JP5000262B2 - 回転電機用回転子 - Google Patents

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Description

本発明は、中心部にシャフトが貫通する貫通孔が設けられた略円筒状の積層鉄心を備え、この積層鉄心の外周部の周方向に沿って円弧状の磁石が複数配設されてなる回転電機用回転子に関する。
従来、この種の回転電機用回転子において、回転子鉄心の外周部に沿って略円弧状の磁石を複数配設する場合、回転子鉄心の表面と磁石の接合部に接着剤を塗布することで磁石を固定している。しかし、磁石を固定するための接着剤は製造上の管理が難しく、例えば、回転子鉄心として略円板状の鋼板を積層した積層鉄心を用いる場合などは、接着剤の塗布前に鉄心表面を十分に洗浄しても、接着材の硬化を阻害する油性分などの硬化阻害物質が鉄心すきまに残存し易く、これが接着剤塗布後に積層隙間の奥から染み出てきて接着硬化を阻害し、回転電機の回転中に磁石が剥がれるといった問題を生じる。
そこで、この問題に対処するため、従来技術では、回転子鉄心の固定子との対向面に薄肉部を残して磁石を装着する磁石装着穴を設け、この磁石装着穴に磁石を軸方向から挿入して固定したものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術では、回転子鉄心の外周部から突出する突起部を設け、磁石を軸方向からこれらの突起部間に挿入して磁石を固定している(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−309591号公報 特開2001−169485号公報
しかし、特許文献1のものでは、磁石を覆う薄肉部が磁石から発生した磁束の経路に位置しているため、ステータとの対向面の距離(エアーギャップ)が増大し、エアーギャップに生じる磁束が低下することから、磁石のもつ磁力特性を十分に発揮させることができない問題が生じる。また、薄肉部を薄くする場合でも、板厚以下の厚さにすることは鉄心プレスを用いる製法においては非常に難しい問題がある。
また、特許文献2においては、磁石表面に磁石から発生する磁束の経路を阻害する部分がないものの、突起部間に磁石を軸方向から挿入するために必要な僅かな隙間を確保する必要がある。このため、磁石挿入後は、その隙間により磁石が振動して破損することを防ぐために、磁石と回転子鉄心との間に樹脂部材を挿入して隙間を充填する必要が生じる。このため、製造工程が複雑になるとともに、部材が増えてコストが増大するばかりでなく、樹脂部材は磁石のバックヨーク側の磁路中に存在することになるため、樹脂部材の厚さ分により、磁石の特性を十分発揮できない問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、磁石の特性を十分に発揮することができ、また、簡易な製造工程によって磁石を確実に固定することができ、しかも安価な回転電機用回転子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、中心部にシャフトが貫通する貫通孔が設けられた略円筒状の積層鉄心を備え、この積層鉄心の外周部には周方向に沿って略円弧状の磁石が複数配設された回転電機用回転子において、次の構成を採用している。
すなわち、本発明では、中心部にシャフトが貫通する貫通孔が設けられた略円筒状の積層鉄心を備え、この積層鉄心の外周部には周方向に沿って略円弧状の磁石が複数配設された回転電機用回転子において、上記積層鉄心は、その中心部に上記シャフトの挿通穴が形成された略円板状の鋼板を多数積層して構成されており、これらの各鋼板の内には、周方向において互いに隣接する磁石間に位置し、かつ、各鋼板を周方向に沿って回転することにより隣接する両側の磁石の内の片側の磁石にのみ当接する爪状突起部が外周部に形成されてなる突起部形成鋼板が含まれており、上記爪状突起部が互いに隣接する磁石間に少なくとも2箇所介在して両側の磁石のそれぞれに個別に当接するように上記突起部形成鋼板がいずれかの層に設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、シャフトを積層鉄心の貫通孔に圧入するだけで、各磁石を積層鉄心の外周部に確実に固定することができる。