JP2009228209A - 折版屋根用の親綱張設支柱及びこれを用いた折版屋根用の親綱張設装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】折版屋根上において張設される親綱を、屋根面から所定の高さの位置に配置し、作業者が親綱に足を引っ掛けることがなく、かつ、命綱が作業者の移動に支障とならないように配置される親綱張設支柱及びこれを用いた親綱張設装置を提供する。
【解決手段】支柱本体14と、該支柱本体14に回転可能に連結された少なくとも2本の斜めサポート15A、15Bと、前記支柱本体14及び斜めサポート15A、15Bの下部に設けられ、かつ、折版屋根4の上面に対して取外し可能に取付ける屋根取付手段16A、16B、16Cと、前記支柱本体14の上部に設けられた親綱取付手段17とを有する折版屋根用の親綱張設支柱及びこれを用いた親綱張設装置。
【選択図】図2
【解決手段】支柱本体14と、該支柱本体14に回転可能に連結された少なくとも2本の斜めサポート15A、15Bと、前記支柱本体14及び斜めサポート15A、15Bの下部に設けられ、かつ、折版屋根4の上面に対して取外し可能に取付ける屋根取付手段16A、16B、16Cと、前記支柱本体14の上部に設けられた親綱取付手段17とを有する折版屋根用の親綱張設支柱及びこれを用いた親綱張設装置。
【選択図】図2
Description
本発明は折版屋根用の親綱張設支柱及びこれを用いた折版屋根用の親綱張設装置に関するものである。
従来、折版屋根上で作業をする際における作業者の転落防止策として、屋根の頂部に雪止金具を利用した止金具を取付けて、この止金具に直接親綱を張設し、この親綱に作業者の腰部に止めた命綱を移動可能に連結する方法が知られている。
前記のように雪止金具を利用した止金具に直接親綱を張設する方法においては、親綱が屋根上面近くに張設されることから、この親綱に作業者の足が引っ掛かる虞がある。また、親綱が屋根上面近くに張設されているため、作業者の屋根上での移動時に命綱が下方へ引っ張られ、作業がやり難いという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決する折版屋根用の親綱張設支柱及びこれを用いた折版屋根用の親綱張設装置を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、支柱本体と、該支柱本体に回転可能に連結された少なくとも2本の斜めサポートと、前記支柱本体及び斜めサポートの下部に設けられ、かつ、折版屋根の上面に対して取外し可能に取付ける屋根取付手段と、前記支柱本体の上部に設けられた親綱取付手段とを有することを特徴とする折版屋根用の親綱張設支柱である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の折版屋根用の親綱張設支柱において、前記斜めサポートを伸縮可能に構成したことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の折版屋根用の親綱張設支柱において、前記屋根取付手段を、ハゼ型折版屋根のハゼ部に対して取外し可能に固定できるように構成したことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の折版屋根用の親綱張設支柱において、前記屋根取付手段を、折版屋根の固定ボルトにより取外し可能に固定できるように構成したことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の折版屋根用の親綱張設支柱において、前記屋根取付手段を、取付部材と固定部材で構成し、前記取付部材を前記支柱本体及び斜めサポートの下部に設け、前記固定部材を前記取付部材とハゼ部に対して取外し可能に構成したことを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の折版屋根用の親綱張設支柱において、前記固定部材として雪止金具を用いたことを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の折版屋根用の親綱張設支柱において、前記取付部材の下部には、前記雪止金具を固定するための、3個の穴を設けたことを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、支柱本体と、該支柱本体に回転可能に連結された少なくとも2本の斜めサポートと、前記支柱本体及び斜めサポートの下部に設けられ、かつ、折版屋根の上面に対して取外し可能に取付ける屋根取付手段と、前記支柱本体の上部に設けられた親綱取付手段とを有する折版屋根用の親綱張設支柱を用い、
