JP2021044359A - 磁気記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高性能な磁気記憶装置を提供する。【解決手段】磁気記憶装置において、メモリセルMCは、下部電極21を含み、下部電極21の上面上に磁気抵抗効果素子VRが設けられる。磁気抵抗効果素子VRは、強磁性体22、絶縁体23及び強磁性体24を含む。絶縁体23は、強磁性体22及び強磁性体24の間に位置する。強磁性体22は、磁気抵抗効果素子VRの底面を含む部分に位置するとともに下部電極21の上面上に位置し、強磁性体24は、磁気抵抗効果素子VRの上面を含む部分に位置する。絶縁体23は、強磁性体22の上面上に位置し、強磁性体24は絶縁体23の上面上に位置する。【選択図】図3

Description

実施形態は、概して磁気記憶装置に関する。
磁気抵抗効果を用いてデータを記憶可能な磁気記憶装置が知られている。
特開2013−065756号公報
高性能な磁気記憶装置を提供しようとするものである。
一実施形態による磁気記憶装置は、第1面を有する第1導電体を含む。第1強磁性体を含んだ第1構造が、上記第1導電体の上記第1面上に設けられる。第1絶縁体が、上記第1構造上に設けられる。第2強磁性体を含んだ第2構造が上記第1絶縁体上に設けられる。第2導電体は、上記第1導電体の上記第1面及び上記第1構造の側面と接する。第2絶縁体は、上記第2導電体上に位置し、上記第1絶縁体の側面を覆い、上記第1構造の側面及び上記第2構造の側面と接する。第3導電体は、上記第2絶縁体上に位置し、上記第2構造の上記側面と接する。
図1は、第1実施形態の磁気記憶装置の機能ブロックを示す。 図2は、第1実施形態の1つのメモリセルの回路図である。 図3は、第1実施形態のメモリセルの一部の断面構造を示す。 図4は、第1実施形態のメモリセルの一部の構造の製造工程の一状態を示す。 図5は、図4に後続する状態を示す。 図6は、図5に後続する状態を示す。 図7は、図6に後続する状態を示す。 図8は、図7に後続する状態を示す。 図9は、第2実施形態のメモリセルの一部の断面構造を示す。 図10は、第2実施形態のメモリセルの一部の構造の製造工程の一状態を示す。 図11は、図10に後続する状態を示す。 図12は、図11に後続する状態を示す。 図13は、図12に後続する状態を示す。 図14は、図13に後続する状態を示す。 図15は、図14に後続する状態を示す。 図16は、図15に後続する状態を示す。 図17は、図16に後続する状態を示す。
以下に実施形態が図面を参照して記述される。以下の記述において、略同一の機能及び構成を有する構成要素は同一符号を付され、繰り返しの説明は省略される場合がある。図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なり得る。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
また、或る実施形態についての記述は全て、明示的に又は自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施形態の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定しない。
本明細書及び特許請求の範囲において、ある第1要素が別の第2要素に「接続されている」とは、第1要素が直接的又は常時あるいは選択的に導電性となる要素を介して第2要素に接続されていることを含む。
以下、xyz直行座標系が用いられて、実施形態が記述される。以下の記述において、「下」との記述及びその派生語並びに関連語は、z軸上のより小さい座標の位置を差し、「上」との記述及びその派生語並びに関連語は、z軸上のより大きい座標の位置を指す。
<第1実施形態>
<1.構造(構成)>
図1は、第1実施形態の磁気記憶装置の機能ブロックを示す。図1に示されるように、磁気記憶装置1は、メモリセルアレイ11、入出力回路12、制御回路13、ロウ選択回路14、カラム選択回路15、書込み回路16、及び読出し回路17を含む。
メモリセルアレイ11は、複数のメモリセルMC、複数のワード線WL、及び複数のビット線BL並びに/BLを含む。1つのビット線BLと1つのビット線/BLは1つのビット線対を構成する。
