JP2009214564A - ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両のモード切り替え制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モード切り替えの途中でモード切り替え要求が消失した時、元のモードへ戻す逆方向モード切り替えが高応答で完遂されるようになす。
【解決手段】ブロック3300のハイブリッド走行(HEV)モードからブロック3201,3202を経てブロック2200の電気走行(EV)モードへモード切り替えが行われている途中、ブロック3201でHEV→EVモード切り替え要求が消失した場合、ブロック3201からブロック3202を経てブロック2200に至るHEV→EVモード切り替え完遂ループを実行せず、矢A4で示すように締結容量低下中の第1クラッチCL1を逆に完全締結状態に戻すことで、元のHEVモードへ復帰させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータをタンデムに具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータの少なくとも一方からの動力を用いて走行可能なハイブリッド車両の走行モードを切り替えるモード切り替え制御技術に関するものである。
上記のようなハイブリッド車両に用いるハイブリッド駆動装置としては従来、様々な型式のものが提案されているが、そのうちの1つとして、特許文献1に記載のごときものが知られている。
このハイブリッド駆動装置は、動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータをタンデムに具え、
これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間を第1クラッチにより結合可能とし、
モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間を第2クラッチ(特許文献1では、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間の自動変速機内における変速摩擦要素を流用)により結合可能としたものである。
かかる駆動装置を搭載したハイブリッド車両は、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結するとき、モータ/ジェネレータのみによる電気走行を行うことができ(EVモード)、
第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結するとき、エンジンからの動力のみを用いて、或いはエンジン動力とモータ/ジェネレータからの動力とを併用して、つまりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行を行うことができる(HEVモード)。
かかるハイブリッド車両においては、前者のEVモードでの走行中、加速要求やアクセルペダルの踏み込み操作により要求駆動力が増大し、モータ/ジェネレータのみでこの要求駆動力を実現することができなくなったためエンジン出力が必要になった場合や、モータ/ジェネレータ用バッテリの蓄電状態が悪化(持ち出し可能電力が低下)してエンジン出力が必要になった場合は、当該EVモードから後者のHEVモードへ切り換えることになり、この際、第1クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータでエンジンを始動することによって当該HEVモードへのモード切り替えを行い、
逆に後者のHEVモードでの走行中、減速要求やアクセルペダルの戻し操作により要求駆動力が低下し、モータ/ジェネレータのみでこの要求駆動力を実現することができるようになったためエンジン出力が不要になった場合や、モータ/ジェネレータ用バッテリの蓄電状態が改善(持ち出し可能電力が増大)して走行用も含めてエンジン出力が不要になった場合は、当該HEVモードから前者のEVモードへ切り換えることになり、この際、第1クラッチを解放すると共にエンジンを停止させることにより当該EVモードへのモード切り替えを行う。
ところで上記型式のハイブリッド車両において、EV→HEVモード切り替えや、HEV→EVモード切り替えは上記のように遂行されるが、これらモード切り替えの途中で運転操作の変化やシステムの変化が発生してモード切り替え要求が消失し、元の走行モードへ戻す必要が生じた場合におけるモード切り替え制御についての提案が従来は、特許文献1を含めてなされていなかった。
従って従来は、上記型式のハイブリッド車両において、EV→HEVモード切り替えや、HEV→EVモード切り替えの途中で当該モード切り替え要求が消失し、元の走行モードへ戻す必要が生じた場合、先行するEV→HEVモード切り替えや、HEV→EVモード切り替えを一旦完遂させ、その後に元の走行モードへ戻す逆向きのモード切り替えを行うこととなる。
特開平11−082260号公報
しかし、モード切り替えの途中でモード切り替え要求が消失した時、従来のように、先行するEV→HEVモード切り替えや、HEV→EVモード切り替えを一旦完遂させ、その後に元の走行モードへ戻す逆向きのモード切り替えを行うのでは、モード切り替え要求消失時から元の走行モードへ戻るまでの時間が長くなって、その間、運転操作やシステム変化に対応した走行モード以外の走行モードでの運転を余儀なくされ、運転者に違和感を与えるという問題があった。
また、モード切り替えの途中でモード切り替え要求が消失した時、従来のように、先行するモード切り替えを一旦完遂させ、その後に元の走行モードへ戻す逆向きのモード切り替えを行うのでは、
先行するモード切り替えを一旦完遂させるという無駄な制御や、その後、元の走行モードへ向かわせる無駄な逆向きモード切り替え制御が必要になり、これら無駄な制御が制御を煩雑にするというだけでなく、無用なショック発生原因となってハイブリッド車両の商品価値に対する悪影響も看過できない。
本発明は、先行するモード切り替えを一旦完遂させるという無駄な制御や、その後、元の走行モードへ向かわせる無駄な逆向きモード切り替え制御が不要となるようなハイブリッド車両のモード切り替え制御装置を提案し、これにより上記の問題をことごとく解消することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両のモード切り替え制御装置は、請求項1に記載したごとくに構成する。
先ず前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータをタンデムに具え、
これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間を第1クラッチにより結合可能とし、
モータ/ジェネレータおよび駆動車輪を第2クラッチにより結合可能とし、
第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、この電気走行モードで第1クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータでエンジンを始動することによって、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードに遷移可能なものである。
本発明は、かかるハイブリッド車両において、
電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間での、一の走行モードから他の走行モードに向けてのモード切り替え中、運転操作の変化やシステムの変化により、該モード切り替え要求が消失したとき、先行するモード切り替えを完遂させないで前記一の走行モードに戻す逆向きのモード切り替えを行うよう構成したことを特徴とするものである。
上記した本発明によるハイブリッド車両のモード切り替え制御装置によれば、