前記折版屋根用の親綱張設支柱を、折版屋根の上面に複数設置し、親綱を前記複数の親綱取付手段に係止して、親綱を複数の折版屋根用の親綱張設支柱間に架設することを特徴とする折版屋根用の親綱張設装置である。
前記折版屋根用の親綱張設支柱を、折版屋根の上面に複数設置し、親綱を前記複数の親綱取付手段に係止して、親綱を複数の折版屋根用の親綱張設支柱間に架設することを特徴とする折版屋根用の親綱張設装置である。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の折版屋根用の親綱張設装置において、前記斜めサポートを伸縮可能に構成したことを特徴とするものである。
請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の折版屋根用の親綱張設装置において、前前記親綱を、緊張器を介して前記親綱取付手段に係止するようにしたことを特徴とするものである。
本発明の折版屋根用の親綱張設支柱又は折版屋根用の親綱張設装置を用いることにより、前記従来のように親綱が屋根上面近くに配置されることなく、親綱を屋根の上面から所定の高さ、例えば、法上で規定されている75cmの高さの位置に張設できる。これにより、従来技術のように屋根の上での作業中に、作業者が親綱に足を引っ掛けることがなくなる。
また、親綱に命綱を引っ掛けて作業する場合、従来技術のように、命綱が下方向に引っ張られることが無く、命綱が作業者の略腰の位置において移動するため、作業に支障をきたすことがない。
更に、請求項2、9記載の発明によれば、斜めサポートを伸縮可能に構成したことにより、折版屋根における隣接する頂部間隔や屋根の勾配等が異なる様々な折版屋根に対応して設置することが出来る。
更に、請求項3記載の発明によれば、ハゼ部を利用して親綱張設支柱を取付けることができる。
更に、請求項4記載の発明によれば、折版屋根に設けられた固定ボルトを利用して取付けることができる。
更に、請求項7記載の発明によれば、取付部材の下部には、雪止金具を固定するための、3個の穴を設けたことにより、市販されている様々なタイプの雪止金具を用いることが出来る。
更に、請求項10記載の発明によれば、親綱を、緊張器を介して前記親綱取付手段に係止することにより、親綱を適度の張力で張設できる。
本発明を実施するための最良の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
図1乃至図7は実施例1を示す。
図1は、本実施例1の折版屋根用の親綱張設装置を示し、図2は、その装置における1本の親綱張設支柱部を示す斜視図、図3は折版屋根のハゼ部の拡大断面図である。
図1は、本実施例1の折版屋根用の親綱張設装置を示し、図2は、その装置における1本の親綱張設支柱部を示す斜視図、図3は折版屋根のハゼ部の拡大断面図である。
先ず、本実施例1の折版屋根について図1乃至3により説明する。
屋根を支承する母材1上には、屋根の水流れ方向(水勾配方向)に対して直交する方向に略波形のタイトフレーム2が配設されている。
屋根を支承する母材1上には、屋根の水流れ方向(水勾配方向)に対して直交する方向に略波形のタイトフレーム2が配設されている。
前記タイトフレーム2上には、該タイトフレーム2の波形状に略沿った波状の金属製の折版4が配置され、隣接する折版4、4相互は、その頂部において、相互の端部をハゼ締めして連結されている。この上方へ突出したハゼ締め部を図においてハゼ部5として示す。このハゼ部5は、屋根の水流れ方向(水勾配方向)に形成されており、この水流れ方向をX−X方向とする。また、このハゼ部5を有する折版屋根を、以下ハゼ型折版屋根6と称する。
次に、前記ハゼ型折版屋根(以下、折版屋根ともいう)6に使用する本発明の折版屋根用の親綱張設装置11について説明する。
