JP4642589B2 - 永久磁石式回転子とその製造方法 - Google Patents

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この発明は、永久磁石式回転子とその製造方法に関するものである。
モータに使用される回転子として、積層体からなるロータ鉄心に複数の永久磁石片を埋め込んで構成された永久磁石式回転子が知られている。
一般に、永久磁石式回転子は、ロータ鉄心に複数の磁石挿入孔を設けておき、各磁石挿入孔に永久磁石片を挿入し固定しているが、永久磁石片が磁石挿入孔内でガタ付いてしまってはロータの性能が低下したり、異音が発生してしまう。
この永久磁石片のガタ付きを防止するために、永久磁石片を接着剤で磁石挿入孔に固定する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、ロータ鉄心の磁石挿入孔に永久磁石片と接着剤とを挿入し、積層体であるロータ鉄心の一部を他部に対して回転することにより磁石挿入孔内で永久磁石片を位置決めし、その状態で接着剤を固化して永久磁石片を固定する方法が記載されている。
また、特許文献2には、ロータ鉄心の磁石挿入孔に永久磁石片と接着剤とを挿入し、ロータ鉄心を回転することにより遠心力で永久磁石片を径方向外側に移動させて位置決めし、接着剤を固化して永久磁石片を固定する方法が記載されている。
特開平11−252838号公報 特開平11−252839号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の永久磁石片の固定方法では、永久磁石片の取り付け位置が一定せず、ばらつきがあった。
また、特許文献2に記載された従来の永久磁石片の固定方法では、ロータ鉄心の回転によって一度は永久磁石片を磁石挿入孔内において径方向外側に位置決めできるが、接着剤が固化するまでの間に永久磁石片が動いてしまう場合があり、やはり取り付け位置にばらつきが生じる。
また、特許文献1および特許文献2に開示されたいずれの方法の場合も、磁石挿入孔と永久磁石片の間に挿入し固化させた接着剤が経年変化等によって収縮し、磁石挿入孔と永久磁石片との間に隙間が生じ、永久磁石片がガタ付いて異音が発生する場合がある。
また、前記接着剤を用いる代わりに、永久磁石片を磁石挿入孔内で径方向外側に位置決めした後、磁石挿入孔と永久磁石片との間の隙間に樹脂を充填し固化させて永久磁石片を固定する方法も考えられているが、樹脂を硬化するために熱処理工程が必要になり、生産性が悪かった。
そこで、この発明は、接着剤や樹脂を用いずに永久磁石片を簡単に位置決めし固定することができる永久磁石式回転子とその製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、外周近傍に複数の磁石挿入用開口部(例えば、後述する実施例における磁石挿入孔32)を設けた円板状の鋼板を多数積層してロータ鉄心(例えば、後述する実施例におけるロータ鉄心30)が構成され、前記磁石挿入用開口部に永久磁石片(例えば、後述する実施例における永久磁石片60)が挿入されてなる永久磁石式回転子(例えば、後述する実施例における永久磁石式回転子1)において、前記永久磁石片の外周側側面(例えば、後述する実施例における外周側側面63)は円弧面に形成されており、前記磁石挿入用開口部は周方向幅および径方向幅が共に前記永久磁石片よりも大きく、該磁石挿入用開口部の外周側内壁(例えば、後述する実施例における外周側内壁35)が円弧面に形成されており、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁(例えば、後述する実施例における内周側内壁33)は、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例におけるテーパ面33a,33b)を備え、前記永久磁石片の内周側側面(例えば、後述する実施例における内周側側面61)は、前記永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例におけるテーパ面61a,61b)を備え、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁の前記挟角は前記永久磁石片の内周側側面の前記挟角よりも大きく、前記ロータ鉄心の一部(例えば、後述する実施例における第1積層群30A)が他部(例えば、後述する実施例における第2積層群30B)に対して周方向にずれていて、前記永久磁石片は前記一部の磁石挿入用開口部の内壁と前記他部の磁石挿入用開口部の内壁によって挟持されるとともに、前記永久磁石片の外周側側面が前記磁石挿入用開口部の外周側内壁に密接していることを特徴とする。
このように構成することにより、ロータ鉄心の前記一部の磁石挿入用開口部の内周側内壁の一方のテーパ面と永久磁石片の内周側側面の一方のテーパ面が当接し、ロータ鉄心の前記他部の磁石挿入用開口部の内周側内壁の他方のテーパ面と永久磁石片の内周側側面の他方のテーパ面が当接し、これら当接部でのテーパ作用により永久磁石片が径方向外側に平行移動するので、永久磁石片を磁石挿入用開口部内において径方向外側に位置決めすることができるとともに、磁石挿入用開口部と永久磁石片との間に接着剤や樹脂を充填しなくても永久磁石片を確実にガタ付かないように固定することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記磁石挿入用開口部の外周側内壁の曲率半径と、前記永久磁石片の外周側側面の曲率半径は同一に設定されていることを特徴とする。
