JP2009212323A - 不揮発性磁気メモリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録層の熱安定性を向上させることができる不揮発性磁気メモリ装置を提供する。
【解決手段】不揮発性磁気メモリ装置は、記録層53を有する積層構造体50、第1の配線41、第2の配線42、並びに、積層構造体50を取り囲む層間絶縁層26から成る磁気抵抗効果素子30を備え、更には、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率よりも低いヤング率を有する低ヤング率領域71を備えており、記録層53は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有しており、記録層53を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、低ヤング率領域71は、記録層53の磁化容易軸の延在領域に配置されており、記録層53を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、低ヤング率領域71は、記録層53の磁化困難軸の延在領域に配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不揮発性磁気メモリ装置に関する。
情報通信機器、特に携帯端末等の個人用小型機器の飛躍的な普及に伴い、これらを構成するメモリ素子やロジック素子の各種半導体装置には、高集積化、高速化、低電力化等、一層の高性能化が要請されている。特に不揮発性メモリは、ユビキタス時代に必要不可欠であると考えられている。電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークとが何らかの障害により切断された場合でも、不揮発性メモリによって重要な情報を保存、保護することができる。また、最近の携帯機器は不要の回路ブロックをスタンバイ状態とし、出来る限り消費電力を抑えるように設計されているが、高速のワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリが実現できれば、消費電力とメモリの無駄を無くすことができる。また、電源を投入すると瞬時に起動できる「インスタント・オン」機能も、高速、且つ、大容量の不揮発性メモリが実現できれば可能となる。
不揮発性メモリとして、半導体材料を用いたフラッシュメモリや、強誘電体材料を用いた強誘電体型不揮発性半導体メモリ(FERAM,Ferroelectric Random Access Memory)等を挙げることができる。しかしながら、フラッシュメモリは、書込み速度がマイクロ秒のオーダーであり、書込み速度が遅いという欠点がある。一方、FERAMにおいては、書換え可能回数が1012〜1014であり、SRAMやDRAMをFERAMに置き換えるにはFERAMの書換え可能回数が十分とは云えず、また、強誘電体層の微細加工が難しいという問題が指摘されている。
これらの欠点を有さない不揮発性メモリとして、MRAM(Magnetic Random Access Memory)と呼ばれる不揮発性磁気メモリ素子が注目されている。このMRAMの中でも、TMR(Tunnel Magnetoresistance)効果を用いたMRAMは、近年のTMR材料の特性向上により注目を浴びている(例えば、非特許文献1参照)。TMRタイプのMRAMは、構造が単純で、スケーリングも容易であり、また、磁気モーメントの回転により記録を行うために、書換え可能回数が大である。更には、アクセス時間についても非常に高速であることが予想され、既に100MHzで動作可能であると云われている(例えば、非特許文献2参照)。
TMRタイプのMRAM(以下、単に、MRAMと呼ぶ)の模式的な一部断面図を、図18に示す。このMRAMは、MOS型FETから成る選択用トランジスタTRに接続された磁気トンネル接合(Magnetic Tunneling Junction)素子(MTJ素子と呼ぶ場合がある)から構成されている。
MTJ素子は、第1の強磁性体層2051、トンネル絶縁膜2052、第2の強磁性体層の積層構造を有する。第1の強磁性体層2051は、より具体的には、例えば、下から反強磁性体層2051Aと強磁性体層(固着層、磁化固定層2051Bとも呼ばれる)との2層構成を有し、これらの2層の間に働く交換相互作用によって強い一方向の磁気的異方性を有する。磁化方向が比較的容易に回転する第2の強磁性体層は、自由層あるいは記録層とも呼ばれる。尚、以下の説明において、第2の強磁性体層を記録層2053と呼ぶ場合がある。トンネル絶縁膜2052は、記録層2053と磁化固定層2051Bとの間の磁気的結合を切ると共に、トンネル電流を流すための役割を担う。MRAMとMRAMを接続するビット線BL(第2の配線)は、層間絶縁層26上に形成されている。ビット線BLと記録層2053との間に設けられたキャップ層2061は、ビット線BLを構成する原子と記録層2053を構成する原子の相互拡散の防止、接触抵抗の低減、及び、記録層2053の酸化防止を担っている。図中、参照番号2041は、反強磁性体層2051Aの下面に接続された第1の配線を示す。
更には、MTJ素子の下方には、第2下層絶縁層24を介して書込みワード線WWLが配置されている。尚、書込みワード線WWLの延びる方向(第1の方向)とビット線BL(第2の配線)の延びる方向(第2の方向)とは、通常、直交している。
一方、選択用トランジスタTRは、素子分離領域11によって囲まれたシリコン半導体基板10の部分に形成されており、第1下層絶縁層21によって覆われている。そして、一方のソース/ドレイン領域14Bは、タングステンプラグから成る接続孔22、ランディングパッド部23、タングステンプラグから成る接続孔25を介して、MTJ素子の第1の配線2041に接続されている。また、他方のソース/ドレイン領域14Aは、タングステンプラグ15を介してセンス線16に接続されている。図中、参照番号12はゲート電極(所謂ワード線として機能する)を示し、参照番号13はゲート絶縁膜を示す。そして、MRAMアレイにあっては、ビット線BL及び書込みワード線WWLから成る格子の交点(重複領域)にMRAMが配置されている。
このような構成のMRAMへのデータの書込みにおいては、ビット線BLに正方向あるいは負方向の電流を流し、且つ、書込みワード線WWLに一定方向の電流を流し、その結果生成される合成磁界によって記録層2053の磁化の方向を変えることで、記録層2053に「1」又は「0」を記録する。
一方、データの読出しは、選択用トランジスタTRをオン状態とし、ビット線BLに電流を流し、磁気抵抗効果によるトンネル電流変化をセンス線16にて検出することにより行う。記録層2053と磁化固定層2051Bの磁化方向が等しい場合、低抵抗となり(この状態を例えば「0」とする)、記録層2053と磁化固定層2051Bの磁化方向が反平行の場合、高抵抗となる(この状態を例えば「1」とする)。
このように、MRAMにおいて、記録した情報を安定に保持するためには、情報を記録する記録層2053が一定の保磁力を有していることが必要である。一方、記録された情報を書き換えるためには、ビット線BLに或る程度の電流を流さなければならない。ところが、MRAMの微細化に従い、ビット線BLも細くなるため、充分な電流を流すことが困難となりつつある。そこで、より少ない電流で磁化反転が可能な構成として、スピン注入による磁化反転を応用したスピン注入型磁気抵抗効果素子が注目されている(例えば、特開2003−17782参照)。ここで、スピン注入による磁化反転とは、磁性体の中を通過してスピン偏極させた電子が、他の磁性体に注入されることにより、他の磁性体において磁化反転が生じる現象である。
スピン注入型磁気抵抗効果素子の概念図を図2の(A)に示す。このスピン注入型磁気抵抗効果素子は、GMR(Giant Magnetoresistance,巨大磁気抵抗)効果を有する積層膜、あるいは、TMR効果を有する積層膜から成る磁気抵抗効果積層膜が2つの配線41,42で挟まれた構造を有する。即ち、情報を記録する機能を担う記録層(磁化反転層あるいは自由層とも呼ばれる)53と、磁化方向が固定されており、スピンフィルターとして機能する磁化参照層(固着層とも呼ばれる)51が、非磁性体膜52を介して積層された構造を有し、電流は膜面に垂直に流れる(図2の(A)参照)。記録層53の大きさは、模式的な平面図を図2の(B)に示すが、記録層53を構成する磁性材料の種類や膜厚に依るが、単磁区化を促進し、且つ、スピン注入磁化反転の臨界電流Icを低減するため、概ね200nm以下である。記録層53は、適当な磁気異方性により2以上の複数の磁化方向(例えば、図2の(A)に水平方向の矢印にて示す2方向である第1の方向及び第2の方向)を取ることができ、各磁化方向は記録される情報に対応する。図2の(B)においては、記録層53の平面形状を長楕円形状にすることによって、形状磁気異方性を付与した例を示す。即ち、記録層53は、第1の方向及び第2の方向に平行な磁化容易軸と、この磁化容易軸に直交する磁化困難軸とを有しており、磁化容易軸に沿った記録層53の長さは、磁化困難軸に沿った記録層53の長さよりも長い。
図19に、メモリセル・サイズと書込み電流の関係を示す。ここで、図19の右側縦軸はメモリセル・サイズ(F2)を示し、左側縦軸は書込み電流を示し、横軸はMTJ素子の短辺サイズを示す。図19から明らかなように、スピン注入磁化反転型は、素子サイズの縮小化に伴い、書込み電流も少なくなる。しかも、書込み電流は、混載DRAMと同程度のセルサイズで、書込み電流が100μAと少なくなっている。一方、従来型のMRAMは、素子サイズの縮小化に伴い、書込み電流が大幅に増加する。しかも、6トランジスタ型のSRAM(6TSRAM)と同程度のセルサイズの場合、書込み電流が1mA程度となっている。
このようなスピン注入型磁気抵抗効果素子にあっては、MRAMと比較して、デバイス構造を単純化することができる。また、スピン注入による磁化反転を利用することにより、外部磁界によって磁化反転を行うMRAMと比較して、素子の微細化が進んでも、上述したとおり、書込み電流が増大しないという利点がある。
特開2003−17782 Wang et al., "Feasibility of Ultra-Dense Spin-Tunneling Random Access Memory", IEEE Transactions on Magnetics, Vol.33, November 1997, pp.4498-4512 R. Scheuerlein et al., "A 10ns Read and Write Non-Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each Cell", 2000 IEEE International Solid-State Circuits Conference Digest of Technical Papers, Feb. 2000, pp.128-129
ところで、MRAMやスピン注入型磁気抵抗効果素子といった磁気抵抗効果素子としての特性を維持するためには、熱による磁化の反転が起こらないように、熱安定性指標Δを一定の値以上に確保しなければならない。一般に、熱安定性指標Δは60以上必要であると云われている。この熱安定性指標Δは、次の式(1)で表すことができる。
Δ=(Ms・V・Hk)/(2・kB・T) (1)
ここで、
s:記録層の飽和磁化
V :記録層の体積
k:記録層の異方性磁界
B:ボルツマン定数
T :記録層の絶対温度
である。
式(1)から、熱安定性指標Δは、飽和磁化Msの増加、体積Vの増加、異方性磁界Hkの増加と共に増加することが判る。ここで、記録層の異方性磁界Hkとは、結晶内でスピンを或る方向に向ける異方性エネルギー(結晶磁気異方性エネルギー)に対応する量であり、結晶磁気異方性エネルギーは、結晶の構造、配向に依存して決まるスピンの方向を固定するために必要なエネルギーである。
一方、着磁した方向とは逆方向の磁場を加えて、種々の磁化過程を取りながらも概ねゼロになるときの磁場をもって、磁化反転の容易さを見積もる値として、保磁力(抗磁力)Hcがある。 異方性磁界Hkと保磁力Hcは、材料開発やデバイス開発に必要なパラメータとして使い分けられているが、両者は対応した関係にあり、保持力Hcの増大は、異方性磁界Hkの増大に繋がり、その結果、式(1)に見られるように、熱安定性指標Δを向上させることができる。ここで、保持力Hcは、次の式(2)に示すように、記録層を構成する材料が有する固有値[式(2)の右辺第1項]、記録層の形状に起因する値[式(2)の右辺第2項]、記録層の内部応力に起因した値[式(2)の右辺第3項]等の和で表される。
c=Hc-film + (1/4π)・{(Ms・t)/W}・f(r)
+ 3(λ/Ms)・σ + A (2)
ここで、
c-film:薄膜の状態にある記録層の保磁力
t :記録層の膜厚
W :記録層の磁化困難軸に沿った長さ
f(r):記録層における形状異方性の関数
r :記録層のアスペクト比(磁化容易軸に沿った長さ/磁化困難軸に沿った長さ)
λ :記録層を構成する材料の磁歪定数
σ :磁化容易軸に沿った記録層における応力(正の値は引っ張り応力であり、負
の値は圧縮力である)
A :定数
である。
ところで、上記の式(2)の右辺第1項は、記録層を構成する材料が有する固有の値であるので、右辺第1項の値は記録層を構成する材料によって、一義的に決定されてしまう。式(2)の右辺第2項は、記録層の形状に起因する値であり、記録層のアスペクト比を大きくし、形状異方性を増大させることで、右辺第2項の値を増大させ得るが、記録層のアスペクト比は、セルサイズ等により制限されてしまう。
従って、式(2)から、保持力Hcの値を増加させるためには、式(2)の右辺第3項の値を増加させることが、最も有効である。ここで、式(2)の右辺第3項における飽和磁化Msの値及び磁歪定数λの値は、記録層を構成する材料によって一義的に決定されてしまう。そこで、式(2)の右辺第3項の値を増加させるためには、磁化容易軸に沿った応力σの絶対値を増加させればよいことになる。
従って、本発明の目的は、保持力Hcを増大させることで最終的に記録層の熱安定性を向上させることができる構成、構造を有する磁気抵抗効果素子を備えた不揮発性磁気メモリ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様、第2の態様あるいは第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置は、
(A)記録層を有する積層構造体、
(B)積層構造体の下部に電気的に接続された第1の配線、
(C)積層構造体の上部に電気的に接続された第2の配線、並びに、
(D)積層構造体を取り囲む層間絶縁層、
から成る磁気抵抗効果素子を備えている。
そして、本発明の第1の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置において、磁気抵抗効果素子は、
層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも低いヤング率を有する低ヤング率領域を更に備えており、
記録層は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有しており、
記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、低ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されており、
記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、低ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置において、磁気抵抗効果素子は、
層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いヤング率を有する高ヤング率領域を更に備えており、
記録層は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有しており、
記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されており、
記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置において、磁気抵抗効果素子は、
高ヤング率領域、及び、該高ヤング率領域の有するヤング率よりも低いヤング率を有する低ヤング率領域を備えており、
記録層は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有しており、
記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置され、低ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されており、
記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置され、低ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置における磁気抵抗効果素子において、低ヤング率領域は、第2の配線の延在部から成る構成とすることができる。あるいは又、低ヤング率領域は、第2の配線を取り囲む上層絶縁層の延在部から成る構成とすることができる。
他方、本発明の第2の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置における磁気抵抗効果素子において、高ヤング率領域は、第2の配線の延在部から成る構成とすることができる。あるいは又、高ヤング率領域は、第2の配線を取り囲む上層絶縁層の延在部から成る構成とすることができる。
以上に説明した好ましい構成を含む本発明の第1の態様、第2の態様あるいは第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置(以下、これらの不揮発性磁気メモリ装置を総称して、単に、『本発明の不揮発性磁気メモリ装置』と呼ぶ場合がある)において、磁気抵抗効果素子を、TMR効果を用いたトンネル磁気抵抗効果素子から構成することもできるが、スピン注入による磁化反転を応用したスピン注入型磁気抵抗効果素子から構成することがより好ましい。そして、これらの場合、積層構造体の下方に、電界効果型トランジスタから成る選択用トランジスタを更に有しており、第2の配線(例えば、ビット線)の延びる方向は、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極の延びる方向と平行である形態とすることが好ましいが、これに限定するものではなく、第2の配線の延びる方向の射影像は、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極の延びる方向の射影像と直交する形態とすることもできる。また、場合によっては、選択用トランジスタは不要である。
また、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の不揮発性磁気メモリ装置における磁気抵抗効果素子にあっては、積層構造体の上部と第2の配線との間には接続部が設けられており、接続部を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高い構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、『第1の構成』と呼ぶ場合がある。あるいは又、第1の配線を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高い構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、『第2の構成』と呼ぶ場合がある。あるいは又、積層構造体の上部と第2の配線との間には接続部が設けられており、接続部を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高く、第1の配線を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高い構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、『第3の構成』と呼ぶ場合がある。