折版屋根用の親綱張設装置11は、図1及び図2に示すように、前記ハゼ型折版屋根6の上面に設置して使用されるもので、該親綱張設装置11は、複数の親綱張設支柱12と親綱13を有する。
前記親綱張設支柱12は、垂直方向に立設する支柱本体14と、2本の斜めサポート15A、15Bと、これらをハゼ型折版屋根6に取付ける屋根取付手段16A、16B、16Cと、親綱取付手段17とからなる。
前記支柱本体14は、アルミニウム等の金属の単管で形成されており、その全長(高さ)は、前記親綱13を折版屋根6の頂部上面から所定の高さ(法上では75cm)に張設できるだけの長さを有していれば良く、任意の長さに設定されている。
前記支柱本体14の上部には、ハゼ部5の方向(X−X方向)と直交する方向(Y−Y方向)に突出する板状の第1の取付片18と、ハゼ部5の方向(X−X方向)に突出する板状の第2の取付片19が固設され、かつ、該両取付片18、19は、略同じ高さで相互に直交する方向に設けられている。
前記両取付片18、19には、夫々表裏を貫通する穴が形成されており、第1の取付片18の穴には、第1の斜めサポート15Aの上端がピン20によりハゼ部5の方向と直交する方向(Y−Y方向)に回転可能に連結され、第2の取付片19の穴には、第2の斜めサポート15Bの上端がピン21によりハゼ部5の方向X−Xに回転可能に連結されている。
前記支柱本体14の上部には、前記親綱13に備えられた取付具22を取外し可能に掛設する親綱取付手段17が固設されている。本実施例1においては、該親綱取付手段17として、図2に示すように、アルミニウム等の金属で形成された半円状の取付金具17を用い、これを支柱本体14の上端から上方へ突出するようにして固設している。
次に、第1の斜めサポート15Aについて説明する。
前記第1の斜めサポート15Aは、中空状の外筒15aを有し、該外筒15aの内部に中空状の内筒15bが摺動可能に嵌合して形成され、該第1の斜めサポート15Aは伸縮可能に構成されている。前記外筒15aと内筒15bは、アルミニウム等の金属で形成されている。
前記第1の斜めサポート15Aは、中空状の外筒15aを有し、該外筒15aの内部に中空状の内筒15bが摺動可能に嵌合して形成され、該第1の斜めサポート15Aは伸縮可能に構成されている。前記外筒15aと内筒15bは、アルミニウム等の金属で形成されている。
前記外筒15aにおけるその管軸に直交する方向の軸上の両側壁には、内外に貫通する複数の穴15cが管軸方向に適宜間隔を有して形成されている。該穴15cの個数と隣接する穴15c、15c相互の中心間の距離は任意に設定するが、本実施例1においては、隣接する穴15c、15cの中心間の距離を5cmに設定し、穴15cを6個設けた。
前記内筒15bにも、前記外筒15aの穴15cに対応して、同数、同間隔に穴15dが形成され、前記外筒15aと内筒15bを相互に所定量伸縮させた場合に、少なくとも1個の穴相互が合致するようになっている。
前記外筒15aの外側面には、金具25が固設されており、該金具25には、連結手段である紐26を介して係止手段である係止金具27が備えられている。
該係止金具27は、前記穴15c、15dの内径よりも小さい外径を有する円筒状の係止棒27aを有し、該係止棒27aの一端には前記穴15c、15dより大径の頭部27bが設けられ、該頭部27bには前記紐26が連結されている。また、前記係止棒27aの他端には、係止片27cが回動可能に連結されている。該係止片27cは、細長い小判型に形成され、その短尺方向の径は、前記穴15c、15dの径より小さく形成し、その長尺方向の径は前記穴15c、15dの径より長く形成されている。
そして、前記外筒15aの任意の穴15cと、内筒15bの任意の穴15dとの位置を合致させた後に、前記係止金具27を、その係止棒27aの軸方向と係止片27cの長尺方向とを同一にした状態で、穴15c、15d内に挿通した後に、係止片27cを、その長尺方向が係止棒27aの軸方向と直交する方向に回動することにより、第1の斜めサポート15Aを任意の長さに設定し、その長さを保持できるようになっている。
上記の構造により、所定のピッチで第1の斜めサポート15Aの長さを調節できるようになっている。
