JP2016092984A - モータ用ロータ及びモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸2の軸線L1方向に互いに積層された複数の板状鋼板からなり軸線L1を中心とする円柱形状をなして、該円柱形状を軸線L1方向に貫通する磁石挿入溝7が周方向に複数形成された積層コア4と、磁石挿入溝7にそれぞれ挿入された永久磁石9と、積層コア4の軸線L1方向の両端面にそれぞれ積層されて磁石挿入溝7を閉塞する一対の端板10と、永久磁石9を軸線L1方向に押圧することで永久磁石9を軸線L1方向に拘束する押圧部11とを備える。
【選択図】図8
Description
従来、コアに対する永久磁石の組付を簡便化したり、温度変化による熱応力の発生を回避したりする目的で、コアに形成された貫通孔の大きさに対して、この貫通孔内に配置される永久磁石は小さく設計されている。
この場合、押圧部が端板の一部であるので、部品点数が少なく、生産も容易である。
この場合、接触面は、ロータ用モータが回転したときに永久磁石に遠心力が作用する方向へ向けて永久磁石を押した状態で永久磁石を保持する。
この場合、被接触面は、ロータ用モータが回転したときに永久磁石に遠心力が作用する方向へ向けて押圧部によって押圧される。
この場合、磁石挿入溝の内部でばねが収縮された状態で永久磁石と端板とが離間する方向への付勢力をばねが発生させるので、温度変化による各部品の伸縮をばねが緩衝しつつ一定の付勢力を維持しることができ、熱応力が発生しにくく、かつロータコア内での永久磁石の移動を抑制できる。
この場合、永久磁石が磁石挿入溝内で移動するような力がかかっているときのみ充填剤の復元力によりロータコア内での永久磁石の移動が規制される。
本発明の第1実施形態のモータ用ロータについて、本実施形態のモータ用ロータを備えたモータを例に挙げて説明する。図1は、本実施形態のモータ用ロータを備えたモータの断面図である。図2は、本実施形態のモータ用ロータの平面図である。図3は、図2のA−A線における断面図である。図4は、図2のB−B線における断面図である。図5は、本実施形態のモータ用ロータの分解斜視図である。図6は、本実施形態のモータ用ロータの一部を拡大して示す平面図である。図7は、図6のC−C線における断面で本実施形態のモータ用ロータの端板を示す断面図である。図8は、本実施形態のモータ用ロータの作用を説明するための図で、図6のC−C線における断面図である。
磁石挿入溝7は、永久磁石9の外形形状に倣った形状をなして板状鋼板5をその板厚方向に貫通する孔を有する。磁石挿入溝7は、回転軸2の軸線L1を中心として回転対称となるように、板状鋼板5の複数個所に設けられている。本実施形態では、磁石挿入溝7は、回転軸2の軸線L1回りに60度おきの6か所に設けられている。
固定用溝8は、連結部材12の軸部13と略同径をなして板状鋼板5をその板厚方向に貫通する孔を有する。
図8に示すように、ロータ3の積層コア4に形成された磁石挿入溝7の内部には、永久磁石9が配されている。永久磁石9は、第二端板10Bに形成された押圧部11によって第一端板10Aに押し付けられている。このため、永久磁石9は、押圧部11から受ける力により、回転軸2の軸線L1方向への移動が規制されている。さらに、永久磁石9は、第一端板10Aと押圧部11とによって挟まれた状態であるので、永久磁石9と第一端板10Aとの間の摩擦力と、永久磁石9と押圧部11との間の摩擦力によって、回転軸2の軸線L1方向に直交する方向への移動が規制されている。すなわち、押圧部11は、永久磁石9を軸線L1方向に押圧することで、永久磁石9を軸線L1方向に拘束する。
また、モータ1の発熱等により各部品の温度が変化したときに、磁石挿入溝7と永久磁石9との伸縮を押圧部11が緩衝するので、熱応力が発生しにくく、かつ積層コア4内での永久磁石9の移動を抑制できる。
上記実施形態に開示された押圧部11の他の例について説明する。図9は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
たとえば、図9に示すように、押圧部11は、回転軸2の軸線L1方向において磁石挿入溝7の開口から突出される永久磁石9に接する板状の弾性部材であってもよい。一例を挙げると、第1実施形態に開示された第二端板10Bに代えて、一様な厚さを有する円板状の弾性部材の一部が押圧部11として機能する第二端板10Baが設けられており、第二端板10Ba自身が押圧部11となる。本変形例では、第二端板10Baは、第一端板10Aよりも柔軟である。
上記実施形態に開示された押圧部11のさらに他の例について説明する。図10は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
