JP3187838U - 仮設足場のh鋼用連結固定具及び該h鋼用連結固定具を備える仮設足場 - Google Patents

仮設足場のh鋼用連結固定具及び該h鋼用連結固定具を備える仮設足場 Download PDF

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Abstract

【課題】造物側のH鋼に対する取り付けが決めて簡略容易であり、かつ、組み立て作業性に優れ、安全性も確保し得る仮設足場のH鋼用連結固定具を提供する。
【解決手段】仮設足場のH鋼用連結固定具は、建造物71側に設けたH鋼72のフランジ73に建枠を連結固定する仮設足場のH鋼用連結固定具1であって、建造物側基体2と、中間管状体21とのスライド調整により、建造物側基体2の挟み片4と中間管状体21の挟み片22との間隔を対象とするH鋼72のフランジ幅に対応させてフランジ73を挟み込み、中間管状体21と、足場側基体11とのスライド調整により、足場側基体11の足場連結部12を垂直支柱53bに対する連結最適位置として垂直支柱53bに連結可能とし、これらを位置決め固定可能としたものである。
【選択図】図1

Description

本考案は、建造物側のH鋼に対する取り付けが決めて簡略容易であり、かつ、組み立て作業性に優れ、安全性も確保し得る仮設足場のH鋼用連結固定具及び該H鋼用連結固定具を備える仮設足場に関するものである。
従来、ビルディング等の建築工事現場等においては、例えば建築物の外壁に沿って建築工事に携わる作業者用の仮設足場を構築し、この仮設足場を利用して建築物の外壁工事作業等を実行するようにしている。
この場合、建築物の全幅や高さに応じて、仮設足場用の建枠を左右方向、上下方向に所要数連結して組み立て、高層階にわたる仮設足場とするものである。
以下、従来における工事現場の仮設足場の従来例について、図6及び図7を参照して概説する。
図6は従来の最上階を4階とした仮設足場51の一部を概略的に示すものであり、この仮設足場51は、建物の外壁方向に沿って平行配置したベース板52、52上に、所要数の鳥居型建枠53を一定間隔を隔てつつ垂直、かつ、平行に配置し、隣り合う鳥居型建枠53を交差筋交54を用いて固定連結する。
そして、隣り合う鳥居型建枠53の各上端連結杆53a間に各足場板55をフック係合により順に配置して、各足場板55が建物の外壁方向に連なる2階用の水平な足場61Aを構築する。
3階用、4階用の水平な足場61B、61Cについても上述した場合と同様にして所要数の鳥居型建枠53、交差筋交54を用いて構築する。
図6に示す従来例においては、4階用の足場61Cにおいて、各鳥居型建枠53の垂直支柱53b上端から上方に向けて各々手摺柱56を立設し、隣り合う手摺柱56間における4階用の足場板55に近い位置に下棧57を、この下棧57の上方に手摺63を各々水平配置に取り付け、建築工事に携わる作業者の転落防止、安全性向上を図っている。
図7は、建造物71に沿って一定間隔をもって構築する仮設足場51が倒壊しないように、この仮設足場51を建造物71側に水平配置に固定配置されたH鋼72のフランジ73に固定連結する仮設足場固定連結構造を示すものである。
この仮設足場固定連結構造は、所定長さの単管パイプ80を用意し、建造物71側のH鋼72のフランジ73の底部に対して、単管パイプ80の一端側を添着し、一対のキャッチクランプ81、81を用い、このキャッチクランプ81、81を手探り状態の基にフランジ73と単管パイプ80との間に取り付けて、これらを固定連結する。
一方、単管パイプ80の他端側は鳥居型建枠53の垂直支柱53bに例えば直交クランプ82を用いて固定連結する構造となっている。
しかし、上述した従来の仮設足場固定連結構造の場合、キャッチクランプ81、81によるフランジ73と単管パイプ80との連結作業は極めて煩雑で危険を伴うとともに、単管パイプ80の長さ寸法が規格化され、H鋼72と垂直支柱53bとの間隔に適合せずに、図7に示すように、単管パイプ80の他端側の端部が、垂直支柱53bから仮設足場51内の作業員が往来する空間領域に突出してしまう事態が多く、作業員が単管パイプ80の端部に衝突して怪我をしたり、極端な場合には作業員の転落事故を招来するという危険性を伴うものであった。