前記第2の斜めサポート15Bも前記第1の斜めサポート15Aと同一構造で形成され、伸縮可能で、かつ、その長さを保持できるようになっている。そのため、該第2の斜めサポート15Bの主要部に、前記第1の斜めサポート15Aの主要部と同一符号を付してその説明を省略する。
次に、屋根取付手段16A、16B、16Cについて説明する。
第1の屋根取付手段16Aは、第1取付部材と固定部材で構成され、第2の屋根取付手段16Bは、第2取付部材と固定部材で構成され、第3の屋根取付手段16Cは、第3取付部材と固定部材で構成されている。
第1の屋根取付手段16Aは、第1取付部材と固定部材で構成され、第2の屋根取付手段16Bは、第2取付部材と固定部材で構成され、第3の屋根取付手段16Cは、第3取付部材と固定部材で構成されている。
前記本体支柱14の下端部には、前記第1取付部材である第1取付金具29が固設され、前記第1の斜めサポート15Aの下端部には、前記第2取付部材である第2取付金具30が設けられ、前記第2の斜めサポート15Bの下端部には、前記第3取付部材である第3取付金具31が設けられている。
前記第1取付金具29は、アルミニウム等の金属で形成され、図1、2、4、5及び図6(a)に示すように、前後方向(X−X方向)の両端部が開口し、かつ、内部が中空のボックス状に形成され、該ボックス内部に手が挿通できる大きさに、ボックスの前後、左右の長さ及び高さが設定されている。第1取付金具29の上壁には前記支柱本体14が固着立設されている。また、下壁には、その表裏を貫通する2個の穴32、32が、ハゼ部5の方向と直交する方向(Y−Y方向)において形成されている。
前記第2取付金具30は、アルミニウム等の金属で形成され、図1、2、4、5及び図6(b)に示すように、略水平方向に配設された台板33と、該台板33から略垂直方向に立設する門形の板材で、かつ、その板面をハゼ部5の方向と直交する方向(Y−Y方向)に配した取付板34で構成されている。該取付板34の上部には、取付穴35が形成され、該取付穴35にピン36によって、第1の斜めサポート15Aの内筒15bの下端部が回転可能に連結されている。
前記台板33には、図6(b)に示すように、その表裏を貫通する2個の取付穴36、36が、ハゼ部5の方向と直交する方向(Y−Y方向)において形成されている。
前記第3取付金具31は、アルミニウム等の金属で形成され、図1、2、4、5及び図6(c)に示すように、略水平方向に配設された台板37と、該台板37から略垂直方向に立設する門形の板材で、かつ、その板面がハゼ部5の方向(X−X方向)に配した取付板38で構成されている。該取付板38の上部には、取付穴39が形成され、該取付穴39にピン40によって、第2の斜めサポート15Bの内筒15bの下端部が回転可能に連結されている。
前記台板37には、図6(c)に示すように、その表裏を貫通する2個の取付穴41、41が、ハゼ部5の方向と直交する方向(Y−Y方向)において形成されている。
したがって、第1の斜めサポート15Aの下端部は、ハゼ部5の方向と直交する方向(Y−Y方向)において回転可能で、第2の斜めサポート15Bの下端部は、ハゼ部5の方向(X−X方向)において回転可能になっている。
前記固定部材は、前記取付部材である取付金具29、30、31の夫々の下側に取外し可能に設けられるもので、該固定部材について説明する。
この固定部材として、本実施例1においては、全て同一構造のものを使用し、図7に示すような、一般に雪止金具と称される構造のものを用いた。そのため、以下、本実施例1において用いた固定部材を雪止金具43という。
該雪止金具43は、図7に示すように、略水平方向に設けられた取付板部45と、該取付板部45の内端部から下降した連結板部46と、該連結板部46の下端から外側方へ半円状に屈曲させた挟持部47と、該挟持部47の下端から外側方へ折曲した係止部48とからなる一方の分割体49と、該一方の分割体49と対称に形成された他方の分割体50とからなる。該他方の分割体50における前記一方の分割体49と同一部分には、前記一方の分割体49と同一の符号を付して説明は省略する。
前記両取付部45、45には、前記半円状の挟持部47の軸方向と直交する方向に長い長穴状の取付穴51、51が形成されている。該取付穴51、51の中心相互の間隔は、前記取付金具29、30、31に形成した各穴32、36、41の形成間隔と略同等に設定されている。
