JP2010196361A - スレート屋根用安全設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】スレート屋根上に親綱を連結するための構造物が存在しない箇所においても、安全に作業を行うことができるスレート屋根用安全設備を提供する。
【解決手段】波形のスレート屋根2上に複数の支持具11が離間して設けられ、安全帯を連結するための横架材13が前記支持具11間に架設される。支持具11は、スレート屋根2上に設置されて横架材13を保持する保持部材15と、上端部が保持部材15に連結されると共に他の支持具11側に向って下方に傾斜する支え部材16を具備し、保持部材15又は支え部材16の少なくとも一方の下端は、スレート屋根の谷部9嵌め込まれ固定される。
【選択図】図1

Description

本発明はスレート屋根用安全設備に関する。
工場や倉庫等の老朽化したスレート屋根の塗装や補修等を行う場合、作業者が脆くなったスレート屋根材を踏み抜いて落下事故が起きる恐れがある。
一般的な高所における安全対策としては、例えば特許文献1のように建物の構造物に親綱を取り付け、この親綱に安全帯のフックを連結して作業が行うことが知られている。
特開2005−61106号公報
ところで、スレート屋根上に建物の構造物が少ないとき等には、スレート屋根上に親綱を設けることができない場合がある。この場合は、十分な安全性を確保することができない長い親綱が用いられたり、スレート屋根下の母屋位置を予想して、母屋上のスレート屋根を歩いたりするといった危険な作業が行われる恐れがある。
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、スレート屋根上に親綱を連結するための構造物が存在しない箇所においても、安全に作業を行うことができるスレート屋根用安全設備を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、波形のスレート屋根2上に支持具11が離間して設けられ、安全帯を連結するための横架材13が前記支持具11間に架設されることを特徴とする。
また、前記支持具11は、スレート屋根2上に立設されて横架材13を保持する保持部材15と、上端部が保持部材15に連結されると共に他の支持具11側に向かって下り傾斜した支え部材16を具備し、支え部材16の下端部がスレート屋根2上に載置されることが好ましい。
また、前記保持部材15又は支え部材16の少なくとも一方の下端にスレート屋根2の谷部9に嵌め込まれて固定される嵌込部が設けられることが好ましい。
また、前記嵌込部を固定する固定具12を備え、母屋3にフックボルト5′のフック部6′を引っ掛けると共に該フックボルト5′のボルトねじ部7′を母屋3上のスレート屋根材2aを貫通して上方に突出し、該突出したボルトねじ部7′に螺合された第一ナット29によりスレート屋根材2aが下方に押圧され、ボルトねじ部7′の第一ナット29よりも上方に突出した部分に固定具12が挿通されると共に該固定具12を下方に押圧する第二ナット32が螺合され、固定具12により前記谷部9に嵌め込まれた嵌込部が下方に押圧されることが好ましい。
本発明にあっては、スレート屋根上に設けられた支持具を利用して、親綱を連結可能な建物構造物が存在しないスレート屋根上において安全帯を連結するための横架材を架設することができ、作業者の安全を確保することができる。
また、前記支持具は、スレート屋根に対して略垂直に立設される保持部材と、傾斜した支え部材を用いて簡単に形成できる。しかも、支え部材を横架材を保持する保持部材の支えとすることができ、特に安全帯が連結された横架材に下方向の力が加わる等して保持部材が他の支持具側に倒れることを確実に防止でき、より安全性を高めることができる。
また、保持部材又は支え部材の少なくともいずれか一方にスレート屋根の谷部に嵌め込んで固定される嵌込部を設けることで、支持具をスレート屋根に対してより強固に固定することができる。
また、フックボルトのスレート屋根上に突出したボルトねじ部に固定具を挿通し、該ボルトねじ部に固定具を下方に押圧する第二ナットを螺合し、該固定具により前記谷部に嵌め込まれた嵌込部を下方に押圧することで、母屋にスレート屋根材を固定するためのフックボルトを利用して支持具の嵌込部を強固にスレート屋根に固定することができる。
本発明の実施形態の一例のスレート屋根安全設備を示す斜視図である。 同上の支持具の固定部の取付構造を示す断面図である。 同上のスレート屋根の取付構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態の一例のスレート屋根安全設備は、工場や倉庫等の建物のスレート屋根2の塗装や捕集等、スレート屋根2上で作業を行う際に用いられるものであって、既設又は新設の建物のスレート屋根2に1乃至複数の安全器具1を設けてなる。
スレート屋根2は、山部8と谷部9を交互に形成した波形のスレート屋根材2aを建物の母屋3上に葺設して構成される。
