JP2009230985A - 非水系空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属を含む負極を有する空気電池の体積増加をより抑制すると共に、負極の劣化を有効に防止する。
【解決手段】リチウム空気電池10は、リチウム負極15と、正極13と、非水系でありリチウム負極15と正極13との間に介在しリチウムイオンを伝導する非水系電解液18と、を光の透過可能な透過部19が設けられたケース11に密閉して配設し、更に、受光により酸素を放出する酸素吸蔵材料21がケース11内の透過部19を介して入射した光を受ける位置に配設されている。そして、この透過部19に光を照射すると酸素吸蔵材料21から酸素が放出されて電池反応が進行する。このように、酸素吸蔵材料21を利用することにより、例えば外部に酸素ボンベなどを設けずに済む。また、密閉されたケース11内で電池反応が進行するから、水分や二酸化炭素が電池内部に侵入するのを防止可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水系空気電池に関する。
従来より、放電時に負極で金属が金属イオンに酸化されると共に正極で空気中の酸素が酸素イオンに還元される非水系空気電池が知られている。こうした非水系空気電池では、空気中の酸素を正極活物質として用いるため、電池内に正極活物質を充填する必要がない。したがって、エネルギ密度を高くすることができるという利点がある。また、非水系空気電池の負極としてリチウム金属を用いた場合、他の金属を用いた場合に比べて高い理論電圧及び電気化学当量を有しているため、高容量化を図ることができるという利点もある。
一方、こうした非水系空気電池では、正極を空気と接触させた状態で使用するため、空気中の水分や二酸化炭素が電池内に侵入して負極の金属と反応することがある。このような反応が起きると負極が劣化して電池特性が低下するという問題が生じる。この問題を解決するため、例えば、空気孔と正極との間に酸素透過膜を配置したものや(例えば、特許文献1参照)、正極の空気孔側と異なる面にリチウムイオン二次電池を貼り合わせた構造とし非水系空気電池とリチウムイオン二次電池とにより電力を供給し空気の流入量を抑えることにより水分の侵入を抑制するもの(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特開2005−166685号公報 特開2006−286414号公報
しかしながら、特許文献1に記載された非水系空気電池では、酸素透過膜を備えるものであるが、水分や二酸化炭素の侵入を完全に防止することはできず、水分などが侵入してしまい、負極が劣化してしまうことがあった。また、酸素透過膜による酸素移動の抵抗により、電流をより多く流すことができないことがあった。また、特許文献2に記載された非水系空気電池でも、空気を利用するものであるため、同様に水分や二酸化炭素の侵入を完全に防止することはできなかった。このほか、空気を利用せず純酸素のボンベなどを用いることも考えられるが、電池の実質的な体積が大きくなってしまう問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、体積増加をより抑制すると共に、負極の劣化を有効に防止することができる非水系空気電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、光の照射により酸素を放出する材料を正極側に利用し、ケースを密閉するものとすると、負極の劣化を有効に防止することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水系空気電池は、
金属を含む負極と、
酸素を活物質として用いる正極と、
前記負極と前記正極との間に介在しイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、
光を透過可能な透過部が設けられ前記負極と前記正極と前記イオン伝導媒体とを密閉して配設するケースと、
受光により酸素を放出する材料であり前記透過部を介して入射した光を受ける前記ケース内の位置に存在する酸素吸蔵材料と、
を備えたものである。
この非水系空気電池では、金属を含む負極と、酸素を活物質として用いる正極と、負極と正極との間に介在しイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、を光の透過可能な透過部が設けられたケースに密閉して配設し、更に、受光により酸素を放出する酸素吸蔵材料がケース内の透過部を介して入射した光を受ける位置に存在している。そして、この透過部に光を照射すると酸素吸蔵材料から酸素が放出されて電池反応が進行する。このように、酸素吸蔵材料を利用することにより、例えば外部に酸素ボンベなどを設けずに済む。また、密閉されたケース内で電池反応が進行するから、水分や二酸化炭素が電池内部に侵入するのを防止可能である。したがって、体積増加をより抑制すると共に、負極の劣化を有効に防止することができる。