このように構成することにより、永久磁石片の外周側側面と磁石挿入用開口部の外周側内壁とを面当接させることができる。
請求項に係る発明は、外周近傍に複数の磁石挿入用開口部(例えば、後述する実施例における磁石挿入孔32)を設けた円板状の鋼板を多数積層してロータ鉄心(例えば、後述する実施例におけるロータ鉄心30)が構成され、前記磁石挿入用開口部に永久磁石片(例えば、後述する実施例における永久磁石片60)が挿入されてなる永久磁石式回転子(例えば、後述する実施例における永久磁石式回転子1)において、複数の前記磁石挿入用開口部は少なくとも前記ロータ鉄心の一部を軸方向に貫通しており、前記永久磁石片の外周側側面(例えば、後述する実施例における外周側側面63)は、該永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例における外周側側面63a,63b)を備え、前記磁石挿入用開口部は周方向幅および径方向幅が共に前記永久磁石片よりも大きく、該磁石挿入用開口部の外周側内壁(例えば、後述する実施例における外周側内壁35)は、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例におけるテーパ面35a,35b)を備え、前記ロータ鉄心の一部(例えば、後述する実施例における第1積層群30A)が他部(例えば、後述する実施例における第2積層群30B)に対して周方向にずれていて、前記永久磁石片は前記一部の磁石挿入用開口部の内壁と前記他部の磁石挿入用開口部の内壁によって挟持されるとともに、前記永久磁石片の外周側側面が前記磁石挿入用開口部の外周側内壁に密接していることを特徴とする。
このように構成することにより、永久磁石片の外周側側面の一方のテーパ面がロータ鉄心の前記一部の磁石挿入用開口部の外周側内壁の一方のテーパ面に当接し、永久磁石片の外周側側面の他方のテーパ面がロータ鉄心の前記他部の磁石挿入用開口部の外周側内壁の他方のテーパ面に当接して、永久磁石片を磁石挿入用開口部内において径方向外側に位置決めすることができるとともに、磁石挿入用開口部と永久磁石片との間に接着剤や樹脂を充填しなくても永久磁石片を確実にガタ付かないように固定することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁(例えば、後述する実施例における内周側内壁33)は、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例におけるテーパ面33a,33b)を備え、前記永久磁石片の内周側側面(例えば、後述する実施例における内周側側面61)は、前記永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例におけるテーパ面61a,61b)を備え、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁の前記挟角は前記永久磁石片の内周側側面の前記挟角よりも大きいことを特徴とする
このように構成することにより、ロータ鉄心の前記一部の磁石挿入用開口部の内周側内壁の一方のテーパ面と永久磁石片の内周側側面の一方のテーパ面が当接し、ロータ鉄心の前記他部の磁石挿入用開口部の内周側内壁の他方のテーパ面と永久磁石片の内周側側面の他方のテーパ面が当接し、これら当接部でのテーパ作用により永久磁石片を径方向外側に平行移動させて、永久磁石片を磁石挿入用開口部内において径方向外側に位置決めすることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記ロータ鉄心は、軸方向両端部に前記磁石挿入用開口部を閉塞する鋼板(例えば、後述する実施例における鋼板30a)を備え、前記磁石挿入用開口部は閉空間であることを特徴する。
このように構成することにより、ロータ鉄心を構成する鋼板によって、永久磁石片を磁石挿入用開口から離脱するのを阻止することができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、前記磁石挿入用開口部を閉塞する鋼板は、前記磁石挿入用開口部が設けられている鋼板と同じ材質からなることを特徴する。
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、前記ロータ鉄心の前記一部にロータシャフト(例えば、後述する実施例におけるロータシャフト10)に対するロータ鉄心の周方向位置を規制する固定手段(例えば、後述する実施例におけるキー36)が設けられていることを特徴する。
このように構成することにより、前記ロータ鉄心の前記一部をロータシャフトに対して周方向に移動不能にすることができる。