電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間でのモード切り替え中、運転操作の変化やシステムの変化により、該モード切り替え要求が消失したとき、先行するモード切り替えを完遂させないで上記一の走行モードに戻す逆向きのモード切り替えを行うため、
モード切り替え要求の消失時に、先行するモード切り替えを一旦完遂させることがなく、モード切り替え要求消失時から元の走行モードへ戻るまでの時間を大幅に短縮することができ、運転操作やシステム変化に対応した走行モード以外の走行モードでの運転を余儀なくされる時間の大幅な短縮により、運転者への違和感を殆ど問題とならない程度まで解消することができる。
また、モード切り替えの途中でモード切り替え要求が消失した時に、先行するモード切り替えを一旦完遂させるという無駄な制御や、その後、元の走行モードへ向かわせる無駄な逆向きモード切り替え制御が不要であり、これら無駄な制御で制御が煩雑になるという問題や、無用なショックが発生するという問題を解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるモード切り替え制御装置を内蔵するハイブリッド駆動装置を具えたフロントエンジン・リヤホイールドライブ式ハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系とともに示し、1はエンジン、2は駆動車輪(後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン1の車両前後方向後方に自動変速機3をタンデムに配置し、エンジン1(クランクシャフト1a)からの回転を自動変速機3の入力軸3aへ伝達する軸4に結合してモータ/ジェネレータ5を設ける。
モータ/ジェネレータ5は、ハウジング内に固設した環状のステータ5aと、このステータ5a内に所定のエアギャップを持たせて同心に配置したロータ5bとよりなり、運転状態の要求に応じ、モータ(電動機)として作用したり、ジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン1および自動変速機3間に配置する。
モータ/ジェネレータ5は、ロータ5bの中心に上記の軸4を貫通して結着し、この軸4をモータ/ジェネレータ軸として作用させる。
このモータ/ジェネレータ5およびエンジン1間、詳しくは、軸4とエンジンクランクシャフト1aとの間に第1クラッチCL1を介挿し、この第1クラッチCL1によりエンジン1およびモータ/ジェネレータ5間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチCL1は、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間、詳しくは、軸4と変速機入力軸3aとの間に第2クラッチCL2を介挿し、この第2クラッチCL2によりモータ/ジェネレータ5および自動変速機3間を切り離し可能に結合する。
第2クラッチCL2も第1クラッチCL1と同様、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
自動変速機3は、その変速歯車機構が周知の遊星歯車組式自動変速機におけると同様なものとし、複数の変速摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結させたり解放させることで、これら変速摩擦要素の締結・解放組み合わせにより伝動経路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機3は、入力軸3aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸3bより出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置8により左右後輪2へ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機3は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
図1のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチCL1を解放し、第2クラッチCL2を締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ5を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をモータ/ジェネレータ5のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
高速走行時や、大負荷走行時や、バッテリの持ち出し可能電力が少ない時などで用いられるハイブリッド走行(HEV)モードが要求される場合、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2をともに締結し、自動変速機3を動力伝達状態にする。
この状態では、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達することとなり、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力する。
変速機出力軸3bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置8を経て後輪2に至り、車両をエンジン1およびモータ/ジェネレータ5の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
かかるHEV走行中において、エンジン1を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ5を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ5のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン1の燃費を向上させることができる。
なお図1では、モータ/ジェネレータ5および駆動車輪2を切り離し可能に結合する第2クラッチCL2を、モータ/ジェネレータ5および自動変速機3間に介在させたが、
図2に示すように、第2クラッチCL2を自動変速機3およびディファレンシャルギヤ装置8間に介在させても、同様に機能させることができる。
また、図1および図2では第2クラッチCL2として専用のものを自動変速機3の前、若しくは、後に追加することとしたが、
この代わりに第2クラッチCL2として、図3に示すごとく自動変速機3内に既存する変速摩擦要素を流用するようにしてもよい。
この場合、第2クラッチCL2が前記したモード選択機能を果たすのに加えて、この機能を果たすよう締結される時に自動変速機3を対応変速段への変速により動力伝達状態にすることとなり、専用の第2クラッチが不要でコスト上大いに有利である。
図1〜3に示すハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ5、第1クラッチCL1、および第2クラッチCL2は、図4に示すようなシステムにより制御する。
なお以下では、パワートレーンが図3に示すようなものである(第2クラッチCL2として自動変速機3内に既存の変速摩擦要素を流用したものである)場合につき説明を展開することとする。
まず、自動変速機3を以下に概略説明する。
自動変速機3は、入力軸3aに同軸突き合わせ関係に配置した出力軸3bを具え、これら入出力軸3a,3b上にエンジン1(モータ/ジェネレータ5)の側から順次フロントプラネタリギヤ組Gf、センタープラネタリギヤ組Gm、およびリヤプラネタリギヤ組Grを載置して具え、これらを自動変速機3における遊星歯車変速機構の主たる構成要素とする。
