JP6170229B1 - 親綱張設具 - Google Patents

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Abstract

【課題】折板構造や波板構造などの屋根に取り付け搬送することができ、親綱の固定や引っ掛けが容易にでき、かつ一旦引っ掛けた親綱が容易には外れない親綱張設具を提供することを目的とする。【解決手段】命綱24が引っ掛けられる親綱21を、屋根20に沿って張り渡す親綱張設具10であって、基台11と、前記基台の一方の端部12と直交して固定される固定梁材13と、前記基台に沿って移動可能に、かつ直交して配される可動梁材14と、前記基台の略中央部上に立設されたスリーブ15と、前記スリーブにその下部を挿入し、前記親綱が固定される親綱張設用支柱16とを備えることを特徴とする親綱張設具。【選択図】図1

Description

本発明は、折板構造や波板構造の屋根に取り付けることができる親綱張設具に関するものである。
作業者が屋根に上がって高所作業を行う際には、落下事故を未然に防止するために、屋根に沿って張り渡された親綱に命綱を引っ掛けて作業が行われる。
例えば、特許文献1には、命綱が引っ掛けられる親綱を折板構造の屋根に沿って張り渡す親綱張設用支柱取付具が記載されている。
特許文献1の親綱張設用支柱取付具は、アングル材にこのアングル材の長さ方向と直交する方向に親綱張設用支柱を突設し、このアングル材の両端部に折板構造屋根の重合突出条部を締め付け挟持する挟持部を備えた取付金具部を設け、この両端部の取付金具部の挟持部を折板構造屋根の隣接する重合突出条部にそれぞれ締め付け挟持してこの重合突出条部間に前記アングル材を架設した際、前記親綱張設用支柱が折板構造屋根に対して立設状態となるようにしている。
実用新案登録第3076202号公報
しかし、特許文献1の親綱張設用支柱取付具は、一体構造のため重量があり搬送が容易ではなく、作業者に負担がかかる。
特に、支柱を取り付けるまでは親綱が存在しない状態であり、屋根への取り付け作業に危険が伴う。
また、屋根構造の種類に応じてそれぞれの取付穴を形成した取り付けジグを用意しなければならず、汎用性に欠けるという問題点がある。
そこで、本発明は、このような現状に鑑み、簡易な作業によって折板構造や波板構造屋根に取り付けすることができ、且つ簡易構造であって容易に実現可能となる親綱張設具を提供することを目的とする。
本発明の親綱張設具は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
すなわち、
命綱が引っ掛けられる親綱を、屋根に沿って張り渡す親綱張設具であって、
基台と、
前記基台の一方の端部と直交して固定される固定梁材と、
前記基台に沿って移動可能に、かつ直交して配される可動梁材と、
前記基台の略中央部上に立設されたスリーブと、
前記スリーブにその下部を挿入し、前記親綱が固定される親綱張設用支柱とを備え、
前記親綱張設用支柱には、その上部に、
親綱を固定するための親綱固定金具が90度間隔で4個備えられており、
前記親綱固定金具は、
6辺の直線部で構成される矩形状渦巻きであり、
前記渦巻きの外終端が前記親綱張設用支柱に固定され、
前記渦巻きの内終端が、水平の巻軸方向に突出していることを特徴とする
本発明の親綱張設具は、基材に親綱張設用支柱を着脱自在に固定でき搬送が容易である。
また、嵌入・嵌脱可動な可動梁材をスライド調整することで、種々の屋根構造に対応できる。
さらに、親綱の固定や引っ掛けが容易にでき、かつ一旦引っ掛けた親綱が容易には外れることがないため作業者の安全性を増すことができる。
また、固定梁材や可動梁材に複数の取付穴が形成されているので、折板屋根や波形屋根の固定ボルトピッチが異なるものであっても取付け可能であり、複数種類の屋根構造に対応できる。
本発明の実施形態の親綱張設具を示す斜視図である。 実施形態の親綱張設具の可動梁材を嵌脱した(取り外した)状態を示す斜視図である。 親綱張設支柱の下部をスリーブに挿入する前の状態を示す斜視図である。 (a)は親綱張設支柱の上部に4個の親綱固定金具10を取り付けた状態を示す拡大図であり、(b)はそのうちの1つの拡大図である。 (a)は親綱張設具を波板屋根に設置した状態を示す断面図であり、(b)はその内の一部の右側面を拡大した右側面図である。 親綱張設具を折板屋根に設置し、親綱のフックを親綱固定金具に固定するとともに、命綱のフックを親綱に固定した様子を示す斜視図である。 親綱張設具を折板屋根に設置し、親綱の途中を親綱固定金具の向こう側に回して固定するとともに、命綱のフックを親綱に固定した様子を示す斜視図である。 2台の親綱張設具を折板屋根に設置するとともに、(a)の親綱張設具には親綱のフックを親綱固定金具に固定し、(b)の親綱張設具には親綱の途中を親綱張設支柱の向こう側に回して親綱固定金具に固定した様子を示す斜視図である。 親綱張設具を、突条ピッチ:250mm、深さピッチ:900mmの折板屋根に設置した場合の説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。 親綱張設具を、突条ピッチ:350mm、深さピッチ:600mmの折板屋根に設置した場合の説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
