JP2012029343A - 永久磁石回転子およびその製造方法 - Google Patents

永久磁石回転子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石回転子では回転子磁心に磁石挿入孔が設けられ、磁石挿入孔に永久磁石が挿入される。永久磁石と磁石挿入孔の間には隙間がある。永久磁石回転子が回転したとき、永久磁石が磁石挿入孔の中で移動するおそれがあるが、これを防止したい。
【解決手段】永久磁石16と端板13の隙間に押圧部材12を挿入し、押圧部材12を介して端板13から永久磁石16に機械的圧力を加え、永久磁石16を固定する。押圧部材12は弾性材料または塑性材料からなる。押圧部材12は非磁性材料からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は永久磁石電動機に用いられる永久磁石回転子およびその製造方法に関する。
図7は一般的な永久磁石電動機40の、回転軸41方向に垂直な断面図である。永久磁石電動機40は固定子42と永久磁石回転子43からなる。固定子磁心44の極歯部45には巻線46が施される。巻線46には所定の電圧値、電流値、周波数の電流が流れ、回転磁界が発生する。
永久磁石回転子43の回転子磁心47には複数の磁石挿入孔48が設けられる。磁石挿入孔48には永久磁石49が挿入される。永久磁石回転子43は回転磁界に同期して回転する。本発明は永久磁石回転子43に関する。
図8(a)は一般的な永久磁石回転子43の、回転軸41に垂直方向の平面図である。図8(a)は端板50を取り付ける前の状態を示す。図8(b)は一般的な永久磁石回転子43の、回転軸41に平行方向の断面図である。図8(b)は図8(a)のA−A線に沿った断面図である。図8(b)は端板50を取り付けた後の状態を示す。
永久磁石回転子43では回転子磁心47に複数の磁石挿入孔48が設けられ、各磁石挿入孔48に永久磁石49が挿入される。磁石挿入孔48は回転軸41方向に延在する。永久磁石49が磁石挿入孔48から脱落しないように、回転子磁心47の上端と下端に端板50が取り付けられ、磁石挿入孔48が塞がれる。図8(a)、図8(b)では、端板50以外の永久磁石49固定手段は図示されていない。
永久磁石49の極性(N、S)は図に示すとおり、隣りあう永久磁石49の極性が逆になる。一般に回転子磁心47は、表面の絶縁された同一形状の薄い鋼板(電磁鋼板)を、回転軸方向に多数積層して形成される。
永久磁石49は永久磁石粉体の成形、焼結、加工等の工程を経て作られる。そのため一般に永久磁石49は個体間に寸法のばらつきを生じる。一方、磁石挿入孔48は磁性体の板材、例えば電磁鋼板をプレス加工で打ち抜いた孔を重ねて作られる。そのため磁石挿入孔48の寸法の精度は高い。
永久磁石49の寸法のばらつきを考慮して、磁石挿入孔48は永久磁石49より大きめに作られる。そのため永久磁石49と磁石挿入孔48の間には隙間51ができる。永久磁石49の寸法がばらつくため、隙間51の大きさは一定にはならない。隙間51があるため、磁石挿入孔48に永久磁石49を入れただけでは、永久磁石49は固定されない。そのため永久磁石回転子43が回転したとき、永久磁石49が磁石挿入孔48の中で移動するおそれがある。しかしこれは望ましくない。そこで永久磁石49を固定するため、従来から、以下に述べるような種々の固定方法が考えられてきた。
特許文献1においては、永久磁石は接着剤により磁石挿入孔に固定される。接着剤は磁石挿入孔と永久磁石の隙間を、隙間の寸法や形状に関係無く埋めることができる。
特許文献2においては、永久磁石は回転軸方向に折り曲げられた突起により、磁石挿入孔に固定される。
特許文献3および4においては、永久磁石は回転子磁心の一部を変形して形成された突起により、磁石挿入孔に固定される。
特許文献5においては、永久磁石はレーザー溶接により磁石挿入孔に固定される。
特許文献6においては、永久磁石は個々の永久磁石を覆う押さえ片により、磁石挿入孔に固定される。