尚、以下の説明において、低ヤング率領域のヤング率をEL、高ヤング率領域を構成する材料のヤング率をEH、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率をE0、第1の配線を構成する材料のヤング率をE1、第2の配線を構成する材料のヤング率をE2、上層絶縁層を構成する材料のヤング率をEU、接続部を構成する材料のヤング率をECと呼ぶ。
本発明の第1の態様あるいは第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置における磁気抵抗効果素子にあっては、低ヤング率領域を構成する材料として、導電材料、絶縁材料を挙げることができるし、あるいは又、低ヤング率領域を空洞から構成することもできる。ここで、低ヤング率領域を導電材料から構成する場合、係る導電材料として、現在、半導体の配線として広く使用されている、Cu、Al、Cu系合金、Al系合金を挙げることができるし、更には、Au、Pt、Ta、Sn、In、Ag、Pb、Nb、Zn、Ni、Co、Fe、V、Cr、Ti、Mgを例示することができるし、更には、これらを主な成分とする合金や、これらの金属の窒化物等を例示することができる。また、低ヤング率領域を絶縁材料から構成する場合、係る絶縁材料として、SiOC、SiO、SiCN、低誘電率を有する絶縁材料である有機SOG、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂といった低誘電率絶縁材料(例えば、フルオロカーボン、アモルファス・テトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテル、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン、アモルファス・カーボン、シクロパーフルオロカーボンポリマー、フッ化フラーレン)、Silk(The Dow Chemical Co. の商標であり、塗布型低誘電率層間絶縁膜材料)、Flare(Honeywell Electronic Materials Co. の商標であり、ポリアリルエーテル(PAE)系材料)を例示することができる。尚、低ヤング率領域を構成する材料を、例えば、
0−EL≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
0−EL≧5×1010Pa(50GPa)
を満足するような材料から、適宜、選択すればよい。
一方、本発明の第2の態様あるいは第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置における磁気抵抗効果素子にあっては、高ヤング率領域を構成する材料として、導電材料、絶縁材料を挙げることができる。ここで、高ヤング率領域を導電材料から構成する場合、係る導電材料として、現在、半導体の配線として広く使用されている、Cu、Al、Cu系合金、Al系合金を挙げることができるし、更には、Ir、W、Rh、Ru、Mo等を挙げることもできるし、これらの材料から成る層の積層構造、これらを主な成分とする合金とすることもできる。また、高ヤング率領域を絶縁材料から構成する場合、係る絶縁材料として、SiN系(Si34)が代表であるが、SiOC、SiO、SiCNや、低誘電率を有する絶縁材料である有機SOG、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂といった低誘電率絶縁材料を使用することもできる。一般に、低誘電率絶縁材料は低ヤング率の材料とされているが、成膜方法の工夫や積層化等により高ヤング率化させることが可能であるため、特に限定されるものではない。尚、高ヤング率領域を構成する材料を、例えば、
H−E0≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
H−E0≧5×1010Pa
を満足するような材料から、適宜、選択すればよい。
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の不揮発性磁気メモリ装置における磁気抵抗効果素子にあっては、第1の配線を構成する材料として、Ir、Re、Rh、Ru、Mo、W、TiN、TiB2、ZrB2、ZrN、VB2、NbB2、NbC、TaB2、TaC、CrB2、Mo25、W25、WCを例示することができるが、第1の配線を構成する材料のヤング率E1が層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い構成とする場合、ストレス印加源としての第1の配線を構成する材料を、例えば、
1−E0≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
1−E0≧5×1010Pa
を満足するような材料から、適宜、選択すればよく、具体的には、上述したIr、Re、Rh、Ru、Mo、W、TiN、TiB2、ZrB2、ZrN、VB2、NbB2、NbC、TaB2、TaC、CrB2、Mo25、W25、WCを挙げることができるし、あるいは又、例えば4×1011Pa以上のヤング率E1を有する材料から、適宜、選択すればよいし、あるいは又、記録層に、1×108Pa乃至5×109Paの圧縮応力を加え得る材料から、適宜、選択すればよい。また、第2の配線(例えば、所謂ビット線として機能する)を構成する材料として、上述した種々の材料を例示することができるが、低ヤング率領域を第2の配線の延在部から構成する場合、第2の配線を構成する材料を、例えば、
0−E2≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
0−E2≧5×1010Pa
を満足するような材料から、適宜、選択すればよい。一方、高ヤング率領域を第2の配線の延在部から構成する場合、第2の配線を構成する材料を、例えば、
2−E0≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
2−E0≧5×1010Pa
を満足するような材料から、適宜、選択すればよい。
また、層間絶縁層を構成する材料として、SiN系(Si34)が代表であるが、SiOC、SiO、SiCNや、低誘電率を有する絶縁材料である有機SOG、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂といった低誘電率絶縁材料を使用することもできる。一般に、低誘電率絶縁材料は低ヤング率の材料とされているが、成膜方法の工夫や積層化等により高ヤング率化させることが可能であるため、特に限定されるものではない。
低ヤング率領域を第2の配線を取り囲む上層絶縁層の延在部から構成する場合、係る上層絶縁層を構成する材料として、SiOC、SiO、SiCN、低誘電率を有する絶縁材料である有機SOG、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂といった低誘電率絶縁材料(例えば、フルオロカーボン、アモルファス・テトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテル、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン、アモルファス・カーボン、シクロパーフルオロカーボンポリマー、フッ化フラーレン)、Silk、Flareを例示することができ、あるいは又、上層絶縁層を構成する材料を、例えば、
0−EU≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
0−EU≧5×1010Pa
を満足するような材料から、適宜、選択すればよい。一方、高ヤング率領域を第2の配線を取り囲む上層絶縁層の延在部から構成する場合、係る上層絶縁層を構成する材料として、SiN系(Si34)が代表であるが、SiOC、SiO、SiCNや、低誘電率を有する絶縁材料である有機SOG、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂といった低誘電率絶縁材料を使用することもできる。一般に、低誘電率絶縁材料は低ヤング率の材料とされているが、成膜方法の工夫や積層化等により高ヤング率化させることが可能であるため、特に限定されるものではない。あるいは又、上層絶縁層を構成する材料を、例えば、
U−E0≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
U−E0≧5×1010Pa
を満足するような材料から、適宜、選択すればよい。
また、接続部を構成する材料として、Ir、Re、Rh、Ru、Mo、W、TiN、TiB2、ZrB2、ZrN、VB2、NbB2、NbC、TaB2、TaC、CrB2、Mo25、W25、WC、Ta、TaN、WN、Al系合金、Cu系合金を例示することができるが、特に、この接続部においては、一部のみ高ヤング率の膜で挟むだけでも同様な効果が得られる。接続部を構成する材料のヤング率ECが層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い構成とする場合、係るストレス印加源としての接続部を構成する材料を、例えば、
C−E0≧1×1010Pa(10GPa)
好ましくは、
C−E0≧5×1010Pa
を満足するような材料から、適宜、選択すればよいし、あるいは又、例えば4×1011Pa以上のヤング率ECを有する材料から、適宜、選択すればよいし、あるいは又、記録層に、1×108Pa乃至5×109Paの圧縮応力を加え得る材料から、適宜、選択すればよい。
各種金属材料、合金材料等のヤング率の値を以下の表1に示す。
[表1]
Figure 2009212323
低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域が、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されており、あるいは又、磁化困難軸の延在領域に配置されているとは、低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域が、記録層の端部と接した状態で配置されている状態、あるいは又、記録層の端部と離れて配置されている状態を意味する。但し、前者の場合、低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域を構成する材料は絶縁材料である必要があるし、あるいは又、低ヤング率領域は空洞であってもよい。後者の場合、低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域から記録層の端部までの距離は、本質的に任意である。記録層の磁化容易軸の延在領域とは、記録層の磁化困難軸に沿って記録層を切断したときの記録層最大幅であって、記録層の磁化容易軸と平行に延びる層間絶縁層の帯状の領域を指し、低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域が記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されているとは、低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域の全部あるいは一部が、この帯状の領域内に存在することを意味する。一方、記録層の磁化困難軸の延在領域とは、記録層の磁化容易軸に沿って記録層を切断したときの記録層最大幅であって、記録層の磁化困難軸と平行に延びる層間絶縁層の帯状の領域を指し、低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域が記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されているとは、低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域の全部あるいは一部が、この帯状の領域内に存在することを意味する。低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域の平面形状は、例えば、円形、楕円形、長円形、三角形、矩形、多角形、丸みを帯びた三角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形といった形状を含む、任意の断面形状とすることができる。低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域は、1つの記録層の両側に配置されていてもよいし、隣接する2つの記録層の間に1つの低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域が配置されていてもよい。
記録層あるいは積層構造体の平面形状として、楕円形、長円形(2つの半円と2本の線分とが組み合わされた図形)、放物線や双曲線によって囲まれた形状、広くは2次関数あるいは3次以上の関数で表現し得る図形から構成された形状、正多角形(長方形、正5角形以上の正多角形、頂点が丸みを帯びた長方形、頂点が丸みを帯びた正5角形以上の正多角形が含まれる)、扁平な円形(円形を一方向から押し潰したような図形)を挙げることができるし、楕円形と線分との組合せ、放物線と線分との組合せ、双曲線と線分との組合せ、広くは、2次関数と1次関数との組合せ、あるいは3次以上の関数と1次関数との組合せを含むことができる。あるいは又、後述するような湾曲した形状とすることが一層好ましい。
ここで、スピン注入型磁気抵抗効果素子にあっては、磁化参照層(固着層とも呼ばれる)、非磁性体膜、及び、情報を記憶する記録層(磁化反転層あるいは自由層とも呼ばれる)によって、TMR効果あるいはGMR効果を有する積層構造体が構成されている構造とすることができる。磁化参照層、非磁性体膜及び記録層によって、TMR効果を有する積層構造体が構成されるとは、磁性材料から成る磁化参照層と、磁性材料から成る記録層との間に、トンネル絶縁膜として機能する非磁性体膜が挟まれた構造を指す。そして、磁化参照層と第1の配線(あるいは第2の配線)の電気的な接続状態として、第1の配線(あるいは第2の配線)が、直接、磁化参照層に接続されている形態を挙げることができるし、あるいは又、第1の配線(あるいは第2の配線)が、反強磁性体層を介して磁化参照層に接続されている形態を挙げることができる。磁化参照層が第1の配線に接続されている場合、第1の配線から磁化参照層を介して、また、磁化参照層が第2の配線に接続されている場合、第2の配線から磁化参照層を介して、偏極スピン電流を記録層内に注入することにより、記録層における磁化の方向を第1の方向(磁化容易軸と平行な方向)あるいは第2の方向(第1の方向とは反対の方向)とすることで、記録層に情報が書き込まれる。磁化参照層は、積層フェリ構造(反強磁性的結合を有する積層構造)を有する構成とすることができるし、あるいは又、磁化参照層は、静磁結合構造を有する構成とすることができる。積層フェリ構造とは、例えば、磁性材料層/ルテニウム(Ru)層/磁性材料層の3層構造(具体的には、例えば、CoFe/Ru/CoFeの3層構造、CoFeB/Ru/CoFeBの3層構造)を有し、ルテニウム層の厚さによって、2つの磁性材料層の層間交換結合が、反強磁性的あるいは強磁性的になる構造を指す。尚、2つの磁性材料層の層間交換結合が強磁性的になる構造を、積層フェロ構造と呼ぶ。また、2つの磁性材料層において、磁性材料層の端面からの漏洩磁界によって反強磁性的結合が得られる構造を、静磁結合構造と呼ぶ。反強磁性体層を構成する材料として、鉄−マンガン合金、ニッケル−マンガン合金、白金−マンガン合金、イリジウム−マンガン合金、ロジウム−マンガン合金、コバルト酸化物、ニッケル酸化物を挙げることができる。第1の配線(あるいは第2の配線)と反強磁性体層との間には、反強磁性体層の結晶性向上のために、Ta、Cr、Ru、Ti等から成る下地膜を形成してもよい。
スピン注入型磁気抵抗効果素子における記録層(磁化反転層)、磁化参照層を構成する材料として、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)といった強磁性材料、これらの強磁性材料の合金(例えば、Co−Fe、Co−Fe−Ni、Ni−Fe等)、これらの合金に非磁性元素(例えば、タンタル、ホウ素、クロム、白金、シリコン、炭素、窒素等)を混ぜた合金(例えば、Co−Fe−B等)、Co、Fe、Niの内の1種類以上を含む酸化物(例えば、フェライト:Fe−MnO等)、ハーフメタリック強磁性材料と呼ばれる一群の金属間化合物(ホイスラー合金:NiMnSb、Co2MnGe、Co2MnSi、Co2CrAl等)、酸化物(例えば、(La,Sr)MnO3、CrO2、Fe34等)を挙げることができる。記録層、磁化参照層の結晶性は、本質的に任意であり、多結晶であってもよいし、単結晶であってもよいし、非晶質であってもよい。更には、各種磁性半導体の使用も可能であるし、軟磁性(ソフト膜)であっても硬磁性(ハード膜)であってもよい。
スピン注入型磁気抵抗効果素子におけるTMR効果を有する積層構造体を構成する非磁性体膜を構成する材料として、アルミニウム酸化物(AlOX)、アルミニウム窒化物(AlN)、マグネシウム酸化物(MgO)、マグネシウム窒化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物、TiO2あるいはCr23、Ge、NiO、CdOX、HfO2、Ta25、BN、ZnS等の絶縁材料を挙げることができる。一方、GMR効果を有する積層構造体を構成する非磁性体膜を構成する材料として、Cu、Ru、Cr、Au、Ag、Pt、Ta等、あるいは、これらの合金といった導電性材料を挙げることができるし、導電性が高ければ(抵抗率が数百μΩ・cm以下)、任意の非金属材料としてもよいが、記録層や磁化参照層と界面反応を起こし難い材料を、適宜、選択することが望ましい。
これらの層は、例えば、スパッタリング法、イオンビーム堆積法、真空蒸着法に例示される物理的気相成長法(PVD法)ALD(Atomic Layer Deposition)法に代表される化学的気相成長法(CVD法)にて形成することができる。
また、非磁性体膜は、例えば、スパッタリング法にて形成された金属膜を酸化若しくは窒化することにより得ることができる。より具体的には、非磁性体膜を構成する絶縁材料としてアルミニウム酸化物(AlOX)を用いる場合、例えば、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを大気中で酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムをプラズマ酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムをICPプラズマで酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを酸素中で自然酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを酸素ラジカルで酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを酸素中で自然酸化させるときに紫外線を照射する方法、アルミニウムを反応性スパッタリング法にて成膜する方法、アルミニウム酸化物(AlOX)をスパッタリング法にて成膜する方法を例示することができる。