前記両連結板部46、46には、ボルト挿通孔が形成されており、該両ボルト挿通孔にボルト52を挿通し、ナット53で締め付けることにより、両分割体49、50を、図7に示すように、連結できるようになっている。
そして、両分割体49、50を、ナット53を緩めて大きく離間させて下方を開口し、該開口部を通じて両分割体49、50をハゼ部5の両側部に嵌合し、その後、ナット53を締め付けることにより、両挟持部47、47が、ハゼ部5を挟持して、該固定部材43をハゼ部5に取外し可能に固定できるようになっている。
また、前記雪止金具43は、その取付穴51、51を、前記取付金具29、30、31に形成した各穴32、36、41に合致させて、その穴にボルト55を挿通し、ナットで締め付けることにより、各取付金具29、30、31に、取外し可能に取り付けられている。
次に、折版屋根用の親綱張設装置11をハゼ型折版屋根6の上面に設置する方法について説明する。
先ず、支柱本体14に設けた雪止金具43のボルト52を緩め、係止部48、48間の距離をハゼ部5の幅より広くし、図1、2に示すように、ハゼ部5に挟持部47、47を嵌合させた後に、ナット53を締めることにより、支柱本体14を折版屋根6のハゼ部5の上面へ固設する。このとき、雪止金具43の係止部48は折版屋根の上面に当接するようになっている。
次に、ハゼ部5の方向と直交するY−Y方向に回動する第1の斜めサポート15Aを所定の長さとなるように伸ばして、その長さを係止金具27により保持し、そして、例えば、支柱本体14を固定したハゼ部5と隣接するハゼ部5に上記と同様の手段により、第1の斜めサポート15Aに設けた雪止金具43を固定する。
次に、ハゼ部5方向X−Xに回動する第2の斜めサポート15Bを所定の長さとなるように伸ばして、その長さを係止金具27により保持し、支柱本体14を固定したハゼ部5と同じハゼ部5に上記と同様の方法により、第2の斜めサポート15Bに設けた雪止金具43を固定する。
これにより、親綱張設支柱12を、ハゼ型折版屋根6上の任意の位置(例えば、屋根の軒近く)に強固に設置することができる。
次に、図1に示すように、他の複数本の親綱張設支柱12を、親綱13を張設する方向に沿って、隣接する親綱張設支柱12と任意の間隔をあけながら設置する。
次に、親綱13に設けた取付具22を、親綱取付金具17に掛設することにより任意の親綱張設支柱12、12間に亘って親綱13を張設することができる。なお、1本の親綱13が張設された間に位置する親綱張設支柱12の親綱取付金具17内には、親綱13が挿通されている。なお、隣接する親綱張設支柱12、12間毎に亘って親綱13を張設するようにしても良い。
以上により、折版屋根用の親綱張設装置11をハゼ型折版屋根6の上面に設置することができる。すなわち、親綱13を折版屋根6の上面に対して所定の高さ(法上では75cm)に張設することができる。
なお、作業終了後には、固定部材である雪止金具43をハゼ部5から外して親綱張設装置11を折版屋根上から撤去する。
上記実施例1の折版屋根用の親綱張設装置11は上記のような構造を有することにより、次のような作用、効果を奏する。
前記従来の親綱張設方法に比べて、親綱13を折版屋根6の上面に対して所定の高さ(法上では75cm)の高い位置に張設できる。これにより、従来技術のように屋根の上での作業者の移動に際して親綱13に足を引っ掛けることがなくなる。
また、親綱13に命綱を引っ掛けて作業する場合、従来技術のように、命綱が下方向に引っ張られることが無く、命綱が作業の邪魔になりにくい。
また、2本の斜めサポート15A、15Bを相互に直角方向に配置したので、支柱本体14の起立状態が強固に保持され、親綱13が強固に張設され、安全性の向上を図ることができる。
また、斜めサポート15A、15Bを伸縮可能としたことにより、ハゼ部5bの相互の間隔等が異なる場合には、斜めサポート15Aを伸縮し、屋根の勾配等が異なる場合には、斜めサポート15Bを伸縮して、様々なハゼ型折版屋根に対応することが出来る。
前記実施例1においては、固定部材として、図7に示すような、雪止金具43を用いたが、この固定部材としては、ハゼ型折版屋根6上に固定することができる市販等されている任意の雪止金具を用いてもよい。
例えば、図8に示すような、雪止金具59を用いることが出来る。