特許文献7においては、永久磁石は周方向に角度をずらした回転子磁心により、磁石挿入孔に固定される。
以上の特許文献1〜7における永久磁石の固定は、主として径方向または周方向の固定を目的とする。これとは別に永久磁石の回転軸方向の脱落を防ぐため、端板により磁石挿入孔を塞ぐ方法もある(例えば、特許文献8)。
特開2000−197291号公報 特開2001−37121号公報 特開平9−191590号公報 特開平5−260686号公報 特開2000−83334号公報 特開2003−143786号公報 特開2007−49803号公報 特開2009−131026号公報
空気調和機に用いられる密閉型圧縮機においては、永久磁石電動機が冷媒中に置かれる。この場合永久磁石回転子も冷媒にさらされる。このため永久磁石回転子には通常の機械的強度に加えて、化学的および温度変化についても耐久性(耐冷媒性)が必要である。
特許文献1のように永久磁石を接着剤により固定した場合、冷媒および温度変化による接着剤の劣化により、固定が不完全となるおそれがある。冷媒および温度変化による接着剤の劣化は、通常の接着剤の経時劣化より速いおそれがある。
特許文献2のように永久磁石を回転軸方向に折り曲げられる突起により固定した場合、温度変化により突起が変形すると、固定が不完全になるおそれがある。
特許文献3、4のように永久磁石を回転子磁心の一部を変形して形成した突起により固定した場合、温度変化により突起が変形すると、固定が不完全になるおそれがある。
特許文献5のように永久磁石をレーザー溶接により固定した場合、永久磁石と回転子磁心は熱膨張率が異なり、さらに永久磁石は脆いため、温度変化により溶接が外れ、固定が不完全となるおそれがある。
特許文献6のように永久磁石を、個々の永久磁石を覆う押さえ片により固定した場合、永久磁石の寸法がばらつくため、永久磁石が小さすぎて永久磁石と押さえ片の間に隙間ができるおそれがある。あるいは、永久磁石が大きすぎて、押さえ片により永久磁石が過度に押圧されるおそれもある。
特許文献7のように永久磁石を周方向に角度をずらした回転子磁心により固定した場合、回転子磁心の角度ずれは全ての磁石挿入孔について同じである。しかし、永久磁石の寸法はばらつくため、永久磁石が小さすぎて、永久磁石と回転子磁心の間に隙間ができるおそれがある。あるいは、永久磁石が大きすぎて、永久磁石が回転子磁心により過度に押圧されるおそれもある。
特許文献8のように磁石挿入孔を端板により塞ぐことにより、永久磁石の回転軸方向の脱落を防ぐことはできる。しかし磁石挿入孔の回転軸方向の長さは、永久磁石の寸法がばらつくことを考慮して、永久磁石より長く作られている。そのため磁石挿入孔を端板により塞いでも、永久磁石と端板の間に隙間ができる。そのため端板では、永久磁石を回転軸方向に固定することはできない。特許文献8では永久磁石と端板の間にスペーサを挿入する例も挙げられている。しかしスペーサの材質は非磁性体というだけであり、弾性材料あるいは塑性材料というような記載はない。スペーサが弾性材料でも塑性材料でもない剛体であれば、スペーサは隙間より小さ目につくらざるを得ない。従ってスペーサを挿入しても隙間の一部は残り、永久磁石の固定はできない。
本発明は回転子磁心に複数の磁石挿入孔を設け、各磁石挿入孔に永久磁石を挿入した永久磁石回転子において、磁石挿入孔内の永久磁石を長期にわたり確実に固定することを目的とする。
特に密閉型圧縮機のように、永久磁石回転子が冷媒にさらされる場合、化学的および温度変化のストレスが永久磁石回転子に加わるが、このようなときでも永久磁石の固定が劣化しないことを目的とする。
(1)本発明は、回転子磁心に、回転軸方向に延在した複数の磁石挿入孔を設け、各磁石挿入孔に永久磁石を挿入し、磁石挿入孔を端板で塞いだ永久磁石回転子に関する。本発明の永久磁石回転子においては、永久磁石と端板の隙間に押圧部材を挿入し、押圧部材を介して端板から永久磁石に機械的圧力を加え、永久磁石を固定する。押圧部材は永久磁石と端板の隙間より大きいため、永久磁石の端面に押圧部材を載せたとき、押圧部材は磁石挿入孔から外にはみ出す。端板を取り付けると、押圧部材は、はみ出した長さだけ縮む。このとき永久磁石は硬いためほとんど縮まない。縮められた押圧部材により永久磁石は回転軸方向に固定される。
