JP5136124B2 - 永久磁石式回転電機の回転子 - Google Patents

永久磁石式回転電機の回転子 Download PDF

Info

Publication number
JP5136124B2
JP5136124B2 JP2008054882A JP2008054882A JP5136124B2 JP 5136124 B2 JP5136124 B2 JP 5136124B2 JP 2008054882 A JP2008054882 A JP 2008054882A JP 2008054882 A JP2008054882 A JP 2008054882A JP 5136124 B2 JP5136124 B2 JP 5136124B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
plate
rotor
rotor core
plate material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008054882A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009213291A (ja
Inventor
広幸 鈴浦
裕人 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2008054882A priority Critical patent/JP5136124B2/ja
Publication of JP2009213291A publication Critical patent/JP2009213291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5136124B2 publication Critical patent/JP5136124B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、複数個の永久磁石がロータコア内に設けられた永久磁石式回転電機の回転子に関する。
この種の永久磁石式回転電機は、コアに形成された装着孔に永久磁石を固定する必要がある。永久磁石を装着孔に固定する方法としては、例えば、永久磁石と装着孔との間に接着剤を入れて固定する方法がある。永久磁石式回転電機に用いられる永久磁石は回転電機の小型化を図るため、磁力の強い希土類磁石が使用される傾向にある。希土類磁石に使用される希土類金属は資源的に少ないため、リサイクルが考えられているが、接着剤を使用した固定方法では、永久磁石のリサイクルを考えた場合に、接着剤の剥離工程が不可欠であり、コスト的に不利である。
特許文献1に開示の永久磁石式回転電機では、積層コアの両端面に設けられた端板に永久磁石の両端面に対向する凸部からなる押圧部が形成され、この押圧部が永久磁石を積層コアの軸方向へ押圧することによって、永久磁石の軸方向への動きを規制するものが提案されている。
また、端板の永久磁石と対向する部分に、永久磁石の回転子内周側の面取り角部に当接する切起し突起が形成されたものもある(例えば特許文献2参照)。この切起し突起は、先端部が斜めになるように捩ってあり、その先端部を永久磁石に形成された回転子内周側の面取り部に当接させることにより、永久磁石には端面方向の力とともに、切起し突起を横方向(回転子の径方向)に変形させる横方向の反力が加わり、永久磁石がコアに横方向に押し付けられるものが提案されている。
さらに、特許文献3に開示の永久磁石式回転電機では、積層コアと端板との間に平板プレートが介在されているとともに、平板プレートには、積層コアの空隙に挿入された永久磁石に対向する方向に平板プレートに対して直角に切起して形成された永久磁石の段差調整用の突起が形成されている。この突起が永久磁石の端面に当接するとともに、永久磁石を軸方向へ押圧することによって、永久磁石の軸方向の動きを規制する。
また、永久磁石の軸方向の両端面を径方向外側に向かってテーパ状に形成するとともに、積層コアの両端面に設けられた両端板の内面(永久磁石に対向する面)に径方向外側に向かって相互に接近する傾斜面が設けられたものも提案されている(例えば特許文献4参照)。この場合、積層コアに設けられた傾斜面と永久磁石のテーパ状両端面とが面接触することで永久磁石のがたつきを防止する。
特開平5−260686号公報 特開2001−251795号公報 特開2002−125335号公報 特開2005−51826号公報
しかしながら、特許文献1の永久磁石式回転電機は、端板に形成された押圧部によって永久磁石を軸方向に押圧する際に、端板に剛性があるため、永久磁石の軸方向と直交する方向へ力が緩和されず、永久磁石に対して無理な力が作用してしまう虞がある。
