配置することができる。
請求項3の本発明のシリコンブロックの研削研磨機によれば、請求項2において、前記シリコンブロックの4つの側面の内の何れか側部に該シリコンブロックの表面を研削/研磨しながら水平方向に移動する研削/研磨装置を備えたので、45度単位で回転されてきたシリコンブロックの4つの側面及びこれら側面を結ぶ角部を研削/研磨することができる。よって、4つの側面の他、これらを結ぶ角部の面取りを行うことができ、シリコンブロックをスライス加工する際、この角部が特に欠けたりすることを防止することができ、歩留まりの向上を図ることができる。
請求項4の本発明のシリコンブロックの研削研磨機によれば、請求項3において、前記研削/研磨装置は、回転しながら前記シリコンブロックの表面を粗研する粗研手段と、前記粗研手段より研削/研磨されたシリコンブロックの表面を、回転しながら精研してさらに平滑化する精研手段であり、粗研されたシリコンブロックの側面及び角部をさらに精研し、粗研、精研の段階的な研削/研磨によって、シリコンブロックを一層平滑化することが可能となる。さらに、粗研を行うシリコンブロックが歪んでいる場合などには、先に所定形状になるよう粗研した後、精研を行うことが可能なので、所定形状外の歪なシリコンブロックであったとしても、所定形状の肌理の細かい表面を有するシリコンブロックへと加工することができ、シリコンブロックのスライス加工を行う際、角部が欠けることがないよう確実に防止でき、歩留まりを向上することができる。
請求項5のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項4において、前記回転しながら粗研を行う粗研手段は砥石であり、前記回転しながら精研を行う精研手段は前記粗研手段の砥石より肌理の細かい砥石若しくはブラシとしたものであり、砥石で粗研されたシリコンブロックの側面及び角部を前記砥石より肌理の細かい砥石若しくはブラシでさらに研磨する。よって、粗研、精研の段階的な研削/研磨によって、研削/研磨した部位を一層平滑化することが可能となる。さらに、粗研を行うシリコンブロックが歪んでいる場合などには、先に所定形状になるよう砥石で粗研し、その後に、この砥石より肌理の細かい砥石やブラシで精研を行うことで、所定形状外の歪なシリコンブロックであったとしても、所定形状であって肌理の細かい表面を有するシリコンブロックへと加工することができる。従って、シリコンブロックのスライス加工を行う際、角部が欠けたりすることを防止することができるので、歩留まりを向上することができる。
請求項6のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項において、前記シリコンブロックは、円柱状のシリコンインゴットを切り出し、該円柱状のシリコンインゴットの円周面の一部位が、前記四角柱状のシリコンブロックの4箇所の角部に該当するように形成したものであって、該角部に円弧状の曲面部が形成された単結晶からなるシリコンブロックであり、このような角部に円弧状の曲面部を有したシリコンブロックであっても、その角部及び側面を研削/研磨することができるので、単結晶からなるシリコンブロックをスライス加工しシリコンウエハを製造する際、その周縁部等が欠けたりすることのない歩留まり性を向上した単結晶のシリコンブロックを得ることができる。
請求項7のシリコンブロックの研削研磨機の発明によれば、請求項1〜5の何れか1項において、前記シリコンブロックは、直方体のシリコンインゴットを四角柱状に複数切り出した多結晶からなるシリコンブロックであり、多結晶のシリコンブロックからシリコンウエハをスライス加工して製造するに際し、従来のように、単にその側面だけを研磨するのではなく、角部の面取りまで行うことから、スライス加工時に角部が欠けてしまうことを回避することができる歩留まり性を向上した多結晶のシリコンブロックを得ることができる。
請求項8のシリコンウエハの加工方法によれば、請求項3〜7の何れか1項において、前記シリコンブロックの表面を研削/研磨して該シリコンブロックの表面を平滑化した後、該シリコンウエハをスライス加工して、シリコンブロックを製造するので、シリコンウエハの周縁部が破損してしまうことを回避でき、シリコンウエハの生産性を向上できる。よって、そのコストを安価に抑えることが可能となる。
