JP2011070835A - ガス電池およびガス電池の使用方法 - Google Patents

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【課題】放電容量を高めることのできるガス電池およびガス電池の使用方法を提供する。
【解決手段】F型電気化学セル20は、ケーシング21に、ガスを正極活物質とする正極23と負極25とがセパレータ27を介して対向して配置され、正極23と負極25との間に電解液28が注入されている。正極23には発泡ニッケル板22が載せられ、ガスが正極23側へ流通可能な押さえ部材29により押さえ付けられている。この押さえ部材29には、酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスを貯蔵したタンク30が接続されており、押さえ部材29を介して混合ガスが正極25に供給される。このような混合ガスを正極に供給することで、放電時に正極で生成する酸素ラジカルが、二酸化炭素と優先的に反応して電解液に可溶なパーオキシジカーボネートイオンを生成するため、正極表面への化合物の堆積を抑制可能であり、放電容量を高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス電池およびガス電池の使用方法に関する。
従来、負極活物質に金属を用い、正極活物質に空気中の酸素を用いる空気電池が知られている。こうした空気電池では、正極活物質である酸素を電池内に内蔵する必要がないため、高容量化が期待されている。このような空気電池としては、例えば、空気電池の正極と通常のリチウムイオン二次電池の正極とを組み合わせたような正極を有するものが提案されている(例えば特許文献1参照)。この空気電池では、供給される空気量を少なくして負極活物質の劣化を抑制しつつ、もう一つの電池であるリチウムイオン二次電池で電力を供給するため、高容量化が可能となるとされている。
特開2006−286414号公報
ところで、特許文献1に記載の空気電池などでは、放電時に正極で生成する酸素ラジカルなどが金属イオンと結合し、酸化リチウムなどの固体化合物として正極上に堆積することがあった。そして、固体化合物の堆積の進行により、固体化合物の堆積可能な領域がなくなったり、電気抵抗の大きい固体化合物の堆積量が一定量を超えるなどして、比較的早期に放電反応が停止することがあり、更なる高容量化への問題点の一つとなっていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、放電容量を高めることのできるガス電池およびガス電池の使用方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、ガス電池に供給するガスを、酸素と二酸化炭素とを所定の割合で含むものとしたところ、放電容量を高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のガス電池は、
ガスを正極活物質とする正極と、
負極活物質を有する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在するイオン伝導媒体と、
酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスを前記正極へ供給する供給部と、
を備えたものである。
また、本発明のガス電池の使用方法は、
ガスを正極活物質とする正極と、負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に介在するイオン伝導媒体と、供給ガスを前記正極へ供給する供給部と、を備えたガス電池の使用方法であって、
前記供給ガスとして酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスを前記正極へ供給するものである。
このガス電池およびガス電池の使用方法では、ガス電池の放電容量を高めることができる。このような効果が得られる理由は定かではないが、放電時に正極で生成する酸素ラジカルが、金属イオンと結合して固体化合物を生成する前に優先的に二酸化炭素と反応するためであると考えられる。このときの反応生成物と推測されるパーオキシジカーボネートイオンは、電解液に可溶であるため正極表面に堆積しにくく、結果的に高い放電容量を保つことができるものと考えられる。
F型電気化学セル20の断面図である。 実施例1および比較例1の放電試験における放電曲線である。 二酸化炭素濃度と放電容量との関係を表すグラフである。
次に本発明を具現化した一実施形態について説明する。本発明のガス電池は、ガスを正極活物質とする正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在するイオン伝導媒体と、酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスを正極へ供給する供給部と、を備えたものである。