また、特許文献2の永久磁石式回転電機も、端板の一部を加工して形成された切起し突起によって永久磁石を固定しているため、切起し突起は弾性力をほとんど持たないため、適度な押圧力で永久磁石を押圧することができない虞がある。
さらに、特許文献3の永久磁石式回転電機は、平板プレートに対して直角に切起して形成された突起によって永久磁石を軸方向へ押圧する際に、突起が永久磁石の端面に当接することで、永久磁石に傷が付く虞がある。
また、特許文献4の永久磁石式回転電機は、永久磁石の軸方向の両端面を径方向外側に向かってテーパ状に形成した両端面と、積層コアの両端面に設けられた両端板の内面に径方向外側に向かって相互に接近する傾斜面とを正確に面接触させる必要があるため、製作する際に高度な寸法精度が必要であり、製作に手間がかかる虞があった。
本発明の目的は、永久磁石の破損を防止しつつ、接着剤を使用せずに永久磁石の移動を規制することができる永久磁石式回転電機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数個の永久磁石がロータコア内に設けられた永久磁石式回転電機の回転子であって、前記ロータコアは、一対の端板によって挟持されるとともに、前記ロータコアと前記端板との間の少なくとも一方には可撓性を有する板材が介在され、前記板材には、前記永久磁石と対向する部分に、前記板材に切り目を形成することで、基端部で前記板材と連結し、先端部が前記板材の厚み方向に移動可能な押圧片が形成され、前記押圧片には、前記板材の厚み方向に突出する凸部が屈曲形成され、前記永久磁石には、前記板材が前記端板と前記ロータコアにより挟持されていない状態における前記凸部の突出長よりも深さが浅い凹部が形成され、前記板材が前記端板と前記ロータコアに挟持された状態において前記押圧片の少なくとも一部が前記端板に接触しつつ前記凸部が前記永久磁石における凹部の底部を押圧することにより、ロータコアの軸方向における前記永久磁石の移動を規制しており、前記板材が前記端板と前記ロータコアに挟持された状態において前記凸部が前記凹部に係合することにより前記永久磁石の幅方向への移動を規制していることを要旨とする。
この発明によれば、回転子を組み付ける際、押圧片の凸部が永久磁石の端面を押圧するとともに、押圧片の先端部が板材の厚み方向に移動することにより、凸部の突出量が変化して、板材が端板及びロータコアに面接触する状態で固定される。したがって、永久磁石の長さのばらつきにより、永久磁石の端面と回転子の端面とが同一平面上に存在しない状態であっても、凸部が永久磁石を押圧する力が緩和され、適度な押圧力を持って永久磁石を固定することができる。よって、永久磁石の破損を防止しつつ、接着剤を使用せずに永久磁石のロータコアの軸方向への移動を規制することができる。
また、端板が板材をロータコアの軸方向に押圧する力により押圧片の凸部と永久磁石の凹部とが係合することで、永久磁石がロータコアの軸方向及び永久磁石の幅方向への移動を規制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記凸部は、前記板材が前記端板と前記ロータコアにより挟持される前の状態において、前記板材の表面から前記永久磁石側のみに突出するように形成されていることを要旨とする。
この発明によれば、凸部が板材の表面から永久磁石側のみに突出しており、端板側には突出していないため、永久磁石を固定する際に、永久磁石に対して不均一な押圧力が作用することなく永久磁石を押圧することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記押圧片には、前記凸部が複数形成されており、前記永久磁石には、前記凸部と同数の凹部が形成されていることを要旨とする。
この発明によれば、押圧片凸部及び永久磁石の凹部が複数形成されていることにより、永久磁石の端面に対して作用する押圧力が分散され、応力集中を緩和することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記凸部は、前記押圧片の基端部から先端部への延設方向における幅が先端側ほど狭くなるように形成され、前記凹部は、前記延設方向における幅が底部側から開放端側に向かうほど広くなる側面視台形状に形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記各板材には前記押圧片が、一つの前記永久磁石に対して二つずつ設けられていることを要旨とする。
この発明によれば、一つの永久磁石に対して押圧片を二つ設けることで、永久磁石の端面に押圧力が均等にかかりやすくなり、永久磁石をバランス良く固定することができる