このため、従来のように接着剤を用いたり、磁石を覆う薄肉部を設けたりする必要がない。また、爪状突起部間に磁石を軸方向から挿入することなく磁石を固定できるため、爪状突起部間に磁石を挿入するための余分な隙間を必要とせず、隙間を充填するための樹脂部材や接着剤を別途必要としない。そのため、磁石の特性を十分に発揮しつつ、長期にわたって確実に磁石を積層鉄心に固定できる、しかも、簡易な製造工程によって磁石の固定ができるので、安価な回転電機用回転子を提供することが可能となる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における回転電機用回転子の全体を示す斜視図、図2は同回転子を軸方向から見た平面図、図3は同回転子の積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図である。
この実施の形態1の回転電機用回転子は、略円筒状の積層鉄心1を備え、この積層鉄心1の中心部に設けられた貫通孔2にシャフト3が挿通されている。また、積層鉄心1の外周部には周方向に沿う複数箇所(本例では10箇所)に略円弧状の磁石5が等間隔に配置され、各磁石5が後述する爪状突起部11,21によって固定されている。
上記の積層鉄心1は、図3(a),(b)に示すように、ケイ素鋼板等からなる略円板状の2種類の鋼板10,20を有し、この2種類の鋼板10,20が軸方向に沿って順次交互に積層されて構成されている。
ここに、図3(a)に示す鋼板10は、その外周部の周方向に沿う10箇所に等間隔で右回りに延在する爪状突起部(以下、右延在爪状突起部という)11が形成されている。また、図3(b)に示す鋼板20は、その外周部の周方向に沿う10箇所に等間隔で左回りに延在する爪状突起部(以下、左延在爪状突起部という)21が形成されている。
そして、これらの鋼板10,20に設けられている右延在爪状突起部11と左延在爪状突起部21のそれぞれは、周方向に互いに隣接する2つの磁石5の内の片側の磁石5にのみ当接する構成となっている。そして、本例では、積層鉄心1は、爪状突起部11,21が形成された2種類の鋼板10,20のみから構成されているので、全ての鋼板10,20が特許請求の範囲における突起部形成鋼板となっている。
また、各鋼板10,20の中央部にはシャフト3の挿通穴12,22が形成され、各挿通穴12,22には後述するようにシャフト3の軸方向に沿って形成された凸条部31が嵌入されるように、各鋼板10,20の一部を切り欠いて切欠部12a,22aが形成されている。
なお、2種類の鋼板10,20を区別する必要があるときには、以降、右延在爪状突起部11が形成された鋼板10を第1の鋼板と、左延在爪状突起部21が形成された鋼板20を第2の鋼板と称する。
ここで、図4(a)に示すように、積層鉄心1の積層方向において上下互いに隣接する第1、第2の鋼板10,20を貫通孔2の中心を回転中心として相対的に所定の角度θ分だけずらすと、第1の鋼板10の右延在爪状突起部11と、これから右周りに略36度だけ周回した位置にある第2の鋼板20の左延在爪状突起部21とで挟まれた磁石配置空間6の幅を広げることができ、これにより、各磁石5を外周から積層鉄心1の貫通孔2の中心に向かう方向に挿入することができる。
磁石5の挿入後は、第1、第2の鋼板10,20を先程とは逆向きに角度θだけ回転させることで、図4(b)に示すように、各磁石5は、第1の鋼板10の右延在爪状突起部11と、これから右周りに略36度周回した位置にある第2の鋼板20の左延在爪状突起部21とによって挟着されて積層鉄心1に固定される。なお、各鋼板10,20の回転は、例えば各爪状突起部11,21を掛止する爪状の突起を有する専用の回転用治具を用いることにより容易に行うことができる。
次に、上記構成の回転電機用回転子において、積層鉄心1に磁石5を固定する手順について、図5を参照して説明する。
積層鉄心1は、図4を参照して説明したように、予め爪状突起部11,21間の磁石配置空間6を広げた状態にしておき(図5(a)参照)、このように広げられた空間6に磁石5を配置する(同図(b)参照)。