本発明を実施するための最良の形態としての実施例を以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
図1はシリコンインゴットから切り出されたシリコンブロックの表面を研削/研磨する研削研磨機の構成を示す側面図、図2は研削研磨機を示す平面図、図3は研削研磨機を示す概略構成図である。
図1等に示す研削研磨機1は、図4や図5に示した単結晶や多結晶からなるシリコンインゴットが四角柱状に切り出されたシリコンブロック2を、スライス加工してシリコンウエハが製造される前に、そのシリコンブロック2の表面を研削/研磨するものであり、研削研磨機1を大別すると、シリコンブロックの長手方向の前後をチャッキングして保持するワーク保持装置3、このワーク保持装置3にシリコンブロック2を供給するワーク供給装置4、ワーク保持装置3でチャッキングされているシリコンブロック2の4箇所の側面5、及びこれら側面5を結ぶ4箇所の角部6を研削/研磨する研削/研磨装置7、及び、チャッキングされたシリコンブロック2が所定形状であるか否かを測定するシリコンブロック用測定機8等により構成される。
ワーク保持装置3には、シリコンブロック2の前後を機械的にチャッキングする保持機構10と、この保持機構10でチャッキングされたシリコンブロック2を回転させる回転装置たる旋回用モータ11と、シリコンブロック2をチャッキングするに際し開閉動作を行わせる芯押出しモータ13とを備え、前記旋回用モータ11は、後述するチャッキング部を回転させることでシリコンブロックを45度の単位や連続的に回転駆動できるようになっている。
また、ワーク保持装置3に構成された保持機構には、相対向する一対のチャッキング部12a,12bを備え、その一方のチャッキング部12aが回動自在に保持されている一方で、他方のチャッキング12bは回動自在に保持されると共に芯押出しモータ13により前後に進退されるようになっており、ワーク供給装置4により一対のチャッキング部12a,12bの間たる所定位置へと搬送されてきたシリコンブロック2は、芯押出しモータ13により他方のチャッキング12bが前進されることで、ワーク保持装置3のチャッキング部12a,12bにその前後が挟持され、シリコンブロック2の前後を除いた部分は非接触でチャッキングされる。なお、本実施例においては、チャッキング部12a,12b間の開閉を芯押出しモータ13で行なっているが、それに代えてエアー圧や油圧シリンダを利用してチャッキング12bを進退させ開閉を行なうようにしてもよく機械的にチャッキングする構造であれば適宜選定すればよい。また、「チャッキング」とは、機械的に物を挟持することとして定義するものである。
また、ワーク供給装置4は、前述したようにシリコンブロック2をワーク保持装置3に供給し、若しくはワーク保持装置3でチャッキングされ表面(4側面及び4角部)が研削/研磨されたシリコンブロック2を取り出し位置に回転移動させ元の位置に戻すものであり、図示しないモータの駆動により、軸部15を中心として、ワーク供給装置4に構成される挟持装置16が正逆回転されることでこの挟持装置16で挟持されたシリコンブロック2が円を描くようにして180度の角度で移動されるようになっている。
次に、研削/研磨装置7について説明する。この研削/研磨装置7には、粗研手段たる粗研砥石20と、この粗研手段の粗研砥石20より肌理の細かい(粒子の細かい)精研手段たる精研砥石21とが並設して備えられ、粗研砥石20でシリコンブロック2の側面5や角部6の表面を研削/研磨した後、精研砥石21でさらにその表面を研磨し、シリコンブロック2の4箇所の側面5及び角部6を極めて平滑化する。なお、本実施例においては、シリコンブロックの側面5や角部6を粗研砥石20で研削及び研磨した後に精研砥石21で研磨してより平滑化することが可能となっているが、精研砥21石に代えてブラシ等の精研手段を採用してもよく、また、粗研砥石20及び精研砥石21(ブラシも含む)は、図示しないモータ等の回転駆動手段により駆動される。
次に、シリコンブロック用測定機8について説明する。このシリコンブロック用測定機8は、図1及び図3に示すように、その下端に配置された測定機本体25、測定機本体25を前後方向に移動させるX軸移動用モータ26、測定機本体25を左右方向に移動させるY軸移動用モータ27、及び測定機本体25を上下方向に移動させるZ軸移動用モータ28等を備え、研削/研磨されたシリコンブロック2の近傍をその外形に沿って移動することにより、チャッキングされているシリコンブロック2が所定形状に研削/研磨されたか否かを計測するものである。