エンジン1(モータ/ジェネレータ5)に最も近いフロントプラネタリギヤ組Gfは、フロントサンギヤSf 、フロントリングギヤRf 、これらに噛合するフロントピニオンPf 、および該フロントピニオンを回転自在に支持するフロントキャリアCf よりなる単純遊星歯車組とし、
次にエンジン1(モータ/ジェネレータ5)に近いセンタープラネタリギヤ組Gmは、センターサンギヤSm 、センターリングギヤRm 、これらに噛合するセンターピニオンPm 、および該センターピニオンを回転自在に支持するセンターキャリアCm よりなる単純遊星歯車組とし、
エンジン1(モータ/ジェネレータ5)から最も遠いリヤプラネタリギヤ組Grは、リヤサンギヤSr 、リヤリングギヤRr 、これらに噛合するリヤピニオンPr 、および該リヤピニオンを回転自在に支持するリヤキャリアCr よりなる単純遊星歯車組とする。
遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を決定する変速摩擦要素としては、フロントブレーキFr/B、インプットクラッチI/C、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/C、ダイレクトクラッチD/C、リバースブレーキR/B、およびフォワードブレーキFWD/Bを設け、これらを以下のごとくプラネタリギヤ組Gf,Gm,Grの上記構成要素に相関させて自動変速機3の遊星歯車変速機構を構成する。
フロントリングギヤRfは入力軸3aに結合し、センターリングギヤRmは、インプットクラッチI/Cにより適宜入力軸3aに結合可能とする。
フロントサンギヤSfは、フロントブレーキFr/Bにより変速機ケース3cに適宜固定可能にする。
フロントキャリアCfおよびリヤリングギヤRrを相互に結合し、センターリングギヤRmおよびリヤキャリアCrを相互に結合する。
センターキャリアCmは出力軸3bに結合し、センターサンギヤSmおよびリヤサンギヤSr間は、ハイ・アンド・ローリバースクラッチH&LR/Cにより相互に結合可能とする。
リヤサンギヤSrおよびリヤキャリアCr間をダイレクトクラッチD/Cにより結合可能とし、リヤキャリアCrをリバースブレーキR/Bにより変速機ケース3cに適宜固定可能とする。
センターサンギヤSmは更に、フォワードブレーキFWD/Bにより変速機ケース3cに適宜固定可能にする。
上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bの図5に〇印で示す選択的締結により、前進第1速、前進第2速、前進第3速、前進第4速、および前進第5速の前進変速段と、後退変速段とを得ることができる。
そして、エンジン1、モータ/ジェネレータ5および自動変速機3より成る図3,4のパワートレーンを具えたハイブリッド車両は、モータ/ジェネレータ5と、左右駆動車輪(左右後輪)2との間を切り離し可能に結合する第2クラッチCL2として、
この第2クラッチCL2を、図1,2に示すごとく自動変速機3の前、若しくは、後に追加して新設する構成とせず、
この代わりに、自動変速機3内に既存する前記した6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bのうち、選択変速段ごとに選択した変速摩擦要素を第2クラッチCL2として流用する。
上記した自動変速機3を具える図3,4のパワートレーンにおいても、図1につき前述したと同様にしてEVモードでの走行およびHEVモードでの走行が可能であるが、
ここで、自動変速機3内における6個の変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bのうち、どの変速摩擦要素を第2クラッチCL2として流用するのかを、以下に説明する。
第2クラッチCL2は、エンジン始動に際して始動ショック軽減用に伝達トルク容量を低下制御(スリップ制御)する必要があり、また、エンジン始動要求がエンジン負荷増大時のEVモード→HEVモード切り替えに伴って発生することからエンジン負荷の増大に呼応した自動変速機3のダウンシフトを生ずることがあるため、
当該ダウンシフトの有無、および、エンジン負荷を代表する運転者のアクセル操作との関連において、変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bのうちの何れを第2クラッチとして流用するかを決定する。
つまり、EVモード→HEVモード切り替え時(エンジン始動時)に自動変速機3のダウンシフトが要求される場合、若しくは、該ダウンシフト要求が発生するであろうアクセル操作が行われた場合は、該ダウンシフト時に締結状態から解放状態へ切り替えるべき解放側変速摩擦要素がダウンシフト中に伝達トルク容量を低下されることから、この解放側変速摩擦要素を第2クラッチCL2として流用し、
かかる解放側変速摩擦要素(第2クラッチCL2)を伝達トルク容量低下制御によりスリップさせて、エンジン始動ショックの軽減作用に供する。
エンジン始動時に自動変速機2のダウンシフトが要求されない場合、若しくは、該ダウンシフト要求が発生する可能性のないアクセル操作が行われた場合は、現在の変速段を選択するための変速摩擦要素(変速段ごとに図5に○で示した変速摩擦要素)のうち、最も入力トルク変動遮断効果の高い変速摩擦要素を第2クラッチCL2として流用し、
かかる解放側変速摩擦要素(第2クラッチCL2)を伝達トルク容量低下制御によりスリップさせて、エンジン始動ショックの軽減作用に供する。
これがため、自動変速機3内における各変速摩擦要素Fr/B,I/C,H&LR/C,D/C,R/B,FWD/Bの入力トルク変動遮断率(変速摩擦要素の伝達トルク容量低下制御によるスリップで変速機入力トルク変動を遮断可能な割合)を変速段ごとに予め求めておき、現在の変速段を選択するための変速摩擦要素のうち、入力トルク変動遮断率が最も高い変速摩擦要素を第2クラッチCL2として流用し、
かかる入力トルク変動遮断率の最も高い変速摩擦要素(第2クラッチCL2)を伝達トルク容量低下制御によりスリップさせて、エンジン始動ショックの軽減作用に供する。
ちなみに、第2クラッチCL2として用いる自動変速機3内に既存の変速摩擦要素はもともと、第1クラッチCL1と同様、伝達トルク容量を連続的に変更可能なものである。
なお上記では、自動変速機3を有段式の自動変速機として説明したが、自動変速機3は有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもなく、無段変速機の場合は前後進切り替え機構における前進選択クラッチおよび後退選択ブレーキが上記の第2クラッチCL2を構成する。
次に、上記ハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン1、モータ/ジェネレータ5、第1クラッチCL1、および、上記のように第2クラッチCL2として流用する自動変速機3内の変速摩擦要素(本明細書では、第2クラッチCL2と言う)の制御システムを、図4に基づき概略説明する。
この制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ11を具え、該パワートレーンの動作点を、目標エンジントルクtTeと、目標モータ/ジェネレータトルクtTmと、第1クラッチCL1の目標伝達トルク容量tTc1と、第2クラッチCL2の目標伝達トルク容量tTc2とで規定する。
統合コントローラ11には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、
エンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号と、
モータ/ジェネレータ3の回転数Nmを検出するモータ/ジェネレータ回転センサ13からの信号と、
変速機入力回転数Niを検出する入力回転センサ14からの信号と、
変速機出力回転数No(車速)を検出する出力回転センサ15からの信号と、
アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ16からの信号と、
