JP6026065B1 - 回転電機の回転子およびその製造方法 - Google Patents

回転電機の回転子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

この発明は、高速回転時の回転子の噛み込みの発生や、磁石の剥がれや損傷の発生を抑制できる回転電機の回転子およびその製造方法を得る。回転子は、軸心位置を貫通する回転軸に固着された界磁鉄心と、上記界磁鉄心に装着された界磁コイルと、上記界磁鉄心の外周部に、周方向に複数配列された磁石と、上記磁石の外周を取り囲むよう配置された外筒部材と、上記界磁鉄心と上記外筒部材との間に配設され、上記磁石を保持する押圧力を発生する押圧部材と、を有する。

Description

この発明は、永久磁石を有する回転電機の回転子およびその製造方法に関し、特に、永久磁石の保持構造に関するものである。
従来の回転電機の回転子では、ばね性を有するC字状の補強管を、そのC字状の開口を広げるようにして回転子鉄心の外周面に配置された磁石の外側を覆うように装着し、補強管の復元力により磁石を回転子鉄心に保持する構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来の回転電機の回転子では、磁石が接着固定された細長い支持片を回転子鉄心の外周に巻き付けた後、支持片を回転子鉄心に接着固定する構造が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−178265号公報 特表2002−532045号公報
特許文献1による従来の回転電機の回転子では、補強管の径方向内方に収縮するばね力により磁石を回転子鉄心に保持しているので、高速回転時に磁石に作用する遠心力が大きくなると、補強管が開いて固定子と接触し、補強管が固定子と回転子との間に噛み込まれ、回転電機が損傷するという課題があった。
また、特許文献2による従来の回転電機の回転子では、支持片に磁石を接着固定しているので、使用時の温度変化が大きい場合、異種材料間の線膨張差により、支持片と磁石との接着界面に大きな応力が発生し、磁石の剥離や損傷が発生するという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高速回転時のばね部材の噛み込みの発生や、磁石の剥がれや損傷の発生を抑制できる回転電機の回転子およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機の回転子は、軸心位置を貫通する回転軸に固着された界磁鉄心と、上記界磁鉄心に装着された界磁コイルと、上記界磁鉄心の外周部に、周方向に複数配列された磁石と、上記磁石の外周を取り囲むよう配置された円環状の外筒部材と、上記界磁鉄心と上記外筒部材との間に配設され、上記磁石を保持する押圧力を発生し、上記磁石における軸方向の一側外方から上記界磁鉄心と上記外筒部材との間に上記軸方向に挿入可能な押圧部材と、を有する。
この発明によれば、磁石が界磁鉄心と外筒部材との間に配設された押圧部材の押圧力により保持されている。そこで、押圧部材が高速回転時に作用する遠心力により径方向外方に突出せず、固定子との噛み込みの発生が抑制される。また、磁石を接着固定することに起因する遠心力や温度変化にともなう接着剥がれや磁石の損傷の発生を抑制できる。
この発明の実施の形態1に係る回転電機を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子の構造を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子を径方向外方から見た平面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における第1爪状界磁鉄心および第2爪状界磁鉄心の1極分の形状を説明する要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるバンド装着状態を示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるバンドの装着状態を径方向外方から見た要部平面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石の装着状態を径方向外方から見た要部平面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石とバンドの装着状態を径方向外方から見た要部平面図である。 図9のX−X矢視断面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保護部材の装着方法を説明する要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保護部材の装着状態を示す要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保護部材の装着状態を径方向外方から見た要部平面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるばねと壁部材の装着方法を説明する径方向内方から見た要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるばねと壁部材の装着方法を説明する径方向外方から見た要部斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保持構造の完成状態を軸方向から見た端面図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるファン取付状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における回転時の磁石周りを示す模式図である。 回転電機の回転子の磁石保持構造における温度によりバンドにかかる引っ張り荷重の変化を示した図である。 回転電機の回転子の磁石保持構造がばね型の場合のバンドに作用する応力を説明する模式図である。 回転電機の回転子の磁石保持構造が圧入型の場合のバンドに作用する応力を説明する模式図である。 この発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子における磁石保持構造を説明する模式図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子を示す斜視図である。