本発明の親綱張設具の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の親綱張設具を示す斜視図である。
図2は、実施形態の親綱張設具の可動梁材を嵌脱した(取り外した)状態を示す斜視図である。
図1、図2において、実施態様の親綱張設具10は、命綱が引っ掛けられる親綱を屋根に沿って張り渡す際に用いる設備であって、
基台11と、前記基台11の一方の端部12と直交して固定される固定梁材13と、前記基台11に沿って移動可能に、かつ直交して配される可動梁材14と、前記基台11の略中央部上に立設されたスリーブ15と、前記スリーブ15にその下部を挿入し前記親綱が固定される親綱張設用支柱16とを備えている。
親綱張設具10において、その構造体である基台11、固定梁材13及び可動梁材14は、強度上、何れも金属を材質とするものが好ましく、中でも、断面C字形のC型鋼からなり、ウエッブ11a、13a、14aを下にし、フランジ11b、13b、14bを上側に向けてU状に組まれている。
また、基台11の略中央部上には、支柱支持板11cを介して、親綱張設用支柱16の下部を着脱自在に挿入して固定するためのスリーブ15が立設されている。
<可動梁材>
可動梁材14には、その略中央に基台11を嵌入して固定するための嵌入部14cが形成されており、屋根の構造などによって、スライド自在に基台11の嵌入位置を調整できるようになっている。
この嵌入部14cに基台11を嵌入した後、この基台11を嵌入部14cから嵌脱不能状態に係止固定する固定機構を可動梁材14に設けた構成としている。
<スリーブ>
図3は、親綱張設支柱16の下部をスリーブ15に挿入する前の状態を示す斜視図である。
図3に示すように、綱張設用支柱16の下部を、基台11に立設されたスリーブ15に挿入し、挿入後は、親綱張設用支柱16とスリーブ15とに設けられた貫通孔15a、16aの位置を一致させ、この貫通孔15a、16aに支柱固定ボルト18を挿入して両者を固定している(図5参照)。
また、この親綱張設用支柱16をスリーブ15から分離することによって、親綱張設具10の軽量化が図れ、搬送がしやすくなる。
<親綱固定金具>
図4(a)は親綱張設支柱16の上部に4個の親綱固定金具19を取り付けた状態を示す拡大図であり、(b)はそのうちの1つの拡大図である。
図4(a)(b)に示すように、親綱張設用支柱16は、親綱を固定するための親綱固定金具19をその上部に備えており、
親綱固定金具19は、その外終端19aが親綱張設用支柱16に固定され、その内終端19bが巻軸方向Yに突出した渦巻き状である。
親綱固定金具19の個数や位置などは、特定するものではなく適宜選択できるが、実施形態では、親綱張設用支柱16の上部に、どの方向からでも親綱を引っ掛けるために、90°回転毎に4個取り付けられている。
また、親綱固定金具19は渦巻き状に形成されており、渦巻きが形成される面(渦巻き面)と垂直となるようにして、親綱張設用支柱16にはその外終端19aが固定されている。
さらに、渦巻きの内終端(渦巻きの最も内側になる端部)19bはフリーの状態であり、渦巻きの巻軸方向Y(渦巻き面とは直角方向であり、親綱張設用支柱16に固定した場合は水平方向となる)に突出するように形成させている。
一例として、図4(b)に示すように、渦巻きの外終端19aの延出方向に対して5°のねじれ角で渦巻き状に形成され、フリー状態の内終端19bを巻軸方向Y方向に突出させている。なお、この5°のねじれ角は、使用の態様によって適宜変更することができる。
このような渦巻き状に形成することによって、親綱21の途中部を親綱固定金具19に固定する場合は、親綱21を下から上へ持ち上げて親綱張設用支柱16の側面に当接させるようにして、渦巻き状の親綱固定金具19の中に挿入して引っ掛ければよく、また、一旦、親綱固定金具19の渦巻き中に引っ掛けた親綱21は、渦巻き状の内終端が巻軸方向に突出して形成されているので、容易には外れにくい構造となっている。
<屋根への固定>
次に、親綱張設具の屋根への固定方法について具体的に説明する。