一方、磁気抵抗効果素子をTMR効果を用いたトンネル磁気抵抗効果素子とする場合、積層構造体は、第1の強磁性体層、トンネル絶縁膜、記録層(第2の強磁性体層あるいは自由層とも呼ばれる)から成る。ここで、第1の強磁性体層は、より具体的には、例えば、反強磁性体層と強磁性体層(固着層あるいは磁化固定層とも呼ばれる)との2層構成を有していることが好ましく、これによって、これらの2層の間に働く交換相互作用によって強い一方向の磁気的異方性を有することができる。尚、磁化固定層がトンネル絶縁膜と接する。あるいは又、磁化固定層は、より具体的には、例えば、合成反強磁性結合(SAF:Synthetic Antiferromagnet)を有する多層構造(例えば、強磁性体材料層/金属層/強磁性体材料層)とすることもできる。合成反強磁性結合に関しては、例えば、 S. S. Parkin et. al, Physical Review Letters, 7 May, pp 2304-2307 (1990) に報告されている。記録層においては、磁化方向が比較的容易に回転する。トンネル絶縁膜は、記録層と磁化固定層との間の磁気的結合を切ると共に、トンネル電流を流すための役割を担う。
トンネル磁気抵抗効果素子における第1の強磁性体層(固着層、磁化固定層)及び記録層(第2の強磁性体層、自由層)は、例えば、遷移金属磁性元素、具体的には、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)又はコバルト(Co)から構成された強磁性体、あるいはこれらの合金(例えば、Co−Fe、Co−Fe−Ni、Ni−Fe等)を主成分とする強磁性体から構成することができる。また、所謂ハーフメタリック強磁性体材料や、CoFe−Bといったアモルファス強磁性体材料を用いることもできる。反強磁性体層を構成する材料として、例えば、鉄−マンガン合金、ニッケル−マンガン合金、白金−マンガン合金、イリジウム−マンガン合金、ロジウム−マンガン合金、コバルト酸化物、ニッケル酸化物を挙げることができる。これらの層は、例えば、スパッタリング法、イオンビーム堆積法、真空蒸着法に例示されるPVD法にて形成することができる。
トンネル磁気抵抗効果素子におけるトンネル絶縁膜を構成する絶縁材料として、アルミニウム酸化物(AlOX)、アルミニウム窒化物(AlN)、マグネシウム酸化物(MgO)、マグネシウム窒化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物を挙げることができ、更には、Ge、NiO、CdOX、HfO2、Ta25、BN、ZnSを挙げることができる。トンネル絶縁膜は、例えば、スパッタリング法にて形成された金属膜を酸化若しくは窒化することにより得ることができる。より具体的には、トンネル絶縁膜を構成する絶縁材料としてアルミニウム酸化物(AlOX)を用いる場合、例えば、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを大気中で酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムをプラズマ酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムをICPプラズマで酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを酸素中で自然酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを酸素ラジカルで酸化する方法、スパッタリング法にて形成されたアルミニウムを酸素中で自然酸化させるときに紫外線を照射する方法、アルミニウムを反応性スパッタリング法にて成膜する方法、酸化アルミニウムをスパッタリング法にて成膜する方法を例示することができる。あるいは又、トンネル絶縁膜をALD法によって形成することができる。
磁気抵抗効果素子における積層構造体のパターニングは、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)法やイオンミリング法(イオンビームエッチング法)にて行うことができる。また、場合によっては、所謂リフトオフ法にてパターニングを行うこともできる。
不揮発性磁気メモリ装置における好ましい構成にあっては、積層構造体の下方に、電界効果型トランジスタから成る選択用トランジスタを更に有しているが、より具体的な構成として、例えば、限定するものではないが、
半導体基板に形成された選択用トランジスタ、及び、
選択用トランジスタを覆う下層絶縁層、
を備え、
下層絶縁層上に第1の配線が形成されており、
第1の配線が、下層絶縁層に設けられた接続孔(あるいは接続孔とランディングパッド部や下層配線)を介して選択用トランジスタに電気的に接続されており、
層間絶縁層は、下層絶縁層及び第1の配線を覆い、積層構造体を取り囲んでおり、
第2の配線は層間絶縁層上に形成されている構成を例示することができる。
尚、トンネル磁気抵抗効果素子(MRAM)にあっては、下層絶縁層は、第1下層絶縁層と、第2下層絶縁層とが積層された構造を有し、書込みワード線は、第1下層絶縁層上に形成されており、第2下層絶縁層は、書込みワード線及び第1下層絶縁層を覆っている構成を有する。
選択用トランジスタは、例えば、周知のMIS型FETやMOS型FETから構成することができる。第1の配線と選択用トランジスタとを電気的に接続する接続孔は、不純物がドーピングされたポリシリコンや、タングステン、Ti、Pt、Pd、Cu、TiW、TiNW、WSi2、MoSi2等の高融点金属や金属シリサイドから構成することができ、CVD法や、スパッタリング法に例示されるPVD法に基づき形成することができる。また、下層絶縁層を構成する材料として、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、SiON、SOG、NSG、BPSG、PSG、BSGあるいはLTOを例示することができる。また、下層配線や、トンネル磁気抵抗効果素子における書込みワード線は、例えば、アルミニウム、Al−Cu等のアルミニウム系合金、銅(Cu)から成り、例えば、スパッタリング法に例示されるPVD法にて形成することができる。
本発明の不揮発性磁気メモリ装置にあっては、記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、
(1−A)低ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されており(本発明の第1の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置)、あるいは又、
(1−B)高ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されており、(本発明の第2の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置)、あるいは又、
(1−C)高ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置され、低ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されている(本発明の第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置)。
従って、記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、記録層の磁化容易軸に沿って、記録層に大きな引っ張り応力(σ)を加えることができる。
また、記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、
(2−A)低ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されており(本発明の第1の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置)、あるいは又、
(2−B)高ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されており、(本発明の第2の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置)、あるいは又、
(2−C)高ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置され、低ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されている(本発明の第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置)。
従って、記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、記録層の磁化容易軸に沿って、記録層に大きな圧縮応力(σ)を加えることができる。
そして、記録層の磁化容易軸に沿って、記録層に大きな引っ張り応力あるいは圧縮応力を加えることができるので、前述した式(2)の右辺第3項[3(λ/Ms)・σ]の値を増加させることができる結果、逆磁歪効果とも呼ばれるビラリ効果(Villari Effect)によって保持力Hcを増大させることができるので、異方性磁界Hkを増大させることができ、以上の結果として、式(1)における熱安定性指標Δを向上させることができる。それ故、記録層の熱安定性を向上させることができるし、データ保持特性の向上を図ることができ、信頼性の高い磁気抵抗効果素子を備えた不揮発性磁気メモリ装置を提供することができる。また、応力(σ)の大小、それ自体は、記録層を構成する材料には依存していない。従って、記録層を構成する材料を適切に選択することで、例えば、スピン注入磁化反転の臨界電流(書込み電流)Icの低減を図ることが可能であり、不揮発性磁気メモリ装置の低消費電力化を達成することができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の第1の態様及び第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置に関し、より具体的には、第1の構成に関する。実施例1、あるいは、後述する実施例3の不揮発性磁気メモリ装置は、図1の(A)に模式的な一部断面図を示し、図1の(B)に第2の配線等の模式的な配置を示し、図2の(A)に積層構造体の概念図を示し、図2の(B)に記録層の模式的な平面図を示すように、
(A)記録層53を有する積層構造体50、
(B)積層構造体50の下部に電気的に接続された第1の配線41、
(C)積層構造体50の上部に電気的に接続された第2の配線42、並びに、
(D)積層構造体50を取り囲む層間絶縁層26、
から成る磁気抵抗効果素子30を備えている。尚、実施例1〜実施例10にあっては、磁気抵抗効果素子30は、スピン注入による磁化反転を応用したスピン注入型磁気抵抗効果素子から成る。
尚、図1の(A)に示す模式的な一部断面図において、図面の関係上、一点鎖線の上側の「A」の領域と、下側の「B」の領域では、不揮発性磁気メモリ装置の断面を眺める方向が90度異なっている。即ち、「A」の領域は、不揮発性磁気メモリ装置の断面を磁化困難軸と平行な方向から眺めており、「B」の領域は、不揮発性磁気メモリ装置の断面を磁化容易軸と平行な方向から眺めている。従って、図1の(A)では、第2の配線(実施例1にあっては、ビット線)42の延びる方向の射影像と、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極12の延びる方向の射影像とは直交しているように図示しているが、実際には、平行である。
ここで、積層構造体50を構成する記録層53は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有している。実施例1にあっては、磁化容易軸は第2の配線42と平行である。そして、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置において、磁気抵抗効果素子30は、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも低いヤング率ELを有する低ヤング率領域71を更に備えている。ここで、実施例1にあっては、記録層53を構成する材料の磁歪定数λの値は正であり、低ヤング率領域71は、記録層53の磁化容易軸の延在領域に配置されている。具体的には、実施例1にあっては、低ヤング率領域71は、第2の配線42の延在部43から成り、図1の(B)において点線で示すが、その平面形状は円形である。
あるいは又、高ヤング率領域72、及び、この高ヤング率領域72の有するヤング率よりも低いヤング率を有する低ヤング率領域71を備えており、高ヤング率領域72が記録層53の磁化困難軸の延在領域に配置され、低ヤング率領域71が記録層53の磁化容易軸の延在領域に配置されているとも云える。ここで、実施例1にあっては、高ヤング率領域72とは、より具体的には、記録層53の磁化困難軸の延在領域に存在する層間絶縁層26の部分が該当する。尚、図1の(B)において、高ヤング率領域72を一点鎖線で示すが、高ヤング率領域72は、このように、層間絶縁層26それ自体である。
また、積層構造体50の上部と第2の配線42との間には接続部62が設けられており、ストレス印加源としての接続部62を構成する材料のヤング率ECは、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い。接続部62は、具体的には、厚さ100nmのTiN層から成り、スパッタリング法にて形成されている。尚、スパッタリングの際、半導体基板を傾けながら接続部62を成膜することで、記録層の磁化容易軸に沿った応力の増加を図ることができる。
また、積層構造体50と接続部62との間には、厚さ約5nmのTa層から成るキャップ層61がスパッタリング法にて形成されている。キャップ層61は、配線や接続部62を構成する原子と記録層53を構成する原子の相互拡散の防止、接触抵抗の低減、及び、記録層53の酸化防止を担っている。尚、キャップ層として、その他、Ru層、Pt層、MgO層、Ru膜/Ta膜の積層構造を挙げることができる。
更には、積層構造体50の下方(より具体的には、第1の配線41の下方)に、電界効果型トランジスタから成る選択用トランジスタTRが設けられている。そして、第2の配線(ビット線)42の延びる方向は、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極12の延びる方向と平行である。具体的には、選択用トランジスタTRは、素子分離領域11によって囲まれたシリコン半導体基板10の部分に形成されており、下層絶縁層21,24によって覆われている。そして、一方のソース/ドレイン領域14Bは、タングステンプラグから成る接続孔22を介して、第1の配線41に接続されている。また、他方のソース/ドレイン領域14Aは、タングステンプラグ15を介してセンス線16に接続されている。図中、参照番号12はゲート電極(所謂ワード線として機能する)を示し、参照番号13はゲート絶縁膜を示す。
図2の(A)に概念図を示すように、積層構造体50は、以下の構成、構造を有しており、スパッタリング法にて形成されている。尚、磁化固定層においては、上層ボトム層を構成する反強磁性体層のPt−Mnとの交換結合によって、磁化の方向がピニング(pinning)される。また、記録層53においては、電流の流れる方向により、その磁化の方向が、磁化固定に対して平行又は反平行に変えられる。
具体的には、実施例1におけるスピン注入型磁気抵抗効果素子は、GMR(Giant Magnetoresistance,巨大磁気抵抗)効果を有する積層膜、あるいは、TMR効果を有する積層膜から成る磁気抵抗効果積層膜が2つの配線41,42で挟まれた構造を有する。即ち、情報を記録する機能を担う記録層(磁化反転層あるいは自由層とも呼ばれる)53と、磁化方向が固定されており、スピンフィルターとして機能する磁化参照層(固着層とも呼ばれる)51が、非磁性体膜52を介して積層された構造を有し、電流は膜面に垂直に流れる(図2の(A)参照)。記録層53の大きさは、模式的な平面図を図2の(B)に示すが、記録層53を構成する磁性材料の種類や膜厚に依るが、単磁区化を促進し、且つ、スピン注入磁化反転の臨界電流Icを低減するため、概ね200nm以下である。記録層53は、適当な磁気異方性により2以上の複数の磁化方向(例えば、図2の(A)に水平方向の矢印にて示す2方向である第1の方向及び第2の方向)を取ることができ、各磁化方向は記録される情報に対応する。図2の(B)においては、記録層53の平面形状を長楕円形状にすることによって、形状磁気異方性を付与した例を示す。即ち、記録層53は、第1の方向及び第2の方向に平行な磁化容易軸と、磁化困難軸とを有しており、磁化容易軸に沿った記録層53の長さは、磁化困難軸に沿った記録層53の長さよりも長い。
磁化参照層51は、通例、反強磁性体層54との交換結合により、その磁化方向が固定されている(図2の(C)参照)。磁化参照層51A,51Bを、記録層53の上下に、非磁性体膜52A,52Bを介して配置して、スピン注入磁化反転の効率を向上させたダブル・スピンフィルター構造も知られている(図2の(D)参照)。ここで、参照番号54A,54Bは、反強磁性体層である。尚、図2の(A)、(C)及び(D)に示した例においては、記録層53、磁化参照層51(磁化参照層が2層51A,51Bの場合には、いずれか一方の層)を、積層フェリ構造としてもよい。非磁性体膜52,52A,52Bは、金属材料あるいは絶縁材料から構成されている。図2の(A)あるいは、図2の(C)に示す構造において、磁化参照層51から記録層53への漏洩磁界を抑制するために、即ち、磁化参照層51と記録層53とが静磁気的に結合することを防ぐために、磁化参照層51を記録層53に比して十分大きくする構造も採用されている。いずれにしても、スピン注入磁化反転を適用した不揮発性磁気メモリ素子(スピン注入型磁気抵抗効果素子)は、磁気抵抗効果積層膜の上下を配線で挟んだ、2端子スピントランスファー素子構造を有する。
[積層構造体50]
記録層53
厚さ約3nmのCo−Fe−B層
非磁性体膜(トンネル絶縁膜)52
厚さ1.0nmのMgO膜
磁化参照層(SAFを持つ多層膜)51(図面では1層で示す)
上層:Co−Fe−B層
中層:Ru層
下層:Co−Fe層、
第2の配線42、及び、第2の配線の延在部43から成る低ヤング率領域71は、銅(Cu)から構成されており、低ヤング率領域71は、層間絶縁層26に設けられた孔部27に銅が充填されて成る。一方、層間絶縁層26は、プラズマCVD法にて成膜されたSiN層から構成されている。更には、接続部62は上述したとおりTiN層から成り、接続部62を構成する材料のヤング率ECは層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い。これらのヤング率の値を以下に示す。第1の配線41は、20nm厚さのPt−Mn合金から成る反強磁性体層から成る上層と10nm厚さのTa層から成る下層の2層構造を有する。尚、図面においては、第1の配線41を1層で表示する。
低ヤング率領域71のヤング率EL :約1.5×1011Pa
層間絶縁層26のヤング率E0 :約2.2×1011Pa
接続部62を構成する材料のヤング率EC :約5.9×1011Pa
以下、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置の製造方法の概要を説明するが、他の実施例の不揮発性磁気メモリ装置も、特段の断りが無い限り、基本的には同じ方法で作製することができる。
[工程−100]
先ず、周知の方法に基づき、シリコン半導体基板10に素子分離領域11を形成し、素子分離領域11によって囲まれたシリコン半導体基板10の部分に、ゲート酸化膜13、ゲート電極12、ソース/ドレイン領域14A,14Bから成る選択用トランジスタTRを形成する。次いで、第1下層絶縁層21を形成し、ソース/ドレイン領域14Aの上方の第1下層絶縁層21の部分にタングステンプラグ15を形成し、更には、第1下層絶縁層21上にセンス線16を形成する。その後、全面に第2下層絶縁層24を形成し、ソース/ドレイン領域14Bの上方の下層絶縁層21,24の部分にタングステンプラグから成る接続孔22を形成する。こうして、下層絶縁層21,24で覆われた選択用トランジスタTRを得ることができる。