次に、円柱状のシリコンインゴットからシリコンブロック2を切り出したその4箇所の角部6に円弧状の曲面部が形成された単結晶からなるシリコンブロック2の表面を研削研磨する動作の一例を以下に説明する。
先ず、ワーク供給位置bに配置された挟持装置16に断面四角形状のシリコンブロック2を挟持させると、軸部15を中心として挟持装置16が円を描くように180度回転される。
次に、挟持装置16に挟持されたシリコンブロック2は、ワーク供給装置4の前進動作により加工位置aにシリコンブロック2を配設させた後、一方のチャッキング部12bが前進し、シリコンブロック2の長手方向の前後をワーク保持装置3のチャッキング部12a,12bがチャッキングすることでシリコンブロック2が宙に浮いたような状態で保持する。
次に、粗研砥石20と精研砥石21に対向する位置に配置されたシリコンブロック2の角部6の1つ目は、シリコンブロック2の長手方向を軸線方向としてこのシリコンブロック2が旋回用モータ11で連続的に多回転されながら、且つ粗研砥石20及び精研砥石21がシリコンブロックの長手方向に沿ってスライド移動されることで研削及び研磨が粗研砥石20と精研砥石21により行われ、1つ目の角部6の平滑化及び面取りが行われる。
続いて、旋回用モータ11によりシリコンブロック2が90度回転され、1つ目の角部6と同様に2つ目の角部6の研削及び研磨が行われる。そして、こうした一連の動作を繰り返し、3つ目、4つ目の角部6の研削及び研磨が行われる。4つ目の角部6の研削及び研磨が終了した後には、旋回用モータ11の駆動によりシリコンブロック2が45度回転され、シリコンブロック2の4箇所の内の1つの側面5が粗研砥石20と精研砥石21に対向する側に配置され、粗研砥石20と精研砥石21が回転(自転)駆動されながらシリコンブロック2の長手方向に沿って移動することで1つ目の側面5の研削及び研磨が行われ、1つ目の側面5の研削及び研磨が終わると、さらに、シリコンブロック2が90度回転され、1つ目の側面と同様に2つ目の側面5の研削及び研磨が行われる。そして、こうした一連の動作を繰り返し、3つ目、4つ目の側面5の研削及び研磨が行われ、これにより、単結晶からなるシリコンブロック2の4箇所の側面5及び角部6の研削及び研磨が終了され、研削及び研磨を行ったその表面は平滑化されるとともに、円弧状の曲面部を有する4箇所の角部の平滑化及び面取りも行われることになる。
次に、研削及び研磨を終えたシリコンブロック2は挟持装置16により挟持され、続いて、一方のチャッキング部12aが後退された後、シリコンブロック2が軸部15を中心として180度回転され、180度旋回移動されたシリコンブロック2が図示しないロボットなどにより取り出された後、シリコンブロック2をスライス加工するシリコンウエハの製造が行なわれることになる。
次に、直方体のシリコンインゴットから角柱状のシリコンブロック2を切り出した多結晶からなるシリコンブロック2の表面を研削研磨する動作の一例を以下に説明する。
先ず、前記単結晶のシリコンブロック2を研削/研磨するときと同様に、ワーク供給位置bに配置された挟持装置16に断面四角形状のシリコンブロック2を挟持させると、軸部15を中心として挟持装置16が円を描くように180度回転され、挟持装置16に挟持されたシリコンブロック2は、ワーク供給装置4の前進動作により加工位置aに配設された後、一方のチャッキング部12aが前進し、シリコンブロック2の長手方向の前後をワーク保持装置のチャッキング部12a,12bがチャッキングすることでシリコンブロック2が宙に浮いたような状態で保持される。