(2)本発明の永久磁石回転子においては、永久磁石の上端近傍または下端近傍、あるいはその両方に押圧部材の逃げ部が形成される。押圧部材の逃げ部は磁石挿入孔と永久磁石の隙間を大きくすることにより形成される。逃げ部を形成するためには、永久磁石の上端近傍と下端近傍にて磁石挿入孔を大きくしてもよいし、永久磁石自体を小さくしてもよい。またその両方を組み合わせてもよい。押圧部材の逃げ部が形成されると、押圧部材が端板からの圧力で変形したとき、押圧部材の端部は逃げ部に入り込む。押圧部材の端部により永久磁石は回転軸方向だけでなく円周方向にも固定される。
(3)本発明の永久磁石回転子においては、押圧部材が弾性材料または塑性材料からなる。押圧部材は端板と永久磁石の間に挟まれて、弾性変形または塑性変形する。押圧部材が弾性材料からなる場合、温度変化による永久磁石、固定子磁心、端板、押圧部材の膨張率の差を吸収できるため、永久磁石の固定が劣化しにくい。そのため押圧部材は弾性材料からなる方が望ましい。
(4)本発明の永久磁石回転子においては、押圧部材が非磁性材料からなる。もし押圧部材が磁性材料からなると、永久磁石から押圧部材を通って永久磁石に戻る不要な磁気回路が形成され、永久磁石電動機の出力が低下するおそれがある。従って押圧部材は非磁性材料からなることが望ましい。
(5)本発明の永久磁石回転子においては、押圧部材がアルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス、ベリリウム銅、黄銅のいずれか、またはそれらの組み合わせからなる。アルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレスの一部は、塑性材料である。非磁性ステンレスの一部、ベリリウム銅、黄銅は弾性材料である。これらの材料は全て非磁性材料である。これらの材料は押圧部材として強度、耐久性、加工性、価格などが適当である。
(6)本発明の永久磁石回転子においては、押圧部材の形状が円筒、中空円筒、楕円筒、中空楕円筒、角筒(角数に制限はない)、中空角筒(角数に制限はない)、中空半円筒(雨樋形状)、波板、表面にローレット加工もしくは溝加工を有する板材のいずれかである。板材表面のローレット、溝は弾性変形または塑性変形する部分である。「円筒、中空円筒」には実用上問題のない範囲で真円からずれたものも含む。「楕円筒、中空楕円筒」には実用上問題のない範囲で真の楕円からずれたものも含む。「中空半円筒」には実用上問題のない範囲で真の半円からずれたものも含む。これらの押圧部材は永久磁石を固定する性能が良く、容易に製造でき、価格が安いため実用的である。
(7)本発明の永久磁石回転子の製造方法は次の工程を含む。
(a)回転子磁心に設けられた磁石挿入孔に永久磁石を挿入する工程。
(b)永久磁石の上端または下端、あるいはその両方に押圧部材を挿入する工程。
(c)端板を取り付け、端板により押圧部材を変形させ、端板から押圧部材を介して永久磁石に圧力を加え、永久磁石を固定する工程。
本発明の永久磁石回転子においては、永久磁石と端板の隙間に押圧部材を挿入し、端板から押圧部材を介して永久磁石に圧力を加え、永久磁石を固定する。これにより端板と永久磁石の間の隙間がなくなり、永久磁石は磁石挿入孔の内部で長期間確実に固定される。