図5(a)は、親綱張設具を波板屋根に設置した状態を示す断面図であり、(b)はその内の一部の右側面を拡大した右側面図である。
図示するように、親綱張設具10の屋根20への固定は、固定金具を用いて行う。
固定金具としては、例えば、屋根20を、屋根20の下方に位置する梁材22にフック23aを固定するフックボルト23を用いることができる。
フックボルト23の上方の雄ネジ部23bを、親綱張設具の固定梁材13及び可動梁材14の貫通孔(図示せず)に挿通して、ナットで固定する。
これによって、屋根20の山部に沿って形成された突条20aに、親綱張設具10を固定することができる。
屋根へは、屋根20の突条20aと、側部梁材3および可動梁材4とが直交するように設置を行う。
図6は、親綱張設具を折板屋根に設置し、親綱のフックを親綱固定金具に固定するとともに、命綱のフックを親綱に通して、親綱に沿ってスライド自在に固定した様子を示す斜視図である。
図6に示すように、親綱21のフック21aを、親綱張設用支柱16の親綱固定金具19に引っ掛けて固定し、親綱21を親綱張設具10間に張り渡す。
このように、親綱張設具10を介し、親綱21が屋根20に沿って確実に張り渡されたら、
親綱21に作業者の命綱24を引っ掛ければ、屋根20上での高所作業が安全に行える。
図7は、親綱張設具を折板屋根に設置し、親綱の途中を親綱固定金具の向こう側に回して固定するとともに、命綱のフックを親綱に固定した様子を示す斜視図である。
図8は、2台の親綱張設具を折板屋根に設置した場合の斜視図である。
(a)は、親綱張設具には親綱のフックを親綱固定金具に固定した場合を示し、(b)は、親綱張設具には親綱の途中を親綱張設支柱の向こう側に回して親綱固定金具に固定した様子を示している。
図7,図8に示すように、親綱張設具を用いて親綱の途中を親綱固定金具に固定する方法は、種々のパターンが考えられ、適宜な方法で親綱張設具を用いることができる。
図9は、親綱張設具を、突条ピッチ:250mm、深さピッチ:900mmの折板屋根に設置した場合の説明図である。
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
図10は、親綱張設具を、突条ピッチ:350mm、深さピッチ:600mmの折板屋根に設置した場合の説明図である。
(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
図9、図10は、フックボルトを用いて屋根に固定するのではなく、折板屋根の山部の突状20aに固定した実施例である。
図示するように、折板屋根の山部の突状20aのピッチが異なっていても、固定梁材13や可動梁材14に設けられた複数の貫通孔13a、14aにボルトを挿入して、折板屋根の突状20aに直接固定することができる。
本発明の親綱張設具は、基材に親綱張設用支柱を着脱自在に固定でき搬送が容易である。
また、嵌入・嵌脱可動な可動梁材をスライド調整することで、種々の屋根構造に対応できる。
さらに、親綱の固定や引っ掛けが容易にでき、かつ一旦引っ掛けた親綱が容易には外れることがないため作業者の安全性を増すことができるため、産業上の利用可能性が高い。
10 親綱張設具
11 基台
11a、13a、14a ウエッブ
11b、13b、14b フランジ
11c 支柱支持板
12 基台の一方の端部
13 固定梁材
13a 貫通孔
14 可動梁材
14a 貫通孔
14c 嵌入部
15 スリーブ
15a、16a 貫通孔
16 親綱張設用支柱
18 支柱固定ボルト
19 親綱固定金具
19a 外終端
19b 内終端
20 屋根
20a 屋根の突条
21 親綱
21a 親綱のフック
22 梁材
23 フックボルト
23a フックボルトのフック
23b 雄ネジ部
24 命綱
Y 巻軸方向

Claims (1)

  1. 命綱が引っ掛けられる親綱を、屋根に沿って張り渡す親綱張設具であって、
    基台と、
    前記基台の一方の端部と直交して固定される固定梁材と、
    前記基台に沿って移動可能に、かつ直交して配される可動梁材と、
    前記基台の略中央部上に立設されたスリーブと、
    前記スリーブにその下部を挿入し、前記親綱が固定される親綱張設用支柱とを備え、
    前記親綱張設用支柱には、その上部に、
    親綱を固定するための親綱固定金具が90度間隔で4個備えられており、
    前記親綱固定金具は、
    6辺の直線部で構成される矩形状渦巻きであり、
    前記渦巻きの外終端が前記親綱張設用支柱に固定され、
    前記渦巻きの内終端が、水平の巻軸方向に突出していることを特徴とする親綱張設具。
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