[工程−110]
その後、スパッタリング法にて、真空中での連続成膜にて、全面に、2層構造の第1の配線41、積層構造体50、キャップ層61、接続部62を形成する。尚、スパッタリングの際、半導体基板を傾けながら接続部62を成膜することで、記録層の磁化容易軸に沿った応力の増加を図ることが好ましい。
[2層構造の第1の配線41]
プロセスガス :アルゴン=100sccm
成膜雰囲気圧力:0.6Pa
DCパワー :200W
[磁化参照層51]
下層
プロセスガス :アルゴン=50sccm
成膜雰囲気圧力:0.3Pa
DCパワー :100W
中層
プロセスガス :アルゴン=50sccm
成膜雰囲気圧力:0.3Pa
DCパワー :50W
上層
プロセスガス :アルゴン=50sccm
成膜雰囲気圧力:0.3Pa
DCパワー :100W
[非磁性体膜52]
プロセスガス :アルゴン=100sccm
成膜雰囲気圧力:1.0Pa
RFパワー :500W
[記録層53]
プロセスガス :アルゴン=50sccm
成膜雰囲気圧力:0.3Pa
DCパワー :200W
[キャップ層61]
プロセスガス :アルゴン=100sccm
成膜雰囲気圧力:0.6Pa
DCパワー :200W
[接続部62]
プロセスガス :アルゴン=30sccm
反応性ガス :N2=70sccm
成膜雰囲気圧力:0.7Pa
DCパワー :10kW
[工程−120]
その後、得られた第1の配線41、積層構造体50、キャップ層61、接続部62の上にSiO2から成るハードマスク層(図示せず)をバイアス高密度プラズマCVD(HDP−CVD)法にて形成し、ハードマスク層上にパターニングされたレジスト層を形成して、ドライエッチング法にてハードマスク層をエッチングし、レジスト層をアッシング処理にて除去する。その後、ハードマスク層をエッチング用マスクとして、接続部62、キャップ層61及び積層構造体50を反応性イオンエッチング法(RIE法)に基づきエッチングして、図1の(B)に点線で模式的な平面図を示すような楕円形状の積層構造体50を設ける。尚、場合によっては、積層構造体50の内の記録層53までエッチングを行い、この時点では、非磁性体膜(トンネル絶縁膜)52及び磁化参照層51のエッチングを行わなくともよい。また、接続部62、キャップ層61及び記録層53をRIE法によってパターニングする代わりに、イオンミリング法(イオンビームエッチング法)に基づきパターニングすることもできる。その後、エッチング用マスクを形成して、第1の配線41のパターニングを行う。非磁性体膜52及び磁化参照層51のエッチングを行わなかった場合には、この時点で、非磁性体膜52及び磁化参照層51のエッチングを行えばよい。
[工程−130]
次いで、全面に、プラズマCVD法にてSiN層から成る層間絶縁層26を成膜した後、層間絶縁層26及びハードマスク層を化学的機械的研磨法(CMP法)にて平坦化し、接続部62を露出させる。
[工程−140]
その後、全面に、プラズマCVD法にて形成されたシリコン酸化膜(P−SiO)から成る上層絶縁層28(図1の(B)参照)を形成し、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、この上層絶縁層28に第2の配線42を形成するための凹部(溝部)を形成し、更には、溝部の底部に、低ヤング率領域71を形成するための孔部27を層間絶縁層26に設ける。
[工程−150]
次いで、例えば、メッキ法にて、上層絶縁層28上、溝部の内部、層間絶縁層26に設けられた孔部27の内部に、銅層、銅から成る第2の配線42、及び、第2の配線42の延在部43から成る低ヤング率領域71を形成する。その後、CMP法にて、上層絶縁層28上の銅層を除去する。こうして、図1の(A)及び(B)に示した構造の不揮発性磁気メモリ装置を得ることができる。
実施例1の不揮発性磁気メモリ装置にあっては、接続部62は、ストレス印加源の役割も兼ねている。そして、このような接続部62を設けることによって、記録層53の外形形状にも依存するが、記録層53には、0.1×109Pa乃至5×109Pa程度の圧縮応力(記録層53を押す力)が加わる。その結果、記録層53は、磁化容易軸の方向及び磁化困難軸の方向に伸びようと変位するが、記録層53の磁化容易軸の延在領域に低ヤング率領域71が配置されているので、記録層53の磁化容易軸に沿って記録層53は伸びるように変位する状態となる。しかしながら、実際には、記録層53は周囲を層間絶縁層26によって囲まれているので、変位することはできず、記録層53には引っ張り応力が加わることになる。それ故、前述した式(2)における右辺第3項の値を増加させることができるので、保持力Hcを増大させることができ、更には、異方性磁界Hkを増大させることができ、以上の結果として、式(1)における熱安定性指標Δを向上させることができる。それ故、記録層53の熱安定性を向上させることができるし、保持力Hcを増大させることができるのでデータ保持特性の向上を図ることができ、信頼性の高い磁気抵抗効果素子を備えた不揮発性磁気メモリ装置を提供することができる。また、応力(σ)の大小、それ自体は、記録層53を構成する材料には依存していない。従って、記録層53を構成する材料を適切に選択することで、例えば、スピン注入磁化反転の臨界電流(書込み電流)Icの低減を図ることが可能であり、不揮発性磁気メモリ装置の低消費電力化を達成することができる。
接続部62の材質及び厚さと保磁力Hcとの関係を調べた。記録層53を厚さ2nmのCo−Fe−B層から構成した。尚、便宜上、試作品では、接続部62をTa(ヤング率:186GPa)から構成した。厚さ10nmのTaの記録層53に及ぼす圧縮応力は約2GPaであり、厚さ20nmのTaの記録層53に及ぼす圧縮応力は約3GPaである。保磁力Hcを測定した結果、厚さ10nmの接続部62の場合には保磁力Hcは40(Oe)であり、厚さ20nmの接続部62の場合には保磁力Hcは50(Oe)であり、保磁力Hcが10(Oe)増加した。また、Taと比較してヤング率が約2.2倍(414GPa)のRu(厚さ10nm)から接続部62を構成したところ、保磁力Hcは70(Oe)となり、保磁力Hcは接続部62を構成する材料の有するヤング率に概ね比例することが判った。
また、[工程−140]及び[工程−150]を実行する代わりに、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、低ヤング率領域71を形成するための孔部27を層間絶縁層26に設けた後、この孔部27を含む層間絶縁層26上にスパッタリング法にてアルミニウム層あるいはアルミニウム合金層を形成し、次いで、アルミニウム層あるいはアルミニウム合金層をフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術に基づきパターニングすることで、第2の配線42及び低ヤング率領域71を得てもよい。尚、アルミニウム層あるいはアルミニウム合金層の成膜前に、バリア層として機能するTi層及びTiN層を、順次、全面に成膜しておいてもよい。
このようにして得られたアルミニウムから成る第2の配線42及び低ヤング率領域71を備えた実施例試作品における印加磁場とTMR効果の関係を測定した結果を、図3の(A)に示す。併せて、比較のために、低ヤング率領域71を備えていない比較例試作品における印加磁場とTMR効果の関係を測定した結果を、図3の(B)に示す。図3の(A)及び(B)から、実施例試作品の方が比較例試作品と比べて、約1.5倍、保磁力Hcが増加していることが判る。尚、この結果を基に求めた熱安定性指標Δの値は、以下のとおりであり、高い熱安定性指標Δを達成することができた。
実施例試作品:Δ=82[保磁力Hc:約150(Oe)]
比較例試作品:Δ=63[保磁力Hc:約100(Oe)]
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の不揮発性磁気メモリ装置の模式的な一部断面図を図4の(A)示し、第2の配線等の模式的な配置図を図4の(B)に示す。尚、図4の(A)は、図1の(A)と異なり、不揮発性磁気メモリ装置の全ての断面を、不揮発性磁気メモリ装置の断面を磁化困難軸と平行な方向から眺めている。第2の配線(ビット線)242の延びる方向の射影像と、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極12の延びる方向の射影像とは平行である。
実施例1にあっては、磁気抵抗効果素子30を構成する低ヤング率領域71を、第2の配線42の延在部43から構成した。一方、実施例2にあっては、磁気抵抗効果素子230を構成する低ヤング率領域271は、第2の配線242を取り囲む上層絶縁層228の延在部229から成る。この低ヤング率領域271は、図4の(B)において点線で示すが、第2の配線242と平行に延びる帯状の平面形状を有している。但し、実施例1と同様に、その平面形状を円形としてもよい。
ここで、実施例2にあっては、上層絶縁層228をプラズマCVD法にて形成されたシリコン酸化膜(P−SiO)から構成した。この上層絶縁層228の有するヤング率EUは、5×1010Pa(50GPa)である。
以上の点を除き、実施例2の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例2の不揮発性磁気メモリ装置は、以下の方法で作製することができる。
[工程−200]
先ず、実施例1の[工程−100]〜[工程−130]と同様の工程を実行する。
[工程−210]
その後、低ヤング率領域271を形成するための溝部227を、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、層間絶縁層26に設ける。次に、全面に上層絶縁層228を形成して溝部227を埋め込んだ後、第2の配線242を形成すべき部分の上層絶縁層228に、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、溝部(凹部)を形成する。
[工程−220]
次いで、例えば、メッキ法にて、上層絶縁層228上及び溝部の内部に、銅層、銅から成る第2の配線242を形成する。その後、CMP法にて、上層絶縁層228上の銅層を除去する。こうして、図4の(A)及び(B)に示した構造の不揮発性磁気メモリ装置を得ることができる。
実施例3も、実施例1の変形であるが、第2の構成に関する。実施例3にあっては、第1の配線を構成する材料のヤング率E1は、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い。具体的には、第1の配線を構成する材料は、ルテニウム(Ru,ヤング率E1:4.1×1011Pa)である。尚、第1の配線を構成する材料として、その他、例えば、タングステン(W,ヤング率E1:3.5×1011Pa)を用いてもよい。また、実施例3にあっては、接続部を構成する材料はTiN(ヤング率:1.1×1011Pa)であり、ストレス印加源としての機能は有していない。
以上の点を除き、実施例3の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例3にあっても、実施例2において説明した低ヤング率領域271の構成、構造を採用してもよい。
実施例3の不揮発性磁気メモリ装置にあっては、第1の配線はストレス印加源の役割も兼ねている。そして、このような構成の第1の配線を設けることによって、記録層53の外形形状にも依存するが、記録層53には、10GPa以上の圧縮応力(記録層53を押す力)が加わる。その結果、実施例1において説明したと同様の現象が生じる結果、記録層53には引っ張り応力が加わることになる。それ故、実施例1において説明したと同様の効果を奏することができる。
実施例4は、実施例1及び実施例3の変形であるが、第3の構成に関する。実施例4にあっては、実施例1と同様に、積層構造体50の上部と第2の配線42との間には接続部62が設けられており、接続部62を構成する材料のヤング率ECは、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも高く、また、実施例3と同様に、第1の配線を構成する材料のヤング率E1は、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い。
以上の点を除き、実施例4の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例1及び実施例3の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例4にあっても、実施例2において説明した低ヤング率領域271の構成、構造を採用してもよい。
実施例5も、実施例1の変形であるが、記録層を構成する材料として、磁歪定数λの値が負の材料(具体的には、Ne90Fe10[NeとFeの組成比が90/10の材料])であり、λ=−2.0×10-5)を使用した。また、低ヤング率領域571は、第2の配線等の模式的な配置図を図5の(A)に示すように、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されている。尚、実線と一点鎖線で囲まれた低ヤング率領域の部分571Aは、層間絶縁層26にまで延びている。
また、高ヤング率領域572が記録層53の磁化容易軸の延在領域に配置されていると見做せる。ここで、実施例5にあっては、高ヤング率領域572とは、より具体的には、記録層53の磁化容易軸の延在領域に存在する層間絶縁層26の部分が該当する。尚、図5の(A)において、高ヤング率領域572を一点鎖線で示すが、高ヤング率領域572は層間絶縁層26それ自体である。
以上の点を除き、実施例5の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例5にあっても、実施例2において説明した低ヤング率領域271の構成、構造を採用してもよい(図5の(B)の第2の配線等の模式的な配置図を参照)。更には、実施例3、実施例4において説明した第1の配線や接続部の構成、構造を採用してもよい。
実施例6は、本発明の第2の態様及び第3の態様に係る不揮発性磁気メモリ装置に関し、より具体的には、第1の構成に関する。尚、実施例6の不揮発性磁気メモリ装置の模式的な一部断面図は、図1に示したと基本的に同じである。
実施例6にあっても、積層構造体50を構成する記録層53は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有している。実施例6にあっても、磁化容易軸は第2の配線642と平行である。そして、実施例6の不揮発性磁気メモリ装置において、第2の配線等の模式的な配置図を図6の(A)に示すが、磁気抵抗効果素子は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率E0よりも高いヤング率EHを有する高ヤング率領域672を更に備えている。ここで、実施例6にあっては、記録層53を構成する材料の磁歪定数λの値は正であり、高ヤング率領域672は、記録層53の磁化困難軸の延在領域に配置されている。具体的には、実施例6にあっては、高ヤング率領域672は、第2の配線642の延在部643から成り、図6の(A)において実線と点線で囲まれた領域で示すが、その平面形状は矩形である。尚、高ヤング率領域の部分672Aは、層間絶縁層26にまで延びている。第2の配線642及びその延在部643である高ヤング率領域672は、実施例6にあっては、ルテニウム(Ru,ヤング率EH:4.1×1011Pa)やタングステン(W,ヤング率EH:3.5×1011Pa)から成る。場合によっては、第2の配線642及びその延在部643である高ヤング率領域672を、ルテニウム(Ru)やタングステン(W)から成る下層と、アルミニウム(Al)や銅(Cu)から成る上層の2層構造としてもよい。
また、低ヤング率領域671が記録層53の磁化容易軸の延在領域に配置されていると見做せる。ここで、実施例6にあっては、低ヤング率領域671とは、より具体的には、記録層53の磁化容易軸の延在領域に存在する層間絶縁層26の部分が該当する。尚、図6の(A)において、低ヤング率領域671を一点鎖線で示すが、低ヤング率領域671は層間絶縁層それ自体である。
以上の点を除き、実施例6の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例6の不揮発性磁気メモリ装置にあっては、接続部62はストレス印加源の役割も兼ねている。そして、このような接続部62を設けることによって、記録層53の外形形状にも依存するが、記録層53には、10GPa以上の圧縮応力(記録層53を押す力)が加わる。その結果、記録層53は、磁化容易軸の方向及び化困難軸の方向に伸びようと変位するが、記録層53の磁化困難軸の延在領域に高ヤング率領域672が配置されているので、記録層53の磁化容易軸に沿って記録層53は伸びるように変位する状態となる。しかしながら、実際には、記録層53は周囲を層間絶縁層26によって囲まれているので、変位することはできず、記録層53には引っ張り応力が加わることになる。それ故、前述した式(2)における右辺第3項の値を増加させることができるので、保持力Hcを増大させることができ、更には、異方性磁界Hkを増大させることができ、以上の結果として、式(1)における熱安定性指標Δを向上させることができる。それ故、記録層53の熱安定性を向上させることができるし、保持力Hcを増大させることができるのでデータ保持特性の向上を図ることができ、信頼性の高い磁気抵抗効果素子を備えた不揮発性磁気メモリ装置を提供することができる。また、応力(σ)の大小、それ自体は、記録層53を構成する材料には依存していない。従って、記録層53を構成する材料を適切に選択することで、例えば、スピン注入磁化反転の臨界電流(書込み電流)Icの低減を図ることが可能であり、不揮発性磁気メモリ装置の低消費電力化を達成することができる。
実施例7は、実施例6の変形である。実施例7の不揮発性磁気メモリ装置の第2の配線等の模式的な配置図を図6の(B)に示す。実施例6にあっては、磁気抵抗効果素子を構成する高ヤング率領域672を、第2の配線642の延在部643から構成した。一方、実施例7にあっては、磁気抵抗効果素子を構成する高ヤング率領域772は、第2の配線742を取り囲む上層絶縁層728の延在部729から成る。この高ヤング率領域772は、図6の(B)において点線で示すが、第2の配線742と平行に延びる帯状の平面形状を有している。但し、実施例6と同様に、その平面形状を円形としてもよい。
ここで、実施例7にあっては、上層絶縁層728をSiN(ヤング率EU:約2.2×1011Pa)から構成し、層間絶縁層26をプラズマCVD法にて形成されたシリコン酸化膜(P−SiO,ヤング率E0:5×1010Pa)から構成した。
以上の点を除き、実施例7の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例6の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。また、実施例7の不揮発性磁気メモリ装置は、実質的に、実施例2と同様の方法で作製することができるので、詳細な説明は省略する。
実施例8も、実施例6の変形であるが、第2の構成に関する。実施例8にあっては、第1の配線を構成する材料のヤング率E1は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い。具体的には、第1の配線を構成する材料は、実施例3において、説明したと同じ第1の配線から構成されている。