モータ/ジェネレータ3用の電力を蓄電しておくバッテリ(図示せず)の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出する蓄電状態センサ17からの信号とを入力する。
統合コントローラ11は、上記入力情報のうちアクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および変速機出力回転数No(車速)から、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、目標エンジントルクtTe、目標モータ/ジェネレータトルクtTm、第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1、および第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2をそれぞれ演算する。
目標エンジントルクtTeはエンジンコントローラ21に供給され、このエンジンコントローラ21は、センサ12で検出したエンジン回転数Neと目標エンジントルクtTeとから、エンジン回転数Neのもとで目標エンジントルクtTeを実現するためのスロットル開度制御や燃料噴射量制御などにより、エンジントルクが目標エンジントルクtTeとなるようエンジン1を制御する。
目標モータ/ジェネレータトルクtTmはモータ/ジェネレータコントローラ22に供給され、このモータ/ジェネレータコントローラ22は、バッテリの電力をインバータ(図示せず)により直流−交流変換して、また当該インバータによる制御下でモータ/ジェネレータ3のステータ3aに供給し、モータ/ジェネレータトルクが目標モータ/ジェネレータトルクtTmに一致するようモータ/ジェネレータを制御する。
なお目標モータ/ジェネレータトルクtTmが、モータ/ジェネレータ3に回生ブレーキ作用を要求するようなものである場合、モータ/ジェネレータコントローラ22はインバータを介し、センサ17で検出したバッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)との関連においてバッテリが過充電とならないような発電負荷をモータ/ジェネレータ3に与え、
モータ/ジェネレータ3が回生ブレーキ作用により発電した電力を交流−直流変換してバッテリに充電する。
第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1は第1クラッチコントローラ23に供給され、この第1クラッチコントローラ23は、第1クラッチ目標伝達トルク容量tTc1に対応した第1クラッチ締結圧指令値と、第1クラッチCL1の実締結圧との対比により、第1クラッチCL1の実締結圧が第1クラッチ締結圧指令値となるよう第1クラッチCL1の締結圧を制御して、第1クラッチ3の伝達トルク容量を目標値tTc1となす制御を実行する。
第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2は変速機コントローラ24に供給され、この変速機コントローラ24は、第2クラッチ目標伝達トルク容量tTc2に対応した第2クラッチ締結圧指令値と、第2クラッチCL2の実締結圧との対比により、第2クラッチCL2の実締結圧Pc2が第2クラッチ締結圧指令値tTc2となるよう第2クラッチCL2の締結圧を制御して、第2クラッチCL2の伝達トルク容量を目標値tTc2となす制御を実行する。
なお変速機コントローラ24は基本的には、センサ15で検出した変速機出力回転数No(車速)およびセンサ16で検出したアクセル開度APOから予定の変速マップをもとに、現在の運転状態に好適な変速段を求め、この好適変速段が選択されるよう変速機2を自動変速させることを旨とするものである。
以上は、図4の制御システムが実行する通常制御の概要であるが、
本実施例においては、第1クラッチCL1および第2クラッチCL2を共に締結したハイブリッド走行(HEV)モードでの走行中にアクセルペダルの釈放や、車速低下による小負荷・低車速運転への移行や、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)の低下で、電気走行(EV)モードへのモード切り替えが要求された時のHEV→EVモード切り替え制御を、図4の制御システムが図6に示す状態遷移チャートに沿って以下のように行い、また、
第1クラッチCL1を解放した電気走行(EV)モードでの走行中にアクセルペダルの踏み込みや、車速の上昇で大負荷・高車速運転状態になったり、バッテリ蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)が低下して、ハイブリッド走行(HEV)モードへのモード切り替えが要求された時のEV→HEVモード切り替え制御を、図4の制御システムが図6に示す状態遷移チャートに沿って以下のように行うものとする
なお、図3,4に示すパワートレーンを具えたハイブリッド車両にあっては前記したとおり、エンジン始動のためのスタータモータを具えず、EV→HEVモード切り替え時のエンジン始動に際し、EVモードで解放状態だった第1クラッチCL1を締結し、モータ/ジェネレータ5の動力によりエンジン1をクランキングして、このエンジン1を始動可能な回転数まで回転上昇させ、これと同時並行的に第2クラッチCL2をスリップさせてエンジン始動ショックを軽減すべく、第2クラッチCL2の伝達トルク容量を低下させる制御を行う。
図6の状態遷移チャートにおける状態ブロック3300は、HEVモードでの走行状態を示す。
このHEVモード状態ブロック3300では、
(1)エンジン(ENG)1への燃料供給を停止するフューエルカット(F/C)要求をOFFにして、エンジン(ENG)1をフューエルリカバー(燃料供給)によりHEV走行用に運転させ、
(2)第1クラッチCL1を締結させる指令を出力して、第1クラッチCL1を締結状態に保ち、
(3)モータ/ジェネレータ(MG)5を、エンジン出力トルクとの共働で要求出力が達成されるようトルク制御し、
(4)第2クラッチCL2を、その締結容量が変速機入力トルクを伝達可能なクラッチ容量となるよう通常制御する。
この場合、図3,4のパワートレーンにおいて、エンジン1からの出力回転、または、エンジン1からの出力回転およびモータ/ジェネレータ5からの出力回転の双方が変速機入力軸3aに達し、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力することとなり、HEVモードでの走行が可能である。
図6の状態遷移チャートにおける状態ブロック2200は、EVモードでの走行状態を示す。
このEVモード状態ブロック2200では、
(1)エンジン(ENG)1への燃料供給を停止するフューエルカット(F/C)要求をONにして、エンジン(ENG)1をフューエルカット(燃料供給停止)により停止させ、
(2)第1クラッチCL1を締結開始直前状態(締結容量を持たない範囲で締結方向へ最大限ストロークさせた状態)にするスタンバイ指令を出力して、第1クラッチCL1を締結開始直前状態に保ち、
(3)モータ/ジェネレータ(MG)5を、単独で要求出力が達成されるようトルク制御し、
(4)第2クラッチCL2を、その締結容量が変速機入力トルクを伝達可能なクラッチ容量となるよう通常制御する。
この場合、図3,4のパワートレーンにおいて、エンジン1からの出力回転が変速機入力軸3aに達することはなく、モータ/ジェネレータ5からの出力回転のみが変速機入力軸3aに達し、自動変速機3が当該入力軸3aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸3bより出力することとなり、EVモードでの走行が可能である。
(HEV→EVモード切り替え)
例えばアクセルペダルを踏み込んだパワーオン状態からアクセルペダルを釈放したコースト状態への移行に呼応して、HEVモードからEVモードへの(HEVモード状態ブロック3300 からEVモード状態ブロック2200への)モード切り替え要求が発生した場合、当該HEV→EVモード切り替えを以下のごとくに行う。
HEV→EVモード切り替え要求時に、エンジン制御系からエンジン1を停止してもよい旨「エンジン停止許可=1」の信号が出力されていて、且つ、エンジン1がフューエルカットされていない状態(非F/C中)であれば、図6の矢A1で示すごとくHEVモード状態ブロック3300 からエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201へと移行する。
このエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201は、第1クラッチCL1が締結(ON)状態で、且つ、エンジン1に燃料噴射が行われている時におけるエンジン停止要求の第1フェーズを意味する。
当該エンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201では、
(1)第1クラッチCL1の締結容量を、エンジン停止に先立って低下させる制御を行い、
(2) 第2クラッチCL2を、その締結容量が変速機入力トルクを伝達可能なクラッチ容量となるよう通常制御する。
エンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201での上記制御が設定時間だけ行われてタイムアウトした時、図6の矢A2で示すごとくエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201からエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ2ブロック3202へと移行する。
ここで上記タイムアウト判定用の設定時間は、エンジン1を停止させる前に行っておくべき事項が完了するのに要する時間に対応させ、例えば、次のエンジン始動が圧縮比の低下により容易になるようエンジン1の吸気弁開閉時期を可変動弁機構により最遅角側へ制御するのに要する時間に対応させる。
かかる設定時間が経過したタイムアウトした時に移行するエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ2ブロック3202は、第1クラッチCL1が締結(ON)状態で、且つ、エンジン1に燃料噴射が行われている時におけるエンジン停止要求の第2フェーズを意味する。
このエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ2ブロック3202では、
(1)第1クラッチCL1を締結開始直前状態(締結容量を持たない範囲で締結方向へ最大限ストロークさせた状態)にするCL1スタンバイ指令を出力する。
かかるCL1スタンバイ指令による第1クラッチCL1の締結容量低下で、第1クラッチCL1が締結開始直前状態になったことを示すように第1クラッチCL1の前後差回転が所定値以上になったのを検出するか、若しくは、第1クラッチCL1が締結開始直前状態になったのを直接的に検出し、且つ、エンジン1が停止可能状態であると判定したとき、或いは、これら条件とは関係なく設定時間が経過したタイムアウト時、図6の矢A3で示すごとくエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ2ブロック3202からEVモード状態ブロック2200へと移行する。
なお、図6の矢A3で示す状態移行のためのタイムアウト用に定めた上記の設定時間は、エンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ2ブロック3202からEVモード状態ブロック2200への状態移行を完遂させるのに必要な時間に対応させ、これにより、
当該タイムアウト以外の状態移行条件を信号の消失などによる故障で判定不能になっても、EVモードへの切り替えが確実に完遂されるようにする。
矢A3で示す状態移行により到達したEVモード状態ブロック2200 においては、
(1)エンジン(ENG)1への燃料供給を停止するフューエルカット(F/C)要求をONにして、エンジン(ENG)1をフューエルカット(燃料供給停止)により停止させ、
(2)第1クラッチCL1を締結開始直前状態(スタンバイ状態)に保ち、
(3)モータ/ジェネレータ(MG)5を、単独で要求出力が達成されるようトルク制御し、
(4)第2クラッチCL2を、その締結容量が変速機入力トルクを伝達可能なクラッチ容量となるよう通常制御し、
これらにより、HEVモードからEVモードへのモード切り替えを完了する。
ところで、同じHEVモードからEVモードへの(HEVモード状態ブロック3300 からEVモード状態ブロック2200への)モード切り替えであっても、
HEV→EVモード切り替え要求時に、エンジン制御系からエンジン1を停止してもよい旨「エンジン停止許可=1」の信号が出力されていて、且つ、エンジン1がフューエルカットされている状態(F/C中)であれば、HEV→EVモード切り替えを以下のごとくに行う。
つまり、図6の矢B1で示すごとくHEVモード状態ブロック3300 からエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211へと移行する。
このエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211は、第1クラッチCL1が締結(ON)状態で、且つ、エンジン1のフューエルカットが行われている時におけるエンジン停止要求の第1フェーズを意味する。
当該エンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211では、
(1)第1クラッチCL1の締結容量を、エンジン停止に先立って低下させる制御を行い、
(2) 第2クラッチCL2を、その締結容量が変速機入力トルクを伝達可能なクラッチ容量となるよう通常制御する。
エンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211での上記制御が設定時間だけ行われてタイムアウトした時、図6の矢B2で示すごとくエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211からエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ2ブロック3212へと移行する。
ここで上記タイムアウト判定用の設定時間は、エンジン1を停止させる前に行っておくべき事項が完了するのに要する時間に対応させ、例えば、次のエンジン始動が圧縮比の低下により容易になるようエンジン1の吸気弁開閉時期を可変動弁機構により最遅角側へ制御するのに要する時間に対応させる。
かかる設定時間が経過したタイムアウトした時に移行するエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ2ブロック3212は、第1クラッチCL1が締結(ON)状態で、且つ、エンジン1のフューエルカットが行われている時におけるエンジン停止要求の第2フェーズを意味する。
このエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ2ブロック3212では、
(1)第1クラッチCL1を締結開始直前状態(締結容量を持たない範囲で締結方向へ最大限ストロークさせた状態)にするCL1スタンバイ指令を出力する。
かかるCL1スタンバイ指令による第1クラッチCL1の締結容量低下で、第1クラッチCL1が締結開始直前状態になったことを示すように第1クラッチCL1の前後差回転が所定値以上になったのを検出するか、若しくは、第1クラッチCL1が締結開始直前状態になったのを直接的に検出し、且つ、エンジン1が停止可能状態であると判定したとき、或いは、これら条件とは関係なく設定時間が経過したタイムアウト時、図6の矢B3で示すごとくエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ2ブロック3212からEVモード状態ブロック2200へと移行する。
なお、図6の矢B3で示す状態移行のためのタイムアウト用に定めた上記の設定時間は、エンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ2ブロック3212からEVモード状態ブロック2200への状態移行を完遂させるのに必要な時間に対応させ、これにより、
当該タイムアウト以外の状態移行条件を信号の消失などによる故障で判定不能になっても、EVモードへの切り替えが確実に完遂されるようにする。
矢B3で示す状態移行により到達したEVモード状態ブロック2200 においては、
(1)エンジン(ENG)1への燃料供給を停止するフューエルカット(F/C)要求のONを継続して、エンジン(ENG)1をフューエルカット(燃料供給停止)の継続により停止させ、
(2)第1クラッチCL1を締結開始直前状態(スタンバイ状態)に保ち、
(3)モータ/ジェネレータ(MG)5を、単独で要求出力が達成されるようトルク制御し、
(4)第2クラッチCL2を、その締結容量が変速機入力トルクを伝達可能なクラッチ容量となるよう通常制御し、
これらにより、HEVモードからEVモードへのモード切り替えを完了する。
(EV→HEVモード切り替え)
例えばアクセルペダルを釈放したコースト状態からアクセルペダルを踏み込んだパワーオン状態への移行に呼応して、EVモードからHEVモードへの(EVモード状態ブロック2200からHEVモード状態ブロック3300への)モード切り替え要求が発生した場合、当該EV→HEVモード切り替えを以下のごとくに行う。
つまり、EV→HEVモード切り替え要求時に、エンジン制御系からエンジン停止許可=0(エンジン停止不可)の信号が出力されていれば、図6の矢C1で示すごとくEVモード状態ブロック2200 からエンジン(ENG)始動要求フェーズ1ブロック2301へと移行する。
このエンジン始動要求フェーズ1ブロック2301は、エンジン始動要求の第1フェーズを示し、
当該エンジン始動要求フェーズ1ブロック2301では、
(1) 第2クラッチCL2の締結容量を、エンジン始動ショック軽減用に低下させる。
かかる第2クラッチCL2の締結容量低下制御により第2クラッチCL2がスリップしてエンジン始動時トルク変動(エンジン始動ショック)を吸収可能になったのを、第2クラッチCL2の前後差回転(スリップ量)が所定回数連続して所定値以上になった状態から判断し、
この判断時に図6の矢C2で示すごとくエンジン(ENG)始動要求フェーズ1ブロック2301からエンジン(ENG)始動要求フェーズ2ブロック2304へと移行する。
このエンジン始動要求フェーズ2ブロック2304は、エンジン始動要求の第2フェーズを意味し、ここでは、
(1)上記矢C1の状態遷移許可条件であるエンジン停止許可=0に呼応してエンジン1へのフューエルカット(F/C)要求をOFFし、エンジン1へのフューエルリカバー(燃料供給)を指令し、
(2)第1クラッチCL1の締結容量を増大させて、その締結進行によりエンジン1をモータ/ジェネレータ5でクランキングさせ得るようになす制御を行い、
(3)モータ/ジェネレータ5の回転数制御により、エンジン1を始動可能な回転数でクランキングさせる。
上記したエンジン1へのフューエルリカバー(燃料供給)指令と、第1クラッチCL1の締結容量増大制御と、モータ/ジェネレータ5の回転数制御とにより、エンジン1が自立運転可能な完爆回転数まで回転上昇して、このことを示す完爆状態フラグが「1」にセットされ、且つ、当該エンジン1の回転上昇により第1クラッチCL1の前後差回転が所定回数以上連続して所定値以下になるとき、図6に矢C3で示すごとくエンジン(ENG)始動要求フェーズ2ブロック2304からエンジン(ENG)始動要求(CL1 ON用)フェーズ3ブロック2305へと移行する。
このエンジン(ENG)始動要求(CL1 ON用)フェーズ3ブロック2305は、第1クラッチCL1の完全締結を行わせるためのエンジン始動要求の第3フェーズを意味し、ここでは、
(1) 上記のごとく第1クラッチCL1の前後差回転が所定値以下であって、第1クラッチCL1を完全締結させてもショックを生じないし、また、エンジン1が自立運転状態であることから、第1クラッチCL1の完全締結を行わせる。
かかるエンジン始動中、第2クラッチCL2はエンジン始動要求フェーズ1ブロック2301での締結容量低下状態に保たれていることから、エンジン始動ショックをスリップにより吸収して軽減することができる。
そして、エンジン始動ショック軽減作用が終了して第2クラッチCL2の差回転が略0になるとき、図6の矢C4で示すごとくエンジン(ENG)始動要求(CL1 ON用)フェーズ3ブロック2305からHEVモード状態ブロック3300に移行する。
HEVモード状態ブロック3300では、前記したごとく、
(1)エンジン(ENG)1への燃料供給を停止するフューエルカット(F/C)要求をOFFにして、エンジン(ENG)1をフューエルリカバー(燃料供給)によりHEV走行用に運転させ、
(2)第1クラッチCL1を締結させる指令を出力して、第1クラッチCL1を締結状態に保ち、
(3)モータ/ジェネレータ(MG)5を、エンジン出力トルクとの共働で要求出力が達成されるようトルク制御し、
(4)第2クラッチCL2を、その締結容量が変速機入力トルクを伝達可能なクラッチ容量となるよう通常制御し、
これらにより、EVモードからHEVモードへのモード切り替えを完了する。
(モード切り替え要求の消失時)
前記したHEV→EVモード切り替えの途中で、アクセルペダルの再踏み込みなどにより当該HEV→EVモード切り替え要求が消失した場合、HEV→EVモード切り替えを完遂させないで、以下のごとくに走行モード復帰作用を行わせる。
つまり、エンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201へ状態移行した時や、エンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211へ状態移行した時にHEV→EVモード切り替え要求が消失した場合、
図6に矢A4,B4で示すごとく、エンジン制御系からエンジン停止許可=0(エンジン停止不可)の信号が出力されていることを条件に、HEVモード状態ブロック3300へと制御を戻す。
かかるモード切り替え制御によれば、HEV→EVモード切り替えの途中で当該モード切り替えの要求が消失した時は、先行するHEV→EVモード切り替えを完遂させることなく、元の走行モード(HEVモード)に戻す逆向きのモード切り替えを行うため、
モード切り替え要求の消失時に、当該モード切り替え要求消失時から元の走行モード(HEVモード)へ戻るまでの時間を短縮することができ、運転操作やシステム変化に対応した走行モード以外の走行モードでの運転を余儀なくされる時間の短縮により、運転者への違和感を殆ど問題とならない程度まで解消することができる。
また、モード切り替えの途中でモード切り替え要求が消失した時に、先行するモード切り替えを一旦完遂させるという無駄な制御や、その後、元の走行モードへ向かわせる無駄な逆向きモード切り替え制御が不要であり、これら無駄な制御で制御が煩雑になるという問題や、無用なショックが発生するという問題を解消することができる。
しかも本実施例のごとく、HEV→EVモード切り替え途中の比較的初期段階におけるエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201への移行時や、エンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211への移行時にHEV→EVモード切り替え要求が消失した場合、図6に矢A4,B4で示すように直ちにHEVモード状態ブロック3300へと制御を戻すようにすることで、以下の作用効果が奏し得られる。
即ちかようにすることで、先行するHEV→EVモード切り替えの比較的初期において状態切り替えを行う初期ハイブリッド構成要素(第1クラッチCL1)の状態切り替え(締結容量低下制御)が開始されているも、先行するHEV→EVモード切り替えの比較的後期において状態切り替えを行う後期ハイブリッド構成要素(エンジン1)の状態切り替え(フューエルカットF/CのONによる運転停止)が未だ開始されていないときに当該モード切り替え要求の消失が発生した場合、初期ハイブリッド構成要素(第1クラッチCL1)の逆方向状態切り替え(締結容量増大制御)により元の走行モード(HEVモード)に戻す逆向きのモード切り替えを行うこととなる。
よって、図6のブロック3201(3211)から、ブロック3202(3212)、ブロック2200、ブロック2301、ブロック2304、およびブロック2305を経てHEVモード状態ブロック3300に至るに要する時間の無駄を省いて、モード切り替え要求消失時から元の走行モード(HEVモード)へ戻るまでの時間を大幅に短縮することができ、運転操作やシステム変化に対応した走行モード以外の走行モードでの運転を余儀なくされる時間の大幅な短縮により、運転者の違和感を解消するという前記の作用効果を更に確実なものにすることができる。
ところで、エンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ2ブロック3202へ状態移行した時や、エンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ2ブロック3212へ状態移行した時にHEV→EVモード切り替え要求が消失した場合、
図6に矢A5,B5で示すごとく、エンジン制御系からエンジン停止許可=0(エンジン停止不可)の信号が出力されていることを条件に、エンジン(ENG)始動要求フェーズ1ブロック2301、エンジン始動要求フェーズ2ブロック2304、およびエンジン(ENG)始動要求(CL1 ON用)フェーズ3ブロック2305を含む、エンジン始動要求フェーズ1〜3を経てHEVモード状態ブロック3300に制御を戻す。
かかるモード切り替え制御においても、HEV→EVモード切り替えの途中で当該モード切り替えの要求が消失した時は、先行するHEV→EVモード切り替えを完遂させることなく(EVモード状態ブロック2200を経由することなく)、元の走行モード(HEVモード)に戻す逆向きのモード切り替えを行うため、
モード切り替え要求の消失時に、当該モード切り替え要求消失時から元の走行モード(HEVモード)へ戻るまでの時間を短縮することができ、運転操作やシステム変化に対応した走行モード以外の走行モードでの運転を余儀なくされる時間の短縮により、運転者への違和感を殆ど問題とならない程度まで解消することができる。
また、モード切り替えの途中でモード切り替え要求が消失した時に、先行するモード切り替えを一旦完遂させるという無駄な制御や、その後、元の走行モードへ向かわせる無駄な逆向きモード切り替え制御が不要であり、これら無駄な制御で制御が煩雑になるという問題や、無用なショックが発生するという問題を解消することができる。
しかも本実施例のごとく、HEV→EVモード切り替え途中の比較的後期段階におけるエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ2ブロック3202への移行時や、エンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ2ブロック3212への移行時にHEV→EVモード切り替え要求が消失した場合、図6に矢A5,B5で示すように、エンジン(ENG)始動要求フェーズ1ブロック2301、エンジン始動要求フェーズ2ブロック2304、およびエンジン(ENG)始動要求(CL1 ON用)フェーズ3ブロック2305を含む、エンジン始動要求フェーズ1〜3を経てHEVモード状態ブロック3300へと制御を戻すようにすることで、以下の作用効果が奏し得られる。
即ちかようにすることで、先行するHEV→EVモード切り替えの比較的初期において状態切り替えを行う初期ハイブリッド構成要素(第1クラッチCL1)の状態切り替え(締結容量低下制御によるスタンバイ状態)がほぼ完了していて、先行するHEV→EVモード切り替えの比較的後期において状態切り替えを行う後期ハイブリッド構成要素(エンジン1)の状態切り替え(フューエルカットF/CのONによる運転停止)が開始された後に当該モード切り替え要求の消失が発生した場合、初期ハイブリッド構成要素(第1クラッチCL1)の逆方向状態切り替え(締結容量増大制御)、および、後期ハイブリッド構成要素(エンジン1)の逆方向状態切り替え(フューエルカットF/CのOFFによる運転)により元の走行モード(HEVモード)に戻す逆向きのモード切り替えを行うこととなる。
よって、初期ハイブリッド構成要素(第1クラッチCL1)の状態切り替え(締結容量低下制御によるスタンバイ状態)がほぼ完了していて、後期ハイブリッド構成要素(エンジン1)の状態切り替え(フューエルカットF/CのONによる運転停止)が開始された後に当該モード切り替え要求の消失が発生した場合においても、
元の走行モード(HEVモード)に戻すときに要求されるエンジン再始動を、EV→HEVモード切り替え時におけると同様な始動ショック軽減下に行わせることができる。
また本実施例においては、先行するHEV→EVモード切り替えに際し、エンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201またはエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211で実行する、第1クラッチCL1の伝達トルク容量低下制御を、矢A1,B1の条件として図6に示すようにエンジン制御系からエンジン1を停止してもよい旨「エンジン停止許可=1」の信号が出力されているとき、つまりエンジン制御系よりエンジン停止許可が出力されてから開始させるため、
エンジン停止許可が出ていないのにHEVモード状態ブロック3300からエンジン停止要求(CL1 ON&噴射時)フェーズ1ブロック3201またはエンジン停止要求(CL1 ON&F/C時)フェーズ1ブロック3211への状態移行が行われて、第1クラッチCL1の伝達トルク容量低下制御が開始されるのを防止することができ、エンジン停止許可が出ていないのにエンジン停止を伴うHEV→EVモード切り替えが開始される不都合を回避することができる。
更に本実施例においては、図6における矢A2,B2のタイムアウト条件として前記したごとく、エンジン制御系が、エンジン1の燃料供給状態(フューエルカットF/C=OFF)から燃料遮断状態(フューエルカットF/C=ON)への切り替えのほかに、エンジン1の停止に先立ち次のエンジン始動が容易となるよう吸気弁開閉時期を可変動弁機構により最遅角状態にするエンジン停止前準備をも行い、このエンジン停止前準備が終わったときに(ブロック3201または3211の開始から設定時間が経過するタイムアウト時に)矢A2,B2で示す状態遷移によりエンジン停止を許可することから、
エンジン1の停止後における再始動が、圧縮比の低下により容易に、且つ、確実に行われ得ることとなって、エンジン始動を伴うEV→HEVモード切り替えや、矢A5,B5によるHEV→EVモード切り替え要求の消失時におけるエンジン再始動を高応答に行わせることができる。
なお、前記した逆向きのモード切り替えであるEVモードからHEVモードへのモード切り替え時に、図6のブロック2301につき前述したごとく、エンジン始動に先立って第2クラッチCL2の伝達トルク容量を低下させることとしたため、
第2クラッチCL2のスリップによりエンジン始動時トルク変動、つまりエンジン始動ショックを軽減することができる。
ところで図示の実施例では、アクセルペダルの釈放などによりHEV→EVモード切り替えが行われている途中にアクセルペダルの再踏み込みなどによって当該HEV→EVモード切り替え要求が消失した場合について説明を展開したが、
逆にEV→HEVモード切り替えが行われている途中に当該EV→HEVモード切り替え要求が消失した場合も、同様な考え方を適用することで同様な作用効果を奏し得ることは言うまでもない。
本発明のモード切り替え制御装置を適用可能なハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明のモード切り替え制御装置を適用可能な他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 本発明のモード切り替え制御装置を適用可能な更に他のハイブリッド車両のパワートレーンを示す概略平面図である。 図3に示すハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御系とともに示す略線図である。 図4における自動変速機の選択変速段と、変速摩擦要素の締結の組み合わせとの関係を示す締結論理図である。 本発明の一実施例になるモード切り替え制御装置の動作説明に用いた状態遷移図である。
符号の説明
1 エンジン(動力源:後期ハイブリッド構成要素)
2 駆動車輪(後輪)
3 自動変速機
4 伝動軸
5 モータ/ジェネレータ
CL1 第1クラッチ(初期ハイブリッド構成要素)
CL2 第2クラッチ
8 ディファレンシャルギヤ装置
Fr/B フロントブレーキ(第2クラッチ)
I/C インプットクラッチ(第2クラッチ)
H&LR/C ハイ・アンド・ローリバースクラッチ(第2クラッチ)
D/C ダイレクトクラッチ(第2クラッチ)
FWD/B フォワードブレーキ(第2クラッチ)
11 統合コントローラ
12 エンジン回転センサ
13 モータ/ジェネレータ回転センサ
14 変速機入力回転センサ
15 変速機出力回転センサ
16 アクセル開度センサ
17 蓄電状態センサ
21 エンジンコントローラ
22 モータ/ジェネレータコントローラ
23 第1クラッチコントローラ
24 変速機コントローラ

Claims (8)

  1. 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータをタンデムに具え、
    これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間を第1クラッチにより結合可能とし、
    モータ/ジェネレータおよび駆動車輪を第2クラッチにより結合可能とし、
    第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、この電気走行モードで第1クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータでエンジンを始動することによって、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードに遷移可能なハイブリッド車両において、
    前記電気走行モードおよびハイブリッド走行モード間での、一の走行モードから他の走行モードに向けてのモード切り替え中、運転操作の変化やシステムの変化により、該モード切り替え要求が消失したとき、先行するモード切り替えを完遂させないで前記一の走行モードに戻す逆向きのモード切り替えを行うよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  2. 前記先行するモード切り替えを、複数のハイブリッド構成要素の順次状態切り替えにより行う、請求項1に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
    前記ハイブリッド構成要素のうち、先行するモード切り替えの比較的初期において状態切り替えを行う初期ハイブリッド構成要素の状態切り替えが開始されているも、先行するモード切り替えの比較的後期において状態切り替えを行う後期ハイブリッド構成要素の状態切り替えが未だ開始されていないときに前記モード切り替え要求の消失が発生した場合、前記初期ハイブリッド構成要素の逆方向状態切り替えにより前記元の走行モードに戻す逆向きのモード切り替えを行うよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  3. 前記先行するモード切り替えを、複数のハイブリッド構成要素の順次状態切り替えにより行う、請求項1または2に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
    前記ハイブリッド構成要素のうち、先行するモード切り替えの比較的初期において状態切り替えを行う初期ハイブリッド構成要素の状態切り替えがほぼ完了していて、先行するモード切り替えの比較的後期において状態切り替えを行う後期ハイブリッド構成要素の状態切り替えが開始された後に前記モード切り替え要求の消失が発生した場合、前記初期ハイブリッド構成要素の逆方向状態切り替えおよび前記後期ハイブリッド構成要素の逆方向状態切り替えにより、前記元の走行モードに戻す逆向きのモード切り替えを行うよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  4. 請求項2または3に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
    前記先行するモード切り替えが、前記ハイブリッド走行モードから電気走行モードへのモード切り替えであり、
    前記逆向きのモード切り替えが、前記電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替えであることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  5. 請求項4に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
    前記先行するモード切り替えに係わる複数のハイブリッド構成要素の順次状態切り替えのうち、前記初期ハイブリッド構成要素の状態切り替えは前記第1クラッチの伝達トルク容量低下であり、前記後期ハイブリッド構成要素の状態切り替えは前記エンジンの燃料供給状態から燃料遮断状態への切り替えであることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  6. 請求項5に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
    前記先行するモード切り替えに係わる前記第1クラッチの伝達トルク容量低下は、エンジン制御系よりエンジン停止許可を受けてから開始させることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  7. 請求項6に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
    前記エンジン制御系は、前記エンジンの燃料供給状態から燃料遮断状態への切り替えのほかに、エンジンの停止に先立ち次のエンジン始動が容易となるよう吸気弁の開閉時期を最遅角状態にするエンジン停止前準備をも行い、このエンジン停止前準備が終わったときに前記エンジン停止許可を発するものであることを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載のハイブリッド車両のモード切り替え制御装置において、
    前記逆向きのモード切り替えである電気走行モードからハイブリッド走行モードへのモード切り替え時に、前記第2クラッチの伝達トルク容量を低下させてエンジン始動ショックを軽減するよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両のモード切り替え制御装置。
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