特許文献1には、外縁に鋭角に交わる二辺を有する鋼材の一辺側を建物基礎の外側面に直交する水平方向に向け、他辺側を先端が外壁面から離れて上向きとなる斜め方向に向け、その折れ曲がった角部を建物基礎に接合し、その水平方向に突き出た一辺側の先端と斜め方向に突き出た他辺側の先端を建築工事足場の建て地に接合する構成からなる建築工事足場架設工法が提案されている。
しかし、特許文献1の技術を含め、建造物側のH鋼に対する取り付けが決めて簡略容易であり、組み立て作業性に優れ、安全性も確保し得るような仮設足場のH鋼用連結固定具は見当たらないのが現状である。
特開平成6−299692号公報
本考案が解決しようとする問題点は、建造物側のH鋼に対する取り付けが決めて簡略容易であり、かつ、仮設足場側の端部が仮設足場内の作業員が往来する空間領域に突出するようなこともなく、組み立て作業性に優れ、安全性も確保し得るような仮設足場のH鋼用連結固定具が存在しない点である。
本考案は、建造物側に設けたH鋼のフランジに建枠を連結固定する仮設足場のH鋼用連結固定具であって、前記フランジの一端に係合させる挟み片を突設した基部と、この基部の端部から突設した嵌入管状部とを具備し、H鋼のフランジに沿って、かつ、前記建枠に向けて配置する建造物側基体と、仮設足場の建枠に連結させる足場連結部と、この足場連結部の端部から突設した調製用外側管状部とを具備する足場側基体と、一端側から内方に前記建造物側基体の嵌入管状部がスライド可能に嵌入されるとともに、一端側外周部に前記挟み片と対向配置に前記フランジの他端に係合させる挟み片を突設し、他端側を前記足場側基体の調製用外側管状部内にスライド可能に嵌入する中間管状体と、建造物側基体の嵌入管状部、中間管状体、足場側基体を位置決め連結する位置決め固定機構部と、を有し、建造物側基体と、中間管状体とのスライド調整により、建造物側基体の挟み片と中間管状体の挟み片との間隔を対象とするH鋼のフランジ幅に対応させてフランジを挟み込み、前記中間管状体と、前記足場側基体とのスライド調整により、前記足場側基体の足場連結部を建枠に対する連結最適位置として建枠に連結可能とし、これらを位置決め固定可能としたことを最も主要な特徴とする。
請求項1記載の考案によれば、このH鋼用連結固定具の建造物側のH鋼に対する取り付け構造が、両挟み片による挟み込み方式であるため、H鋼に対する取り付けが極めて簡略容易であり、かつ、仮設足場側の足場連結部を建枠に対する連結最適位置とすることができ、仮設足場内の作業員が往来する空間領域に足場連結部が突出するような不都合はなくなり、これにより、特にH鋼側における取り付け作業性に優れ、作業員の安全性も確保し得る仮設足場のH鋼用連結固定具を実現し提供することができる。
請求項2記載の考案によれば、請求項1記載の考案の効果を奏するとともに、前記嵌入管状部、中間管状体、調整用外側管状部の相互間をピン孔、固定ピン形式により位置決め連結する位置決め固定機構部を付加していることから、仮設足場と建造物側に設けたH鋼のフランジとを、前期各要素間に位置ずれを生じさせることなく、確実に連結することができる仮設足場のH鋼用連結固定具を実現し提供することができる。
請求項3記載の考案によれば、請求項2記載の考案の効果を奏するとともに、足場側基体における調製用外側管状部の一端側の内周部及び足場連結部側内周部に各々設けた雌ネジと、中間管状体の挟み片を突設した外周近傍位置及び他端側外周部に設けた各々設けた雄ネジと、を有し、足場側基体と中間管状体とを、前記H鋼と建枠との間隔、又は、H鋼のフランジ寸法に応じたスライド位置で、かつ、前記位置決め固定機構部における各ピン孔が合致する位置に螺合調整することで、足場側基体と中間管状体との連結強度を高めて、中間管状体の挟み片と、建造物側基体の挟み片との両者により、H鋼のフランジをより強固に挟み込むことができる仮設足場のH鋼用連結固定具を実現し提供することができる。