この発明によれば、永久磁石の破損を防止しつつ、接着剤を使用せずに永久磁石の移動を規制することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、回転子11は、略円板状の電磁鋼板を複数枚(例えば数十枚)積層したロータコア12と、ロータコア12の中心に形成された貫通孔121に貫挿されるロータ軸(回転軸)13とを備えている。回転子11は、ロータコア12の外周面がティース(図示せず)と所定の間隔を置いた状態で、図示しないハウジングの軸受けにロータ軸13を介して回転可能に支持される。
ロータコア12には、複数の挿通孔14が形成されている。挿通孔14は、ロータコア12の一方の端面12aから他方の端面12bまで延びるように貫通して形成されるとともに、ロータコア12の周方向に所定の間隔を置いて複数(本実施形態では8箇所)形成されている。また、各挿通孔14には、永久磁石15が挿入されている。本実施形態では、各永久磁石15は、断面矩形の平板状に形成されている。永久磁石15は、ロータコア12の一方の端面12aから他方の端面12bまで延びるように挿通孔14内に挿入されるとともに、永久磁石15の幅方向(永久磁石15の短手方向)が、ロータコア12の半径方向と直交する方向に延びる状態で配置されている。
ロータコア12には、挿通孔14の幅方向の両端部にそれぞれ連続する状態でフラックスバリア16が形成されている。フラックスバリア16は、ロータコア12の一方の端面12aから他方の端面12bまで延びるように形成されている。
図2に示すように、ロータコア12の両端面12a,12bには、ロータコア12を挟持するように、円板状の一対の端板17がそれぞれ設けられ、ロータコア12の両端面12a,12bと端板17との間には、円板状の板材18がそれぞれ介在されている。板材18は、可撓性を有し端板17に比べて厚みが薄く形成されている。
また、図1に示すように、端板17及び板材18の中心には、ロータ軸13が貫挿可能な貫通孔171,181が形成されている。ロータコア12の貫通孔121の周面、端板17の貫通孔171の周面及び板材18の貫通孔181の周面には、係止凸部122,172,182がそれぞれ対応する位置に2つ設けられている。この2つの係止凸部122,172,182は、それぞれ対向する位置に設けられている。また、ロータ軸13の周面には、係止凸部122,172,182が係止するキー溝132が2つ設けられている。
次に、板材18について詳述する。図3(a)に示すように、板材18には、回転子11として組み付けられた状態において各永久磁石15と対向する部分に、それぞれ押圧片19が設けられている。押圧片19は、径方向と直交する方向に延びるように形成され、この実施形態では第1押圧片19a及び第2押圧片19bで構成されている。図3(b)に示すように、両押圧片19a,19bは、板材18が端板17とロータコア12により挟持される前の状態において、端板17の端面に沿って延びる先端部192a,192bと、先端部192a,192bと基端部191との間に設けられるとともに板材18の厚み方向に突出するように屈曲形成された凸部20とを備えている。
両押圧片19a,19bは、板材18の永久磁石15の中心部15cと対向する部分が基端部191となる状態で対称に設けられている。図3(b)に示すように、凸部20はそれぞれ複数(本実施形態では3つ)形成されている。凸部20は、板材18が自由状態のときに、板材18の表面から永久磁石15側のみに突出するように波形状に屈曲する状態に形成されている。両押圧片19a,19bは、弾性変形可能に形成されている。
板材18には、第1押圧片19aの先端部192a側及び第2押圧片19bの先端部192b側に、空間S1が設けられている。空間S1は、凸部20が無くなる状態まで押圧片19a,19bが伸びた状態においても、押圧片19a,19bの先端部192a,192bが、空間S1の範囲内において端板17の端面に沿うように延びることができる大きさに形成されている。
また、板材18には、回転子11に組み付けられた状態においてフラックスバリア16に連通する切欠Kが形成されている。切欠Kは、空間S1と連通するように形成されている。切欠Kは、フラックスバリア16と平面視同一形状をしている。
第1押圧片19a、第2押圧片19b及び切欠Kは、例えば、板材18に2回のプレス加工を行うことで形成される。先ず第1のプレス加工で凸部20が形成される前の伸びた状態の押圧片19a,19bと、切欠Kが形成される。そして、第2のプレス加工で各押圧片19a,19bの凸部20が波状に屈曲加工される。伸びた状態の押圧片19a,19bに凸部20が波状に屈曲加工されることにより、押圧片19a,19bの先端部192a,192bと、切欠Kとの間に空間S1が形成される。即ち、空間S1は、凸部20が完全に平らになるまで押圧片19a,19bが支障無く伸びることが可能な大きさに形成されている。