以上の点を除き、実施例8の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例6の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例8にあっても、実施例7において説明した高ヤング率領域772の構成、構造を採用してもよい。
実施例8の不揮発性磁気メモリ装置にあっては、第1の配線はストレス印加源の役割も兼ねている。そして、このような構成の第1の配線を設けることによって、記録層53の外形形状にも依存するが、記録層53には、10GPa以上の圧縮応力(記録層53を押す力)が加わる。その結果、実施例1において説明したと同様の現象が生じる結果、記録層53には引っ張り応力が加わることになる。それ故、実施例1において説明したと同様の効果を奏することができる。
実施例9は、実施例6及び実施例8の変形であるが、第3の構成に関する。実施例9にあっては、実施例6と同様に、積層構造体50の上部と第2の配線との間には接続部62が設けられており、接続部62を構成する材料のヤング率ECは、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも高く、また、実施例8と同様に、第1の配線を構成する材料のヤング率E1は、層間絶縁層26を構成する材料の有するヤング率E0よりも高い。
以上の点を除き、実施例9の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例6及び実施例8の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例9にあっても、実施例7において説明した高ヤング率領域772の構成、構造を採用してもよい。
実施例10も、実施例6の変形であるが、記録層を構成する材料として、実施例5と同じ、磁歪定数λの値が負の材料を使用した。また、高ヤング率領域1072は、第2の配線等の模式的な配置図を図6の(C)に示すように、記録層53の磁化容易軸の延在領域に配置されている。尚、点線で囲まれた高ヤング率領域1072の部分は、層間絶縁層26にまで延びている。
また、低ヤング率領域1071が記録層53の磁化困難軸の延在領域に配置されていると見做せる。ここで、実施例10にあっては、低ヤング率領域1071とは、より具体的には、記録層53の磁化困難軸の延在領域に存在する層間絶縁層の部分が該当する。尚、図6の(C)において、低ヤング率領域1071を一点鎖線で示すが、低ヤング率領域は層間絶縁層それ自体である。
以上の点を除き、実施例10の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造は、実施例6の不揮発性磁気メモリ装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例10にあっても、実施例7において説明した高ヤング率領域の構成、構造を採用してもよい。更には、実施例8、実施例9において説明した第1の配線や接続部の構成、構造を採用してもよい。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した各種の積層構造、使用した材料等は例示であり、適宜、変更することができる。各実施例においては、記録層が積層構造体の最上層に位置する構造を有するスピン注入型磁気抵抗効果素子を説明したが、各層の積層順序を逆とし、記録層が最下層に位置する構造を有するスピン注入型磁気抵抗効果素子とすることもできる。また、積層構造体を構成する磁化参照層51、非磁性体膜52及び記録層53を同じ形状、大きさとするのではなく、磁化参照層51及び非磁性体膜52を第1の配線41上に延在させてもよい。
更には、実施例にて説明したスピン注入型磁気抵抗効果素子以外にも、例えば、図7に示すように、図18に示した従来のTMR効果を用いたトンネル磁気抵抗効果素子と、例えば、実施例1において説明した低ヤング率領域71を組み合わせた不揮発性磁気メモリ装置、あるいは、図示は省略するが、図18に示した従来のTMR効果を用いたトンネル磁気抵抗効果素子と、実施例2〜実施例10において説明した低ヤング率領域あるいは高ヤング率領域を組み合わせた不揮発性磁気メモリ装置とすることもできる。尚、図7においては、図18に図示した書込みワード線WWL、第2下層絶縁層24、ランディングパッド部23、接続孔25の図示を省略している。また、実施例にあっては、積層構造体の下部と選択用トランジスタTRのソース/ドレイン領域14Bとを、第1の配線41及び接続孔22を介して接続したが、場合によっては、第1の配線41を省略してもよく、この場合には、接続孔22が第1の配線に相当する。
トンネル磁気抵抗効果素子にあっては、従来の技術において説明したデータ書込み方式である書込みワード線WWLに一方向の電流を流し、書き込むべきデータに依存してビット線に正方向あるいは負方向の電流を流すといったダイレクト・モードだけでなく、米国特許公報6545906B1や米国特許公報6633498B1に記載されたトグル・モードを採用することができる。ここで、トグル・モードとは、書込みワード線WWLに一方向の電流を流し、書き込むべきデータに依存することなく、ビット線にも一方向の電流を流し、磁気抵抗効果素子に記録されたデータと書き込むべきデータとが異なる場合のみ、磁気抵抗効果素子にデータを書き込む方式である。また、データ読出しを、ビット線を用いずに、データ読出し線を用いることもできる。この場合には、ビット線を、記録層(第2の強磁性体層)の上方に、上層層間絶縁層を介して、記録層(第2の強磁性体層)とは電気的に絶縁された状態で形成する。そして、記録層(第2の強磁性体層)と電気的に接続されたデータ読出し線を別途設ければよい。
実施例1、実施例3、実施例4において、低ヤング率領域を、第2の配線を構成する材料とは別の材料から構成することもできる。尚、この場合には、実施例1の[工程−140]において低ヤング率領域を形成するための孔部を層間絶縁層に設けた後、係る孔部を適切な材料で埋め込めばよい。また、同様に、実施例6、実施例8、実施例9において、高ヤング率領域を、第2の配線を構成する材料とは別の材料から構成することもできる。第2の配線(ビット線)の延びる方向の射影像は、選択用トランジスタTRを構成するゲート電極12の延びる方向の射影像と直交する形態とすることもできる。
実施例においては、記録層の平面形状を楕円形としたが、その代わりに、
記録層の平面形状は、菱形疑似形状から成り、
菱形疑似形状を構成する4つの辺の内の少なくとも2つの辺のそれぞれは、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成り、
記録層の磁化容易軸は、菱形疑似形状の長軸と略平行であり、
記録層の磁化困難軸は、菱形疑似形状の短軸と略平行であり、
記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第1の平面形状』と呼ぶ。
ここで、「菱形疑似形状」とは、巨視的に記録層を眺めた場合、記録層の平面形状が以下の形状を有することを意味する。即ち、反時計周りに4つの辺を辺A、辺B、辺C、辺Dで表したとき、4つの辺A,B,C,Dを線分で近似し、辺Aに対向する線分の長さをLa、辺Bに対向する線分の長さをLb、辺Cに対向する線分の長さをLc、辺Dに対向する線分の長さをLdとしたとき、La=Lb=Lc=Ldを満足し、あるいは又、La≒Lb≒Lc≒Ldを満足し、あるいは又、La=Lb≠Lc=Ldを満足し、あるいは又、La≒Lb≠Lc≒Ldを満足する形状であるが、微視的に記録層を眺めた場合、記録層の平面形状を構成する少なくとも2辺(最大、4辺)は曲線から構成されている図形であることを意味する。
一般に、実変数関数F(X)が区間a<X<bの各点で連続な微係数を持つ場合に、F(X)はその区間で「滑らか」又は「連続的微分可能」であるという。また、「略平行」であるとは、2本の線分あるいは直線が、交差していない、あるいは、交差角度が±20度の範囲内にあることを意味する。また、「略直交」するとは、2本の線分あるいは直線が、直交している、あるいは、交差角度が90度±20度の範囲内にあることを意味する。更には、「略線対称」であるとは、記録層を対称軸に沿って折り曲げたとき、折り曲げられた2つの記録層の部分が完全に重なり合う場合だけでなく、記録層の製造プロセスにおけるバラツキに起因して折り曲げられた2つの記録層の部分が完全には重なり合わない場合も包含する。また、「中心点」とは、図形の重心点を意味する。以下の説明においても、「滑らか」、「略平行」、「略線対称」、「中心点」を、このような意味で用いる。
第1の平面形状において、菱形疑似形状の長軸の長さを2LL、短軸の長さを2LSとしたとき、1.0<LL/LS≦10、好ましくは1.2≦LL/LS≦3.0を満足することが望ましい。また、菱形疑似形状の長軸と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrL、菱形疑似形状の短軸と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとしたとき、0.1≦rL/LS<1.0、好ましくは0.2≦rL/LS≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/LL≦10、好ましくは0.2≦rS/LL≦5を満足することが望ましい。
第1の平面形状にあっては、中央部が湾曲した滑らかな曲線から構成された辺のそれぞれには、少なくとも2つの変曲点が存在する形態とすることが好ましい。
このような好ましい構成を含む第1の平面形状にあっては、菱形疑似形状の長軸によって菱形疑似形状を2つの領域に分割したとき、中央部が湾曲した滑らかな曲線から構成された2つの辺は、一方の領域に属する構成とすることが望ましい。あるいは又、このような好ましい構成を含む第1の平面形状にあっては、4つの辺のそれぞれは、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成る構成とすることが望ましい。あるいは又、このような好ましい構成を含む第1の平面形状にあっては、記録層の平面形状は、菱形疑似形状の短軸に関して略線対称である構成とすることが望ましい。尚、このような構成には、菱形疑似形状を構成する4つの辺の内の2つの辺のそれぞれが、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成る場合、及び、菱形疑似形状を構成する4つの辺の全てのそれぞれが、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成る場合が包含される。更には、記録層の平面形状は、菱形疑似形状の長軸に関して略線対称である構成とすることが望ましい。
あるいは又、
記録層の平面形状は、4つの辺から構成されており、
4つの辺の内の少なくとも2つの辺は滑らかな曲線から構成されており、
長軸、及び、長軸の二等分点で長軸と直交する短軸を有し、長軸が記録層の磁化容易軸と略平行であり、短軸が記録層の磁化困難軸と略平行である仮想菱形に、記録層の平面形状は内接しており、
滑らかな曲線から構成された辺は、仮想菱形の対応する辺と少なくとも2点で接しており、
記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第2の平面形状』と呼ぶ。
ここで、「仮想菱形」にあっては、反時計周りに仮想菱形の4つの辺を辺A(長さLa)、辺B(長さLb)、辺C(長さLc)、辺D(長さLd)で表したとき、La=Lb=Lc=Ldを満足し、あるいは又、La≒Lb≒Lc≒Ldを満足し、あるいは又、La=Lb≠Lc=Ldを満足し、あるいは又、La≒Lb≠Lc≒Ldを満足している。
第2の平面形状においては、長軸の長さを2Li-L、短軸の長さを2Li-Sとしたとき、1.0<Li-L/Li-S≦10、好ましくは1.2≦Li-L/Li-S≦3.0を満足することが望ましい。また、仮想菱形の長軸と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrL、仮想菱形の短軸と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとしたとき、0.1≦rL/Li-S<1.0、好ましくは0.2≦rL/Li-S≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/Li-L≦10、好ましくは0.2≦rS/Li-L≦5を満足することが望ましい。更には、滑らかな曲線から構成された辺の区間0<X<X1(次に説明する)において、滑らかな曲線から構成された辺と、この辺に対応する仮想菱形の辺との間の最大距離をDMAXとしたとき、0<DMAX≦X1/2、好ましくはX1/30≦DMAX≦X1/3を満足することが望ましい。
第2の平面形状にあっては、記録層の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された各辺において、
(a)仮想菱形の辺に接する少なくとも2点の内、仮想菱形の短軸に最も近い所に位置する点をガウス座標の原点(0,0)、
(b)仮想菱形の辺に接する少なくとも2点の内、仮想菱形の長軸に最も近い所に位置する点を(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想菱形の短軸との交点を(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想菱形の長軸との交点を(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
としたときであって、
辺を実変数関数F(X)で表現し、仮想菱形における長軸と短軸の交点が第3象限若しくは第4象限に位置するとしたとき、
実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、
実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、少なくとも2カ所の変曲点を有する形態とすることが好ましい。
このような好ましい構成を含む第2の平面形状にあっては、記録層の平面形状は、仮想菱形の短軸に関して略線対称である構成とすることが望ましい。尚、このような構成には、記録層の平面形状を構成する4つの辺の内の2つが滑らかな曲線から成る場合、及び、4つの辺の全てが滑らかな曲線から成る場合が包含される。あるいは又、記録層の平面形状において、4つの辺は滑らかな曲線から構成されており、記録層の平面形状は、仮想菱形の短軸に関して略線対称であり、且つ、仮想菱形の長軸に関しても略線対称である構成とすることが望ましい。
あるいは又、
記録層の平面形状は、第1形状、及び、第1形状から相対して突出した2つの突出部から構成されており、
2つの突出部は、突出部軸線上に位置しており、
突出部軸線は第1形状の中心点を通り、且つ、突出部軸線は、第1形状の中心点を通る第1形状軸線と直交しており、
第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
突出部は、円形の一部、楕円形の一部、長円形の一部及び扁平な円形の一部から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
記録層の磁化困難軸は、突出部軸線と略平行であり、
第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、突出部軸線に沿った2つの突出部の先端部間の距離を2LSとしたとき、LL>LSを満足しており、
第1形状の外形線と突出部の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第3の平面形状』と呼ぶ。
第3の平面形状において、(第1形状,突出部)の組合せとして、(楕円形,円形の一部)、(楕円形,楕円形の一部)、(楕円形,長円形の一部)、(楕円形,扁平な円形の一部)、(長円形,円形の一部)、(長円形,楕円形の一部)、(長円形,長円形の一部)、(長円形,扁平な円形の一部)、(扁平な円形,円形の一部)、(扁平な円形,楕円形の一部)、(扁平な円形,長円形の一部)、(扁平な円形,扁平な円形の一部)を挙げることができる。
第3の平面形状においては、1.0<LL/LS≦10、好ましくは1.2≦LL/LS≦3.0を満足することが望ましい。また、第1形状軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrL、突出部軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとしたとき、0.1≦rL/LS<1.0、好ましくは0.2≦rL/LS≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/LL≦10、好ましくは0.2≦rS/LL≦5を満足することが望ましい。
第3の平面形状にあっては、記録層の平面形状は、突出部軸線に関して略線対称である構成とすることができる。尚、このような構成には、2つの突出部が第1形状軸線に関して略線対称である場合、及び、線対称では無い場合が包含される。あるいは又、記録層の平面形状は、突出部軸線に関して略線対称であり、且つ、第1形状軸線に関して略線対称である構成とすることが望ましい。
あるいは又、
記録層の平面形状は、第1形状と、第1形状の中心点と中心点が一致した第2形状とが、第1形状から第2形状が2箇所において突出した重ね合わせ形状を有しており、
第1形状の中心点を通る第1形状軸線と第2形状の中心点を通る第2形状軸線とは直交しており、
第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
第2形状は、円形、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
記録層の磁化困難軸は、第2形状軸線と略平行であり、
第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、第2形状軸線に沿った第2形状の長さを2LSとしたとき、LL>LSを満足しており、
第1形状の外形線と第2形状の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第4の平面形状』と呼ぶ。
第4の平面形状において、(第1形状,第2形状)の組合せとして、(楕円形,円形)、(楕円形,楕円形)、(楕円形,長円形)、(楕円形,扁平な円形)、(長円形,円形)、(長円形,楕円形)、(長円形,長円形)、(長円形,扁平な円形)、(扁平な円形,円形)、(扁平な円形,楕円形)、(扁平な円形,長円形)、(扁平な円形,扁平な円形)を挙げることができる。
第4の平面形状においては、1.0<LL/LS≦10、好ましくは1.2≦LL/LS≦3.0を満足することが望ましい。また、第1形状軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrL、第2形状軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとしたとき、0.1≦rL/LS<1.0、好ましくは0.2≦rL/LS≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/LL≦10、好ましくは0.2≦rS/LL≦5を満足することが望ましい。
第4の平面形状にあっては、記録層の平面形状は、第2形状軸線に関して略線対称である構成とすることができる。尚、このような構成には、第2形状の2つの突出領域が第1形状軸線に関して略線対称である場合、及び、線対称では無い場合が包含される。あるいは又、記録層の平面形状は、第2形状軸線に関して略線対称であり、且つ、第1形状軸線に関して略線対称である構成とすることが望ましい。
あるいは又、
記録層の平面形状は、二等辺三角形疑似形状から成り、
二等辺三角形疑似形状の斜辺は、二等辺三角形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成り、
二等辺三角形疑似形状の仮想底辺の長さは、二等辺三角形疑似形状の仮想高さよりも長く、