請求項4記載の考案によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の考案において、前記足場側基体の挟み片と、前記中間管状体の挟み片とのスライド調整によるH鋼のフランジに対する挟み込み可能幅は、100mmから300mmの範囲としているので、H鋼のフランジ寸法の大小に柔軟に対応し、かつ、簡略容易に両挟み片によりこのH鋼のフランジを挟み込むことが可能な仮設足場のH鋼用連結固定具を実現し提供することができる。
請求項5記載の考案によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の考案において、足場側基体の足場連結部の連結最適位置と、中間管状体のH鋼側端部とのスライド調整範囲を、285mmから430mmの範囲で4段階としたことにより、H鋼と仮設足場との設置間隔の相違に柔軟に対応し得る仮設足場のH鋼用連結固定具を実現し提供することができる。
請求項6記載の考案によれば、上述したような効果を奏するH鋼用連結固定具を備えることにより、仮設足場内の作業員が往来する空間領域に足場連結部が突出するような不都合はなくなり、作業員の安全性を確保でき、かつ、H鋼用連結固定具により確実に建造物側のH鋼に連結固定されることから、倒壊防止をも図ることができる仮設足場を実現し提供できる。
図1は本考案の実施例に係る仮設足場のH鋼用連結固定具の構成及びH鋼に対する取り付け態様を示す概略構成図である。 図2は本実施例に係るH鋼用連結固定具のH鋼に対する取り付け工程を示す説明図である。 図3は本実施例に係るH鋼用連結固定具を、仮設足場とH鋼との間隔が大きい場合に適用する例を示す概略構成図である。 図4は本実施例に係るH鋼用連結固定具を、フランジ寸法が大きいH鋼に適用する例を示す概略構成図である。 図5は本実施例に係るH鋼用連結固定具におけるネジ連結機構部に応用可能な雄ネジ、雌ネジを用いたネジ連結式の支柱構造を示す参考図である。 図6は一般的な仮設足場の斜視図である。 図7は従来の仮設足場をH鋼のフランジに固定連結する仮設足場固定連結構造を示す概略図である。
本考案は、建造物側のH鋼に対する取り付けが決めて簡略容易であり、かつ、仮設足場側の端部が仮設足場内の作業員が往来する空間領域に突出するようなこともなく、組み立て作業性に優れ、安全性も確保し得る仮設足場のH鋼用連結固定具を提供するという目的を、建造物側に設けたH鋼のフランジに建枠を連結固定する仮設足場のH鋼用連結固定具であって、前記フランジの一端に係合させる挟み片を突設した基部と、この基部の端部から突設した嵌入管状部とを具備し、H鋼のフランジに沿って、かつ、前記建枠に向けて配置する建造物側基体と、仮設足場の建枠に連結させる足場連結部と、この足場連結部の端部から突設した調製用外側管状部とを具備する足場側基体と、一端側から内方に前記建造物側基体の嵌入管状部がスライド可能に嵌入されるとともに、一端側外周部に前記挟み片と対向配置に前記フランジの他端に係合させる挟み片を突設し、他端側を前記足場側基体の調製用外側管状部内にスライド可能に嵌入する中間管状体と、建造物側基体の嵌入管状部と中間管状体とのスライド位置を、前記両挟み片によりH鋼のフランジを挟み込む位置とし、中間管状体と足場側基体の調製用外側管状部とのスライド位置を、前記建枠に対する足場連結部が建枠に対して連結最適位置となる状態とし、前記嵌入管状部、中間管状体、調整用外側管状部をピン孔、固定ピン形式により位置決め連結する位置決め固定機構部と、を有する構成により実現した。
以下、本考案の実施例に係る仮設足場のH鋼用連結固定具及び該H鋼用連結固定具を備える仮設足場について図面を参照して詳細に説明する。
以下説明する実施例におけるH鋼用連結固定具の各部分の寸法は、図示例に限定されるものでないことは勿論である。したがって、本考案に係る仮設足場用のH鋼用連結固定具における各部分の寸法は、実施例、図示例以外の自在な寸法として構成できる。
