JP2009230981A - 非水系金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気中の水分による金属負極の劣化を有効に防止する非水系金属空気電池を提供する。
【解決手段】リチウム空気電池10では、リチウム負極16と酸素正極18とが非水電解液22中に配置され、放電時にリチウム負極16で金属リチウムがリチウムイオンに酸化されると共に酸素正極18で空気中の酸素が酸素イオンに還元される。密閉空間である正極室28を形成するカバー30に酸素ポンプ32が取り付けられている。この酸素ポンプ32は、正極室28の外側の空気中の酸素を正極室28の内側へ電気化学的にポンピング可能なため、放電反応が進行して正極室28内の酸素濃度が低下した場合には酸素ポンプ28により空気中の酸素を補給することができる。ここで、正極室28は水分不透過なカバー30及び緻密な固体電解質34に取り囲まれているため、空気中の水分が正極室28に侵入することはない。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水系金属空気電池に関する。
従来より、放電時に金属負極で金属が金属イオンに酸化されると共に酸素正極で空気中の酸素が酸素イオンに還元される非水系金属空気電池が知られている。こうした非水系金属空気電池では、空気中の酸素を正極活物質として用いるため、電池内に正極活物質を充填する必要がない。したがって、エネルギ密度を高くすることができるという利点がある。また、非水系金属空気電池の金属負極としてリチウム金属を用いた場合、他の金属を用いた場合に比べて高い理論電圧及び電気化学当量を有しているため、高容量化を図ることができるという利点もある。
一方、こうした非水系金属空気電池では、酸素正極を空気と接触させた状態で使用するため、空気中の水分が電池内に侵入して金属負極と反応することがある。このような反応が起きると金属負極が劣化して電池特性が低下するという問題が生じる。この問題を解決するため、特許文献1や非特許文献1には、リチウム塩を疎水性イオン液体に溶かした非水系電解液を用いるリチウム空気電池が提案されている。このリチウム空気電池によれば、非水系電解液に水分が溶解しにくいため、空気中の水分が電池内に侵入するのを防止することができる。
特開2005−116317 ジャーナル・オブ・パワー・ソーシズ(Journal of Power Sources)、146巻、766−769頁、2005年
しかしながら、非特許文献1によると、疎水性イオン液体は90%RHで100時間放置すると水分量が1wt%前後になると記載されている。このため、リチウム塩を疎水性イオン液体に溶かした非水系電解液を用いるだけでは、空気中の水分が電池内に侵入するのを十分防止できないことがある。特に、繰り返し充放電を行う二次電池として用いる場合には、この問題が顕著になりやすい。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、空気中の水分による金属負極の劣化を有効に防止する非水系金属空気電池を提供することを主目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
すなわち、本発明の非水系金属空気電池は、
金属負極と酸素正極とが非水電解液中に配置され、放電時に前記金属負極で金属が金属イオンに酸化されると共に前記酸素正極で空気中の酸素が酸素イオンに還元される非水系金属空気電池であって、
前記酸素正極を水分不透過なカバーで取り囲むことにより形成された密閉空間である正極室と、
前記カバーに設けられた通過口を塞ぐ酸素イオン伝導性の緻密な固体電解質を有し、前記正極室の外側の空気中の酸素を前記正極室の内側へ電気化学的にポンピング可能な酸素ポンプと、
を備えたものである。
この非水系金属空気電池では、密閉空間である正極室を形成するカバーに酸素ポンプが取り付けられている。この酸素ポンプは、正極室の外側の空気中の酸素を正極室の内側へ電気化学的にポンピング可能なため、放電反応が進行して正極室内の酸素濃度が低下した場合には酸素ポンプにより空気中の酸素を補給することができる。ここで、酸素イオン伝導性の固体電解質は緻密化されているため、水分は透過しない。逆に言うと、本発明で用いられる固体電解質は水分が透過しない程度に緻密化されている。つまり、正極室は水分不透過なカバー及び緻密な固体電解質に取り囲まれているため、空気中の水分が正極室に侵入することはない。したがって、空気中の水分が金属負極と反応するのを阻止することができ、ひいては空気中の水分による金属負極の劣化を有効に防止することができる。
本発明の非水系金属空気電池において、前記酸素ポンプは、前記固体電解質を前記正極室の外側に位置する外側電極と前記正極室の内側に位置する内側電極とで挟み込んだ構造を持ち、前記外側電極と前記内側電極との間に印加される電圧を調整することにより前記正極室の外側の空気中の酸素を前記正極室の内側へポンピングするものとしてもよい。こうすれば、必要に応じて酸素のポンピングが可能となる。例えば、放電により正極室の酸素分圧が大きく低下した場合に、正極室の外側の空気中の酸素を正極室の内側へポンピングしてもよい。正極室の酸素分圧は、電流を積算して酸素量に換算しその酸素量に基づいて求めてもよいし、モニタリングした酸素濃度に基づいて求めてもよいし、直接モニタしてもよい。なお、充電により正極室の酸素分圧が高くなりすぎた場合には、正極室の内側の酸素を外側へポンピングしてもよい。
本発明の非水系金属空気電池において、前記酸素ポンプは、前記固体電解質を前記正極室の外側に位置する外側電極と前記正極室の内側に位置する内側電極とで挟み込んだ構造を持ち、前記正極室の外側の酸素濃度が内側の酸素濃度を上回ったとき酸素濃淡電池として作用して前記正極室の外側の空気中の酸素を前記正極室の内側へポンピングするよう前記外側電極と前記内側電極とが短絡又は抵抗を介して接続されているものとしてもよい。こうすれば、両電極に外部から電圧を印加することなく、酸素濃淡電池の原理を利用して酸素のポンピングが可能となる。
本発明の非水系金属空気電池において、固体電解質は、酸素イオン伝導性であれば特に限定されないが、例えばジルコニアやセリア、チタニアなどが挙げられる。これらは酸化イオンのみ伝導するため、他の分子やイオンの遮蔽効果が高い。これらのうち、ジルコニアが好ましく、特にイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が好ましい。なお、固体電解質を挟み込む外側電極及び内側電極は、白金、銀、銅、アルミニウム、それらの合金などの各種金属やカーボンを用いることができるが、このうち白金又はその合金を用いることが好ましい。
本発明の非水系金属空気電池において、非水系電解液は、金属負極の金属の塩をイオン液体に溶解したものとしてもよい。イオン液体は、蒸気圧がほぼゼロのため、酸素ポンプを高温で駆動させる必要があったとしても駆動中に減量してしまうおそれがない。
本発明の非水系金属空気電池は、放電が1回のみ可能な一次電池としてもよいが、充放電を繰り返し実行可能な二次電池としてもよい。二次電池は、充放電を繰り返し実行可能なため、一次電池に比べて長期にわたって使用され、空気中の水分に晒される機会が多いことから、本発明を適用する意義が高い。
本発明の非水系金属空気電池において、金属負極は、放電時に金属負極で金属が金属イオンに酸化されるものであれば特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金などが挙げられ、そのうちリチウムが他の金属を用いた場合に比べて高い理論電圧及び電気化学当量を有しているため好ましい。こうした金属負極は、このような金属をシート形状に加工したものを用いてもよいし、このような金属を負極集電体に担持したものを用いてもよい。負極集電体は、特に限定されるものではないが、例えばステンレス鋼や銅、ニッケルなどの金属板や金属メッシュを用いることができる。負極集電体としては、こうした金属のほか、カーボンペーパーや酸化物導電体などを用いることもできる。また、炭素材にリチウムをインターカレーションしたものも用いることができる。
酸素正極は、放電時に酸素正極で空気中の酸素が酸素イオンに還元されるものであれば特に限定されないが、例えば、触媒として、白金等の貴金属粉末のほか、マンガン、ニッケル、コバルトなどの各種金属酸化物(複合酸化物を含む)を用いてもよいし、金属ポルフィリン、金属フタロシアニンなどの有機金属錯体を用いてもよい。酸素正極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、正極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
金属負極と酸素正極との間には、セパレータを配置してもよい。セパレータとしては、本発明の非水系金属空気電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
非水系電解液は、本発明の非水軽金属空気電池の電池反応に関与するイオンを伝導可能であれば特に限定されないが、金属負極に用いる金属の塩(支持塩)を非水系溶媒に溶解したものが挙げられる。非水系溶媒としては、例えば炭酸エステル系溶媒やエーテル系溶媒、イオン液体などが挙げられる。炭酸エステル系溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジメトキシエタン、ジメチルトリグライム、ポリエチレングリコール及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。イオン液体は、常温で溶融しているカチオンとアニオンとの塩であるが、カチオンとしては、イミダゾリウム、アンモニウム、ピリジニウム、ピペリジニウムなどが挙げられる。イミダゾリウムとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム(MOI)等が挙げられ、アンモニウムとしては、テトラブチルアンモニウム等が挙げられ、ピリジニウムとしては、1−ブチル−3−メチルピリジニウムや1−ブチルピリジニウム等が挙げられ、ピペリジニウムとしては、1−エチル−1−メチルピペリジニウム等が挙げられる。また、アニオンとしては、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(TFSI)やビス(ペンタフルオロエチルスルフォニル)イミド(BETI)等のイミドアニオンのほか、テトラフルオロボレート、パークロレート、ハロゲンアニオン等の無機アニオンが挙げられる。これらの非水系溶媒のうち、イオン液体を用いることが不揮発性であるため好ましい。支持塩としては、金属負極に用いる金属がリチウムの場合には、LiPF6、LiClO4、LiTFSI、LiBETI等が挙げられる。
酸素負極を取り囲むカバーは、水分不透過な材質であれば特に限定されないが、例えば緻密なアルミナセラミックや窒化アルミセラミック、炭化珪素セラミックなどが挙げられる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるリチウム空気電池10の断面図である。
本実施形態のリチウム空気電池10は、SUS製の容器本体12とSUS製の容器上蓋14とに囲まれた空間に、リチウム負極16と酸素正極18とが多孔質ポリエチレン製のセパレータ20を介して配置され、両極16,18の間に非水系電解液22が充填されたものである。このリチウム空気電池10では、容器本体12はリチウム負極16と接触して電池負極を構成し、容器上蓋14は酸素正極18と接触して電池正極を構成しており、電池負極と電池正極との間には絶縁体24が介在している。また、リチウム空気電池10は、酸素正極18の周囲を取り囲み密閉空間である正極室28を形成するカバー30を有し、このカバー30の上面中央に設けられた通過口30aには酸素ポンプ32が取り付けられている。なお、容器本体12はリード線を介して負極端子に接続され、容器上蓋14はリード線を介して正極端子に接続されている。
容器本体12は、リチウム負極16を収容すると共に、開口周縁に設けられた段差部分でセパレータ20を支持している。容器上蓋14は、上面中央に開口14aを有しており、酸素正極18の上面は、この開口14aを介して正極室28に露出している。本実施形態では、リチウム負極16として、金属リチウム箔を用いている。また、酸素正極18として、電解二酸化マンガン15wt%とケッチェンブラック83wt%とPTFE2wt%とを混練し、直径1cmで重さ10mgのシートに成形後、このシートをSUSメッシュに押しつけたものを用いている。更に、非水系電解液22として、0.5M LiTFSIのEMITFSI溶液を用いている。
カバー30は、緻密なアルミナセラミックスで形成され、水分も気体も不透過である。酸素ポンプ32は、イットリア部分安定化ジルコニア(YSZ)からなる緻密な固体電解質34を外側電極36及び内側電極38で挟み込んだ構造を有し、固体電解質34がカバー30の通過口30aを塞いでいる。固体電解質34は、酸素イオン伝導性を有しているものの、水分や気体は不透過である。正極室28は、このようなカバー30及び固体電解質34によって取り囲まれているため、水分も気体も不透過となっている。本実施形態では、この正極室28の容積は約1mLである。固体電解質34のうち外側電極36が設けられた面は、図2に示すように、空気が流通可能な多孔質基板39で覆われている。この多孔質基板39の外表面には、固体電解質34を加熱して酸素イオン伝導性を発揮させるためのヒータ40が形成されている。また、外側電極36と内側電極38とは電圧印加回路42を介して電気的に接続されている。この電圧印加回路42は、スイッチ42aを有しており、スイッチ42aをオンにすると両電極36,38に電圧が印加されて空気中の酸素が正極室28へポンピングされる。本実施形態では、酸素ポンプ32は、固体電解質34の上下両面に外側電極36及び内側電極38となる白金ペーストを面積0.1cm2となるように印刷し、多孔質基板39となるアルミナを積層し、その上にヒータ40となる白金ペーストを印刷したものを1400℃以上の高温で焼成したものを用いている。この酸素ポンプ32は700℃で0.5Vの電圧を印加して駆動させると、20mAの酸素イオン電流(純酸素換算4.2mL/時間)が流れる。
次に、こうして得られたリチウム空気電池10の電池特性について説明する。リチウム空気電池10を酸素ポンプ32を駆動せずに0.1mAの低電流で放電させると、平均2.6Vの出力が約10時間維持されるが、その後電圧の低下が起きる。このときの電池容量は100mAh/g(正極材料の重量あたり)である。このように10時間で電圧低下が起きるのは、正極室28内の酸素がすべて消費されるためと考えられる。これに対して、10時間ごとに電圧印加回路42のスイッチ42aを3分間オンして、酸素ポンプ32を駆動させて外気(正極室28の外側の空気)中の酸素を正極室28の内側へポンピングすると、電池出力が回復し、600時間まで電圧が維持される。このときの電池容量は6000mAh/g(正極材料の重量あたり)である。一方、カバー30及び酸素ポンプ32を取り外して酸素正極18を大気に露出して電池の放電を実施すると、200時間で出力低下が見られる。これは、空気中の水分が酸素正極18及び非水系電解液22を経てリチウム負極16に至りリチウム負極16の劣化を引き起こすためと考えられる。
以上詳述した本実施形態のリチウム空気電池10によれば、放電反応が進行して正極室28の酸素濃度が低下した場合には酸素ポンプ32により外気中の酸素を補給することができる。また、この正極室28は水分不透過なカバー30及び固体電解質34に取り囲まれているため、空気中の水分が正極室28に侵入することはない。したがって、空気中の水分がリチウム負極16と反応するのを阻止することができ、ひいては空気中の水分によるリチウム負極16の劣化を有効に防止することができる。
また、固体電解質34として緻密なYSZを用いているため、他の分子やイオンの遮蔽効果が高く、水分のみならず炭酸ガスなどによるリチウム負極16の劣化を有効に防止することもできる。
更に、非水系電解液22の溶媒として蒸気圧がほぼゼロのイオン液体(EMITFSI)を用いているため、酸素ポンプ32をヒータ40で高温化した状態で駆動させたとしても、その駆動中に非水系電解液22が減量してしまうおそれがない。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、酸素ポンプ32の外側電極36と内側電極38との間に電圧印加回路42を設けたが、図3に示すように酸素ポンプ32の外側電極36と内側電極38とを抵抗を介して電気的に接続してもよいし、短絡させてもよい。こうすれば、外気中の酸素濃度が正極室28の酸素濃度を上回ったときには外気中の酸素が正極室28の内側へポンピングされ、逆に、外気中の酸素濃度が正極室28の酸素濃度を下回ったときには正極室28の内側の酸素が外気中へポンピングされる。このため、両電極36,38に外部から電圧を印加することなく、酸素濃淡電池の原理を利用して酸素のポンピングが可能となる。この図3の構成を採用すると、600時間の初期放電が可能で、その後も1000mAhの容量での充放電が50回可能となる。
上述した実施形態では、酸素ポンプ32の上に多孔質基板39を積層したが、多孔質基板39の代わりに、図4に示す酸素ポンプ52のように固体電解質34の外表面を取り囲んで中空空間を形成するようなボックス58を積層してもよい。このボックス58には1つ又は多数のピンホールが形成され、このピンホールを介して外気がボックス58の内外を流通可能である。また、ヒータ40はボックス58の上面に形成されている。この場合でも、電圧印加回路42のスイッチ42aのオンオフにより、外気中の酸素を正極室28へポンピングすることができる。なお、ピンホールの代わりに多孔質体を介して外気がボックス58の内外を流通可能となるようにしてもよい。また、ボックス58や前出の多孔質基板39は酸素ポンプ32の破損防止のために設けられたものであるが、電池設置場所が安全な場合にはこれらを省略してもよい。
上述した実施形態では、1つのリチウム空気電池10に1つの酸素ポンプ32を備えるようにしたが、図5に示すように、カバー30と同様の材質で形成されたケース60に1つの酸素ポンプ32を取り付けると共に、そのケース60内に多数のリチウム空気電池110を直列に繋いで収容してもよい。つまり、各リチウム空気電池110は、共通の酸素ポンプ32を有していてもよい。こうすれば、リチウム電池1つあたりの酸素ポンプのコストを低減することができる。なお、リチウム空気電池110は、リチウム空気電池10と同様、容器本体12と容器上蓋14とに囲まれた空間に、リチウム負極16と酸素正極18とが多孔質ポリエチレン製のセパレータ20を介して配置され、両極16,18の間に非水系電解液22が充填されたものである。
上述した実施形態では、電圧印加回路42のスイッチ42aを10時間ごとに3分間オンするようにしたが、電池電流を積算して酸素量に換算しその酸素量に基づいてスイッチ42aのオンオフを切り替えるようにしてもよい。あるいは、正極室28の酸素濃度をモニタリングし、その酸素濃度に基づいてスイッチ42aのオンオフを切り替えるようにしてもよい。
上述した実施形態では、外気中の酸素を酸素ポンプ32が正極室28へポンピングするか否かを切り替えたが、必要に応じて電圧印加回路42の電源のプラスとマイナスを逆に繋ぐことにより、正極室28の酸素を正極室28の外側へポンピングするようにしてもよい。例えば、充電により正極室28の酸素分圧が高くなりすぎた場合などには、このようにポンピングしてもよい。
上述した実施形態では、酸素ポンプ32にヒータ40を取り付け、ヒータ40で固体電解質34を加熱することにより酸素イオン伝導性を発揮させるようにしたが、例えば、エンジン自動車に搭載する場合には、ヒータ40の代わりにエンジンの排ガスの熱で固体電解質34を加熱してもよい。また、常温で酸素イオン伝導性を有する固体電解質を使用する場合には、こうしたヒータ40を省略することができる。
上述した実施形態では、酸素ポンプ32を平板状としたが、チューブ状にしたりコップ状にしたりしてもよい。
リチウム空気電池10の断面図である。 電圧印加回路42を備えた酸素ポンプ32の断面図である。 両電極36,38を短絡させたときの酸素ポンプ32の説明図である。 酸素ポンプ52の断面図である。 多数のリチウム空気電池110に共通の酸素ポンプ32を備えたときの断面図である。
符号の説明
10,110 リチウム空気電池、12 容器本体、14 容器上蓋、14a 開口、16 リチウム負極、18 酸素正極、20 セパレータ、22 非水系電解液、24 絶縁体、28 正極室、30 カバー、30a 通過口、32,52 酸素ポンプ、34 固体電解質、36 外側電極、38 内側電極、39 多孔質基板、40 ヒータ、42 電圧印加回路、42a スイッチ、58 ボックス、60 ケース。

Claims (6)

  1. 金属負極と酸素正極とが非水電解液中に配置され、放電時に前記金属負極で金属が金属イオンに酸化されると共に前記酸素正極で空気中の酸素が酸素イオンに還元される非水系金属空気電池であって、
    前記酸素正極を水分不透過なカバーで取り囲むことにより形成された密閉空間である正極室と、
    前記カバーに設けられた通過口を塞ぐ酸素イオン伝導性の緻密な固体電解質を有し、前記正極室の外側の空気中の酸素を前記正極室の内側へ電気化学的にポンピング可能な酸素ポンプと、
    を備えた非水系金属空気電池。
  2. 前記酸素ポンプは、前記固体電解質を前記正極室の外側に位置する外側電極と前記正極室の内側に位置する内側電極とで挟み込んだ構造を持ち、前記外側電極と前記内側電極との間に印加される電圧を調整することにより前記正極室の外側の空気中の酸素を前記正極室の内側へポンピングする、
    請求項1に記載の非水系金属空気電池。
  3. 前記酸素ポンプは、前記固体電解質を前記正極室の外側に位置する外側電極と前記正極室の内側に位置する内側電極とで挟み込んだ構造を持ち、前記正極室の外側の酸素濃度が内側の酸素濃度を上回ったとき酸素濃淡電池として作用して前記正極室の外側の空気中の酸素を前記正極室の内側へポンピングするよう前記外側電極と前記内側電極とが短絡又は抵抗を介して接続されている、
    請求項1に記載の非水系金属空気電池。
  4. 前記固体電解質は、イットリア部分安定化ジルコニアである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系金属空気電池。
  5. 前記非水系電解液は、前記金属イオンの塩をイオン液体に溶解したものである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系金属空気電池。
  6. 充放電を繰り返し実行可能な二次電池である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系金属空気電池。
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