次に、ロータ軸13、ロータコア12、端板17及び板材18の組み付け方法及び押圧片19の作用について説明する。
ロータコア12の挿通孔14には、予め永久磁石15が挿入され、永久磁石15の幅方向両側の角部は、特開2000−341920号公報で開示されているような、固定用ばね(図示せず)がフラックスバリア16に圧入装着されることで幅方向の移動が規制されている。
そして、端板17、板材18、ロータコア12、板材18及び端板17が近接して同心状に、かつ各係止凸部172,182,122,182,172が一列に並んだ状態で、図示しない治具により保持される。その状態で、ロータ軸13のキー溝132が各係止凸部172,182,122,182,172と係合するように、ロータ軸13が端板17の貫通孔171、板材18の貫通孔181、ロータコア12の貫通孔121、板材18の貫通孔181、端板17の貫通孔171に順に貫挿される。
次に、両端板17,17がロータコア12との間に配置された板材18をロータコア12に押圧するように図示しない加圧手段で加圧される。すると、板材18の押圧片19の凸部20が永久磁石15の端面25と当接する。当接した凸部20には、永久磁石15の反発力によって押し戻される力が作用し、図4(a)に示すような押圧片19が自由状態のときの押圧片19の先端部192a,192bの位置と比べて、図4(b)に示すように、押圧片19の先端部192a,192bが、空間S1の方向へ延びるように押圧片19が弾性変形する。そして、各板材18が各端板17とロータコア12の端面に圧接される状態まで端板17が移動した状態で、図示しない締結手段により、両端板17がロータ軸13の所定位置に固定される。この状態では、凸部20が元の状態に戻ろうとする弾性力により、押圧片19は、凸部20によって永久磁石15の端面25を押圧し、永久磁石15の長手方向の移動を規制する。
この第1実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)ロータコア12は、一対の端板17によって挟持されるとともに、ロータコア12と端板17との間にはそれぞれ可撓性の板材18が介在されている。板材18には、永久磁石15と対向する部分に、板材18が端板17とロータコア12により挟持される前の状態において、端板17の端面に沿って延びる先端部192a,192bと、先端部192a,192bと基端部191との間に設けられ、永久磁石15に向かって突出するように屈曲形成された凸部20とを備えた押圧片19が設けられている。そして、押圧片19a,19bが端板17に挟持された状態で凸部20が永久磁石15の端面25を押圧して永久磁石15を固定している。したがって、回転子11を組み付ける際、押圧片19の凸部20が永久磁石15の端面25を押圧するとともに、押圧片19が端板17の端面に沿って延びることにより、凸部20の突出量が変化して、板材18が端板17及びロータコア12に面接触する状態で固定される。したがって、永久磁石15の長さのばらつきにより、永久磁石15の端面25と回転子11の端面とが同一平面上に存在しない状態であっても、凸部20が永久磁石15を押圧する力が緩和され、適度な押圧力を持って永久磁石15を固定することができる。よって、永久磁石15の破損を防止しつつ、接着剤を使用せずに永久磁石15の移動を規制することができる。
(2)板材18は、該板材18が自由状態のときに、凸部20が、永久磁石15側のみに突出するように形成されている。したがって、永久磁石15を固定する際に、永久磁石15に対して不均一な押圧力が作用することなく永久磁石15を押圧することができる。
(3)押圧片19には、凸部20が複数形成されている。よって、永久磁石15の端面25に対して作用する押圧力が分散され、応力集中を緩和することができる。
(4)各板材18には、一つの永久磁石15に対して第1押圧片19a及び第2押圧片19bのように二つずつ設けられている。よって、永久磁石15の端面25に押圧力が均等にかかりやすくなり、永久磁石15をバランス良く固定することができる。
(5)押圧片19は、凸部20の基端両側が端板17に接触した状態で、凸部20が永久磁石15の端面25を押圧しているので、特許文献2のような切起し突起によって永久磁石をコアに横方向に押し付けられるものと比較して永久磁石15を強い力で押圧することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図5〜図7を用いて説明する。第1実施形態においては、押圧片は永久磁石15の長手方向の移動のみを規制する構成であったが、本実施形態では、押圧片は永久磁石15の長手方向及び幅方向の移動を規制する構成になっている点が第1実施形態と異なる。なお、図5〜図7において、第1実施形態の図1〜図4に付した符号と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示し、その重複する説明を省略する。また、第1押圧片19a及び第2押圧片19bは対称に形成されているため、第1押圧片19aのみを図示して、第2押圧片19bの図示及び説明は省略する。