記録層の磁化容易軸は、二等辺三角形疑似形状の底辺と略平行であり、
記録層の磁化困難軸は、二等辺三角形疑似形状の底辺と略直交しており、
記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第5の平面形状』と呼ぶ。
ここで、「二等辺三角形疑似形状」とは、巨視的に記録層を眺めた場合、記録層の平面形状が以下の形状を有することを意味する。即ち、2つの斜辺A,Bを線分で近似し、斜辺Aに対向する線分の長さをLa、斜辺Bに対向する線分の長さをLbとしたとき、La=Lbを満足し、あるいは又、La≒Lbを満足する形状であるが、微視的に記録層を眺めた場合、記録層の平面形状を構成する2つの斜辺は曲線から構成されている図形であることを意味する。
第5の平面形状において、二等辺三角形疑似形状の仮想底辺の長さを2LB、仮想高さをH、二等辺三角形疑似形状の斜辺と底辺とが滑らかに結ばれている部分における記録層の平面形状の平均曲率半径をrL、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺の交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとする。ここで、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺の交点とは、仮想底辺の垂直二等分線と、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺が1本に結ばれた曲線とが交わる点を指す。また、二等辺三角形疑似形状の仮想底辺とは、二等辺三角形疑似形状の底辺を直線で近似したとき(この直線を底辺近似直線と呼ぶ)、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺の交点側であって、この底辺近似直線から距離rLだけ離れた点を通る底辺近似直線と平行な仮想線を指す。更には、仮想底辺の長さ2LBとは、二等辺三角形疑似形状の斜辺と底辺とが滑らかに結ばれている部分における記録層の平面形状とこの仮想底辺との交点の間の距離と定義する。また、仮想高さHとは、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺の交点から仮想底辺までの距離と定義する。そして、この場合、1.0<LB/H≦10、好ましくは1.2≦LB/H≦3.0を満足することが望ましい。また、0.1≦rL/H≦1.0、好ましくは0.2≦rL/H≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/LB≦10、好ましくは0.2≦rS/LB≦5を満足することが望ましい。
第5の平面形状にあっては、二等辺三角形疑似形状の斜辺には、少なくとも2つの変曲点が存在する形態とすることが好ましい。あるいは又、記録層の平面形状は、二等辺三角形疑似形状の仮想底辺の垂直二等分線に関して略線対称である構成とすることが望ましい。
あるいは又、
記録層の平面形状は、3つの辺から構成されており、
3つの辺の内の少なくとも2つの辺は滑らかな曲線から構成されており、
仮想底辺の長さが2Li-Bであり、仮想高さがHi[但し、Hi<Li-B]であり、底辺が記録層の磁化容易軸と略平行であり、底辺に対する垂線が記録層の磁化困難軸と略平行である仮想二等辺三角形に、記録層の平面形状は内接しており、
滑らかな曲線から構成された辺は、仮想二等辺三角形の対応する斜辺と少なくとも2点で接しており、
記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第6の平面形状』と呼ぶ。
第6の平面形状において、仮想二等辺三角形の底辺に対応する記録層の平面形状を構成する辺と仮想二等辺三角形の斜辺に対応する記録層の平面形状を構成する辺とが滑らかに結ばれる部分における記録層の平面形状の平均曲率半径をrLとしたとき、仮想二等辺三角形の仮想底辺とは、仮想二等辺三角形の底辺から、仮想二等辺三角形の2つの斜辺の交点側であって、仮想二等辺三角形の底辺から距離rLだけ離れた点を通る仮想二等辺三角形の底辺と平行な仮想線を指す。また、仮想底辺の長さ2Li-Bとは、この仮想底辺と仮想二等辺三角形の2つの斜辺の交点の間の距離と定義する。また、仮想高さHiとは、仮想二等辺三角形の2つの斜辺の交点から仮想底辺までの距離と定義する。そして、第6の平面形状においては、1.0<Li-B/Hi≦10、好ましくは1.2≦Li-B/Hi≦3.0を満足することが望ましい。また、仮想二等辺三角形の2つの斜辺の交点における角の二等分線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとしたとき、0.1≦rL/Hi≦1.0、好ましくは0.2≦rL/Hi≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/Li-B≦10、好ましくは0.2≦rS/Li-B≦5を満足することが望ましい。更には、滑らかな曲線から構成された辺の区間0<X<X1(次に説明する)において、滑らかな曲線から構成された辺と、この辺に対応する仮想二等辺三角形の斜辺との間の最大距離をDMAXとしたとき、0<DMAX≦X1/2、好ましくはX1/30≦DMAX≦X1/3を満足することが望ましい。
第6の平面形状にあっては、記録層の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された各辺において、
(a)仮想二等辺三角形の斜辺に接する少なくとも2点の内、2つの斜辺の交点に最も近い所に位置する点をガウス座標の原点(0,0)、
(b)仮想二等辺三角形の斜辺に接する少なくとも2点の内、斜辺と底辺との交点に最も近い所に位置する点を(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想二等辺三角形の底辺の垂直二等分線との交点を(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想二等辺三角形の仮想底辺との交点を(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
としたときであって、
辺を実変数関数F(X)で表現し、仮想二等辺三角形の底辺の垂直二等分線と底辺との交点が第3象限若しくは第4象限に位置するとしたとき、
実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、
実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、少なくとも2カ所の変曲点を有する形態とすることが好ましい。
このような好ましい構成を含む第6の平面形状にあっては、記録層の平面形状は、仮想二等辺三角形の底辺の垂直二等分線に関して略線対称である構成とすることが望ましい。
あるいは又、
記録層の平面形状は、第1形状、及び、第1形状から突出した1つの突出部から構成されており、
突出部は、突出部軸線上に位置しており、
突出部軸線は第1形状の中心点を通り、且つ、突出部軸線は、第1形状の中心点を通る第1形状軸線と直交しており、
第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
突出部は、円形の一部、楕円形の一部、長円形の一部及び扁平な円形の一部から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
記録層の磁化困難軸は、突出部軸線と略平行であり、
第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、突出部軸線に沿った突出部の先端部から第1形状の中心点までの距離をLSとしたとき、LL>LSを満足しており、
第1形状の外形線と突出部の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第7の平面形状』と呼ぶ。
第7の平面形状において、(第1形状,突出部)の組合せとして、(楕円形,円形の一部)、(楕円形,楕円形の一部)、(楕円形,長円形の一部)、(楕円形,扁平な円形の一部)、(長円形,円形の一部)、(長円形,楕円形の一部)、(長円形,長円形の一部)、(長円形,扁平な円形の一部)、(扁平な円形,円形の一部)、(扁平な円形,楕円形の一部)、(扁平な円形,長円形の一部)、(扁平な円形,扁平な円形の一部)を挙げることができる。
第7の平面形状においては、1.0<LL/LS≦10、好ましくは1.2≦LL/LS≦3.0を満足することが望ましい。また、第1形状軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrL、突出部軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとしたとき、0.1≦rL/LS≦1.0、好ましくは0.2≦rL/LS≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/LL≦10、好ましくは0.2≦rS/LL≦5を満足することが望ましい。
第7の平面形状にあっては、記録層の平面形状は、突出部軸線に関して略線対称である構成とすることが望ましい。
あるいは又、
記録層の平面形状は、第1形状と第2形状とが、第1形状から第2形状が1箇所において突出した重ね合わせ形状を有しており、
第2形状は、第2形状軸線上に位置しており、
第2形状軸線は第1形状の中心点を通り、且つ、第2形状軸線は、第1形状の中心点を通る第1形状軸線と直交しており、
第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
第2形状は、円形、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
記録層の磁化困難軸は、第2形状軸線と略平行であり、
第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、第2形状軸線に沿った第2形状の先端部から第1形状の中心点までの距離をLSとしたとき、LL>LSを満足しており、
第1形状の外形線と第2形状の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されている構成とすることができる。尚、記録層のこのような平面形状を、便宜上、『第8の平面形状』と呼ぶ。
第8の平面形状において、(第1形状,第2形状)の組合せとして、(楕円形,円形)、(楕円形,楕円形)、(楕円形,長円形)、(楕円形,扁平な円形)、(長円形,円形)、(長円形,楕円形)、(長円形,長円形)、(長円形,扁平な円形)、(扁平な円形,円形)、(扁平な円形,楕円形)、(扁平な円形,長円形)、(扁平な円形,扁平な円形)を挙げることができる。
第8の平面形状においては、1.0<LL/LS≦10、好ましくは1.2≦LL/LS≦3.0を満足することが望ましい。また、第1形状軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrL、第2形状軸線と記録層の平面形状との交点における記録層の平面形状の曲率半径をrSとしたとき、0.1≦rL/LS≦1.0、好ましくは0.2≦rL/LS≦0.8を満足することが望ましく、また、0.1≦rS/LL≦10、好ましくは0.2≦rS/LL≦5を満足することが望ましい。
第8の平面形状にあっては、記録層の平面形状は、第2形状軸線に関して略線対称である構成とすることが望ましい。
第1の平面形状にあっては、図8に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状(実線で示す)は、4辺SRm(但し、「m」は、1,2,3,4のいずれか)を有する菱形疑似形状から成る。尚、各辺SRmは、記録層53の平面形状と菱形疑似形状の長軸LX(長さ2LL)との交点BC,AD、及び、記録層53の平面形状と菱形疑似形状の短軸SX(長さ2LS)との交点AB,CDとによって挟まれた記録層53の平面形状の部分を指す。そして、菱形疑似形状を構成する4つの辺の内の少なくとも2つの辺(図8に示す例においては、4辺SRm全て)のそれぞれは、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部CTが湾曲した滑らかな曲線から成る。記録層53の磁化容易軸(EA)は、菱形疑似形状の長軸LX(一点鎖線で表す)と略平行であり、記録層53の磁化困難軸(HA)は、菱形疑似形状の短軸SX(一点鎖線で表す)と略平行である。更には、記録層53の平面形状を構成する各辺SRmは、相互に滑らかに結ばれている。
尚、中央部CTが湾曲した滑らかな曲線から構成された辺SRmのそれぞれには、少なくとも2つの変曲点が存在する。即ち、辺SR1には2つの変曲点(A3,A4)が存在する。また、辺SR2には2つの変曲点(B3,B4)が存在する。更には、辺SR3には2つの変曲点(C3,C4)が存在する。また、辺SR4には2つの変曲点(D3,D4)が存在する。尚、図面においては、変曲点を黒丸で示している。
ここで、図8に示すように、記録層53の平面形状は、菱形疑似形状の短軸SXに関して略線対称であり、更には、菱形疑似形状の長軸LXに関しても略線対称である。
あるいは又、第2の平面形状にあっては、図9に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状(実線で示す)は、4つの辺SRmから構成されており、しかも、4つの辺の内の少なくとも2つの辺(図9に示す例においては、4辺SRm全て)は滑らかな曲線から構成されている。また、記録層53の平面形状は、仮想菱形(二点鎖線で示す)に内接する。尚、図9においては、内接する点を「×」印で示す。ここで、仮想菱形は、長さ(点ADから点BCまでの距離)2Li-Lの長軸LX、及び、長軸LXの二等分点Oで長軸LXと直交する長さ(点ABから点CDまでの距離)2Li-S[但し、Li-S<Li-L]の短軸SXを有し、長軸LXが記録層53の磁化容易軸(EA)と略平行であり、短軸SXが記録層53の磁化困難軸(HA)と略平行である。更には、滑らかな曲線から構成された辺SRmは、仮想菱形の対応する辺TLmと少なくとも2点(図9に示す例においては2点)で接する。尚、図9においては、接する点を「×」印で示している。しかも、記録層53の平面形状を構成する各辺SRmは、相互に滑らかに結ばれている。
記録層53の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された辺SR1において、
(a)仮想菱形の辺TL1に接する2点の内、仮想菱形の短軸SXに最も近い所に位置する点をガウス座標の原点A0(0,0)、
(b)仮想菱形の辺TL1に接する2点の内、仮想菱形の長軸LXに最も近い所に位置する点をA1(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想菱形の短軸SXとの交点をAB2(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想菱形の長軸LXとの交点をAD5(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
とする。
更には、辺SR1を実変数関数F(X)で表現し、仮想菱形における長軸LXと短軸SXの交点Oが第3象限若しくは第4象限(図示した例では第4象限)に位置するとする。
以上の場合において、実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、2カ所の変曲点(A3,A4)を有する。
より具体的には、区間XS<X≦XA3(XA3:変曲点A3のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSの円で表される。また、区間XA3≦X≦XA4(XA4:変曲点A4のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSRの円で表される。更には、区間XA4<X≦XLにおいては、実変数関数F(X)は半径rLの円で表される。
また、記録層53の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された辺SR2において、
(a)仮想菱形の辺TL2に接する2点の内、仮想菱形の短軸SXに最も近い所に位置する点をガウス座標の原点B0(0,0)、
(b)仮想菱形の辺TL2に接する2点の内、仮想菱形の長軸LXに最も近い所に位置する点をB1(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想菱形の短軸SXとの交点をAB2(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想菱形の長軸LXとの交点をBC5(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
とする。
更には、辺SR2を実変数関数F(X)で表現し、仮想菱形における長軸LXと短軸SXの交点Oが第3象限若しくは第4象限(図示した例では第4象限)に位置するとする。
以上の場合において、実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、2カ所の変曲点(B3,B4)を有する。
より具体的には、区間XS<X≦XB3(XB3:変曲点B3のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSの円で表される。また、区間XB3≦X≦XB4(XB4:変曲点B4のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSRの円で表される。更には、区間XB4<X≦XLにおいては、実変数関数F(X)は半径rLの円で表される。
また、記録層53の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された辺SR3において、
(a)仮想菱形の辺TL3に接する2点の内、仮想菱形の短軸SXに最も近い所に位置する点をガウス座標の原点C0(0,0)、
(b)仮想菱形の辺TL3に接する2点の内、仮想菱形の長軸LXに最も近い所に位置する点をC1(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想菱形の短軸SXとの交点をCD2(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想菱形の長軸LXとの交点をBC5(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
とする。
更には、辺SR3を実変数関数F(X)で表現し、仮想菱形における長軸LXと短軸SXの交点Oが第3象限若しくは第4象限(図示した例では第4象限)に位置するとする。
以上の場合において、実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、2カ所の変曲点(C3,C4)を有する。
より具体的には、区間XS<X≦XC3(XC3:変曲点C3のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSの円で表される。また、区間XC3≦X≦XC4(XC4:変曲点C4のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSRの円で表される。更には、区間XC4<X≦XLにおいては、実変数関数F(X)は半径rLの円で表される。
また、記録層53の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された辺SR4において、
(a)仮想菱形の辺TL4に接する2点の内、仮想菱形の短軸SXに最も近い所に位置する点をガウス座標の原点D0(0,0)、
