JP2004222344A - 回転電機用ロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータコアの外周に磁石を接着してなる回転電機用ロータにおいて、磁石の位置決め精度を高めること。
【解決手段】ロータコア20を構成する一連の鋼板のうち、積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される鋼板のみに永久磁石30の位置決めの衝となる突起を形成し、積層された鋼板の突起によりロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近の外周に形成された突起20aに磁石30を当接させることにより、磁石30を位置決めする。
【選択図】 図1
【解決手段】ロータコア20を構成する一連の鋼板のうち、積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される鋼板のみに永久磁石30の位置決めの衝となる突起を形成し、積層された鋼板の突起によりロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近の外周に形成された突起20aに磁石30を当接させることにより、磁石30を位置決めする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機または発電機として用いられる回転電機のロータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動機または発電機に用いるロータとして、図5(A)及び(B)に示したように、多数枚の鋼板1を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコア2と、このロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、ロータコア2の外周に接着された複数の永久磁石3,3,…と、ロータコア2の軸心部に取り付けられた回転軸4とを備えたものが用いられている。
【0003】
この種のロータを用いた回転電機では、コギングトルクの低減を図るために、ロータ及びステータを構成する各部品に高い加工精度が要求され、部品の組み立てにも高い精度が要求される。ロータについては、コギングトルクを低減するために、各永久磁石を正規位置に高い精度で位置決めした状態でコアに固定することが要求される。
【0004】
そのため、ロータコア2を構成する各鋼板1に磁石を位置決めするための突起を設けておいて、コアを構成する一連の鋼板を、それぞれの突起の位置を揃えた状態で(突起を軸線方向に整列させた状態で)積層することによりロータコア2の外周に軸線方向に連続して延びる突起2a,2a,…を形成し、これらの突起に磁石3,3,…を当接させることにより各磁石の位置決めを図っている。
【0005】
図6は図5(A)のZ部の拡大図で、各磁石3は、ロータコア2の外周を軸線方向(鋼板の積層方向)に延びる突起2a,2aの間に配置されている。各磁石3は、その両側の突起2a,2aのうちの一方(図6の例では上方に示された突起2a)の側(図5Bの矢印H側)に片寄せた状態で配置されて、ロータコアの周方向の一方の側から該一方の突起2aに当接されることにより位置決めされている。
【0006】
上記のロータと同様に、鋼板の積層体からなるロータコアの外周に設けた突起に永久磁石を当接させることにより磁石の位置決めを図った回転電機用ロータは、例えば特許文献1に示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−190039号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構造の回転電機用ロータでは、鋼板の突起の位置を揃えて積層することによりロータコアを構成する工程で、一部の鋼板の突起の位置がずれると、ロータコア2の外周に形成された突起2aの一部に出っ張りが形成される。このように、ロータコア2の外周の突起2aの一部に出っ張りが形成されると、磁石3は、突起2aの出っ張った部分により位置決めされるが、突起2aの出っ張りが形成される位置はまちまちであるため、磁石3と突起2aとの間に形成されるクリアランスが図6に示すΔt,Δt´のようにばらついたり、磁石3が正規の位置に対してずれたり傾いたりした状態で接着されたりすることがあった。このように、磁石3が正規の位置に対してずれたり傾いたりした状態でロータコアに取り付けられると、コギングトルクが増加するため好ましくなかった。
【0009】
本発明の目的は、磁石の位置決め精度を高めることができるようにした回転電機用ロータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコアと、ロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、ロータコアの外周に接着された複数の永久磁石とを備えた回転電機用ロータを対象とする。
【0011】
本発明においては、ロータコアを構成する鋼板のうち、積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される鋼板のみに永久磁石の位置決めの衝(位置決めの基準となる部分)となる突起または凹部が形成され、永久磁石は前記突起または凹部を衝として位置決めされてロータコアに接着される。
【0012】
上記突起または凹部は、ロータコアの外周に配置される永久磁石の数と同じ数だけ、等角度間隔で設けられる。
【0013】
このように、ロータコアの積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される鋼板のみに、磁石を位置決めするための衝として用いる突起または凹部を設けると、鋼板を積層する際に位置決め用の突起または凹部の位置がずれる確率を少なくすることができるため、磁石の位置決め精度を高めることができる。
【0014】
ロータコアを構成する鋼板の全枚数をN、ロータコアの積層方向の一端付近に配置される第1の鋼板の枚数をn1 (n1 は1以上の整数)、積層方向の他端付近に配置される第1の鋼板の枚数をn2 (n2 は1以上の整数)、第2の鋼板の枚数をN−n1 −n2 とした場合、本発明においては、N−n1 −n2 >>n1 及びN−n1 −n2 >>n2 の関係が成立するようにN,n1 及びn2 の値が設定される。
【0015】
本発明においては、第1の鋼板の数n1 +n2 が少なれば少ないほど磁石3の位置決め精度が高くなる。磁石の位置決め精度を高くするためには、磁石の位置決め精度を決定する要因として、磁石を位置決めする際の衝が設けられる第1の鋼板を積層する際の位置決め精度が支配的になることがないようにする必要がある。そのため、第2の鋼板の数N−n1 −n2 は、少なくとも第1の鋼板の総数n1 +n2 よりも多くすることが望ましい。即ち、N−n1 −n2 >n1 +n2 の関係[N>2(n1 +n2 )の関係]が成立するように、第1の鋼板の数と第2の鋼板の数との関係を設定するのが好ましい。
【0016】
本発明の好ましい態様では、積層方向の一端側に配置される第1の鋼板の枚数n1 と積層方向の他端側に配置される第1の鋼板の枚数n2 とが等しく設定される。
【0017】
本発明の好ましい態様では、上記衝が突起からなり、永久磁石はロータコアの周方向の一方の側から該突起に当接された状態で位置決めされる。
【0018】
本発明の他の好ましい態様では、衝が凹部からなり、永久磁石は該凹部に嵌合されたキーにロータコアの周方向の一方の側から当接されて位置決めされる。
【0019】
衝として凹部を用いる場合、該凹部は、磁石を位置決めする際に該磁石に当接させられる磁石位置決め用治具を挿入し得るように設けてもよい。このように衝として用いる凹部を設ける場合には、磁石を位置決めしてロータコアに接着する間だけ凹部に磁石位置決め用凹部が嵌合される。
【0020】
本発明の他の好ましい態様では、ロータコアを構成する一連の鋼板のそれぞれの外周に永久磁石と同数の凹部が等角度間隔で形成されて、積層された一連の鋼板の凹部によりロータコアの外周に永久磁石と同数の溝が等角度間隔で形成される。この場合、永久磁石は、ロータコアの外周に形成された溝の一端側の部分及び他端側の部分をそれぞれ衝として位置決めされる。
【0021】
この場合、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側で、上記溝にキーを圧入して、これらのキーに、ロータコアの周方向の一方の側から磁石を当接させることにより、該磁石を位置決めするようにするのが好ましい。
【0022】
このように構成した場合も、鋼板を積層してロータコアを構成する際に、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側で鋼板の積層精度を高める配慮をすることにより、ロータコアの外周の各溝の一端側及び他端側の部分の位置精度を高めることができるため、各溝の一端側の部分及び他端側の部分のみを衝として用いることにより、磁石の位置決め精度を高めることができる。
【0023】
またこのように構成すると、ロータコアを構成する鋼板として外周部に凹部が等角度間隔で形成された同じ鋼板を用いることができるため、鋼板の種類を少なくしてコストの低減を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図1ないし図4を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係わるロータの側面図、図1(B)は図1(A)のロータの正面図、図2(A)及び(B)は図1のロータのロータコアを構成する突起付きの鋼板及び突起を有しない鋼板を示した正面図、図3(A)及び(B)は、本発明の第2の実施形態に係わるロータの側面図及び正面図、図4は図3のロータを構成するために用いる凹部付きの鋼板の正面図である。
【0025】
図1(A)及び(B)に示されたロータは、例えば、ブラシレス直流電動機に用いられるもので、多数枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコア20と、ロータコア20の周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、ロータコア20の外周に接着された複数の永久磁石30,30,…と、ロータコア20の軸心部に取り付けられた回転軸40とを備えている。
【0026】
ロータコア20は、図2(A)に示す第1の鋼板21と、図2(B)に示す第2の鋼板22とを軸線方向に積層することにより構成される。
【0027】
ロータコア20を構成する鋼板のうち、積層方向の一端付近に配置されるn1 枚(n1 は1以上の整数)の第1の鋼板21及び積層方向の他端付近に配置されるn2 枚(n2 は1以上の整数)の第1の鋼板21は、図2(A)に示すように、永久磁石3の位置決めの衝となる突起21a,21a,…が、磁石30の数(図示の例では10個)と同数だけ外周部に形成された半径がrの鋼板からなっていて、その中心部には、回転軸4の外周に等角度間隔で設けられた多数の溝に食い込む突起を内周部に有する回転軸取付け孔21bが設けられている。磁石30を位置決めするための衝となる一連の突起21a,21a,…は、鋼板21の周方向に等角度間隔で並ぶように設けられていて、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側でこれらの突起の位置を揃えた状態で第1の鋼板21,21,…が積層されることにより、ロータコア20の軸線方向の両端の外周に磁石位置決め用の突起20a,20a,…が等角度間隔で形成されている。
【0028】
またロータコアの積層方向の一端付近及び他端付近以外の部分に配置される第2の鋼板22は、図2(B)に示すように、円形の輪郭形状を有する鋼板からなっていて、その中央部には、回転軸4の外周に等角度間隔で設けられた多数の溝に食い込む突起を内周部に有する回転軸取付け孔22bが設けられている。第2の鋼板22の半径rは第1の鋼板21の半径に等しく設定されている。
【0029】
図1(B)においてロータコア20の外周の突起20a,20a,…相互間に位置する部分が磁石接着面20c,20c,…となっており、これらの磁石接着面に永久磁石30,30,…が接着される。図示の例では、各永久磁石30が円弧状の断面形状を有しているため、各磁石接着面20cは各永久磁石の内周面に沿うように円筒面状に形成されている。
【0030】
なお各永久磁石30のロータコア側の面が平坦に形成される場合には、各磁石接着面20cも平坦に形成される。
【0031】
各永久磁石30は、第1の鋼板21の突起21aによりロータコアの軸線方向の両端の外周に形成された所定の突起20aの側面に、ロータコアの周方向の一方の側から当接されて(各磁石30の両側に配置された突起20a,20aのうちの一方の側面に当接されて)位置決めされた状態で、ロータコアの外周の所定の磁石接着面20cに接着されている。
【0032】
本発明においては、図1(A)に示したように、ロータコア2を構成する鋼板の全枚数をN、ロータコアの軸線方向(積層方向)の一端付近に配置される第1の鋼板21の枚数をn1 (n1 は1以上の整数)、ロータコアの軸線方向の他端付近に配置される第1の鋼板21の枚数をn2 (n2 は1以上の整数)、ロータコアの一端付近及び他端付近以外の部分に配置される第2の鋼板22の枚数をN−n1 −n2 とした場合に、N−n1 −n2 >>n1 及びN−n1 −n2 >>n2 の関係が成立するようにN,n1 及びn2 の値が設定される。
【0033】
本発明においては、第1の鋼板の数が少なれば少ないほど磁石3の位置決め精度が高まる。磁石の位置決め精度を高めるためには、磁石の位置決め精度を決定する要因として、磁石を位置決めする際の衝が設けられる第1の鋼板を積層する際の位置決め精度(第1の鋼板相互間の位置精度)が支配的になることがないようにすることが望ましい。従って、第2の鋼板の数N−n1 −n2 は、少なくとも第1の鋼板の総数n1 +n2 よりも多くすることが望ましい。即ち、N−n1 −n2 >n1 +n2 の関係[N>2(n1 +n2 )の関係]が成立するように、第1の鋼板の数と第2の鋼板の数との関係を設定するのが好ましい。
【0034】
上記のように、本実施形態では、ロータコアの積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される少数の第1の鋼板21のみに、磁石を位置決めするための衝として用いる突起を設けたことにより、ロータコアを構成する鋼板を積層する際に、位置決め用の突起の位置がずれる確率(ロータコアの外周に形成される位置決め用の突起20aの側面から突起21aが出っ張る確率)を少なくすることができるため、従来のこの種の回転電機用ロータに比べて、磁石の位置決め精度を飛躍的に高めることができる。
【0035】
上記の実施形態では、磁石の位置決めの衝として、第1の鋼板の外周部に設けた突起21aを用いるようにしたが、第1の鋼板の外周部に凹部を設けて、この凹部を衝として磁石を位置決めするようにすることもできる。
【0036】
図3(A),(B)及び図4は、第1の鋼板の外周部に設けた凹部を衝として磁石を位置決めするようにした本発明の第2の実施形態を示したものである。本実施形態では、図4に示すように、外周部に、等角度間隔で配置された磁石3と同数の凹部21a´,21a´,…を有し、中央部に回転軸取り付け孔21bを有する第1の鋼板21´と、図2(B)に示した第2の鋼板22とを積層することによりロータコア20´が構成されている。第1の鋼板21´の半径rは第2の鋼板22の半径に等しく設定されている。
【0037】
そして、第1の鋼板の外周の凹部21a´によりロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近の外周にそれぞれ形成された溝内にキー23が圧入され、各磁石30の長手方向の両端が、ロータコアの周方向の一方の側から、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側にそれぞれ配置されたキー23,23の側面に当接されることにより各永久磁石が位置決めされてロータコア20に接着されている。その他の点は図1及び図2に示した実施の形態と同様である。
【0038】
上記のように、ロータコアを構成する鋼板の外周に設けた凹部を磁石位置決め用の衝として用いる場合、必ずしも上記のようにロータコアの外周に形成した溝内にキーを圧入する必要はなく、ロータコアの外周の溝内に挿入した磁石位置決め用の治具(上記キー23に相当するもの)に磁石を当接させることにより磁石を位置決めし、磁石をロータコアに固定する接着剤が硬化した後に該治具を取り外すようにしてもよい。
【0039】
図3に示した例では、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側にそれぞれ配置される鋼板の外周のみに磁石位置決め用の衝として用いる凹部を形成するようにしたが、ロータコアを構成するすべてのコアの外周部に磁石と同数の凹部を等角度間隔で形成して、これらの凹部によりロータコアの外周を軸線方向に延びる複数の(磁石と同数の)溝を等角度間隔で形成し、これらの溝の一端付近の部分及び他端付近の部分のみを磁石位置決め用の衝として用いる(即ち、ロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近に配置された鋼板に設けられた凹部のみを磁石位置決め用の衝として用いる)ことによっても、磁石の位置決め精度を高めることができる。
【0040】
この場合は、図4に示した鋼板21´のみを用いてロータコアを構成し、一連の鋼板を積層してロータコアを構成する過程で、ロータコアの軸線方向の一端側のn1 枚の鋼板の積層精度及び他端側のn2 枚の鋼板の積層精度を高める配慮をすることにより、ロータコアの外周に形成される各溝の一端側の部分及び他端側の部分の位置精度を高めておく。
【0041】
上記のように、ロータコアを構成するすべての鋼板に凹部を設けて、ロータコアの外周に形成した溝の一端側の部分及び他端側の部分のみを磁石位置決め用の衝として用いる場合も、磁石の位置決めの仕方は前記と同様である。
【0042】
即ち、ロータコアの外周に形成された溝の両端にそれぞれ圧入したキーにロータコアの周方向の一方の側から磁石を当接させることにより磁石を位置決めするようにしてもよく、ロータコアの外周に形成された溝の両端にそれぞれ挿入した治具に磁石を当接させることにより磁石を位置決めするようにしてもよい。
【0043】
上記のように、ロータコアを構成する鋼板のすべてに凹部を形成するようにすると、ロータコアを1種類の鋼板により構成することができるため、鋼板打ち抜き用の型の種類を少なくしてコストの低減を図ることができる。
【0044】
上記の各実施形態では、ロータコアの外周に10個の永久磁石を固定するようにしたが、ロータコアの外周に固定される磁石の数は任意である。
【0045】
上記の説明では、本発明に係わるロータがブラシレス直流電動機等に用いられるとしたが、本発明は、交流同期電動機やブラシ付きの直流電動機等の他の形式の電動機のロータや、磁石発電機のロータ等にも適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近を構成する鋼板のみに、磁石位置決め用の衝として用いられる突起または凹部を設けるようにしたので、鋼板を積層する際に磁石位置決め用の衝として用いる突起または凹部の位置がずれる確率を少なくして、磁石の位置決め精度を高めることができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施形態に係わるロータの右側面図、(B)は(A)のロータの正面図である。
【図2】(A)及び(B)はそれぞれ図1のロータのロータコアを構成する突起付きの第2の鋼板及び突起を有しない第1の鋼板を示した正面図である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ、本発明の第2の実施形態に係わるロータの右側面図及び正面図である。
【図4】図3に示したロータを構成するために用いる凹部付きの第2の鋼板の正面図である。
【図5】(A)及び(B)はそれぞれ従来の回転電機用ロータの右側面図及び正面図である。
【図6】図5(A)のZ部の拡大図である。
【符号の説明】
20…ロータコア、21,21´…第1の鋼板、21a…突起、21a´…凹部、22…第2の鋼板、23…キー、30…永久磁石、40…回転軸。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機または発電機として用いられる回転電機のロータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動機または発電機に用いるロータとして、図5(A)及び(B)に示したように、多数枚の鋼板1を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコア2と、このロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、ロータコア2の外周に接着された複数の永久磁石3,3,…と、ロータコア2の軸心部に取り付けられた回転軸4とを備えたものが用いられている。
【0003】
この種のロータを用いた回転電機では、コギングトルクの低減を図るために、ロータ及びステータを構成する各部品に高い加工精度が要求され、部品の組み立てにも高い精度が要求される。ロータについては、コギングトルクを低減するために、各永久磁石を正規位置に高い精度で位置決めした状態でコアに固定することが要求される。
【0004】
そのため、ロータコア2を構成する各鋼板1に磁石を位置決めするための突起を設けておいて、コアを構成する一連の鋼板を、それぞれの突起の位置を揃えた状態で(突起を軸線方向に整列させた状態で)積層することによりロータコア2の外周に軸線方向に連続して延びる突起2a,2a,…を形成し、これらの突起に磁石3,3,…を当接させることにより各磁石の位置決めを図っている。
【0005】
図6は図5(A)のZ部の拡大図で、各磁石3は、ロータコア2の外周を軸線方向(鋼板の積層方向)に延びる突起2a,2aの間に配置されている。各磁石3は、その両側の突起2a,2aのうちの一方(図6の例では上方に示された突起2a)の側(図5Bの矢印H側)に片寄せた状態で配置されて、ロータコアの周方向の一方の側から該一方の突起2aに当接されることにより位置決めされている。
【0006】
上記のロータと同様に、鋼板の積層体からなるロータコアの外周に設けた突起に永久磁石を当接させることにより磁石の位置決めを図った回転電機用ロータは、例えば特許文献1に示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−190039号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構造の回転電機用ロータでは、鋼板の突起の位置を揃えて積層することによりロータコアを構成する工程で、一部の鋼板の突起の位置がずれると、ロータコア2の外周に形成された突起2aの一部に出っ張りが形成される。このように、ロータコア2の外周の突起2aの一部に出っ張りが形成されると、磁石3は、突起2aの出っ張った部分により位置決めされるが、突起2aの出っ張りが形成される位置はまちまちであるため、磁石3と突起2aとの間に形成されるクリアランスが図6に示すΔt,Δt´のようにばらついたり、磁石3が正規の位置に対してずれたり傾いたりした状態で接着されたりすることがあった。このように、磁石3が正規の位置に対してずれたり傾いたりした状態でロータコアに取り付けられると、コギングトルクが増加するため好ましくなかった。
【0009】
本発明の目的は、磁石の位置決め精度を高めることができるようにした回転電機用ロータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコアと、ロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、ロータコアの外周に接着された複数の永久磁石とを備えた回転電機用ロータを対象とする。
【0011】
本発明においては、ロータコアを構成する鋼板のうち、積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される鋼板のみに永久磁石の位置決めの衝(位置決めの基準となる部分)となる突起または凹部が形成され、永久磁石は前記突起または凹部を衝として位置決めされてロータコアに接着される。
【0012】
上記突起または凹部は、ロータコアの外周に配置される永久磁石の数と同じ数だけ、等角度間隔で設けられる。
【0013】
このように、ロータコアの積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される鋼板のみに、磁石を位置決めするための衝として用いる突起または凹部を設けると、鋼板を積層する際に位置決め用の突起または凹部の位置がずれる確率を少なくすることができるため、磁石の位置決め精度を高めることができる。
【0014】
ロータコアを構成する鋼板の全枚数をN、ロータコアの積層方向の一端付近に配置される第1の鋼板の枚数をn1 (n1 は1以上の整数)、積層方向の他端付近に配置される第1の鋼板の枚数をn2 (n2 は1以上の整数)、第2の鋼板の枚数をN−n1 −n2 とした場合、本発明においては、N−n1 −n2 >>n1 及びN−n1 −n2 >>n2 の関係が成立するようにN,n1 及びn2 の値が設定される。
【0015】
本発明においては、第1の鋼板の数n1 +n2 が少なれば少ないほど磁石3の位置決め精度が高くなる。磁石の位置決め精度を高くするためには、磁石の位置決め精度を決定する要因として、磁石を位置決めする際の衝が設けられる第1の鋼板を積層する際の位置決め精度が支配的になることがないようにする必要がある。そのため、第2の鋼板の数N−n1 −n2 は、少なくとも第1の鋼板の総数n1 +n2 よりも多くすることが望ましい。即ち、N−n1 −n2 >n1 +n2 の関係[N>2(n1 +n2 )の関係]が成立するように、第1の鋼板の数と第2の鋼板の数との関係を設定するのが好ましい。
【0016】
本発明の好ましい態様では、積層方向の一端側に配置される第1の鋼板の枚数n1 と積層方向の他端側に配置される第1の鋼板の枚数n2 とが等しく設定される。
【0017】
本発明の好ましい態様では、上記衝が突起からなり、永久磁石はロータコアの周方向の一方の側から該突起に当接された状態で位置決めされる。
【0018】
本発明の他の好ましい態様では、衝が凹部からなり、永久磁石は該凹部に嵌合されたキーにロータコアの周方向の一方の側から当接されて位置決めされる。
【0019】
衝として凹部を用いる場合、該凹部は、磁石を位置決めする際に該磁石に当接させられる磁石位置決め用治具を挿入し得るように設けてもよい。このように衝として用いる凹部を設ける場合には、磁石を位置決めしてロータコアに接着する間だけ凹部に磁石位置決め用凹部が嵌合される。
【0020】
本発明の他の好ましい態様では、ロータコアを構成する一連の鋼板のそれぞれの外周に永久磁石と同数の凹部が等角度間隔で形成されて、積層された一連の鋼板の凹部によりロータコアの外周に永久磁石と同数の溝が等角度間隔で形成される。この場合、永久磁石は、ロータコアの外周に形成された溝の一端側の部分及び他端側の部分をそれぞれ衝として位置決めされる。
【0021】
この場合、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側で、上記溝にキーを圧入して、これらのキーに、ロータコアの周方向の一方の側から磁石を当接させることにより、該磁石を位置決めするようにするのが好ましい。
【0022】
このように構成した場合も、鋼板を積層してロータコアを構成する際に、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側で鋼板の積層精度を高める配慮をすることにより、ロータコアの外周の各溝の一端側及び他端側の部分の位置精度を高めることができるため、各溝の一端側の部分及び他端側の部分のみを衝として用いることにより、磁石の位置決め精度を高めることができる。
【0023】
またこのように構成すると、ロータコアを構成する鋼板として外周部に凹部が等角度間隔で形成された同じ鋼板を用いることができるため、鋼板の種類を少なくしてコストの低減を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図1ないし図4を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係わるロータの側面図、図1(B)は図1(A)のロータの正面図、図2(A)及び(B)は図1のロータのロータコアを構成する突起付きの鋼板及び突起を有しない鋼板を示した正面図、図3(A)及び(B)は、本発明の第2の実施形態に係わるロータの側面図及び正面図、図4は図3のロータを構成するために用いる凹部付きの鋼板の正面図である。
【0025】
図1(A)及び(B)に示されたロータは、例えば、ブラシレス直流電動機に用いられるもので、多数枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコア20と、ロータコア20の周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、ロータコア20の外周に接着された複数の永久磁石30,30,…と、ロータコア20の軸心部に取り付けられた回転軸40とを備えている。
【0026】
ロータコア20は、図2(A)に示す第1の鋼板21と、図2(B)に示す第2の鋼板22とを軸線方向に積層することにより構成される。
【0027】
ロータコア20を構成する鋼板のうち、積層方向の一端付近に配置されるn1 枚(n1 は1以上の整数)の第1の鋼板21及び積層方向の他端付近に配置されるn2 枚(n2 は1以上の整数)の第1の鋼板21は、図2(A)に示すように、永久磁石3の位置決めの衝となる突起21a,21a,…が、磁石30の数(図示の例では10個)と同数だけ外周部に形成された半径がrの鋼板からなっていて、その中心部には、回転軸4の外周に等角度間隔で設けられた多数の溝に食い込む突起を内周部に有する回転軸取付け孔21bが設けられている。磁石30を位置決めするための衝となる一連の突起21a,21a,…は、鋼板21の周方向に等角度間隔で並ぶように設けられていて、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側でこれらの突起の位置を揃えた状態で第1の鋼板21,21,…が積層されることにより、ロータコア20の軸線方向の両端の外周に磁石位置決め用の突起20a,20a,…が等角度間隔で形成されている。
【0028】
またロータコアの積層方向の一端付近及び他端付近以外の部分に配置される第2の鋼板22は、図2(B)に示すように、円形の輪郭形状を有する鋼板からなっていて、その中央部には、回転軸4の外周に等角度間隔で設けられた多数の溝に食い込む突起を内周部に有する回転軸取付け孔22bが設けられている。第2の鋼板22の半径rは第1の鋼板21の半径に等しく設定されている。
【0029】
図1(B)においてロータコア20の外周の突起20a,20a,…相互間に位置する部分が磁石接着面20c,20c,…となっており、これらの磁石接着面に永久磁石30,30,…が接着される。図示の例では、各永久磁石30が円弧状の断面形状を有しているため、各磁石接着面20cは各永久磁石の内周面に沿うように円筒面状に形成されている。
【0030】
なお各永久磁石30のロータコア側の面が平坦に形成される場合には、各磁石接着面20cも平坦に形成される。
【0031】
各永久磁石30は、第1の鋼板21の突起21aによりロータコアの軸線方向の両端の外周に形成された所定の突起20aの側面に、ロータコアの周方向の一方の側から当接されて(各磁石30の両側に配置された突起20a,20aのうちの一方の側面に当接されて)位置決めされた状態で、ロータコアの外周の所定の磁石接着面20cに接着されている。
【0032】
本発明においては、図1(A)に示したように、ロータコア2を構成する鋼板の全枚数をN、ロータコアの軸線方向(積層方向)の一端付近に配置される第1の鋼板21の枚数をn1 (n1 は1以上の整数)、ロータコアの軸線方向の他端付近に配置される第1の鋼板21の枚数をn2 (n2 は1以上の整数)、ロータコアの一端付近及び他端付近以外の部分に配置される第2の鋼板22の枚数をN−n1 −n2 とした場合に、N−n1 −n2 >>n1 及びN−n1 −n2 >>n2 の関係が成立するようにN,n1 及びn2 の値が設定される。
【0033】
本発明においては、第1の鋼板の数が少なれば少ないほど磁石3の位置決め精度が高まる。磁石の位置決め精度を高めるためには、磁石の位置決め精度を決定する要因として、磁石を位置決めする際の衝が設けられる第1の鋼板を積層する際の位置決め精度(第1の鋼板相互間の位置精度)が支配的になることがないようにすることが望ましい。従って、第2の鋼板の数N−n1 −n2 は、少なくとも第1の鋼板の総数n1 +n2 よりも多くすることが望ましい。即ち、N−n1 −n2 >n1 +n2 の関係[N>2(n1 +n2 )の関係]が成立するように、第1の鋼板の数と第2の鋼板の数との関係を設定するのが好ましい。
【0034】
上記のように、本実施形態では、ロータコアの積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される少数の第1の鋼板21のみに、磁石を位置決めするための衝として用いる突起を設けたことにより、ロータコアを構成する鋼板を積層する際に、位置決め用の突起の位置がずれる確率(ロータコアの外周に形成される位置決め用の突起20aの側面から突起21aが出っ張る確率)を少なくすることができるため、従来のこの種の回転電機用ロータに比べて、磁石の位置決め精度を飛躍的に高めることができる。
【0035】
上記の実施形態では、磁石の位置決めの衝として、第1の鋼板の外周部に設けた突起21aを用いるようにしたが、第1の鋼板の外周部に凹部を設けて、この凹部を衝として磁石を位置決めするようにすることもできる。
【0036】
図3(A),(B)及び図4は、第1の鋼板の外周部に設けた凹部を衝として磁石を位置決めするようにした本発明の第2の実施形態を示したものである。本実施形態では、図4に示すように、外周部に、等角度間隔で配置された磁石3と同数の凹部21a´,21a´,…を有し、中央部に回転軸取り付け孔21bを有する第1の鋼板21´と、図2(B)に示した第2の鋼板22とを積層することによりロータコア20´が構成されている。第1の鋼板21´の半径rは第2の鋼板22の半径に等しく設定されている。
【0037】
そして、第1の鋼板の外周の凹部21a´によりロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近の外周にそれぞれ形成された溝内にキー23が圧入され、各磁石30の長手方向の両端が、ロータコアの周方向の一方の側から、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側にそれぞれ配置されたキー23,23の側面に当接されることにより各永久磁石が位置決めされてロータコア20に接着されている。その他の点は図1及び図2に示した実施の形態と同様である。
【0038】
上記のように、ロータコアを構成する鋼板の外周に設けた凹部を磁石位置決め用の衝として用いる場合、必ずしも上記のようにロータコアの外周に形成した溝内にキーを圧入する必要はなく、ロータコアの外周の溝内に挿入した磁石位置決め用の治具(上記キー23に相当するもの)に磁石を当接させることにより磁石を位置決めし、磁石をロータコアに固定する接着剤が硬化した後に該治具を取り外すようにしてもよい。
【0039】
図3に示した例では、ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側にそれぞれ配置される鋼板の外周のみに磁石位置決め用の衝として用いる凹部を形成するようにしたが、ロータコアを構成するすべてのコアの外周部に磁石と同数の凹部を等角度間隔で形成して、これらの凹部によりロータコアの外周を軸線方向に延びる複数の(磁石と同数の)溝を等角度間隔で形成し、これらの溝の一端付近の部分及び他端付近の部分のみを磁石位置決め用の衝として用いる(即ち、ロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近に配置された鋼板に設けられた凹部のみを磁石位置決め用の衝として用いる)ことによっても、磁石の位置決め精度を高めることができる。
【0040】
この場合は、図4に示した鋼板21´のみを用いてロータコアを構成し、一連の鋼板を積層してロータコアを構成する過程で、ロータコアの軸線方向の一端側のn1 枚の鋼板の積層精度及び他端側のn2 枚の鋼板の積層精度を高める配慮をすることにより、ロータコアの外周に形成される各溝の一端側の部分及び他端側の部分の位置精度を高めておく。
【0041】
上記のように、ロータコアを構成するすべての鋼板に凹部を設けて、ロータコアの外周に形成した溝の一端側の部分及び他端側の部分のみを磁石位置決め用の衝として用いる場合も、磁石の位置決めの仕方は前記と同様である。
【0042】
即ち、ロータコアの外周に形成された溝の両端にそれぞれ圧入したキーにロータコアの周方向の一方の側から磁石を当接させることにより磁石を位置決めするようにしてもよく、ロータコアの外周に形成された溝の両端にそれぞれ挿入した治具に磁石を当接させることにより磁石を位置決めするようにしてもよい。
【0043】
上記のように、ロータコアを構成する鋼板のすべてに凹部を形成するようにすると、ロータコアを1種類の鋼板により構成することができるため、鋼板打ち抜き用の型の種類を少なくしてコストの低減を図ることができる。
【0044】
上記の各実施形態では、ロータコアの外周に10個の永久磁石を固定するようにしたが、ロータコアの外周に固定される磁石の数は任意である。
【0045】
上記の説明では、本発明に係わるロータがブラシレス直流電動機等に用いられるとしたが、本発明は、交流同期電動機やブラシ付きの直流電動機等の他の形式の電動機のロータや、磁石発電機のロータ等にも適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ロータコアの軸線方向の一端付近及び他端付近を構成する鋼板のみに、磁石位置決め用の衝として用いられる突起または凹部を設けるようにしたので、鋼板を積層する際に磁石位置決め用の衝として用いる突起または凹部の位置がずれる確率を少なくして、磁石の位置決め精度を高めることができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施形態に係わるロータの右側面図、(B)は(A)のロータの正面図である。
【図2】(A)及び(B)はそれぞれ図1のロータのロータコアを構成する突起付きの第2の鋼板及び突起を有しない第1の鋼板を示した正面図である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ、本発明の第2の実施形態に係わるロータの右側面図及び正面図である。
【図4】図3に示したロータを構成するために用いる凹部付きの第2の鋼板の正面図である。
【図5】(A)及び(B)はそれぞれ従来の回転電機用ロータの右側面図及び正面図である。
【図6】図5(A)のZ部の拡大図である。
【符号の説明】
20…ロータコア、21,21´…第1の鋼板、21a…突起、21a´…凹部、22…第2の鋼板、23…キー、30…永久磁石、40…回転軸。
Claims (9)
- 多数枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコアと、前記ロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、前記ロータコアの外周に接着された複数の永久磁石とを備えた回転電機用ロータにおいて、
前記ロータコアを構成する鋼板のうち、前記積層方向の一端付近及び他端付近にそれぞれ配置される鋼板のみに前記永久磁石の位置決めの衝となる突起または凹部が形成され、
前記永久磁石は前記突起または凹部を衝として位置決めされて前記ロータコアに接着されていること、
を特徴とする回転電機用ロータ。 - N枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコアと、前記ロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、前記ロータコアの外周に接着された複数の永久磁石とを備えた回転電機用ロータにおいて、
前記ロータコアを構成する鋼板のうち、前記積層方向の一端付近に配置されるn1 枚(n1 は1以上の整数)の鋼板及び前記積層方向の他端付近に配置されるn2 枚(n2 は1以上の整数)の鋼板は、前記永久磁石の位置決めの衝となる該永久磁石と同数の突起または凹部が外周部に等角度間隔で形成された第1の鋼板からなり、
前記n1 枚の鋼板及びn2 枚の鋼板以外の他のN−n1 −n2 枚の鋼板は外周に衝としての突起または凹部を有しない第2の鋼板からなり、
前記永久磁石は、前記積層方向の一端及び他端に配置された第1の鋼板の突起または凹部を衝として位置決めされ、
前記n1 ,n2 及びNの間にN−n1 −n2 >>n1 及びN−n1 −n2 >>n2 の関係が成立するようにN,n1 及びn2 の値が設定されていること、
を特徴とする回転電機用ロータ。 - N枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコアと、前記ロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、前記ロータコアの外周に接着された複数の永久磁石とを備えた回転電機用ロータにおいて、
前記ロータコアを構成する鋼板のうち、前記積層方向の一端付近に配置されるn1 枚(n1 は1以上の整数)の鋼板及び前記積層方向の他端付近に配置されるn2 枚(n2 は1以上の整数)の鋼板は、前記永久磁石の位置決めの衝となる該永久磁石と同数の突起または凹部が外周部に等角度間隔で形成された第1の鋼板からなり、
前記n1 枚の鋼板及びn2 枚の鋼板以外の他のN−n1 −n2 枚の鋼板は外周に衝としての突起または凹部を有しない第2の鋼板からなり、
前記永久磁石は、前記積層方向の一端及び他端に配置された第1の鋼板の突起または凹部を衝として位置決めされ、
前記n1 ,n2 及びNの間にN>2(n1 +n2 )の関係が成立するように前記N,n1 及びn2 の値が設定されていること、
を特徴とする回転電機用ロータ。 - 前記n1 とn2 とは等しく設定されている請求項2または3に記載の回転電機用ロータ。
- 前記衝は突起からなり、前記永久磁石は前記ロータコアの周方向の一方の側から前記突起に当接された状態で位置決めされている請求項1,2,3または4に記載の回転電機用ロータ。
- 前記衝は凹部からなり、前記永久磁石は前記凹部に嵌合されたキーに前記ロータコアの周方向の一方の側から当接されて位置決めされている請求項1,2,3または4に記載の回転電機用ロータ。
- 前記衝は凹部からなり、前記凹部は、前記磁石を位置決めする際に該磁石に当接させられる磁石位置決め用治具を挿入し得るように設けられている請求項1,2,3または4に記載の回転電機用ロータ。
- 多数枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコアと、前記ロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、前記ロータコアの外周に接着された複数の永久磁石とを備えた回転電機用ロータにおいて、
前記ロータコアを構成する一連の鋼板のそれぞれの外周に前記永久磁石と同数の凹部が等角度間隔で形成されて、前記一連の鋼板の凹部により前記ロータコアの外周に前記磁石と同数の溝が等角度間隔で形成され、
前記永久磁石は、前記ロータコアの外周に形成された溝の一端側の部分及び他端側の部分を衝として位置決めされた状態で、前記ロータコアに接着されていること、
を特徴とする回転電機用ロータ。 - 多数枚の鋼板を一つの軸線に沿う積層方向に沿って積層して構成したロータコアと、前記ロータコアの周方向に等間隔をあけた状態で配置されて、前記ロータコアの外周に接着された複数の永久磁石とを備えた回転電機用ロータにおいて、
前記ロータコアを構成する一連の鋼板のそれぞれの外周に前記永久磁石と同数の凹部が等角度間隔で形成されて、前記一連の鋼板の凹部により前記ロータコアの外周に前記磁石と同数の溝が等角度間隔で形成され、
前記永久磁石は、前記ロータコアの軸線方向の一端側及び他端側にそれぞれ配置されて前記溝に圧入されたキーに、前記ロータコアの周方向の一方の側から当接されて位置決めされた状態で、前記ロータコアに接着されていること、
を特徴とする回転電機用ロータ。
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