図5に示すように、永久磁石15の両端面(一方のみ図示)には、それぞれ凹部51が等間隔で複数形成されている。凹部51は、側面視台形状をしている。凹部51は、底部から開放端側ほど幅が広くなるように両側壁51a,51bが底壁51cに対して傾いて形成されている。その結果、隣接する凹部51の底壁51c間には台形状の凸部が存在する状態になっている。
第1押圧片19aには、凹部51と対応する凸部52が板材18の厚み方向に等間隔で複数形成されている。凸部52は、板材18が自由状態のときに、板材18の表面から永久磁石15側のみに突出するように、かつ隣接する凸部52の間の空間が永久磁石15の凹部51の底壁51c間に存在する台形状の凸部と対応する台形状になるように形成されている。また、隣接する凸部52の間隔は、隣接する凹部51の間隔と同じに形成されている。
なお、図5において、板材18に関する構成は、第1押圧片19aの一部分及び凸部52のみを図示し、他の部分を省略している。
図6(a),(b)に示すように、板材18には、第1押圧片19aの先端部192a側に空間S2が設けられている。この実施形態では、両押圧片19a,19bは、凸部52が平坦になるまで伸びることはなく、隣接する凸部52間の面193が、永久磁石15の端面25に当接する状態で伸びが規制される。空間S2は、その伸びを許容する大きさに形成されている。
次に、永久磁石15の組み付け方法を説明する。第1実施形態と同様に端板17、板材18、永久磁石15が挿入されたロータコア12を治具に支持した状態で、ロータ軸13を挿通する。但し、永久磁石15は幅方向の位置決めがなされていない。次にロータ軸13が上下方向に延びる状態に、治具による支持状態を変更する。その結果、永久磁石15の幅方向へのずれが大きくなければ、図6(a)に示すように、凸部52が凹部51と対向した状態となる。
この状態で、両端板17がロータコア12との間に配置された板材18をロータコア12に押圧するように図示しない加圧手段で加圧される。すると、板材18の第1押圧片19aの凸部52が永久磁石15の凹部51における底壁51cと当接する。当接した凸部52は、永久磁石15の反発力によって押し戻される力が作用し、第1押圧片19aは、空間S2の方向へ延びるように弾性変形する。
図6(b)に示すように、第1押圧片19aが空間S2の方向へ延びることにより、永久磁石15の端面25と、第1押圧片19aの永久磁石15と対向する側の面193とが面接触する。すると、側壁51aと端面25とが交差する位置である係止角部53aと、第1押圧片19aの面193における係止角部53aと対応する部分とが係止するとともに、側壁51bと端面25とが交差する位置である係止角部53bと、第1押圧片19aの面193における係止角部53bと対応する部分とが係止する。よって、永久磁石15の幅方向の移動が規制される。この状態で、図示しない締結手段により、両端板17がロータ軸13の所定位置に固定される。この状態では、凸部52が元の状態に戻ろうとする弾性力により、第1押圧片19aは、凸部52によって永久磁石15の凹部51における底壁51cを押圧し、永久磁石15の長手方向の移動を規制する。なお、本実施形態では、永久磁石15に形成される全ての係止角部53aと、第1押圧片19aの面193における係止角部53aと対応する部分とが係止するとともに、永久磁石15に形成される全ての係止角部53bと、第1押圧片19aの面193における係止角部53bと対応する部分とが係止している。
ロータコア12に挿入された永久磁石15の幅方向へのずれが大きいと、ロータ軸13が上下方向に延びる状態に、治具による支持状態を変更した際に、図7(a)に示すように、永久磁石15の一方の端面25は、ロータコア12の一方の端面12aよりも凸部52の突出長さH分だけ端板17側へ突出した状態となる。即ち、永久磁石15が幅方向において適正位置よりずれていることを確認できる。
このとき、例えば、永久磁石15を幅方向へ動かすことで、図6(a)に示すように、凸部52が、凹部51と対応する状態になる。その状態から加圧手段で両端板17をロータコア12側に押圧すると、図7(b)に示すように、両板材18の第1押圧片19aの凸部52が永久磁石15の両端面25の凹部51の底壁51cと当接するとともに、端面25と、板材18の第1押圧片19aの面193とが面接触する。そして、永久磁石15は、両板材18の第1押圧片19aによって、適度な押圧力を持って固定される。