なお、本実施例において、図6に示す従来例の場合と同一の要素には同一の符号を付して示す。
本実施例に係る仮設足場51のH鋼用連結固定具1は、図1、図2に示すように、建造物71に沿って一定間隔をもって構築する仮設足場51を建造物71側に水平配置に固定配置されたH鋼72のフランジ73に固定連結するものである。
本実施例に係るH鋼用連結固定具1は、前記フランジ73の一端に係合させる略くの字状の挟み片4を突設した基部3と、この基部3の端部から突設した例えば4個のピン孔5aを有する嵌入管状部5とを具備し、H鋼72のフランジ73に沿って、かつ、前記仮設足場51の鳥居型建枠53に向けて配置する建造物側基体2と、前記仮設足場51の鳥居型建枠53における垂直支柱53bに連結させる足場連結部12と、この足場連結部12の端部から突設した例えば4個のピン孔13cを有する調製用外側管状部13とを具備する足場側基体11と、一端側から内方に前記建造物側基体2の嵌入管状部5がスライド可能に嵌入されるとともに、一端側外周部に前記挟み片4と対向配置に前記フランジ73の他端に係合させる略くの字状の挟み片22を突設し、他端側を前記足場側基体11の調製用外側管状部13内にスライド可能に嵌入する例えば4個のピン孔21cを有する中間管状体21と、建造物側基体2の嵌入管状部5と中間管状体21とのスライド位置を、前記両挟み片4、22によりH鋼72のフランジ73を挟み込む位置とし、中間管状体21と足場側基体11の調製用外側管状部13とのスライド位置を、前記鳥居型建枠53における垂直支柱53bに対する足場連結部12が前記垂直支柱53bに対して連結最適位置となる状態とし、前記嵌入管状部5、中間管状体21、調整用外側管状部13の3者を重合構造状態の基に、前記ピン孔5a、ピン孔13c及びピン孔21cと、所要数の固定ピン6とのピン結合構造で位置決め連結する位置決め固定機構部と、前記足場側基体11の調製用外側管状部13の一端側の内周部及び足場連結部12側の内周部に各々設けた雌ネジ13a、13bと、前記中間管状体21の挟み片22を突設した外周近傍位置及び他端側外周部に各々設けた雄ネジ21a、21bと、を有している。
なお、前記嵌入管状部5、中間管状体21、調整用外側管状部13の夫々のピン孔の設置個数は、嵌入管状部5、中間管状体21、調整用外側管状部13の内のいずれか一つのピン孔が1個で、かつ、他の二つのピン孔が1又は2以上複数個として構成できることは勿論である。
更に、前記足場側基体11と中間管状体21とを、前記H鋼72と前記鳥居型建枠53の垂直支柱53bとの間隔に応じたスライド位置で、前記雌ネジ13aと雄ネジ21aとのネジ結合、及び前記雌ネジ13bと雄ネジ21bとのネジ結合、又は、前記雌ネジ13aと雄ネジ21bとのネジ結合で連結させるネジ連結機構部と、を有している。
図5には前記ネジ連結機構部のネジ結合部分に応用可能な雄ネジ、雌ネジを用いた下柱41、上柱42のネジ連結式の支柱構造を参考例として示す。
ここで、前記足場連結部12の前記垂直支柱53bに対する連結最適位置とは、図1等に示すように、足場連結部12の突出方向中央位置Pが垂直支柱53bの芯53cと合致し、かつ、足場連結部12の突出短が仮設足場の作業者通行領域に突出しないする位置を意味するものとして、以下の説明を行う。
次に、前記位置決め固定機構部を構成するピン孔5a、ピン孔13c及びピン孔21cについて説明する。
前記嵌入管状部5の4個のピン孔5a、前記調製用外側管状部13の4個のピン孔13c、前記中間管状体21の4個のピン孔21cは、いずれもその間隔Lを同一の寸法である例えば50mm(L=50mm)に設定し、これにより、前記建造物側基体2、中間管状体21、及び足場側基体11を50mmずつ4段階にわたってスライド調整可能としている。
次に、図1、図2を参照して本実施例に係るH鋼用連結固定具1を用い仮設足場51を建造物71側のH鋼72のフランジ73に連結固定する態様について説明する。