請求項に係る発明は、永久磁石片(例えば、後述する実施例における永久磁石片60)の内周側側面(例えば、後述する実施例における内周側側面61)に該永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例におけるテーパ面61a,61b)を備えて該永久磁石片を構成し、前記永久磁石片よりも磁石挿入用開口部(例えば、後述する実施例における磁石挿入孔32)の周方向幅および径方向幅が共に大きく、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁(例えば、後述する実施例における内周側内壁33)が、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面(例えば、後述する実施例におけるテーパ面33a,33b)を備え、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁の前記挟角が前記永久磁石片の内周側側面の前記挟角よりも大きい前記磁石挿入用開口部を外周近傍に複数設けた円板状の鋼板を多数積層してロータ鉄心(例えば、後述する実施例におけるロータ鉄心30)を構成し、前記ロータ鉄心の前記磁石挿入用開口部に前記永久磁石片を挿入し、前記ロータ鉄心を軸方向に複数の積層群に分割してその一部の積層群(例えば、後述する実施例における第2積層群30B)を他の積層群(例えば、後述する実施例における第1積層群30A)に対して周方向にずらし、前記永久磁石片を前記一部の積層群の磁石挿入用開口部内壁と前記他の積層群の磁石挿入用開口部内壁により挟持し、前記永久磁石片を挟持した前記ロータ鉄心をロータシャフト(例えば、後述する実施例におけるロータシャフト10)に圧入することを特徴とする永久磁石式回転子(例えば、後述する実施例における永久磁石式回転子1)の製造方法である。
このように構成することにより、前記請求項1および請求項2に記載の永久磁石式回転子を容易に製造することができる。
請求項1に係る発明によれば、永久磁石片を磁石挿入用開口部内において径方向外側に位置決めすることができるので、回転子の永久磁石片をステータに接近して配置することができ、永久磁石片の磁力を有効に利用することができる。また、磁石挿入用開口部と永久磁石片との間に接着剤や樹脂を充填しなくても永久磁石片を確実にガタ付かないように固定することができる。
また、磁石挿入用開口部内で永久磁石片がガタ付かないので、回転子を回転したときに永久磁石片が磁石挿入用開口部の内壁をたたくこともなく、異音発生を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、永久磁石片の外周側側面と磁石挿入用開口部の外周側内壁とを面当接させることができる。
請求項3および請求項4に係る発明によれば、永久磁石片を磁石挿入用開口部内において径方向外側に位置決めすることができるので、回転子の永久磁石片をステータに接近して配置することができ、永久磁石片の磁力を有効に利用することができる。また、磁石挿入用開口部と永久磁石片との間に接着剤や樹脂を充填しなくても永久磁石片を確実にガタ付かないように固定することができる。
また、磁石挿入用開口部内で永久磁石片がガタ付かないので、回転子を回転したときに永久磁石片が磁石挿入用開口部の内壁をたたくこともなく、異音発生を防止することができる。
請求項5および請求項6に係る発明によれば、ロータ鉄心を構成する鋼板によって、永久磁石片を磁石挿入用開口から離脱するのを阻止することができるので、永久磁石片の離脱防止専用の部材が不要になり、構成が簡単になる。
請求項に係る発明によれば、前記ロータ鉄心の前記一部をロータシャフトに対して周方向に移動不能にすることができるので、前記ロータ鉄心の前記一部に対して前記他部を周方向にずらし易くなる。
請求項に係る発明によれば、前記請求項1および請求項2に記載の永久磁石式回転子を容易に製造することができる。
以下、この発明に係る永久磁石式回転子とその製造方法の実施例を図10および図11の図面を参照して説明する。
初めに、この発明に係る永久磁石式回転子とその製造方法に関連する技術の参考例を図1から図9の図面を参照して説明する。
図1は参考例の永久磁石式回転子(以下、回転子と略す)1の正面図であり、図2は回転子の製造工程を示す部分断面図であって、図2(f)は図1におけるA−A断面図に相当する。
初めに、完成品である回転子1の構成を説明する。回転子1は、ロータシャフト10と、一対の端面板20A,20Bと、ロータ鉄心30と、複数の永久磁極片60と、カラー25とから構成されている。なお、図1では端面板20Bとカラー25を省略している。
ロータシャフト10は、ロータ鉄心30が取り付けられる円筒状の鉄心装着部11を有し、鉄心装着部11の軸方向の一端側には径方向外方に延出する円環状の係止部12が設けられている。
端面板20A,20Bは、例えばオーステナイト系ステンレス鋼SUS304などの非磁性体で構成されていて、円板状をなし、その中央に形成された孔は、ロータシャフト10の鉄心装着部11に圧入する為に、鉄心装着部11の外径より若干小さい内径にされている。端面板20Aは鉄心装着部11の外周に圧入されて係止部12に突き当てられており、端面板20Bは端面板20Aと協働してロータ鉄心30を挟み込むように鉄心装着部11の外周に圧入されている。鉄心装着部11に圧入され端面板20Bの外側に設置されたカラー25は、端面板20A,20Bおよびロータ鉄心30がロータシャフト10から離脱するのを阻止する。