(a)本発明の第1例の永久磁石回転子の断面図、(b)本発明の第1例の永久磁石回転子の断面図 (a)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(b)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(c)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(d)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(e)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(f)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(g)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(h)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(i)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(j)本発明に用いられる押圧部材の斜視図、(k)本発明に用いられる押圧部材の斜視図 (a)本発明の第1例の永久磁石回転子の組立説明図、(b)本発明の第1例の永久磁石回転子の組立説明図 (a)本発明の第2例の永久磁石回転子の断面図、(b)本発明の第2例の永久磁石回転子の断面図 (a)本発明の第2例の永久磁石回転子の組立説明図、(b)本発明の第2例の永久磁石回転子の組立説明図 (a)本発明の第3例の永久磁石回転子の断面図、(b)本発明の第3例の永久磁石回転子の断面図 一般的な永久磁石電動機の断面図 (a)従来の永久磁石回転子の断面図、(b)従来の永久磁石回転子の断面図
図1(a)は本発明の第1例の永久磁石回転子10の、回転軸11に垂直方向の平面図である。図1(b)は本発明の第1例の永久磁石回転子10の、回転軸11に平行方向の断面図である。図1(a)は押圧部材12と端板13を取り付ける前の状態を示す。図1(b)は図1(a)のA−A線に沿った断面図である。図1(b)は押圧部材12と端板13を取り付けた後の状態を示す。
本発明の第1例の永久磁石回転子10においては、回転子磁心14に、回転軸11方向に延在した複数の磁石挿入孔15が設けられる。磁石挿入孔15には永久磁石16が挿入され、永久磁石16と端板13の隙間に押圧部材12が挿入される。挿入前の押圧部材12は、端板13と永久磁石16の隙間より大きい。そのため挿入後、押圧部材12は押し縮められて弾性変形あるいは塑性変形する。永久磁石16には端板13から押圧部材12を介して機械的圧力が加わる。押圧部材12により永久磁石16は主として回転軸11方向に固定される。
押圧部材12が弾性材料からなると、温度変化による永久磁石16、回転子磁心14、端板13、押圧部材12の膨張率の差を吸収しやすい。そのため押圧部材12は弾性材料からなる方が望ましい。
押圧部材12が磁性材料からなると、永久磁石16から押圧部材12を通って永久磁石16に戻る不要な磁気回路が形成され、永久磁石電動機の出力が低下するおそれがある。従って押圧部材12は非磁性材料からなることが望ましい。
押圧部材12はアルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス、ベリリウム銅、黄銅のいずれか、またはそれらの組み合わせからなることが望ましい。アルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレスの一部は、塑性材料である。非磁性ステンレスの一部、ベリリウム銅、黄銅は弾性材料である。これらの材料は全て非磁性材料である。これらの材料は押圧部材12として強度、耐久性、加工性、価格などが適当である。
図2(a)〜(k)に示すように押圧部材12の形状は円筒12a(図2(a))、中空円筒12b(図2(b))、楕円筒12c(図2(c))、中空楕円筒12d(図2(d))、角筒12e(図2(e)は四角の場合)、中空角筒12f(図2(f)は四角の場合)、角筒12g(図2(g)は八角の場合)、中空角筒12h(図2(h)は八角の場合)、中空半円筒12i(雨樋形状)(図2(i))、波板12j(図2(j))、表面にローレット加工もしくは溝加工を有する板材12k(図2(k))のいずれかであることが望ましい。板材12k表面のローレット、溝は弾性変形または塑性変形する。これらの押圧部材12は永久磁石16を固定する性能が良く、容易に製造でき、価格が安いため実用的である。