次に、粗研砥石20と精研砥石21に対向するようにして配置されたシリコンブロック2の角部6の1つ目は、粗研砥石20と精研砥石21が回転(自転)駆動されながらシリコンブロック2の長手方向に沿って移動することで研削及び研磨が行われ、1つ目の角部6の研削及び研磨が終わると、旋回用モータ11によりシリコンブロック2が90度回転され、1つ目の角部6と同様に2つ目の角部6の研削及び研磨が行われる。そして、こうした一連の動作を繰り返し、3つ目、4つ目の角部6の研削及び研磨が行われる。4つ目の角部6の研削及び研磨が終了した後には、旋回用モータ11の駆動によりシリコンブロック2が45度回転されることで、シリコンブロック2の4箇所の内の1つの側面5が粗研砥石20と精研砥石21に対向する側に配置され、4つの角部6と同様の工程順で90度毎に回転されてきたシリコンブロック2の側面5は、粗研砥石20と精研砥石21が回転(自転)駆動されながらシリコンブロック2の長手方向に沿って移動することで研削及び研磨がなされ、研削及び研磨を行ったその表面は平滑化されるとともに、90度の角度を有していた直方体型のシリコンブロック2の角部は角ばらないよう面取りが行われることになる。
そして、前記単結晶のシリコンブロック2を研削/研磨するときと同様、研削及び研磨を終えたシリコンブロック2は挟持装置16により挟持され、続いて、一方のチャッキング部12aが後退された後、シリコンブロック2が軸部15を中心として180度回転され、180度旋回移動されたシリコンブロック2が図示しないロボットなどにより取り出された後、シリコンブロック2をスライス加工するシリコンウエハの製造が行なわれる。
以上のように、本発明の一例の角切断バンドソー装置1は、シリコンブロック2の表面を研削/研磨する際、シリコンブロック2の長手方向の前後を機械的にチャッキングする保持機構としてのチャッキング部12a,12bを備えたものである。これにより、シリコンブロック2の長手方向の前後のみをチャッキングさせ宙に浮かせた状態でこのシリコンインブロック2を保持することができるので、シリコンウエハとして用いられるシリコンブロック2の前後のチャッキングされる端部を除くその表面に傷が付いてしまわないよう防止することができる。
さらに、四角柱状のシリコンブロック2の長手方向を軸線方向とするチャッキング部12a,12bの軸心を中心として、回転装置たる旋回用モータ11が45度単位でシリコンブロックを回転させることができるので、チャッキングされたシリコンブロック2を45度単位で回転(自転)させるだけで、研削/研磨を行う所定位置に、シリコンブロック2の4つの側面5及び角部6を簡単に配置することができる。
さらに、シリコンブロック2の4つの側面5の内の何れか1つや、4つの角部6の内のいずれか1つの側部に対向するようにして、シリコンブロック2の表面を研削/研磨しながら水平方向に移動する研削/研磨装置を備えているので、45度単位で回転されるシリコンブロック2の4つの側面5及びこれら側面5を結ぶ角部6を、シリコンブロック2の側方側から研削/研磨することができる。よって、4つの側面5の他、これらを結ぶ角部6の面取りを行うことができ、シリコンブロック2をスライス加工する際、この角部6が欠けたりすることを防止することができ、歩留まりの向上を図ることができる。
さらに、粗研手段たる粗研砥石20によりシリコンブロック2の側面5や角部6を粗研した後、これら粗研されたシリコンブロック2の側面5や角部6を、さらに精研手段たる精研砥石により精研することができるので、つまり、粗研、精研の段階的な研削研磨によって、シリコンブロック2を一層平滑化することができる。しかも、粗研を行うシリコンブロック2が歪んでいる場合などには、先に所定形状になるよう粗研砥石20で所定形状に粗研した後、さらに粗研されたシリコンブロック2の表面が極めて平滑化されるよう精研砥石21で精研することが可能なので、所定形状外の歪なシリコンブロックであったとしても、所定形状の肌理の細かい表面を有するシリコンブロック2へと加工することができ、シリコンブロック2のスライス加工を行う際、角部6が欠けることがないよう確実に防止できシリコンウエハを製造する際の歩留まりを向上することができる。
さらに、本発明の研削研磨機1は、シリコンブロック2の長手方向の前後に亘る角部6に円弧状の曲面部を有する単結晶からなるシリコンブロック2の角部を研削/研磨することが可能で、しかも、直方体の多結晶からなるシリコンブロック2の角部を角ばらないよう面取りを行うこともできる。よって、単結晶や多結晶に対応する特有のシリコンブロックの形状にとらわれることなく、これらの側面だけではなくて曲面部等を有する角部までも研削/研磨することができるので、汎用性が高い研削研磨機1を提供することができる。