以下、本発明の回転電機の回転子の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る回転電機を示す分解斜視図である。
図1において、回転電機は、回転軸13に支持された磁極を有する回転子100と、円環状の固定子鉄心201および固定子鉄心201に装着されたコイル(図示せず)を有する固定子200と、リアフレーム300およびフロントフレーム301を有するフレーム部と、を備える。固定子200は、固定子鉄心201の外周両縁部が軸方向両側からリアフレーム300とフロントフレーム301に嵌合され、4本ボルト302の締着力により、リアフレーム300とフロントフレーム301に保持される。回転子100は、回転軸13をリアフレーム300とフロントフレーム301の軸心位置に装着された軸受(図示せず)に支持されて、固定子200の内側に、同軸に、かつ回転可能に配設される。
つぎに、回転子100の構造について説明する。図2はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子の構造を示す分解斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子を径方向外方から見た平面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子を示す斜視図である。なお、図4では、永久磁石およびバンドが省略されている。
回転子100は、図2に示されるように、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁コイル14と、界磁コイル14を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される、鉄製の第1および第2爪状界磁鉄心1,7と、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の軸心位置に固着された回転軸13と、を備えている。
第1爪状界磁鉄心1は、外周面を円筒形状とし、回転軸挿通穴6が軸心位置を貫通して形成された第1ボス部2と、第1ボス部2の軸方向一端縁部から径方向外側に突出する厚肉リング状の第1継鉄部3と、それぞれ、第1継鉄部3の外周部から軸方向他端側に延び出て、周方向に等角ピッチで配列された8つの第1爪部4と、を有している。第1爪部4は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成されている。さらに、第1谷部5が、第1継鉄部3の隣り合う第1爪部4間に位置する部位のそれぞれに、径方向内方に窪み、かつ軸方向に貫通するように形成されている。
第2爪状界磁鉄心7は、外周面を円筒形状とし、回転軸挿通穴12が軸心位置を貫通して形成された第2ボス部8と、第2ボス部8の軸方向他端縁部から径方向外側に突出する厚肉リング状の第2継鉄部9と、それぞれ、第2継鉄部9の外周部から軸方向一端側に延び出て、周方向に等角ピッチで配列された8つの第2爪部10と、を有している。第2爪部10は、その最外径面形状を略台形形状とし、周方向幅が先端側に向かって徐々に狭くなり、かつ、径方向厚みが先端側に向かって徐々に薄くなる先細り形状に形成されている。さらに、第2谷部11が、第2継鉄部9の隣り合う第1爪部10間に位置する部位のそれぞれに、径方向内方に窪み、かつ軸方向に貫通するように形成されている。
このように構成された第1および第2爪状界磁鉄心1,7は、図4に示されるように、第1および第2爪部4,10を交互に噛み合わせ、かつ、第1ボス部2の他端面と第2ボス部8の一端面とを突き合わせ、回転軸挿通穴6,12に圧入された回転軸13に固着されて、回転子鉄心を構成する。このように構成された回転子鉄心は、外周面が略円筒面に形成され、第1および第2爪部4,10間のそれぞれの周方向間隔が等しくなるように、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の周方向位置が調節されている。そして、界磁コイル14が、第1および第2ボス部2,8、第1および第2継鉄部3,9および第1および第2爪部4,10に囲まれた空間内に配設されている。
磁石15が、周方向に隣り合う第1および第2爪部4,10間のそれぞれに配設されている。そして、磁石15のそれぞれは、界磁コイル14への通電により第1および第2爪部4,10に発生した磁極からの磁束の漏洩を抑制するように着磁されている。ここでは、磁石15は、図3に矢印で示されるように、着磁方向が、S極が発生する第1爪部4からN極が発生する第2爪部10に向かうように着磁配向されている。
外筒部材としてのバンド20が、周方向に配列された磁石15の軸方向の両端部を覆うように、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体の軸方向両端部に、外嵌状態に装着されている。磁石保護部材21が、軸方向両側から、周方向に配列された磁石15の軸方向の両端部に装着されている。さらに、壁部材22と押圧部材としてのばね部材23が、磁石保護部材21のそれぞれの内径側に配設されている。これにより、磁石15は、磁石保護部材21を介して作用するばね部材23の押圧力により、バンド20に押し付けられ、保持される。