本発明のガス電池において、正極は、ガスを正極活物質とするものである。正極活物質として用いられるガスとしては、酸素または二酸化炭素が挙げられるが、主として酸素が用いられると考えられる。このガス電池において、正極は、正極活物質であるガスの酸化還元を促進する酸化還元触媒を含むものとしてもよい。酸素や二酸化炭素の酸化還元触媒としては、電解二酸化マンガン、コバルトフタロシアニン、コバルトポルフィリン、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化銀(AgO)、タングステン酸リチウム(Li2WO4)、モリブデン酸リチウム(Li2MoO4)、マンガンコバルト酸リチウム(LiMnxCoy4)、ランタンカルシウムコバルト複合酸化物(LaxCayCoO3-z)、ランタンストロンチウムコバルト酸化物(LaxSryCoO3-z)、ランタンマンガン酸ナトリウム(NaxLayMnO3)、ランタンマンガン酸カリウム(KxLayMnO3-z)、銅マンガン複合酸化物(CuxMny4)、マンガン酸化物(MnO2)などを挙げることができる。酸化還元触媒は、例えばケッチェンブラックなどの炭素物質を触媒担体とし、これに担持させたものとしてもよい。
本発明のガス電池において、正極は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、導電性を有し、電池の使用範囲における電位窓中で安定な材料であれば特に限定されないが、出力増大の観点から、比表面積の大きい多孔性のものであることが好ましい。このようなものとして、例えば、カーボンが挙げられる。カーボンとしては、ケッチェンブラックやアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類でもよいし、鱗片状黒鉛のような天然黒鉛や人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類でもよいし、木炭や石炭などを原料とする活性炭類でもよいし、合成繊維や石油ピッチ系原料などを炭化した炭素繊維類でもよい。また、金属繊維などの導電性繊維類でもよいし、ニッケル、アルミニウムなどの金属粉末類でもよいし、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料でもよい。また、これらを単体で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、正極は、リチウム酸化物などの金属酸化物やリチウム過酸化物などの金属過酸化物を含んでいてもよい。
本発明のガス電池において、正極は、バインダを含んでいてもよい。バインダとしては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。これらの材料は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明のガス電池において、正極は、例えば上記導電材やバインダなどを混合してシート状に圧延したものを、集電体にプレスして形成したものであってもよい。混合方法は、エタノールなどの溶媒存在下での湿式混合でもよいし、乳鉢などを使った乾式混合でもよい。なお、集電体としては、導電性材料で形成されたものであれば特に限定されないが、ステンレス鋼やニッケル、アルミニウム、銅などであることが好ましい。また、酸素や二酸化炭素などのガスの拡散を速やかに行わせるため、網状やメッシュ状など多孔体であることが好ましい。なお、この集電体は、酸化を抑制するためにその表面に耐酸化性の金属又は合金の被膜を被覆したものであってもよい。
本発明のガス電池において、負極は、負極活物質を有するものである。この負極活物質は特に限定されないが、金属及び金属イオンの少なくとも一方を吸蔵放出可能なものであることが好ましい。吸蔵放出される金属や金属イオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛の金属やこれらのイオンなどが挙げられる。このうち、リチウム、マグネシウム、カルシウムの金属やこれらのイオンであることがより好ましい。これらのうち、例えば、リチウム金属やリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質としては、金属リチウムやリチウム合金のほか、金属酸化物、金属硫化物、リチウムを吸蔵放出する炭素質物質などが挙げられる。リチウム合金としては、例えばアルミニウムやスズ、マグネシウム、インジウム、カルシウムなどとリチウムとの合金が挙げられる。金属酸化物としては、例えばスズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物などが挙げられる。金属硫化物としては、例えばスズ硫化物やチタン硫化物などが挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物質としては、例えば黒鉛、コークス、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素などが挙げられる。この負極は、負極活物質と、正極の説明で例示した導電材やバインダなどとを混合してシート状に圧延したものを、集電体にプレスして形成したものであってもよい。