ロータ鉄心30は、円板状のケイ素鋼板(電磁鋼板)を多数積層して構成されている。ロータ鉄心30の中央には、ロータシャフト10の鉄心装着部11が圧入される貫通孔31が設けられている。ロータ鉄心30は、その貫通孔31に鉄心装着部11を圧入してロータシャフト10に固定されている。
ロータ鉄心30の外周近傍には永久磁石片60が挿入される複数の磁石挿入孔(磁石挿入用開口部)32が周方向等間隔に配置されて設けられており、各磁石挿入孔32はロータ鉄心30を軸方向に貫通している。ロータ鉄心30を構成する全ての積層板において磁石挿入孔32は同一形状をなしており、図3(a)に示すように、磁石挿入孔32の内周側内壁33は平坦面に形成され、磁石挿入孔32の周方向両側の側部内壁34,34は内周側内壁33に対して直角をなす面に形成され、磁石挿入孔32の外周側内壁35は径方向外側に膨出する円弧面に形成されている。
図2、図4に示すように、ロータ鉄心30は軸方向に二つの積層群に分割されており、軸方向略中央を境として端面板20Aに近い側が第1積層群(ロータ鉄心の一部)30A、端面板20Bに近い側が第2積層群(ロータ鉄心の他部)30Bとなっている。そして、第1積層群30Aを構成する全ての積層板において磁石挿入孔32の周方向位置は完全に一致しており、第2積層群30Bを構成する全ての積層板において磁石挿入孔32の周方向位置は完全に一致している(以下の説明では、区別する必要がある場合は第1積層群30Aの磁石挿入孔32A、第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bとして記載し、区別する必要がない場合はロータ鉄心30の磁石挿入孔32と記載する)。しかしながら、図3(b)および図4に示すように、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aと第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bは周方向に重複する部分を残しながら周方向に若干ずれており、両磁石挿入孔32A,32Bの周方向重複部分に永久磁石片60が挿入されている。
永久磁石片60は図3(a)に示す断面形状の板状をなし、永久磁石片60の内周側側面61は平坦面に形成され、永久磁石片60の周方向両側の側面62,62は内周側側面61に対して直角をなす面に形成され、永久磁石片60の外周側側面63は径方向外側に膨出する円弧面に形成されている。ここで、永久磁石片60と磁石挿入孔32の寸法関係について説明すると、磁石挿入孔32は周方向幅および径方向幅が共に永久磁石片60よりも大きく、磁石挿入孔32の外周側内壁35の曲率半径は永久磁石片60の外周側側面63の曲率半径よりも大きい。
この永久磁石片60は、図3(b)に示すように、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aの内壁と第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの内壁によって挟持されている。詳述すると、永久磁石片60の外周側側面63は第1積層群30Aにおける磁石挿入孔32Aの外周側内壁35と第2積層群30Bにおける磁石挿入孔32Bの外周側内壁35の両方に密接し、永久磁石片60の内周側側面61と図中左側の側面62とが交差する角部64は第1積層群30Aにおける磁石挿入孔32Aの内周側内壁33に密接し、永久磁石片60の内周側側面61と図中右側の側面62とが交差する角部65は第2積層群30Bにおける磁石挿入孔32Bの内周側内壁33に密接している。
なお、端面板20A,20Bはロータ鉄心30の磁石挿入孔32の両端を塞いで永久磁石片60が磁石挿入孔32から抜け出るのを阻止する。
このように構成された回転子1は、永久磁石片60が磁石挿入孔32内において径方向外側に固定されているので、回転子1の外側に配置されるステータ(図示略)に対して永久磁石片60を接近して配置することができ、永久磁石片60の磁力を有効に利用することができ、この回転子1を備えた回転電機(例えばモーター等)の性能を向上させることができる。
しかも、永久磁石片60は第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aの内壁と第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの内壁によって挟持され固定されているので、磁石挿入孔32と永久磁石片60との間に接着剤や樹脂を充填しなくても永久磁石片60を確実にガタ付かないようにすることができる。
また、磁石挿入孔32内で永久磁石片60がガタ付かず、回転子1を回転したときに永久磁石片60が磁石挿入孔32の内壁をたたくこともないので、異音発生を防止することができ、この回転子1を備えた回転電機(例えばモーター等)の静粛性を向上させることができる。
次に、この回転子1の製造方法を図2を参照して説明する。
まず、図2(a)に示すように、ロータシャフト10の鉄心装着部11に端面板20Aを圧入し係止部12に突き当てた状態に取り付けておく。