この第2実施形態では、第1実施形態の(1)〜(5)に対応する効果を得ることができるとともに、以下の効果を得ることができる。
(6)永久磁石15には凹部51が形成され、凸部52が凹部51に係合した状態で凸部52が永久磁石15をロータコア12の軸方向に押圧するとともに、永久磁石15の幅方向への移動を規制している。よって、永久磁石15の長手方向の移動及び永久磁石15の幅方向の両方向の移動を規制することができる。
(7)ロータコア12に挿入された永久磁石15の幅方向へのずれが大きい場合、永久磁石15の一方の端面25は、ロータコア12の一方の端面12aよりも凸部52の突出長さH分だけ端板17側へ突出した状態になる。よって、永久磁石15の他方の端面25に形成された凹部51が板材18の第1押圧片19aの凸部52と係合されていない状態であり、永久磁石15が幅方向に大きくずれた状態であることを確認でき、幅方向にずれたまま組み付けが行われることを回避することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第2実施形態において、永久磁石15に形成される少なくとも一箇所の係止角部と、押圧片19a,19bの面193における係止角部と対応する部分とが係止するとともに、永久磁石15に形成される少なくとも一箇所の係止角部と、押圧片19a,19bの面193における係止角部と対応する部分とが係止していてもよい。
○ 上記各実施形態において、押圧片19を、一つの永久磁石15に対して一つ設けるようにしてもよい。しかし、押圧片19は、一つの永久磁石15に対して二つ設ける方が好ましい。
○ 上記各実施形態において、凸部20,52は、押圧片に一つだけ形成するようにしてもよい。
○ 上記各実施形態において、板材18を端板17に固着し、一つの部品としてもよい。この場合、板材18の係止凸部182を形成しないでもよい。
○ 上記各実施形態において、押圧片19は、凸部20,52の永久磁石15の端面25と当接する部分における永久磁石15の端面25に作用する力が、先端部192a,192bの永久磁石15の端面25と当接する部分における永久磁石15の端面25に作用する力より大きくなるように形成されていればよい。即ち、押圧片19の先端部192a,192bは、端板17の端面に沿って延びるように形成されていなくても、先端部192a,192bが端板17側に向かって延びるように形成されていても、永久磁石15の端面25側に向かって延びるように形成されていてもよい。例えば、板材18が端板17とロータコア12により挟持される前の状態において、先端部192a,192bの先端が、凸部20,52の永久磁石15の端面25と当接する部分よりも端板17側に存在するように延在する押圧片19を形成してもよい。
○ また、押圧片の先端部が永久磁石15に向かって延在するように形成され、且つ、凸部20,52と先端部とが永久磁石15の端面25に当接する場合、凸部20,52をなす角の半分の角度は、永久磁石15の幅方向と垂直な平面と先端部の先端の平面とがなす角度よりも小さくなるように押圧片を形成してもよい。
○ 上記各実施形態において、ロータコア12の貫通孔121の周面、端板17の貫通孔171の周面及び板材18の貫通孔181の周面には、係止凸部に代えて係止凹部がそれぞれ対応する位置に2つ設けられ、ロータ軸13のキー溝132と各係止凹部とを係止させるキーを挿入することで組み付けるようにしてもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)前記押圧片の先端部が前記永久磁石の端面と当接する場合においては、前記押圧片は、前記凸部の前記永久磁石の端面と当接する部分における前記永久磁石の端面に作用する力が、前記先端部の前記永久磁石の端面と当接する部分における前記永久磁石の端面に作用する力より大きくなるように形成されている。
第1実施形態の回転子の組み付け前の展開斜視図。 第1実施形態の回転子の組み付け後の縦断面図。 (a)は第1実施形態の板材を示す平面図、(b)は図3(a)におけるA−A線断面図。 (a)は板材が自由状態のときを示す平面図、(b)は押圧片の凸部が永久磁石を押圧したときの板材の状態を示す平面図。 第2実施形態の永久磁石及び押圧片を示す斜視図。 (a)は凸部が永久磁石を押圧する前の状態を示す縦断面図、(b)は凸部が永久磁石を押圧したときの状態を示す縦断面図。 (a)は永久磁石が幅方向にずれている状態を示す縦断面図、(b)は永久磁石が固定された状態を示す縦断面図。
符号の説明
11…回転子、12…ロータコア、15…永久磁石、17…端板、18…板材、19…押圧片、19a…第1押圧片、19b…第2押圧片、191…押圧片の基端部、192a,192b…押圧片の先端部、20,52…凸部、25…永久磁石の端面、51…凹部。