本発明のガス電池において、正極と負極との間に介在するイオン伝導媒体は、金属イオンを伝導可能なものである。この金属イオンは、負極において、金属または金属イオンとして吸蔵放出されるものである。本発明のガス電池において、イオン伝導媒体は、電解質を含んでいてもよい。電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO22などの公知の電解質を用いることができる。これらの電解質は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。また、イオン伝導媒体は、非水系のイオン伝導媒体であることが好ましい。非水系のイオン伝導媒体としては、例えば上述の電解質を含む非水系電解液を用いることができる。非水系電解液中の電解質の濃度としては、0.1〜2.0mol/Lであることが好ましく、0.8〜1.2mol/Lであることがより好ましい。非水系電解液としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、イオン伝導媒体としては、そのほかにアセトニトリル、プロピルニトリルなどのニトリル系溶媒やイオン液体、ゲル電解質、などを用いてもよい。
本発明のガス電池において、供給部は、供給ガスを正極へ供給するものである。この供給部は、例えば、タンクとタンクに設けられた通気孔とを有し、通気孔を介して正極へガスを供給するものとしてもよい。通気孔は、金属板などに設けられた貫通孔としてもよいし、メッシュ状や、パイプ状のものとしてもよい。タンクは、混合ガスを貯蔵可能であればよく、例えばガスボンベのように混合ガスを圧縮して貯蔵するものであってもよいし、大気圧のガスを貯蔵するものであってもよい。また、タンクは、電極やイオン伝導媒体などからなる発電要素全体を覆うものであってもよいし、正極側に設けられていてもよい。タンクの材質としては、金属製や樹脂製などとすることができる。
本発明のガス電池において、供給部から正極へ供給するガスは、酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスである。この混合ガス中の酸素は、放電時に正極で還元されてスーパーオキサイドアニオンラジカルなどの酸素ラジカルとなる。この際、本発明のガス電池では、所定量の二酸化炭素が酸素と同時に供給されるから、式(1)〜(4)に示すように、二酸化炭素が優先的に酸素ラジカルと反応するため、イオン伝導媒体に含まれる金属イオンが酸素ラジカルと結合して金属酸化物などの固体化合物を生成することを抑制すると考えられる。そして、二酸化炭素と酸素ラジカルとの反応生成物であるパーオキシジカーボネートイオン(C26 2-)は、電解液に可溶であるため、正極表面に固体化合物が堆積することを抑制可能であり、結果として、放電容量を高めることができると考えられる。
Figure 2011070835
混合ガス中の二酸化炭素濃度は、1体積%以上90体積%以下であればよく、5体積%以上85体積%以下であることが好ましく、10体積%以上80体積%以下であることがより好ましく、20体積%以上70体積%以下であることがさらに好ましい。二酸化炭素濃度が1体積%以上であれば、二酸化炭素混合の効果が得られ、90体積%以下であれば電気化学的に還元される酸素の量を確保できると考えられるからである。このとき、供給ガス中の酸素濃度は、10体積%以上99体積%以下であることが好ましく、15体積%以上95体積%以下であることがより好ましく、20体積%以上90体積%以下であることがさらに好ましく、30体積%以上80体積%以下であることが一層好ましい。酸素濃度が10体積%以上であれば、電気化学的に還元される酸素の量を確保することができ、99体積%以下であれば二酸化炭素混合の効果が得られると考えられるからである。なお、混合ガスは酸素と二酸化炭素以外のガスを含んでいてもよく、例えば、酸素の供給源として空気を用いてもよい。ただし、二酸化炭素については、空気に含まれるものでは足りないため、さらに二酸化炭素を加える必要がある。
本発明のガス電池の使用方法は、ガスを正極活物質とする正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在するイオン伝導媒体と、供給ガスを正極へ供給する供給部と、を備えたガス電池の使用方法であって、供給ガスとして酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスを正極へ供給するものである。使用するガス電池の構成は、上述した本発明のガス電池と同様の構成とすることができる。また、供給する混合ガスも、上述した本発明のガス電池に用いたものと同様のものとすることができる。供給する混合ガス中の酸素は、放電時に正極で還元されてスーパーオキサイドアニオンラジカルなどの酸素ラジカルとなる。この際、本発明のガス電池の使用方法では、所定量の二酸化炭素を酸素と同時に供給するから、上述した式(1)〜(4)に示すように、二酸化炭素が優先的に酸素ラジカルと反応するため、イオン伝導媒体に含まれる金属イオンが酸素ラジカルと結合して金属酸化物などの固体化合物を生成することを抑制すると考えられる。そして、二酸化炭素と酸素ラジカルとの反応生成物であるパーオキシジカーボネートイオン(C26 2-)は、電解液に可溶であるため、正極表面に固体化合物が堆積することを抑制可能であり、結果として、放電容量を高めることができると考えられる。
供給ガスについては、ガス電池に備え付けられている必要はなく、使用の際にガスボンベなどと接続して供給ガスを供給するものとしてもよい。こうすれば、新しい混合ガスとの取り替えや、混合比率の異なる混合ガスとの取り替えなどを容易に行える点で好ましい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明のガス電池を具体的に作成した例を実施例として説明する。
[実施例1]
正極は以下のように作成した。まず、触媒としての電解二酸化マンガン(三井金属鉱山製)5.2重量部、触媒担体としてのケッチェンブラックECP600(三菱化学製)84.5重量部、バインダとしてのポリテトラフルオロエチレン(ダイキン製)10.3重量部に、溶剤としてエタノールを加えて十分に混合・混練し、圧延してシート状の正極材を得た。これをステンレス(SUS304)製メッシュ(#50、線径0.12mm)の上に圧着し、100℃のオーブン中で120分真空乾燥し、これを正極とした。また、負極には金属リチウムを用いた。そして、これらを用いて北斗電工製のF型電気化学セル20を組み立てた。F型電気化学セル20の断面図を図1に示す。
F型電気化学セル20は次のようにして組み立てた。まず、SUS製のケーシング21に負極25を設置し、ポリエチレン製のセパレータ27を介して正極23を負極25に対向するようセットし、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを1Mとなるようにエチレンカーボネート30重量部とジエチルカーボネート70重量部とからなる溶液(富山薬品製)に溶かした電解液28を正極23と負極25との間に注入した。その後、正極23に発泡ニッケル板22を載せ、その上からガスが正極23側へ流通可能な押さえ部材29で押し付けることにより、セルを固定した。このようにしてF型電気化学セル20を得た。なお、図示しないが、ケーシング21は正極23と接触する上部と負極25と接触する下部とに分離可能であり、上部と下部との間に絶縁樹脂が介在している。これにより、正極23と負極25とは電気的に絶縁されている。
このようにして得られたF型電気化学セル20を、北斗電工製の充放電装置(型名HJ1001SM8A)にセットし、酸素と二酸化炭素とを50:50の体積比で含み、その内圧をおよそ0.2MPaとしたタンク30を押さえ部材29に接続して供給ガスを供給し、正極材1gあたり50mAの電流で1.5Vまで放電した。このときの放電容量は、正極材あたり4808mAh/gであった。
[実施例2]
供給ガスの酸素と二酸化炭素との体積比を90:10とした以外は、実施例1と同様に実施例2の放電試験を行った。このときの放電容量は、正極材あたり3600mAh/gであった。
[実施例3]
供給ガスの酸素と二酸化炭素との体積比を10:90とした以外は、実施例1と同様に実施例3の放電試験を行った。このときの放電容量は、正極材あたり2152mAh/gであった。
[比較例1]
供給ガスを純粋な酸素とした以外は実施例1と同様に比較例1の放電試験を行った。このときの放電容量は、正極材あたり1785mAh/gであった。
[比較例2]
供給ガスの酸素と二酸化炭素との体積比を5:95とした以外は、実施例1と同様に比較例2の放電試験を行った。このときの放電容量は、正極材あたり981mAh/gであった。
表1には、実施例1〜3および比較例1,2の放電容量を示す。図2には、実施例1および比較例1の放電試験における放電曲線を示す。また、図3には、二酸化炭素濃度と放電容量との関係を表すグラフを示す。これらの結果から、ガス電池の正極に供給する混合ガス中の二酸化炭素の割合を1体積%以上90体積%以下とすると放電容量を高めることができ、5体積%以上85体積%以下とすれば放電容量をより高めることができ、10体積%以上80体積%以下とすれば放電容量をさらに高めることができ、20体積%以上70体積%以上とすれば放電容量をより一層高めることができることがわかった。なお、本発明のガス電池は、二次電池としても使用することができると考えられるが、空気より高濃度の二酸化炭素を含む混合ガスを用いるため、一次電池として使用した場合には地球温暖化物質と考えられている二酸化炭素を電池内に固定化できる点で好ましいといえる。
Figure 2011070835
20 F型電気化学セル、21 ケーシング、22 発泡ニッケル板、23 正極、25 負極、27 セパレータ、28 電解液、29 押さえ部材、30 タンク。

Claims (3)

  1. ガスを正極活物質とする正極と、
    負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在するイオン伝導媒体と、
    酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスを前記正極へ供給する供給部と、
    を備えたガス電池。
  2. 前記混合ガスは、前記酸素を10体積%以上99体積%以下の範囲で含むものである、請求項1に記載のガス電池。
  3. ガスを正極活物質とする正極と、負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に介在するイオン伝導媒体と、供給ガスを前記正極へ供給する供給部と、を備えたガス電池の使用方法であって、
    前記供給ガスとして酸素と1体積%以上90体積%以下の二酸化炭素とを含む混合ガスを前記正極へ供給する、ガス電池の使用方法。
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