該雪止金具59は、2枚の板状部材60、60で形成されている。該板状部材60は、側壁部61と該側壁部61の上端から斜め下方に向って曲折された上部62と、側壁部61の下部に設けられた爪部63で形成されている。前記上部62は切り込み部64が形成され、図8(b)に示すように、一方の上部62と他方の上部62とがX状に重ねあわされている。前記側壁部61は、上方より下方が外側方向に向うように傾斜して形成されている。
該雪止金具59は、2枚の板状部材60、60で形成されている。該板状部材60は、側壁部61と該側壁部61の上端から斜め下方に向って曲折された上部62と、側壁部61の下部に設けられた爪部63で形成されている。前記上部62は切り込み部64が形成され、図8(b)に示すように、一方の上部62と他方の上部62とがX状に重ねあわされている。前記側壁部61は、上方より下方が外側方向に向うように傾斜して形成されている。
また、上部62、62の重ね合わせ部には、夫々の上部62の上下を貫通する穴(図示せず)が形成されている。該穴には、ねじ65が、その頭部を下方に位置するようにして挿通され、ねじ65には、ナット67が嵌合している。また、ナット67と上部62との間には、位置決め部材68が嵌合している。該位置決め部材68の下部には、図8(b)に示すように、断面円形の鍔部が形成され、該鍔部の外径は、上部62の水平方向の幅と略同じに設定されている。
一方の上部62と他方の上部2とがX状に重ねあわされていることにより、ナット67を上下させて、位置決め部材68を上下させることにより、爪部63、63間の幅を調節することができるようになっている。
前記爪部63、63により、該雪止金具59をハゼ型折版屋根のハゼ部5に固定することができるようになっている。
また、前記雪止金具59を、前記第1取付金具29、第2取付金具30、第3取付金具31に取付けることができるようになっており、前記実施例1においては、取付金具29、30、31に穴32、36、41を夫々に2個設けたが、本実施例2では、雪止金具59を取付けることができるように、これに対応する位置に穴を1個設ける。
その他の構造は、前記実施例1と同様である。
本実施例2においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
本実施例2においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏する。
前記実施例1においては、第1取付金具29、第2取付金具30、第3取付金具31に穴32、36、41を夫々に2個、前記実施例2においては、第1取付金具29、第2取付金具30、第3取付金具31に穴32、36、41cを夫々に1個設けたが、穴32、36、41を夫々3個設けても良い。
例えば、第1取付金具29、第2取付金具30及び第3取付金具31の2個の穴32、36、41の略中央にもう1個の穴を設け、3個の穴を略一直線上に設ける。
これにより、市販されている様々なタイプの雪止金具を、第1取付金具29、第2取付金具30、第3取付金具31に任意に取付けることができる。
その他の構造は、前記実施例1、2と同様である。
本実施例3においても、前記実施例1、2と同様の作用、効果を奏する。
本実施例3においても、前記実施例1、2と同様の作用、効果を奏する。
前記親綱の取付具22として緊張器を用いても良い。
該緊張器として、例えば、図9に示すような、高所作業で使用される一般的な緊張器と同様のものを用いることが出来、この緊張器70は、図9に示すように、掛け手段となる掛け金具71と、綱保持具72とからなる。
該緊張器として、例えば、図9に示すような、高所作業で使用される一般的な緊張器と同様のものを用いることが出来、この緊張器70は、図9に示すように、掛け手段となる掛け金具71と、綱保持具72とからなる。
該掛け金具71は、その開閉部71aが常時閉口し、A方向へ押すことにより開口するようになっており、該掛け金具71によって、前記親綱取付金具17へ掛設できるようになっている。