Claims (5)

  1. 複数個の永久磁石がロータコア内に設けられた永久磁石式回転電機の回転子であって、
    前記ロータコアは、一対の端板によって挟持されるとともに、前記ロータコアと前記端板との間の少なくとも一方には可撓性を有する板材が介在され、
    前記板材には、前記永久磁石と対向する部分に、前記板材に切り目を形成することで、基端部で前記板材と連結し、先端部が前記板材の厚み方向に移動可能な押圧片が形成され、前記押圧片には、前記板材の厚み方向に突出する凸部が屈曲形成され、
    前記永久磁石には、前記板材が前記端板と前記ロータコアにより挟持されていない状態における前記凸部の突出長よりも深さが浅い凹部が形成され、
    前記板材が前記端板と前記ロータコアに挟持された状態において前記押圧片の少なくとも一部が前記端板に接触しつつ前記凸部が前記永久磁石における凹部の底部を押圧することにより、ロータコアの軸方向における前記永久磁石の移動を規制しており、
    前記板材が前記端板と前記ロータコアに挟持された状態において前記凸部が前記凹部に係合することにより前記永久磁石の幅方向への移動を規制していることを特徴とする永久磁石式回転電機の回転子。
  2. 前記凸部は、前記板材が前記端板と前記ロータコアにより挟持される前の状態において、前記板材の表面から前記永久磁石側のみに突出するように形成されている請求項1に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
  3. 前記押圧片には、前記凸部が複数形成されており、前記永久磁石には、前記凸部と同数の凹部が形成されている請求項1又は請求項2に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
  4. 前記凸部は、前記押圧片の基端部から先端部への延設方向における幅が先端側ほど狭くなるように形成され、前記凹部は、前記延設方向における幅が底部側から開放端側に向かうほど広くなる側面視台形状に形成されている請求項3に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
  5. 前記各板材には前記押圧片が、一つの前記永久磁石に対して二つずつ設けられている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の永久磁石式回転電機の回転子。
JP2008054882A 2008-03-05 2008-03-05 永久磁石式回転電機の回転子 Expired - Fee Related JP5136124B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008054882A JP5136124B2 (ja) 2008-03-05 2008-03-05 永久磁石式回転電機の回転子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008054882A JP5136124B2 (ja) 2008-03-05 2008-03-05 永久磁石式回転電機の回転子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009213291A JP2009213291A (ja) 2009-09-17
JP5136124B2 true JP5136124B2 (ja) 2013-02-06

Family

ID=41185888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008054882A Expired - Fee Related JP5136124B2 (ja) 2008-03-05 2008-03-05 永久磁石式回転電機の回転子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5136124B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5388904B2 (ja) * 2010-03-03 2014-01-15 三菱電機株式会社 回転電動機
CN102308889B (zh) * 2010-07-06 2013-09-04 上海良友(集团)有限公司 一种更适合江苏居民的食用调和油或者组合食用油
JP5354478B2 (ja) * 2010-07-20 2013-11-27 ダイキン工業株式会社 永久磁石回転子およびその製造方法
JP5933443B2 (ja) 2010-09-17 2016-06-08 株式会社 資生堂 Pdgf−bb活性亢進による皮膚賦活化