つぎに、磁石15の保持構造について説明する。図5はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における第1爪状界磁鉄心および第2爪状界磁鉄心の1極分の形状を説明する要部斜視図、図6はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるバンド装着状態を示す要部斜視図、図7はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるバンドの装着状態を径方向外方から見た要部平面図、図8はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石の装着状態を径方向外方から見た要部平面図、図9はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石とバンドの装着状態を径方向外方から見た要部平面図、図10は図9のX−X矢視断面図、図11はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保護部材の装着方法を説明する要部斜視図、図12はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保護部材の装着状態を示す要部斜視図、図13はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保護部材の装着状態を径方向外方から見た要部平面図、図14はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるばねと壁部材の装着方法を説明する径方向内方から見た要部斜視図、図15はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるばねと壁部材の装着方法を説明する径方向外方から見た要部斜視図、図16はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における磁石保持構造の完成状態を軸方向から見た端面図、図17はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子におけるファン取付状態を示す斜視図である。なお、図13では、説明の便宜上、バンド20が省略されている。各図中、矢印Zは回転軸13の軸方向を示している。
図5において、第1爪状界磁鉄心1には、バンド収納溝16aが、第1爪部4のそれぞれの根元側外周面に、周方向の一側から他側に至るように形成されている。磁石受け部17aが、バンド収納溝16aの深さより薄い径方向厚みで、第1爪部4の周方向の外周縁部から周方向両側に突出するように形成されている。彫り込み部18aが、第1谷部5の相対する壁面のそれぞれの外径側に、第1谷部5側、軸方向一端側および径方向外側に開口するように、形成されている。さらに、第1抜け止め突起としての突起19aが、各彫り込み部18aの軸方向一端部の外径側端部から周方向に突出するように形成されている。
一方、第2爪状界磁鉄心7には、バンド収納溝16bが、第2爪部10のそれぞれの根元側外周面に、周方向の一側から他側に至るように形成されている。磁石受け部17bが、バンド収納溝16bの深さにより薄い径方向厚みで、第2爪部10の周方向の外周縁部から周方向両側に突出するように形成されている。彫り込み部18bが、第2谷部11の相対する壁面のそれぞれの外径側に、第2谷部11側、軸方向他端側および径方向外側に開口するように、形成されている。さらに、第1抜け止め突起としての突起19bが、各彫り込み部18bの軸方向他端部の外径側端部から周方向に突出するように形成されている。
ここで、周方向に隣り合う第1および第2爪部4,10の相対する側面が平行な平面となっている。そこで、周方向に隣り合う第1および第2爪部4,10間が磁石収納空間となる。
バンド20は、強化剤としてガラス繊維や炭素繊維を用い、繊維方向を周方向とするFRP(Fiber Reinforced Plastics)材料で円環状に継ぎ目なく構成されている。バンド20は、図6に示されるように、第1および第2爪部4,10の外周面の根元側に設けられたバンド収納溝16a,16bのそれぞれに遊嵌状態に装着されている。そして、図7に示されるように、バンド20と第2爪部10の先端面との間に隙間Lが形成されるように、バンド収納溝16aが形成されている。同様に、バンド20と第1爪部4の先端面との間に隙間Lが形成されるように、バンド収納溝16bが形成されている。
磁石15は、長さ方向と直交する断面形状が長方形で、長方形断面の短辺と直交する断面が平行四辺形の棒状体に作製されている。磁石15の平行四辺形断面の長辺で構成される面の、平行四辺形の短辺で構成される面と直交する平面に対する角度が、第1および第2爪部4,10の相対する側面の、軸方向に対する角度と等しい。また、磁石15の平行四辺形断面の短辺の長さが、第1および第2爪部4,10の相対する側面間の周方向距離より僅かに短く、第1および第2爪部4,10の相対する磁石受け部17a,17b間の周方向距離より長くなっている。第2爪部10を挟んで軸方向に突出する2つの磁石15の端部の相対する側面が、図8に示されるように、軸方向と平行な平坦面15aに形成されている。同様に、第1爪部4を挟んで軸方向に突出する2つの磁石15の端部の相対する側面も、軸方向と平行な平坦面15aに形成されている。
なお、磁石15の長さ方向と直交する断面形状を長方形としたが、実際には、磁石15の外径側の面は、バンド20の内径と同じ径の円筒面の一部で構成されている。また、磁石15の内径側の面も、円筒面の一部で構成されている。