母屋3は断面C形のチャンネル材で構成される。スレート屋根材2aを母屋3に固定するには、図3のようにフックボルト5の下部に形成されたフック部6を母屋3に引っ掛けると共に、フックボルト5の上部に形成されたボルトねじ部7をスレート屋根材2aの山部8の頂部を貫通させてスレート屋根材2a上に突出させ、この突出したボルトねじ部7にナット10を螺合し、該ナット10により母屋3上に載置されたスレート屋根材2aの山部8の頂部を下方に押圧する。
安全器具1は、スレート屋根2上に離間して設けられる二個の支持具11と、各支持具11をスレート屋根2に固定する固定具12と、両支持具11間に架設される横架材13で構成される。
各支持具11は、スレート屋根2に立設される保持部材15と、上端部が保持部材15に連結されると共に他の支持具11側に向かって下方に傾斜する支え部材16を具備している。
保持部材15は、スレート屋根2の屋根面に対して略垂直な縦棒材からなる柱部17と、柱部17の下端に継手20にて連結されて屋根面に対して略水平となる横棒材からなる固定部18とで構成され、全体として逆T字状に形成されている。固定部18の長手方向の両端部はワイヤー等からなる連結材19を介して柱部17に接続され、これによって保持部材15は補強される。
柱部17の上端部には横架材13の端部を保持する保持部21が対をなす他方の支持具11側に向けて突出して設けられている。
支え部材16は、対をなす他方の支持具11側に向かって下り傾斜する棒材からなる斜材部22と、斜材部22の下端部に継手23にて連結されて屋根面に対して略水平となる横棒材からなる載置部24とで構成され、全体として逆T字状に形成されている。載置部24の長手方向の両端部はワイヤー等からなる連結材26を介して斜材部22に接続され、これによって支え部材16は補強される。
支え部材16は、斜材部22の上端部が柱部17の上部にクランプ25を介して連結され、また、下端部の載置部24が対をなす他方の支持具11側に位置するスレート屋根2上に載置され、これにより支え部材16は屋根面に立設された保持部材15が倒れないように支える。
前記柱部17、固定部18、斜材部22、及び載置部24を構成する棒材はいずれも鋼製の丸形パイプで構成される。なお、柱部17、固定部18、斜材部22、及び載置部24を構成する棒材は中実のものであってもよい。
支持具11をスレート屋根2上に設けるには、断面円形の固定部18及び載置部24をスレート屋根2の離間する谷部9に夫々シート27を介して或いは直接嵌め込んで固定する。これにより固定部18及び載置部24を両側の山部8によって長手方向と直交する方向に移動不能となる。なお、載置部24は前記フックボルト5を貫通させた山部8に隣接する谷部9に嵌め込むと、フックボルト5によっても載置部24が他方の支持具11側に移動することを防止できる。
そして、この状態で、固定部18及び載置部24のうち固定部18のみを複数の固定具12を用いてスレート屋根2に固定して、固定部18の長手方向にも移動不能とする。すなわち、本例にあっては、前記固定部18及び載置部24の夫々が谷部9に嵌め込まれる長尺な嵌込部を構成している。
固定具12は平面視において固定部18の長手方向と直交する方向に長い断面L字状のアングル材からなり、各固定具12は固定部18の柱部17を挟んで両側部分の上方に配設される。
各固定具12はスレート屋根2に対して固定され、その固定にはスレート屋根材2aを母屋3に固定するための図2に示すフックボルト5′が利用される。
フックボルト5′は、前記フックボルト5と同様に、上部にボルトねじ部7′が形成された軸部28の下端にU字状のフック部6′を設けてなり、全体として略J字状に形成される。フックボルト5′の軸部28の長さはスレート屋根2上に突出するボルトねじ部7′が谷部9に配置された固定部18よりも上方に突出するようフックボルト5の軸部28の長さよりも長くなっている。
フックボルト5′にてスレート屋根材2aを母屋3に固定する方法は前記フックボルト5と同様である。つまり、フックボルト5′にてスレート屋根材2aを母屋3に固定するには、フック部6′を母屋3の下端部に引っ掛けると共に、ボルトねじ部7′をスレート屋根材2aの山部8の頂部を貫通させてスレート屋根材2a上に突出させる。次いで、この突出したボルトねじ部7′にナット29を螺合し、該ナット29により母屋3上に載置されたスレート屋根材2aの山部8の頂部を下方に押圧する。以下、ナット29を第一ナット29と記載する。
各固定具12をスレート屋根2に対して固定するには前記フックボルト5′が2本用いられる。両フックボルト5′のフック部6′は同一の母屋3に引っ掛けられ、両者は母屋3の幅方向における反対側から引っ掛けられる。両フックボルト5′の軸部28は母屋3を挟んで母屋3の幅方向の両側に配置され、これによりスレート屋根2の前記固定部18が嵌め込まれる谷部9の両側の山部8から各フックボルト5′のボルトねじ部7′が上方に突出する。なお、両フックボルト5′のうち一方は既設のフックボルト5に代えて設けられ、ボルトねじ部7′を既設のフックボルト5のボルトねじ部7を貫通させるためのスレート屋根材2aに形成された孔に貫通させ、スレート屋根2上に突出させるものである。