図10に示すように、本変形例では、上記第1実施形態に開示された端板10(第一端板10A,第二端板10B)を有し、積層コア4の磁石挿入溝7から永久磁石9の一部がはみ出すような寸法に設定された永久磁石9が磁石挿入溝7に配されている。さらに、永久磁石9の外面9aは、永久磁石9と第一端板10Aとが面接触し、永久磁石9と第二端板10Bとが面接触するように、第一端板10A及び第二端板10Bの反り形状に倣って成形されている。すなわち、永久磁石9の外面9aのうち、第一端板10A側に向けられた面と、第二端板10B側に向けられた面とは、それぞれ、回転軸2の軸線L1に対して傾斜する平面となっている。
さらに、本変形例では、第一端板10A及び第二端板10Bと永久磁石9とが面接触しているので、第一端板10A及び第二端板10Bに対して永久磁石9が滑りにくく、また永久磁石9が欠けにくい。
上記実施形態に開示された押圧部11のさらに他の例について説明する。図11は、本変形例のモータ用ロータ平面図である。図12は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
図11に示すように、本変形例では、第1実施形態に開示された押圧部11と形状が異なる押圧部11Aを有している。押圧部11Aは、第二端板10Bが積層コア4に取り付けられたときに磁石挿入溝7の開口7bに対応する位置に対して、回転軸2に近い側の一部において第二端板10Bの略周方向に延びその両端において回転軸2から離れる方向に延びるコ字状の切れ込みA3を有し、第一端板10A側へ向かって折り曲げられた状態に成形されている。
また、本変形例では、第一端板10Aにも上記の押圧部11Aが設けられている。
押圧部11Aは、第1実施形態と同様に永久磁石9によって押されて弾性変形し、押圧部11Aの復元力により永久磁石9を第一端板10Aに押し付ける。このような構成であっても第1実施形態と同様の効果を奏する。
なお、本変形例に開示された押圧部11Aは第一端板10Aに形成されて第二端板10B側に向かって曲げられていてもよい。また、本変形例に開示された押圧部11Aが第一端板10Aと第二端板10Bとの両方に形成されていてもよい。
上記実施形態に開示された押圧部11のさらに他の例について説明する。図13は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
本変形例では、上記変形例1−3に開示された押圧部11Aに代えて、図13に示すように、磁石挿入溝7の内面7aのうち回転軸2の軸線L1から離れた側で回転軸2側に向けられた面7a1に永久磁石9を押し付けるように永久磁石9を保持する押圧部11A2が第一端板10A及び第二端板10Bに形成されている。
上記実施形態に開示された押圧部11のさらに他の例について説明する。図14は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
本変形例では、上記の変形例1−4に対して、図14に示すように、押圧部11A2の接触面11aと略平行となるように、永久磁石9の外面9aに、第二端板10Baの接触面11aの傾斜状態に略倣って成形された被接触面9aAが形成されている。
本変形例でも上記変形例1−4と同様の効果を奏する。
上記実施形態に開示された押圧部11のさらに他の例について説明する。図15は、本変形例のモータ用ロータを示す平面図である。図16は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
図15及び図16に示すように、本変形例では、第1実施形態に開示された押圧部11と形状が異なる押圧部11Bが第1実施形態に開示された押圧部11に代えて設けられている。押圧部11Bは、第二端板10Bが積層コア4に取り付けられたときに磁石挿入溝7の開口7bに対応する位置に対して、回転軸2から遠い近い側の一部において第二端板10Bの周方向に延びその両端において回転軸2に近づく方向に延びるコ字状の切れ込みA4を有し、第一端板10A側へ向かって折り曲げられた状態に成形されている。
本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態について、上記第1実施形態で説明された構成要素と同様の構成要素には第1実施形態と同一の符号が付され、第1実施形態における説明と重複する説明は省略されている。
また、モータ1の発熱等により各部品の温度が変化したときに、磁石挿入溝7と永久磁石9との伸縮をばね16が緩衝するので、熱応力が発生しにくく、かつロータコア内での永久磁石9の移動を抑制できる。
上記実施形態に開示された押圧部11の他の例について説明する。図19は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