図3(a)は本発明の第1例の永久磁石回転子10において、押圧部材12と端板13の組み付け方法を説明する図である。図3(b)は本発明の第1例の永久磁石回転子10の、押圧部材12と端板13の組み付け後の図である。図3(a)、図3(b)はいずれも回転軸11に平行方向の断面図である。
図3(a)に示すように本発明の第1例の永久磁石回転子10においては、永久磁石16の上端と下端に押圧部材12を挿入し、さらに端板13を取り付けて押圧部材12を押さえ込む。押圧部材12は永久磁石16の上端または下端の一方だけに挿入しても良い。
図3(b)に示すように端板13の取付により、押圧部材12が弾性変形あるいは塑性変形し、永久磁石16を主として回転軸方向に固定する。
図4(a)は本発明の第2例の永久磁石回転子20の、回転軸11に垂直方向の平面図である。図4(a)は押圧部材12と端板13を取り付ける前の状態を示す。図4(b)は本発明の第2例の永久磁石回転子20の、回転軸11に平行方向の断面図である。図4(b)は図4(a)のA−A線に沿った断面図である。図4(b)は押圧部材12と端板13を取り付けた後の状態を示す。
図4(a)に示すように、本発明の第2例の永久磁石回転子20においては、回転子磁心14に、回転軸11方向に延在した複数の磁石挿入孔15が設けられる。磁石挿入孔15には永久磁石16が挿入される。永久磁石16の上端近傍と下端近傍にて、磁石挿入孔15が拡大しており、磁石挿入孔15と永久磁石16の隙間が拡大している。これにより永久磁石16の上端近傍と下端近傍に、押圧部材12の逃げ部17が形成される。永久磁石16と端板13の隙間には押圧部材12が挿入される。挿入前の押圧部材12は端板13と永久磁石16の隙間より大きいため、端板13を取り付けると、押圧部材12は弾性変形あるいは塑性変形する。押圧部材12が端板13からの圧力で変形したとき、押圧部材12の端部は逃げ部17に入り込む。永久磁石16には端板13から押圧部材12を介して機械的圧力が加わる。押圧部材12の本体部によって永久磁石16は回転軸方向に固定される。さらに押圧部材12の、逃げ部17に入り込んだ部分により、永久磁石16は円周方向にも固定される。
図5(a)は本発明の第2例の永久磁石回転子20の、押圧部材12と端板13の組み付け方法を説明する図である。図5(b)は本発明の第2例の永久磁石回転子20の、押圧部材12と端板13の組み付け後の図である。図5(a)、図5(b)はいずれも回転軸11に平行方向の断面図である。
図5(a)に示すように、本発明の第2例の永久磁石回転子20においては、永久磁石16の上端と下端に押圧部材12を挿入し、さらに端板13を取り付けて押圧部材12を押さえ込む。押圧部材12は永久磁石16の上端または下端の一方だけに挿入しても良い。
図5(b)に示すように端板13の取付により、押圧部材12は弾性変形あるいは塑性変形する。押圧部材12の端部は逃げ部17に入り込む。これにより永久磁石16は回転軸方向だけでなく円周方向にも固定される。
図6(a)は本発明の第3例の永久磁石回転子30の、回転軸11に垂直方向の平面図である。図6(a)は押圧部材12と端板13を取り付ける前の状態を示す。図6(b)は本発明の第3例の永久磁石回転子30の、回転軸11に平行方向の断面図である。図6(b)は図6(a)のA−A線に沿った断面図である。図6(b)は押圧部材12と端板13を取り付けた後の状態を示す。