磁石保護部材21は、樹脂製であり、図11および図14に示されるように、外径側の面が磁石15の内径側の面と同じ径の円筒面の一部で形成され、かつ内径側の面が円筒面の一部で形成された縦壁21aと、縦壁21aの軸方向の一端部から径方向外方に突出して周方向に延びる庇部21bと、からなるL字状に作製される。仕切り部21cが、縦壁21aの外径側の面の周方向の中央部、かつ軸方向の一端部側に、縦壁21aおよび庇部21bと直交するように立設されている。縦壁21aの内径側の面が円筒面の一部で構成され、円柱状の突起21dが、縦壁21aの内径側の面の中央部から突出するように形成されている。さらに、突起21eが、縦壁21aの周方向の両側面に、周方向の突出量が軸方向の中央部から両端に向かって漸次小さくなる、突出面を円弧面とする凸状に形成されている。
壁部材22は、図14および図15に示されるように、外周面が縦壁21aの内径側の面と同じ径の円筒面の一部で構成された基部22aと、基部22aの外径側の面の中央から突出するように形成された円柱状の突起22bと、を備える。ばね部材23は、複数の皿ばねを組み合わせて、突起21d,22bに装着可能に作製されている。
つぎに、磁石15を第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体に保持させるには、まず、磁石15を、図8に示されるように、軸方向から周方向に隣り合う第1および第2爪部4,10間の磁石収納空間のそれぞれに挿入する。ここで、磁石15の周方向の側面が、周方向に隣り合う第1および第2爪部4,10の相対する側面と平行となっている。また、磁石15の両側面間の周方向距離が、周方向に隣り合う第1および第2爪部4,10の相対する側面間の周方向距離より僅かに短くなっている。そこで、磁石15は、周方向に隣り合う第1および第2爪部4,10の相対する側面に案内されて軸方向にスライド移動し、磁石収納空間に挿入される。また、第1爪部4,又は第2爪部10を挟んで軸方向に突出する2つの磁石15の端部の相対する側面が、軸方向と平行な平坦面15aに形成されているので、磁石15の挿入時の互いの干渉が回避される。
ついで、バンド20が、図9に示されるように、軸方向外側からバンド収納溝16a,16bのそれぞれに遊嵌状態に装着される。これにより、バンド20は、第1爪部4および第2爪部10から軸方向の両側に突出する磁石15の端部をそれぞれ覆っている。そして、磁石15は、図10に示されるように、第1および第2爪部4,10と接触せず、一定の隙間をもって磁石収納空間に収納される。なお、磁石15を磁石収納空間に収納できれば、磁石15は、第1および第2爪部4,10と接触していてもよく、一定の隙間がなくてもよい。
ついで、磁石保護部材21が、図11に示されるように、軸方向の一側外方から、縦壁21aの周方向両側を、相対する彫り込み部18a内を通して軸方向の他側に移動させる。そして、庇部21bが磁石15の先端に当接すると、磁石保護部材21を径方向外方に動かす。そこで、仕切り部21cが、図13に示されるように、第2爪部10を挟んで軸方向の一側に突出する磁石15の端部の平坦面15a間に挿入される。また、突起21dが、突起19aの軸方向の他側に、すなわち突起19aの界磁コイル14側に挿入される。これにより、磁石保護部材21が、図12に示されるように、周方向に配列された磁石15の軸方向一端部に装着される。なお、磁石保護部材21は、周方向に配列された磁石15の軸方向の他端部にも、同様に装着される。
ついで、図14および図15に示されるように、ばね部材23が突起22bに外嵌状態に装着された壁部材22を、治具(図示せず)を用いてハンドプレスで、軸方向の一側外方から、磁石保護部材21の縦壁21aの内径側に挿入する。このとき、壁部材22の基部22aが、相対する彫り込み部18aの底面上をスライドしつつ軸方向他側に移動する。そして、ばね部材23が、基部22aと縦壁21aとの間で圧縮されつつ、基部22aとともに軸方向他側に移動し、ついには、縦壁21aの内径面に形成された突起21dに嵌合する。このように、ばね部材23が、略同軸となった突起21d,22bに外嵌状態に装着されて、基部22aと縦壁21aとの間に圧入される。このばね部材23の復元力が、基部22aを介して彫り込み部18aの底面で受けられて、縦壁21aを介して磁石15を径方向外方に押圧するように作用する。そこで、磁石15の軸方向の一端部がばね部材23の復元力によりバンド20に押圧される。また、ばね部材23が装着された壁部材22は、軸方向の他側外方から、磁石保護部材21の縦壁21aの内径側に圧入され、磁石15の軸方向の他端部がバンド20に押圧される。
ここで、壁部材22は、両端部を彫り込み部18a,18bの底面に支持されて、第1谷部5および第2谷部11に掛け渡される。そして、軸方向外方と界磁コイル14側とを連結する通風路が、壁部材22の内径側に確保される。なお、彫り込み部18a,18bの底面が壁部材22の支持部となる。また、磁石保護部材21の突起21dと壁部材22の突起22bとの間の隙間は、ばね部材23を構成する皿ばね1枚分の厚さより狭くなっており、皿ばねの抜けが防止される。また、バンド20の周方向に隣り合う第1爪部4の根元部間が、磁石保護部材21および磁石15を介して作用するばね部材23の復元力により径方向外方に変位するので、バンド20の磁石保護部材21間の部位が直線状に延びて、遊嵌状態のバンド20が緊張状態となる。これにより、バンド20がバンド収納溝16aに押し付けられ、第1爪状界磁鉄心1に保持される。同様に、バンド20が、第2爪状界磁鉄心7に保持される。
これにより、磁石15が、図16に示されるように、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体に保持される。さらに、板金で作製されたファン24を第1および第2爪状界磁鉄心1,7に固着して、図17に示されるように、回転子100が組み立てられる。