さらに、シリコンブロック2の表面(角部及び側面)を研削/研磨して、シリコンブロック2の表面に凹凸がなくなるよう平坦化した後に、シリコンブロック2をスライス加工してシリコンウエハを製造するので、円盤カッタやバンドソー等の切断手段を用いてシリコンブロック2をスライス加工するとき、その周縁部等がシリコンブロックの表面が平滑化していないことで破損してしまうことを防止できる。よって、シリコンウエハの生産性の歩留まりを向上でき、ひいては、そのコストを安価に抑えることが可能となる。
以上、本発明の一例を詳述したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば本実施例では、粗研手段と粗研手段とを同時に回転駆動して研削及び研磨を行っているが、研削/研磨を要するシリコンブロックの表面の粗度等に応じて、精研手段又は粗研手段の何れか一方のみだけを駆動するようにして研削/研磨を行うこともできる。
本発明の一例のシリコンインゴットから切り出されたシリコンブロックの表面を研削/研磨する研削研磨機の構成を示す側面図である。 同上、研削研磨機を示す平面図である。 同上、研削研磨機を示す概略構成図である。 多結晶のシリコンブロックを示す説明図である。 単結晶のシリコンブロックを示す説明図である。
符号の説明
1 研削研磨機
2 シリコンインゴット
2 シリコンブロック
5 側面
6 角部
7 研削/研磨装置
11 旋回用モータ(回転装置)
12a,12b チャッキング部(保持機構)
20 粗研砥石(粗研手段)
21 精研砥石(精研手段)

Claims (8)

  1. シリコンインゴットを所定形状に切断加工することにより製造されるシリコンブロックを、スライス加工することでシリコンウエハが形成される加工工程前にその表面を研削/研磨するシリコンブロックの研削研磨機であって、
    前記シリコンブロックの表面を研削/研磨する際、前記シリコンブロックの長手方向の前後を機械的にチャッキングする保持機構を備えたことを特徴とするシリコンブロックの研削研磨機。
  2. 前記チャッキングされたシリコンブロックは四角柱状であり、該四角柱状のシリコンブロックの長手方向を軸線方向として45度単位で回転させることができる回転装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のシリコンブロックの研削研磨機。
  3. 前記シリコンブロックの4つの側面の内の何れか側部に該シリコンブロックの表面を研削/研磨しながら水平方向に移動する研削/研磨装置を備えたことを特徴とする請求項2記載のシリコンブロックの研削研磨機。
  4. 前記研削/研磨装置は、回転しながら前記シリコンブロックの表面を粗研する粗研手段と、前記粗研手段より研削/研磨されたシリコンブロックの表面を、回転しながら精研してさらに平滑化する精研手段であることを特徴とする請求項3記載のシリコンブロックの研削研磨機。
  5. 前記回転しながら粗研を行う粗研手段は砥石であり、前記回転しながら精研を行う精研手段は前記粗研手段の砥石より肌理の細かい砥石若しくはブラシとしたことを特徴とする請求項4記載のシリコンブロックの研削研磨機。
  6. 前記シリコンブロックは、円柱状のシリコンインゴットを切り出し、該円柱状のシリコンインゴットの円周面の一部位が、前記四角柱状のシリコンブロックの4箇所の角部に該当するように形成したものであって、該角部に円弧状の曲面部が形成された単結晶からなるシリコンブロックであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のシリコンブロックの研削研磨機。
  7. 前記シリコンブロックは、直方体のシリコンインゴットを四角柱状に複数切り出した多結晶からなるシリコンブロックであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のシリコンブロックの研削研磨機。
  8. 前記請求項3〜7の何れか1項において、前記シリコンブロックの表面を研削/研磨して該シリコンブロックの表面を平滑化した後、該シリコンブロックをスライス加工して、シリコンウエハを製造することを特徴とするシリコンウエハの加工方法。
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