第二端板10Bと永久磁石9との間に介在されるばね16は、圧縮コイルスプリングに限られない。たとえば、図19に示すように、第二端板10Bと永久磁石9とによって弾性変形された状態で第二端板10Bと永久磁石9との間に介在される板バネ16Aが上記の圧縮コイルスプリングのばね16に代えて設けられていても上記第2実施形態と同様の効果を奏する。
上記実施形態に開示された押圧部11の他の例について説明する。図20は、本変形例のモータ用ロータの一部を示す断面図である。
図20に示すように、本変形例では、永久磁石9を回転軸2から離れる方向に押圧するための板バネ16Bが永久磁石9と磁石挿入溝7との間に介在されている点で上記第2実施形態と構成が異なっている。
これにより、本変形例では、ロータ3が回転した時に生じる遠心力の方向へ予め永久磁石9が移動された状態で磁石挿入溝7に対して永久磁石9が移動しないように、板バネ16Bによって磁石挿入溝7内での永久磁石9の移動が規制されている。
本発明の第3実施形態について説明する。図21は、本発明の第3実施形態のモータ用ロータにおける積層コアの平面図である。図22は、本実施形態のモータ用ロータの作用を説明するための説明図である。
本実施形態の充填剤17は、充填作業時には流動性を有し、充填作業後にはある程度の柔軟性を残して硬化する。充填剤17は、導電性のある材料からなる。たとえば、充填剤17の材料として、導電性粒子をフィラーとして含有する導電性ペーストが一例として挙げられる。
本実施形態では、磁石挿入溝7内の永久磁石9が磁石挿入溝7内で移動しないように充填剤17によって支持されている。また、充填剤17が柔軟性を残して硬化するので、熱応力が発生しにくく、かつロータコア内での永久磁石9の移動を抑制できる。
たとえば、上記各実施形態及びその各変形例のいくつかにおいて、ロータ3が回転した時に永久磁石9に作用する遠心力の方向へ永久磁石9を押す押圧部11が例示されているが、複数の永久磁石9を全て遠心力の方向またはその反対方向に揃えて押すようになっていれば、ロータ3の回転バランス変動を低く抑えることができる。
また、上述の各実施形態及び各変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
2 回転軸
3 ロータ(モータ用ロータ)
4 積層コア(ロータコア)
5 板状鋼板
6 軸挿入溝
7 磁石挿入溝
8 固定用溝
9 永久磁石
10 端板
11,11A,11A2,11B 押圧部
11a 接触面
11aA 被接触面
12 連結部材
13 軸部
14 第一大径部
15 第二大径部
16 ばね
16A 板バネ
16B 板バネ
17 充填剤
20 ステータ
21 ヨーク
Claims (7)
- 回転軸の軸線方向に互いに積層された複数の板状鋼板からなり前記軸線を中心とする円柱形状をなして、該円柱形状を前記軸線方向に貫通する磁石挿入溝が周方向に複数形成されたロータコアと、
前記磁石挿入溝にそれぞれ挿入された永久磁石と、
前記ロータコアの軸線方向の両端面にそれぞれ積層されて前記磁石挿入溝を閉塞する一対の端板と、
前記永久磁石を前記軸線方向に押圧することで該永久磁石を前記軸線方向に拘束する押圧部と、
を備えるモータ用ロータ。 - 請求項1に記載のモータ用ロータであって、
前記押圧部は、前記端板の一部であり弾性を有し該弾性によって前記永久磁石を前記軸線方向に押圧する
モータ用ロータ。 - 請求項2に記載のモータ用ロータであって、
前記押圧部は、前記永久磁石側へ向けられているとともに前記軸線から離れる方向へ向けて傾斜されて前記永久磁石に接触する接触面を有する
モータ用ロータ。 - 請求項2または請求項3に記載のモータ用ロータであって、
前記永久磁石は、前記押圧部側へ向けられているとともに前記軸線に近づく方向へ向けて傾斜されて前記押圧部に接触する被接触面を有する
モータ用ロータ。 - 請求項1に記載のモータ用ロータであって、
前記押圧部は、前記磁石挿入溝の内部で前記永久磁石と前記端板との間に配され前記端板から離間する方向へ前記永久磁石を押圧する付勢力を有するばねである
モータ用ロータ。 - 請求項1に記載のモータ用ロータであって、
前記押圧部は、前記永久磁石と前記端板との間に配され前記永久磁石と前記端板とが所定の距離よりも近接した時に前記永久磁石と前記端板とを前記所定の距離まで離間させる復元力を有する充填剤である
モータ用ロータ。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ用ロータと、
前記モータ用ロータの外周に配置されたステータと、
前記回転軸及び前記ステータを支持するヨークと、
を備えたモータ。
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