本発明の非水系空気電池において、前記酸素吸蔵材料は、前記透過部の近傍に存在することが好ましく、例えば透過部の近傍に固定された状態で存在しているものとしてもよいし、透過部の近傍に流動可能な状態で存在しているものとしてもよい。この酸素吸蔵材料は、透過部の近傍に固定された状態で存在するに際して、前記透過部と前記正極との間に配設されているものとしてもよい。こうすれば、透過部で光を受けて発生した酸素が比較的容易に正極へ達することができる。このとき、前記酸素吸蔵材料は、固体や液体であってもよいが、固体状に成形された状態で透過部と正極との間に配設されていてもよい。例えば、酸素吸蔵材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラエチレンフルオライド、ポリアクリロニトリルなどのバインダーとしての高分子を配合しシート成型又はプレス成形してもよい。この成形体は、透明であることが好ましいが、酸素吸蔵材料が光を受けることができればよく、例えば膜厚が1μm〜30μmのフィルム状など不透明であっても構わない。あるいは、前記酸素吸蔵材料は、透過部の近傍に流動可能な状態で存在するに際して、液体である前記イオン伝導媒体へ溶解した状態で前記透過部と前記正極との間に存在しているものとしてもよい。こうすれば、イオン伝導媒体の流動によって透過部で光を受けやすく、より酸素吸蔵材料が酸素を放出しやすい。このとき、前記酸素吸蔵材料は、固体や液体であってもよい。
本発明の非水系空気電池において、前記酸素吸蔵材料は、光の照射により酸素を放出するものであれば特に限定されないが、酸素を含むマンガン錯体であるものとしてもよい。こうすれば、光を照射することにより酸素を発生可能であるから、例えば加熱して酸素を発生可能なものに比してより低い温度で動作可能であり、電池性能を安定させやすい。マンガン錯体としては、例えば、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ,122巻,10353−10357頁,2000年に記載された次式(1)で表されるオキソキュベン型マンガン錯体としてもよいし、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ,119巻,2761−2762頁,1997年に記載された次式(2)で表されるマンガンジピコリナート錯体としてもよい。あるいは、ジャーナルオブフィジカルケミストリーC,111巻,17420−17426頁,2007年に記載された、ロジウム、アンチモン、タリウムのうちいずれかをドープしたルチル型チタニア光触媒なども挙げることができる。外部から照射する光は、酸素吸蔵材料に合わせて適宜選択すればよく、例えば、上記マンガン錯体では、300nm〜400nmの紫外光を用いることができ、ルチル型チタニア触媒では300nm以上の紫外光、可視光、440nm以上の可視光などを用いることができる。光源としては、レーザー、水銀ランプ、白熱灯、太陽光などを用いることができる。
Figure 2009230985
Figure 2009230985
本発明の非水系空気電池において、負極は、金属を含んで構成され、放電時に負極で金属が金属イオンに酸化されるものであれば特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金などが挙げられ、そのうちリチウムが他の金属を用いた場合に比べて高い理論電圧及び電気化学当量を有しているため好ましい。リチウム金属の合金としては、例えば、リチウムアルミニウム、リチウムシリコンなどが挙げられる。また、負極は、金属を吸蔵し放出可能な黒鉛などを用いることができる。こうした負極は、このような金属をシート形状に加工したものを用いてもよいし、このような金属を負極集電体に担持したものを用いてもよい。負極集電体は、特に限定されるものではないが、例えばステンレス鋼や銅、ニッケルなどの金属板や金属メッシュを用いることができる。負極集電体としては、こうした金属のほか、カーボンペーパーや酸化物導電体などを用いることもできる。
正極は、放電時に正極で空気中の酸素が酸素イオンに還元されるものであれば特に限定されないが、例えば、触媒として、白金等の貴金属粉末のほか、マンガン、ニッケル、コバルトなどの各種金属酸化物(複合酸化物を含む)を用いてもよいし、金属ポルフィリン、金属フタロシアニンなどの有機金属錯体を用いてもよい。正極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有する材料であれば特に限定されない。例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、正極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。この正極は、導電材100重量部に対して触媒を3〜10重量部、バインダーを5〜20重量部とすることが好ましい。この正極は、例えば上記触媒と導電材とバインダとを混合したあと、集電体にプレス成形して形成してもよい。集電体としては、酸素の拡散を速やかに行わせるため、網状やメッシュ状など多孔体を用いることが好ましく、ステンレス鋼やニッケル、アルミニウム、銅などの多孔体の金属板を用いることができる。なお、この集電体は、酸化を抑制するためにその表面に耐酸化性の金属または合金の被膜を被覆してもよい。
イオン伝導媒体としては、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。支持塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、負極にリチウムを用いたときには、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO22などの公知の支持塩を用いることができる。これらの支持塩は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。電解液としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。また、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや、1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどのイオン性液体を用いることもできる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、ゲル電解液としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレングリコール及びポリアクリロニトリルなどの高分子、アミノ酸誘導体及びソルビトール誘導体などの糖類に、支持塩を含む電解液を含ませてなるものなどが挙げられる。
負極と正極との間には、セパレータを配置してもよい。セパレータとしては、本発明の非水系空気電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明の非水系空気電池において、前記ケースの透過部は、水分や二酸化炭素の透過を防止し、前記酸素吸蔵材料の酸素を放出する波長の光が透過可能なものが好ましく、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミドなどの高分子材料で形成してもよいし、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、透明導電性電極などの無機材料で形成してもよい。この透過部は、これらの材料を単独で用いてもよいし、複合(積層)して用いてもよい。このケースの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。このとき、透過部は、酸素吸蔵材料の配置位置に合わせて形成すればよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、非水系であるリチウム空気電池10の構成の概略を表す説明図である。リチウム空気電池10は、光の照射により酸素を放出する酸素吸蔵シート層20と、集電体12に接続され触媒16により酸素を活物質として用いる正極13と、集電体14に接続されリチウム金属からなるリチウム負極15とを積層し、正極13とリチウム負極15との間に非水系電解液18を満たした状態で、開口を有するカップ形状の絶縁体であるケース11に配設し、集電体12,14を外部に露出した状態で酸素吸蔵シート層20側に配置された蓋部材である透過部19により密閉されている。このリチウム空気電池10は、円盤状に形成された、酸素吸蔵シート層20と正極13とリチウム負極15とをケース11の円筒の軸方向に積層した構造を有している。なお、ケース11を絶縁体としたが、正極13とリチウム負極15とが短絡しないように絶縁体を挟み、導電性の正極13側と導電性のリチウム負極15側とに分割する構造のケース11を採用してもよい。
ケース11は、透過部19以外の部分は光を透過しない部材で形成されている。透過部19は、円板形状の石英ガラスにより形成されている。正極13は、電解二酸化マンガン(三井金属鉱山製)10mgとケッチェンブラック(三菱化学ECP6000)146mgとPTFE(ダイキン工業製)12mgとを乾式で乳鉢を用いて混練してシートに成形後、このシートの6mgをアルミニウムメッシュ(ニラコ製)に圧着したものを用いている。リチウム負極15は、直径10mm、厚さ0.4mmのリチウム金属(本城金属製)を用いている。非水系電解液18は、1Mのリチウムパークロレートのエチレンカーボネート・ジエチルカーボネート溶液(富山薬品製)を用いている。
酸素吸蔵シート層20は、酸素吸蔵材料21の2gと、バインダとしてのPVDFを10gと、をN−メチル−2−ピロリドン溶液と混合してシート形状に成形したものを用いている。この酸素吸蔵材料21は、式(1)で表されるマンガン錯体とする。この酸素吸蔵材料21は、例えば以下のように合成することができる。酢酸マンガン水和物0.86gを水12mlに溶解させ、2,2’−ジピリジル1.72gをアセトン12mlへ溶解した溶液に加える。次に、1Mの酢酸を加えてpHを4.5に調整する。この混合溶液を0℃の氷浴下に置き、過マンガン酸カリウム0.24gを溶解した水溶液10mlを加え、過塩素酸ナトリウム2.02gを溶解させた水溶液10mlを加え、マンガン酸化物ジピリジル過塩素化物を合成する。続いて、ジフェニルリン酸0.1743gをメタノール5mlへ溶解させ、これに1Mのテトラブチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液0.8mlを加える。生成した白い析出物を濾過し、アセトニトリル・アセトンの混合溶液(体積比で2:1)10mlに再溶解させる。続いて、上記合成したマンガン酸化物ジピリジル過塩素化物0.212gをアセトニトリル10mlに溶解し、これを滴下して3時間、撹拌後、静置して式(1)で表されるマンガン錯体を得ることができる。
Figure 2009230985
このように形成したリチウム空気電池10では、充放電装置(北斗電工製HJ1001SM8A)に接続し、365nmの波長の紫外線を定常状態で透過部19へ照射し、酸素吸蔵シート層20から発生した酸素により正極13とリチウム負極15との間で正極材あたり10〜100mA/gの電流を放電することができる。
以上詳述した本実施形態のリチウム空気電池10によれば、リチウム負極15と、正極13と、リチウム負極15と正極13との間に介在しリチウムイオンを伝導する非水系電解液18と、を光の透過可能な透過部19が設けられたケース11に密閉して配設し、更に、受光により酸素を放出する酸素吸蔵材料21がケース11内の透過部19を介して入射した光を受ける位置に配設されている。そして、この透過部19に光を照射すると酸素吸蔵材料21から酸素が放出されて電池反応が進行する。このように、酸素吸蔵材料21を利用することにより、例えば外部に酸素ボンベなどを設けずに済むし、密閉されたケース11内で電池反応が進行するから、水分や二酸化炭素が電池内部に侵入するのを防止可能である。したがって、体積増加をより抑制すると共に、負極の劣化を有効に防止することができる。また、酸素吸蔵材料が固体状に成形された状態で透過部19と正極13との間に配設されているため、発生した酸素が比較的容易に正極13へ達することができる。更に、酸素吸蔵材料は、光の照射により酸素を放出するマンガン錯体であるため、例えば加熱して酸素を発生可能なものに比してより低い温度で動作可能であり、電池性能を安定させやすい。更にまた、負極がリチウム金属であるため、高い理論電圧及び電気化学当量を有しており、好ましい。そしてまた、光の強弱を制御することによって、電流値を制御することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、円盤状に形成された、酸素吸蔵シート層20と正極13とリチウム負極15とをケース11の円筒の軸方向に積層した構造を有するリチウム空気電池10としたが、図2に示すように、ケース31の円筒の外周面を透過部39とし、外周側から内周側へ順に、円筒状の酸素吸蔵シート層40、集電体32が接続され触媒36を含む円筒状の正極33及び集電体34が接続された円柱状のリチウム負極35を密閉状態で配設し、正極33とリチウム負極35との間に非水系電解液38を満たした構造を有するリチウム空気電池30としてもよい。こうしても、体積増加をより抑制すると共に、負極の劣化を有効に防止することができる。また、より面積の大きい外周側に酸素吸蔵シート層40を配置するため、酸素吸蔵材料41へより多く光を照射することができるし、より多くの酸素吸蔵材料41をリチウム空気電池30内に収容することができる。
上述した実施形態では、酸素吸蔵材料21を式(1)で表されるマンガン錯体としたが、外部からの光の照射により酸素を放出する材料であればこれに限られず、例えば、式(2)で表されるマンガン錯体としてもよいし、ロジウム、アンチモン、タリウムのうちいずれかをドープしたルチル型チタニア光触媒などとしてもよい。
Figure 2009230985
また、上述した実施形態では、酸素吸蔵材料21が成形されて透過部19に隣接されているものとしたが、酸素吸蔵材料が透過部の近傍に流動可能な状態で存在する、例えば、液体である非水系電解液へ溶解した状態で透過部の近傍に存在するものとしてもよい。こうすれば、非水系電解液18の流動によって透過部で光を受けやすく、より酸素吸蔵材料が酸素を放出しやすい。なお、酸素吸蔵材料21は、透過部19と正極13との間に配設されているものとしたが、正極13と離れていてもよい。
本発明は、主に電気化学産業に利用可能である。
非水系のリチウム空気電池10の構成の概略を表す説明図である。 非水系のリチウム空気電池30の構成の概略を表す説明図である。
符号の説明
10,30 リチウム空気電池、11,31 ケース、12,14,32,34 集電体、13,33 正極、15,35 リチウム負極、16,36 触媒、18,38 非水系電解液、19,39 透過部、20,40 酸素吸蔵シート層、21,41 酸素吸蔵材料。

Claims (4)

  1. 金属を含む負極と、
    酸素を活物質として用いる正極と、
    前記負極と前記正極との間に介在しイオンを伝導する非水系のイオン伝導媒体と、
    光を透過可能な透過部が設けられ前記負極と前記正極と前記イオン伝導媒体とを密閉して配設するケースと、
    受光により酸素を放出する材料であり前記透過部を介して入射した光を受ける前記ケース内の位置に存在する酸素吸蔵材料と、
    を備えた非水系空気電池。
  2. 前記酸素吸蔵材料は、前記透過部と前記正極との間に配設されている、請求項1に記載の非水系空気電池。
  3. 前記酸素吸蔵材料は、酸素を含むマンガン錯体である、請求項1又は2に記載の非水系空気電池。
  4. 前記負極は、リチウム金属を含んでおり、
    前記イオン伝達媒体は、リチウムイオンを伝導する非水電解液である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系空気電池。
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