次に、ロータ鉄心30を用意し、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aと第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bを完全に重複させ、各磁石挿入孔32に永久磁石片60を挿入する(図2(b)および図3(a)参照)。
次に、図2(c)および図4に示すように、ロータ鉄心30の貫通孔31がずれないようにしながら、第2積層群30Bを第1積層群30Aに対して第2積層群30B側から見て反時計回り方向に回転させる。すると、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aと第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの重複部分が狭まっていき、永久磁石片60の角部64が第1積層群30Aにおける磁石挿入孔32Aの内周側内壁33に接触し、永久磁石片60の角部65が第2積層群30Bにおける磁石挿入孔32Bの内周側内壁33に接触して、永久磁石片60を徐々に径方向外側へと移動させていく。そして、永久磁石片60の外周側側面63が第1積層群30Aにおける磁石挿入孔32Aの外周側内壁35あるいは第2積層群30Bにおける磁石挿入孔32Bの外周側内壁35に接触すると、永久磁石片60の外周側側面63と磁石挿入孔32A,32Bの外周側内壁35は円弧面をなしていて互いに引っ掛かることがないので、永久磁石片60は一番収まりの良い位置まで移動する。この収まりの良い位置において、永久磁石片60の外周側側面63が磁石挿入孔32A,32Bの両外周側内壁35に密接し、永久磁石片60は第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aの内壁と第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの内壁によって挟持されて固定される。図3(b)はこの状態を示している。
次に、この永久磁石片60を備えたロータ鉄心30を、図2(d)に示すようにロータシャフト10の鉄心装着部11に圧入する。
さらに、図2(e)に示すように、端面板20Bを鉄心装着部11に圧入してロータ鉄心30に密接する。
最後に、図2(f)に示すように、カラー25を鉄心装着部11に圧入して端面板20Bに圧接する。これにより、前述した回転子1が完成する。
なお、前述した回転子1では、ロータ鉄心30を軸方向に二つの積層群に分割したが、分割数は三つ以上にすることも可能である。例えば、図5に示すようにロータ鉄心30を軸方向に三つの積層群30C,30D,30Eに分割した場合には、第2積層群30Dを第1積層群30Cおよび第3積層群30Eに対して周方向にずらすことにより、永久磁石片60を各積層群30C〜30Eの磁石挿入孔32の内壁によって挟持することができる。また、図6に示すようにロータ鉄心30を軸方向に四つの積層群30F,30G,30H,30Iに分割した場合には、第2,第4積層群30G、30Iを第1,第3積層群30F,30Hに対して周方向にずらすことにより、永久磁石片60を各積層群30F〜30Iの磁石挿入孔32の内壁によって挟持することができる。つまり、分割数を幾つにしても、互いに隣り合う積層群を周方向にずらせば、永久磁石片60を各積層群の磁石挿入孔の内壁によって挟持することができる。
次に、回転子1の別の製造方法を図7を参照して説明する。ここでは、ロータ鉄心30を軸方向に二つの積層群30A,30Bに分割した場合で説明する。この回転子1の場合には、第1積層群30Aにだけ貫通孔31から中心方向に突出するキー(固定手段)36を一体に形成しておき、ロータ鉄心30の鉄心装着部11にキー36が嵌合するキー溝13を軸方向全長に亘って設けておく。第2積層群30Bにはキーを設けない。
まず、ロータシャフト10の鉄心装着部11に端面板20Aを装着し、さらに、図7(a)に示すように、ロータシャフト10の鉄心装着部11にロータ鉄心30の第1積層群30Aを、キー36をキー溝13に嵌合させながら装着する。
次に、ロータシャフト10の鉄心装着部11に第2積層群30Bを圧入する。その際には第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aと第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bがほぼ重複するように配置する。
次に、重複した磁石挿入孔32A,32Bに永久磁石片60を挿入し、その後、図7(b)に示すように、第2積層群30Bをロータシャフト10に対して図中反時計回り方向に回転する。ロータシャフト10と第1積層群30Aはキー36とキー溝13の嵌合によって回転不能になっているので、第2積層群30Bをロータシャフト10に対して回転させることにより、第2積層群30Bを第1積層群30Aに対して回転させることができる。これにより、前述した製造方法と同様に、永久磁石片60を径方向外側の一番収まりの良い位置まで移動させ、且つ、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aの内壁と第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの内壁によって挟持し固定することができる。