なお、図1は、H鋼72のフランジ73に対する挟み込み可能幅が100mm、中間管状体のH鋼72側の端部と足場連結部12の突出方向中央位置Pとの寸法が285mmの例を示すものである。
まず、図2上欄に示すように、前記建造物側基体2の挟み片4をH鋼72のフランジ73の一端に当接するようにして基部3、嵌入管状部5を前記フランジ73に沿って、かつ、鳥居型建枠53に向けて配置する。
次に、図2中欄に示すように、に示すように、中間管状体21を前記嵌入管状部5に対向配置し、この中間管状体21を前記嵌入管状部5に嵌装し、前記挟み片4と対向配置となっている挟み片22をH鋼72のフランジ73の他端に当接させ、両挟み片4、挟み片22によりH鋼72のフランジ73を挟み込む状態とする。
このとき、前記嵌入管状部5の4個のピン孔5a、前記中間管状体21の4個のピン孔21cが各々合致した位置となる。
次に、図2下欄に示すように、足場側基体11の調製用外側管状部13を前記中間管状体21にねじ込み装着する。
すなわち、最初に調製用外側管状部13の雌ネジ13bを中間管状体21の雄ネジ21bに螺合しつつ回転させ、雌ネジ13bと雄ネジ21bとの螺合が解除されたら調製用外側管状部13を前記挟み片22側に更にスライドさせ、次いで調製用外側管状部13の雌ネジ13aを中間管状体21の雄ネジ21aに螺合させるとともに、調製用外側管状部13の雌ネジ13bを中間管状体21の雄ネジ21bに螺合させて調製用外側管状部13の一端部が中間管状体21の前記挟み片22に当接する位置までねじ込む。
このとき、前記嵌入管状部5の4個のピン孔5a、前記中間管状体21の4個のピン孔21c、前記調製用外側管状部13の4個のピン孔13cが各々合致した状態となる。
この状態で、所要数(3個、4個等)の各固定ピン6を前記各ピン孔に差し込むことで、前記調製用外側管状部13、前記中間管状体21、前記嵌入管状部5が3重の状態で位置決め連結される。
一方、鳥居型建枠53における垂直支柱53bと、前記足場連結部12とは、直交クランプ7を用いて固定連結する。
以上説明した本実施例に係るH鋼用連結固定具1によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、このH鋼用連結固定具1の建造物71側のH鋼72に対する取り付け構造が、両挟み片4、22による挟み込み方式であるため、H鋼72に対する取り付けが極めて簡略容易となる。
また、仮設足場51側の足場連結部12を鳥居型建枠53に対する連結最適位置とすることができ、仮設足場51内の作業員が往来する空間領域に足場連結部12が突出するような不都合はなくなり、これにより、特にH鋼72側における取り付け作業性に優れ、作業員の安全性も確保することが可能となる。
更に、前記各ピン孔、固定ピン6から構成さるる位置決め固定機構部を付加していることから、仮設足場51と建造物71側に設けたH鋼72のフランジ73とを、前記各要素間に位置ずれを生じさせることなく確実に連結することができ、連結構造が強固となる利点がある。
更にまた、前記ネジ連結機構部により、足場側基体11と中間管状体21との連結強度を高め、中間管状体21の挟み片22と、建造物側基体2の挟み片4との両者により、H鋼72のフランジ73をより強固に挟み込むことができ、この点からも連結構造が強固となる利点がある。
次に、図3を参照して本実施例に係るH鋼用連結固定具1を、仮設足場51とH鋼72との間隔が大きい場合に適用する例をについて説明する。
この場合には、図3に示すように、前記両挟み片4、挟み片22によりH鋼72のフランジ73を挟み込む態様は記述した場合と同様であるが、前記中間管状体21に対する足場側基体11のスライド位置決め固定位置が異なり、中間管状体21のH鋼72側の端部と足場連結部12の突出方向中央位置Pとの寸法が435mmとなっていることが特徴である。
このとき、中間管状体21の図3に最も右側のピン孔21cに対して、足場側基体11の持つとも左側のピン孔11aが固定ピン6により位置決め固定されている。この他の取り付け構造は既述した場合と略同様である。