(b)仮想菱形の辺TL4に接する2点の内、仮想菱形の長軸LXに最も近い所に位置する点をD1(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想菱形の短軸SXとの交点をCD2(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想菱形の長軸LXとの交点をAD5(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
とする。
更には、辺SR4を実変数関数F(X)で表現し、仮想菱形における長軸LXと短軸SXの交点Oが第3象限若しくは第4象限(図示した例では第4象限)に位置するとする。
以上の場合において、実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、2カ所の変曲点(D3,D4)を有する。
より具体的には、区間XS<X≦XD3(XD3:変曲点D3のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSの円で表される。また、区間XD3≦X≦XD4(XD4:変曲点D4のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSRの円で表される。更には、区間XD4<X≦XLにおいては、実変数関数F(X)は半径rLの円で表される。
尚、区間XS<X<0においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は正の値であり、X=0においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は0であり、区間0<X<X1においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は負の値から、0となり、更に、正の値となる。また、X=X1においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は0であり、区間X1<X<XLにおいては、実変数関数F(X)の一次の微係数は負の値となる。
更には、区間XS<X<XA3(あるいは、XB3,XC3,XD3)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は負の値であり、X=XA3(あるいは、XB3,XC3,XD3)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は0であり、区間XA3(あるいは、XB3,XC3,XD3)<X<XA4(あるいは、XB4,XC4,XD4)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は正であり、X=XA4(あるいは、XB4,XC4,XD4)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は0であり、区間X<XA4(あるいは、XB4,XC4,XD4)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は負の値となる。
また、仮想菱形の長軸LXをx軸、短軸SXをy軸とするガウス座標を想定したとき、辺SR1と辺SR2とを纏めて実変数関数f(x)で表し、辺SR3と辺SR4とを纏めて実変数関数f(x)で表したとすれば、実変数関数f(x)は区間a<x<b(但し、aは実変数関数f(x)におけるxの値が取り得る最小値であり、bは実変数関数f(x)におけるxの値が取り得る最大値)の各点で連続な微係数を持つ。そして、x=0における実変数関数f(x)の一次の微係数は0であり、y=0における実変数関数f(x)の一次の微係数は∞である。
図9に示した記録層53にあっても、平面形状は、仮想菱形の短軸SXに関して略線対称であり、且つ、仮想菱形の長軸LXに関しても略線対称である。
あるいは又、第3の平面形状にあっては、図10に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状は、第1形状53A(図10には実線で示す)、及び、第1形状53Aから相対して突出した2つの突出部53B,53C(図10には実線で示す)から構成されている。そして、2つの突出部53B,53Cは、突出部軸線(図10には一点鎖線で示す)上に位置する。ここで、突出部軸線は第1形状53Aの中心点Oを通り、且つ、突出部軸線は、第1形状53Aの中心点Oを通る第1形状軸線(図10には一点鎖線で示す)と直交している。また、記録層53の磁化容易軸(EA)は第1形状軸線と略平行であり、磁化困難軸(HA)は突出部軸線と略平行である。更には、第1形状軸線に沿った第1形状53Aの長さを2LL、突出部軸線に沿った2つの突出部53B,53Cの先端部間の距離を2LSとしたとき、LL>LSを満足する。また、第1形状53Aの外形線と突出部53B,53Cの外形線とが交わる部分は、第1形状53Aの中心点Oの方向に向かって湾曲した滑らかな曲線(図10には点線で示す)から構成されている。
第1形状53Aは長円形である。即ち、2つの半円(半径:rL)と2本の線分の組合せから成る図形である。また、突出部53B,53Cは、円形(半径:rS)の一部から成る図形である。
尚、記録層53の平面形状は、突出部軸線に関して略線対称であり、且つ、第1形状軸線に関して略線対称である。
あるいは又、第4の平面形状にあっては、図11に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状は、第1形状53Dと、第1形状53Dの中心点Oと中心点Oが一致した第2形状53Eとが、第1形状53Dから第2形状53Eが2箇所において突出した重ね合わせ形状を有する。そして、第1形状53Dの中心点Oを通る第1形状軸線と第2形状53Eの中心点Oを通る第2形状軸線とは直交している。更には、記録層53の磁化容易軸(EA)は第1形状軸線と略平行であり、磁化困難軸(HA)は第2形状軸線と略平行である。また、第1形状軸線に沿った第1形状53Dの長さを2LL、第2形状軸線に沿った第2形状53Eの長さを2LSとしたとき、LL>LSを満足する。更には、第1形状53Dの外形線と第2形状53Eの外形線とが交わる部分は、第1形状53Dの中心点Oの方向に向かって湾曲した滑らかな曲線(図11には点線で示す)から構成されている。
第1形状53Dは長円形である。即ち、2つの半円(半径:rL)と2本の線分の組合せから成る図形である。また、第2形状53Eも長円形である。即ち、2つの半円(半径:rS)と2本の線分の組合せから成る図形である。
尚、記録層53の平面形状は、第2形状軸線に関して略線対称であり、且つ、第1形状軸線に関して略線対称である。
尚、以上の説明において、4つの辺SRmのそれぞれが、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成る構成としたが、その代わりに、2つの辺SR1,SR2のそれぞれが、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成る構成とすることもできる。このような記録層の平面形状を図12に示す。この例においては、菱形疑似形状の長軸LXによって菱形疑似形状を2つの領域に分割したとき、中央部が湾曲した滑らかな曲線から構成された2つの辺SR1,SR2は、一方の領域に属する。また、記録層53の平面形状は、菱形疑似形状の短軸SXに関して略線対称である。
また、4つの辺SRmのそれぞれが、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成り、しかも、記録層53の平面形状は、菱形疑似形状の短軸SXに関して略線対称であり、且つ、菱形疑似形状の長軸LXに関しても略線対称である構成としたが、その代わりに、菱形疑似形状の短軸SXに関してのみ略線対称である構成とすることもできる。このような記録層の平面形状を図13に示す。
あるいは又、第5の平面形状にあっては、図14に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状(実線で示す)は、3辺SRn(但し、「n」は、1,2,3のいずれか)を有する二等辺三角形疑似形状から成る。そして、二等辺三角形疑似形状の斜辺SR1,SR2のそれぞれは、二等辺三角形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部CTが湾曲した滑らかな曲線から成る。記録層53の磁化容易軸(EA)は、二等辺三角形疑似形状の底辺SR3と略平行であり、記録層53の磁化困難軸(HA)は、二等辺三角形疑似形状の底辺SR3と略直交している。更には、記録層53の平面形状を構成する各辺SRnは、相互に滑らかに結ばれている。
尚、二等辺三角形疑似形状の斜辺のそれぞれには、少なくとも2つの変曲点が存在する。即ち、斜辺SR1には2つの変曲点(A3,A4)が存在する。また、斜辺SR2には2つの変曲点(B3,B4)が存在する。
ここで、図14に示すように、記録層53の平面形状は、二等辺三角形疑似形状の底辺の垂直二等分線に関して略線対称である。
図14に示した二等辺三角形疑似形状の仮想底辺IBの長さを2LB、仮想高さをH、二等辺三角形疑似形状の斜辺SR1,SR2と底辺SR3とが滑らかに結ばれている部分における記録層53の平面形状の平均曲率半径をrL、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺SR1,SR2の交点ABにおける記録層53の平面形状の曲率半径をrSとする。ここで、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺SR1,SR2の交点とは、仮想底辺IBの垂直二等分線IHと、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺SR1,SR2が1本に結ばれた曲線とが交わる点ABを指す。また、二等辺三角形疑似形状の仮想底辺IBとは、二等辺三角形疑似形状の底辺SR3を直線(底辺近似直線)で近似し、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺SR1,SR2の交点側であって、底辺近似直線から距離rLだけ離れた点を通る底辺近似直線と平行な仮想線を指す。更には、仮想底辺の長さ2LBとは、二等辺三角形疑似形状の斜辺SR1,SR2と底辺SR3とが滑らかに結ばれている部分における記録層53の平面形状とこの仮想底辺IBとの交点の間の距離(点BCと点ACとの間の距離)と定義する。また、仮想高さHとは、二等辺三角形疑似形状の2つの斜辺SR1,SR2の交点ABから仮想底辺IBまでの距離と定義する。仮想底辺IBの長さ2LBと仮想高さとはH<LBの関係を満足している。
あるいは又、第6の平面形状にあっては、図15に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状(実線で示す)は、3つの辺SRnから構成されており、しかも、3つの辺の内の少なくとも2つの辺(図15に示す例においては、2辺SR1,SR2)は滑らかな曲線から構成されている。また、記録層53の平面形状は、仮想二等辺三角形(二点鎖線で示す)に内接する。尚、図15においては、内接する点を「×」印で示す。ここで、仮想二等辺三角形は、長さ2Li-Bの仮想底辺IB(一点鎖線で示す)を有し、仮想高さ(点Oから点ABまでの距離)はHi[但し、Hi<Li-B]である。尚、仮想二等辺三角形の仮想底辺IBとは、仮想二等辺三角形の底辺TL3に対応する記録層53の平面形状を構成する辺SR3と、仮想二等辺三角形の斜辺TL1,TL2に対応する記録層53の平面形状を構成する辺SR1,SR2とが滑らかに結ばれる部分における記録層53の平面形状の平均曲率半径をrLとしたとき、仮想二等辺三角形の底辺TL3から、仮想二等辺三角形の2つの斜辺TL1,TL2の交点側であって、仮想二等辺三角形の底辺TL3から距離rLだけ離れた点を通る仮想二等辺三角形の底辺TL3と平行な仮想線を指す。また、仮想底辺IBの長さ2Li-Bとは、この仮想底辺IBと仮想二等辺三角形の2つの斜辺TL1,TL2の交点BC,ACの間の距離である。更には、仮想高さHiとは、仮想二等辺三角形の2つの斜辺TL1,TL2の交点ABから仮想底辺IBまでの距離である。また、底辺SR3が記録層53の磁化容易軸(EA)と略平行であり、底辺SR3に対する垂線が記録層53の磁化困難軸(HA)と略平行である。更には、滑らかな曲線から構成された辺SR1,SR2は、仮想二等辺三角形の対応する辺TL1,TL2と少なくとも2点(図15に示す例においては2点)で接する。尚、図15においては、接する点を「×」印で示す。しかも、記録層53の平面形状を構成する各辺SRnは、相互に滑らかに結ばれている。
記録層53の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された斜辺SR1において、
(a)仮想二等辺三角形の斜辺TL1に接する2点の内、2つの斜辺TL1,TL2の交点ABに最も近い所に位置する点をガウス座標の原点A0(0,0)、
(b)仮想二等辺三角形の斜辺TL1に接する2点の内、斜辺TL1と底辺TL3との交点ACに最も近い所に位置する点をA1(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想二等辺三角形の底辺TL3の垂直二等分線との交点をAB2(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想二等辺三角形の仮想底辺IBとの交点をA5(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
とする。
更には、斜辺SR1を実変数関数F(X)で表現し、仮想二等辺三角形の底辺の垂直二等分線と底辺との交点が第3象限若しくは第4象限(図示した例では第4象限)に位置するとする。
以上の場合において、実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、2カ所の変曲点(A3,A4)を有する。
より具体的には、区間XS<X≦XA3(XA3:変曲点A3のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSの円で表される。また、区間XA3≦X≦XA4(XA4:変曲点A4のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSRの円で表される。更には、区間XA4<X≦XLにおいては、実変数関数F(X)は半径rLの円で表される。
また、記録層53の平面形状を構成する滑らかな曲線から構成された斜辺SR2において、
(a)仮想二等辺三角形の斜辺TL2に接する2点の内、2つの斜辺TL1,TL2の交点ABに最も近い所に位置する点をガウス座標の原点B0(0,0)、
(b)仮想二等辺三角形の斜辺TL2に接する2点の内、斜辺TL2と底辺TL3との交点BCに最も近い所に位置する点をB1(X1,0)[但し、X1>0]、
(c)仮想二等辺三角形の底辺TL3の垂直二等分線との交点をAB2(XS,YS)[但し、XS<0,YS<0]、
(d)仮想二等辺三角形の仮想底辺IBとの交点をB5(XL,YL)[但し、XL>0,YL<0]、
とする。
更には、斜辺SR2を実変数関数F(X)で表現し、仮想二等辺三角形の底辺の垂直二等分線と底辺との交点が第3象限若しくは第4象限(図示した例では第4象限)に位置するとする。
以上の場合において、実変数関数F(X)は、区間XS<X<XLの各点で連続な微係数を有し、実変数関数F(X)は、区間0<X<X1において、2カ所の変曲点(B3,B4)を有する。
より具体的には、区間XS<X≦XB3(XB3:変曲点B3のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSの円で表される。また、区間XB3≦X≦XB4(XB4:変曲点B4のX座標)においては、実変数関数F(X)は半径rSRの円で表される。更には、区間XB4<X≦XLにおいては、実変数関数F(X)は半径rLの円で表される。
尚、区間XS<X<0においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は正の値であり、X=0においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は0であり、区間0<X<X1においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は負の値から、0となり、更に、正の値となる。また、X=X1においては、実変数関数F(X)の一次の微係数は0であり、X1を超えると、実変数関数F(X)の一次の微係数は負の値となる。
更には、区間XS<X<XA3(あるいはXB3)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は負の値であり、X=XA3(あるいはXB3)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は0であり、区間XA3(あるいはXB3)<X<XA4(あるいは、XB4)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は正であり、X=XA4(あるいはXB4)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は0であり、区間X<XA4(あるいはXB4)においては、実変数関数F(X)の二次の微係数は負の値となる。
また、仮想二等辺三角形の仮想底辺IBをx軸、仮想底辺IBの垂直二等分線をy軸とするガウス座標を想定したとき、斜辺SR1と斜辺SR2とを纏めて実変数関数f(x)で表したとすれば、実変数関数f(x)は区間a<x<b(但し、aは実変数関数f(x)におけるxの値が取り得る最小値であり、bは実変数関数f(x)におけるxの値が取り得る最大値)の各点で連続な微係数を持つ。そして、x=0における実変数関数f(x)の一次の微係数は0であり、y=0における実変数関数f(x)の一次の微係数は∞である。
図15に示した記録層53にあっても、平面形状は、仮想二等辺三角形の底辺の垂直二等分線に関して略線対称である。
あるいは又、第7の平面形状にあっては、図16に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状は、第1形状53A(図16には実線で示す)、及び、第1形状53Aから突出した1つの突出部53B(図16には実線で示す)から構成されている。そして、突出部53Bは、突出部軸線(図16には一点鎖線で示す)上に位置する。ここで、突出部軸線は第1形状53Aの中心点Oを通り、且つ、突出部軸線は、第1形状53Aの中心点Oを通る第1形状軸線(図16には一点鎖線で示す)と直交している。また、記録層53の磁化容易軸(EA)は第1形状軸線と略平行であり、磁化困難軸(HA)は突出部軸線と略平行である。更には、第1形状軸線に沿った第1形状53Aの長さを2LL、突出部軸線に沿った突出部53Bの先端部から第1形状53Aの中心点Oまでの距離をLSとしたとき、LL>LSを満足する。また、第1形状53Aの外形線と突出部53Bの外形線とが交わる部分は、第1形状53Aの中心点Oの方向に向かって湾曲した滑らかな曲線(図16には点線で示す)から構成されている。
第1形状53Aは長円形である。即ち、2つの半円(半径:rL)と2本の線分の組合せから成る図形である。また、突出部53Bは、円形(半径:rS)の一部から成る図形である。
尚、記録層53の平面形状は、突出部軸線に関して略線対称である。
あるいは又、第8の平面形状にあっては、図17に記録層53の模式的な平面図を示すように、記録層53の平面形状は、第1形状53Dと第2形状53Eとが、第1形状53Dから第2形状53Eが1箇所において突出した重ね合わせ形状を有している。そして、第2形状53Eは、第2形状軸線上に位置しており、第2形状軸線は第1形状53Dの中心点Oを通り、且つ、第2形状軸線は、第1形状53Dの中心点Oを通る第1形状軸線と直交している。更には、記録層53の磁化容易軸(EA)は第1形状軸線と略平行であり、磁化困難軸(HA)は第2形状軸線と略平行である。第1形状軸線に沿った第1形状53Dの長さを2LL、第2形状軸線に沿った第2形状53Eの先端部から第1形状53Dの中心点Oまでの距離をLSとしたとき、LL>LSを満足している。更には、第1形状53Dの外形線と第2形状53Eの外形線とが交わる部分は、第1形状53Dの中心点Oの方向に向かって湾曲した滑らかな曲線(図17には点線で示す)から構成されている。