メモリセルMCは、データを不揮発に記憶することができる。各メモリセルMCは、1つのワード線WL及び1つのビット線対BL並びに/BLと接続されている。ワード線WLは、行(ロウ)と関連付けられている。ビット線対BL及び/BLは、列(カラム)と関連付けられている。1つのロウの選択及び1つ又は複数のカラムの選択により、1つ又は複数のメモリセルMCが特定される。
入出力回路12は、例えばメモリコントローラ2から、種々の制御信号CNT、種々のコマンドCMD、アドレス信号ADD、及びデータ(書込みデータ)DATを受け取り、例えばメモリコントローラ2にデータ(読出しデータ)DATを送信する。
ロウ選択回路14は、入出力回路12からアドレス信号ADDを受け取り、受け取られたアドレス信号ADDにより特定される行と関連付けられた1つのワード線WLを選択された状態にする。
カラム選択回路15は、入出力回路12からアドレス信号ADDを受け取り、受け取られたアドレス信号ADDにより特定される列と関連付けられた複数のビット線BLを選択された状態にする。
制御回路13は、入出力回路12から制御信号CNT及びコマンドCMDを受け取る。制御回路13は、制御信号CNTによって指示される制御及びコマンドCMDに基づいて、書込み回路16及び読出し回路17を制御する。具体的には、制御回路13は、メモリセルアレイ11へのデータの書込みの間に、データ書込みに使用される電圧を書込み回路16に供給する。また、制御回路13は、メモリセルアレイ11からのデータの読出しの間に、データ読出しに使用される電圧を読出し回路17に供給する。
書込み回路16は、入出力回路12から書込みデータDATを受け取り、制御回路13の制御及び書込みデータDATに基づいて、データ書込みに使用される電圧をカラム選択回路15に供給する。
読出し回路17は、センスアンプを含み、制御回路13の制御に基づいて、データ読出しに使用される電圧を使用して、メモリセルMCに保持されているデータを割り出す。割り出されたデータは、読出しデータDATとして、入出力回路12に供給される。
図2は、第1実施形態の1つのメモリセルMCの回路図である。メモリセルMCは、磁気抵抗効果素子VR及び選択トランジスタSTを含む。磁気抵抗効果素子VRは、磁気抵抗効果を示し、例えばMTJ(magnetic tunnel junction)素子を含む。MTJ素子は、MTJを含む構造を指す。磁気抵抗効果素子VRは、定常状態において、2つの抵抗状態の選択された一方にあり、2つの抵抗状態の一方の抵抗は他方での抵抗より高い。磁気抵抗効果素子VRは、低抵抗の状態と高抵抗の状態との間を切り替わることができ、2つの抵抗状態の違いを利用して、1ビットのデータを保持することができる。
選択トランジスタSTは、例えば、n型のMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)である。
磁気抵抗効果素子VRは、第1端において1つのビット線BLに接続され、第2端において選択トランジスタSTの第1端(ソース又はドレイン)に接続される。選択トランジスタSTの第2端(ドレイン又はソース)は、ビット線/BLに接続される。選択トランジスタSTのゲートは1つのワード線WLに接続され、ソースはビット線/BLに接続される。
<1.2.構造(構成)>
図3は、第1実施形態のメモリセルMCの一部の断面の構造を示し、特に、磁気抵抗効果素子VRとその周囲の要素の断面構造を示す。
図3に示されるように、メモリセルMCは、下部電極21を含む。下部電極21は、半導体基板(図示せず)の上方に位置し、底面において選択トランジスタST(図示せず)と接続されている。下部電極21は、銅(Cu)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、及びタングステン(W)の1つ以上を含む。
下部電極21の上面上に磁気抵抗効果素子VRが設けられている。磁気抵抗効果素子VRは、例えば、xy面に沿って実質的な円の形状を有し、上面において底面の面積よりも小さい面積を有する円錐台の形状を有する。磁気抵抗効果素子VRは、強磁性体22、絶縁体23、及び強磁性体24を含む。絶縁体23は、強磁性体22及び強磁性体24の間に位置する。例として、強磁性体22は、磁気抵抗効果素子VRの底面を含む部分に位置するとともに下部電極21の上面上に位置し、強磁性体24は、磁気抵抗効果素子VRの上面を含む部分に位置する。例として、絶縁体23は強磁性体22の上面上に位置し、強磁性体24は絶縁体23の上面上に位置する。以下の記述及び図は、これらの例に基づく。
強磁性体22は、1層の強磁性体のみを含む構造を有していてもよいし、複数の強磁性体及び1以上の導電体が積層された構造を有していてもよい。強磁性体22は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、Ta、イリジウム(Ir)、プラチナ(Pt)、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、Sc、イットリウム(Y)、Hf、Ta、W、及びネオジム(Nd)の1つ以上を含む。強磁性体22は、強磁性体22、絶縁体23、及び強磁性体24の界面を貫く方向に沿った磁化容易軸を有し、例えば界面と直交する方向に沿った磁化容易軸を有する。強磁性体22の磁化の向きは磁気記憶装置1でのデータの読出し及び書込みによっても不変であることを意図されている。強磁性体22は、いわゆる参照層として機能することができる。
絶縁体23は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)を含むか、MgOからなる。絶縁体23は、トンネルバリアとして機能することができる。
強磁性体24は、1層の強磁性体のみを含む構造を有していてもよいし、複数の強磁性体及び1以上の導電体が積層された構造を有していてもよい。強磁性体24は、Fe、Co、ニッケル(Ni)、Ru、Rh、Pd、Ta、Ir、Pt、Mg、Si、Al、Sc、Y、Hf、Ta、W、及びNdの1つ以上を含む。強磁性体24は、強磁性体22、絶縁体23、及び強磁性体24の界面を貫く方向に沿った磁化容易軸を有し、例えば界面と直交する方向に沿った磁化容易軸を有する。強磁性体24の磁化の向きはデータ書込みによって可変であり、強磁性体24は、いわゆる記憶層として機能することができる。
強磁性体24の磁化の向きが強磁性体22の磁化の向きと平行であると、磁気抵抗効果素子VRは、より低い抵抗を有する状態にある。強磁性体24の磁化の向きが強磁性体22の磁化の向きと反平行であると、磁気抵抗効果素子VRは、より高い抵抗を有する状態にある。
データ読出しのために、例えば、データ読出し対象のメモリセルMCを流れる読出し電流が使用されて、読出し対象のメモリセルMCの磁気抵抗効果素子VRが2つの抵抗の状態のいずれにあるかが判断される。
強磁性体24から強磁性体22に向かって或る大きさの書込み電流IWが流れると、強磁性体24の磁化の向きは強磁性体22の磁化の向きと平行になる。一方、強磁性体22から強磁性体24に向かって書込み電流IWAPが流れると、強磁性体24の磁化の向きは強磁性体22の磁化の向きと反平行になる。
強磁性体24の上面上には、上部電極25が設けられている。
磁気抵抗効果素子VRの側面上には、保護膜31が設けられている。保護膜31は、例えば、磁気抵抗効果素子VRの側面を覆う。保護膜31は、導電体311、絶縁体312、及び導電体313を含む。
導電体311は、保護膜31のうちの保護膜31の底面を含む最下の部分に位置する。導電体311の上面は、強磁性体22の上面より下方に位置する。すなわち、導電体311は、強磁性体22の側面のうち、底面の位置から上面より若干下の位置までに亘る部分を覆う。導電体311は、例えば、強磁性体22に含まれる種々の元素及び(又は)そのような元素の酸化物を含む。具体的には、導電体311は、酸化された形態でも導電性を有する元素を含み、より具体的には、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ta、W、Ir、及びPtの1つ以上を含む。導電体311は、例えば、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ta、W、Ir、及びPt、並びにこれらの元素の酸化物の1つ以上を含む。
絶縁体312は、保護膜31の中間の部分に位置し、例えば、導電体311の上面上に位置する。絶縁体312は、絶縁体23の側面を覆う。絶縁体312の底面は、絶縁体23の底面より下方に位置する。すなわち、絶縁体312のうちの絶縁体312の底面を含む下部は、強磁性体22の側面と接している。絶縁体312の上面は、絶縁体23の上面より上方に位置する。すなわち、絶縁体312のうちの絶縁体312の底面を含む上部は、導電体313の側面と接している。絶縁体312は、例えば、絶縁体312より下方の要素に含まれる種々の元素の酸化物を含む。具体的には、絶縁体312は、酸化されると絶縁性を有する導電性の元素を含み、より具体的には、絶縁体312は、Mg、Si、Al、Sc、Y、Hf、及びNdの1つ以上を含む。絶縁体312は、例えば、Mg、Si、Al、Sc、Y、Hf、及びNd、並びにこれらの元素の酸化物の1つ以上を含む。
導電体313は、保護膜31のうちの保護膜31の上面を含む最上の部分に位置し、例えば、絶縁体312の上面上に位置する。導電体313の上端は、強磁性体24の上面より上方に位置する。又は、導電体313の上端は、上部電極25の側面の全体を覆っていてもよい。導電体313は、強磁性体24に含まれる種々の元素及び(又は)そのような元素の酸化物を含む。具体的には、導電体313は、酸化された形態でも導電性を有する元素を含み、具体的には、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ta、W、Ir、及びPtの1つ以上を含む。導電体313は、例えば、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ta、W、Ir、及びPt、並びにこれらの元素の酸化物の1つ以上を含む。
保護膜31の外側の側面、すなわち、磁気抵抗効果素子VRと反対側の側面は、絶縁体33により覆われている。絶縁体33は、さらに、上部電極25の側面のうちの導電体313により覆われていない部分、及び下部電極21の上面のうちの磁気抵抗効果素子VR並びに導電体311により覆われていない部分を覆う。絶縁体33は、例えば、窒化シリコンを含むか、窒化シリコンからなる。
<1.2.製造方法>
図3に示される構造は、種々の方法で製造されることが可能である。特に、強磁性体22及び(又は)24が積層構造を有する場合に強磁性体22及び(又は)24に含まれる層の数や種類(材料)に依存して、種々の方法が使用されることが可能である。以下に、強磁性体22が或る積層構造、具体的には導電体221、導電体222、及び強磁性体223を含んだ積層構造を有する例に基づく製造方法が記述される。しかしながら、第1実施形態のメモリセルMCの製造方法は、以下に記述される例に限られない。
図4から図8は、第1実施形態のメモリセルMCの一部の構造の製造工程の一状態を順に示し、図3と同じ部分を示す。図4から図8は、図3の構造のより詳細な一例についての製造工程を示す。
図4に示されるように、下部電極21の上面上に、導電体221A、導電体222A、及び強磁性体223Aがこの順に堆積される。導電体221A、導電体222A、及び強磁性体223Aは、後続の工程でそれぞれ導電体221、導電体222、及び強磁性体223へと成形される層である。導電体221A、導電体222A、及び強磁性体223Aは、強磁性体22に含まれる材料と同じ1又は複数の材料を含む。
強磁性体223A上に、絶縁体23A、強磁性体24A、及び導電体25Aがこの順に堆積される。絶縁体23A、強磁性体24A、及び導電体25Aは、後続の工程でそれぞれ絶縁体23、強磁性体24、及び上部電極25へと成形される層であり、それぞれ絶縁体23、強磁性体24、及び上部電極25と同じ1または複数の材料を含む。
導電体25Aの上面上にハードマスク41が形成される。ハードマスク41は、上部電極25が形成される予定の領域の直上において残存するパターンを有し、その他の領域において、上面から底面に達する開口41aを有する。ハードマスク41は、導電性を有し、例えば、窒化チタンを含むか、窒化チタンからなる。
図5に示されるように、ここまでの工程によって得られる構造がイオンビームを用いてエッチングされる。実施形態のイオンビームエッチング(IBE)は、例えば、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、クリプトン(Kr)、またはネオン(Ne)のイオンを使用して行われることが可能である。図5のIBEは、第1IBEと称される場合がある。第1IBEのイオンビームは、z軸に対して角度を有する。イオンビームは、ハードマスク41の開口41aを介して進行し、導電体25A、強磁性体24A、絶縁体23A、及び強磁性体223Aを部分的に除去する。第1IBEにより、導電体25Aは、上部電極25へと成形される。
第1IBEにより、強磁性体24A、絶縁体23A、及び強磁性体223Aからなる構造は、側面においてテーパー状へと成形され、強磁性体24A、絶縁体23A、及び強磁性体223Aは、それぞれ強磁性体24B、絶縁体23B、及び強磁性体223Bへと加工される。
第1IBEによって、エッチング対象の材料から除去された材料が周りの要素に再度堆積し得る。そのような材料は、強磁性体24A、絶縁体23A、及び強磁性体223Aから削られた材料、並びに図5に示される構造の隣の別のメモリセルMCのための構造中のハードマスク41のパターンから削られた材料を含む。再堆積によって、膜313Aが形成される。膜313Aは、後続の工程で絶縁体312へと加工される膜であり、絶縁体312に含まれる材料と同じ1又は複数の材料を含む。膜313Aは、ハードマスク41の側面、上部電極25の側面、及び強磁性体24Bの側面のうちの上部を覆う。膜313Aは、例えば、ハードマスク41の側面、上部電極25の側面、及び強磁性体24Bの側面のうちの強磁性体24Bの一部に亘って連続している。
図6に示されるように、ここまでの工程によって得られる構造がイオンビームを用いてエッチングされる。図6のIBEは、第2IBEと称される場合がある。第2IBEのイオンビームは、z軸に対して角度を有する。第2IBEのイオンビームのz軸に対する角度は、第1IBEのイオンビームのz軸に対する角度と異なり得る。イオンビームは、ハードマスク41の開口41aを介して進行し、強磁性体24B、絶縁体23B、強磁性体223B、及び導電体222Aを部分的に除去する。第2IBEにより、強磁性体24B、絶縁体23B、強磁性体223B、及び導電体222Aは、強磁性体24、絶縁体23、強磁性体223、および導電体222Bへと成形される。第2IBEは、膜313Aも部分的に除去し、膜313Aは薄くなる。
第2IBEによって、エッチング対象の材料から除去された材料が周りの要素に再度堆積し得る。そのような材料は、導電体222Aから削られた材料を含む。再堆積によって、膜312Aが形成される。膜312Aは、後続の工程で絶縁体312へと加工される膜であり、絶縁体312に含まれる材料と同じ1又は複数の材料を含む。膜312Aは、強磁性体24の側面のうちの下部かつ膜313Aによって覆われていない部分、絶縁体23の側面、及び強磁性体223の側面を覆う。膜312Aは、例えば、強磁性体24の側面のうちの下部、絶縁体23の側面、及び強磁性体223の側面に亘って連続している。
第2IBEによるイオンビームは、膜313Aによって遮られる。このため、膜313Aによって覆われている部分は、イオンビームから保護される。保護される部分は、強磁性体24の側面のうちの上部を含む。
図7に示されるように、ここまでの工程によって得られる構造がイオンビームを用いてエッチングされる。図7のIBEは、第3IBEと称される場合がある。第3IBEのイオンビームは、z軸に対して角度を有する。第3IBEのイオンビームのz軸に対する角度は、第1IBEイオンビームのz軸に対する角度及び(又は)第2IBEのイオンビームのz軸に対する角度と異なり得る。イオンビームは、ハードマスク41の開口41aを介して進行し、導電体221Aを部分的に除去する。第3IBEにより、導電体222B及び導電体221Aは、それぞれ、導電体222及び導電体221へと成形される。第3IBEは、膜312A及び膜313Aも部分的に除去し、この結果、膜312A及び膜313Aは導電体313及び絶縁体312へとそれぞれ形成される。
第3IBEによって、エッチング対象の材料から除去された材料が周りの要素に再度堆積し得る。そのような材料は、導電体221Aから削られた材料を含む。再堆積によって、導電体311が形成される。導電体311は、導電体222の側面および導電体221の側面を覆う。導電体311は、例えば、導電体222の側面及び導電体221の側面に亘って連続している。
第3IBEによるイオンビームは、導電体313及び絶縁体312によって遮られる。このため、導電体313及び絶縁体312によって覆われている部分は、イオンビームから保護される。保護される部分は、強磁性体24の側面のうちの下部、絶縁体23の側面、強磁性体223の側面を含む。
図7までの工程により、強磁性体24、絶縁体23、及び強磁性体22の側面が導電体313、絶縁体312、及び導電体311により覆われる構造が形成される。
図8に示されるように、ここまでの工程によって得られる構造上の全面に絶縁体33Aが堆積される。絶縁体33Aは、絶縁体33へと成形される層であり、絶縁体33に含まれる材料と同じ材料を含む。絶縁体33Aは、ハードマスク41の側面の上部及び上面、並びに導電体313、絶縁体312、及び導電体311を覆う。導電体313、絶縁体312、及び導電体311により、上部電極25、強磁性体24、絶縁体23、強磁性体223、導電体222、及び導電体221の側面は覆われている。このため、絶縁体33Aの堆積において生じ得るダメージが、上部電極25、強磁性体24、絶縁体23、強磁性体223、導電体222、及び導電体221に及ぶことは抑制される。そのようなダメージは、例えば、絶縁体33Aがプラズ雰囲気でのCVD(chemical vapor deposition)によって堆積される場合のプラズマによるダメージを含む。
この後、例えば、絶縁体33Aのうちのハードマスク41の上面上の部分が除去される。この結果、図3に示される構造が形成される。
<1.3.利点(効果)>
第1実施形態によれば、以下に記述されるように、性能の高いメモリセルMCを含んだ磁気記憶装置1が提供されることが可能である。
メモリセルMCの性能は、以下の3つの要因によって低下し得る。第1の要因は、意図せぬ導電経路の形成による、磁気抵抗効果の発現の不良である。上で記述されるように、図3に示される構造は、構造に含まれる材料などの種々の理由により、IBEにより形成される場合があり、IBEのイオンビームはz軸に対して角度を有する場合がある。このようなIBEでは、エッチング対象から除去された材料が、製造途中の構造に再堆積しやすい。再堆積によって絶縁体23の側面上に強磁性体24と強磁性体22とに亘る電流経路をもたらす導電体が形成されると、このような電流経路が付加された磁気抵抗効果素子VRは、意図される磁気抵抗効果を発揮できない。
第1実施形態によれば、絶縁体23の形成後に、絶縁体23の側面上に絶縁体312が形成される。絶縁体312は、強磁性体24の側面と強磁性体22の側面に亘るため、絶縁体23の側面を十分に覆う。よって、絶縁体23の形成後のIBEによる再堆積が生じたとしても、絶縁体23を迂回して強磁性体24と強磁性体22とを繋ぐ電流経路が形成されることは抑制又は防止されることが可能である。
第2の要因は、磁気抵抗効果素子VRと上部電極25との界面、及び(又は)磁気抵抗効果素子VRと下部電極21との界面における寄生抵抗である。これらの寄生抵抗は、磁気抵抗効果素子VRを流れる電流を、寄生抵抗がない場合よりも低下させる。電流の低下は、磁気記憶装置1の性能を低下させ得る。
第1実施形態によれば、導電体311及び導電体313が設けられる。導電体311は、下部電極21と強磁性体22とを繋ぐ電流経路として機能し、導電体313は、強磁性体22と上部電極25とを繋ぐ電流経路として機能する。これらの電流経路の存在により、下部電極21と強磁性体22との間の抵抗、及び強磁性体22と上部電極25との間の抵抗は、これらの電流経路が無い場合の抵抗よりも低い。よって、磁気抵抗効果素子VRを流れる電流は大きい。
第3の要因は、磁気抵抗効果素子VRへのダメージである。磁気抵抗効果素子VRの形成後に、磁気抵抗効果素子VRがプラズマ雰囲気に晒されることがある。例えば、絶縁体33の形成が、プラズマ雰囲気中で行われる。プラズマは物体にダメージを与え得る。磁気抵抗効果素子VRの側面上に直接、絶縁体33が形成されるとすると、磁気抵抗効果素子VRがプラズマ雰囲気に晒されるとき、磁気抵抗効果素子VRの側面は露出している。この露出している部分がプラズマによってダメージを受け得る。このダメージは、磁気抵抗効果素子VRの磁気特性を劣化させ得る。
第1実施形態によれば、絶縁体33の形成の前に、磁気抵抗効果素子VRの側面は、保護膜31により覆われる。保護膜31は、磁気抵抗効果素子VRの形成後に磁気抵抗効果素子VRがプラズマ雰囲気に晒されるときに、磁気抵抗効果素子VRをプラズマから保護する。この保護は、形成済みの磁気抵抗効果素子VRへのプラズマのダメージによる磁気抵抗効果素子VRの磁気特性の劣化を抑制できる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、メモリセルMCの構造、特に保護膜31の構造の詳細の点で、第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と異なる点が主に記述される。第2実施形態の磁気記憶装置1のその他の特徴については、第1実施形態に磁気記憶装置1のものが当てはまる。
<2.1.構造(構成)>
図9は、第2実施形態のメモリセルMCの一部の断面構造を示し、特に、磁気抵抗効果素子VRとその周囲の要素の断面構造を示す。第2実施形態のメモリセルMCは、第1実施形態のメモリセルMCとの区別のために、メモリセルMCaと称される場合がある。メモリセルMCaは、第1実施形態と同じく、導電体311、絶縁体312、及び導電体313を含むとともに磁気抵抗効果素子VRの側面を覆う保護膜31を有する。第2実施形態の保護膜31、絶縁体312、及び導電体313は、第1実施形態のものと区別のために、それぞれ、保護膜31a、絶縁体312a、及び導電体313aと称される場合がある。
図9に示されるように、絶縁体312aは、絶縁体312と同じく、強磁性体22の側面のうちの上部、絶縁体23の側面、及び強磁性体24の側面のうちの下部を覆う。絶縁体312aは、強磁性体22の側面のうちの上部、絶縁体23の側面、及び強磁性体24の側面のうちの下部を覆う部分に加えて、導電体311の側面を覆う部分を有する。
導電体313aは、導電体313と同じく、強磁性体24の側面のうちの上部、及び上部電極25の側面を覆う。導電体311の側面は絶縁体312aにより覆われ、このため、絶縁体33は、第1実施形態のように導電体311、絶縁体312a、及び導電体313aの側面を覆うのに代えて、絶縁体312aの側面及び導電体313aのみの側面を覆う。
<2.2.製造方法>
図10から図17は、第2実施形態のメモリセルMCの一部の構造の製造工程の一状態を順に示し、図9と同じ部分を示す。
図10に示されるように、磁気抵抗効果素子VR、及び導電体25Aが形成される。導電体25Aは、後の工程で上部電極25へと成形される層であり、上部電極25より厚い。図10の構造は、任意の方法で形成されることが可能である。図10の構造は、例えば、磁気抵抗効果素子VRへと成形される材料、及び導電体25Aへと成形される材料が順に堆積され、これらの材料が、図示せぬマスクを用いたIBEによりエッチングされることにより形成されることが可能である。
図11に示されるように、ここまでの工程によって得られる構造上の全面に、導電体311Aが堆積される。導電体311Aは、後の工程で導電体311へと成形される層であり、導電体311に含まれる材料と同じ材料を含む。導電体311Aは、下部電極21の上面のうちの露出している部分、磁気抵抗効果素子VRの側面、並びに上部電極25の上面及び側面を覆う。
図12に示されるように、導電体311Aが、エッチバックされて、導電体311へと成形される。すなわち、エッチバックにより、導電体311Aは、強磁性体22の側面のうちの下部を覆う部分を除いて除去される。エッチバックは、例えば、IBEにより行われることが可能である。エッチバックにより、導電体25Aの上面は低下する。
図13に示されるように、ここまでの工程によって得られる構造上の全面に、絶縁体312aAが堆積される。絶縁体312aAは、後続の工程で絶縁体312aへと成形される層であり、絶縁体312aに含まれる材料と同じ材料を含む。絶縁体312aAは、下部電極21の上面のうちの露出している部分、磁気抵抗効果素子VRの側面のうちの露出している部分、並びに導電体25Aの上面及び側面を覆う。
図14に示されるように、絶縁体312aAが、エッチバックされて、絶縁体312aへと成形される。すなわち、エッチバックにより、絶縁体312aAは、導電体311の側面上、及び強磁性体22の側面のうちの上部、絶縁体23の側面、並びに強磁性体24の側面のうちの下部を覆う部分を除いて除去される。エッチバックは、例えば、IBEにより行われることが可能である。エッチバックにより、導電体25Aの上面は低下する。
図15に示されるように、ここまでの工程によって得られる構造上の全面に、導電体313aAが堆積される。導電体313aAは、後続の工程で導電体313aへと成形される導電体であり、導電体313aに含まれる材料と同じ材料を含む。導電体313aAは、下部電極21の上面のうちの露出している部分、絶縁体312aの側面、磁気抵抗効果素子VRの側面のうちの露出している部分、並びに導電体25Aの上面及び側面を覆う。
図16に示されるように、導電体313aAが、エッチバックされて、導電体313aへと成形される。すなわち、エッチバックにより、強磁性体24の側面のうちの上部及び導電体25Aの側面を覆う部分を除いて除去される。導電体313aAは、下部電極21に接していなければ、絶縁体312aの側面上に残存していてもよい。エッチバックは、例えば、IBEにより行われることが可能である。エッチバックによって導電体25Aの上面は低下し、導電体25Aは上部電極25へと成形される。図16までの工程により、強磁性体24、絶縁体23、及び強磁性体22の側面が、導電体313a、絶縁体312a、及び導電体311により覆われる構造が形成される。
図17に示されるように、図8と同じく、ここまでの工程によって得られる構造上の全面に絶縁体33Aが堆積される。この後、例えば、絶縁体33Aのうちのハードマスク41の上面上の部分が除去される。この結果、図9に示される構造が形成される。
<2.3.利点(効果)>
第2実施形態よれば、第1実施形態と同じく、磁気抵抗効果素子VRの側面上及び上部電極25の側面上に、導電体311、絶縁体312a、及び313aが形成される。このため、第1実施形態と同じ利点を得られる。
<3.変形例>
ここまでの記述は、強磁性体22が絶縁体23の下方に位置するとともに強磁性体24が絶縁体の23の上方に位置する例に関する。実施形態は、この例に限られない。強磁性体22が絶縁体23の上方に位置し、強磁性体24が絶縁体の23の下方に位置していてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…磁気記憶装置、11…メモリセルアレイ、12…入出力回路、13…制御回路、14…ロウ選択回路、15…カラム選択回路、16…書込み回路、17…読出し回路、MC…メモリセル、WL…ワード線、BL、/BL…ビット線、VR…磁気抵抗効果素子、ST…選択トランジスタ、21…下部電極、22…強磁性体、23…絶縁体、24…強磁性体、25…上部電極、31…保護膜、311…導電体、312…絶縁体、313…導電体、33…絶縁体、41…ハードマスク。

Claims (9)

  1. 第1面を有する第1導電体と、
    前記第1導電体の前記第1面上の、第1強磁性体を含んだ第1構造と、
    前記第1構造上の第1絶縁体と、
    前記第1絶縁体上の、第2強磁性体を含んだ第2構造と、
    前記第1導電体の前記第1面及び前記第1構造の側面と接する第2導電体と、
    前記第2導電体上に位置し、前記第1絶縁体の側面を覆い、前記第1構造の側面及び前記第2構造の側面と接する、第2絶縁体と、
    前記第2絶縁体上に位置し、前記第2構造の前記側面と接する、第3導電体と、
    を備える磁気記憶装置。
  2. 前記磁気記憶装置は、前記第2構造上の第4導電体をさらに備え、
    前記第3導電体は、前記第4導電体の側面とさらに接する、
    請求項1に記載の磁気記憶装置。
  3. 前記第2導電体、前記第2絶縁体、及び前記第3導電体の組は、前記第1構造の前記側面及び前記第2構造の前記側面の組をさらに覆う、
    請求項1又は請求項2に記載の磁気記憶装置。
  4. 前記第2導電体の側面、前記第2絶縁体の側面、及び前記第3導電体の側面を覆う第3絶縁体をさらに備える、
    請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の磁気記憶装置。
  5. 前記第2導電体は、酸化された状態で導電性を有する元素を含む、
    請求項1に記載の磁気記憶装置。
  6. 前記第2導電体は、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ta、W、Ir、及びPtの1つ以上を含む、
    請求項1に記載の磁気記憶装置。
  7. 前記第2絶縁体は、前記第1絶縁体の材料と異なる材料を備える、
    請求項1に記載の磁気記憶装置。
  8. 前記第2絶縁体は、酸化されると絶縁性を有する導電性の元素を含む、
    請求項1に記載の磁気記憶装置。
  9. 前記第2絶縁体は、Mg、Si、Al、Sc、Y、Hf、及びNdの1つ以上を含む、
    請求項1に記載の磁気記憶装置。
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