次に、図4を参照して本実施例に係るH鋼用連結固定具1を、フランジ寸法が一層大きい(フランジ寸法=300mm)H鋼72に取り付ける例について説明する。
この場合には、図4に示すように、中間管状体21と足場側基体11との重合構造は図1に示す場合と同様であるが、前記両挟み片4、挟み片22によりH鋼72のフランジ73を挟み込む態様が既述した場合とは異なり、前記建造物側基体2の嵌入管状部5をH鋼72のフランジ寸法に対応して中間管状体21に小寸法嵌め込む態様とし、前記両挟み片4、挟み片22の挟み込み幅を300mmとして、H鋼用連結固定具1をH鋼72に取り付けるものである。
このようにして、本実施例に係るH鋼用連結固定具1によれば、建造物側基体2の挟み片4と、中間管状体21の挟み片22とのスライド調整によるH鋼72のフランジ73に対する挟み込み可能幅は、100mmから300mmの範囲で4段階に調整可能であり、また、足場側基体11の足場連結部12の連結最適位置と、中間管状体21のH鋼側端部とのスライド調整範囲を、285mmから430mmの範囲で4段階に調整可能であることから、H鋼72のフランジ寸法の大小に柔軟に対応できるとともに、H鋼72と仮設足場51との設置間隔の大小の相違にも柔軟に対応でき、適用用途の広範なH鋼用連結固定具1とすることができる。
また、前記のようなH鋼用連結固定具1を備える仮設足場51によれば、この仮設足場51内の作業員が往来する空間領域に足場連結部12が突出するような不都合はなくなり、作業員の安全性を確保でき、かつ、確実に建造物71側のH鋼72に連結固定されることから、倒壊防止等をも図ることが可能な頑強な構造とすることができる。
なお、本考案に係る仮設足場用のH鋼用連結固定具における各部分の寸法は、実施例や図示例以外の自在な寸法として構成できることは前述した通りである。
本考案のH鋼用連結固定具1は、ビルディング建築現場、一般住宅建築現場、更にはダム等の土木構造物建造場等、種々の場所に構築される仮設足場について広範に適用可能である。
1 H鋼用連結固定具
3 基部
4 挟み片
5 嵌入管状部
5a ピン孔
6 固定ピン
7 直交クランプ
11 足場側基体
12 足場連結部
13 調整用外側管状部
13a 雌ネジ
13b 雌ネジ
13c ピン孔
21 中間管状体
21a 雄ネジ
21b 雄ネジ
21c ピン孔
22 挟み片
51 仮設足場
53 鳥居型建枠
53b 垂直支柱
53c 芯
71 建造物
72 H鋼
73 フランジ
L 間隔
P 突出方向中央位置

Claims (6)

  1. 建造物側に設けたH鋼のフランジに建枠を連結固定する仮設足場のH鋼用連結固定具であって、
    前記フランジの一端に係合させる挟み片を突設した基部と、この基部の端部から突設した嵌入管状部とを具備し、H鋼のフランジに沿って、かつ、前記建枠に向けて配置する建造物側基体と、
    仮設足場の建枠に連結させる足場連結部と、この足場連結部の端部から突設した調製用外側管状部とを具備する足場側基体と、
    一端側から内方に前記建造物側基体の嵌入管状部がスライド可能に嵌入されるとともに、一端側外周部に前記挟み片と対向配置に前記フランジの他端に係合させる挟み片を突設し、他端側を前記足場側基体の調製用外側管状部内にスライド可能に嵌入するようにした中間管状体と、
    建造物側基体の嵌入管状部、中間管状体、足場側基体を位置決め連結する位置決め固定機構部と、
    を有し、
    建造物側基体と、中間管状体とのスライド調整により、建造物側基体の挟み片と中間管状体の挟み片との間隔を対象とするH鋼のフランジ幅に対応させてフランジを挟み込み、前記中間管状体と、前記足場側基体とのスライド調整により、前記足場側基体の足場連結部を建枠に対する連結最適位置として建枠に連結可能とし、これらを位置決め固定可能としたことを特徴とする仮設足場のH鋼用連結固定具。
  2. 建造物側に設けたH鋼のフランジに建枠を連結固定する仮設足場のH鋼用連結固定具であって、
    前記フランジの一端に係合させる挟み片を突設した基部と、この基部の端部から突設した嵌入管状部とを具備し、H鋼のフランジに沿って、かつ、前記建枠に向けて配置する建造物側基体と、
    仮設足場の建枠に連結させる足場連結部と、この足場連結部の端部から突設した調製用外側管状部とを具備する足場側基体と、
    一端側から内方に前記建造物側基体の嵌入管状部がスライド可能に嵌入されるとともに、一端側外周部に前記挟み片と対向配置に前記フランジの他端に係合させる挟み片を突設し、他端側を前記足場側基体の調製用外側管状部内にスライド可能に嵌入するようにした中間管状体と、
    建造物側基体の嵌入管状部と中間管状体とのスライド位置を、前記両挟み片によりH鋼のフランジを挟み込む位置とし、中間管状体と足場側基体の調製用外側管状部とのスライド位置を、前記建枠に対する足場連結部が建枠に対して連結最適位置となる状態とし、前記嵌入管状部、中間管状体、調整用外側管状部をピン孔、固定ピン形式により位置決め連結する位置決め固定機構部と、
    を有することを特徴とする仮設足場のH鋼用連結固定具。
  3. 建造物側に設けたH鋼のフランジに建枠を連結固定する仮設足場のH鋼用連結固定具であって、
    前記フランジの一端に係合させる挟み片を突設した基部と、この基部の端部から突設した嵌入管状部とを具備し、H鋼のフランジに沿って、かつ、前記建枠に向けて配置する建造物側基体と、
    仮設足場の建枠に連結させる足場連結部と、この足場連結部の端部から突設した調製用外側管状部とを具備する足場側基体と、
    一端側から内方に前記建造物側基体の嵌入管状部がスライド可能に嵌入されるとともに、一端側外周部に前記挟み片と対向配置に前記フランジの他端に係合させる挟み片を突設し、他端側を前記足場側基体の調製用外側管状部内にスライド可能に嵌入するようにした中間管状体と、
    建造物側基体の嵌入管状部と中間管状体とのスライド位置を、前記両挟み片によりH鋼のフランジを挟み込む位置とし、中間管状体と足場側基体の調製用外側管状部とのスライド位置を、前記建枠に対する足場連結部が建枠に対して連結最適位置となる状態とし、前記嵌入管状部、中間管状体、調整用外側管状部をピン孔、固定ピン形式により位置決め連結する位置決め固定機構部と、
    前記足場側基体における調製用外側管状部の一端側の内周部及び足場連結部側内周部に各々設けた雌ネジと、前記中間管状体の挟み片を突設した外周近傍位置及び他端側外周部に設けた各々設けた雄ネジと、を有し、足場側基体と中間管状体とを、前記H鋼と建枠との間隔、又は、H鋼のフランジ寸法に応じたスライド位置で、かつ、前記位置決め固定機構部における各ピン孔が合致する位置に螺合調整するネジ連結機構部と、
    を有することを特徴とする仮設足場のH鋼用連結固定具。
  4. 前記建造物側基体の挟み片と、前記中間管状体の挟み片とのスライド調整によるH鋼のフランジに対する挟み込み可能幅は、100mmから300mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の仮設足場のH鋼用連結固定具。
  5. 前記建造物側基体の嵌入管状部、中間管状体、及び足場側基体の調製用外側管状部には、位置決め固定機構部として、各々所定間隔で4個ずつの固定ピンが嵌着可能な対応配置のピン孔が対応配置に設けられ、前記足場側基体の足場連結部の連結最適位置と、中間管状体のH鋼側端部とのスライド調整範囲を、285mmから430mmの範囲で4段階としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の仮設足場のH鋼用連結固定具。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれかに記載の仮設足場のH鋼用連結固定具を備えることを特徴とする仮設足場。
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