この実施の形態1によれば、磁石15をバンド20に押圧保持させるばね部材23がバンド20および磁石15の内径側に配設されているので、回転子100の高速回転時に、ばね部材23が回転子100から外径側に飛び出すことがない。そこで、ばね部材23が回転子100と固定子200との間に噛み込まれることによる回転子100の損傷が防止される。また、磁石15がばね部材23の復元力によりバンド20に押圧保持されているので、遠心力や温度変化に起因する応力が接着界面に作用して発生する磁石15の剥離や損傷はない。
回転子100の高速回転時に、第1および第2爪部4,10の先端側が径方向外方に変位する。このとき、バンド20が、第1および第2爪部4,10の先端に対して隙間Lを確保してから離間して第1および第2爪状界磁鉄心1,7に配設されているので、第1および第2爪部4,10の先端側は、バンド20と干渉することなく変位する。そこで、磁石15は、バンド20により安定して保持される。また、磁石15が第1および第2爪部4,10に対して一定の隙間を確保して配設されているので、第1および第2爪部4,10の先端側は、磁石15と干渉することなく変位する。そこで、第1および第2爪部4,10の先端側の変位に起因する磁石15の損傷の発生が抑制される。
彫り込み部18a,18bが第1および第2谷部5,11の外径側に形成されている。ばね部材23の復元力が壁部材22を介して彫り込み部18a,18bの底面で受けられている。このように、壁部材22が第1および第2谷部5,11に架設されているので、壁部材22と第1および第2谷部5,11の底部との間に軸方向に貫通する通風路が形成される。そこで、回転子100の駆動時に、ファン24により、風が通風路を通って界磁コイル14側に送り込まれ、界磁コイル14での発熱が放熱され、界磁コイル14の温度上昇が抑えられる。これにより、界磁コイル14の温度上昇に起因するコイルの絶縁被膜の損傷発生が抑制されるとともに、磁石15が温度上昇することによる熱減磁が抑制される。
磁石15の内径側の面と磁石保護部材21の縦壁21aの外径側の面が同径の円筒面で構成されているので、磁石15と縦壁21aとが隙間なく接触し、磁石15の保持の安定性が高められる。
磁石保護部材21の庇部21bが、径方向に関して、バンド20の一部および磁石15と重なるように配設されているので、バンド20および磁石15の軸方向の抜けが阻止される。
磁石保護部材21の仕切り部21cが、第1および第2爪部4,10を挟んで軸方向に突出する磁石15の端部の平坦面15a間に、平坦面15aと接するように挿入されているので、磁石15の周方向の位置を精度よく決めることができる。また、ばね部材23の復元力により、磁石15をバンド20に内径側から押圧しているので、磁石15の径方向の位置を精度よく決めることができる。これにより、バンド20に対する磁石15の位置精度が高められる。さらに、磁石15を第1および第2爪部4,10に対して一定の隙間を確保して磁石収納空間内に配設することができる。
磁石保護部材21が装着された状態では、縦壁21aの周方向両側部に形成された突起21eが、彫り込み部18a,18bの外径側端部に形成された突起19a,19bの軸方向内側に位置している。すなわち、突起21e,19a,19bが軸方向に重なっている。そこで、磁石保護部材21の軸方向外方への移動が、突起21e,19a,19bの接触により規制されるので、磁石保護部材21の抜けが阻止される。なお、磁石保護部材21の装着時には、図11に示されるように、磁石保護部材21を軸方向に移動させ、突起21eが突起19a,19bを通り過ぎた後、磁石保護部材21を径方向外方に移動させることで、突起21eと突起19a,19bとの干渉を回避している。
また、樹脂製の磁石保護部材21が磁石15とばね部材23との間に配設されているので、硬くて脆い材料である磁石15と、金属で作られているばね部材23とが直接接触することがなく、磁石15を傷つけることがない。
また、複数の皿ばねを組み合わせてばね部材23を構成しているので、皿ばねの円筒軸に対してばね部材23そのものが傾くことができる。そこで、2つの磁石15の間に厚みの差があった場合でも、ばね部材23自身が傾くことにより、段差の影響を吸収して、2つの磁石15に押圧荷重を加えることができる。
第1および第2爪状界磁鉄心1,7を一体に組み立てた後、磁石15を装着することができるので、第1および第2爪状界磁鉄心1,7に回転軸13を圧入した状態で、第1および第2爪状界磁鉄心1,7に切削作業を行った場合でも、切粉が磁石15に付着することがない。
バンド20をバンド収納溝16a,16bに装着した後、ばね部材23のばね力により磁石15を内径側からバンド20に押し付けているので、バンド20を圧入等により周方向に配列された磁石群に外嵌状態に装着する場合に想定される、バンド20と磁石15との擦れに起因するバンド20のFRP繊維の破断や磁石15の破損を防止することができ、組立工程での信頼性が向上することができる。
つぎに、回転子100の高速回転時のバンド20、磁石15および第1および第2爪部4,10の挙動について図18を参照しつつ説明する。図18はこの発明の実施の形態1に係る回転電機の回転子における回転時の磁石周りを示す模式図である。図18中、点線は回転子の停止時の各部材の位置を示し、実線は回転子の高速回転時の各部材の位置を示している。
回転子100の回転時には、遠心力が、バンド20、磁石15および第1および第2爪部4,10に作用する。そして、回転子100の高速回転時には、バンド20は径方向外方に変位し、第1および第2爪部4,10は先端側が径方向外方に変位する。しかし、磁石15は軸方向両端部をバンド20により固定されているので、磁石15は、その軸方向の中央部が径方向外方に膨らむように変位する。また、磁石15は、通常、磁性材料を焼結処理して作製されているため、比較的脆性が高い。そのため、曲げに対する応力耐性が低く、変形に弱い。実施の形態1では、高速回転時の磁石15の中央部の径方向外方への膨らみが、磁石受け部17a,17bに接して、抑えられる。そこで、磁石15の変形量が、磁石15の曲げ応力以下となるように、磁石15と磁石受け部17a,17bとの間の隙間を設定することで、磁石15の破損を確実に防ぐことができる。したがって、磁石受け部17a,17bは、第1および第2爪部4,10の軸方向の全域に設ける必要はなく、少なくとも、第1および第2爪部4,10の軸方向の中央領域に設けられていればよい。