この後、ロータシャフト10の鉄心装着部11に端面板20Bとカラー25を圧入して回転子1が完成する。
ところで、前述した参考例の回転子1では磁石挿入孔32をロータ鉄心30の軸方向に貫通して設けたが、図8に示すように、ロータ鉄心30の軸方向両端部を構成するケイ素鋼板30aには磁石挿入孔32を設けないでおくことにより、磁石挿入孔32の両端をケイ素鋼板30aで閉塞し、磁石挿入孔32を軸方向両端が閉塞された閉空間にしてもよい。このようにすると、前述した端面板20A,20Bを設けずに、永久磁石片60が磁石挿入孔32から離脱するのを阻止することができる。したがって、端面板20A,20Bが不要になり、構成を簡単にすることができる。
次に、図9を参照して他の参考例の回転子1を説明する。図9に示す他の参考例の回転子1が前述した参考例の回転子1と相違する点は、磁石挿入孔32の断面形状と永久磁石片60の断面形状にある。
図9に示す回転子1と図1,図3に示す回転子1との相違点を説明する。図9に示す回転子1において、磁石挿入孔32の周方向両側の側部内壁34,34は径方向外側に進むにしたがって磁石挿入孔32の周方向中央から遠ざかるテーパ面に形成されており、永久磁石片60の周方向両側の側面62,62は径方向外側に進むにしたがって永久磁石片60の周方向中央から遠ざかるテーパ面に形成されていて、磁石挿入孔32の側部内壁34のテーパ角度と永久磁石片60の側面62のテーパ角度は同一に設定されている。
この回転子1では、図9(a)に示すように、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aと第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bを完全に重複させ、各磁石挿入孔32に永久磁石片60を挿入した後、第2積層群30Bを第1積層群30Aに対して図中反時計回り方向に回転すると、図9(b)に示すように、第1積層群30Aにおける磁石挿入孔32Aの左側の側部内壁34と永久磁石片60の周方向左側の側面62が面当接し、第2積層群30Bにおける磁石挿入孔32Bの周方向右側の側部内壁34と永久磁石片60の右側の側面62が面当接し、これら当接面におけるテーパ作用によって永久磁石片60が径方向外側に平行移動し、永久磁石片60の外周側側面63が磁石挿入孔32A,32Bの両外周側内壁35,35に密接する。これにより、永久磁石片60は径方向外側に位置決めされるとともに、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aの内壁と第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの内壁によって挟持され固定される。
なお、図9に示す形態では、磁石挿入孔32の側部内壁34と永久磁石片60の側面62の両方をテーパ面にしているが、少なくとも磁石挿入孔32の外周側内壁35がテーパ面であれば永久磁石片60を径方向外側に平行移動することが可能である。
次に、この発明に係る永久磁石式回転子とその製造方法の実施例を図10および図11の図面を参照して説明する。図10および図11に示すこの発明の実施例の回転子1が前述した参考例の回転子1と相違する点は、磁石挿入孔32の断面形状と永久磁石片60の断面形状にある。
図10に示す実施例の回転子1と図1,図3に示す参考例の回転子1との相違点を説明する。図10に示す回転子1において、磁石挿入孔32の内周側内壁33は、磁石挿入孔32の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面33a,33bから構成されており、永久磁石片60の内周側側面61は永久磁石片60の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面61a,61bから構成されていて、磁石挿入孔32の内周側内壁33の挟角は永久磁石片60の内周側側面61の挟角よりも若干大きく設定されている。また、磁石挿入孔32の外周側内壁35の曲率半径と永久磁石片60の外周側側面63の曲率半径は同一に設定されている。
この回転子1では、図10(a)に示すように、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aと第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bを完全に重複させ、各磁石挿入孔32に永久磁石片60を挿入した後、第2積層群30Bを第1積層群30Aに対して図中反時計回り方向に回転すると、図10(b)に示すように、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aにおける内周側内壁33の左側テーパ面33aと永久磁石片60の内周側側面61の左側テーパ面61aが当接し、第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bにおける内周側内壁33の右側テーパ面33bと永久磁石片60の内周側側面61の右側テーパ面61bが当接し、磁石挿入孔32A,32Bの内周側内壁33a,33bのテーパ作用によって永久磁石片60が径方向外側に平行移動し、永久磁石片60の外周側側面63が磁石挿入孔32A,32Bの両外周側内壁35,35に面当接する。これにより、永久磁石片60は径方向外側に位置決めされるとともに、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aの内壁と第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの内壁によって挟持され固定される。