前記綱保持具72には、親綱13を挿通できる挿通孔72aと、この挿通孔72aを閉塞する方向に付勢されたロック金具73が設けられている。該ロック金具73は挿通孔72a方向へバネによって付勢され親綱13を咬止している。したがって、親綱13における垂下した側の親綱13aを垂下方向へ引くとロック金具73がバネの付勢力に抗してB方向と反対方向に回動し、親綱13への咬止が外れて親綱13の摺動が可能となる。しかし、その引き方向と逆方向、すなわち、親綱13を図9の左方向へ引くとロック金具73が親綱13に喰い込み親綱13の摺動を阻止するようになっている。なお、この逆方向への規制はロック金具73を手動で外すことにより解除されるようになっている。
その他の構造は、前記実施例1乃至3と同様である。
上記の緊張器70を用いた本実施例4においても、前記実施例1乃至3と同様の作用、効果を奏する。
上記の緊張器70を用いた本実施例4においても、前記実施例1乃至3と同様の作用、効果を奏する。
また、前記の緊張器70のような緊張器を用いることにより、親綱13を適度の張力で張設できる。
前記実施例1乃至4においては、屋根取付手段16A、16B、16Cを取付部材と固定部材で構成し、支柱本体14の下端部と、前記斜めサポート15A、15Bの下端部に取付部材を介して固定部材を設けたが、屋根取付手段16A、16B、16Cを固定部材のみで構成し、これを取付部材を介することなく、支柱本体14の下端部と、前記斜めサポート15A、15Bの下端部に直接固定部材を設けても良い。
その他の構造は、前記実施例1乃至4と同様である。
本実施例4においても、前記実施例1乃至4と同様の作用、効果を奏する。
本実施例4においても、前記実施例1乃至4と同様の作用、効果を奏する。
図10は実施例6を示す。
本実施例6は、前記ハゼ型折版屋根とは異なる折版屋根に本発明を用いる実施例を示す。
本実施例6は、前記ハゼ型折版屋根とは異なる折版屋根に本発明を用いる実施例を示す。
本実施例6の折版屋根6Aは、図10に示すように、前記実施例と同様の波形のタイトフレーム2を設け、このタイトフレーム2上において、一方の折版4Aの上片4aをタイトフレーム2の上片2a上に水平に配置し、他方の折版4Bの上片4bを、前記上片4a上に重合配置し、これら、各片2a、4a、4bを固定ボルト80及びナット81で締結して、折版屋根を固定するように構成されている。すなわち、ハゼ部を有しない折版屋根である。
また、本実施例6の親綱張設支柱は、前記実施例と同様の支柱本体14と、2本の斜めサポート15A、15Bと、親綱取付手段17を有する。なお、図10においては、第2の斜めサポート15Bは表されていないが、これは前記実施例と同様に配置されている。
更に、前記両斜めサポート15A、15Bの上端は前記実施例と同様に支柱本体4側に回転可能に連結されている。
前記支柱本体14の下端には、屋根取付手段82が設けられている。本実施例6においては、この屋根取付手段82として、前記実施例2と同様の第1取付金具であって、下壁の中央部に1個の穴32aを設けた第1取付金具29Aを用い、該第1取付金具29Aを支柱本体14の下端に固設した。
前記穴32aに、前記折版屋根6Aを構成するボルト80を挿通してナット81を締付けることにより、第1取付金具29Aを折版屋根6A上に取外し可能に固設し、支柱本体14を折版屋根6A上に取外し可能に立設できるようになっている。
前記第1の斜めサポート15Aの下端には、屋根取付手段83が設けられている。本実施例6においては、この屋根取付手段83として、前記実施例2と同様の第2取付金具であって、台板33の中央部に1個の穴36aを設けた第2取付金具30Aを用い、該第2取付金具30Aの上部を第1の斜めサポート15Aの下端に回転可能に備えた。
前記穴36aに、前記折版屋根6Aを構成するボルト80を挿通してナット81を締付けることにより、第2取付金具30Aを折版屋根6A上に取外し可能に固設し、第1の斜めサポート15Aを折版屋根6A上に取外し可能に固着できるようになっている。
前記第2の斜めサポート15Bの下端には、屋根取付手段(図示せず)が設けられている。本実施例6においては、この屋根取付手段として、前記実施例2と同様の第3取付金具31であって、台板37の中央部に1個の穴41を設けた第3取付金具(図示せず)を用い、該第3取付金具の上部を第2の斜めサポート15Bの下端に回転可能に備えた。
前記穴41に、前記折版屋根6Aを構成するボルト80を挿通してナット81を締付けることにより、第3取付金具を折版屋根6A上に取外し可能に固設し、第2の斜めサポート15Bを折版屋根6A上に取外し固着できるようになっている。