固定具12で前記谷部9に嵌め込まれた固定部18をスレート屋根2に固定するには、固定部18上に固定具12を長手方向の両側部分が固定具12よりも突出するように配置して、固定部18の両側に位置する各フックボルト5′の第一ナット29よりも上方に突出したボルトねじ部7′を固定具12の横片部31に挿通させ、この横片部31よりも上方に突出した各ボルトねじ部7にナット32を螺合し、各ナット32により横片部31を下方に押圧する。これによって、固定部18が各固定具12の横片部31と母屋3上に載置されたスレート屋根2の谷部9の間で挟持され、谷部9の長手方向に移動不能となる。
このようにスレート屋根2上に設けられる支持具11は、対をなす他方の支持具11側に倒れないよう支え部材16に支えられた状態で、スレート屋根2上に平面視で固定具12の長手方向と直交する方向に離間して設けられる。そして両支持具11の上端部に設けられた保持部21にはワイヤーからなる横架材13の端部が夫々取り付けられ、これにより横架材13が適度の緊張状態で両支持具11間に横架される。
前記スレート屋根2上の両支持具11間に架設された横架材13には、例えば安全帯に接続された親綱33の端部に形成されたフック34を引っ掛けたり、親綱33の端部を横架材13に結びつけたり、或いは安全帯のフックを横架材13に引っ掛ける等して、作業者が装着した安全帯を横架材13に連結することができ、これにより、作業者がスレート屋根2を踏み抜いて生じる落下事故を防止することができる。なお、前記フック34や安全帯は横架材13に対して横架材13の長手方向に移動自在に連結してもよいものとする。
以上説明した本例のスレート屋根安全設備にあっては、スレート屋根2上に離間して設けられた支持具11を利用して、親綱33を連結可能な建物構造物が存在しないスレート屋根2上において安全帯を連結するための横架材13を架設して、作業者の安全を確保することができる。
また、前記支持具11は、スレート屋根2に立設されて横架材13を保持する保持部材15と、傾斜した支え部材16を用いて簡単に形成できる。しかも、安全帯が連結される横架材13に下方向の力が加わる等して保持部材15が他方の支持具11側に倒れることを確実に防止でき、より安全性を高めることができる。また、保持部材15の下端部に設けられた固定部18及び支え部材16の下端部に設けられた載置部24は長尺でスレート屋根2の谷部9に嵌め込まれるので、支持具11をスレート屋根2に対してより強固に固定することができる。
また、谷部9に嵌め込まれた固定部18を固定具12でスレート屋根2に強固に固定することができ、尚且つ、この固定具12は、スレート屋根材2aを母屋3に固定するためのフックボルト5′を利用してスレート屋根2に取り付けることができる。
なお、本例の安全器具1は2個の支持具11を具備するものであるが、スレート屋根2上に一列に並べて設けられる3以上の支持具11を備え、これら支持具11で一の横架材13を支持してもよく、支持具11は横架材13の中途を保持するものであってもよい。
また、本例では固定部18及び載置部24の両方をスレート屋根2の谷部9に嵌め込んだが、固定部18及び載置部24のうちいずれか一方のみを谷部9に嵌め込んでもよい。また、本例では固定部18及び載置部24のうち固定部18のみを複数の固定具12を用いてスレート屋根2に固定したが、固定部18に加えて載置部24も同様の固定具12及びフックボルト5′を用いてスレート屋根2に固定してもよい。
また、支持具11間に架設される横架材13はワイヤーで構成したが、横架材13はロープ等のその他の索状の部材で構成してもよく、また、ポール等の棒状の部材等で構成してもかまわない。
また、支持具11はスレート屋根2上に複数設けられ、横架材13が架設することができるものであれば、適宜設計変更可能である。
2 スレート屋根
2a スレート屋根材
8 山部
9 谷部
11 支持具
12 固定具
13 横架材
18 固定部
24 載置部
33 親綱

Claims (4)

  1. 波形のスレート屋根上に複数の支持具が離間して設けられ、安全帯を連結するための横架材が前記支持具間に架設されることを特徴とするスレート屋根用安全設備。
  2. 前記支持具は、スレート屋根上に立設されて横架材を保持する保持部材と、上端部が保持部材に連結されると共に他の支持具側に向かって下方に傾斜する支え部材を具備し、支え部材の下端部がスレート屋根上に載置されることを特徴とする請求項1に記載のスレート屋根用安全設備。
  3. 前記保持部材又は支え部材の少なくとも一方の下端部にスレート屋根の谷部に嵌め込まれて固定される嵌込部が設けられることを特徴とする請求項2に記載のスレート屋根用安全設備。
  4. 前記嵌込部を固定する固定具を備え、母屋にフックボルトのフック部を引っ掛けると共に該フックボルトのボルトねじ部を母屋上のスレート屋根材を貫通して上方に突出し、該突出したボルトねじ部に螺合された第一ナットによりスレート屋根材が下方に押圧され、ボルトねじ部の第一ナットよりも上方に突出した部分に固定具が挿通されると共に該固定具を下方に押圧する第二ナットが螺合され、固定具により前記谷部に嵌め込まれた嵌込部が下方に押圧されることを特徴とする請求項3に記載のスレート屋根用安全設備。
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