次に、各磁石5を貫通孔2の中心に押し付けながら、同時に第1、第2の鋼板10,20の角度ずれがなくなるように、貫通孔2の中心を回転中心として各爪状突起部11,21に専用の回転用治具を引っ掛けて相対的に回転させる。これにより、各磁石5が隣接する爪状突起部11,21間に隙間なく位置決めされる。
続いて、貫通孔2内にシャフト3を圧入する(同図(c)参照)。その際、シャフト3に形成された凸条部31が各鋼板10,20の切欠部12a,22aに嵌入されるので、切欠部12a,22aはシャフト3と積層鋼板1との回り止めとして作用するだけでなく、各鋼板10,20が相対的に回転するのを防ぐ回り止めとしても作用する。これにより、各鋼板10,20が一体化されて積層鉄心1として構成されると同時に、第1、第2の鋼板10,20の右延在爪状突起部11と左延在爪状突起部21とによって、各磁石5の周方向端面が積層鉄心1の表面に押し付けられて各磁石5が固定される(同図(d)参照)。
このように、この実施形態1によれば、シャフト3を積層鉄心1の貫通孔2に圧入するだけで、各磁石5を積層鉄心1の外周部に確実に固定することができる。このため、従来のように接着剤を用いたり、磁石5を覆う薄肉部を設けたりする必要がない。また、爪状突起部11,21間に磁石5を軸方向から挿入することなく磁石5を固定できるため、爪状突起部11,21間に磁石5を挿入するための余分な隙間を必要とせず、隙間を充填するための樹脂部材や接着剤を別途必要としない。そのため、磁石5の特性を十分に発揮しつつ、長期にわたって確実に磁石5を積層鉄心1に固定できる、しかも、簡易な製造工程によって磁石5の固定ができるので、安価な回転電機用回転子を提供することが可能となる。
なお、上記の実施の形態1では、磁石5を固定するための各爪状突起部11,21は、磁石5の周方向端面のみに接する形状としているが、本発明はこのような形状に限定されるものではなく、例えば図6(a)に示すように、各爪状突起部11,21が磁石5の端面と共に外周面にも接する形状や、図6(b)に示すように、各爪状突起部11,21が磁石5の外周面のみに接する形状など、回転電機用回転子の回転時に生じる遠心力によって磁石5が積層鉄心1から離れないように確実に固定できる形状であれば適宜採用することができる。
また、上記の実施の形態1では、各鋼板10,20の外周部の爪状突起部11,21間に位置する部分は円弧状になっているが、図7に示すように、爪状突起部11,21間の外周部の形状を直線状にしてもよく、これによって、図8に示すように、厚さ方向の底面が平面状に形成された断面カマボコ形の磁石5を固定することができる。
実施の形態2.
図9は本発明の実施の形態2における回転電機用回転子の積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図であり、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態2の特徴は、図9(a)に示す第1の鋼板10と、図9(b)に示す第2の鋼板20のいずれにおいても、その中央部に形成されているシャフト3の挿通穴12,22が、実施の形態1に示したような一部に切欠部を設けた形状ではなく、曲線部分12b,22bと直線部分12c,22cとを組み合わせた平面視で略D字状に形成されていることである。したがって、当然のことながら、各挿通穴12,22に嵌入されるシャフト3も、この挿通穴12,22の形状に合致する断面形状となるように形成される。
各鋼板10,20にこのようなD字状の挿通穴12,22を形成する場合には、実施の形態1の場合に比べて全体の加工コストを下げることができ、また圧入後のシャフト3と積層鉄心1の組立誤差を少なくできる利点がある。
なお、図9に示した挿通穴12,22の形状に限らず、例えば図10(a)に示すように、円形部分と突起部分からなる挿通穴12,22や、図10(b)に示すようにトラック形状の挿通穴12,22などでもよく、要するにシャフト3と積層鉄心1の回り止めと積層鉄心1の各層の回り止めの機能を同時に果たす曲線部分12b,22bと直線部分12c,22cとを組み合わせて連続的に形成された形状のものであればよい。
その他の構成は実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態3.
図11は本発明の実施の形態3における回転電機用回転子の積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図、図12は図11(a)に示す第1の鋼板の断面図で、同図(a)は図11(a)のA−A線に沿った断面図、同図(b)は図11(a)のB−B線に沿った断面図である。なお、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態3において、図11(a)に示す第1の鋼板10には、挿通穴12の周縁部に半抜き状にかしめて平面視円形に形成された一対の凸部13が挿通穴12の中心を挟んで対向して設けられ、さらに、各凸部13と周方向において直交した位置に一対の長穴14が挿通穴12の周縁部に沿って形成されている。また、図11(b)に示す第2の鋼板20にも、同様な一対の凸部23と一対の長穴24とが設けられており、これらの凸部23と長穴24は、図11(a)の第1の鋼板10の凸部13と長穴14に対して周方向に90度位相がずれた位置に設けられている。
この構成の第1の鋼板10と第2の鋼板20とを交互に順次積層すると、例えば、第1の鋼板10の凸部13がその下側の第2の鋼板20の長穴24に嵌合され、さらに、この第2の鋼板20に形成された凸部23がその下側の第1の鋼板10の長穴14に嵌合される。したがって、各鋼板10,20を積層すると、上下間の層が連結されて積層鉄心1全体を一体化することができる。また、凸部13,23が長穴14,24に沿って移動するので、爪状突起部11,22間の磁石配置空間の広狭の調整を容易に行える。さらに、鉄心金型で製造された積層鉄心1をプレス工程で製作すると、以降は一体化した状態で取り扱うことができるため、各鋼板10,20の取り扱いが容易となり、生産性が向上する。
その他の構成は実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態4.
図13は本発明の実施の形態4における回転電機用回転子の積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図、図14は同回転子の積層鉄心を示す斜視図であり、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態4では、図13(a)に示す第1の鋼板10には、挿通穴12の周縁部に半抜き状にかしめて平面視円形に形成された一対の凸部13が挿通穴12の中心を挟んで対向して設けられている。また、図13(b)に示す第2の鋼板20には、第1の鋼板10の各凸部13に個別に対応した位置に当該凸部13が嵌合される一対の長穴24が挿通穴22の周縁部に沿って形成されるとともに、さらに、上記と同様な平面視円形に形成された一対の凸部23が長穴24と直交した位置に設けられている。なお、図13(a),(b)に示した場合と逆に、第1の鋼板10に凸部と長穴を、第2の鋼板20に凸部のみを形成してもよい。
そして、この実施の形態4では、図13(a)に示す第1の鋼板10の5層分と、図13(b)に示す第2の鋼板20の5層分とが交互に積層されている。したがって、右延在爪状突起部11と左延在爪状突起部12は、それぞれ積層方向に5層分の長さ分だけ一列に配列されることになる。なお、第1、第2の鋼板10,20の積層枚数はここではそれぞれ5層分としているが、積層枚数はこの数値に限定されるものではない。
このように各鋼板10,20を積層する場合、5層分の第1の鋼板10同士は、半抜き状にかしめられた凸部13同士が上下で嵌合するために一体化される。また、5層分の第2の鋼板20同士も同様に、半抜き状にかしめられた凸部13同士が上下で嵌合するために一体化される。さらに、第1の鋼板10と第2の鋼板20とが上下に隣接する箇所では、凸部13が長穴24に嵌入し、これによって、両鋼板10,20を周方向に沿って相対的に回転させることができる。
したがって、図14(a)に示すように、第1、第2の鋼板10,20の5層分を同時に貫通孔2を中心に相対的に回転することで、爪状突起部11,21間の磁石配置空間を広げることができ、これにより、各磁石5を外周から貫通孔2の中心に向かう方向に挿入することができる。磁石5の挿入後は、5層分の各鋼板10,20を同時に逆向きに回転させることで、図14(b)に示すように、爪状突起部11,21間の磁石配置空間が狭まるので、積層鉄心1に各磁石5を固定することができる。なお、各鋼板10,20の回転は、例えば各爪状突起部に掛止する爪状の突起を有する専用の回転用治具を用いることにより容易に行うことができる。
このように、第1、第2の鋼板10,20をそれぞれ複数層まとめて積層して爪状突起部11,21の積層方向の長さを長くすると、各層の爪状突起部11,21を専用の治具を使って相対的に回転させる際に回転方向に対して爪状突起部11,21の強度が上がり、鋼板10,20が破損するのを防ぐことができるという利点がある。
その他の構成は実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
実施の形態5.
図15は本発明の実施の形態5における回転電機用回転子の積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図であり、図1ないし図5に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態5では、図15(a)に示す第1の鋼板10には右延在爪状突起部11が外周部の一箇所のみ形成されており、また、図15(b)に示す第2の鋼板20には、左延在爪状突起部21が外周部に一箇所のみ形成されている。また、両鋼板10,20のいずれにおいても、その中央部に形成されているシャフト3の挿通穴12,22は、実施の形態1に示したような一部に切欠部を設けたものではなく、単純な円形となっている。
そして、本例では、積層鉄心1の周方向に6個の磁石5を固定する関係上、第1の鋼板10と第2の鋼板20を上下一組として、各一組の鋼板10,20が貫通孔2を中心として周方向に沿って60度毎に順次位相がずれた状態で積層配置されている。
さらに本例では、周方向に互いに60度位相をずらせて配置された6組分の鋼板を1単位として、これが積層方向に同じ状態で(ここでは3単位分)繰り返されている。したがって、各爪状突起部11,21を周方向に沿って見た場合、各爪状突起部11,21は上下で隣接した状態を保ちつつ、周方向に60度ごとに2層分ずつ軸方向にずれながら螺旋状に配置されていることになる。
その他の構成は実施の形態1の場合と同様である。
次に、上記構成を有する回転電機用回転子において、積層鉄心1に磁石5を固定する手順について、図16を参照して説明する。
積層鉄心1の上下隣接する第1,第2の鋼板10,20を貫通孔2を回転中心として相対的に所定の角度だけ回転させておくことで、爪状突起部11,21間の磁石配置空間を広げておく(同図(a)参照)。
次に、このように広げられた爪状突起部11,21間の空間に各磁石5を配置した後、各磁石5を貫通孔2の中心に押し付けながら、同時に第1、第2の鋼板10,20の角度ずれがなくなるように、各爪状突起部11,21に専用の治具を引っ掛けて相対的に回転させる。これにより、各鋼板10,20の回転によって1つの磁石5の周方向端面の片側にはそれぞれ軸方向に沿って3つの爪状突起部11または21が接するので、各磁石5が各爪状突起部11,21間に隙間なく位置決めされる。
そこで、続いて、貫通孔2内にシャフト3を圧入する(同図(c)参照)。このとき、シャフト3には軸方向に延びる筋立て32が周方向の複数箇所に形成されており、これがシャフト3と積層鋼板1との回り止めとして作用するだけでなく、各鋼板10,20が相対的に回転することを防ぐための回り止めとしても作用する。これにより、各鋼板10,20が一体化されて積層鉄心1として構成されると同時に、各鋼板10,20の爪状突起部11,21によって、各磁石5の周方向端面が積層鉄心1の表面に押し付けられて各磁石5が固定される(同図(d)参照)。
このように、この実施の形態5によれば、実施の形態1と同様に、シャフトを積層鉄心1の貫通孔2に圧入するだけで、磁石5を積層鋼板1の外周部に確実に固定することができるため、接着剤を用いることが不要である。さらに、この実施の形態5では、各鋼板10,20には爪状突起部11,21を一箇所のみ設けており、また各鋼板10,20の挿通穴12,22には切欠部がないため、すべての爪状突起部11,21が磁石5に接するまで各鋼板10,20を回すことができ、磁石5や鋼板10,20に寸法ばらつきがあっても、ある一定の力で回転させることで、全ての爪状突起部11,21で磁石5を固定することができるという利点がある。
本発明は上記の各実施の形態1〜5の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の変形を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態1〜4では、積層鉄心1に10個の磁石5を配置し、また、実施の形態5では積層鉄心1に6個の磁石5を配置しているが、本発明はこのような磁石5の数に限定されるものではなく、複数個の磁石5を配置したものに適用することが可能である。
また、図示していないが、積層鉄心1の軸方向の上下端に各磁石5の軸方向端面に当接するスラスト規制部材を設ければ、各磁石5は周方向の移動のみならず軸方向への移動も規制されるため、積層鉄心1に対して各磁石5をより一層確実に固定することが可能となるので好ましい。
さらに、上記の各実施の形態1〜5では、各層の全ての鋼板10,20に少なくとも一つの爪状突起部11,21を形成した突起部形成鋼板を配置しているが、爪状突起部11,21は磁石5を安定して固定できる数だけ各磁石5間に介在されるようにすればよいので、各層全てを突起部形成鋼板とする必然性はなく、互いに隣接する磁石5間に少なくとも一対の右延在爪状突起部11と左延在爪状突起部21とが介在して両側の磁石5のそれぞれに個別に当接するように、爪状突起部を形成しない突起部非形成鋼板が複数層積層された間に右延在爪状突起部11を形成した鋼板と左延在爪状突起部21を形成した鋼板とを適宜に挿入配置した構成とすることも可能である。
本発明の実施の形態1における回転電機用回転子の全体を示す斜視図である。 同回転子を軸方向から見た平面図である。 同回転子の積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図である。 同回転子における積層鉄心への磁石の組み付け状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において、積層鉄心に磁石を固定する手順の説明図である。 本発明の実施の形態1の鋼板に設けた爪状突起部の変形例を示す平面図である。 本発明の実施の形態1における積層鉄心の各1層分の鋼板の変形例を示す平面図である。 図7に示す鋼板を積層した積層鉄心に磁石を固定した状態を軸方向から見た平面図である。 本発明の実施の形態2の回転電機用回転子における積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図である。 本発明の実施の形態2において、各鋼板に設けた挿通穴の変形例を示す平面図である。 本発明の実施の形態3の回転電機用回転子における積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図である。 本発明の実施の形態3における鋼板の断面図であり、同図(a)は図11(a)のA−A線に沿った断面図、同図(b)は図11(a)のB−B線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態4の積層鉄心における各1層分の鋼板を示す平面図である。 図13に示した鋼板を積層して構成された積層鉄心に磁石を組み付けるための積層状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5の回転電機用回転子における積層鉄心の各1層分の鋼板を示す平面図である。 本発明の実施の形態5において、積層鉄心に磁石を固定する手順の説明図である。
符号の説明
1 積層鉄心、2 貫通孔、3 シャフト、5 磁石、
10 第1の鋼板(突起部形成鋼板)、11 右延在爪状突起部、12 挿通穴、
12b 曲線部分、12c 直線部分、13 凸部、14 長穴、
20 第2の鋼板(突起部形成鋼板)、21 左延在爪状突起部、22 挿通穴、
22b 曲線部分、22c 直線部分、23 凸部、24 長穴。

Claims (3)

  1. 中心部にシャフトが貫通する貫通孔が設けられた略円筒状の積層鉄心を備え、この積層鉄心の外周部には周方向に沿って略円弧状の磁石が複数配設された回転電機用回転子において、上記積層鉄心は、その中心部に上記シャフトの挿通穴が形成された略円板状の鋼板を多数積層して構成されており、これらの各鋼板の内には、周方向において互いに隣接する磁石間に位置し、かつ、各鋼板を周方向に沿って回転することにより隣接する両側の磁石の内の片側の磁石にのみ当接する爪状突起部が外周部に形成されてなる突起部形成鋼板が含まれており、上記爪状突起部が互いに隣接する磁石間に少なくとも2箇所介在して両側の磁石のそれぞれに個別に当接するように上記突起部形成鋼板がいずれかの層に設けられていることを特徴とする回転電機用回転子。
  2. 上記各鋼板に設けられる上記シャフトの挿通穴は、曲線部分と直線部分とを組み合わせて連続的に形成された形状であることを特徴とする請求項1記載の回転電機用回転子。
  3. 上記爪状突起部が互いに隣接する磁石間に少なくとも2箇所介在されるように設けられている一対の突起部形成鋼板が積層方向に互いに隣接している場合、一方の磁石に当接する突起部形成鋼板には上記挿通穴の周縁部に円形の凸部が形成され、また、他方の磁石に当接する突起部形成鋼板には上記凸部が嵌合される長穴が上記挿通穴の周縁部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電機用回転子。
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