図6(a)に示すように、本発明の第3例の永久磁石回転子30においては、回転子磁心14に、回転軸11方向に延在した複数の磁石挿入孔15が設けられる。磁石挿入孔15には永久磁石16が挿入される。永久磁石16の上端近傍と下端近傍にて、永久磁石16が縮小しており、磁石挿入孔15と永久磁石16の隙間が拡大している。これにより永久磁石16の上端近傍と下端近傍に、押圧部材12の逃げ部18が形成される。永久磁石16と端板13の隙間には押圧部材12が挿入される。挿入前の押圧部材12は端板13と永久磁石16の隙間より大きいため、端板13を取り付けると、押圧部材12は弾性変形あるいは塑性変形する。押圧部材12が端板13からの圧力で変形したとき、押圧部材12の端部は逃げ部18に入り込む。永久磁石16には端板13から押圧部材12を介して機械的圧力が加わる。押圧部材12の主要部によって永久磁石16は回転軸方向に固定される。さらに押圧部材12の、逃げ部18に入り込んだ部分により、永久磁石16は円周方向にも固定される。
本発明の永久磁石回転子10、20、30は永久磁石電動機に用いられる。本発明の永久磁石回転子10、20、30を用いた永久磁石電動機は、特に、空気調和機に用いられる密閉型圧縮機に好適である。密閉型圧縮機においては、永久磁石回転子10、20、30も冷媒にさらされる。このため永久磁石回転子10、20、30には通常の機械的強度に加えて、化学的および温度変化についても耐久性(耐冷媒性)が必要である。本発明の永久磁石回転子10、20、30は冷媒にさらされても、永久磁石16を長期間確実に固定することができるため、信頼性の高い永久磁石電動機が得られる。
10 永久磁石回転子
11 回転軸
12 押圧部材
12a 円筒形押圧部材
12b 中空円筒形押圧部材
12c 楕円筒形押圧部材
12d 中空楕円筒形押圧部材
12e 角筒形押圧部材
12f 中空角筒形押圧部材
12g 角筒形押圧部材
12h 中空角筒形押圧部材
12i 中空半円筒形圧部材
12j 波板形押圧部材
12k 板材形押圧部材
13 端板
14 回転子磁心
15 磁石挿入孔
16 永久磁石
17 逃げ部
18 逃げ部
20 永久磁石回転子
30 永久磁石回転子
40 永久磁石電動機
41 回転軸
42 固定子
43 永久磁石回転子
44 固定子磁心
45 極歯部
46 巻線
47 回転子磁心
48 磁石挿入孔
49 永久磁石
50 端板
51 隙間

Claims (7)

  1. 回転子磁心に、回転軸方向に延在した複数の磁石挿入孔を設け、前記磁石挿入孔に永久磁石を挿入し、前記磁石挿入孔を端板で塞いだ永久磁石回転子であって、
    前記永久磁石と前記端板の隙間に押圧部材を挿入し、
    前記押圧部材を介して前記端板から前記永久磁石に機械的圧力を加え、前記永久磁石を固定する永久磁石回転子。
  2. 前記永久磁石の上端近傍または下端近傍、あるいはその両方に、前記押圧部材の逃げ部が形成された、請求項1に記載の永久磁石回転子。
  3. 前記押圧部材が弾性材料または塑性材料からなる、請求項1または2に記載の永久磁石回転子。
  4. 前記押圧部材が非磁性材料からなる、請求項1から3のいずれかに記載の永久磁石回転子。
  5. 前記押圧部材がアルミニウム、アルミニウム合金、非磁性ステンレス、ベリリウム銅、黄銅のいずれか、またはそれらの組み合わせからなる、請求項1から4のいずれかに記載の永久磁石回転子。
  6. 前記押圧部材の形状が円筒、中空円筒、楕円筒、中空楕円筒、角数を限定しない角筒、角数を限定しない中空角筒、中空半円筒、波板、表面にローレット加工もしくは溝加工を有する板材のいずれかである、請求項1から5のいずれかに記載の永久磁石回転子。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の永久磁石回転子の製造方法であって、
    (a)回転子磁心に設けられた磁石挿入孔に永久磁石を挿入する工程
    (b)前記永久磁石の上端または下端、あるいはその両方に押圧部材を挿入する工程
    (c)端板を取り付け、前記端板により前記押圧部材を変形させ、前記端板から前記押圧部材を介して前記永久磁石に圧力を加え、前記永久磁石を固定する工程
    を含む永久磁石回転子の製造方法。
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