第1形状53Dは長円形である。即ち、2つの半円(半径:rL)と2本の線分の組合せから成る図形である。また、第2形状53Eは半円(半径:rS)と2本の線分の組合せから成る図形である。
尚、記録層53の平面形状は、第2形状軸線に関して略線対称である。
以上に説明した第1の平面形状〜第8の平面形状の詳細は、具体的には、特開2005−353788(特願2004−172122)に開示されている。
図1の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置の模式的な一部断面図、及び、第2の配線等の模式的な配置図である。 図2の(A)及び(B)は、スピン注入磁化反転を適用したスピン注入型磁気抵抗効果素子の概念図、及び、磁化反転層の模式的な平面図であり、図2の(C)は、スピン注入型磁気抵抗効果素子において、磁化参照層の磁化方向が反強磁性体層との交換結合により固定されている状態を示す模式図であり、図2の(D)は、ダブル・スピンフィルター構造を有するスピン注入型磁気抵抗効果素子の概念図である。 図3の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例試作品及び比較例試作品における印加磁場とTMR効果の関係を測定した結果を示すグラフである。 図4の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例2の不揮発性磁気メモリ装置の模式的な一部断面図、及び、第2の配線等の模式的な配置図である。 図5の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例5の不揮発性磁気メモリ装置における第2の配線等の模式的な配置図である。 図6の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、実施例6、実施例7及び実施例10の不揮発性磁気メモリ装置における第2の配線等の模式的な配置図である。 図7は、実施例1の不揮発性磁気メモリ装置の変形例(TMR効果を用いたトンネル磁気抵抗効果素子)の模式的な一部断面図である。 図8は、第1の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図9は、第2の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図10は、第3の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図11は、第4の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図12は、第1の平面形状〜第4の平面形状を有する記録層の変形例の模式的な平面図である。 図13は、第1の平面形状〜第4の平面形状を有する記録層の別の変形例の模式的な平面図である。 図14は、第5の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図15は、第6の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図16は、第7の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図17は、第8の平面形状を有する記録層の模式的な平面図である。 図18は、従来のTMRタイプの不揮発性磁気メモリ装置の模式的な一部断面図である。 図19は、メモリセル・サイズと書込み電流の関係を示すグラフである。
符号の説明
MTJ・・・磁気トンネル接合素子、TR・・・選択用トランジスタ、BL・・・ビット線、WWL・・・書込みワード線、10・・・半導体基板、11・・・素子分離領域、12・・・ゲート電極、13・・・ゲート絶縁膜、14A,14B・・・ソース/ドレイン領域、15・・・コンタクトホール、16・・・センス線、21,24・・・下層絶縁層、22,25・・・接続孔、23・・・ランディングパッド部、26・・・層間絶縁層、27・・・孔部、227・・・溝部、28,228,728,1028・・・上層絶縁層、229,729,1029・・・上層絶縁層の延在部、30,230・・・磁気抵抗効果素子(スピン注入型磁気抵抗効果素子)、41・・・第1の配線、42,242,642,742,1042・・・第2の配線、43,643・・・第2の配線の延在部、50・・・積層構造体、51,51A,51B・・・磁化参照層、52,52A,52B・・・非磁性体膜(トンネル絶縁膜)、53・・・記録層、54,54A,54B・・・反強磁性体層、61,2061・・・キャップ層、62・・・接続部、71,271,571,571A,671,771,1071・・・低ヤング率領域、72,272,572,672,672A,772,1072・・・高ヤング率領域、2051・・・第1の強磁性体層、2051A・・・反強磁性体層、2051B・・・磁化固定層、2052・・・トンネル絶縁膜、2053・・・第2の強磁性体層

Claims (25)

  1. (A)記録層を有する積層構造体、
    (B)積層構造体の下部に電気的に接続された第1の配線、
    (C)積層構造体の上部に電気的に接続された第2の配線、並びに、
    (D)積層構造体を取り囲む層間絶縁層、
    から成る磁気抵抗効果素子を備えた不揮発性磁気メモリ装置であって、
    層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも低いヤング率を有する低ヤング率領域を更に備えており、
    記録層は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有しており、
    記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、低ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されており、
    記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、低ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されていることを特徴とする不揮発性磁気メモリ装置。
  2. 低ヤング率領域は、第2の配線の延在部から成ることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  3. 低ヤング率領域は、第2の配線を取り囲む上層絶縁層の延在部から成ることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  4. 磁気抵抗効果素子はスピン注入型磁気抵抗効果素子から成ることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  5. 積層構造体の下方に、電界効果型トランジスタから成る選択用トランジスタを更に有しており、
    第2の配線の延びる方向は、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極の延びる方向と平行であることを特徴とする請求項4に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  6. 積層構造体の上部と第2の配線との間には接続部が設けられており、
    接続部を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  7. 第1の配線を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  8. 積層構造体の上部と第2の配線との間には接続部が設けられており、
    接続部を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高く、
    第1の配線を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  9. (A)記録層を有する積層構造体、
    (B)積層構造体の下部に電気的に接続された第1の配線、
    (C)積層構造体の上部に電気的に接続された第2の配線、並びに、
    (D)積層構造体を取り囲む層間絶縁層、
    から成る磁気抵抗効果素子を備えた不揮発性磁気メモリ装置であって、
    層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いヤング率を有する高ヤング率領域を更に備えており、
    記録層は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有しており、
    記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されており、
    記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されていることを特徴とする不揮発性磁気メモリ装置。
  10. 高ヤング率領域は、第2の配線の延在部から成ることを特徴とする請求項9に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  11. 高ヤング率領域は、第2の配線を取り囲む上層絶縁層の延在部から成ることを特徴とする請求項9に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  12. 磁気抵抗効果素子はスピン注入型磁気抵抗効果素子から成ることを特徴とする請求項9に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  13. 積層構造体の下方に、電界効果型トランジスタから成る選択用トランジスタを更に有しており、
    第2の配線の延びる方向は、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極の延びる方向と平行であることを特徴とする請求項12に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  14. 積層構造体の上部と第2の配線との間には接続部が設けられており、
    接続部を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いことを特徴とする請求項9に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  15. 第1の配線を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いことを特徴とする請求項9に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  16. 積層構造体の上部と第2の配線との間には接続部が設けられており、
    接続部を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高く、
    第1の配線を構成する材料のヤング率は、層間絶縁層を構成する材料の有するヤング率よりも高いことを特徴とする請求項9に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  17. (A)記録層を有する積層構造体、
    (B)積層構造体の下部に電気的に接続された第1の配線、
    (C)積層構造体の上部に電気的に接続された第2の配線、並びに、
    (D)積層構造体を取り囲む層間絶縁層、
    から成る磁気抵抗効果素子を備えた不揮発性磁気メモリ装置であって、
    高ヤング率領域、及び、該高ヤング率領域の有するヤング率よりも低いヤング率を有する低ヤング率領域を備えており、
    記録層は、磁化容易軸、及び、該磁化容易軸と直交する磁化困難軸を有しており、
    記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が正の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置され、低ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置されており、
    記録層を構成する材料の磁歪定数λの値が負の場合、高ヤング率領域は、記録層の磁化容易軸の延在領域に配置され、低ヤング率領域は、記録層の磁化困難軸の延在領域に配置されていることを特徴とする不揮発性磁気メモリ装置。
  18. 記録層の平面形状は、菱形疑似形状から成り、
    菱形疑似形状を構成する4つの辺の内の少なくとも2つの辺のそれぞれは、菱形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成り、
    記録層の磁化容易軸は、菱形疑似形状の長軸と略平行であり、
    記録層の磁化困難軸は、菱形疑似形状の短軸と略平行であり、
    記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  19. 記録層の平面形状は、4つの辺から構成されており、
    4つの辺の内の少なくとも2つの辺は滑らかな曲線から構成されており、
    長軸、及び、長軸の二等分点で長軸と直交する短軸を有し、長軸が記録層の磁化容易軸と略平行であり、短軸が記録層の磁化困難軸と略平行である仮想菱形に、記録層の平面形状は内接しており、
    滑らかな曲線から構成された辺は、仮想菱形の対応する辺と少なくとも2点で接しており、
    記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  20. 記録層の平面形状は、第1形状、及び、第1形状から相対して突出した2つの突出部から構成されており、
    2つの突出部は、突出部軸線上に位置しており、
    突出部軸線は第1形状の中心点を通り、且つ、突出部軸線は、第1形状の中心点を通る第1形状軸線と直交しており、
    第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    突出部は、円形の一部、楕円形の一部、長円形の一部及び扁平な円形の一部から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
    記録層の磁化困難軸は、突出部軸線と略平行であり、
    第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、突出部軸線に沿った2つの突出部の先端部間の距離を2LSとしたとき、LL>LSを満足しており、
    第1形状の外形線と突出部の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  21. 記録層の平面形状は、第1形状と、第1形状の中心点と中心点が一致した第2形状とが、第1形状から第2形状が2箇所において突出した重ね合わせ形状を有しており、
    第1形状の中心点を通る第1形状軸線と第2形状の中心点を通る第2形状軸線とは直交しており、
    第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    第2形状は、円形、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
    記録層の磁化困難軸は、第2形状軸線と略平行であり、
    第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、第2形状軸線に沿った第2形状の長さを2LSとしたとき、LL>LSを満足しており、
    第1形状の外形線と第2形状の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  22. 記録層の平面形状は、二等辺三角形疑似形状から成り、
    二等辺三角形疑似形状の斜辺は、二等辺三角形疑似形状の中心方向に向かって、その中央部が湾曲した滑らかな曲線から成り、
    二等辺三角形疑似形状の仮想底辺の長さは、二等辺三角形疑似形状の仮想高さよりも長く、
    記録層の磁化容易軸は、二等辺三角形疑似形状の底辺と略平行であり、
    記録層の磁化困難軸は、二等辺三角形疑似形状の底辺と略直交しており、
    記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  23. 記録層の平面形状は、3つの辺から構成されており、
    3つの辺の内の少なくとも2つの辺は滑らかな曲線から構成されており、
    仮想底辺の長さが2Li-Bであり、仮想高さがHi[但し、Hi<Li-B]であり、底辺が記録層の磁化容易軸と略平行であり、底辺に対する垂線が記録層の磁化困難軸と略平行である仮想二等辺三角形に、記録層の平面形状は内接しており、
    滑らかな曲線から構成された辺は、仮想二等辺三角形の対応する斜辺と少なくとも2点で接しており、
    記録層の平面形状を構成する各辺は、相互に滑らかに結ばれていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  24. 記録層の平面形状は、第1形状、及び、第1形状から突出した1つの突出部から構成されており、
    突出部は、突出部軸線上に位置しており、
    突出部軸線は第1形状の中心点を通り、且つ、突出部軸線は、第1形状の中心点を通る第1形状軸線と直交しており、
    第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    突出部は、円形の一部、楕円形の一部、長円形の一部及び扁平な円形の一部から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
    記録層の磁化困難軸は、突出部軸線と略平行であり、
    第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、突出部軸線に沿った突出部の先端部から第1形状の中心点までの距離をLSとしたとき、LL>LSを満足しており、
    第1形状の外形線と突出部の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
  25. 記録層の平面形状は、第1形状と第2形状とが、第1形状から第2形状が1箇所において突出した重ね合わせ形状を有しており、
    第2形状は、第2形状軸線上に位置しており、
    第2形状軸線は第1形状の中心点を通り、且つ、第2形状軸線は、第1形状の中心点を通る第1形状軸線と直交しており、
    第1形状は、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    第2形状は、円形、楕円形、長円形及び扁平な円形から成る形状群から選択された1種類の形状から成り、
    記録層の磁化容易軸は、第1形状軸線と略平行であり、
    記録層の磁化困難軸は、第2形状軸線と略平行であり、
    第1形状軸線に沿った第1形状の長さを2LL、第2形状軸線に沿った第2形状の先端部から第1形状の中心点までの距離をLSとしたとき、LL>LSを満足しており、
    第1形状の外形線と第2形状の外形線とが交わる部分は、滑らかな曲線から構成されていることを特徴とする請求項1、請求項9及び請求項17のいずれか1項に記載の不揮発性磁気メモリ装置。
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