なお、図10に示す回転子1では、磁石挿入孔32の内周側内壁33と永久磁石片60の内周側側面61の両方をテーパ面にしているが、少なくとも磁石挿入孔32の内周側内壁33がテーパ面であれば永久磁石片60を径方向外側に平行移動することが可能である。
次に、図11に示す回転子1と図10に示す回転子1との相違点を説明する。図10に示す回転子1では、磁石挿入孔32の外周側内壁35と永久磁石片60の外周側側面63が共に円弧面に形成されていたが、図11に示す回転子1では、磁石挿入孔32の外周側内壁35が、磁石挿入孔32の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面35a,35bから構成されており、永久磁石片60の外周側側面63が永久磁石片60の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面63a,63bから構成されていて、磁石挿入孔32の外周側内壁35の挟角と永久磁石片60の外周側側面63の挟角はほぼ同じに設定されている。それ以外の構成は図10に示す回転子1と同じである。
この回転子1では、図11(a)に示すように、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aと第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bを完全に重複させ、各磁石挿入孔32に永久磁石片60を挿入した後、第2積層群30Bを第1積層群30Aに対して図中反時計回り方向に回転すると、図11(b)に示すように、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aにおける内周側内壁33の左側テーパ面33aと永久磁石片60の内周側側面61の左側テーパ面61aが当接し、第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bにおける内周側内壁33の右側テーパ面33bと永久磁石片60の内周側側面61の右側テーパ面61bが当接し、磁石挿入孔32A,32Bの内周側内壁33a,33bのテーパ作用によって永久磁石片60が径方向外側に平行移動し、永久磁石片60の外周側側面63における右側テーパ面63bが第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aにおける外周側内壁35の右側テーパ面35bに当接し、永久磁石片60の外周側側面63における左側テーパ面63aが第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bにおける外周側内壁35の左側テーパ面35aに当接する。これにより、永久磁石片60は径方向外側に位置決めされるとともに、第1積層群30Aの磁石挿入孔32Aの内壁と第2積層群30Bの磁石挿入孔32Bの内壁によって挟持され固定される。
なお、図11に示す回転子1の場合も、図10に示す回転子1の場合と同様に、少なくとも磁石挿入孔32の内周側内壁33がテーパ面であれば永久磁石片60を径方向外側に平行移動することが可能である。
この発明に係る永久磁石式回転子に関連する技術の参考例1の正面図である。 前記参考例1の永久磁石式回転子の製造方法を示す工程図である。 前記参考例1の永久磁石式回転子における永久磁石片固定工程を説明するための部分正面図である。 前記参考例1の永久磁石式回転子における永久磁石片固定工程を説明するための斜視図である。 前記参考例1の永久磁石式回転子の変形例を示す斜視図である。 前記参考例1の永久磁石式回転子の別の変形例を示す斜視図である。 この発明に係る永久磁石式回転子に関連する技術の参考例2とその製造方法を説明するための部分正面図である。 この発明に係る永久磁石式回転子に関連する技術の参考例3の部分断面図である。 この発明に係る永久磁石式回転子に関連する技術の参考例4とその製造方法を説明するための部分正面図である。 この発明に係る永久磁石式回転子の実施例とその製造方法を説明するための部分正面図である。 この発明に係る永久磁石式回転子の実施例とその製造方法を説明するための部分正面図である。
符号の説明
1 永久磁石式回転子
30 ロータ鉄心
30A 第1積層群(ロータ鉄心の一部)
30B 第2積層群(ロータ鉄心の他部)
32,32A,32B 磁石挿入孔(磁石挿入用開口部)
33 内周側内壁
34 側部内壁
35 外周側内壁
35a,35b テーパ面
36 キー(固定手段)
60 永久磁石片
63 外周側側面
63a,63b テーパ面

Claims (8)