JP5905258B2 (ja) 2011-07-01 2016-04-20 株式会社 資生堂 血小板由来成長因子−bb産生亢進剤、並びにそれを含む間葉系幹細胞産生促進剤、幹細胞安定化剤、及び真皮再生化剤
WO2014189701A1 (en) * 2013-05-22 2014-11-27 Borgwarner Inc. A high speed switch reluctance motor on a turbocharger
JP6482240B2 (ja) * 2014-11-05 2019-03-13 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 モータ用ロータ及びモータ
JP2016226103A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 株式会社富士通ゼネラル 埋込式永久磁石同期モータ
FR3069973A1 (fr) * 2017-08-02 2019-02-08 Valeo Equipements Electriques Moteur Rotor de machine electrique tournante muni d'un flasque ayant une fonction de maintien d'aimants permanents
JP6806209B1 (ja) * 2019-09-19 2021-01-06 株式会社明電舎 回転機のエンドプレートの構造

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09182334A (ja) * 1995-12-28 1997-07-11 Daikin Ind Ltd ブラシレスdcモータ
JPH09233747A (ja) * 1996-02-21 1997-09-05 Daikin Ind Ltd ブラシレスdcモータ
JP2004357418A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Honda Motor Co Ltd 回転電機のロータにおける永久磁石の固定構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009213291A (ja) 2009-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5136124B2 (ja) 永久磁石式回転電機の回転子
US6933649B2 (en) Method of installation of a laminated stator core stack in the motor casing
JP5000262B2 (ja) 回転電機用回転子
JP4562093B2 (ja) 回転電機および回転電機の製造方法
WO2016072379A1 (ja) モータ用ロータ及びモータ
JPWO2018168226A1 (ja) 回転電機のロータおよび回転電機
JP5438159B2 (ja) 磁石の位置ずれ防止作用を有するリニアモータ用磁石板
KR20190085494A (ko) 영구자석 회전자
JP2015154665A (ja) ロータ及びロータの製造方法
JP2018137867A (ja) 回転電機のロータ、及び、回転電機の端面板
JP5294699B2 (ja) モータ
JP2021164174A (ja) Ipmモータ用ロータ
JP2019146448A (ja) 回転子、及び、回転子を有する回転電機
JPH05284677A (ja) 回転電機のステータコア
JP2011193688A (ja) ブラシホルダ装置
JP2013106406A (ja) ロータ
WO2018179736A1 (ja) ロータ及びロータを備えたモータ
JP5877075B2 (ja) 集中巻モータ
KR102490607B1 (ko) 자석 압입형 모터 회전자
JP4393829B2 (ja) 電動機の回転子
JP2023053314A (ja) 電気機器ユニットの連結構造および電気機器
KR20130019088A (ko) 모터의 적층 로터 코어
JPH09233742A (ja) ステータコア
JP2019126168A (ja) 回転子、及び、回転子を有する回転電機
JP7132857B2 (ja) 永久磁石埋設型ロータ及び永久磁石埋設型ロータの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121029

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151122

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees