JP2009213291A - 永久磁石式回転電機の回転子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータコアは、一対の端板によって挟持されるとともに、ロータコアと端板との間には可撓性の板材18が介在されている。板材18には、永久磁石と対向する部分に、板材18が端板とロータコアにより挟持される前の状態において、端板の端面に沿って延びる先端部192a,192bと、先端部192a,192bと基端部191との間に設けられるとともに永久磁石に向かって突出するように屈曲形成された凸部20とを備えた押圧片19a,19bが設けられている。そして、押圧片19a,19bが端板とロータコアに挟持された状態で凸部20が永久磁石の端面を押圧している。
【選択図】図3
Description
前記ロータコアは、一対の端板によって挟持されるとともに、前記ロータコアと前記端板との間の少なくとも一方には可撓性を有する板材が介在され、前記板材には、前記永久磁石と対向する部分に、前記板材に切り目を形成することで、基端部で前記板材と連結し、先端部が前記板材の厚み方向に移動可能な押圧片が形成され、前記押圧片には、前記板材が前記端板と前記ロータコアにより挟持される前の状態において、前記板材の厚み方向に突出する凸部が屈曲形成され、前記板材が前記端板と前記ロータコアに挟持され、前記押圧片の少なくとも一部が前記端板に接触した状態で、前記凸部が前記永久磁石の端面を押圧していることを要旨とする。
この発明によれば、押圧片に凸部が複数形成されていることにより、永久磁石の端面に対して作用する押圧力が分散され、応力集中を緩和することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記永久磁石には凹部が形成され、前記凸部が前記凹部に係合した状態で前記凸部が前記永久磁石を前記ロータコアの軸方向に押圧するとともに、前記永久磁石の幅方向への移動を規制していることを要旨とする。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、回転子11は、略円板状の電磁鋼板を複数枚(例えば数十枚)積層したロータコア12と、ロータコア12の中心に形成された貫通孔121に貫挿されるロータ軸(回転軸)13とを備えている。回転子11は、ロータコア12の外周面がティース(図示せず)と所定の間隔を置いた状態で、図示しないハウジングの軸受けにロータ軸13を介して回転可能に支持される。
ロータコア12の挿通孔14には、予め永久磁石15が挿入され、永久磁石15の幅方向両側の角部は、特開2000−341920号公報で開示されているような、固定用ばね(図示せず)がフラックスバリア16に圧入装着されることで幅方向の移動が規制されている。
(1)ロータコア12は、一対の端板17によって挟持されるとともに、ロータコア12と端板17との間にはそれぞれ可撓性の板材18が介在されている。板材18には、永久磁石15と対向する部分に、板材18が端板17とロータコア12により挟持される前の状態において、端板17の端面に沿って延びる先端部192a,192bと、先端部192a,192bと基端部191との間に設けられ、永久磁石15に向かって突出するように屈曲形成された凸部20とを備えた押圧片19が設けられている。そして、押圧片19a,19bが端板17に挟持された状態で凸部20が永久磁石15の端面25を押圧して永久磁石15を固定している。したがって、回転子11を組み付ける際、押圧片19の凸部20が永久磁石15の端面25を押圧するとともに、押圧片19が端板17の端面に沿って延びることにより、凸部20の突出量が変化して、板材18が端板17及びロータコア12に面接触する状態で固定される。したがって、永久磁石15の長さのばらつきにより、永久磁石15の端面25と回転子11の端面とが同一平面上に存在しない状態であっても、凸部20が永久磁石15を押圧する力が緩和され、適度な押圧力を持って永久磁石15を固定することができる。よって、永久磁石15の破損を防止しつつ、接着剤を使用せずに永久磁石15の移動を規制することができる。
(4)各板材18には、一つの永久磁石15に対して第1押圧片19a及び第2押圧片19bのように二つずつ設けられている。よって、永久磁石15の端面25に押圧力が均等にかかりやすくなり、永久磁石15をバランス良く固定することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図5〜図7を用いて説明する。第1実施形態においては、押圧片は永久磁石15の長手方向の移動のみを規制する構成であったが、本実施形態では、押圧片は永久磁石15の長手方向及び幅方向の移動を規制する構成になっている点が第1実施形態と異なる。なお、図5〜図7において、第1実施形態の図1〜図4に付した符号と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示し、その重複する説明を省略する。また、第1押圧片19a及び第2押圧片19bは対称に形成されているため、第1押圧片19aのみを図示して、第2押圧片19bの図示及び説明は省略する。
図6(a),(b)に示すように、板材18には、第1押圧片19aの先端部192a側に空間S2が設けられている。この実施形態では、両押圧片19a,19bは、凸部52が平坦になるまで伸びることはなく、隣接する凸部52間の面193が、永久磁石15の端面25に当接する状態で伸びが規制される。空間S2は、その伸びを許容する大きさに形成されている。
(6)永久磁石15には凹部51が形成され、凸部52が凹部51に係合した状態で凸部52が永久磁石15をロータコア12の軸方向に押圧するとともに、永久磁石15の幅方向への移動を規制している。よって、永久磁石15の長手方向の移動及び永久磁石15の幅方向の両方向の移動を規制することができる。
○ 第2実施形態において、永久磁石15に形成される少なくとも一箇所の係止角部と、押圧片19a,19bの面193における係止角部と対応する部分とが係止するとともに、永久磁石15に形成される少なくとも一箇所の係止角部と、押圧片19a,19bの面193における係止角部と対応する部分とが係止していてもよい。
○ 上記各実施形態において、板材18を端板17に固着し、一つの部品としてもよい。この場合、板材18の係止凸部182を形成しないでもよい。
(1)請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記押圧片の先端部が前記永久磁石の端面と当接する場合においては、前記押圧片は、前記凸部の前記永久磁石の端面と当接する部分における前記永久磁石の端面に作用する力が、前記先端部の前記永久磁石の端面と当接する部分における前記永久磁石の端面に作用する力より大きくなるように形成されている。
Claims (5)
- 複数個の永久磁石がロータコア内に設けられた永久磁石式回転電機の回転子であって、
前記ロータコアは、一対の端板によって挟持されるとともに、前記ロータコアと前記端板との間の少なくとも一方には可撓性を有する板材が介在され、
前記板材には、前記永久磁石と対向する部分に、前記板材に切り目を形成することで、基端部で前記板材と連結し、先端部が前記板材の厚み方向に移動可能な押圧片が形成され、前記押圧片には、前記板材が前記端板と前記ロータコアにより挟持される前の状態において、前記板材の厚み方向に突出する凸部が屈曲形成され、
前記板材が前記端板と前記ロータコアに挟持され、前記押圧片の少なくとも一部が前記端板に接触した状態で、前記凸部が前記永久磁石の端面を押圧していることを特徴とする永久磁石式回転電機の回転子。 - 前記凸部は、前記板材が前記端板と前記ロータコアにより挟持される前の状態において、前記板材の表面から前記永久磁石側のみに突出するように形成されている請求項1に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
- 前記押圧片には、前記凸部が複数形成されている請求項1又は請求項2に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
- 前記各板材には前記押圧片が、一つの前記永久磁石に対して二つずつ設けられている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
- 前記永久磁石には凹部が形成され、前記凸部が前記凹部に係合した状態で前記凸部が前記永久磁石を前記ロータコアの軸方向に押圧するとともに、前記永久磁石の幅方向への移動を規制している請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
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