つぎに、ばね部材の復元力を用いて磁石15を内径側からバンド20に押し付ける磁石保持構造(以下、ばね型とする)と、周方向に配列された磁石15の群にバンド20を外嵌状態に圧入し、バンド20に張力を付与して磁石15に押付力を付与する磁石保持構造(以下、圧入型とする)とを対比し、ばね型の効果を説明する。図19は回転電機の回転子の磁石保持構造における温度によりバンドにかかる引っ張り荷重の変化を示した図、図20は回転電機の回転子の磁石保持構造がばね型の場合のバンドに作用する応力を説明する模式図、図21は回転電機の回転子の磁石保持構造が圧入型の場合のバンドに作用する応力を説明する模式図である。
バンド20により磁石15を回転子に固定するには、回転によって生じる周方向の最大加速度、もしくは最大トルクで駆動する際に磁石15に作用する電磁力を上回る摩擦保持力を磁石15とバンド20との間に生じさせる必要がある。この必要な摩擦保持力を奏するために必要なバンドにかかる引っ張り応力は、図19における初期組立時の引っ張り応力であり、保持方法によらず一定の値となる。
しかし、界磁コイル14の発熱により第1および第2爪状界磁鉄心1,7が高温になると、第1および第2爪状界磁鉄心1,7が線膨張により径方向外方に膨らむ。一方、バンド20はFRPで作製されており、線膨張係数はほぼゼロに近い。したがって、温度が高くなるにつれ、バンド20にかかる面圧が高くなる。面圧が高くなると、繊維の破断などによって樹脂の変形が増加するクリープ変形現象等が顕著になり、経時的にバンド20の伸長や、面圧の差による応力変化によりバンド20の疲労破壊等が懸念される。
圧入型では、図21に示されるように、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の温度変化の伴う寸法変化を吸収できない。そこで、図19に示されるように、温度が高くなると、バンド20にかかる引っ張り応力が大きくなり、バンド20にかかる面圧が大きくなり、バンド20のクリープ変形や疲労破断のリスクが増大してしまう。
一方、ばね型では、図20に示されるように、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の温度変化の伴う寸法変化をばねの伸縮により吸収することできる。そこで、図19に示されるように、温度が高くなっても、バンド20にかかる引っ張り応力が圧入型に比べて小さくなり、バンド20にかかる面圧の増大が抑えられ、バンド20のクリープ変形や疲労破壊のリスクを軽減することができる。
また、バンド20は、切れ目のないFRPを用いることで、周状に繊維が連続するため、軽量で高い強度が実現できる。
なお、上記実施の形態1では、磁石がバンド側に配設され、壁部材が界磁鉄心側に配設されているが、磁石が界磁鉄心側に配設され、壁部材がバンド側に配設されてもよい。この場合、磁石は、磁石と壁部材との間に配設されたばね部材の押圧力により径方向内方に押圧されて界磁鉄心に保持される。この構成によっても、実施の形態1と同様に、バンドの寸法変化をばねの伸縮により吸収することで、バンドにかかる面圧を小さくすることができる。
また、上記実施の形態1では、彫り込み部18a,18bが、谷部の相対する壁面のそれぞれの外径側に、谷部側、軸方向外側および径方向外側に開口するように形成されているが、彫り込み部は、谷部の相対する壁面のそれぞれの外径側に、谷部側および軸方向外側に開口するように形成されてもよい。この場合、第1抜け止め突起は、彫り込み部の天井面に形成される。
実施の形態2.
図22はこの発明の実施の形態2に係る回転電機の回転子における磁石保持構造を説明する模式図である。
実施の形態2では、ばね部材としてのコイルばね26と、壁部材27とを用い、コイルばね26の復元力により、磁石15を内径側からバンド20に押し付けて、磁石15を保持している。
なお、他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
実施の形態2による磁石保持構造について図22を用いて説明する。なお、図22は図16のB−B断面に相当部分を模式的に示している。また、磁石15の軸方向両端部での磁石保持構造が同じであるので、ここでは、磁石15の軸方向の一端部の磁石支持構造のみを説明する。
彫り込み部25aは、底面が、第1谷部5の周方向中心を通る径方向と直交する平面を、当該平面と底面の軸方向中央部を通る回転軸13に直交する平面との公差線を中心として回転させ、軸方向一端から軸方向他端側に向かって上り勾配となる傾斜面に形成されている。さらに、第2抜け止め突起としての突起25bが、彫り込み部25aの底面の軸方向一端部に形成されている。なお、他の構成は,実施の形態1における彫り込み部18aと同様に構成されている。
壁部材27は、両端部が第1谷部の相対する壁面に形成された両彫り込み部25aに挿入できる長さを有する平板状に作製され、一側の表面を厚み方向と直交する平面とし、他側の表面を一側の平面に対して傾斜する傾斜面としている。なお、他側の傾斜面と一側の平面とのなす角度は、彫り込み部25aの底面と、第1谷部5の周方向中心を通る径方向と直交する平面とのなす角度に一致している。
まず、図示していないが、バンド20が第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体に装着され、磁石15が第1および第2爪部4,10間に収納される。