なお、前記第1取付金具29A、第2取付金具30A、第3取付金具の穴32a、36a、41は、前記実施例3の取付金具と同様に、3個としてもよい。
前記実施例6によれば、ハゼ部を有しない折版屋根に本発明を適用し、前記実施例と同様の効果を発揮できる。
前記実施例1乃至6においては、斜めサポート15A、15Bを二本設けたが、斜めサポートは複数本あればよく、例えば3本設けて、支柱本体14を3方向から支承するようにしてもよい。
その他の構造は、前記実施例1乃至6と同様である。
本実施例7においても、前記実施例1乃至6と同様の作用、効果を奏する。
本実施例7においても、前記実施例1乃至6と同様の作用、効果を奏する。
4、4A、4B 折版屋根
5 ハゼ部
11 折版屋根用の親綱張設装置
12、12A 親綱張設支柱
14 支柱本体
15A、15B 斜めサポート
16A、16B、16C 屋根取付手段
17 親綱取付手段
29、30、31、29A、30A 取付金具(取付部材)
43、59 雪止金具(固定部材)
5 ハゼ部
11 折版屋根用の親綱張設装置
12、12A 親綱張設支柱
14 支柱本体
15A、15B 斜めサポート
16A、16B、16C 屋根取付手段
17 親綱取付手段
29、30、31、29A、30A 取付金具(取付部材)
43、59 雪止金具(固定部材)
Claims (10)
- 支柱本体と、該支柱本体に回転可能に連結された少なくとも2本の斜めサポートと、前記支柱本体及び斜めサポートの下部に設けられ、かつ、折版屋根の上面に対して取外し可能に取付ける屋根取付手段と、前記支柱本体の上部に設けられた親綱取付手段とを有することを特徴とする折版屋根用の親綱張設支柱。
- 前記斜めサポートを伸縮可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の折版屋根用の親綱張設支柱。
- 前記屋根取付手段を、ハゼ型折版屋根のハゼ部に対して取外し可能に固定できるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の折版屋根用の親綱張設支柱。
- 前記屋根取付手段を、折版屋根の固定ボルトにより取外し可能に固定できるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の折版屋根用の親綱張設支柱。
- 前記屋根取付手段を、取付部材と固定部材で構成し、前記取付部材を前記支柱本体及び斜めサポートの下部に設け、前記固定部材を前記取付部材とハゼ部に対して取外し可能に構成したことを特徴とする請求項3記載の折版屋根用の親綱張設支柱。
- 前記固定部材として雪止金具を用いたことを特徴とする5に記載の折版屋根用の親綱張設支柱。
- 前記取付部材の下部には、前記雪止金具を固定するための、3個の穴を設けたことを特徴とする請求項6記載の折版屋根用の親綱張設支柱。
- 支柱本体と、該支柱本体に回転可能に連結された少なくとも2本の斜めサポートと、前記支柱本体及び斜めサポートの下部に設けられ、かつ、折版屋根の上面に対して取外し可能に取付ける屋根取付手段と、前記支柱本体の上部に設けられた親綱取付手段とを有する折版屋根用の親綱張設支柱を用い、
前記折版屋根用の親綱張設支柱を、折版屋根の上面に複数設置し、親綱を前記複数の親綱取付手段に係止して、親綱を複数の折版屋根用の親綱張設支柱間に架設することを特徴とする折版屋根用の親綱張設装置。 - 前記斜めサポートを伸縮可能に構成したことを特徴とする請求項8記載の折版屋根用の親綱張設装置。
- 前記親綱を、緊張器を介して前記親綱取付手段に係止するようにしたことを特徴とする請求項8又は9記載の折版屋根用の親綱張設装置。
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JP2008070876A JP2009228209A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | 折版屋根用の親綱張設支柱及びこれを用いた折版屋根用の親綱張設装置 |
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