以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1(a)〜図1(f)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図1(a)は、図1(c)及び図1(e)のA1−A2線断面図である。図1(b)は、図1(c)の矢印ARからみた平面図である。図1(c)は、図1(b)のC1−C2線断面図である。図1(d)は、図1(b)のD1−D2線断面図である。図1(e)は、図1(b)のE1−E2線断面図である。図1(f)は、図1(b)のF1−F2線断面図である。
これらの図に示すように、実施形態に係る磁気記憶装置110は、第1絶縁領域41と、第1対向絶縁領域41cと、第1導電部材21と、第1磁性素子SB1と、を含む。図1(a)に示すように、磁気記憶装置110は、制御部70をさらに含んでも良い。
図1(a)に示すように、第1導電部材21は、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間に設けられる。第1導電部材21は、第1方向に延びる。
この例では、第1方向は、X軸方向である。X軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
第1絶縁領域41から第1対向絶縁領域41cへの方向は、第2方向である。第1方向は、第2方向と交差する。第2方向は、例えば、Y軸方向である。
図1(c)に示すように、第1磁性素子SB1は、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間に設けられる。第1導電部材21から第1磁性素子SB1への方向を第3方向とする。第3方向は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第3方向は、例えば、Z軸方向である。
図1(a)及び図1(d)に示すように、第1導電部材21は、第1部分21a、第2部分21b及び第3部分21cを含む。第3部分21cは、第1方向(X軸方向)において、第1部分21aと第2部分21bとの間にある。第1部分21aから第2部分21bへの方向は、第1方向(X軸方向)に沿う。
図1(c)及び図1(d)に示すように、第1磁性素子SB1は、第1磁性層11、第1対向磁性層11c及び第1非磁性層11nを含む。第1対向磁性層11cは、第3方向(例えばZ軸方向)において、第1導電部材21(第3部分21c)と、第1磁性層11と、の間に設けられる。第1非磁性層11nは、第3方向において、第1磁性層11と第1対向磁性層11cとの間に設けられる。
図1(a)及び図1(d)に示すように、制御部70は、例えば、第1導電部材21の第1部分21a、及び、第1導電部材21の第2部分21bと電気的に接続される。例えば、制御部70は、第1導電部材21に第1電流i1または第2電流i2を供給する。第1電流i1は、第1部分21aから第2部分21bへの向きを有する。第2電流i2は、第2部分21bから第1部分21aへの向きを有する。これらの電流により、第1磁性素子SB1の電気抵抗が変化する。
例えば、第1電流i1が流れたときの第1磁性素子SB1の第1電気抵抗は、第2電流i2が流れたときの第1磁性素子SB1の第2電気抵抗とは異なる。
例えば、第1磁性層11の磁化の向きが、実質的に固定される。一方、第1対向磁性層11cの磁化の向きは、第1磁性層11の磁化の向きに比べて変化し易い。第1磁性層11は、例えば、参照層である。第1対向磁性層11cは、例えば、磁化自由層である。
第1電流i1または第2電流i2により、例えば、スピンホール効果が第1対向磁性層11cに生じる。これにより、例えば、第1電流i1が流れたときの第1対向磁性層11cの磁化の向きは、第1電流i1に応じた向きになる。一方、第2電流i2が流れたときの第1対向磁性層11cの磁化の向きは、第2電流i2に応じた向きになる。これらの磁化の向きは、互いに異なる。例えば、第1電流i1が流れたときの、第1対向磁性層11cの磁化と第1磁性層11の磁化との間の角度は、第2電流i2が流れたときの、第1対向磁性層11cの磁化と第1磁性層11の磁化との間の角度とは異なる。この角度の差により、電気抵抗が変化する。これは、例えば、磁気抵抗効果に基づく。
異なる電気抵抗の状態が、第1磁性素子SB1における異なる記憶状態に対応する。異なる記憶状態の1つは、例えば、「1」及び「0」の一方である。異なる記憶状態の別の1つは、例えば、「1」及び「0」の他方である。
図1(d)に示すように、第1磁性素子SB1に端子T8が設けられても良い。端子T8は、第1磁性素子SB1の第1磁性層11に電気的に接続される。制御部70は、端子T8と電気的に接続される。接続のための配線は、図を見やすくするために省略されている。配線にスイッチなどが設けられても良い。制御部70により、端子T8を介して、第1磁性素子SB1の電気抵抗に関する特性(電気抵抗、電流または電圧)が検出されても良い。
図1(d)に示すように、上記のような磁性素子が複数設けられる。複数の磁性素子SBPの1つが、第1磁性素子SB1に対応する。複数の磁性素子SBPは、例えば、X軸方向及びY軸方向に沿ってマトリクス状に並ぶ。
図1(d)に示すように、複数の磁性素子SBPのそれぞれに、端子T8が設けられても良い。制御部70により、端子T8を介して、複数の磁性素子SBPの電気抵抗に関する特性が検出されても良い。制御部70により、端子T8を介して、複数の磁性素子SBPのそれぞれの電位(第1磁性層11の電位)が制御されても良い。例えば、複数の磁性素子SBPが、選択状態または非選択状態に設定されても良い。
図1(b)及び図1(d)に示すように、1つの第1導電部材21に複数の磁性素子SBPが設けられても良い。複数の導電部材(第1導電部材21)が設けられても良い。複数の導電部材は、X軸方向に沿って並ぶ。後述するように、1つの第1導電部材21に設けられる複数の磁性素子SBPの数は、2でも良い。1つの第1導電部材21に1つの磁性素子SBPが設けられても良い。
このように、実施形態においては、第1導電部材21に電流が流されることで、記憶動作(書き込み動作)が行われる。例えば、電流(第1電流i1及び第2電流i2)は、第1導電部材21だけではなく、第1対向磁性層11cにも部分的に流れても良い。この場合、第1導電部材21を含む電流経路のうちで、第1対向磁性層11cと重なる部分と、重ならない部分(素子間領域)と、で、抵抗が異なる。
一方、図1(d)に示すように、磁性素子SBPとなる積層膜を加工する際に、第1導電部材21のうちで、磁性素子SBPと重ならない部分の厚さが薄くなる場合がある。この場合も、第1導電部材21のうちで、第1磁性素子SB1と重なる部分と、重ならない部分(素子間領域)と、で、抵抗が異なる。
第1導電部材21に電流が流れたときに、第1導電部材21の温度が上昇する。上記のように、第1導電部材21における抵抗は、均一ではなく、場所によって異なる。このような場合、第1導電部材21の場所によって、局所的に過度に温度が高くなる。局所的な温度の上昇により、第1導電部材21が損傷する場合あがる。例えば、第1導電部材21に含まれる金属元素がマイグレーションを生じ、局所的に抵抗が高くなる場合もある。例えば、第1導電部材21が局所的に膨張したときに、第1導電部材21の周りに設けられた絶縁部(例えば、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cなど)により強い応力が生じ、第1導電部材21に局所的なクラックなどが生じる場合もある。
一方、第1導電部材21における局所的な温度の上昇により、第1導電部材21の周りに設けられる絶縁部(例えば、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cなど)に局所的な応力が加わる。局所的な応力により、絶縁部の一部が損傷する場合もある。例えば、特性が不安定になる可能性がある。
実施形態においては、図1(a)に示すように、第1絶縁領域41の第1導電部材21に対向する第1絶縁側面41sの一部は、第1方向(X軸方向)に対して傾斜する。第1対向絶縁領域41cの第1導電部材21に対向する第1対向絶縁側面41csの一部は、第1方向(X軸方向)に対して傾斜する。
第1絶縁側面41sの一部が、第1導電部材21の延在方向(X軸方向)に対して傾斜することで、第1導電部材21において局所的な温度上昇及び膨張などが生じたときに生じる応力を分散することができる。これにより、第1導電部材21の損傷が抑制できる。例えば、第1導電部材21の寿命が延びる。例えば、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cの損傷を抑制できる。動作が安定になる。例えば素子サイズを小さくしても、安定した動作を維持できる。その結果、例えば、記憶密度を向上できる。実施形態によれば、記憶密度を向上できる磁気記憶装置を提供できる。
図1(b)及び図1(d)に示すように、第1磁性素子SB1は、複数設けられても良い(例えば、複数の磁性素子SBP)。図1(a)に示すように、第1絶縁側面41sと第1対向絶縁側面41csとの間の第2方向(例えばY軸方向)に沿う距離を距離d41とする。距離d41は、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)に対応して増減を繰り返しても良い。
例えば、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)が設けられる場合、第1導電部材21に生じる局所的な温度上昇及び局所的な膨張は、複数の第1磁性素子SB1に対応して生じる。距離d41が増減を繰り返すことで複数の第1磁性素子SB1に対応して生じる局所的な温度上昇及び局所的な膨張による影響が抑制できる。
図1(a)に示す例では、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)に対応する位置における距離d41は、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)の間の領域に対応する位置における距離d41よりも長い。
図1(b)に示すように、複数の磁性素子SBPが、X軸方向及びY軸方向に並ぶ。複数の磁性素子SBPの周りに、第1絶縁領域41、第1対向絶縁領域41c及び絶縁領域42Pが設けられる。磁気記憶装置110は、例えば、第2絶縁領域42及び第2対向絶縁領域42cをさらに含んでも良い。複数の絶縁領域42Pの1つが、第2絶縁領域42に対応する。複数の絶縁領域42Pの別の1つが、第2対向絶縁領域42cに対応する。第2絶縁領域42及び第2対向絶縁領域42cは、第2方向(例えばY軸方向)において、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間にある。
既に説明したように、第1導電部材21は、第1部分21a、第2部分21b及び第3部分21cを含む。図1(d)に示すように、第1部分21aから第2絶縁領域42への方向は、第3方向(例えば、Z軸方向)に沿う。第2部分21bから第2対向絶縁領域42cへの方向は、第3方向に沿う。既に説明したように、第3部分21cから第1磁性素子SB1への方向は、第3方向に沿う。
図1(b)に示すように、第1磁性素子SB1は、X軸方向において、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間にある。第1磁性素子SB1は、Y軸方向において、第2絶縁領域42と第2対向絶縁領域42cとの間にある。
図1(a)及び図1(c)に示すように、第1導電部材21は、Y軸方向において、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間にある。図1(d)に示すように、第1導電部材21の一部の上に、第2絶縁領域42及び第2対向絶縁領域42cが設けられる。
第1導電部材21の特性は、第1絶縁領域41、第1対向絶縁領域41c、第2絶縁領域42及び第2対向絶縁領域42cの影響を受けても良い。例えば、これらの絶縁領域の少なくとも一部から第1導電部材21に応力が加わっても良い。例えば、第1導電部材21が有する応力が、これらの絶縁領域の少なくとも一部により緩和されても良い。
実施形態に係る1つの例において、第1絶縁領域41の材料は、第2絶縁領域42の材料とは異なっても良い。第1絶縁領域41の材料は、第2対向絶縁領域42cの材料とは異なっても良い。例えば、第1絶縁領域41の材料は、第1対向絶縁領域41cの材料と実質的に同じでも良い。例えば、第2絶縁領域42の材料は、第2対向絶縁領域42cの材料と実質的に同じでも良い。
これらの絶縁領域の影響により、第1導電部材21の特性(例えば導電率など)に異方性が生じても良い。例えば、第1導電部材21が結晶である場合、これらの絶縁領域の影響により、格子長に異方性が生じても良い。以下、格子長の例について説明する。
図2(a)及び図2(b)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の一部を例示する模式図である。
これらの図は、第1導電部材21の格子長を例示している。図2(a)は、X−Z平面における格子長を例示している。図2(b)は、Y−Z平面における格子長を例示している。例えば、図2(a)に示すように、第1導電部材21の第1方向(X軸方向)に沿う格子長を第1格子長Lxとする。図2(b)に示すように、第1導電部材21の第2方向(例えばY軸方向)に沿う格子長を第2格子長Lyとする。実施形態の1つの例において、第1格子長Lxは、第2格子長Lyとは異なる。例えば、第2格子長Lyは、第1格子長Lxよりも大きい。例えば、第2格子長Lyと第1格子長Lxとの差の絶対値は、第1格子長Lxの0.1%以上でも良い。
例えば、格子長に異方性が生じると、第1導電部材21の特性(例えば導電率など)に異方性が生じる。例えば、第1導電部材21を流れる電流の向きの均一性が向上する。例えば、第1導電部材21から第1対向磁性層11cに与える効果(例えばスピンホール効果)の均一性が高まる。より安定した動作が得られる。
実施形態において、第1対向磁性層11cにおいて、格子長の異方性が生じても良い。例えば、第1対向磁性層11cの第2方向(Y軸方向)に沿う格子長は、第1対向磁性層11cの第1方向(例えばX軸方向)に沿う格子長よりも大きくても良い。第1非磁性層11nにおいて、格子長の異方性が生じても良い。例えば、第1非磁性層11nの第2方向(Y軸方向)に沿う格子長は、第1非磁性層11nの第1方向(例えばX軸方向)に沿う格子長よりも大きくても良い。第1対向磁性層11cの格子長が上記のような異方性を有することで、第1導電部材21における格子長の異方性が安定になり易い。
第1格子長Lx(図2(a)参照)は、第1対向磁性層11cまたは第1非磁性層11nのX軸方向の格子長に対応しても良い。第2格子長Ly(図2(b)参照)は、第1対向磁性層11cまたは第1非磁性層11nのY軸方向の格子長に対応しても良い。
格子長に関する情報は、例えば、TEM像などから得られる。例えば、TEM像から得られる格子像をフーリエ変換した結果から、格子長の大小関係に関する情報を得ることができる。このフーリエ変換は、例えば、結晶面(すなわち、格子面)において行われる。
磁気記憶装置110の1つの例において、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cは、SOG(Spin On Glass)により形成されても良い。SOGにおいては、シリコンを含む有機材料が塗布され、加熱処理などにより、絶縁部が形成できる。シリコンを含む有機材料は、例えば、メチルシロキサンを含む。別の例において、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cは、例えば、樹脂(例えばポリイミドなど)を含んでも良い。一方、CVD(chemical vapor deposition)などにより、酸化シリコンの絶縁部が形成できる。
例えば、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cがSOGなどにより形成され、第2絶縁領域42及び第2対向絶縁領域42cがCVDにより形成されると、良好な記憶動作が得られることが分かった。これは、このような材料の違いにより、第1導電部材21における応力が緩和されことが原因であると考えられる。
例えば、SOGにより得られる第1材料において、CVDにより得られる第2材料と比べて、変形し易いと考えられる。例えば、第1材料はポーラスでも良い。例えば、第1材料に含まれる原子(例えばシリコン)は、結合していない基を多く含んでも良い。このような特性により、第1材料は、第2材料よりも柔らかくなる。
第1材料は、例えば、シラノール基を含んでも良い。第1材料は、例えば、水酸基を含んでも良い。第1材料は、例えば、炭化水素基を含んでも良い。
例えば、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cの少なくともいずれかは、第2絶縁領域42に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、第2絶縁領域42に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、第2絶縁領域42に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、第2絶縁領域42に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、第2絶縁領域42の空孔率よりも高い第1空孔率、及び、第2絶縁領域42の密度よりも低い第1密度の少なくともいずれかを有しても良い。
これらの化学基に関する情報は、例えば、赤外分光分析などにより得られる。空孔率に関する情報は、実用的には、断面の顕微鏡観察などにより得られても良い。
第1絶縁領域41の材料が第2絶縁領域42の材料とは異なる場合、第1導電部材21に局所的に生じる応力が緩和され易くなる。このため、第1絶縁側面41s及び第1対向絶縁側面41csが、第1方向(X軸方向)に実質的に平行でも良い。例えば、距離d41(図1(a)参照)は、一定でも良い。この場合も、材料の違いにより応力が緩和される。
すなわち、1つの例において、磁気記憶装置110は、第1導電部材21、第1絶縁領域41、第1磁性素子SB1及び第2絶縁領域42を含んでも良い。第1導電部材21は、第1部分21aと、第2部分21bと、第1部分21aと第2部分21bとの間の第3部分21cと、を含む。第1導電部材21は、第1部分21aから第2部分21bへの第1方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。第1絶縁領域41から第1導電部材21への第2方向(例えばY軸方向)は、第1方向と交差する。第3部分21cから第1磁性素子SB1への第3方向(Z軸方向)は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第1部分21aから第2絶縁領域42への方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。第2絶縁領域42から第1磁性素子SB1への方向は、第1方向(X軸方向)に沿う(図1(d)参照)。第1絶縁領域41は、第2絶縁領域42に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、第2絶縁領域42に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、第2絶縁領域42に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、第2絶縁領域42に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、第2絶縁領域42の空孔率よりも高い第1空孔率、及び、第2絶縁領域42の密度よりも低い第1密度の少なくともいずれかを有しても良い。これにより、例えば、第1導電部材21及び第1絶縁領域41の少なくとも一部における応力が緩和される。例えば素子サイズを小さくしても、安定した動作を維持できる。その結果、例えば、記憶密度を向上できる。実施形態によれば、記憶密度を向上できる磁気記憶装置を提供できる。
図1(c)〜図1(f)に示すように、第1部材20sがさらに設けられても良い。第1部材20sは、例えば、基板(または基材)でも良い。例えば、第1部材20sの上に、第1導電部材21及び絶縁領域が設けられる。1つの例において、第1部材20sは、絶縁材料(例えば酸化アルミニウムなど)を含む。別の例において、第1部材20sは、シリコン層を含んでも良い。シリコン層は、トランジスタなどのスイッチング素子を含んでも良い。シリコン層は、例えば、制御部70の少なくとも一部を含んでも良い。
図1(c)に示すように、第1部材20sは、第1部材領域20sa、第2部材領域20sb及び第3部材領域20scを含んでも良い。第3部材領域20scは、第2方向(例えば、Y軸方向)において、第1部材領域20saと第2部材領域20sbとの間にある。第1部材領域20saから第2部材領域20sbへの方向は、第2方向に沿う。
図1(c)に示すように、第1部材領域20saから第1絶縁領域41への方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。第3部材領域20scから第1磁性素子SB1への方向は、第3方向に沿う。第2部材領域20sbから第1対向絶縁領域41cへの方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。
図1(c)に示すように、第1部材20sの一部は、第1導電部材21と重ならない領域において、後退しても良い。第1部材20sのうちの第1導電部材21と重なる領域は、凸部になり、第1導電部材21と重ならない領域は、凹部となる。第1部材20sの後退した領域(凹部)に、第1絶縁領域41が設けられても良い。例えば、第1絶縁領域41は、第1部材20sのうちの第1導電部材21と重なる領域(凸部)の側面に対向する。
すなわち、第1部材20sの第3部材領域20scは、第2方向(例えばY軸方向)と交差する側面20scsを含む。第1絶縁領域41は、第2方向(例えばY軸方向)において、この側面20scsの少なくとも一部と対向する。例えば、第3部材領域20scは、第2方向(例えばY軸方向)と交差する別の側面20sccをさらに含んでも良い。第1対向絶縁領域41cは、第2方向において、この側面20sccの少なくとも一部と対向する。
この場合、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間に、第1導電部材21に加えて、第1部材20sの凸部(第3部材領域20sc)が設けられる(図1(c)参照)。このため、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間に第1導電部材21が設けられ第1部材20sの凸部が設けられない場合に比べて、第1導電部材21に生じる局所的な応力が緩和されやすくなる。これにより、例えば素子サイズを小さくしても、安定した動作を維持し易くなる。記憶密度を向上できる磁気記憶装置を提供できる。
この際、第1部材20sの凸部の側面(例えば、側面20scsなど)に設けられる絶縁部が柔らかく、応力を緩和し易い場合は、第1部材20sにおける局所的な温度上昇及び局所的な膨張の影響をより緩和し易くなる。第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cの少なくともいずれかが、上記の第1〜第4濃度、第1空孔率、及び、第1密度の少なくともいずれかを有することで、局所的な温度上昇及び局所的な膨張の影響をより緩和し易くなる。
第1絶縁領域41が、第2方向において側面20scsの少なくとも一部と対向し、第1対向絶縁領域41cが、第2方向において側面20sccの少なくとも一部と対向する構成(図1(c)参照)においては、上記のように、第1導電部材21に生じる局所的な応力が緩和されやすくなる。このため、第1絶縁側面41s及び第1対向絶縁側面41csが、第1方向(X軸方向)に実質的に平行でも良い。例えば、距離d41(図1(a)参照)は、一定でも良い。この場合も、上記の構成により、応力が緩和される。
すなわち、例えば、磁気記憶装置110は、第1導電部材21、第1絶縁領域41、第1磁性素子SB1及び第1部材20sを含む。第1導電部材21は、第1部分21aと、第2部分21bと、第1部分21aと第2部分21bとの間の第3部分21cと、を含む。第1導電部材21は、第1部分21aから第2部分21bへの第1方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。第1絶縁領域41から第1導電部材21への第2方向(例えばY軸方向)は、第1方向と交差する。第3部分21cから第1磁性素子SB1への第3方向(例えば、Z軸方向)は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第1部材20sは、第1部材領域20saと、第2部材領域20sbと、第1部材領域20saと第2部材領域20sbとの間の第3部材領域20scと、を含む。第1部材領域20saから第2部材領域20sbへの方向は、第2方向(例えばY軸方向)に沿う。第1部材領域20saから第1絶縁領域41への方向は、第3方向に沿う。第3部材領域20scから第1磁性素子SB1への方向は、第3方向に沿う。第3部材領域20scは、第2方向(Y軸方向)と交差する側面20scsを含む。第1絶縁領域41は、第2方向(Y軸方向)において、この側面20scsの少なくとも一部と対向する(図1(c)参照)。このような構成により、例えば、第1導電部材21に生じる局所的な応力が緩和されやすくなる。これにより、例えば素子サイズを小さくしても、安定した動作を維持し易くなる。記憶密度を向上できる磁気記憶装置を提供できる。
実施形態において、以下に説明するように、第1絶縁領域41の側面の凹凸形状が、第2絶縁領域42の側面の凹凸形状と異なっても良い。
図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の一部を例示する模式図である。
図3(a)は、図1(c)に対応する断面図である。図3(b)は、図1(d)に対応する断面図である。これらの図に例示する磁気記憶装置111においては、絶縁領域の側面の形状が、磁気記憶装置110におけるそれとは異なる。磁気記憶装置111におけるこの他の構成は、磁気記憶装置110におけるそれと同じで良い。以下、磁気記憶装置111における絶縁領域の側面の形状の例について説明する。
図3(a)に示すように、第1絶縁領域41は、第1側面41asを含む。第1側面41asは、第2方向(例えばY軸方向)において、第1磁性素子SB1に対向する。一方、第1対向絶縁領域41cは、側面41casを含む。側面41casは、第2方向(例えばY軸方向)において、第1磁性素子SB1に対向する。
図3(b)に示すように、第2絶縁領域42は、第2側面42asを含む。第2側面42asは、第1方向(X軸方向)において、第1磁性素子SB1に対向する。第2対向絶縁領域42cは、側面42casを含む。側面42casは、第1方向(X軸方向)において、第1磁性素子SB1に対向する。
図3(a)に示すように、第2方向及び第3方向を含む第1切断面(Y−Z平面)において、第1側面41asは、第1磁性素子SB1に向かって凸状である。例えば、第1切断面において、第1側面41asは、大きくカーブしている。例えば、第1側面41asのうちの、第1磁性素子SB1の中央部分に対向する部分は突出している。例えば、第1側面41asのうちの、第1非磁性層11nに対向する部分は突出している。
一方、図3(b)に示すように、第1方向及び第3方向を含む第2切断面(X−Z平面)において、第1側面41asは、ほぼ直線状である。
例えば、第1切断面における第1側面41asの曲率は、第2切断面における第2側面42asの曲率よりも高い。例えば、第1切断面における第1側面41asの曲率半径は、第2切断面における第2側面42asの曲率半径よりも小さい。
同様に、例えば、第1切断面における側面41casの曲率は、第2切断面における側面42casの曲率よりも高い。例えば、第1切断面における側面41casの曲率半径は、第2切断面における側面42casの曲率半径よりも小さい。
このように、第1絶縁領域41と第2絶縁領域42とにおいて、側面の曲率が異なっても良い。例えば、既に説明したように、第1絶縁領域41は、第1導電部材21の厚さ方向の全体において、第1導電部材21と対向する(図3(a)参照)。一方、第2絶縁領域42は、第1導電部材21の厚さ方向の一部と対向する。または、第2絶縁領域42は、第1導電部材21と対向しない場合もある。このように、第1絶縁領域41と第2絶縁領域42とにおいて、第1導電部材21に対向する状態が互いに異なる。第1絶縁領域41の第1側面41asが凸状であると、Z軸方向を規準にしたときに、第1側面41asの傾斜方向が異なる2つの領域が得られる。この2つの領域は、例えば、図3(a)の図中において、第1側面41asの上側部分、及び、下側部分である。上側部分における傾斜方向は、下側部分における傾斜方向とは逆である。
第1導電部材21の厚さ方向の全体で対向する第1絶縁領域41の第1側面41asにこのような傾斜を設けることで、例えば、第1導電部材21に局所的な温度の上昇または局所的な膨張が生じたときに局所的に生じる応力を分散し、緩和できる。
一方、第2絶縁領域42の第2側面42asを比較的フラットにすることで、例えば、第1磁性素子SB1の膨張などに起因する応力を緩和できる。
このような側面の形状は、例えば、第1磁性素子SB1及び第1導電部材21を含む積層膜の加工条件を制御することで制御できる。例えば、X軸方向に沿って積層膜を加工する際において、第1磁性素子SB1の厚さ方向の中央部分のエッチング速度が速くなる条件を用いることで、上記のような凸状の形状が得られる。
このように、第1絶縁領域41と第2絶縁領域42とにおいて、側面の曲率が異なることで、局所的な応力が緩和されやすくなる。このため、第1絶縁側面41s及び第1対向絶縁側面41csが、第1方向(X軸方向)に実質的に平行でも良い。例えば、距離d41(図1(a)参照)は、一定でも良い。この場合も、側面の曲率の違いにより、応力が緩和される。
すなわち、例えば、磁気記憶装置110は、第1導電部材21、第1絶縁領域41、第1磁性素子SB1、及び、第2絶縁領域42を含む。第1導電部材21は、第1部分21aと、第2部分21bと、第1部分21aと第2部分21bとの間の第3部分21cと、を含む。第1導電部材21は、第1部分21aから第2部分21bへの第1方向(X軸方向)に沿って延びる。第1絶縁領域41から第1導電部材21への第2方向(例えばY軸方向)は、第1方向と交差する。第3部分21cから第1磁性素子SB1への第3方向(例えばZ軸方向)は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第1部分21aから第2絶縁領域42への方向は、第3方向(Z軸方向)に沿う。第2絶縁領域42から第1磁性素子SB1への方向は、第1方向(X軸方向)に沿う。第1絶縁領域41は、第2方向において第1磁性素子SB1に対向する第1側面41asを含む。第2絶縁領域42は、第1方向において第1磁性素子SB1に対向する第2側面42asを含む。第2方向及び第3方向を含む第1切断面において、第1側面41asは、第1磁性素子SB1に向かって凸状である。第1切断面における第1側面41asの曲率は、第1方向及び第3方向を含む第2切断面における第2側面42asの曲率よりも高い(図3(a)及び図3(b)参照)。例えば、第1導電部材21に生じる局所的な応力が緩和されやすくなる。これにより、例えば素子サイズを小さくしても、安定した動作を維持し易くなる。記憶密度を向上できる磁気記憶装置を提供できる。
図4(a)〜図4(f)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図4(a)は、図4(c)及び図4(e)のA1−A2線断面図である。図4(b)は、図4(c)の矢印ARからみた平面図である。図4(c)は、図4(b)のC1−C2線断面図である。図4(d)は、図4(b)のD1−D2線断面図である。図4(e)は、図4(b)のE1−E2線断面図である。図4(f)は、図4(b)のF1−F2線断面図である。
これらの図に示すように、磁気記憶装置112においては、絶縁領域が積層構造を有する。それ以外の磁気記憶装置112の構成は、磁気記憶装置110または111と同様で良い。以下、絶縁領域の構造の例について説明する。
図4(c)に示すように、第1絶縁領域41は、例えば、部分41e、部分41f及び部分41gを含む。例えば、Y軸方向において、部分41fは、部分41gと第1磁性素子SB1との間にある。Y軸方向において、部分41eは、部分41gと部分41fとの間にある。部分41eの一部から第1導電部材21への方向は、Y軸方向に沿う。例えば、部分41eの一部は、Y軸方向において、第1導電部材21と対向する。部分41eは、第1部材20sと接しても良い。例えば、部分41eの材料は、部分41fの材料とは異なる。例えば、部分41eの材料は、部分41gの材料とは異なる。第1絶縁領域41は、このように積層構造を有しても良い。
図4(c)に示すように、第1対向絶縁領域41cは、例えば、部分41ce、部分41cf及び部分41cgを含んでも良い。
部分41f、部分41g、部分41cf及び部分41cgは、例えば窒化珪素を含む。例えば、部分41e及び部分41ceは、上記の第1材料を含む。第1材料は、例えば、SOG、ポーラス材料、シラノール基を含む材料、水酸基を含む材料、炭化水素基を含む材料、または、樹脂よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
図4(d)に示すように、第2絶縁領域42は、例えば、部分42e、部分42f、部分42g及び部分42iを含む。例えば、X軸方向において、部分42fは、部分42gと第1磁性素子SB1との間にある。X軸方向において、部分42eは、部分42gと部分42fとの間にある。部分42iは、Z軸方向において、部分42eと第1部材20sとの間に設けられる。例えば、部分42eの材料は、部分42fの材料とは異なる。例えば、部分42eの材料は、部分42gの材料とは異なる。例えば、部分42eの材料は、部分42iの材料とは異なる。第2絶縁領域42は、このように積層構造を有しても良い。
図4(d)に示すように、第2対向絶縁領域42cは、例えば、部分42ce、部分42cf、部分42cg及び部分42ciを含んでも良い。
部分42f、部分42g、部分42i、部分42cf、部分42cg及び42ciは、例えば窒化珪素を含む。例えば、部分42e及び部分42ceは、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン及び酸化アルミニウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
例えば、部分41f、部分41g、部分41cf及び部分41cgは、第1導電部材21に含まれる元素と、酸素及び窒素よりなる群から選択された少なくとも1つと、を含んでも良い。
部分42f、部分42g、部分42i、部分42cf、部分42cg及び部分42ciは、例えば、第1導電部材21に含まれる元素と、酸素及び窒素よりなる群から選択された少なくとも1つと、を含んでも良い。
図1(a)及び図4(a)に示すように、磁気記憶装置110及び112においては、第1導電部材21のY軸方向の幅は、磁性素子SBPと重なる領域で広く、磁性素子SBPと重ならない領域で狭い。以下に説明するように、幅の大小の関係が逆でも良い。
図5(a)〜図5(f)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図5(a)は、図5(c)及び図5(e)のA1−A2線断面図である。図5(b)は、図5(c)の矢印ARからみた平面図である。図5(c)は、図5(b)のC1−C2線断面図である。図5(d)は、図5(b)のD1−D2線断面図である。図5(e)は、図5(b)のE1−E2線断面図である。図5(f)は、図5(b)のF1−F2線断面図である。
図5(a)に示すように、磁気記憶装置113においても、第1絶縁領域41の第1導電部材21に対向する第1絶縁側面41sの一部は、第1方向(X軸方向)に対して傾斜する。第1対向絶縁領域41cの第1導電部材21に対向する第1対向絶縁側面41csの一部は、第1方向に対して傾斜する。
複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)が設けられても良い。第1絶縁側面41sと第1対向絶縁側面41csとの間の第2方向(例えばY軸方向)に沿う距離を距離d41とする。距離d41は、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)に対応して増減を繰り返しても良い。
図5(a)に示すように、磁気記憶装置113においては、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)に対応する位置における距離d41は、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)の間の領域に対応する位置における距離d41よりも短い。
例えば、第1絶縁領域41の材料は、第2絶縁領域42の材料とは異なっても良い。例えば、第1絶縁領域41は、上記の第1〜第4濃度、第1空孔率、及び、第1密度の少なくともいずれかを有しても良い。
図5(c)に示すように、第1部材20sがさらに設けられても良い。第1部材20sの第3部材領域20scは、第2方向(Y軸方向)と交差する側面20scsを含む。第1絶縁領域41は、第2方向(例えば、Y軸方向)において、この側面20scsの少なくとも一部と対向しても良い。
磁気記憶装置113においても、例えば、第1導電部材21に生じる局所的な応力が緩和されやすくなる。これにより、例えば素子サイズを小さくしても、安定した動作を維持し易くなる。記憶密度を向上できる磁気記憶装置を提供できる。
さらに、磁気記憶装置113において、磁気記憶装置111と同様に、第2方向及び第3方向を含む第1切断面において、第1絶縁領域41の第1側面41asは、第1磁性素子SB1に向かって凸状でも良い(図3(a)参照)。第1切断面における第1側面41asの曲率は、第1方向及び第3方向を含む第2切断面(図3(b)参照)における、第2絶縁領域42の第2側面42asの曲率よりも高くても良い。例えば、第1導電部材21に生じる局所的な応力が緩和されやすくなる。
図6(a)〜図6(f)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図6(a)は、図6(c)及び図6(e)のA1−A2線断面図である。図6(b)は、図6(c)の矢印ARからみた平面図である。図6(c)は、図6(b)のC1−C2線断面図である。図6(d)は、図6(b)のD1−D2線断面図である。図6(e)は、図6(b)のE1−E2線断面図である。図6(f)は、図6(b)のF1−F2線断面図である。
これらの図に示すように、磁気記憶装置114においては、絶縁領域が積層構造を有する。それ以外の磁気記憶装置114の構成は、磁気記憶装置113と同様で良い。
例えば、図6(c)に示すように、第1絶縁領域41は、例えば、部分41e、部分41f及び部分41gを含む。図6(c)に示すように、第1対向絶縁領域41cは、例えば、部分41ce、部分41cf及び部分41cgを含んでも良い。図6(d)に示すように、第2絶縁領域42は、例えば、部分42e、部分42f、部分42g及び部分42iを含む。図6(d)に示すように、第2対向絶縁領域42cは、例えば、部分42ce、部分42cf、部分42cg及び部分42ciを含んでも良い。
図7(a)、図7(b)、図8(a)、図8(b)、図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10(b)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。 図7(a)、図8(a)、図9(a)及び図10(a)は、図1(a)に対応する断面図である。図7(b)、図8(b)、図9(b)及び図10(b)は、図1(b)に対応する平面図である。
これらの図に示す磁気記憶装置110a、112a、113a及び114aのように、第1絶縁側面41sの一部は、第1方向(X軸方向)に対して傾斜し、第1絶縁側面41sの別の一部は、第1方向に沿っている。第1対向絶縁側面41csの一部は、第1方向に対して傾斜し、第1対向絶縁側面41csの別の一部は、第1方向に沿っている。このように、第1絶縁側面41s及び第1対向絶縁側面41csの少なくともいずれかの一部が、X軸方向に対して傾斜することで、局所的な温度上昇及び膨張などが生じたときに生じる応力を分散することができる。安定した動作を維持できる。記憶密度を向上できる磁気記憶装置を提供できる。
第1絶縁側面41sと第1対向絶縁側面41csとの間の第2方向(例えばY軸方向)に沿う距離を距離d41は、複数の第1磁性素子SB1(複数の磁性素子SBP)に対応して増減を繰り返しても良い。
図11(a)〜図11(d)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図11(a)及び図11(c)は、図1(b)のC1−C2線に対応する位置における断面図である。図11(b)及び図11(d)は、図1(b)のE1−E2線に対応する断面図である。
図11(a)及び図11(b)に示す磁気記憶装置112bのように、部分41f、41g、41cf及び41cgのそれぞれのY軸方向の長さ(厚さ)は、第1導電部材21から第1磁性層11に向かって、減少しても良い。
図11(b)に示すように、部分41fと第1導電部材21との間に、第2絶縁領域42の一部が設けられても良い。実施形態において、例えば、部分41fを設けることで、第1導電部材21の端部に集中する応力を低減することができる。部分41fと第1導電部材21との間に、第2絶縁領域42の一部が設けられることで、応力をさらに効果的に低減できる。
図11(c)及び図11(d)に示すように、磁気記憶装置114bにおいても、部分41f、41g、41cf及び41cgのそれぞれのY軸方向の長さ(厚さ)は、第1導電部材21から第1磁性層11に向かって、減少しても良い。
図12は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図12は、図1(b)のC1−C2線に対応する位置における断面図である。図12に示すように、磁気記憶装置115においては、第2方向(例えばY軸方向)において、部分41eと第1磁性素子SB1との間に、空隙41v(例えばボイド)が設けられている。部分41ceと第1磁性素子SB1との間に、空隙41cv(例えばボイド)が設けられている。磁気記憶装置115におけるこれ以外の構成は、磁気記憶装置112または112aと同様である。
例えば、磁気記憶装置112と同様に、磁気記憶装置115において、第1方向(X軸方向)において、部分42eと第1磁性素子SB1との間には空隙は設けられていない(例えば図4(b)参照)。または、部分42eと第1磁性素子SB1との間の空隙は、部分41eと第1磁性素子SB1との間の空隙よりも小さい。
このように、Y軸方向において第1磁性素子SB1と絶縁部材(部分41eなど)との間に空隙41vが設けられ、X軸方向において第1磁性素子SB1と絶縁部材(部分42eなど)との間に空隙が設けられないことで、例えば、第1導電部材21において局所的な温度上昇及び膨張などが生じたときに生じる応力を分散することができる。第1導電部材21の損傷が抑制できる。動作が安定になる。その結果、例えば、記憶密度を向上できる。
例えば、部分41f及び部分41cfを第1絶縁領域41とは別の絶縁領域と見なしても良い。この場合、部分42eが第1絶縁領域41に対応する。例えば、その別の絶縁領域(部分41f及び部分41cfなど)は、第2方向(Y軸方向)において、第1絶縁領域41(部分41e)と、第1磁性素子SB1と、の間に設けられる。その別の絶縁領域(部分41f及び部分41cfなど)と、第1絶縁領域41(部分41e)と、の間の少なくとも一部に、ボイド(空隙41vまたは空隙41cvなど)が設けられても良い。応力を効果的に分散し、動作が安定になる。その結果、例えば、記憶密度を向上し易くなる。
空隙41vまたは空隙41cvなどは、第1絶縁領域41の形成条件などの調整により形成することができる。
空隙41vまたは空隙41cvなどは、第1実施形態に係る任意の磁気記憶装置及びその変形に適用できる。
図13(a)〜図13(c)は、第1実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図13(a)は、図13(c)の矢印ARからみた平面図である。図13(b)は、第1導電部材21を含む平面における断面図である。図13(c)は、図13(a)のG1−G2線断面図である。
図13(a)及び図13(c)に示すように、実施形態に係る磁気記憶装置118は、第1導電部材21、第1絶縁領域41、第2絶縁領域42及び第1磁性素子SB1を含む。
図13(c)に示すように、第1導電部材21は、第1部分21a、第2部分21b及び第3部分21cを含む。第3部分21cは、第1部分21aと第2部分21bとの間に設けられる。第1部分21aから第2部分21bへの方向は、第1方向に沿う。第1方向は、例えば、X軸方向である。1つの例において、第1導電部材21は、第1方向に沿って延びる。例えば、第1方向に沿う第1導電部材21の長さは、第1方向と交差する方向に沿う第1導電部材21の長さよりも長くても良い。
図13(b)に示すように、第1絶縁領域41から第1導電部材21への第2方向は、第1方向と交差する。第2方向は、例えばY軸方向である。
第2絶縁領域42から第1導電部材21への方向は、第1方向に沿う。第1絶縁領域41の材料は、第2絶縁領域42の材料とは異なる。
図13(c)に示すように、第3部分21cから第1磁性素子SB1への第3方向は、第1方向及び第2方向を含む平面(例えばX−Y平面)と交差する。第3方向は、例えば、Z軸方向である。
磁気記憶装置118においては、第1導電部材21にY軸方向で対向する第1絶縁領域の材料が、第1導電部材21にX軸方向で対向する第2絶縁領域の材料とは異なる。これにより、第1導電部材21に加わる応力において、異方性が生じる。これにより、例えば、第1導電部材21の特性(例えば導電率など)に異方性が生じても良い。例えば、第1導電部材21の特性(例えば導電率など)に異方性が生じても良い。例えば、第1導電部材21を流れる電流の向きの均一性が向上する。例えば、第1導電部材21から第1対向磁性層11cに与える効果(例えばスピンホール効果)の均一性が高まる。より安定した動作が得られる。
第1導電部材21にY軸方向で対向する第1絶縁領域の材料が、第1導電部材21にX軸方向で対向する第2絶縁領域の材料とは異なることで、第1導電部材21に生じる応力が緩和されても良い。例えば、第1導電部材21のX軸方向の長さは、Y軸方向の長さと異なる。例えば、熱膨張などの影響により、第1導電部材21に生じる応力に異方性が生じる場合ある。このような応力により、第1導電部材21及びその周りの絶縁領域に、局所的に大きな応力が集中する場合がある。絶縁領域の材料の違いにより応力が緩和されることで、応力の集中が抑制される。例えば、第1導電部材21の損傷が抑制できる。例えば、第1絶縁領域41及び絶縁領域の損傷を抑制できる。動作が安定になる。例えば素子サイズを小さくしても、安定した動作を維持できる。記憶密度を向上できる。
磁気記憶装置118において、例えば、第1絶縁領域41は、第2絶縁領域42に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、第2絶縁領域42に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、第2絶縁領域42に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、第2絶縁領域42に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、第2絶縁領域42の空孔率よりも高い空孔率、及び、第2絶縁領域42の密度よりも低い密度の少なくともいずれかを有しても良い。
図13(a)〜図13(c)に示すように、第1導電部材21及び第1磁性素子SB1を含む組が複数設けられても良い。1つの組は、導電部材21A及び磁性素子SBPを含む。複数の組みが、X軸方向に並ぶ。複数の組みが、Y軸方向に並ぶ。複数の組みの1つが、第2絶縁領域42と絶縁領域42Pとの間に設けられる。または、複数の組みの1つが、複数の絶縁領域42Pの1つと、複数の絶縁領域42Pの別の1つと、の間に設けられる。
Y軸方向において、第1対向絶縁領域41cと、別の第1対向絶縁領域41cと、の間に、第1絶縁領域41が設けられる。Y軸方向において、第1対向絶縁領域41cと第1絶縁領域41との間に、導電部材21A及び磁性素子SBPを含む複数の組みが設けられる。Y軸方向において、別の第1対向絶縁領域41cと、第1絶縁領域41と、の間に、導電部材21A及び磁性素子SBPを含む別の複数の組みが設けられる。
図13(c)に示すように、第1接続部材31及び第2接続部材32が設けられても良い。第1接続部材31は、第1部分21aと電気的に接続される。第2接続部材32は、第2部分21bと電気的に接続される。これらの接続部材、及び、端子T8は、制御部70(図1(a)など参照)と電気的に接続される。
図13(c)に示すように、絶縁層48が設けられても良い。絶縁層48から第1磁性素子SB1への方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。例えば、絶縁層48と第1磁性素子SB1との間に第1導電部材21が設けられる。絶縁層48は、例えば、第1導電部材21の応力を調整しても良い。例えば、第1導電部材21周りに設けられる絶縁部が安定になる。応力の調整により、例えば、第1導電部材21の特性が安定になる。絶縁層48は、第1導電部材21の一部に設けられても良い。例えば、第1導電部材21は、Z軸方向において、絶縁層48と重なる部分と、重ならない部分と、を含んでも良い。絶縁層48は、第1実施形態に係る上記の磁気記憶装置に設けられても良い。
磁気記憶装置118において、第1導電部材21の第1方向に沿う格子長は、第1導電部材21の第2方向に沿う格子長とは異なっても良い。
磁気記憶装置118において、例えば、第1絶縁領域41は、第2方向において第1磁性素子SB1に対向する第1側面41as(図3(a)参照)を含んでも良い。第2絶縁領域42は、第1方向において第1磁性素子SB1に対向する第2側面42as(図3(a)参照)を含んでも良い。第2方向及び第3方向を含む第1切断面において、第1側面41asは、第1磁性素子SB1に向かって凸状も良い(図3(a)参照)。第1切断面における第1側面41asの曲率は、第1方向及び第3方向を含む第2切断面における第2側面42asの曲率よりも高くても良い(図3(a)及び図3(b)参照)。
例えば、磁気記憶装置118は、第1部材20s(図1(c)参照)をさらに含んでも良い。第1部材20sは、第1部材領域20sa、第2部材領域20sb及び第3部材領域20scを含んでも良い(図1(c)参照)。第3部材領域20scは、第2方向(例えば、Y軸方向)において、第1部材領域20saと第2部材領域20sbとの間にある。第1部材領域20saから第2部材領域20sbへの方向は、第2方向に沿う(図1(c)参照)。第1部材領域20saから第1絶縁領域41への方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。第3部材領域20scから第1磁性素子SB1への方向は、第3方向に沿う。第2部材領域20sbから第1対向絶縁領域41cへの方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う(図1(c)参照)第1部材20sの第3部材領域20scは、第2方向(例えばY軸方向)と交差する側面20scsを含む。第1絶縁領域41は、第2方向(例えばY軸方向)において、この側面20scsの少なくとも一部と対向しても良い(図1(c)参照)。
(第2実施形態)
図14(a)〜図14(c)、図15(a)及び図15(b)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図14(a)は、図15(a)の矢印ARからみた平面図である。図15(a)は、図14(a)のH1−H2線断面図である。図14(b)及び図14(c)は、X−Y平面で切断した断面図である。図14(b)は、第1導電部材21を含む平面における断面図である。図14(b)は、後述する第1〜第3接続部材31〜33を含む平面における断面図である。図15(b)は、Y−Z平面で切断した断面図である。
図15(a)に示すように、実施形態に係る磁気記憶装置120は、第1絶縁部61、第2絶縁部62、第3絶縁部63、第1導電部材21、第1磁性素子SB1及び第2磁性素子SB2を含む。このように、磁気記憶装置120においては、1つの第1導電部材21に、2つの磁性素子が設けられる。磁気記憶装置120は、制御部70をさらに含んでも良い。
第1絶縁部61から第3絶縁部63に向かう第1方向において、第2絶縁部62は、第1絶縁部61と第3絶縁部63との間にある。第1方向は、例えば、X軸方向である。
第1導電部材21は、第1絶縁部61の少なくとも一部と、第3絶縁部63の少なくとも一部と、の間に設けられる。第1導電部材21は、第1方向に沿って延びる。
第1磁性素子SB1は、第1絶縁部61と第2絶縁部62との間に設けられる。第1導電部材21から第1磁性素子SB1への方向は、第3方向に沿う。第3方向は、第1方向と交差する。第3方向は、例えば、Z軸方向である。
第2磁性素子SB2は、第2絶縁部62と第3絶縁部63との間に設けられる。第1導電部材21から第2磁性素子SB2への方向は、第3方向に沿う。
図14(b)及び図15(a)に示すように、例えば、第1導電部材21は、第1〜第5部分21a〜21eを含む。第1部分21aは、第1絶縁部61の一部と、第3絶縁部63と、の間にある。第2部分21bは、第1部分21aと第3絶縁部63との間にある。第3部分21cは、第1部分21aと第2部分21bとの間にある。第4部分21dは、第2部分21bと第3絶縁部63との間にある。第5部分21eは、第2部分21bと第4部分21dとの間にある。
第1磁性素子SB1は、第1磁性層11、第1対向磁性層11c及び第1非磁性層11nを含む。Z軸方向において、第3部分21cと第1磁性層11との間に、第1対向磁性層11cが設けられる。第1非磁性層11nは、第1磁性層11と第1対向磁性層11cとの間に設けられる。
第2磁性素子SB2は、第2磁性層12、第2対向磁性層12c及び第2非磁性層12nを含む。Z軸方向において、第5部分21eと第2磁性層12との間に、第2対向磁性層12cが設けられる。第2非磁性層12nは、第2磁性層12と第2対向磁性層12cとの間に設けられる。
この例では、第1接続部材31、第2接続部材32及び第3接続部材33が設けられる(図14(c)及び図15(a)参照)。第1接続部材31は、第1部分21aと電気的に接続される。第2接続部材32は、第4部分21dと電気的に接続される。第3接続部材33は、第2部分21bと電気的に接続される。第1接続部材31、第2接続部材32及び第3接続部材33は、第1端子T1、第2端子T2及び第3端子T3とそれぞれ電気的に接続される。
第4端子T4は、第1磁性層11と電気的に接続される。第5端子T5は、第2磁性層12と電気的に接続される。制御部70は、第1〜第5端子T1〜T5と電気的に接続される。
制御部70は、例えば、第1〜第3動作を実施する。第1動作において、制御部70は、第1端子T1から第3端子T3に向けた第1電流、及び、第2端子T2から第3端子T3に向けた第2電流を供給する。第2動作において、制御部70は、第3端子T3から第1端子T1に向けた第3電流、及び、第3端子T3から第2端子T2に向けた第4電流を供給する。第1動作により、2つの磁性素子の組みにおいて、1つの抵抗状態が得られる。第2動作により、2つの磁性素子の組みにおいて、別の1つの抵抗状態が得られる。第1動作は、例えば、「1」及び「0」の一方の書き込み動作に対応する。第2動作は、例えば、「1」及び「0」の他方の書き込み動作に対応する。
第3動作において、制御部70は、第4端子T4と第5端子T5との間(第1磁性層11と第2磁性層12との間)に電圧を印加し、第3端子T3(第2部分21b)の電位を検出する。複数の抵抗状態において、第3端子T3(第2部分21b)の電位が異なる。第3端子T3(第2部分21b)の電位を検出することで、複数の抵抗状態(複数の記憶状態)が検出できる。
磁気記憶装置120の1つの例においては、第1絶縁部61の材料は、第2絶縁部62の材料とは異なる。例えば、第3絶縁部63の材料は、第2絶縁部62の材料とは異なる。第3絶縁部63の材料は、第1絶縁部61の材料と同じでも良い。
例えば、第1絶縁部61及び第3絶縁部63は、例えば、窒化シリコンを含む。第2絶縁部62は、例えば、酸化シリコンを含む。
第1導電部材21において、端部(第1部分21a及び第4部分21d)と、中央部分(第2部分21b)と、の間で、温度の上昇の程度が異なる。例えば、第1導電部材において、端部と中央部分との間で、膨張が異なる。端部に位置する第1絶縁部61及び第3絶縁部63と、中央部分に位置する第2絶縁部62と、の間で材料を変えることで、温度の上昇の不均一さ、及び、膨張の不均一さにより生じる局所的な応力を緩和できる。
1つの例において、第1絶縁部61及び第3絶縁部63の熱膨張係数は、第2絶縁部62の熱膨張係数よりも大きい。
図14(a)及び図14(b)に示すように、磁気記憶装置120は、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cをさらに含んでも良い。第1絶縁領域41から第1対向絶縁領域41cへの第2方向において、第1磁性素子SB1及び第2磁性素子SB2は、第1絶縁領域41と第1対向絶縁領域41cとの間に設けられる。
1つの例において、第1絶縁部61の材料は、第1絶縁領域41の材料とは異なっても良い。例えば、第1絶縁領域41は、第1絶縁部61に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、第1絶縁部61に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、第1絶縁部61に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、第1絶縁部61に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、第1絶縁部61の空孔率よりも高い第1空孔率、及び、第1絶縁部61の密度よりも低い第1密度の少なくともいずれかを有しても良い。
例えば、第1導電部材21に電流が流れたときに、第1導電部材21に局所的な応力が生じやすい。第1導電部材21とX軸方向で対向する第1絶縁部61及び第3絶縁部63の材料と、第1導電部材21とY軸方向で対向する第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cの材料と、を互いに異ならせることで、局所的な応力を緩和し易くできる。
例えば、第1絶縁領域41(及び第1対向絶縁領域41c)は、SOGまたは樹脂などにより形成されても良い。第1絶縁部61(及び第3絶縁部63)は、CVDなどにより形成されても良い。
磁気記憶装置120の別の例において、第2絶縁部62の材料が、第1絶縁領域41の材料と異なっても良い。この場合も、局所的な応力を緩和し易くできる。
この場合、第1絶縁領域41は、第2絶縁部62に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、第2絶縁部62に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、第2絶縁部62に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、第2絶縁部62に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、第2絶縁部62の空孔率よりも高い空孔率、及び、第2絶縁部62の密度よりも低い密度の少なくともいずれかを有しても良い。
図14(c)、図15(a)及び図15(b)に示すように、絶縁層48が設けられても良い。絶縁層48から第1磁性素子SB1への方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。絶縁層48から第2磁性素子SB2への方向は、第3方向に沿う。絶縁層48は、例えば、第1部材20sと第1導電部材21との間に設けられる。例えば、絶縁層48と第1磁性素子SB1との間に第1導電部材21が設けられる。絶縁層48は、例えば、第1導電部材21の応力を調整しても良い。例えば、第1導電部材21周りに設けられる絶縁部が安定になる。応力の調整により、例えば、第1導電部材21の特性が安定になる。絶縁層48は、第1導電部材21の一部に設けられても良い。例えば、第1導電部材は、Z軸方向において、絶縁層48と重なる部分と、重ならない部分と、を含んでも良い。
例えば、絶縁層48は、例えば、Al、Si、Ti、Ta、Hf、Mg、B、Sc、Li及びCrよりなる群から選択された少なくとも1つの第1元素と、酸素及び窒素よりなる群から選択された少なくとも1つの第2元素と、を含む。
図16(a)〜図16(c)は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式図である。
図16(a)は、図16(c)の矢印ARからみた平面図である。図16(c)は、図16(a)のI1−I2線断面図である。図16(b)は、X−Y平面で切断した断面図である。図16(b)は、第1導電部材21を含む平面における断面図である。
図16(a)及び図16(c)に示すように、磁気記憶装置121も、磁気記憶装置120と同様に、第1絶縁部61、第2絶縁部62、第3絶縁部63、第1導電部材21、第1磁性素子SB1及び第2磁性素子SB2を含む。磁気記憶装置121は、第4絶縁部64、第5絶縁部65、第3磁性素子SB3及び第4磁性素子SB4をさらに含む。
既に説明したように、第1絶縁部61から第3絶縁部63に向かう第1方向(例えばX軸方向)において、第2絶縁部62は、第1絶縁部61と第3絶縁部63との間にある。第1導電部材21は、第1絶縁部の少なくとも一部と、第3絶縁部63の少なくとも一部と、の間に設けられる(図16(b)参照)。第1磁性素子SB1は、第1絶縁部61と第2絶縁部62との間に設けられる。第1導電部材21から第1磁性素子SB1への方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。第2磁性素子SB2は、第2絶縁部62と第3絶縁部63との間に設けられる。第1導電部材21から第2磁性素子SB2への方向は、第3方向に沿う。
第1方向(X軸方向)において、第4絶縁部64は、第3絶縁部63と第5絶縁部65との間にある。第2導電部材22は、第3絶縁部63の少なくとも一部と、第5絶縁部65の少なくとも一部と、の間に設けられる。
第3磁性素子SB3は、第3絶縁部63と第4絶縁部64との間に設けられる。第2導電部材22から第3磁性素子SB3への方向は、第3方向(例えば、Z軸方向)に沿う。 第4磁性素子SB4は、第4絶縁部64と第5絶縁部65との間に設けられる。第2導電部材22から第4磁性素子SB4への方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。
第1導電部材21は、第1〜第5部分21a〜21eを含む。第1部分21aから第4部分21dへの方向は、第1方向(X軸方向)に沿う。第2部分21bは、第1部分21aと第4部分21dとの間にある。第3部分21cは、第1部分21aと第2部分21bとの間にある。第5部分21eは、第2部分21bと第4部分21dとの間にある。
図16(c)に示すように、第1磁性素子SB1において、第3部分21cと第1磁性層11との間に第1対向磁性層11cが設けられる。第1磁性層11と第1対向磁性層11cとの間に第1非磁性層11nが設けられる。第2磁性素子SB2において、第5部分21eと第2磁性層12との間に第2対向磁性層12cが設けられる。第2磁性層12と第2対向磁性層12cとの間に第2非磁性層12nが設けられる。
第2導電部材22は、第6〜第10部分22f〜22iを含む。第6部分22fから第9部分22iへの方向は、第1方向(X軸方向)に沿う。第7部分22gは、第6部分22fと第9部分22iとの間にある。第8部分22hは、第6部分22fと第7部分22gとの間にある。第10部分22jは、第7部分22gと第9部分22iとの間にある。X軸方向において、第1導電部材21の第1部分21aと、第2導電部材22の第9部分22iと、の間に、第1導電部材21の第4部分21dと、第2導電部材22の第6部分22fがある。
図16(c)に示すように、第3磁性素子SB3は、第3磁性層13、第3対向磁性層13c及び第3非磁性層13nを含む。第8部分22hと第3磁性層13との間に第3対向磁性層13cが設けられる。第3磁性層13と第3対向磁性層13cとの間に第3非磁性層13nが設けられる。第4磁性素子SB4は、第4磁性層14、第4対向磁性層14c及び第4非磁性層14nを含む。第10部分22jと第4磁性層14との間に第4対向磁性層14cが設けられる。第4磁性層14と第4対向磁性層14cとの間に第4非磁性層14nが設けられる。
図16(c)に示すように、第3絶縁部63は、第1領域63a、第2領域63b及び第3領域63cを含む。第1導電部材21の一部(第4部分21d)から第3絶縁部63の第1領域63aへの方向は、第3方向に沿う。第2導電部材22の一部(第6部分22f)から第3絶縁部63の第2領域63bへの方向は、第3方向に沿う。第3絶縁部63の第3領域63cは、第1方向(例えばX軸方向)において、第1導電部材21と第2導電部材22との間にある。例えば、第1導電部材21の端部(第4部分21d)が、第3絶縁部63の第1領域63a及び第3領域63cにより、Z軸方向及びX軸方向から保持される。例えば、第2導電部材22の端部(第6部分22f)が、第3絶縁部63の第2領域63b及び第3領域63cにより、Z軸方向及びX軸方向から保持される。安定して保持されるため、第1導電部材21及び第2導電部材22の変形などが抑制される。
図16(c)に示すように、第1接続部EC1及び第2接続部EC2がさらに設けられても良い。第3方向(Z軸方向)において、第1接続部EC1と第1領域63aとの間に第1導電部材21の上記の一部(第4部分21d)がある。第1接続部EC1は、第1導電部材21の上記の一部(第4部分21d)と電気的に接続される。第3方向(Z軸方向)において、第2接続部EC2と第2領域63bとの間に第2導電部材22の上記の一部(第6部分22f)がある。第2接続部EC2は、第2導電部材22の上記の一部(第6部分22f)と電気的に接続される。
このような構成により、第4部分21dは、Z軸方向において、第1領域63aと第1接続部EC1との間に挟まれ、安定して保持される。第6部分22fは、Z軸方向において、第2領域63bと第2接続部EC2との間に挟まれ、安定して保持される。第1導電部材21及び第2導電部材22が、より安定し、変形などがより抑制される。
図16(c)に示すように、第3〜第6接続部EC3〜EC6がさらに設けられても良い。Z軸方向において、第3接続部EC3と第1絶縁部61との間に第1導電部材21の第1部分21aがある。第3接続部EC3は、第1部分21aと電気的に接続される。Z軸方向において、第4接続部EC4と第2絶縁部62との間に第1導電部材21の第2部分21bがある。第4接続部EC4は、第2部分21bと電気的に接続される。Z軸方向において、第5接続部EC5と第5絶縁部65との間に第2導電部材22の第9部分22iがある。第5接続部EC5は、第5部分22iと電気的に接続される。Z軸方向において、第6接続部EC6と第4絶縁部64との間に第2導電部材22の第7部分22gがある。第6接続部EC6は、第7部分22gと電気的に接続される。
第3接続部EC3、第1接続部EC1及び第4接続部EC4は、図15(a)に関して説明した第1接続部材31、第2接続部材32及び第3接続部材33にそれぞれ対応する。
第2接続部EC2、第6接続部EC6及び第5接続部EC5は、図15(a)に関して説明した第1接続部材31、第2接続部材32及び第3接続部材33と同様の機能を有しても良い。
例えば、第3接続部EC3、第1接続部EC1、第4接続部EC4、第1磁性層11及び第2磁性層12は、制御部70と電気的に接続されても良い。例えば、第2接続部EC2、第6接続部EC6、第5接続部EC5、第1磁性層11及び第2磁性層12は、制御部70と電気的に接続されても良い。
磁気記憶装置121において、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cがさらに設けられても良い。
磁気記憶装置121において、例えば、第1絶縁領域41は、第1絶縁部61に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、第1絶縁部61に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、第1絶縁部61に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、第1絶縁部61に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、第1絶縁部61の空孔率よりも高い第1空孔率、及び、第1絶縁部61の密度よりも低い第1密度の少なくともいずれかを有しても良い。
磁気記憶装置121において、例えば、第1絶縁領域41は、第2絶縁部62に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、第2絶縁部62に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、第2絶縁部62に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、第2絶縁部62に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、第2絶縁部62の空孔率よりも高い第1空孔率、及び、第2絶縁部62の密度よりも低い第1密度の少なくともいずれかを有しても良い。
図17は、第2実施形態に係る磁気記憶装置を例示する模式的断面図である。
図17は、図15(b)に対応する断面図である。実施形態に係る磁気記憶装置122においては、第1絶縁領域41及び第1対向絶縁領域41cの形状は、磁気記憶装置120におけるそれとか異なっている。磁気記憶装置122におけるこれ以外の構成は、磁気記憶装置120における構成と同様でも良い。
図17に示すように、磁気記憶装置122においては、第1導電部材21の第3方向(Z軸方向)における位置は、第1絶縁領域41の一部の第3方向における位置と、第1絶縁領域41の別の一部の第3方向における位置と、の間にある。例えば、第1絶縁領域41の下端は、第1導電部材21の下端よりも下にある。例えば、第1絶縁領域41の上端は、第1導電部材21の上端よりも上にある。
第1導電部材21の第3方向(Z軸方向)における位置は、第1対向絶縁領域41cの一部の第3方向における位置と、第1対向絶縁領域41cの別の一部の第3方向における位置と、の間にある。例えば、第1対向絶縁領域41cの下端は、第1導電部材21の下端よりも下にある。例えば、第1対向絶縁領域41cの上端は、第1導電部材21の上端よりも上にある。
このような構成により、第1導電部材21における局所的な応力が緩和し易くなる。
第1実施形態及び第2実施形態に係る磁気記憶装置において、第1磁性素子SB1のZ軸方向に沿う長さ(厚さ)は、第1導電部材21のZ軸方向に沿う長さ(厚さ)の5倍以下であることが好ましい。第1磁性素子SB1が薄いことで、第1導電部材21の応力の制御が容易になる。例えば、第1磁性素子SB1において、IrMnなどの磁性部により、第1磁性層11の磁化を制御する技術が考えられる。例えば、磁性部などを省略することで、第1磁性素子SB1を薄くし易くなる。
上記の実施形態において、磁性層(第1〜第4磁性層11〜14、及び、第1〜第4対向磁性層11c〜14cなど)は、例えば、強磁性である。磁性層は、例えば、Fe、Co及びNiからなる群から選択された少なくとも1つを含む。非磁性層(第1〜第4非磁性層11n〜14nなど)は、例えば、MgO、CaO、SrO、TiO、VO、NbO及びAl2O3よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。非磁性層は、例えば、Ga、Al、及び、Cuよりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
導電部材(第1導電部材21及び第2導電部材22など)は、例えば、Ta、W、Pt及びAuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。
磁気記憶装置において、記憶密度の上昇により微細化が進むと、記憶層からの漏洩磁場が近隣素子に及ぼす影響が大きくなり、書き込みエラー率WERが上昇する。磁気記憶装置において、素子微細化による高記録密度化と、熱擾乱耐性と、を両立させることが重要である。実施形態によれば、素子間隔が狭くても書き込みエラー率WERが低くできる。熱擾乱耐性の高い磁気記憶装置を提供できる。近接素子からの漏洩磁場による磁化反転エネルギーのばらつきを抑制できる。熱擾乱耐性の低下を抑制できる。
実施形態は、以下の構成(例えば、技術案)を含んでも良い。
(構成1)
第1絶縁領域と、
第1対向絶縁領域と、
前記第1絶縁領域と前記第1対向絶縁領域との間に設けられた第1導電部材であって、前記第1導電部材は、前記第1絶縁領域から前記第1対向絶縁領域への第2方向と交差する第1方向に延びる、前記第1導電部材と、
前記第1絶縁領域と前記第1対向絶縁領域との間に設けられた第1磁性素子であって、前記第1導電部材から前記第1磁性素子への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する、前記第1磁性素子と、
を備え、
前記第1絶縁領域の前記第1導電部材に対向する第1絶縁側面の一部は、前記第1方向に対して傾斜し、
前記第1対向絶縁領域の前記第1導電部材に対向する第1対向絶縁側面の一部は、前記第1方向に対して傾斜した、磁気記憶装置。
(構成2)
前記第1磁性素子は、複数設けられ、
前記第1絶縁側面と前記第1対向絶縁側面との間の前記第2方向に沿う距離は、前記複数の第1磁性素子に対応して増減を繰り返す、構成1記載の磁気記憶装置。
(構成3)
第2絶縁領域と、
第2対向絶縁領域と、
をさらに備え、
前記第1導電部材は、
第1部分と、
第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、
を含み、前記第1部分から前記第2部分への方向は、前記第1方向に沿い、
前記第2絶縁領域及び前記第2対向絶縁領域は、前記第2方向において、前記第1絶縁領域と前記第1対向絶縁領域との間にあり、
前記第1部分から前記第2絶縁領域への方向、前記第2部分から前記第2対向絶縁領域への方向、及び、前記第3部分から前記第1磁性素子への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1絶縁領域の材料は、前記第2絶縁領域の材料とは異なる、構成1記載の磁気記憶装置。
(構成4)
前記第1絶縁領域は、
前記第2絶縁領域に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、
前記第2絶縁領域に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、
前記第2絶縁領域に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、
前記第2絶縁領域に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、
前記第2絶縁領域の空孔率よりも高い空孔率、及び、
前記第2絶縁領域の密度よりも低い密度、
の少なくともいずれかを有する、構成3記載の磁気記憶装置。
(構成5)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含み、前記第1部分から前記第2部分への第1方向に沿って延びる、前記第1導電部材と、
第1絶縁領域であって、前記第1絶縁領域から前記第1導電部材への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1絶縁領域と、
第1磁性素子であって、前記第3部分から前記第1磁性素子への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する、前記第1磁性素子と、
第2絶縁領域であって、前記第1部分から前記第2絶縁領域への方向は、前記第3方向に沿い、前記第2絶縁領域から前記第1磁性素子への方向は、前記第1方向に沿う、前記第2絶縁領域と、
を備え、
前記第1絶縁領域は、
前記第2絶縁領域に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、
前記第2絶縁領域に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、
前記第2絶縁領域に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、
前記第2絶縁領域に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、
前記第2絶縁領域の空孔率よりも高い空孔率、及び、
前記第2絶縁領域の密度よりも低い密度、
の少なくともいずれかを有する、磁気記憶装置。
(構成6)
前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第1磁性素子に対向する第1側面を含み、
前記第2絶縁領域は、前記第1方向において前記第1磁性素子に対向する第2側面を含み、
前記第2方向及び前記第3方向を含む第1切断面において前記第1側面は、前記第1磁性素子に向かって凸状であり、
前記第1切断面における前記第1側面の曲率は、前記第1方向及び前記第3方向を含む第2切断面における前記第2側面の曲率よりも高い、構成3〜5のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成7)
第1部材をさらに備え、
前記第1部材は、第1部材領域と、第2部材領域と、前記第1部材領域と前記第2部材領域との間の第3部材領域と、を含み、
前記第1部材領域から前記第2部材領域への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1部材領域から前記第1絶縁領域への方向、及び、前記第3部材領域から前記第1磁性素子への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3部材領域は、前記第2方向と交差する側面を含み、
前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記側面の少なくとも一部と対向する、構成1〜6のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成8)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含み、前記第1部分から前記第2部分への第1方向に沿って延びる、前記第1導電部材と、
第1絶縁領域であって、前記第1絶縁領域から前記第1導電部材への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1絶縁領域と、
第1磁性素子であって、前記第3部分から前記第1磁性素子への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する、前記第1磁性素子と、
第1部材と、
を備え、
前記第1部材は、第1部材領域と、第2部材領域と、前記第1部材領域と前記第2部材領域との間の第3部材領域と、を含み、
前記第1部材領域から前記第2部材領域への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1部材領域から前記第1絶縁領域への方向、及び、前記第3部材領域から前記第1磁性素子への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3部材領域は、前記第2方向と交差する側面を含み、
前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記側面の少なくとも一部と対向する、磁気記憶装置。
(構成9)
第2絶縁領域と、
第2対向絶縁領域と、
前記第1部分から前記第2絶縁領域への方向、前記第2部分から前記第2対向絶縁領域への方向、及び、前記第3部分から前記第1磁性素子への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第1磁性素子に対向する第1側面を含み、
前記第2絶縁領域は、前記第1方向において前記第1磁性素子に対向する第2側面を含み、
前記第2方向及び前記第3方向を含む第1切断面において前記第1側面は、前記第1磁性素子に向かって凸状であり、
前記第1切断面における前記第1側面の曲率は、前記第1方向及び前記第3方向を含む第2切断面における前記第2側面の曲率よりも高い、構成8記載の磁気記憶装置。
(構成10)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含み、前記第1部分から前記第2部分への第1方向に沿って延びる、前記第1導電部材と、
第1絶縁領域であって、前記第1絶縁領域から前記第1導電部材への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1絶縁領域と、
第1磁性素子であって、前記第3部分から前記第1磁性素子への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する、前記第1磁性素子と、
第2絶縁領域であって、前記第1部分から前記第2絶縁領域への方向は、前記第3方向に沿い、前記第2絶縁領域から前記第1磁性素子への方向は、前記第1方向に沿う、前記第2絶縁領域と、
前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第1磁性素子に対向する第1側面を含み、
前記第2絶縁領域は、前記第1方向において前記第1磁性素子に対向する第2側面を含み、
前記第2方向及び前記第3方向を含む第1切断面において前記第1側面は、前記第1磁性素子に向かって凸状であり、
前記第1切断面における前記第1側面の曲率は、前記第1方向及び前記第3方向を含む第2切断面における前記第2側面の曲率よりも高い、磁気記憶装置。
(構成11)
第1部分と、第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間の第3部分と、を含み、前記第1部分から前記第2部分への方向は、第1方向に沿う、前記第1導電部材と、
第1絶縁領域であって、前記第1絶縁領域から前記第1導電部材への第2方向は、前記第1方向と交差した、前記第1絶縁領域と、
第2絶縁領域であって、前記第2絶縁領域から前記第1導電部材への方向は、前記第1方向に沿い、前記第1絶縁領域の材料は、前記第2絶縁領域の材料とは異なる、前記第2絶縁領域と、
第1磁性素子であって、前記第3部分から前記第1磁性素子への第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する、前記第1磁性素子と、
を備えた磁気記憶装置。
(構成12)
前記第1絶縁領域は、
前記第2絶縁領域に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、
前記第2絶縁領域に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、
前記第2絶縁領域に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、
前記第2絶縁領域に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、
前記第2絶縁領域の空孔率よりも高い空孔率、及び、
前記第2絶縁領域の密度よりも低い密度、
の少なくともいずれかを有する、構成11記載の磁気記憶装置。
(構成13)
前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記第1磁性素子に対向する第1側面を含み、
前記第2絶縁領域は、前記第1方向において前記第1磁性素子に対向する第2側面を含み、
前記第2方向及び前記第3方向を含む第1切断面において前記第1側面は、前記第1磁性素子に向かって凸状であり、
前記第1切断面における前記第1側面の曲率は、前記第1方向及び前記第3方向を含む第2切断面における前記第2側面の曲率よりも高い、構成11または12に記載の磁気記憶装置。
(構成14)
第1部材をさらに備え、
前記第1部材は、第1部材領域と、第2部材領域と、前記第1部材領域と前記第2部材領域との間の第3部材領域と、を含み、
前記第1部材領域から前記第2部材領域への方向は、前記第2方向に沿い、
前記第1部材領域から前記第1絶縁領域への方向、及び、前記第3部材領域から前記第1磁性素子への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3部材領域は、前記第2方向と交差する側面を含み、
前記第1絶縁領域は、前記第2方向において前記側面の少なくとも一部と対向する、構成11〜13のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成15)
前記第1磁性素子は、
第1磁性層と、
前記第3方向において前記第1導電部材と前記第1磁性層との間に設けられた第1対向磁性層と、
前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、
を含む、構成1〜14のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成16)
前記第1導電部材の前記第1方向に沿う格子長は、前記第1導電部材の前記第2方向に沿う格子長とは異なる、構成1〜15のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成17)
第1絶縁部と、
第2絶縁部と、
第3絶縁部であって、前記第1絶縁部から前記第3絶縁部に向かう第1方向において前記第2絶縁部は、前記第1絶縁部と前記第3絶縁部との間にある、前記第3絶縁部と、
前記第1絶縁部の少なくとも一部と前記第3絶縁部の少なくとも一部との間に設けられた第1導電部材と、
前記第1絶縁部と前記第2絶縁部との間に設けられた第1磁性素子であって、前記第1導電部材から前記第1磁性素子への方向は、前記第1方向と交差する第3方向に沿う、前記第1磁性素子と、
前記第2絶縁部と前記第3絶縁部との間に設けられた第2磁性素子であって、前記第1導電部材から前記第2磁性素子への方向は、前記第3方向に沿う、前記第2磁性素子と、
を備え、
前記第1絶縁部の材料は、前記第2絶縁部の材料とは異なる、磁気記憶装置。
(構成18)
第1絶縁領域と、
第1対向絶縁領域と、
をさらに備え、
前記第1絶縁領域から前記第1対向絶縁領域への第2方向において、前記第1磁性素子及び前記第2磁性素子は、前記第1絶縁領域と前記第1対向絶縁領域との間に設けられ、
前記第1絶縁部の前記材料は、前記第1絶縁領域の材料とは異なる、構成17記載の磁気記憶装置。
(構成19)
前記第1絶縁領域は、
前記第1絶縁部に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、
前記第1絶縁部に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、
前記第1絶縁部に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、
前記第1絶縁部に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、
前記第1絶縁部の空孔率よりも高い空孔率、及び、
前記第1絶縁部の密度よりも低い密度、
の少なくともいずれかを有する、構成18記載の磁気記憶装置。
(構成20)
第1絶縁領域と、
第1対向絶縁領域と、
をさらに備え、
前記第1絶縁領域から前記第1対向絶縁領域への第2方向において、前記第1磁性素子及び前記第2磁性素子は、前記第1絶縁領域と前記第1対向絶縁領域との間に設けられ、
前記第2絶縁部の前記材料は、前記第1絶縁領域の材料とは異なる、構成17記載の磁気記憶装置。
(構成21)
前記第1絶縁領域は、
前記第2絶縁部に含まれるシラノール基の濃度よりも高い第1濃度、
前記第2絶縁部に含まれる水酸基の濃度よりも高い第2濃度、
前記第2絶縁部に含まれる炭化水素基の濃度よりも高い第3濃度、
前記第2絶縁部に含まれるイミド基の濃度よりも高い第4濃度、
前記第2絶縁部の空孔率よりも高い空孔率、及び、
前記第2絶縁部の密度よりも低い密度、
の少なくともいずれかを有する、構成20記載の磁気記憶装置。
(構成22)
前記第1導電部材の前記第3方向における位置は、前記第1絶縁領域の一部の前記第3方向における位置と、前記第1絶縁領域の別の一部の前記第3方向における位置と、の間にある、構成17〜21のいずれか1つ記載の磁気記憶装置。
(構成23)
第4絶縁部と、
第5絶縁部であって、前記第1方向において、前記第4絶縁部は、前記第3絶縁部と前記第5絶縁部との間にある、前記第5絶縁部と、
前記第3絶縁部の少なくとも一部と前記第5絶縁部の少なくとも一部との間に設けられた第2導電部材と、
前記第3絶縁部と前記第4絶縁部との間に設けられた第3磁性素子であって、前記第2導電部材から前記第3磁性素子への方向は、前記第3方向に沿う、前記第3磁性素子と、
前記第4絶縁部と前記第5絶縁部との間に設けられた第4磁性素子であって、前記第2導電部材から前記第4磁性素子への方向は、前記第3方向に沿う、前記第4磁性素子と、
をさらに備え、
前記第1導電部材の一部から前記第3絶縁部の第1領域への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第2導電部材の一部から前記第3絶縁部の第2領域への方向は、前記第3方向に沿い、
前記第3絶縁部の第3領域は、前記第1方向において、前記第1導電部材と前記第2導電部材との間にある、構成17〜22のいずれか1つに記載の磁気記憶装置。
(構成24)
第1接続部及び第2接続部をさらに備え、
前記第3方向において、前記第1接続部と前記第1領域との間に前記第1導電部材の前記一部があり、前記第1接続部は、前記第1導電部材の前記一部と電気的に接続され、
前記第3方向において、前記第2接続部と前記第2領域との間に前記第2導電部材の前記一部があり、前記第2接続部は、前記第2導電部材の前記一部と電気的に接続された、構成23記載の磁気記憶装置。
(構成25)
絶縁層をさらに備え、
前記絶縁層から前記第1磁性素子への方向は、前記第3方向に沿い、
前記絶縁層は、Al、Si、Ti、Ta、Hf、Mg、B、Sc、Li及びCrよりなる群から選択された少なくとも1つの第1元素と、酸素及び窒素よりなる群から選択された少なくとも1つの第2元素と、を含む、構成1〜24のいずれか1つ記載の磁気記憶装置。
実施形態によれば、記憶密度が向上できる磁気記憶装置が提供できる。
本願明細書において、「電気的に接続される状態」は、複数の導電体が物理的に接してこれら複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。「電気的に接続される状態」は、複数の導電体の間に、別の導電体が挿入されて、これらの複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。「電気的に接続される状態」は、複数の導電体の間に、電気的な素子(トランジスタなどのスイッチ素子など)が挿入されて、これらの複数の導電体の間に電流が流れる状態を形成可能な状態を含む。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気記憶装置に含まれる金属含有層、磁性層、中間層、絶縁領域、絶縁層、絶縁部、ベース層及び制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての磁気記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。