ついで、コイルばね26を磁石15の内径側に配置し、壁部材27を、傾斜面を内径側に向けて、周方向の両端を軸方向一端側から彫り込み部25a内に入れて、コイルばね26の内径側に挿入する(状態A)。この状態では、コイルばね26は自由長さであり、壁部材27が挿入可能となっている。
ついで、壁部材27を軸方向他側に移動させる。これにより、壁部材27の傾斜面が突起25b上をスライド移動し、壁部材27が径方向外方に変位し、コイルばね26が圧縮される(状態B)。さらに、壁部材27を軸方向他側に移動させ、壁部材27が突起25bを乗り越えると、壁部材27の傾斜面がコイルばね26の復元力により彫り込み部25aの底面に当接し、壁部材27の組み込みが完了する(状態C)。この状態では、コイルばね26が圧縮状態となり、その復元力が彫り込み部25aの底面で受けられ、磁石15がバンド20に押し付けられる。
このように、実施の形態2においても、磁石15をバンド20に押圧保持させるコイルばね26がバンド20および磁石15の内径側に配設され、磁石15がコイルばね26の復元力によりバンド20に内径側から押圧されているので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態2によれば、彫り込み部25aの底面と壁部材27の内径側の面が傾斜面となっているので、コイルばね26を圧縮させつつ、壁部材27を押し込む力が小さくなり、磁石15の保持作業性が向上する。
また、突起25bが彫り込み部25aの底面の軸方向一端部に形成されているので、壁部材27の軸方向他側への移動が、突起25bに接して阻止される。したがって、突起25bが壁部材27の軸方向の抜け止めとして機能するので、別部材を設けることなく壁部材27の固定が可能となる。
また、コイルばね26を用いているので、コイルばね26の円筒軸に対してコイルばね26そのものが傾くことができる。そこで、2つの磁石15の間に厚みの差があった場合でも、コイルばね26自身が傾くことにより、段差の影響を吸収して、2つの磁石15に押圧荷重を加えることができる。
なお、上記実施の形態2では、磁石保護部材が省略されているが、上記実施の形態1と同様に、磁石保護部材をコイルばねと磁石との間に配設してもよい。
また、上記実施の形態2では、コイルばねをばね部材として用いているが、皿ばねを組み合わせてばね部材としてもよい。
実施の形態3.
図23はこの発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子を示す分解斜視図、図24はこの発明の実施の形態3に係る回転電機の回転子を示す斜視図である。
図23および図24において、ばね部材としてのばね部31が、それぞれ、リング状平板に作製された端板30の一部を切り起こして,周方向に等角ピッチで8つ形成されている。そして、端板30が、ばね部31を第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体に向けて、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体の軸方向の両端面に固着されている。第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体の軸方向一側では、ばね部31が、磁石保護部材21により内径側に撓んで、第1谷部5のそれぞれに挿入されている。第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体の軸方向他側では、ばね部31が、磁石保護部材21により内径側に撓んで、第2谷部11のそれぞれに挿入されている。そこで、磁石15は、内径側に撓んだばね部31の復元力により、バンド20に押し付けられる。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
このように構成された回転電機101では、磁石15をバンド20に押圧保持させるばね部31がバンド20および磁石15の内径側に配設され、磁石15がばね部31の復元力によりバンド20に内径側から押圧されている。したがって、実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
この実施の形態3によれば、ばね部31が端板30の一部を切り起こして作製されているので、端板30のばね部31の外径側の部位が、磁石保護部材21、磁石15およびバンド20の軸方向の抜け止めとして機能する。そこで、第1抜け止め突起としての突起19a,19bが不要となり、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の作製が容易となる。なお、突起19a,19bを残してもよい。
また、端板30が、第1および第2爪状界磁鉄心1,7の組立体の軸方向の両端面に固着されている。このため、端板30が、ばね部31の復元力を受けて、第1および第2爪状界磁鉄心1,7に伝えることができるため、ばね部31の復元力を受ける彫り込み部18a,18b、および壁部材22,27をなくすことができる。なお、彫り込み部18a,18b、および壁部材22,27を残してもよい。
また、ばね部31が切り起こされて形成された端板30の穴部が第1および第2谷部5,11と相対するように位置し、ファン24による界磁コイル14や磁石15の冷却を妨げることがない。
なお、上記実施の形態3では、ばね部の復元力が磁石保護部材を介して磁石に作用するように構成されているが、磁石保護部材を省略し、ばね部の復元力が直接磁石に作用するように構成されてもよい。
また、上記実施の形態3では、ばね部を端板の一部を切り起こして作製されているが、ファンの基部の一部を切り起こしてばね部を作製してもよい。この場合、端板が不要となり、部品点数を削減できる。
また、上記各実施の形態では、ばね部材として皿ばね、コイルばね、板ばねを用いているが、ばね部材はこれらに限定されず、弾性力を有していればよく、例えばゴムでもよい。
また、皿ばね及びコイルばねは、ばねの円筒軸に対してばねそのものが傾くことができる構造のため、2つの磁石の間に厚みの差があった場合、コイルばね自身が傾くことにより、段差の影響を吸収して、双方の磁石に押圧荷重を加えることができる。

Claims (15)

  1. 軸心位置を貫通する回転軸に固着された界磁鉄心と、
    上記界磁鉄心に装着された界磁コイルと、
    上記界磁鉄心の外周部に、周方向に複数配列された磁石と、
    上記磁石の外周を取り囲むよう配置された円環状の外筒部材と、
    上記界磁鉄心と上記磁石との間に配設され、上記磁石を保持する押圧力を発生し、上記磁石における軸方向の一側外方から上記界磁鉄心と上記外筒部材との間に上記軸方向に挿入可能な押圧部材と、を有する回転電機の回転子。
  2. 磁石保護部材が、上記磁石と上記押圧部材との間に配設されている請求項1記載の回転電機の回転子。
  3. 軸心位置を貫通する回転軸に固着された界磁鉄心と、
    上記界磁鉄心に装着された界磁コイルと、
    上記界磁鉄心の外周部に、周方向に複数配列された磁石と、
    上記磁石の外周を取り囲むよう配置された外筒部材と、
    上記界磁鉄心と上記外筒部材との間に配設され、上記磁石を保持する押圧力を発生する押圧部材と、
    上記磁石と上記押圧部材との間に配設されている磁石保護部材と、
    上記界磁鉄心に形成され、上記磁石保護部材に係合して上記磁石保護部材の軸方向外方の移動を規制する第1抜け止め突起と、を有する回転電機の回転子。
  4. 上記磁石保護部材は、軸方向からみて、上記磁石と上記外筒部材の一部を覆う庇部を有することを特徴とする請求項3記載の回転電機の回転子。
  5. 軸心位置を貫通する回転軸に固着された界磁鉄心と、
    上記界磁鉄心に装着された界磁コイルと、
    上記界磁鉄心の外周部に、周方向に複数配列された磁石と、
    上記磁石の外周を取り囲むよう配置された外筒部材と、
    上記界磁鉄心と上記外筒部材との間に配設され、上記磁石を保持する押圧力を発生する押圧部材と、
    上記界磁鉄心の上記磁石の内径側に形成された谷部と、
    両端部を上記界磁鉄心に支持されて上記谷部に架け渡されて、上記押圧部材の押圧力を受けている壁部材と、を有する回転電機の回転子。
  6. 上記壁部材が、上記界磁鉄心の彫り込み部の上を軸方向に移動可能に構成され、上記壁部材の両端部の内径側の面と上記彫り込み部が、軸方向内側に向かって径方向外方に傾斜する面に形成されている請求項5記載の回転電機の回転子。
  7. 第2抜け止め突起が上記彫り込み部の軸方向外端部に形成され、軸方向内側に移動した上記壁部材が上記第2抜け止め突起と係合して軸方向外側への移動を規制されている請求項6記載の回転電機の回転子。
  8. 端板が、上記界磁鉄心の軸方向端部に配設されて、上記壁部材の一部を覆っている請求項5記載の回転電機の回転子。
  9. 上記押圧部材は、コイルばね、または複数の皿ばねにより構成されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  10. 軸心位置を貫通する回転軸に固着された界磁鉄心と、
    上記界磁鉄心に装着された界磁コイルと、
    上記界磁鉄心の外周部に、周方向に複数配列された磁石と、
    上記磁石の外周を取り囲むよう配置された外筒部材と、
    上記界磁鉄心と上記外筒部材との間に配設され、上記磁石を保持する押圧力を発生する押圧部材と、
    上記界磁鉄心の軸方向端部に配設された端板と、を備え、
    上記端板は、上記押圧部材を有する回転電機の回転子。
  11. 上記界磁鉄心は、第1爪部が、軸方向一端から軸方向他側に突出して、周方向に配列された第1界磁鉄心と、第2爪部が、軸方向他端から軸方向一側に突出して、周方向に上記第1爪部と交互に並ぶように配列された第2界磁鉄心と、を備え、
    上記磁石は、周方向に隣り合う上記第1爪部と上記第2爪部との間に配設され、
    上記外筒部材が、上記第2爪部から軸方向一側に離間して、上記第1爪部の根元側および上記磁石の軸方向に一端部を覆うように上記第1界磁鉄心に装着された第1外筒部材と、上記第1爪部から軸方向他側に離間して、上記第2爪部の根元側および上記磁石の軸方向の他端部を覆うように上記第2界磁鉄心に装着された第2外筒部材と、を備えている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  12. 磁石受け部が、上記第1爪部および上記第2爪部の軸方向の中央部の外周縁部から周方向に突出され、上記磁石の周方向の縁部を覆っている請求項11記載の回転電機の回転子。
  13. 上記外筒部材は、繊維方向を周方向とするFRP材料で、継ぎ目なく円環状に成形されていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  14. 上記押圧部材は、上記界磁鉄心と上記磁石の間に設けられた弾性力を有するばね部材である請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の回転電機の回転子。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の回転電機の回転子の製造方法であって、
    上記界磁コイルを上記界磁鉄心に装着する工程と、
    上記界磁コイルが装着された上記界磁鉄心を上記回転軸に挿入固定する工程と、
    上記回転軸に固定された上記界磁鉄心に上記外筒部材を装着した後、上記押圧部材により上記磁石を上記外筒部材に押圧させて、上記外筒部材を上記界磁鉄心に固定させる工程と、
    を有する回転電機の回転子の製造方法。
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