  1. 外周近傍に複数の磁石挿入用開口部を設けた円板状の鋼板を多数積層してロータ鉄心が構成され、前記磁石挿入用開口部に永久磁石片が挿入されてなる永久磁石式回転子において、
    前記永久磁石片の外周側側面は円弧面に形成されており、
    前記磁石挿入用開口部は周方向幅および径方向幅が共に前記永久磁石片よりも大きく、該磁石挿入用開口部の外周側内壁が円弧面に形成されており、
    前記磁石挿入用開口部の内周側内壁は、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備え、
    前記永久磁石片の内周側側面は、前記永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備え、
    前記磁石挿入用開口部の内周側内壁の前記挟角は前記永久磁石片の内周側側面の前記挟角よりも大きく、
    前記ロータ鉄心の一部が他部に対して周方向にずれていて、前記永久磁石片は前記一部の磁石挿入用開口部の内壁と前記他部の磁石挿入用開口部の内壁によって挟持されるとともに、前記永久磁石片の外周側側面が前記磁石挿入用開口部の外周側内壁に密接していることを特徴とする永久磁石式回転子。
  2. 前記磁石挿入用開口部の外周側内壁の曲率半径と、前記永久磁石片の外周側側面の曲率半径は同一に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転子。
  3. 外周近傍に複数の磁石挿入用開口部を設けた円板状の鋼板を多数積層してロータ鉄心が構成され、前記磁石挿入用開口部に永久磁石片が挿入されてなる永久磁石式回転子において、
    複数の前記磁石挿入用開口部は少なくとも前記ロータ鉄心の一部を軸方向に貫通しており、
    前記永久磁石片の外周側側面は、該永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備え、
    前記磁石挿入用開口部は周方向幅および径方向幅が共に前記永久磁石片よりも大きく、該磁石挿入用開口部の外周側内壁は、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備え、
    前記ロータ鉄心の一部が他部に対して周方向にずれていて、前記永久磁石片は前記一部の磁石挿入用開口部の内壁と前記他部の磁石挿入用開口部の内壁によって挟持されるとともに、前記永久磁石片の外周側側面が前記磁石挿入用開口部の外周側内壁に密接していることを特徴とする永久磁石式回転子。
  4. 前記磁石挿入用開口部の内周側内壁は、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備え、
    前記永久磁石片の内周側側面は、前記永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備え、
    前記磁石挿入用開口部の内周側内壁の前記挟角は前記永久磁石片の内周側側面の前記挟角よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の永久磁石式回転子。
  5. 前記ロータ鉄心は、軸方向両端部に前記磁石挿入用開口部を閉塞する鋼板を備え、前記磁石挿入用開口部は閉空間であることを特徴する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石式回転子。
  6. 前記磁石挿入用開口部を閉塞する鋼板は、前記磁石挿入用開口部が設けられている鋼板と同じ材質からなることを特徴する請求項5に記載の永久磁石式回転子。
  7. 前記ロータ鉄心の前記一部にロータシャフトに対するロータ鉄心の周方向位置を規制する固定手段が設けられていることを特徴する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石式回転子。
  8. 永久磁石片の内周側側面に該永久磁石片の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備えて該永久磁石片を構成し、
    前記永久磁石片よりも磁石挿入用開口部の周方向幅および径方向幅が共に大きく、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁が、該磁石挿入用開口部の周方向略中央で屈曲しその挟角が180度より小さい一対のテーパ面を備え、前記磁石挿入用開口部の内周側内壁の前記挟角が前記永久磁石片の内周側側面の前記挟角よりも大きい前記磁石挿入用開口部を外周近傍に複数設けた円板状の鋼板を多数積層してロータ鉄心を構成し、
    前記ロータ鉄心の前記磁石挿入用開口部に前記永久磁石片を挿入し、
    前記ロータ鉄心を軸方向に複数の積層群に分割してその一部の積層群を他の積層群に対して周方向にずらし、
    前記永久磁石片を前記一部の積層群の磁石挿入用開口部内壁と前記他の積層群の磁石挿入用開口部内壁により挟持し、
    前記永久磁石片を挟持した前記ロータ鉄心をロータシャフトに圧入することを特徴とする永久磁石式回転子の製造方法。
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